熱戦譜〜2020年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2020.10.02 10回戦  尾川堅一  判定  西谷和宏
2020.10.02 8回戦  梶 颯  判定  矢島大樹
2020.10.02 8回戦  波田大和  判定  竹嶋宏心
2020.10.02 8回戦  岩田翔吉  TKO7R  成塚 亮

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                    2020年10月2日(金)    後楽園ホール
                            10回戦
                IBF世界S・フェザー級3位      IBF世界S・フェザー級7位
                ○   尾川堅一   判 定   西谷和宏   ●
                            (帝拳) 129 3/4 lbs            (VADY) 129 1/4 lbs
                         WBA8位,WBO9位        にしたに・かずひろ   日本3位

 開始早々,いきなり左フックを振って入る尾川。尾川は右ストレートをボディに。終了間際,尾川の鋭い右ストレートが決まる。2回,尾川は右ストレート。左ジャブからボディに左アッパー。しかし,後半は西谷も左ジャブ,フックを振って前に出る。
 3回,思わぬ波乱が起きた。左ジャブ,右ストレートでプレスをかける尾川。しかし,左にスイッチして変則的に攻め込んだ尾川をロープに詰めた西谷が得意の左アッパーを突き上げる。これをもらった尾川は脆くも右膝から落ちてダウン(カウント8)。足に来た尾川はかろうじて動き,ピンチを凌ぐ。チャンスと見た西谷は攻勢。
 4回,今度は尾川が逆転のダウンを奪った。尾川は右ストレートを飛ばすが,ロープに詰まり,西谷の左フックでぐらつく。西谷は右ストレートのカウンター,左フックをヒットして尾川をニュートラルコーナーに詰め,攻め込む。ここで右ストレートをミスした西谷がバランスを崩し,右膝をつく。尾川の左が当たっていたと見た染谷主審はノックダウンを宣告し,カウント8を数えた。しかし,これは西谷には気の毒な場面。
 接戦になったが,中盤以降は尾川がスピードの差を見せて主導権を握った。6回,尾川は右目上をカット(西谷の有効打による傷)。しかし,左ジャブから左フックを上下に放ってリズムをつかむ。7回,西谷は左ジャブ,ワンツー。さらに尾川をロープに詰めて右ストレートを浴びせる。左にスイッチした西谷は左アッパーで二匹目のどじょうを狙う。
 8回以降は左右に足を使って攻める尾川を西谷が攻めあぐむ場面が目立った。10回開始早々,尾川は右ストレートのボディブローを打つ。軽く動いて左ジャブ,右フックを浴びせる尾川。動かれると西谷は手数が減る。接近戦で左右アッパーのボディブローを応酬する両者。打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 新型コロナウイルスの影響でブランクを作った両者はともに昨年12月以来の試合。世界ランカー同士の好カードはダウン応酬の白熱戦になった。
 尾川は3回に左アッパーをもらってダウンを喫したが,その後は足を使って左ジャブ,右フックでリズムを取り戻した。スピードの差と動きながら先にパンチを出したことが勝利につながった。しかし,不用意なパンチをもらうなど,再び世界を目指すためには物足りない試合内容である。
 西谷は2017年3月に土屋修平(角海老宝石)を8回TKOで破り,日本ライト級王座についている。右ボクサーファイターで変則的なリズムが特徴。左ジャブ,フック,右ストレートが武器で,曲者の雰囲気が漂っている。尾川からダウンを奪ったのは,混戦の中で左にスイッチして突き上げた左アッパー。土屋を沈めたのと同じパンチであり,西谷が得意とする攻撃パターンである。4回に逆転のダウンを奪われたが,バランスを崩したところに尾川のパンチが当たったとみられたもので,スリップダウンとするのが妥当な場面だった。

採点結果 尾川 西谷
主審:染谷路朗 *** ***
副審:飯田徹也 97 91
副審:福地勇治 97 91
副審:杉山利夫 97 91
参考:MAOMIE 97 91


     ○尾川:28戦25勝(18KO)1敗1分1無効試合     32歳     身長:173cm
     ●西谷:27戦21勝(12KO)5敗1分            33歳     身長:175cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:川畑一志

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                    2020年10月2日(金)    後楽園ホール
                            8回戦
                  日本S・フライ級2位      日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   梶 颯    判 定    矢島大樹   ●
                           (帝拳) 114 1/2 lbs              (松田) 115 lbs
                           かじ・はやて             やじま・ひろき

 初回,梶は左ジャブを上下に,右ストレートをボディに。矢島も右ストレートを打つ。しかし,2分過ぎ,左腕を抱えられた梶は右フックのボディブローからすかさず右フックをアゴに。このパンチで矢島は腰から落ちてダウン(カウント8)。終盤,梶の右ストレートがカウンターになり,矢島がぐらつく場面があった。
 自信と余裕が窺える梶に対し,矢島は動きが硬い。4回終了間際,ロープに矢島を追った梶は右ストレートを浴びせる。5回には左右アッパーのボディブローから左アッパーをアゴに見舞う。さらに右ストレートをヒットする梶。
 7回中盤,矢島はロープ際に梶を追って右ストレートを打つ。しかし,ここで返した梶の右ストレートがカウンターになり,矢島は腰から落ちてダウン(カウント8)。畳みかけた梶が右アッパーをヒット。矢島はホールディングで減点された。終盤には矢島も右ストレートで反撃を見せる。
 8回,鋭い右ストレートを飛ばして攻める梶。左ジャブを受けた矢島の顔が上を向く。梶の右腕を抱え込んだ矢島は再びホールディングで減点された。

 ちょうど1年ぶりのリングとなった梶が2度のダウンを奪い,大差の判定勝ち。スピード,切れが持ち味の右ボクサーファイターだが,ブランクにも関わらずいずれも健在だった。特に7回に2度目のダウンを奪った右ショートストレートのカウンターは秀逸。ただし,矢島のペースに合わせてしまい,攻撃の手が止まる場面が目についた。タイトルに手が届く位置にいるので,克服すべき課題である。
 矢島は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。まとまりがあるスタイルである。ときおり右ストレートをヒットしていたが,梶のカウンターを警戒して後手に回った。終盤にホールディングで2度も減点されたのはいただけない。

採点結果 矢島
主審:葛城明彦 *** ***
副審:松原暢宏 79 69
副審:福地勇治 78 70
副審:杉山利夫 78 70
参考:MAOMIE 79 69

     ○梶:15戦15勝(9KO)           23歳     身長:164cm
     ●矢島:21戦9勝(4KO)9敗3分     30歳     身長:167cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:山ア 誠
※ 7・8回,矢島はホールディングでそれぞれ減点1。

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                      2020年10月2日(金)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・フェザー級13位        日本S・フェザー級17位
                ○   波田大和    判 定    竹嶋宏心   ●
                               (帝拳) 130 lbs               (松田) 129 3/4 lbs
                            はた・やまと               たけしま・こうしん

 左の波田,右の竹嶋。ともに軽く足でリズムを取りながら,ジャブでタイミングを測り,チャンスを窺う。竹嶋は右ストレートをヒット。波田も左ストレートを振る。
 4回,積極的に左ストレート,フック,ボディへの左アッパーでプレスをかける波田。波田の左が先に出るので,竹嶋は攻めにくくなっている。
 5回中盤,波田の左ストレートでのけぞる竹嶋。チャンスと見た波田は竹嶋をロープに追い,左ストレートから右フックをアゴにヒット。このパンチで竹嶋はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。
 6回,波田の左ストレートがクリーンヒット。さらに左ストレート2発を撃ち込む波田。果敢に攻める波田に対し,後手に回った竹嶋は手数が少ない。終盤にも波田の左ストレートが決まる。
 7回,波田の左ストレートが面白いようにヒット。竹嶋は左目上をカット(偶然のバッティングによる傷)。竹嶋はさらに後手に回り,パワーで押す波田が完全に主導権を握る。
 8回,左ストレートから接近戦で右アッパーを連発する波田。動きが鈍った竹嶋はこの右アッパーを食う。果敢に最後まで攻め続ける波田。

 初のオールKO・TKO勝利は途絶えたが,波田が同じアマ出身の竹嶋を制した。花咲徳栄高(埼玉)で48戦39勝(3KO・RSC)9敗というアマのキャリアがある。サウスポーのハードパンチャーで,左ストレートに一発があるボクサーファイター。力の籠った左ストレートを打ち込んでどんどん攻め込む。ダウンを奪った返しの右フック,あるいは8回に見せた右アッパーがよかった。右ジャブ,フック,アッパーをうまく使えるようになることが上位進出に向けた課題である。
 竹嶋は右ボクサーファイター。守山高(愛知)→拓大で101戦82勝(20KO・RSC)19敗というアマのキャリアがある。拓大ボクシング部では主将を務めている。堅実な試合運びが身上で,踏み込みと伸びのいい左ジャブから放つ右ストレートを得意としている。まとまりがあるテクニシャン。しかし,波田のパワフルな攻撃に先手を取られ,前に出られなくなった。ダメージが溜まった中盤以降は急に被弾が増えた。

採点結果 波田 竹嶋
主審:染谷路朗 *** ***
副審:飯田徹也 78 73
副審:松原暢宏 78 73
副審:杉山利夫 78 73
参考:MAOMIE 78 73


     ○波田:12戦11勝(10KO)1敗     23歳     身長:171cm
     ●竹嶋:6戦4勝(3KO)1敗1分      24歳     身長:171cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:山ア 誠

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                      2020年10月2日(金)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本L・フライ級13位   T  K  O   日本L・フライ級(ノーランク)
                ○   岩田翔吉    7回0分38秒    成塚 亮   ●
                               (帝拳) 108 lbs                     (ワタナベ) 107 3/4 lbs
                          いわた・しょうきち                    なりづか・りょう

 初回,岩田が左フックから成塚をロープに詰めて攻勢。成塚の右ストレートもヒットするが,勢い込んで攻めようとしたところに岩田の右フックが決まり,成塚は腰から落ちてダウン(カウント8)。岩田は右ストレート,アッパーをヒットするが,ラフなところが目立つ。
 2回,岩田は飛び込んで左フックをヒット。しかし,狙い過ぎて手数が少ない。もう少し左ジャブから組み立てたい。成塚は左目上をカット(偶然のバッティングによる傷)。中盤も岩田はラフになり,単発が目立つ。
 7回,パンチの交換からすぐ揉み合いになり,いらついてエキサイトする岩田。偶然のバッティングで成塚が再び左目上をカット。岩田が左右フックをまとめたところで葛城主審が試合をストップした。

 岩田はプロ入り後5連勝。日出高(東京)→早大で71戦59勝(16KO・RSC)12敗というアマのキャリアがある。右ボクサーファイターで右ストレートにパンチ力があり,動きにもパンチにもスピードがある。フットワークも軽快で,身体能力の高さが際立っている。しかし,狙い過ぎてラフになり,単発の攻撃が目立った。
 成塚は右ボクサーファイター。右ストレートを得意としており,やや変則的なタイミングでパンチを打つ。しかし,腰高でガードが下がる欠点があり,そこに岩田の右ストレート,フックをもらう場面が多かった。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&福地勇治&松原暢宏
     ○岩田:5戦5勝(4KO)       24歳     身長:163cm
     ●成塚:20戦9勝10敗1分     29歳     身長:165cm
     放送:G+     解説:なし     実況:田中毅

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