熱戦譜〜2020年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2020.08.09 8回戦  矢田良太  TKO5R  藤井拓也
2020.08.09  日本ユース スーパーバンタム級
 タイトルマッチ8回戦
 下町俊貴  TKO5R  英 洸貴
2020.08.09 6回戦  前田稔輝  TKO2R  飯見 嵐
2020.08.13  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 佐川 遼  KO6R  竹本雄利
2020.08.24 6回戦  松本圭佑  TKO4R  三宅寛典
2020.08.24 6回戦  中垣龍汰朗  TKO2R  堀井翔平

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                      2020年8月9日(日)    枚方市立総合体育館
                                8回戦
                   日本ウェルター級6位   T   K   O   日本ウェルター級(ノーランク)
                ○   矢田良太    5回0分02秒    藤井拓也   ●
                           (グリーンツダ) 146 1/2 lbs                     (三迫) 146 1/2 lbs

 初回,左ジャブを出しながら様子見の両者。しかし,前に出ていく藤井に対し,ロープ際に下がった矢田が放った右フックのカウンターがヒット。このパンチで藤井ががくんと腰を落とす。
 2回,上体を揺すり,フェイントをかけながら変則的に左右フックで攻める藤井。矢田の左フックもヒット。矢田はまともには打たせていないが,この回はやや手数が少ない。
 3回,右からいきなり入ったり,左にスイッチしたり,右を伸ばしておいて左フックを振る藤井。矢田の左フックのカウンターが決まる。
 4回,左を伸ばしておいて右フックを振る藤井。しかし,終盤,藤井が左を伸ばしたところに矢田の右ストレートがクロス気味に決まり,藤井は仰向けにダウン(カウント8)。倒れた時に右足首をひねっており,立ち上がったが,足元が怪しい。矢田の攻勢にしがみついて耐え,かろうじてゴングに救われた。
 5回開始早々,室屋主審が試合を中断させ,藤井にドクターチェックを受けさせる。片足ずつ立たせて状態を観察する。左足では問題なく立てたが,右足で立とうとするとふらついてしまい,結局ここで続行不能とされて試合がストップした。

 昨年12月に別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)とWBOアジアパシフィックのタイトルを争い,壮絶なダウンの応酬の末に10回TKO負けを喫した矢田の再起戦。いつになく慎重な試合運びで,序盤は変則的な藤井に戸惑う場面も見られた。しかし,シャープな右ストレートは相変わらず。ダウンを奪ったクロス気味の右ストレートは鮮やかなパンチである。最大の欠点はディフェンス。この日は打たれる場面が見られなかったが,選手生命に関わるので,大きな課題になる.
 藤井は右ストレート,フックを得意とする右の変則ファイター。上体を揺すり,右を伸ばしておいて左フックを打ったり,左にスイッチするなどの曲者ぶりを発揮した。スピードはないが,独特のリズムで攻めるので,相手にとってはやりにくい。

     主審:室屋雅弘,副審:川上 淳&半田隆基&池原信遂
     ○矢田:26戦20勝(17KO)6敗     31歳     身長:179cm
     ●藤井:13戦7勝(3KO)6敗       32歳     身長:172cm
     放送:youtube     解説:石田順裕     実況:吉原功兼(関西テレビ)

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                      2020年8月9日(日)    枚方市立総合体育館
                     日本ユース スーパーバンタム級タイトルマッチ8回戦
                     チャンピオン    T  K  O   挑戦者(日本同級)
                ○   下町俊貴   5回1分59秒   英 洸貴   ●
                           (グリーンツダ) 121 3/4 lbs                    (カシミ) 122 lbs
                     しもまち・としき                   はなぶさ・ひろき

 左の下町,右の英。初回,英は接近を試みるが,下町は長いリーチから右ジャブを出しながら左右に動いてかわし,出バナに右ジャブ,ワンツー,左アッパーを浴びせる。英のパンチをウィービング,ダッキングでかわす下町。
 2回,上体,頭を振って接近しようとする英。下町は英の左右フックのボディブローをブロックし,すかさず左右アッパーを返す。あとは距離を取り,出バナに右ジャブを浴びせる。
 4回,長いリーチから右ジャブで牽制する下町。この距離では勝機が見出せない英。英の出バナに下町のワンツーがクリーンヒット。
 5回,英は距離を詰めようとするが,下町にかわされ,右ジャブで阻まれる。1分過ぎから下町が逆に前に出る。下町は右ジャブから左アッパーをボディに。リング中央で右ジャブから狙い澄ましたような左アッパーがレバーに刺さり,英はたまらずダウン(カウント8)。再開後,ワンツーからの右アッパーで大きくのけぞり,よろけながら青コーナーに下がる英。一気に襲いかかる下町。膝が落ちて防戦一方になったところで近藤主審が割って入り,試合をストップした。

 下町は初防衛に成功。2017年全日本S・バンタム級新人王でMVPを獲得している。長身のサウスポーのボクサータイプ。長いリーチを生かした右ジャブで牽制し,ワンツーを浴びせる。左右へのフットワークもあり,懐の深さ,目と勘の良さが光る。打たれたときの耐性は試されていないが,ディフェンスのよさに特徴がある。
 英は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。2018年全日本S・バンタム級新人王。上体や頭を揺すったり,細かい出入りを繰り返すなどの方法で接近を試みたが,下町のディフェンスにことごとくかわされた。ほぼ完封されたという試合内容である。ここまで無敗で来たが,下町の技巧に完敗。

     主審:近藤謙二,副審:川上 淳&隣井朝子&池原信遂
     ○下町:15戦12勝(8KO)1敗2分     23歳     身長:179cm
     ●英  :12戦8勝(3KO)1敗3分      21歳     身長:171cm
     放送:youtube     解説:石田順裕     実況:吉原功兼(関西テレビ)

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                      2020年8月9日(日)    枚方市立総合体育館
                                6回戦
                   日本フェザー級23位   T  K  O   日本フェザー級(ノーランク)
                ○   前田稔輝    2回1分47秒    飯見 嵐   ●
                           (グリーンツダ) 128 1/2 lbs                   (ワタナベ) 128 3/4 lbs
                         まえだ・じんき                     いいみ・あらし

 左の前田,右の飯見。初回,飯見は右ストレートでプレスをかけ,接近を試みる。しかし,前に出ようとするところにタイミングのいい左ストレートがヒットし,飯見は思わず尻餅をつく(カウント8)。前田の左ストレートがアゴ,ボディにタイミングよく決まる。飯見は前に出られなくなる。
 2回,プレスをかけたい飯見。しかし,前田の左カウンターを警戒して出られない。序盤,左から入ろうとした飯見の出バナに再びタイミング抜群の左ストレートが見事なカウンターになる。飯見はたまらず右膝から落ちる(カウント8)。飯見は立ち上がったが,鼻から出血している。フェイントをかけながらチャンスを窺う前田。リング中央でタイミング抜群の前田の左ストレートがアゴに決まり,飯見は足が縺れてニュートラルコーナーに下がる。さらに左ストレートのフォローで両膝から崩れ落ちる飯見。ここで室屋主審がノーカウントで試合をストップした。

 グリーンツダのホープ前田が会心のTKO勝利。2019年全日本フェザー級新人王。小学校1年のときから日本拳法を始め,大阪商大2年で全日本王者になっている。そこからボクシングに転向した異色の経歴を持つ。サウスポーのボクサーファイターで,抜群のタイミングで合わせる左ストレートのカウンターが最大の武器。目と勘のよさが光る。狙い過ぎて手数が少なくならないようにすれば,近い将来にタイトルも期待できる。非常に楽しみな逸材である。
 飯見は2017年東日本S・バンタム級新人王。右ファイタータイプで右ストレート,左右フックにパンチ力がある。打ち合いに持ち込もうとプレスをかけていたが,それは序盤だけ。前田のタイミングのいい左ストレートが当たり始めると,途端に前に出にくくなった。

     主審:室屋雅弘,副審:池原信遂&隣井朝子&半田隆基
     ○前田:5戦5勝(3KO)     23歳     身長:174cm
     ●飯見:10戦7勝(7KO)3敗     24歳     身長:165cm
     放送:youtube     解説:石田順裕     実況:吉原功兼(関西テレビ)

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                     2020年8月13日(木)    後楽園ホール
                       日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   K     O   挑戦者(同級9位)
                ○   佐川 遼   6回3分09秒   竹本雄利   ●
                             (三迫) 126 lbs                     (クラトキ) 126 lbs
                         WBC8位,IBF12位                 たけもと・ゆうり

 右の佐川,左の竹本。ともにジャブで牽制しながら探り合う滑り出し。佐川はじりじりと前に出て,思い切った右ストレートをボディに伸ばす。竹本も左ストレートをヒット。竹本はよく動いて,好スタート。
 2回,佐川は徐々にプレスをかけ,右ストレートのボディ打ちを多用する。終盤,佐川は右ストレート,ボディへの右アッパーから右フックを顔面に浴びせる。 
 3回,竹本をロープに詰めた佐川は得意の右ストレートを上下に見舞う。しかし,竹本も負けじと広いスタンスから速い左ストレート,右フックを連打して佐川を追い込む。佐川は鼻から出血。
 ここまでは善戦した竹本だが,4回に入ると佐川がリズムを掴んだ。竹本の左ストレートがヒット。しかし,ロープに下がった竹本の左ストレートをスウェイバックでかわした佐川はすかさず右ストレートのカウンターを打ち込む。
 5回,佐川には余裕が見られる。竹本の左ストレートをかわしざまに右アッパーをボディに打ち込む。佐川はフェイントをかけながら右ストレート,左フックをヒット。
 6回,徐々に追い込まれていく竹本。右にスイッチして捨て身の左右フックで反撃するが,空を切る。右ストレートでぐらつかせた佐川は,左右フックで嵩にかかって攻める。鳩尾に右アッパーを突き上げられた竹本は上体を海老のように丸めて耐える。最後は再び右アッパーでボディを抉られ,たまらず前に崩れ落ちる。かろうじて立ち上がったが,もはやここまでと見た葛城主審はそのままカウントアウトした。

 佐川,2度目の防衛に成功。スピードのある竹本の左ストレートを受ける場面はあったが,冷静に見極めてプレスをかけたことで流れを引き寄せた。タイミングと切れが抜群の右ストレートのカウンターに加え,不意を突くような右ストレートのボディブローが効果的。左をかわしざまに返す右ストレートのカウンターが光った。フィニッシュに持ち込んだ右アッパーのボディブローは竹本の動きを鈍らせ,勝負を決めた。ここ数試合の進境著しい内容は世界挑戦も十分に期待できる。
 竹本は2018年全日本フェザー級新人王でMVPに輝いた。サウスポーのボクサーファイターで右フック,左ストレートを武器としている。やや広いスタンスから思い切り打ち込む左ストレートに威力がある。前半は左右に動きながらタイミングよく踏み込んで左ストレートを決めた。しかし,徐々にそのタイミングを読まれ,左ストレートをかわされ,その打ち終わりに右ストレートを返された。

5回までの採点 佐川 竹本
主審:葛城明彦 *** ***
副審:吉田和敏 48 47
副審:中村勝彦 48 47
副審:岡庭 健 49 46
参考:MAOMIE 48 47


     ○佐川:11戦10勝(5KO)1敗       26歳     身長:174cm
     ●竹本:11戦8勝(4KO)2敗1分     24歳     身長:171cm

     放送:フジテレビ
     解説:八重樫 東
     実況:田淵裕章

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                       2020年8月24日(月)    後楽園ホール
                                6回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)  T   K   O  日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   松本圭佑    4回0分34秒     三宅寛典   ●
                             (大橋) 123 1/2 lbs                     (ビッグアーム) 123 lbs

 初陣の松本が初回にいきなり厳しいプロの洗礼を受けた。松本は名刺代わりに長身から右ストレートを打ち下ろす。しかし,ガードが下がったところに三宅の右ストレートをもらった松本は腰から落ちて不覚のダウン(カウント8)。松本は左ジャブで立て直しを図るが,三宅は右ストレートを狙う。
 思わぬ躓きを見せた松本だが,2回には鋭い左ジャブで立て直し,右ストレートをヒット。さらに左ジャブ,フックで主導権を握る。威力十分の左ジャブで三宅のアゴが上がる。松本の左ジャブで三宅の手数が減った。
 3回,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。松本は左ジャブから右ストレート,ボディへの左アッパーで優位に立つ。三宅は左右フックを振るが,スピードがない。松本はさらにピッチを上げ,鋭いパンチをびしびしと見舞った。三宅は右目上に加えて左目上もカット(松本の有効打による傷)。
 4回開始早々から松本が左ジャブで容赦なく攻め,左アッパーのボディ打ちから右ストレートをヒット。さらに攻勢に出て,動きが鈍った三宅のボディに左右アッパーを打ったところで福地主審が試合をストップした。

 中垣龍汰朗と並ぶ大橋ジムの新鋭・二枚看板として期待される松本のプロデビュー戦。大橋ジムで指導する松本好二トレーナーの長男である。みなと総合高(神奈川)→東京農大(中退)で95戦80勝(30KO・RSC)15敗というアマチュアの戦績を残している。175cmというこのクラスとしては破格に近い上背に恵まれており,リング上ではひと際大きく見える。右ボクサーファイターでウェイトが乗ってパワフルな左ジャブ,打ち下ろしの右ストレートに威力がある。ダウンを食ったのはガードが下がったところにもらった右ストレート。大いなる反省点だろう。しかし,2回から落ち着いて左ジャブで修正したのは見事。この左が出ている間は相手は容易に出られないだろう。攻撃が正面からになり,ガードが下がる欠点を克服すれば,大型新人としての期待は十分である。
 三宅は2015年西部日本S・バンタム級新人王。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。9勝のうちKOはひとつだけであるが,数字以上にパンチ力がある。プロ21戦目の意地を十分に見せたが,やはり地力の差は仕方ない。初回にダウンを奪ったが,見せ場はそこだけ。2回以降はスピードの差が出てしまい,ほぼワンサイドゲームになった。

     主審:福地勇治,副審:染谷路朗&中村勝彦&葛城明彦
     ○松本:1戦1勝(1KO)            21歳     身長:175cm
     ●三宅:21戦9勝(1KO)10敗2分     32歳     身長:167cm
     放送:フジテレビ     解説:川島郭志     実況:田淵裕章

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                        2020年8月24日(月)    後楽園ホール
                                 6回戦
                  日本S・フライ級(ノーランク)   T  K  O   日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   中垣龍汰朗    2回2分02秒    堀井翔平   ●
                                (大橋) 115 lbs                       (トコナメ) 114 1/2 lbs
                     なかがき・りゅうたろう

 左の中垣,右の堀井。初回,中垣は右ジャブを突きながら前に出て,早くも鋭い左ストレートを上下に飛ばす。堀井も動きは悪くないが,ニュートラルコーナーに追い込まれる。堀井が振る捨て身の左右フックは空を切る。
 2回,中垣が呆気なく試合を決めた。右ジャブから堀井をニュートラルコーナーに追い込み,左ストレートを容赦なく上下に打ち込む中垣。リング中央で矢のような左ストレートが炸裂し,後方に弾き飛ばされた堀井は仰向けにダウン(カウント8)。あまりにも鮮やかなパンチに堀井は苦笑しながら立ち上がったが,中垣の詰めは鋭い。タイミングのいい右ジャブで堀井の腰が砕ける。中垣が右フック,左ストレートで追撃したところで,松原主審が試合をストップした。

 期待のホープ中垣が鮮烈な2回TKO勝利でプロデビュー戦を飾った。日章学園高(宮崎)→東京農大(中退)でアマチュア8冠という輝かしい成績を残している。アマ戦績は97戦82勝(19KO・RSC)15敗。サウスポーのボクサーファイターで,切れ味抜群の左ストレートが武器。スピード,タイミング,当て勘に優れている。2回にダウンを奪ったのは右ジャブを相手のグラブの外側に軽く打つと見せかけてガードを開かせる高等テクニックから打ち込んだ左ストレート。ほかにもボディへの左アッパーで起こして左ストレートを浴びせるなど,若さに似合わぬテクニックを見せた。将来性溢れる逸材である。
 堀井は右ボクサーファイター。右ストレート,左右フックを得意としている。動きは悪くなかったが,中垣にプレスをかけられて下がる場面が多かった。

     主審:松原暢宏,副審:杉山利夫&染谷路朗&中村勝彦
     ○中垣:1戦1勝(1KO)           20歳     身長:169cm
     ●堀井:11戦3勝(2KO)6敗2分     29歳     身長:165cm
     放送:フジテレビ     解説:川島郭志     実況:森 昭一郎

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