熱戦譜〜2021年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2021.06.05 10回戦  赤穂 亮  KO3R  杉田ダイスケ
2021.06.05 8回戦  岩田翔吉  判定  大内淳雅
2021.06.10  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 鈴木雅弘  TKO10R  永田大士
2021.06.19  IBF・WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  TKO3R  マイケル・ダスマリナス
2021.06.24  WBOアジアパシフィック フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 山内涼太  TKO7R  中山祐太
2021.06.26 12回戦  ワシル・ロマチェンコ  TKO9R  中谷正義
2021.06.26 4回戦  村田 昴  TKO2R  ケヴェン・モンロイ

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                        2021年6月5日(土)    後楽園ホール
                           10回戦(56.0kg契約)
              WBO世界S・バンタム級11位   K      O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   赤穂 亮     3回1分49秒     杉田ダイスケ   ●
                          (横浜光) 123 1/2 lbs                        (ワタナベ) 123 1/4 lbs

 開始早々,低い姿勢からウェイトが乗った左ジャブ,ストレートで果敢に攻め込む杉田。赤穂は左右フック,アッパーを強振するが,早くも両目の周囲が紅潮する。しかし,2分過ぎ,赤穂の右フックが決まり,体勢が崩れた杉田は思わずロープの間に突っ込む。ロープがなければダウンしていたと見た松原主審がここでカウント8を取った。終了間際にも赤穂の右クロスがヒット。
 2回,杉田の左に合わせて右クロスを被せる赤穂。このあたりは荒っぽく力任せのようで,よく考えて攻めている。赤穂の左ジャブがよく出ている。こうなると杉田は手が出にくくなる。杉田の左右フックに対し,カウンターの左フックを決める赤穂。
 3回,杉田の左ジャブ,右ストレートをもらう赤穂。しかし,赤穂も左ジャブを突き,右ストレートをヒット。左アッパーのボディブローから右フックで杉田の膝が落ちる。バッティングで前頭部をカットし,出血する杉田。赤穂はなおも右アッパー,フックで攻める。右フックのカウンターを打ち込まれた杉田は右膝から崩れ落ちる。立ち上がったが,松原主審はそのままカウントアウトした。

 世界ランカーの貫録を見せた赤穂が豊富なアマチュア経験を持つ杉田を沈めた。杉田の左をもらう場面はあったものの,自らも左ジャブ,右フックを浴びせ,最後はパワーの差でねじ伏せた。荒っぽいボクシングは相変わらずだが,その中にも随所にうまさを見せた。特にクロス気味に合わせる右フックのタイミングがよく,これで杉田が思うように手を出せなくなった。カウンターやボディに散らすなどベテランの味を存分に披露した一戦。
 杉田は右ボクサーファイター。駿台学園高(東京)→東京農大で141戦110勝(47KO・RSC)31敗という豊富なキャリアがある。ウェイトが乗った左ジャブ,ストレートで積極的に攻め,赤穂を慌てさせる場面があった。しかし,赤穂が右フックのカウンターを出し始めると途端に出足が鈍った。これは赤穂のキャリアを讃えるべきだろう。

     主審:松原暢宏,副審:福地勇治&吉田和敏&杉山利夫
     ○赤穂:41戦37勝(25KO)2敗2分     34歳     身長:168cm     リーチ:170cm
     ●杉田:8戦6勝(3KO)2敗           32歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:辻岡義堂

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                     2021年6月5日(土)    後楽園ホール
                         8回戦(ライトフライ級)
                   日本L・フライ級4位         日本L・フライ級3位
                ○   岩田翔吉    判 定    大内淳雅   ●
                             (帝拳) 107 3/4 lbs           (姫路木下) 107 1/2 lbs
                          いわた・しょうきち             おおうち・としまさ

 初回,大内は左ジャブからワンツーを狙う。岩田は軽く動き,左ジャブから右ストレートをヒット。終盤,タイミングのいい岩田の右アッパーがアゴに決まる。このパンチで大内は思わず尻餅をついてダウンを取られた(カウント8)。
 2回,大内が放った相打ちの右ストレートが決まる。終盤,パンチの応酬になるが,岩田の左フックで大内のアゴが上がる。ぐらついた大内をロープに詰めた岩田が攻勢に出る。
 3回開始早々,岩田が左フックを決める。大内も負けじとボディから顔面に右フック。終盤,左に体を沈めながら放った大内の右クロスがヒット。
 4回,岩田はやや手数が少ない。それでも終盤,右ストレートのカウンターをヒット。大内は左目上をカット(岩田の有効打による傷)。
 5・6回,岩田が放つ右ストレートのカウンターのタイミングが合ってきた。
 7回,岩田は左右に動きながら左ジャブから右ストレートを被せる。大内はベテランらしい戦い方を見せるが,岩田は左アッパーのボディブローから左ジャブを打って大内を追い込む。
 8回,ポイントで大きくリードされている大内は積極的に攻めるが,岩田の左ジャブ,右フックが当たる。終盤,岩田の右ストレートがカウンターになった。

 上位ランカー同士の好カード。持っているテクニックを出し合った好ファイトになった。
 岩田はやや手数が少なく,見ている時間が長い場面が見られた。後半は左ジャブ,右ストレートを中心にリズムを掴んだ。特にカウンターの右ストレート,フックはタイミングが抜群。初回にダウンを奪った右アッパーも鮮やかなパンチだった。とにかく手数が減らないように努めるべき。日出高(東京)→早大で71戦59勝(16KO・RSC)12敗というアマのキャリアがある。
 大内は右ボクサーファイター。軽快な動きからの左ジャブ,右ストレート,フックを得意としている。ボディにパンチを散らすなどのベテランらしい試合運びが光る。

採点結果 岩田 大内
主審:飯田徹也 *** ***
副審:福地勇治 78 73
副審:杉山利夫 79 72
副審:田中浩二 78 73
参考:MAOMIE 79 72


     ○岩田:6戦6勝(4KO)             25歳     身長:163cm
     ●大内:36戦22勝(8KO)11敗3分     35歳     身長:160cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:田中 毅

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                       2021年6月10日(木)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級5位)   T  K  O     チャンピオン
                ○   鈴木雅弘    9回2分09秒    永田大士   ●
                            (角海老宝石) 140 lbs                      (三迫) 140 lbs
                                              ながた・だいし

 左の永田,右の鈴木。永田はガードを固めてクラウチングスタイルから左ストレート,右フックで迫る。鈴木はよく見て左アッパー,右ストレートを返す。鈴木の左フックのカウンタ−が再三ヒット。永田の左目下は早くも赤くなっている。
 2回,鈴木は冷静な戦いぶり。永田はワンツー,右フックで前に出るが,鈴木は冷静に見ている。ワンツー,そして右アッパーのボディブローから,入り際に得意の左フックを決めた。3回,永田の被弾が増える。終了間際,鈴木の右ストレートでバランスを崩す永田。
 5回,永田は両目下が大きく腫れているが,愚直に前に出る。しかし,左ストレート,右フックは読まれ,逆に鈴木の右ストレート,アッパー,左フックのボディブローを返される。
 7・8回,必死の形相で左ストレートを打ち込んで迫る永田。鈴木はやや小休止。鈴木は決定打こそ許していないものの,永田の気迫を持て余す場面が見られた。
 9回,鈴木も楽な展開ではないが,負ったダメージは永田の方がはるかに深刻。バッティングで鈴木は左目上,永田は右側頭部をカットし,相次いでドクターチェックを受ける。鈴木の左フックでぐらついた永田は何とか踏みとどまるが,敗色濃厚。
 10回,両目が塞がりながらも執念を見せる永田。必死の形相で食い下がるが,鈴木の右ストレート,左フックが飛ぶ。2分過ぎ,鈴木の右ストレートがヒットしたところで,三迫ジムの加藤トレーナーがタオルを振りながらリング内に飛び込む。ここで試合がストップされた。

 壮絶な打撃戦の末,鈴木が初挑戦でタイトルを奪取した。駿台学園高(東京)→東京農大で90戦64勝(21KO・RSC)26敗というアマチュアのキャリアがある。右ボクサーファイターで左フックのカウンターを主武器としている。右ストレートあるいはボディへの右アッパーを導火線として,そこから返す左フックが最大の決め手。さらには左アッパー,フックのボディブローも効果的である。中盤,永田の鬼気迫る反撃にあったが,終始冷静に出方を見ながら攻めたことが勝因。足を使う場面があったが,正面からの打撃戦ではなく,足を絡めて攻めれば,もう少し楽な展開になったはず。
 永田は2度目の防衛に失敗。日章学園高(宮崎)→自衛隊で62戦41勝21敗のアマチュアのキャリアがある。サウスポーのボクサーファイターで左ストレート,右フックを武器としている。ガードを固めながら愚直に前に出て攻め込んだが,冷静な鈴木に見切られた。左フックのカウンターを合わされ,さらに上下に打ち分けられた。ダメージは明白であり,もう少し早くストップするべきだろう。最後までプライドを見せたが,被弾が多く,5回あたりからスピードが落ちた。

9回までの採点 鈴木 永田
主審:杉山利夫 *** ***
副審:染谷路朗 88 83
副審:福地勇治 89 82
副審:松原暢宏 88 83
参考:MAOMIE 87 84


     ○鈴木:6戦6勝(4KO)            25歳     身長:173cm
     ●永田:20戦15勝(6KO)3敗2分     31歳     身長:175cm

     放送:フジテレビ
     解説:八重樫 東
     実況:立本信吾

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             2021年6月19日(土)    バージンホテル(米国ネバダ州ラスベガス)
                      IBF・WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                 IBF・WBAチャンピオン    T  K  O    挑戦者(IBF1位)
                ○   井上尚弥    3回2分45秒    マイケル・ダスマリナス   ●
                             (大橋) 118 lbs                       (比国) 117 1/2 lbs

 右の井上,左のダスマリナス。開始早々から井上が上下に左ジャブを打ってプレスをかけ,早くも左フックを引っかける。井上はさらに右ストレートのボディブローから左フックを返す。ダスマリナスは左右に動いているが,早くも圧力を感じている様子。
 2回,ダスマリナスは左右に動いて左ストレートを伸ばすが,井上は軽いステップバックで難なくかわす。ロープを背負ったダスマリナスは井上の左ジャブ,右アッパーから脇腹に左フックを打ち込まれ,右膝をついてダウン(カウント8)。井上のプレスがきつくなる。右ストレート,ボディへの左フックで迫る井上。
 3回,井上は容赦ないプレスをかける。左右に動いてかわすのが精いっぱいのダスマリナスが伸ばした左ストレートは流れる。ロープに詰まったダスマリナスに右ストレートから脇腹への左フック。さらに間髪入れず右アッパーから再び脇腹に左フック。これを打ち込まれたダスマリナスは悶絶の表情で崩れ落ち,ロープ下で横転(カウント9)。かろうじて立ち上がったが,再びプレスに晒される。左ジャブでダスマリナスをロープ際に追い込んだ井上は左アッパーのアゴ打ちからすぐさま左アッパーでレバーを抉る。ダスマリナスはたまらず再びロープ際で横転。ここでモラー主審が試合をストップした。

 井上が圧巻のTKO勝利でIBF王座の3度目,WBA王座の5度目の防衛に成功。開始早々から相手を呑んだかのような厳しいプレスをかけた。左ジャブで追い込み,右ストレートから脇腹への左フックで圧倒した。サウスポー相手の左ボディ打ちは容易ではないが,それを難なくやってのけるのが井上の井上たる所以だろう。顔面をカバーする相手のグラブを右アッパーで叩き,脇腹のガードが緩んだところにすかさず打ち込む左ボディブローは鮮やかなコンビネーションブローである。やや格下相手ではあったが,ラスベガスでさらに存在価値を高めた一戦。さらなるビッグカードが期待される。
 ダスマリナスはサウスポーのボクサーファイター。軽快なフットワークから放つ左ストレート,右フックは伸びがある。井上の強打を避けるように左右に動き,ときおり左ストレートを伸ばしたが,井上のステップバックでかわされた。呑まれてしまったようで,いいところを出せないまま沈んだ。

     主審:ラッセル・モラー(米国),副審:ティム・チータム(米国)&パトリシア・モース・ジャーマン(米国)&ドン・トレリャ(米国)
     ○井上:21戦21勝(18KO)               28歳     身長:165cm     リーチ:171cm
     ●ダスマリナス:34戦30勝(20KO)3敗1分     28歳     身長:170cm     リーチ:168cm
     放送:WOWOW     解説:西岡利晃&村田諒太     実況:高柳謙一     アシスタント:増田美香

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                        2021年6月24日(木)    後楽園ホール
                     WBOアジアパシフィック フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T  K  O   挑戦者(同級5位)
                ○   山内涼太   7回1分29秒   中山祐太   ●
                              (角海老宝石) 112 lbs              (一力) 112 lbs
                 WBA2位,WBO7位,IBF11位

 初回,ともに左ジャブの刺し合いから滑り出し。山内は上下への左ジャブがよく出ている。中山は慎重な立ち上がり。
 2回,山内は左ジャブを多用。中山の左ジャブをしっかりパリーしている。さらに左アッパーをボディに。終盤,山内の右ストレートがタイミングよくアゴにヒット。このパンチで中山はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。
 4回,中山は右ストレート,左右アッパーを連打するが,山内は巧みなパリー,ブロックでこれをかわす。
 5回,山内は右ストレートをヒットし,左右フックを浴びせる。終盤,山内が攻勢に出る。左フックのカウンターがアゴにヒットし,中山はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。
 6回,試合はワンサイドゲームの様相。山内は右ストレート,ボディへの左アッパー,右ストレート。中山は果敢に反撃するが,山内の右フックをカウンターされてぐらつく。
 7回,中山はよく食い下がるが,目と勘のいい山内にかわされる。ロープを背負った中山に右ストレート,ボディへの左アッパーで攻勢に出る山内。最後は左フックのカウンターを打ち込めば,中山は青コーナーで右膝を落としてダウン寸前。ここで中村主審が試合をストップした。

 山内,圧勝で初防衛に成功。右ボクサーファイターで攻防兼備のバランスのよさが特徴。箕面東高(大阪)→東京農大で53戦38勝(14KO・RSC)15敗というアマチュアのキャリアがあるだけに,しっかりした基礎が身についていることが目についた。相手のパンチを巧みにパリー,ブロックでかわし,左ジャブをタイミングよく打つ。そこから右ストレート,ボディへの左アッパー,アゴに返す左フックのカウンターが決め手。スピードに加えて目と勘のよさ,シャープなパンチが光る。楽しみなホープが現れた。
 中山は右ストレート,左右アッパーを得意とする右ボクサーファイター。足を使いながら連打を繰り出すのが攻撃パターン。しかし,目のいい山内にかわされ,理詰めの組立で押された。左右に動いたというよりも,プレスを受けて下がらされた印象が強い。

     主審:中村勝彦,副審:染谷路朗&福地勇治&松原暢宏
     ○山内:9戦8勝(7KO)1敗         26歳     身長:165cm
     ●中山:13戦8勝(5KO)4敗1分     25歳     身長:164cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                 2021年6月26日(土)    バージンホテル(米国ネバダ州ラスベガス)
                                12回戦(ライト級)
                   元世界3階級チャンピオン    T  K  O    WBO世界ライト級5位
                ○   ワシル・ロマチェンコ     9回1分48秒     中谷正義   ●
                              (ウクライナ) 134 1/2 lbs                        (帝拳) 134 1/2 lbs
                                                       WBA9位,WBC9位,IBF10位

 左のロマチェンコ,右の中谷。14cmのリーチ差を生かした中谷の左ジャブが冴える。ロマチェンコは右にヘッドスリップしたり,体を右にシフトして左ストレートを決める。バッティングが発生し,ロマチェンコは前頭部をカットして出血。
 2回,中谷は左ジャブから右フックのボディブロー。さらにロマチェンコの脇腹に左アッパーを打つ。ロマチェンコの右フックのカウンターが決まるが,この回は中谷がうまく戦っている。
 しかし,それ以降はロマチェンコのペース。中谷の左ジャブは切れているが,右にシフトしながら放つ左ストレートで中谷のアゴが上がる。4回,中谷は左右アッパーのボディブロー。しかし,ロマチェンコの巧みな足さばきと上体の動きで素早く肉迫し,矢継ぎ早の左ストレート,右フックを打つ。
 5回終盤,クリンチからの離れ際,中谷が気を抜いた一瞬の隙を突くように,ロマチェンコが左右フックで素早く仕かける。不意を突かれた中谷はバランスを崩し,腰から落ちてダウン(カウント8)。ダメージこそないが,ここは心憎いまでのロマチェンコの老獪さが光った。
 6・7・8回,健闘する中谷だが,ロマチェンコが引き離す。右に回り込んだり,半ば背後に回って左ストレート,右フックを浴びせるロマチェンコ。右目の周囲が腫れ,ダメージで動きが鈍った中谷は徐々に絡めとられていく。
 9回,ダメージが蓄積した中谷はロマチェンコのパンチに反応できておらず,足元がふらつく。勝負どころと見たロマチェンコはピッチを上げ,右フック,左ストレートで攻勢。左ストレートで上体が大きく揺らぎ,右膝をつく。ここでルイス主審が試合をストップした。

 本場ラスベガスのメインイベントで超ビッグネームのロマチェンコに挑んだ中谷だが,やはり力の差はどうしようもなかった。長身とリーチをフルに生かした持ち味の左ジャブは切れており,ロマチェンコの前進を阻む一定の効果があった。しかし,素早い踏み込み,回り込みから放つ左ストレートあるいは返しの右フックで崩された。それでも左右アッパーのボディブロー,左ジャブなどで互角に渡り合う場面もあり,十分に存在感を示せたと言えるだろう。敗れたとはいえ,見事な戦いぶりである。
 ロマチェンコは北京五輪(フェザー級),ロンドン五輪(ライト級)でいずれも金メダリストになっている。アマチュアで397戦396勝1敗という戦績を引っさげてプロ入りし,3階級制覇を達成している。正真正銘の超スーパースターである。体格的にはけっして恵まれているわけではないが,素早いフットワークで回り込んで死角に入ったり,ときにはほとんど背後に回ったかと思うような位置からパンチが出る。右にシフトしながら放つモーションのない左ストレート,返しの右フックを武器としている。鋭い踏み込みが光る。スピード,テクニックなどすべての面で超一流である。

8回までの採点 ロマチェンコ 中谷
主審:セレスティノ・ルイス(米国) *** ***
副審:デーブ・モレッティ(米国) 80 71
副審:パトリシア・モース・ジャーマン(米国) 78 73
副審:スティーブ・ワイズフェルド(米国) 80 71
参考:MAOMIE 79 72


     ○ロマチェンコ:17戦15勝(11KO)2敗     33歳     身長:170cm     リーチ:166cm
     ●中谷:21戦19勝(13KO)2敗          32歳     身長:182cm     リーチ:180cm

     放送:WOWOW
     解説:長谷川穂積     ゲスト:村田諒太
     実況:鈴木 健     アシスタント:増田美香

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               2021年6月26日(土)    バージンホテル(米国ネバダ州ラスベガス)
                          4回戦(スーパーバンタム級)
               日本S・バンタム級(ノーランク)   T  K  O    米国S・バンタム級(ノーランク)
                ○   村田 昴     2回1分42秒     ケヴェン・モンロイ   ●
                           (帝拳) 121 1/2 lbs                         (米国) 119 3/4 lbs
                          むらた・すばる

 サウスポー同士の対戦。村田が好調な滑り出しを見せた。左右にサークリングしながら,リーチを生かした右ジャブから左フックを放つ。リングを広く使い,縦横無尽でダイナミックな動きで早くも主導権を握った。モンロイの左右フックは届かず,早くも鼻から出血。
 2回,左右に動きながらプレスをかける村田。モンロイは下がらされている。勢いに乗った村田は右ジャブ,左ストレート,右フックでモンロイを追う。ロープを背にしたモンロイのアゴに村田の左ストレートがカウンターになる。この一発でモンロイはロープ際で左膝を折るように腰から落ちてダウン。ここでモラー主審が即座に試合をストップした。

 ラスベガスのロマチェンコvs.中谷戦のアンダーカードとして行われた一戦。帝拳のホープ村田が大舞台でのデビュー戦を見事なTKO勝利で飾った。貴志川高(和歌山)→日大→自衛隊体育学校で80戦68勝(15KO・RSC)12敗というアマチュアの戦績を残している。長身でリーチに恵まれたサウスポーのボクサーファイターであり,右ジャブ,左ストレート,右フックを得意としている。デビュー戦とは思えぬのびのびとした戦いぶり。硬さもなく,動き,パンチともにすべてがスムーズそのもの。上背,リーチがあるうえにスピーディなフットワークが加わり,リングを大きく使えることが強味。優れたサウスポーが揃う帝拳の中でも期待度が高い。フェイントを美味く使えるようになると,さらに攻撃力が増すだろう。注目すべき新人である。
 モンロイはサウスポーのボクサーファイターで左右フックを得意としている。初回こそ自ら前に出ていたが,2回に村田がプレスをかけると後退する場面が目立った。スピード,パンチ力などすべての面で村田の敵ではなかった。

     主審:ラッセル・モラー(米国),副審:ティム・チータム(米国)&マキシモ・デ・ルカ(米国)&リサ・ジアンパ(米国)
     ○村田:1戦1勝(1KO)          24歳     身長:170cm     リーチ:170cm
     ●モンロイ:3戦1勝(1KO)2敗     21歳     身長:165cm     リーチ:163cm
     放送:WOWOW     解説:長谷川穂積     ゲスト:村田諒太     実況:鈴木 健     アシスタント:増田美香

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