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熱戦譜〜2022年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2022.02.05  日本バンタム級
 王座決定戦10回戦
 澤田京介  5R負傷判定  大嶋剣心
2022.02.05 8回戦  湯場海樹  判定  近藤哲哉
2022.02.06  4回戦(ライトフライ級決勝)
 第68回全日本新人王戦
 坂間叶夢  判定  神垣拓磨
2022.02.06  4回戦(スーパーフェザー級決勝)
 第68回全日本新人王戦
 李 鎮宇  TKO2R  山名生竜
2022.02.06  4回戦(スーパーライト級決勝)
 第68回全日本新人王戦
 関根幸太朗  KO2R  山下玄輝
2022.02.08  日本ライト級
 王座決定戦10回戦
 宇津木 秀  TKO9R  鈴木雅弘
2022.02.19  WBCシルバー ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 ザウル・アブドゥラエフ  TKO12R  ホルヘ・リナレス
2022.02.27  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 ユーリ阿久井政悟  判定  粉川拓也

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                       2022年2月5日(土)    後楽園ホール
                       日本バンタム級王座決定戦10回戦
                  日本バンタム級1位    負 傷 判 定   日本バンタム級2位
               ○   澤田京介    5回0分27秒    大嶋剣心   ●
                        (JB SPORTS) 117 3/4 lbs                    (帝拳) 118 lbs
                                                       おおしま・けんしん

 初回,澤田が軽快な動きを見せ,左からの右ストレートを当てる。大嶋は前に出て左右フックから。
 2回,激しいパンチの応酬。大嶋の左フックでぐらついた澤田がロープに突っ込む。澤田も右ストレート,左フックで反撃し,試合は一気にヒートアップした。終盤,リング中央で左右フックの応酬になる。澤田の左フック2発で大嶋がぐらつく。すかさず澤田が左から右のフックをアゴにヒットすれば,大きくバランスを崩した大嶋はロープの間に突っ込む。ロープがなければ倒れていたと判断した松原主審は,ここでカウント9を数えた。
 3回は大嶋が上下に右ストレートをヒットする。ここでバッティングが発生し,右側頭部をカットした澤田はドクターチェックを受ける。再開後,澤田の左フックが決まった。
 4回,負傷によるストップを意識した大嶋が右ストレート,左右フックで迫る。右側頭部からの出血が増した澤田は再びドクターチェックを受ける。澤田の左フックがヒットするが,再びバッティングが発生し,右目上をカット。澤田の出血は多く,大嶋も返り血を浴び,流血戦の様相を呈した。
 5回開始早々,澤田の右側頭部と右目上の出血が多くなり,3度目のドクターチェック。結局続行不能とされ,ここで試合が終わった。

 2019年10月に挑戦権を獲得していた澤田。王座決定戦での負傷ドロー,コロナウイルス蔓延による中止と延期,対戦相手の計量失格などの紆余曲折を経て,悲願のタイトル獲得となった。モチベーションを切らさずに努力することは並大抵の苦労ではなかったはず。札幌工(北海道)→日大でアマ85戦61勝(18KO・RSC)25敗。右ボクサーファイターで,軽快なフットワークに乗せた右ストレート,左フックを得意としている。ただし,ガードが開く癖がある。
 大嶋は弘前工(青森)→自衛隊でアマ40戦27勝(10KO・RSC)13敗。右ストレート,左フックを得意とする右ボクサーファイターである。しかし,こちらもガードが開いてしまい,カウンターを返される場面が見られた。

5回までの採点 澤田 大嶋
主審:松原暢宏 *** ***
副審:杉山利夫 47 48
副審:染谷路朗 48 47
副審:ビニー・マーチン 48 46
参考:MAOMIE 48 47


     ○澤田:19戦15勝(6KO)2敗2分     33歳     身長:167cm
     ●大嶋:10戦7勝(3KO)2敗1分      26歳     身長:169cm

     放送:G+
     解説:セレス小林&山中慎介
     実況:平松修造

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                      2022年2月5日(土)    後楽園ホール
                         8回戦(スーパーライト級)
                日本ユース ライト級チャンピオン        日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   湯場海樹     判 定     近藤哲哉   ●
                            (ワタナベ) 139 3/4 lbs                (横田スポーツ) 140 lbs
                            ゆば・かいき                  こんどう・てつや

 左の湯場,右の近藤。前に出る近藤に対し,湯場は左に回りながら慎重な滑り出し。近藤は右ストレートをボディに。湯場も左ストレートを返すが,終盤近藤の右ストレートで湯場がロープを背にのけぞる。
 2回,湯場の右ジャブからの左フックで近藤がバランスを崩す。3回,近藤は右ストレート,フックを浴びせて攻勢。湯場はクリンチで逃れようとするが,守勢に回って弱気なところを見せる。
 5回,近藤の右ショートストレートに対し,湯場が左ストレートを返す。さらに湯場の左ストレートで近藤の腰が落ちる。終盤,不用意に出たところ,湯場のきれいなワンツーがアゴを捉え,近藤は思わず尻餅をつく(カウント9)。近藤は苦笑して立ち上がったが,湯場の左ストレートでぐらつき,ゴングに救われる。
 6回,近藤は愚直に前進するが,湯場の左ストレートを再三受けた。
 7回は近藤。開始早々,右ストレートをヒット。湯場も左ストレートを返すが,近藤に攻め込まれると弱気なところが出る。
 8回は湯場。近藤の出バナに左ストレート,右フックを浴びせ,決定打を許さない。

 湯場が近藤の右ストレートに脅かされながらも,ダウンを奪って判定勝ち。日章学園高(宮崎)でアマ41戦33勝のキャリアがある。5階級で日本王座を制覇した湯場忠志の長男である。長身のサウスポーでリーチに恵まれたボクサータイプである点は父と同じ。左ストレートの伸びも,打たれ脆さも父譲りである。最大の武器はこの左ストレートであるが,攻め込まれると横を向いたり,クリンチに出たりという弱気な面が出るのが欠点。
 近藤は右ファイタータイプで右ストレート,フックにパンチ力がある。ほぼベタ足でスピードはないが,常に前に出て右ストレート,フックを浴びせて攻め込む。ただし,頭や上体の振りがないため,湯場の左ストレートの標的になった。

採点結果 湯場 近藤
主審:岡庭 健 *** ***
副審:染谷路朗 79 72
副審:浅尾和信 78 74
副審:田中浩二 78 73
参考:MAOMIE 77 74


     ○湯場:11戦8勝(5KO)1敗2分     23歳     身長:178cm
     ●近藤:11戦6勝(4KO)5敗        24歳     身長:171cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:鈴木 健

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                  2022年2月6日(日)    後楽園ホール
                第68回全日本新人王決勝戦(ライトフライ級)
                            4回戦
                     東軍代表            西軍代表
               ○   坂間叶夢   判 定   神垣拓磨   ●
                          (ワールドスポーツ) 108 lbs            (井岡) 107 3/4 lbs
                          さかま・かなむ            かみがき・たくま
               坂間は技能賞を受賞


 初回,神垣がボディに右ストレート,左フックを打って前に出る。しかし,上背で勝る坂間が中盤から左ジャブ,右ストレート,ボディに左アッパー,フックを打って押していく。
 2回,坂間がプレスを増した。左ジャブ,右ストレート,ボディに左アッパー,フック。右から左のアッパーをボディに打たれ,これが効いた神垣は後退。さらに左アッパーでアゴが上がる。
 3回,頭をつけた打ち合い。神垣は左右フックの連打で迫る。坂間は食い込まれながらも右ストレート,ボディへの左右アッパーで応戦。終盤,坂間の左アッパー,右ストレートでぐらついた神垣がロープに詰まる。
 4回,激しい打ち合いが続く。神垣は左右フックで食い下がるが,坂間の右から左のアッパーが効く。坂間は右ストレート,ボディへの左右アッパーで攻勢。神垣もよく応戦したが,及ばず。

 新人王戦の決勝にふさわしい白熱戦。上背で勝る現役高校生・坂間が決め手となるパンチの多さで上回った。右ボクサーファイターで右ストレート,ボディへの左右アッパーを得意としている。上下への打ち分けがよくできている。外から腕を回すようにレバーや脇腹を打つ左フック,鳩尾に突き上げる左アッパーを使い分けている。
 神垣は右ファイタータイプ。左右フックの連打を得意としており,旺盛な手数が身上。よく食い下がったが,上下への打ち分けで前進を止められた。ボディブローが効いてしまったことが響いた。

採点結果 坂間 神垣
主審:福地勇治 *** ***
副審:中村勝彦 40 36
副審:葛城明彦 39 37
副審:浅尾和信 40 36
参考:MAOMIE 40 36


     ○坂間:5戦5勝(4KO)     18歳     身長:165cm
     ●神垣:4戦2勝1敗1分     21歳     身長:160cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:安藤 翔

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                    2022年2月6日(日)    後楽園ホール
                第68回全日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                           4回戦
                  東軍代表    T  K  O     西軍代表
             ○   李 鎮宇   2回1分54秒   山名生竜   ●
                       (角海老宝石) 130 lbs               (HKスポーツ) 129 1/2 lbs
                   り・じぬ                    やまな・せいりゅう
             李は敢闘賞を受賞

 右の李,左の山名。右ストレートを当てて攻め込む李。しかし,ロープを背にして放った山名の左ストレートがカウンターになる。浅かったが,危ないタイミングだった。山名は動きながら左右フックを打つが,ガードが開いてアゴが上がる。終了間際,右ストレートを空振りした李は大きくバランスを崩した。
 2回,気をよくした山名は小刻みなステップでリズムを取りながら左ストレート,右フックを狙う。しかし,ここで李の鮮やかな右ストレートがアゴに炸裂。たまらず青コーナーで腰からキャンバスに落ちる山名(カウント8)。左右フックのボディ打ちから返した左フックがアゴに決まり,前に落ちた山名は2度目のダウン。染谷主審はノーカウントで試合をストップした。

 パンチ力がある長身同士のスリリングな試合。李は右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力がある。カウンターのタイミングにもいいものがある。ただし,打った後にバランスを崩し,アゴが上がる場面があった。東京朝鮮高(東京)→駒澤大でアマ35戦19勝16敗。いかにも実直そうな人柄が滲み出る勝利者インタビューが好印象。
 山名はサウスポーのボクサーファイターで東亜大2年に在学中の現役大学生。左ストレートにパンチ力があり,この左で李をぐらつかせる場面もあった。しかし,こちらもアゴのガードがお留守になる欠点があり,そこを見事に突かれてしまった。

     主審:染谷路朗,副審:葛城明彦&古田厳一&浅尾和信
     ○李:8戦8勝(4KO)         25歳     身長:175cm
     ●山名:3戦2勝(1KO)1敗     20歳     身長:175cm
     放送:G+     解説:浜田剛史     ゲスト:尾川堅一     実況:北脇太基

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                    2022年2月6日(日)    後楽園ホール
                第68回全日本新人王決勝戦(スーパーライト級)
                            4回戦
                  東軍代表      K      O      西軍代表
           ○   関根幸太朗    2回2分26秒    山下玄輝   ●
                     (ワタナベ) 139 3/4 lbs                      (結花) 139 1/4 lbs
            関根はMVPを受賞                   やました・げんき

 開始早々から関根が左ジャブからじりじりと距離を詰める。山下は下がらされ,クリンチで防ぐのが精いっぱい。体を寄せて攻撃を防ごうとするが,関根は構わず左アッパーでボディを強襲する。早くもパワーの差が出る。
 2回,プレスを強める関根。左ジャブ,接近してボディへの左アッパー。山下はようやく左ジャブを突いて自分の距離を保つが,それも続かない。クリンチに出るところに強烈な左アッパーをボディに見舞う関根。1分過ぎ,ロープを背負った山下のアゴに左フックがヒットし,山下はかろうじてピンチを逃れる。リング中央,クリンチからの離れ際,山下が気を抜いたところを見逃さず,左フックを振る関根。アゴを打ち抜かれた山下はたまらず仰向けに沈む。青コーナーに陣取る結花ジムの福原寛人会長が棄権を申し入れ,ここで試合が終わった。

 強打に定評がある関根がワンパンチKOでMVPを手にした。右ファイタータイプで左フック,ボディへの左アッパーを武器としている。右でも左でも一発で倒せる破壊力がある。左ジャブを突きながら距離を詰め,アゴ,ボディに左アッパー,フックを打ち込んで積極的に攻め込む。接近するときの踏み込みの鋭さに見るべきものがある。クリンチで相手が見せた一瞬の隙を見逃さない勝負勘も目についた。花咲徳栄高(埼玉)→拓大でアマ38戦18勝(5KO・RSC)20敗。
 山下は長身の右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートを得意としている。パンチ力がある関根に対し,距離を取りたかったところだが,鋭い踏み込みを阻止できなかった。接近を許してからはまさにクリンチで強打を防ぐのが精いっぱい。やはりパワーの差は大きかったと言わざるを得ない。

     主審:福地勇治,副審:葛城明彦&ビニー・マーチン&中村勝彦
     ○関根:3戦3勝(3KO)          24歳     身長:170cm
     ●山下:7戦4勝(2KO)1敗2分     23歳     身長:179cm
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:伊藤大海

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                       2022年2月8日(火)    後楽園ホール
                        日本ライト級王座決定戦10回戦
                    日本ライト級4位   T  K  O  日本ライト級1位
                ○   宇津木 秀   9回0分44秒   鈴木雅弘   ●
                            (ワタナベ) 134 3/4 lbs                  (角海老宝石) 135 lbs
                           うつき・しゅう

 試合は鋭い左ジャブの刺し合いから始まった。宇津木は左ジャブから伸びのいいワンツー,ボディに左右フック。鈴木も左ジャブ,右ストレート。
 2回,宇津木はじりじりと距離を詰めながら,左ジャブ,右ストレート,さらに左アッパーのボディ打ち。鈴木の左ジャブ,右ストレートも鋭いが,左目の周囲が赤くなっている。
 3回,宇津木がプレスをかけ,上下へのコンビネーションブローで迫る。打ち合いで強引に右ストレート,フックをねじ込む宇津木。鈴木は右目尻をカット(宇津木の有効打による傷)。しかし,終盤,鈴木のワンツーがアゴに決まり,宇津木が腰を落とす場面が見られた。
 4回,試合は最初のヤマ場を迎えた。序盤,宇津木が放った右フックのボディ打ちからの左フック。これでアゴを打ち抜かれた鈴木は腰から落ちてダウン(カウント8)。赤コーナーからロープ際に鈴木を追って,宇津木が左右のショート連打で攻勢に出る。鈴木の左右フックは空を切る。終盤,宇津木の左フックが決まり,ロープを背にのけぞる鈴木。これが効いている。宇津木は右ストレート,左フックで攻勢。
 中盤,宇津木は巧みなディフェンスと上下に散らすコンビネーションブローで鈴木を圧倒。鈴木はときおり左右フックで反撃するが,両目の腫れと鼻血に加えて被弾が増える。8回,多彩なパンチでプレスをかける宇津木に対し,被弾がさらに多くなった鈴木は敗色濃厚。宇津木の右フックのカウンターが決まる。
 9回開始早々,宇津木が威力十分の左ジャブ,右ストレートを多用して本格的にプレスをかける。ワンツーからの攻撃で鈴木をロープに詰めて攻勢。青コーナーを背負った鈴木に宇津木が右ストレートを浴びせたところで中村主審が試合をストップした。

 宇津木が見事なTKO勝利で初のタイトル獲得。花咲徳栄高(埼玉)→平成国際大でアマ108戦81勝(23KO・RSC)27敗という堂々たるキャリアを誇る。右ボクサーファイターで,威力がある左ジャブを多用し,ワンツー,ボディへの左アッパーを武器としている。大振りや無駄打ちがなく,ダッキング,ウィービング,ヘッドスリップなどディフェンスも巧みである。激戦に見えて顔に傷ひとつないことが高いディフェンス能力を証明している。上下への打ち分け,緩急をつけたコンビネーションブローが光る。層が厚い中量級戦線に,また一人非凡な才能が加わった。非常に楽しみな逸材である。
 鈴木はスーパーライト級王座を返上して2階級制覇に挑んだが,攻撃を見事に封じられたことが敗因。駿台学園高(東京)→東京農大でアマ90戦64勝(21KO・RSC)26敗。鋭いパンチを上下に浴び,ダメージを蓄積させた。右ストレート,左フックにパンチ力がある右ボクサーファイター。

8回までの採点 宇津木 鈴木
主審:中村勝彦 *** ***
副審:福地勇治 78 73
副審:吉田和敏 80 71
副審:染谷路朗 79 72
参考:MAOMIE 79 72


     ○宇津木:10戦10勝(8KO)     27歳     身長:172cm
     ●鈴木:8戦7勝(4KO)1敗      26歳     身長:173cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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              2022年2月19日(土)    RCCボクシングアカデミー(ロシア:エカテリンブルク)
                        WBCシルバー ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       T   K   O   挑戦者(WBC6位)
             ○   ザウル・アブドゥラエフ   12回2分28秒    ホルヘ・リナレス   ●
                              (ロシア) 135 lbs                            (帝拳) 134 lbs
                     Zaur Abdullaev                         Jorge Linares
                     WBC4位,WBO14位,IBF11位

 前半はリナレスがスピーディなコンビネーションブローで大きくリードした。上下への左ジャブ,ボディへの右ストレート,さらにワンツー。アブドゥラエフのガードは固いが,リナレスはガードの上からでもよく手が出ている。6回までは完全にリナレスのペース。左ジャブを多用し,ワンツー,ボディへの左アッパー。アブドゥラエフが攻勢に出ると,左右に動いて左ジャブを浴びせる。
 しかし,アブドゥラエフは7回あたりから的が大きいボディに左ジャブを打って前に出る。8回,リナレスは左ジャブからボディに左右フック。しかし,アブドゥラエフの左フックからの右ストレート,ワンツーをもらう。
 9回に入るとアブドゥラエフのプレスが強くなった。リナレスをロープに詰め,左から右のフックをボディに。さらに左アッパーのボディブローから右ストレートを浴びせるアブドゥラエフ。さらにリナレスにロープを背負わせて攻勢に出る。
 10回序盤,ロープを背負ったリナレスはアブドゥラエフの右ストレートでのけぞる。
 12回,勝負をかけてぐいぐいと出るアブドゥラエフ。ワンツーを浴びせて攻勢。中盤,相打ちの左フックをアゴにもらったリナレスはもんどり打ってダウン(カウント8)。さらに左フックを受け,ロープ際で腰から落ちて2度目のダウン(カウント8)。ロープを背にしたリナレスに襲いかかるアブドゥラエフ。左フック,右ストレートで防戦一方になったところでグッゲンハイム主審が試合をストップした。

 前半は主導権を握っていたリナレスだが,中盤からアブドゥラエフの反撃を許した。敵地ロシアに乗り込んだが,逆転TKO負けという厳しい結果になった。前半はサークリングしながらの左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右フックなどのスピーディなコンビネーションブローで圧倒した。しかし,潮目が変わったのは6・7回あたり。ここからアブドゥラエフのプレスが目立ち始めた。的が大きいボディに左ジャブを打つなど,馬力を生かして盛り返した。リナレスにとっては,左ジャブ,ワンツーがアブドゥラエフの反撃を阻止するだけの威力を発揮できなかったことが惜しまれる。
 アブドゥラエフは広い肩幅に特徴がある右ファイタータイプ。鈍重な印象でスピードは今一つだが,パンチが重い。右ストレート,左フックを武器としており,打ち合いに強い。

11回までの採点 アブドゥラエフ リナレス
主審:ファビアン・グッゲンハイム(スイス) *** ***
副審:イラクリ・マラゾニア(ロシア) 103 106
副審:ニコラス・イダルゴ(ベネズエラ) 102 107
副審:オレナ・ポビバリオ(ベルギー) 106 103
参考:MAOMIE 104 105


     ○アブドゥラエフ:16戦15勝(9KO)1敗     27歳     身長:175cm
     ●リナレス:54戦47勝(29KO)7敗       36歳     身長:173cm     リーチ:175cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&西岡利晃
     実況:鈴木 健     アシスタント:増田美香

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              2022年2月27日(日)    サントピア岡山総社(岡山県総社市)
                      日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級1位)
             ○   ユーリ阿久井政悟    判 定    粉川拓也   ●
                          (倉敷守安) 111 1/2 lbs               (角海老宝石) 112 lbs
                WBC8位,WBO5位,IBF14位               こがわ・たくや

 開始早々から粉川が体で押し込んで頭をつけるように左フック,ボディへの右フックを打つ。阿久井は左ジャブ,フック,右ストレート。
 3回から阿久井が徐々に的確なパンチを増やしていった。左ジャブからボディ,アゴに左アッパー。さらに右ストレートからボディに左アッパーを打つ。4回終盤,ボディへの左右フックからの左フックで粉川のアゴが跳ね上がる。動きが鈍った粉川に左フック,右ストレートを浴びせる阿久井。
 5回,阿久井が的確な右アッパー,ストレート,左フックでヒットを重ねる。粉川は前に押し込む力が弱まっている。6回,阿久井は脇腹からアゴに左フックを打ち込む。さらに右アッパーから左フックを浴びせる。終盤,脇腹への左フックが効いて動きが鈍った粉川に左フック,右ストレートを見舞う阿久井。
 8回,上下への左右アッパーを的確にヒットしていく阿久井。右ストレートでバランスを崩した粉川に,チャンスと見て右ストレート,左右フックを浴びせる阿久井。粉川は元王者の意地で持ちこたえている。
 9回,試合はさらにワンサイドゲームの様相。阿久井は右ストレート,ボディへの左アッパー。さらに終了間際,左フック,右ストレートの攻勢に出る。守勢に回った粉川はピンチ。
 10回,阿久井は右ストレート,アッパー,ボディへの左アッパーで攻勢。粉川は左フック,右ストレートを連打するが,足がついていかない。最後まで上下へのスピーディなコンビネーションブローで圧倒する阿久井。

 阿久井がワンサイドで元王者・粉川を退け,3度目の防衛に成功。切れ,スピードのあるコンビネーションブローを上下に打ち分けて圧倒した。左ジャブ,右ストレート,上下への左右アッパーなどの多彩な攻撃が光る。密着戦法をとる粉川に対し,3回あたりから的確なパンチを増やしてリードを広げた。終盤は粉川もかなり効いていたので,ショート連打を一気にまとめてストップを狙ってもよかった。地方のジムで気を吐いており,上への挑戦をさせたい選手の一人である。
 粉川はこのクラスの元王者。右ボクサーファイターで,東洋太平洋スーパーフライ級のタイトルを持っていたこともあるベテランである。開始早々から体ごと押し込んで密着しながらパンチを出し,阿久井の攻撃を封じる作戦に出た。しかし,阿久井のスピーディなパンチを上下に打ち分けられ,徐々に動きが鈍った。再三打ち込まれた左アッパーのボディブローが効いていた。まさに完敗。

採点結果 阿久井 粉川
主審:むろや・まさひろ *** ***
副審:飯田徹也 100 90
副審:近藤謙二 100 90
副審:半田隆基 100 90
参考:MAOMIE 100 90


     ○阿久井:20戦17勝(11KO)2敗1分     26歳     身長:163cm
     ●粉川:40戦32勝(14KO)7敗1分       36歳     身長:165cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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