熱戦譜〜2020年11月の試合から


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試合日 試合 結果
2020.11.06  WBO世界フライ級
 王座決定戦12回戦
 中谷潤人  KO8R  ジーメル・マグラモ
2020.11.06 8回戦  辰吉寿以輝  2R負傷引き分け  今村和寛
2020.11.06 6回戦  辻本純兵  TKO2R  小倉大樹
2020.11.07 8回戦  井上岳志  判定  ワチュク・ナァツ
2020.11.07 6回戦  高橋拓磨  TKO1R  清田広大
2020.11.28  WBOアジアパシフィック フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 森 武蔵  TKO11R  溜田剛士
2020.11.29 6回戦  松浦克貴  判定  高井一憲

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                        2020年11月6日(金)    後楽園ホール
                       WBO世界フライ級王座決定戦12回戦
                 WBO世界フライ級3位    K      O    WBO世界フライ級1位
                ○   中谷潤人     8回2分10秒     ジーメル・マグラモ   ●
                              (MT) 112 lbs                            (比国) 111 3/4 lbs

 右のマグラモ,左の中谷。初回,広いスタンスから懐の深さと長いリーチを生かし,右ジャブで牽制する中谷。中盤,タイミングのいいワンツーが決まり,怯むマグラモ。中谷はロープに詰め,左ストレート,フック,ボディへの右フックで攻勢。
 2回,マグラモは密着して左右フック,アッパーを打つが,中谷は接近戦でも押し負けていない。よく見て右フック,左アッパーのボディブローを打ち込む中谷。
 4回,マグラモの右フックが決まる。しかし,中谷の左ストレートのボディブローでマグラモの上体が丸くなる。マグラモの左目下が腫れている。
 5回にも中谷の左アッパーがボディに決まり,マグラモが一瞬苦しそうな表情を見せる場面があった。6回,マグラモの接近戦に付き合っているようで,うまく要所に左右アッパーのボディブローを打つ中谷。
 7回2分過ぎ,中谷は左ストレートから攻勢に出て,右アッパーをダブル,トリプルで浴びせる。左目下の腫れに加え,鼻からも出血したマグラモは呼吸も苦しそう。
 8回,思うような展開にならず,敗色濃厚のマグラモ。中谷は左アッパーのボディブローでマグラモをロープに詰める。中盤,強烈な左フックを打ち込まれたマグラモはたまらずロープを背負う。チャンスと見て一気に襲いかかる中谷。マグラモはクリンチで逃れようとするが,中谷はこれを許さず,左アッパーから左フックをフォロー。力尽きたようにロープ際に崩れ落ちたマグラモはうつ伏せに沈む。辛うじて立ち上がったが,これまでと見た池原主審はそのままカウントアウトした。

 初挑戦同士の対決。コロナ禍による2度の延期を経てようやく実現に漕ぎつけた世界戦。中谷がこのチャンスをモノにし,見事なKOで悲願の世界タイトルを獲得した。連打を許すとうるさいマグラモに対し,あえて接近戦に応じて左右アッパーのボディブロー,左ストレートで崩した。相手の土俵で戦っているように見えて,実にうまく接近戦を制していた。巧みなヘッドスリップ,ボディワークでマグラモのパンチを封じていたのが印象的である。よく見ながら半身の姿勢で戦ったり,常にポジションを変えていたことが効果的だった。無駄打ちをせず,スタミナを温存しながらスパートするタイミングを窺っていた。特に効いたのはボディへの左アッパー,右フックだろう。密着しても押し負けなかったのは体幹の強さがあってこそ。冷静で頭脳的な試合運びが光る。
 マグラモは右ファイタータイプ。ベタ足で執拗に接近戦を挑んだが,うまく封じられていた。自らが得意とするボディブローを打たれ,動きが鈍った。スピード不足で追い足がないため,中谷の動きについていけなかったことが敗因。

7回までの採点 中谷 マグラモ
主審:池原信遂 *** ***
副審:野田昌宏 70 63
副審:ビニー・マーチン 69 64
副審:村瀬正一 70 63
参考:MAOMIE 70 63


     ○中谷:21戦21勝(16KO)          22歳     身長:171cm     リーチ:170cm
     ●マグラモ:26戦24勝(20KO)2敗     26歳     身長:163cm     リーチ:168cm

     放送:G+
     解説:セレス小林&山中慎介
     実況:辻岡義堂

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                         2020年11月6日(金)    後楽園ホール
                                  8回戦
                  日本S・バンタム級8位     負傷引き分け    日本S・バンタム級(ノーランク)
               ×   辰吉寿以輝     2回2分59秒     今村和寛   ×
                           (大阪帝拳) 121 1/4 lbs                      (本田フィットネス) 121 3/4 lbs

 右の辰吉,左の今村。初回,今村が右ジャブで牽制しながらじりじりと前に出てプレスをかける。やや距離を取った辰吉は,ときおり接近して右ストレートのボディブロー,左フック。
 2回,今村は前に出て左アッパー,右フックを振るが,力みが見られる。辰吉の右ストレートがヒット。しかし,2分過ぎ,タイミングのいい今村の左ストレートが決まり,辰吉の腰が落ちる。終盤,飛び込んだ今村の頭が辰吉の左目上に当たる。このバッティングで辰吉が左眉尻をカット。ドクターチェックの結果,続行不能となり,ここで試合がストップされた。

 実力伯仲で無敗の両者による緊迫した展開になっていただけに,負傷ドローという不完全燃焼の結果は残念。
 辰吉は黒星こそつかなかったが,初のドロー。プレスをかけてくる今村を迎え撃つ形で左フック,右ストレートを浴びせた。今村はここまでの辰吉のプロキャリアの中では一番の強敵。上を目指すには乗り越えなければならない壁だったが,力を試すまでもなく終わってしまったのは残念。
 今村はサウスポーのボクサーファイター。佐賀学園高に在籍しながら,ボクシング部がある鳥栖商(佐賀)で指導を受けたという経歴を持っている。その後,日大に進んで52戦32勝(10KO・RSC)20敗というアマの戦績を残している。右ジャブで牽制しながら,じりじりとプレスをかけていた。名前が売れている辰吉とのカードはビッグチャンスだったが,これからという矢先のストップになってしまった。

     主審:葛城明彦,副審:田中浩二&福地勇治&杉山利夫
     ×辰吉:14戦13勝(9KO)1分     24歳     身長:168cm
     ×今村:3戦2勝(1KO)1分       28歳     身長:171cm
     放送:G+     解説:セレス小林&山中慎介     実況:川畑一志

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                          2020年11月6日(金)    後楽園ホール
                                  6回戦
                日本S・ウェルター級(ノーランク)   T   K  O   日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   辻本純兵      2回2分45秒      小倉大樹   ●
                             (帝拳) 153 1/4 lbs                          (横浜光) 153 1/2 lbs
                                                                おぐら・だいき

 長身同士の対戦。小倉は右ストレート,辻本はボディへの右フックから。辻本は正面に立ってパンチをもらう不安定な滑り出し。終盤,小倉が右ストレート,左フックを浴びせて前に出る。辻本は左フックをもらってバランスを崩す。
 2回序盤,小倉の左フックをアゴに受けた辻本は腰が落ちてピンチ。左右フックの追撃でキャンバスに落ちる辻本(カウント8)。チャンスと見た小倉は左右フックで攻勢に出る。しかし,2分過ぎ,打ち疲れが出た小倉は失速し,棒立ちになる。辻本の右ストレートがアゴに決まり,小倉はうつ伏せに沈む。飯田主審はカウントの途中で試合をストップした。

 ともに再起戦という両者の対戦はスリリングなダウンの応酬になった。
 辻本は2018年全日本ウェルター級新人王。このクラスでも破格の187cmという長身を誇る右ボクサーファイターで,右ストレートを得意としている。しかし,ガードに難があり,しばしば危うい場面が見られる。今夜も正面に立って再三左フックをもらっており,不安定な試合ぶりは相変わらず。小倉の失速に救われたが,ディフェンスの強化に取り組まないと前途は多難である。
 小倉は長身の右ファイタータイプ。やや腰高でスピードに欠けるが,愚直に前進して左右フック,右ストレートで攻め込む。2回に得意の左フックでダウンを奪い,あわやというところまで辻本を追い込んだ。しかし,その後打ち疲れが出てしまい,急激に動きが鈍った。最後は棒立ちになったところに右強打を浴びて沈んだ。

     主審:飯田徹也,副審:杉山利夫&福地勇治&田中浩二
     ○辻本:12戦7勝(5KO)2敗3分     26歳     身長:187cm
     ●小倉:9戦4勝(4KO)4敗1分      24歳     身長:183cm
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

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                       2020年11月7日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                WBC世界S・ウェルター級9位          日本ミドル級13位
                ○   井上岳志     判 定     ワチュク・ナァツ   ●
                            (ワールドスポーツ) 154 lbs               (マーベラス) 153 1/2 lbs
                          いのうえ・たけし
                WBO14位  WBOアジアパシフィック S・ウェルター級チャンピオン

 初回,ナァツが若さを前面に出して積極的な攻撃を展開した。王者の風格漂う井上はそこに右ストレート,フックのカウンターを合わせる。さらに左に回りながら,左ジャブ,左右フック,右アッパーを浴びせ,早くもうまさを見せる。
 2回,ナァツはスピード十分の左ジャブ,右ストレートで堂々と攻めるが,井上が一枚上。ガードを固めながら,落ち着いて左ジャブ,右フックのボディブローから左フック。
 4回はナァツが見せ場を作った。左ジャブから井上をロープ際に追い,右ストレートを浴びせる。井上は左フックをボディに打ち込むが,ナァツは格上の井上に対して「もっと打ってこい」というジェスチュアで挑発する。井上はバッティングで左目上をカット。終盤,激しい打ち合いになるが,ナァツの右ストレートで井上の右膝が落ちる。ナァツはさらに右アッパーを突き上げる。
 6回,ナァツは切れのある左ジャブ,右ストレート,ボディへの右フックで攻める。井上は右フックを被せる。
 終盤も迫力十分の応酬が続いた。井上は7回に右アッパー,8回に左フックを決める。ナァツも最後まで一歩も引かず,堂々と渡り合った。

 重量級らしい迫力満点の好ファイト。しかし,勝って浮かぬ表情の井上,負けて笑顔のナァツという対照がすべてを象徴していた。ナァツのスピードと積極果敢な攻撃に手を焼き,これから世界再挑戦をという青写真を描いていた井上にとっては不本意な試合内容である。左右フック,右アッパーで要所を締めたが,ほろ苦い勝利になった。それでも今夜は井上の不出来を指摘するよりも,ナァツの大健闘を讃えるべきだろう。
 ナァツは2018年全日本ミドル級新人王で,ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフである。右ボクサーファイターで右ストレートにスピードと切れがある。ボクシングを始めてからわずか3年とは思えない逸材であり,抜群のセンスとスピードが光る。実績では遥かに格上の井上を相手に,一歩も引けをとらず,堂々と攻めていた。敗れたとはいえ,この試合のために相当なトレーニングを積んだことがわかる見事な試合内容である。井上を相手にここまでやれたことは大きい自信につながるはず。ミドル級の下位にランクされているが,すぐにでもタイトル挑戦が可能。今夜は一階級下げたウェイトで戦っており,スーパーウェルター級で挑戦しても面白いだろう。注目すべきタレントである。

採点結果 井上 ナァツ
主審:岡庭 健 *** ***
副審:ビニー・マーチン 78 75
副審:染谷路朗 78 74
副審:松原暢宏 79 73
参考:MAOMIE 78 74


     ○井上:19戦17勝(10KO)1敗1分     30歳     身長:173cm
     ●ナァツ:9戦6勝(3KO)1敗2分       23歳     身長:175cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:上重 聡

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                       2020年11月7日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
                  日本ウェルター級14位   T   K  O   日本ウェルター級(ノーランク)
                ○   高橋拓磨    1回2分47秒    清田広大   ●
                          (ワールドスポーツ) 145 1/2 lbs                  (スパイダー根本) 145 1/2 lbs
                        WBOアジアパシフィック7位

 右の高橋,左の清田。サウスポーの清田が低いガードからじりじりと前に出る。高橋はよく見て左ジャブから鋭いワンツーを浴びせ,左フックを返す。さらに右ストレートからレバーに左アッパーを打ち込まれた清田は一瞬苦悶の表情を浮かべる。清田は構わず前に出るが,不用意に出てガードが下がったところに高橋の右ショートストレートが炸裂。呆気なく仰向けに沈む清田。立ち上がろうとするが,体の制御が全く利かない。吉田主審はカウントの途中で試合をストップした。表情を全く変えずに涼しい顔で勝ち名乗りを受ける高橋。清田は「失敗した」という様子で苦笑しながらも無念の表情。

 高橋は無傷の6連続KO勝利。南京都高(京都)→東洋大で101戦77勝(68KO・RSC)24敗というアマ戦績を残している。右ストレートに一発がある右ボクサーファイターである。相手をよく見て左ジャブからのワンツーあるいは返しの左フックというのが攻撃パターン。じりじりと前に出る清田の出バナによく左ジャブ,右ストレートを浴びせ,ガードが下がったところに小さい右ストレートを決めて試合を終わらせた。手数は目立って多いわけではないが,無駄打ちが少ない冷静な試合運びが光る。守勢に回ったときの対処は未知数であるが,強打は非常に魅力である。中量級から重量級に優れたタレントが揃っているワールドスポーツジムにおいて,楽しみな逸材である。
 清田は2009年8月以来,37歳で11年ぶりにリング復帰となったが,初回TKO負けという厳しい結果に終わった。サウスポーのボクサーファイターで,勝ち星のすべてがKO・TKOというハードパンチャー。左ストレート,フックにKOの破壊力がある。じりじりと距離を詰め,接近して戦いたかったところ。冷静な高橋に見切られ,出バナに鋭いパンチを浴びた。

     主審:吉田和敏,副審:松原暢宏&福地勇治&染谷路朗
     ○高橋:6戦6勝(6KO)           27歳     身長:173cm
     ●清田:18戦9勝(9KO)7敗2分     37歳     身長:175cm
     放送:G+     解説:なし     実況:大町怜央

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                          2020年11月28日(土)    後楽園ホール
                       WBOアジアパシフィック フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同S・フェザー級6位)
                ○   森 武蔵    11回1分39秒    溜田剛士   ●
                           (薬師寺) 125 3/4 lbs                      (大橋) 126 lbs
                       WBO4位                  ためだ・つよし  日本フェザー級7位

 左の森,右の溜田。挑戦者が積極果敢な先制攻撃を仕かけ,初回から白熱した展開になった。上下に力の籠った左右フック,アッパーを連打して攻める溜田。森も左ストレート,フックを返すが,手数とパワーで溜田が上回った。
 2回も溜田。接近戦でパワフルな左右フックからの右アッパーを突き上げ,森をのけぞらせる。森は左ストレート,右フックで応戦するが,溜田の距離で戦っており,後手に回る。
 3回は森が動きながら上下への左右アッパーや左ストレートを浴びせ,少しリズムを掴みかけた。しかし,4・5・6回は再び溜田のパワーと回転力が唸りをあげる。
 7回,ようやく森が主導権を握った。序盤,前に出ようとした溜田のアゴに左アッパーが炸裂し,溜田がぐらつく。チャンスと見た森は一気に溜田をロープに詰め,右フック,左アッパー,ストレートを浴びせて攻勢。終盤には左ストレートを打ち込まれた溜田の右膝が落ちる。しかし,逆に終了間際には溜田が左フック,右ストレートで猛反撃を見せ,一気にヒートアップした。
 8回以降は森が落ち着きを取り戻す。足を使って左右に動きながら距離を保ち,左ストレート,右フック,左アッパーを見舞う。10回,距離を取られた溜田は打ち疲れとダメージも加わり,手数が減る。森は動きながら上下に左アッパー。終盤には森の左ストレートが決まった。
 11回,溜田の動きが鈍ったと読んだ森は自ら接近し,左右フック,左アッパーで仕かける。右目上をカットした溜田はドクターチェック(森の有効打による傷)。この場面は続行されたが,再開後も溜田の動きは鈍い。青コーナーを背負った溜田に左ストレート,右フック,左アッパーが浴びせられたところで,福地主審が試合をストップした。

 森は3度目の防衛に成功。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレート,アッパーに切れがある。軽快なフットワークから伸びるワンツーを得意としているが,上下に打つ左アッパーにもいいものがある。前半は溜田の接近戦につき合ってしまったが,7回以降は距離を保ってリズムを取り戻した。前半に溜田のペースで戦わざるをえなかったのは右ジャブ,フックや接近を止める左ストレートが少なかったためである。
 溜田は旧ヨネクラジム最後のプロボクサーの一人である。右ファイタータイプで左右フックの連打には見るからにパワーがあり,非常に高いKO率を誇っている。前半はほぼ主導権を握っていたが,森に動かれてからは迫力を失った。

10回までの採点 溜田
主審:福地勇治 *** ***
副審:ビニー・マーチン 97 93
副審:中村勝彦 94 96
副審:松原暢宏 96 94
参考:MAOMIE 95 95


     ○森:12戦12勝(7KO)             21歳     身長:170cm
     ●溜田:29戦21勝(19KO)6敗2分     27歳     身長:166cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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              2020年11月29日(日)    刈谷市あいおいホール(愛知県)
                            6回戦
               日本バンタム級(ノーランク)       日本バンタム級(ノーランク)
              ○   松浦克貴    判 定    高井一憲   ●
                         (岡崎) 117 1/2 lbs                (中日) 118 lbs
                      まつうら・かつき                たかい・かずのり

 左の高井,右の松浦。高井は右に回り,フェイントをかけながら右フック,左ストレートを狙う。松浦はじりじりと前に出て右ストレートを上下に。
 2回,やや手数が少ない松浦に対し,高井はうまく回り込んで左ストレート。しかし,中盤からは松浦が主導権を握った。右ストレート,左フックで攻勢に出れば,高井は俄かに浮足立った。終盤にも松浦の右ストレートがヒット。
 3回,松浦のモーションがない右ストレート,返しの左フックをもらう高井。逆に高井の左ストレート,右フックは流れる。松浦が攻勢に出れば,高井はニュートラルコーナーに追い込まれる。松浦の右ストレートがヒット。
 4回,高井の右ジャブで松浦のアゴが上がる。しかし,それ以降は松浦が冷静に動きを見て左ジャブをうまく当て,右ストレートを浴びせた。
 劣勢の高井が見せ場を作ったのは5回。松浦の右の打ち終わりに左ストレートのカウンターを巧打する高井。ボディに左ストレートを受けた松浦は動きが止まる。ロープに松浦を詰めて左右アッパーをボディに連打する高井。松浦も右ストレートで反撃に出たが,この回は高井が押えた。
 6回,高井は再び左右アッパーのボディ攻撃に出る。松浦はよく見て右ストレートを再三ヒットした。打ち疲れが出た高井はここでも浮足立つ。終了間際,松浦の右ストレートが決まり,高井がわずかにぐらつく場面が見られた。

 左と右の対照的な両者の組み合わせ。松浦は右ボクサーファイター。手数は多くないが,高井の出バナにモーションがない右ストレートや返しの左フックをうまく当てていた。パンチを当てる勘が優れている。左ジャブをタイミングよく決めている点もいい。ただ,全体的に待ちのボクシングになっていて,手数が少ないことが目につく。
 高井はサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,ボディへの左フックを得意としている。松浦の右ストレートを受けて後手に回ってしまったことが展開を苦しくする要因になった。自ら前に出て流れを作れれば,違う展開になっていただろう。5回にはセコンドの指示を受けて,下がらずに押し込んでポイントを奪っていただけに,序盤からそれができていたらと悔やまれる。左のボディ打ちにいいものがあるので,積極的に攻めるだけでかなり道が開けてくるはず。

採点結果 松浦 高井
主審:石川和徳 *** ***
副審:村瀬正一 60 54
副審:加藤たかお 59 55
副審:井上ゆうじ 59 55
参考:MAOMIE 59 55


     ○松浦:10戦6勝(1KO)3敗1分     24歳     身長:170cm
     ●高井:16戦6勝(3KO)7敗3分     34歳     身長:170cm
     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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