熱戦譜〜2021年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2021.07.03 10回戦  伊藤雅雪  TKO8R  細川バレンタイン
2021.07.03 8回戦  今川未徠  TKO6R  興法裕二
2021.07.08  日本ユース スーパーフライ級
 王座決定戦8回戦
 中垣龍汰朗  引き分け  花田歩夢
2021.07.17  日本ユース スーパーライト級
 タイトルマッチ8回戦
 佐々木尽  KO2R  湯場海樹
2021.07.17 8回戦  吉野ムサシ  TKO2R  久保春平
2021.07.23  WBOアジアパシフィック ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 加納 陸  TKO9R  榮 拓海
2021.07.23  WBOアジアパシフィック ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 野中悠樹  判定  越川孝紀

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                         2021年7月3日(土)    後楽園ホール
                              10回戦(ライト級)
                     日本ライト級3位    T  K  O     日本ライト級7位
                 ○   伊藤雅雪    8回1分17秒    細川バレンタイン   ●
                                (横浜光) 135 lbs                       (角海老宝石) 135 lbs

 開始早々からスピーディな左ジャブの応酬。上下に放つ伊藤の左ジャブは切れている。肩越しの右ストレートが細川のアゴにヒットする。
 2回,細川の出バナに左ジャブがタイミングよくヒット。細川の左の打ち終わりに目にも止まらぬ伊藤の右ストレートが決まる。
 3回,伊藤はワンツーのクリーンヒットからロープに詰め,右アッパー,右ストレートを浴びせる。パンチが切れ,抜群のスピードで早くも主導権を握る伊藤。
 4・5回,伊波に乗った伊藤がスピーディな左ジャブからワンツー,左フックを浴びせる。6回,伊藤はワンツーから右アッパー,ストレート。細川はこれをかわし切れない。終了間際,伊藤はワンツーを連打して攻勢。細川は被弾が多くなる。
 7回,セコンドの指示か,劣勢の細川が開始早々から積極的に攻める。しかし,それも長く続かない。伊藤はワンツー,左フック,ボディへの左アッパー。伊藤のスピーディなパンチにお手上げの細川。
 8回,右ストレートからの左フックでチャンスを掴んだ伊藤は細川をロープに詰めて攻勢。一気に右ストレート,左右フックのラッシュで迫る伊藤。最後は右ストレートでロープを背に細川がのけぞったところで中村主審が試合をストップした。

 中量級の実力者同士。屈指の好カードは伊藤の圧勝という結果になった。
 2019年5月にジャメル・ヘリング(米国)にWBO王座を明け渡して,昨年12月には三代大訓(ワタナベ)にも敗れ,どん底が続いた伊藤。しかし,今夜はスピード,切れ,集中力などすべての面で完璧。左ジャブが切れ,続くワンツー,左フックもスピード十分。特に肩越しに打つ右ストレートは目にも止まらぬ速さ。攻める気迫も漲り,やりたいことを全部できて会心の試合内容だった。これが続けられれば,再び世界の期待が十分である。
 細川は元日本スーパーライト級王者。右ボクサーファイターでワンツー,左フックを得意としており,スピードが売り物。しかし,今夜はそのスピードで伊藤がひと桁上だった。もともとガードを低く構えてパンチを打ちやすくして攻撃するタイプだが,それが仇となった面がある。コンディションそのものはよかったが,伊藤の左ジャブをかわせず,徐々に被弾が多くなった。最後までプライドを貫いたが,まさに完敗である。

     主審:中村勝彦,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&染谷路朗
     ○伊藤:31戦27勝(15KO)3敗1分     30歳     身長:174cm     リーチ:173cm
     ●細川:37戦25勝(12KO)9敗3分     40歳     身長:163cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:辻岡義堂

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                       2021年7月3日(土)    後楽園ホール
                           8回戦(スーパーフライ級)
                   日本S・フライ級8位    T  K  O   日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   今川未徠    6回0分41秒    興法裕二   ●
                       (木更津グリーンベイ) 114 3/4 lbs                    (新日本木村) 115 lbs
                    いまがわ・みらい                    おきのり・ゆうじ

 サウスポー同士。初回,今川はやや距離をおいて右ジャブから右フックのボディブロー。興法は前に出て左右フックを狙う。
 2回中盤,興法の左ストレートがカウンターになり,今川がぐらつく。すかさず左右フックで攻勢に出る興法。今川も左ストレートを返す。
 もう少し手数が欲しい今川。5回,興法はスピード不足だが,左右フックのボディ連打から右フックをヒット。スピードはないが,要所で見栄えのいい攻撃で迫る。
 6回,思わぬ結末が用意されていた。興法は左右フックで果敢に攻める。しかし,リング中央で興法が大きな左フックを振って攻め込もうとした瞬間だった。がら空きになったアゴに今川が合わせた左ショートストレートが炸裂。このカウンター一発で興法は大の字に沈む。立ち上がれず,担架で搬出された。

 調子が上がらず,ややリードされていた今川が見事な左ショートストレート一発で苦戦を精算した。2017年全日本スーパーフライ級新人王。サウスポーのボクサーファイターで左ストレート,返しの右フックを得意としている。手数が少ないため,果敢に攻め込んでくる興法に手を焼いた点は否めない。臆せず,どんどん手数を出すことだろう。ややスピードに欠ける面がある。
 興法はサウスポーのファイタータイプで左右フックを得意としている。変速的なところがあり,積極的に前に出て攻め込む。しかし,こちらもスピード不足は否めず,ガードが開いて攻め込んだところにカウンターを浴びて沈んだ。

     主審:和田こうじ,副審:飯田徹也&染谷路朗&田中浩二
     ○今川:17戦12勝(4KO)5敗        25歳
     ●興法:19戦10勝(3KO)7敗2分     28歳     身長:166cm
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:上重 聡

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                        2021年7月8日(火)    後楽園ホール
                     日本ユース スーパーフライ級王座決定戦8回戦
                  日本S・フライ級(ノーランク)         日本S・フライ級(ノーランク)
                ×   中垣龍汰朗    引き分け    花田歩夢   ×
                                (大橋) 115 lbs                  (神拳阪神) 115 lbs
                         なかがき・りゅうたろう                 はなだ・あゆむ

 左の中垣,右の花田。初回,右ジャブから慎重に間合いを測る中垣。花田は長いリーチから上下に右ストレートを伸ばす。
 2回は中垣がいいワンツーをヒット。中垣は花田の打ち終わりにタイミングのいい左ストレートを顔面,ボディに打つ。こうなると花田は入りにくくなる。
 3回,明らかに流れを引き寄せようとしている花田。左ジャブを軽く伸ばして牽制しながら右ストレートで中垣をのけぞらせる。中垣も左ストレートのカウンターを返すが,終盤にも花田の右ストレートが上下にヒット。
 5回,思い切りのいい花田の右ストレートがよく伸びる。中垣は右ジャブからボディに左ストレート。これに対し,花田は一歩も引かず,右ストレートで応戦する。
 6回,序盤は中垣が右ジャブから上下に左ストレートを打ってリードする。しかし,花田が強気の攻めで迫り,左フックのボディブローから右ストレートで攻勢。
 7回,花田が右ストレートを打ち込んで迫る。中垣は左ストレートで応戦するが,終盤は中垣が攻勢。左フックをアゴから脇腹に打ち込み,さらに右ストレート,アッパーで迫る。ボディ打ちが効いた中垣は上体を丸めて耐える。
 8回,勝負どころだが,ともに決め手に欠けたまま終了ゴングを聞いた。

 東西のホープ同士の対決は見応え十分の好ファイトになった。
 中垣は日章学園高(宮崎)→東京農大(中退)で97戦82勝(19KO・RSC)15敗をマークし,高校8冠という実績を残している。サウスポーのボクサーファイターで右ジャブ,左ストレートを武器としている。特に左ストレートのカウンターの鋭さに定評がある。予想以上の思い切りを見せた花田の攻撃に苦しんだ。7回にはボディ攻撃でピンチに陥る場面も見られた。素質は図抜けている。今夜のような簡単ではない相手とフルラウンド戦ったことは非常によかった。
 花田は右ボクサーファイター。15歳で単身メキシコに渡った異色の選手。リーチに恵まれているうえにスタンスが広いので,懐が非常に深い。ロングレンジから思い切り打ち込む右ストレートは相手にとって厄介である。さらにはボディへの左フックあるいは接近すると右アッパーもあり,19歳とは思えぬうまさがある。まだ若いが,いずれタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。

採点結果 中垣 花田
主審:杉山利夫 *** ***
副審:岡庭 健 76 76
副審:松原暢宏 78 74
副審:染谷路朗 76 76
参考:MAOMIE 75 77


     ×中垣:3戦2勝(2KO)1分     21歳     身長:169cm
     ×花田:7戦6勝(4KO)1分     19歳     身長:172cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                     2021年7月17日(土)    八王子市富士森体育館
                       日本ユース スーパーライト級タイトルマッチ8回戦
                     チャンピオン      K     O   挑戦者(日本ライト級18位)
                ○   佐々木 尽    2回2分03秒    湯場海樹   ●
                             (八王子中屋) 140 lbs                     (ワタナベ) 139 3/4 lbs
                             ささき・じん                ゆば・かいき  日本ユース ライト級チャンピオン

 右の佐々木,左の湯場。初回,いきなり左フックを引っかけて攻め込む佐々木。顔面をグラブでカバーし,クラウチングスタイルで迫る。一方の湯場は左ストレートから右アッパー,フックを飛ばすが,佐々木の左フックでクリンチに出る。しかし,終盤,佐々木の右に合わせた湯場の鮮やかな左ストレートがアゴにヒットし,佐々木は腰から落ちてダウン(カウント9)。足に来ている佐々木。
 2回,佐々木が開始早々から左フックを振って迫る。しかし,湯場の左ストレートがアゴに決まり,佐々木は再び腰から落ちてダウン(カウント8)。佐々木を青コーナーに詰めた湯場は左ストレート,右フックで攻勢。しかし,リング中央で佐々木が振った右からの左フックがアゴに炸裂。仰向けに倒れた湯場はかろうじて立ち上がったが,足元が定まらない。マーチン主審はそのままカウントアウトした。

 ダウンの応酬というスリリングな一戦。2度のダウンを跳ね返した佐々木がワンパンチで試合をひっくり返し,初防衛に成功。左右フックに威力がある右ファイタータイプ。開始早々から思い切った左フックを引っかけて迫った。空砲も多かったが,最後はこれが決定打になった。湯場のシャープな左ストレートに苦しんだが,一発で精算した強打は魅力である。うまさは感じられないが,客を呼べるタレントである。ガードを固めて接近するだけでなく,左右にヘッドスリップしたり,フェイントを使うなどのテクニックを身につければ,破壊力がさらに生きるだろう。
 湯場は日本王座5階級制覇を誇る湯場忠志の長男。父と似た長身のサウスポーでボクサーファイターである。2度のダウンを奪ったのはいずれも主武器の左ストレート。特に初回のダウンはタイミング抜群のカウンター。左ストレートに次ぐ右アッパー,フックの連打を得意としている。圧倒的にリードしていたが,初回から危険と思われた佐々木の左フックをまともにもらってしまった。右のガードが下がる欠点を見事に突かれた。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&杉山利夫&福地勇治
     ○佐々木:11戦11勝(10KO)      19歳     身長:174cm
     ●湯場:10戦7勝(5KO)1敗2分     22歳     身長:178cm
     放送:youtube     解説:松永宏信&坂井祥紀     実況:西 達彦

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                     2021年7月17日(土)    八王子市富士森体育館
                            8回戦(53.0kg契約)
                日本S・フライ級(ノーランク)    T  K  O    日本S・フライ級15位
                ○   吉野ムサシ     2回1分50秒     久保春平   ●
                            (八王子中屋) 117 lbs                         (宮田) 116 1/4 lbs
                                                            くぼ・しゅんぺい

 初回,久保は左ジャブから右ストレート。吉野は左右フックのボディブローから右ストレート。終盤,久保が攻める姿勢を見せる。
 2回,久保が積極的に攻める。吉野はこれを迎え撃つ形になる。リング中央,久保が右を出そうとした瞬間に合わせた吉野の右ショートストレートが炸裂。ドンピシャのタイミングでアゴにもらった久保は右膝を折り曲げるように腰から落ち,仰向けに沈む。立ち上がろうとするが,体が言うことを聞かず,飯田主審はカウントの途中で試合をストップした。

 鮮やかなカウンター一発による絵に描いたようなダウンシーン。吉野は右ボクサーファイターで右ストレートを武器としている。立ち上がりからよく見て左右フックのボディブローや右ストレートで応じていた。倒した右のカウンターは小さく鋭く合わせたもので,タイミング抜群の右ショートストレート。力みがなく,スムーズに出たパンチである。自身のアゴのディフェンスにも注意が必要。
 久保は2020年全日本スーパーフライ級新人王。右ボクサーファイターで,やはり右ストレートを得意としている。開始早々から積極的に攻めて流れを作りかけていた。しかし,わずかな隙を突かれ,一発のカウンターで沈んだ。

     主審:飯田徹也,副審:寺山しゅうへい&葛城明彦&福地勇治
     ○吉野:16戦10勝(4KO)6敗       27歳     身長:168cm
     ●久保:10戦7勝(5KO)2敗1分     24歳     身長:164cm
     放送:youtube     解説:松永宏信&坂井祥紀     実況:西 達彦

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                  2021年7月23日(金)    大阪府立体育会館第2競技場
                   WBOアジアパシフィック ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T  K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   加納 陸    9回2分12秒    榮 拓海   ●
                            (大成) 107 3/4 lbs                   (折尾) 107 1/2 lbs
                   かのう・りく    WBO5位,IBF11位      さかえ・たくみ   WBO14位,日本ミニマム級2位

 左の加納,右の榮。初回,榮が積極的に前に出て,上下に右ストレートを打つ。加納は左に回りながら右ジャブ,出バナに左ストレート。ともに動きがいい。
 2回,早くも波乱が起きた。リング中央,中途半端に伸ばした加納の右ジャブにタイミングのいい右ストレートを合わせる榮。このカウンターでがくんと腰が落ちた榮は左膝をキャンバスについてダウンを取られた(カウント8)。榮はよく見て右アッパーをボディに。
 ここからポイントを挽回していかないといけない加納。しかし,榮が得意とする中間距離では分が悪い。4回,正面に立って榮の右ストレート,左アッパーをもらう加納。榮は接近戦で見舞う左右アッパーのボディブローもいい。
 5回,加納が再びピンチを迎えた。接近戦で左右アッパーの応酬。リング中央で右アッパーをボディに打ち込まれた加納はがくんと腰を落とす。何とか踏み止まったものの,右フックのフォローで脆くも腰から落ちてダウン(カウント8)。ダメージを引きずる加納は足を使ってピンチを逃れ,クリンチで凌いだ。
 2度のダウンで前半を大きくリードされた加納。しかし,6回に入ると明らかに流れを引き戻そうと積極的にプレスをかける。自ら接近戦を挑み,左右アッパーのボディブローで反撃に出る加納。一方の榮は押され気味。
 7回,加納が盛り返した。右アッパー2発で榮の膝ががくんと落ちる。ここで加納の左グラブのテープが解けて試合が中断。押され始めていた榮にとっては恵みの休息になった。しかし,終盤はボディへの左右アッパーが効いて榮の動きが止まる場面があった。
 8回,加納の左アッパーがボディに決まり,榮の動きが止まる。接近戦で右アッパー2発をアゴに打つ加納。勢いに乗った加納は左ストレート,右アッパー,フックで攻勢。前半に見せた元気が失せた榮は右目上をカット(バッティングによる傷)。
 9回,加納は左右アッパーのボディ打ちで攻勢。アゴへの右アッパーも効果的。ボディが効いた榮はさらに動きが鈍る。ロープに詰めて左ストレート,右フックで攻勢に出る加納。粘る榮に連打を浴びせたところで半田主審が試合をストップした。

 2度のダウンを跳ね返した加納が逆転TKO勝利で初防衛に成功。6回からの反撃は見事だった。左右アッパーから左ストレートを連打し,手数で挽回した。ボディ攻撃で動きを止めたことが奏功した。再三アゴに打ち込んでいたサウスポースタイルからの右アッパーも効果的である。しかし,前半は正面に立って中間距離で不用意にパンチをもらう場面が目立った。不安定なところを露呈したのは反省点。せっかくいいものを持っているのに,ディフェンス面の脆弱性は今後の課題になるだろう。
 榮は2013年全日本ミニマム級新人王。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。この右ストレートを多用して序盤からリードしたが,中盤からボディを打たれて動きが鈍った。2度のダウンを奪いながら大魚を逃した。

8回までの採点 加納
主審:半田隆基 *** ***
副審:川上 淳 75 75
副審:田中新一 74 76
副審:近藤謙二 74 76
参考:MAOMIE 74 76


     ○加納:16戦13勝(6KO)3敗        23歳     身長:162cm     リーチ:167cm
     ●榮:27戦22勝(16KO)4敗1分      27歳     身長:160cm

     放送:youtube(テレビ大阪)
     解説:石田順裕
     実況:植草結樹

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                2021年7月23日(金)    大阪府立体育会館第2競技場
                  WBOアジアパシフィック ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(日本S・ウェルター級3位)
                ○   野中悠樹    判 定    越川孝紀   ●
                              (渥美) 160 lbs                 (一力) 160 lbs
                     のなか・ゆうき                こしかわ・こうき

 左の野中,右の越川。越川は打ち合いを挑むべく前に出て,右ストレートをヒット。野中は足を使いながら左ストレートのカウンターを狙う。
 2回以降は野中が左右に動きながら左アッパーのボディブローから左ストレート。越川は前に出ているが,攻め倦む。越川は野中の変化についていけない。
 5回,試合はいよいよ野中のペースで進む。大きな左フックをヒットしたかと思うと,真っすぐ左ストレートを打つなどの変化をつけて攻める野中。越川は愚直に前に出るが,野中の動きに的が絞れず,正面に立って標的になっている。
 中盤以降も野中が豊富な運動量で圧倒した。9回,越川は鼻から出血。野中はバッティングで左目上をカット。越川はここから攻勢に出るが,逆に野中の左アッパー,ストレートをもらう。
 10回,越川は右目上をカット(野中の有効打による傷)し,ドクターチェックにより2度の中断があった。野中はひらりひらりと越川の攻撃をかわし,左ストレート,フックをコツコツ当てる。
 12回,激しいパンチの応酬。越川は右ストレートをヒットするが,突き上げた鋭い右アッパーは空を切った。野中は最後まで激しい動きを止めることなく,左フック,ストレートをヒットした。

 43歳とは思えぬ豊富な運動量を見せつけた野中が2度目の防衛に成功。左右に動きながらウィービング,ダッキングで相手のパンチをかわし,要所に巧打を決めた。全盛時のスピードこそないが,老獪なテクニックは見事。同じ左でも角度を変え,緩急をつけるうまさで越川を翻弄した。
 越川は習志野高(千葉)→駒澤大でアマチュアの経験がある。右ファイタータイプで右ストレート,左フックを武器としている。打ち合いに持ち込んで戦うべく愚直に前進を続けたが,野中の動きについていけず,完敗。前に出ている割に手数が少なかったのは,打ち疲れではなく,動きに幻惑されて攻め倦んだことが大きい。

採点結果 野中 越川
主審:新井久雄 *** ***
副審:川上 淳 115 113
副審:半田隆基 119 109
副審:近藤謙二 119 109
参考:MAOMIE 119 109


     ○野中:48戦35勝(10KO)10敗3分     43歳     身長:182cm
     ●越川:12戦9勝(6KO)3敗           30歳     身長:177cm

     放送:youtube(テレビ大阪)
     解説:石田順裕
     実況:前田拓哉

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