熱戦譜〜2021年10月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2021.10.02  東洋太平洋&WBOアジアパシフィック&日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 福永亮次  判定  梶 颯
2021.10.02 8回戦  久我勇作  判定  田村亮一
2021.10.14 8回戦  佐川 遼  TKO8R  小坂 烈
2021.10.14 4回戦  磯谷大心  TKO1R  羽賀彬光

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2021年9月に戻る     2021年11月に進む →


                       2021年10月2日(土)    後楽園ホール
              東洋太平洋&WBOアジアパシフィック&日本スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(OPBF7位)
                ○   福永亮次    判 定    梶 颯   ●
                            (角海老宝石) 115 lbs           (帝拳) 114 3/4 lbs
                  WBC12位,WBO7位,IBF8位     WBOアジアパシフィック1位,日本3位

 左の福永,右の梶。初回,左ジャブで牽制しながら梶がじりじりと前に出る。福永は右ジャブで牽制しながら左ストレートからボディに左右フック,さらに右フックを引っかける。
 2回,梶の右ストレートがヒット。しかし,福永は右に回り込んで左右フックのボディブローから左ストレート,フックをまとめる。梶の動きをよく見てパンチをまとめる福永。
 3回,梶がギヤを上げる。左右フックを下から上に連打し,福永をロープに詰める。福永はクリンチに逃れる。さらに攻勢に出て福永にロープを背負わせる梶。この辺りは梶が持ち味とする連打の回転力が出ている。
 5回,福永は左右フックのボディ連打から左ストレートをまとめる。しかし,ガードが下がったところに梶の右フックがカウンターになり,福永の腰が落ちる場面が見られた。チャンスと見て激しく攻める梶。福永は連打をまとめるが,再び梶の左から右のフックでぐらつき,ピンチに陥った。梶が猛然と攻勢に出る。
 分が悪い前半を戦った福永は6回,左ストレートからボディへの左右フックを連打。さらにワンツーを浴びせれば,梶の上体が大きく後方に反る。この回は福永が要所で連打をまとめた。梶も前に出るが,攻め倦んだ。
 7回,福永の左ストレートがクリーンヒット。梶は猛然と反撃に出て福永をロープに詰めるが,これは見た目ほどの効果はなかった。逆に福永が左右フックのボディブロー,左ストレートを先に打っている。
 9回は梶。福永はクリンチの離れ際に連打を浴びせる。しかし,梶は右ストレートをヒットしてじりじりと前に出る。終盤の激しい打ち合いでも右ストレート,左フックで梶が打ち勝った。
 10回,梶の左ジャブが的確にヒットする。梶はさらに右ストレートでプレスをかける。福永は後手に回るが,左ストレートをヒット。
 11回,梶はじりじりと前に出るが,福永は右ジャブで牽制しながら上下に連打を浴びせた。ここが勝負どころの梶は手数を出したい。
 12回,梶は思うように手数が出ず,2分過ぎには福永のワンツーでニュートラルコーナーに後退する。福永は攻め倦む梶の胸の内を見透かすように左右フック,左ストレートをまとめる。

 激しいパンチの応酬になったが,福永は辛くもベルトを守った。東洋太平洋は初防衛,WBOアジアパシフィックは3度目,日本は2度目の防衛である。梶の素早い連打に苦しんだが,要所で左ストレート,左右フックをまとめてポイントを重ねたことが勝因。サウスポーのファイタータイプで左ストレート,左右フックの連打を得意としている。その風貌,ボクシングスタイル,パンチの軌道がマニー・パッキャオそっくりのため,「リトル・パッキャオ」の異名を取る。高いKO率を誇るが,一発の威力よりも連打に持ち味がある。梶の右カウンターを警戒して慎重な試合運びになって苦戦した。左ストレートを上下に多く散らし,梶の出足を止めることが必要だった。
 初挑戦の梶はスピーディな右ストレート,左フックを武器とする右ボクサーファイター。チャンスにまとめる左右フックの矢継ぎ早の連打も武器である。福永を再三ピンチに追い込んだが,要所に連打をまとめられてポイントを奪われる結果になった。プレスをかけている割には見ている時間もあり,そこにパンチを返される場面が目についた。勝負どころの11・12回にポイントを失ったことが響いたと言える。

採点結果 福永
主審:松原暢宏 *** ***
副審:杉山利夫 115 113
副審:染谷路朗 115 113
副審:飯田徹也 114 114
参考:MAOMIE 114 114


     ○福永:19戦15勝(14KO)4敗     35歳     身長:168cm
     ●梶:16戦15勝(9KO)1敗        24歳     身長:164cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:山ア 誠

このページのトップに戻る


                     2021年10月2日(土)    後楽園ホール
                      8回戦(スーパーバンタム級)
                  日本S・バンタム級2位      日本S・バンタム級1位
                ○   久我勇作   判 定   田村亮一   ●
                              (ワタナベ) 122 lbs           (JB SPORTS) 122 lbs

 初回,田村が左ジャブを出しながら積極的に攻める。久我は田村の左ジャブに右クロスをかぶせ,ボディに左アッパーを打つ。終盤,久我が右ストレートから左フックを返す。久我はよく見て落ち着いて攻めている。
 3回,久我は相手の出方をよく見て左ジャブから右フック,さらに右アッパーを浴びせる。田村は上体をゆすりながら左アッパーのボディブローを返す。
 4回は田村の手数が増えた。上体を振り,出入りの動きが激しくなり,左右フックのボディブローを連打する。久我も右ストレートを返す。
 5回,久我は左ジャブを突き,右ストレート。田村は動きながら左右フックで攻めるが,右目上をカット(久我の有効打による傷)。6回,田村は左右フックで激しく攻め込むが,久我はよく見て左ジャブで迎え撃ち,右ストレートを浴びせる。田村は血が目に入るのか,しきりにグラブで目の周囲をこする。
 7回,動きの激しさとは裏腹に,思うように手数が出ない田村。一方の久我はよく見てワンツーをクリーンヒット。終了間際,右ストレートでロープに詰まった田村をぐらつかせ,久我が攻勢に出る。田村の右膝が揺れる。
 8回は田村が左右フックで激しく攻め込む。久我も右ストレートで応戦するが,この回は田村の攻勢が上回った。

 このクラスの元王者同士,これが3度目の対戦という因縁のカード。過去2戦はいずれも久我が判定勝ちで田村を退けており,3戦目も久我が制した。久我は意欲的に攻める田村に対し,よく見て左ジャブあるいは右クロス,右ストレートを合わせた。やや消極的な戦いになったことは反省点。王座を奪われた宿敵・古橋岳也(川崎新田)への挑戦が濃厚になったが,自ら攻めて左ジャブを生かせるかがポイントになる。
 田村は「ゾンビ」の異名を取る右ファイタータイプ。作新学院高(栃木)→日大でアマ経験がある。激しい出入りと上体の振りから左右フックを上下に連打してどんどん攻め込む。タフで手数が多いので,相手にとっては厄介なタイプ。久我のカウンターをもらい,ポイントを奪われた。

採点結果 久我 田村
主審:吉田和敏 *** ***
副審:染谷路朗 76 76
副審:杉山利夫 79 73
副審:飯田徹也 78 74
参考:MAOMIE 77 75


     ○久我:26戦20勝(13KO)5敗1分     30歳     身長:171cm
     ●田村:21戦14勝(7KO)6敗1分      34歳     身長:170cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:山本紘之

このページのトップに戻る


                      2021年10月14日(木)    後楽園ホール
                          8回戦(58.0kg契約)
                  日本フェザー級5位   T   K  O   日本フェザー級(ノーランク)
                ○   佐川 遼    8回1分23秒    小坂 烈   ●
                              (三迫) 128 lbs                    (SUN-RISE) 127 3/4 lbs
                           さがわ・りょう                      こさか・れつ

 初回,小坂は左ジャブ,右アッパーをヒット。佐川は左に回りながら左ジャブ,右ストレートをヒット。佐川の左アッパーのボディブローに対し,小坂も左右アッパーのボディブローで応戦。左ジャブを受けた小坂の顔面が早くも紅潮する。
 2回,小坂は左ジャブを出しながら前に出て,右アッパーをヒット。佐川も右ストレートを返す。小坂の右フックも鋭いが,佐川はワンツーをヒット。
 3回,小坂はプレスを強め,左フックをヒットし,右アッパーを振る。この右アッパーは恐いパンチ。佐川のワンツーも決まる。4回,左ジャブをもらった小坂は顔面がさらに紅潮するが,構わず前に出て左ジャブ,右ストレート,左フックでどんどんプレスをかける。佐川は鼻から出血。
 ここまでは一進一退の展開で進んだが,5回,佐川は右アッパーのボディブローから右ストレート。小坂もすぐに右アッパーのボディブローを返す。終盤,佐川の的確な左ジャブがヒットし,右ストレートにつなげる。
 6回,佐川が明白に主導権を握った。左に回り込み,ウィービング,ダッキングで小坂のパンチをかわしながら左ジャブ,右ストレートを的確にヒット。左ジャブでのけぞる小坂。終盤,佐川の右ストレートのカウンターがヒット。小坂の左目上と右目下が腫れている。
 7回,小坂の被弾が増え,両目上が腫れて鼻からも出血。佐川は左に回りながら左ジャブ,ワンツーを的確にヒットしていく。動きが急速に鈍る小坂。
 8回,佐川が左ジャブ,右ストレートのヒットを重ねる。左目が塞がった小坂は敗色濃厚。右アッパーに次ぐ右ストレートで大きくぐらついて崩れ落ちる小坂。ここで松原主審が試合をストップした。

 2017年5月に小坂と対戦して2回TKO負けを喫している佐川が見事に雪辱を果たした。序盤はアグレッシブな小坂の攻撃が目立ったが,6回からは完全に主導権を握った。左に回り込んでウィービング,ダッキングで小坂のパンチをかわし,的確な左ジャブ,右ストレートのヒットで流れを引き寄せた。足がよく動いていて好調なところをアピールした。今年2月に丸田陽七太(森岡)に7回TKO負けで奪われた王座の奪回に期待がかかる。
 小坂は右ボクサーファイター。右ストレートあるいは右アッパーにパンチ力がある。アグレッシブに攻めて序盤は互角以上の戦いを見せた。中盤以降は佐川のうまさに攻め倦む場面が目立つようになり,被弾が増えた。敗れたが,一度は佐川をTKOしているだけのことはある。ノーランカーではあるが,ランクインしてもおかしくない実力がある。

     主審:松原暢宏,副審:葛城明彦&杉山利夫&岡庭 健
     ○佐川:13戦11勝(6KO)2敗     27歳     身長:174cm
     ●小坂:16戦9勝(4KO)7敗      23歳     身長:175cm
     放送:フジテレビ     解説:八重樫 東     実況:木村拓也

このページのトップに戻る


                       2021年10月14日(木)    後楽園ホール
                           4回戦(68.5kg契約)
                日本S・ウェルター級(ノーランク)   T  K  O   日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   磯谷大心     1回1分23秒     羽賀彬光   ●
                          (輪島功一スポーツ) 151 lbs                     (DANGAN越谷) 149 1/4 lbs
                    いそたに・たいしん                       はが・あきみつ

 両者ともにデビュー戦。開始早々から激しいパンチの交換が見られた。羽賀の右ストレートがヒットし,一瞬ひやりとした磯谷。しかし,逆に磯谷の左フックで羽賀の膝が落ちる。すかさず攻勢に出る磯谷。右ストレートを打ち込まれた羽賀はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント9)。立ち上がったが,鼻から出血し,足元がふらついている。磯谷は左ジャブをボディに打って詰めにかかる。右ストレートでぐらつかせたところに,再びフォローの右ストレートを浴びせたところで松原主審が試合をストップした。

 炎の男・輪島功一の孫として注目された磯谷が鮮烈なTKO勝利でデビュー戦を飾った。右ボクサーファイターでアップライトスタイルからストレート系のパンチをどんどん出して攻める。特に右ストレートに威力がある。若者らしく思い切りのいい攻撃が光る。その反面,上体が立っており,攻められたときの対応は未知数。すべては今後だろう。アゴのガードには十分注意が必要。
 羽賀もデビュー戦。こちらも右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。硬さがほぐれないうちにいいパンチをもらってしまった。

     主審:松原暢宏,副審:葛城明彦&福地勇治&岡庭 健
     ○磯谷:1戦1勝(1KO)     20歳     身長:182cm
     ●羽賀:1戦1敗          35歳     身長:182cm
     放送:フジテレビ     解説:八重樫 東     実況:竹下陽平

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2021年9月に戻る     2021年11月に進む →

ホームページのトップに戻る