熱戦譜〜2020年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2020.02.01  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 小原佳太  TKO7R  永野祐樹
2020.02.01  日本ユース スーパーフェザー級
 王座決定戦8回戦
 波田大和  TKO5R  石井龍誠
2020.02.01 6回戦  ワチュク・ナァツ  TKO2R  辻本純兵
2020.02.01 6回戦  赤岩 俊  TKO3R  遠藤健太
2020.02.01 6回戦  野田賢史  KO1R  トマス・トペ・フレク
2020.02.01 6回戦  矢代博斗  KO3R  アブドゥル・ラウフ
2020.02.11  WBCユース世界フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 畑中建人  判定  ローランド・ジェイ・ビエンディーマ
2020.02.13  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 吉野修一郎  TKO8R  富岡 樹
2020.02.13 8回戦  比嘉大吾  TKO6R  ジェイソン・ブエナオブラ
10 2020.02.15 10回戦  木村 翔  TKO2R  メルリト・サビーリョ
11 2020.02.29  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ローマン・ゴンザレス  TKO9R  カリド・ヤファイ

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                      2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                       日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)   T  K  O     チャンピオン
                ○   小原佳太    7回2分39秒    永野祐樹   ●
                             (三迫) 146 1/2 lbs                     (帝拳) 146 1/2 lbs
                            IBF4位

 初回開始早々にいきなり右ストレートを浴びせて機先を制す小原。永野は構わず左ストレート,右フックで攻める。2分過ぎ,永野の左アッパーがボディを抉り,小原は後退。しかし,終盤は小原も右ストレート,左フックで永野を攻めた。
 永野が何とか互角に戦ったのは初回だけ。2回,小原は右ストレート,左フック,右アッパーを浴びせてリード。永野は構わず前に出るが,2分ちょうど,小原の右ストレートがヒットし,永野は腰から落ちてダウン(カウント8)。ロープからコーナーに追って攻勢に出る小原。
 3回,かっと目を見開いた小原はモーションのない右ストレートから左フック,右アッパーを浴びせる。左フックでバランスを崩した永野に攻勢を仕かける小原。
 5回,永野は左ストレートをヒットして前に出る。しかし,右から左のフックで永野をぐらつかせた小原は一気に攻勢。右ストレート,ワンツー,左フックで攻め立てる。小原のうまさが光る。
 6回,左ストレート,フックを浴びせて愚直に前に出る永野。小原はときおり足を使ってリズムを取り,右ストレート。終盤,小原が右ストレート,フックを浴びせて攻勢。
 7回,小原が試合を決めた。永野は鬼の形相でひたすら左ストレート,フックを振って前に出る。足で軽くリズムを取った小原はモーションのない右ストレートを出バナに浴びせる。小原は左ジャブを突き,ボディに左右フックを散らし,右ストレートをまとめる。左フックで永野をぐらつかせた小原は右ストレートを浴びせて永野をロープに追う。永野は左目上をカット(小原の有効打による傷)。永野は構わず前に出るが,小原が右ストレートでのけぞらせ,さらに右ストレートを浴びせて永野をロープに追う。左フック,右ストレートで永野が後退したところでマーチン主審が試合をストップした。

 上り調子の強打自慢・永野の日本タイトルに世界再挑戦を目指す第一人者・小原が挑む注目の一戦。白熱した応酬になったが,経験豊富なところを披露した小原が見事にタイトルを奪取した。
 スロースターター気味のところがある小原だが,今夜は序盤から積極的に流れを作った。前に出る永野に対し,サウスポー殺しの定石となるモーションのない右ストレートを多用した。これで出足を止め,右アッパー,左フック,ワンツーなどの多彩な攻撃でリードした。相手の動きをよく見て冷静に攻めており,足を止めて打ち合ったかと思うと,足を使って距離を取ったりというベテランらしいうまさが光った。
 永野は2度目の防衛に失敗。サウスポーのファイタータイプ。不利の予想をモノともせず,持ち前の左強打をフルに使って愚直に前進した。ただ,残念ながら小原とは攻防の組み立ての豊富さで大きな開きがあった。多用した左強打に右フックの返しが欲しかった。最後まで諦めずに食い下がった点は称賛に値する。今夜は相手が悪かったとしか言えない。

6回までの採点 小原 永野
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:松原暢宏 60 53
副審:杉山利夫 60 53
副審:染谷路朗 60 53
参考:MAOMIE 59 54


     ○小原:28戦23勝(21KO)4敗1分     33歳     身長:180cm     リーチ:184cm
     ●永野:20戦17勝(13KO)3敗        30歳     身長:175cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:安藤 翔

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                          2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                      日本ユース スーパーフェザー級王座決定戦8回戦
                日本S・フェザー級(ノーランク)   T  K  O     日本ライト級10位
                ○   波田大和     5回2分02秒     石井龍誠   ●
                               (帝拳) 130 lbs                           (伴流) 130 lbs
                                                いしい・りゅうせい

 フレッシュな強打者同士の対戦。ユースの王座決定戦ではあるが,日本タイトル戦以上の白熱戦になった。
 サウスポー同士。ともにスピード,切れがあり,気迫十分の立ち上がりとなった。上背,リーチで勝る石井が小刻みな動きから上下に右ジャブを飛ばす。この右ジャブで中に入りにくい波田。しかし,終盤,波田が左から返した右フックで石井が大きくバランスを崩す。激しく攻め立てる波田。石井はクリンチに逃れた。
 2回序盤,激しいパンチの交換の中で相打ちの左ストレート。これは一瞬早く波田の左がヒットし,石井は腰から落ちてダウン(カウント8)。鼻からの出血を気にする石井。波田はやや慎重に攻めるが,終了間際に右フックがヒット。これでバランスを崩した石井をロープに詰めた波田は攻勢に出る。
 3・4回,石井は右ジャブで波田を止めたいが,簡単に入られてしまう。波田は左ストレート,右フック。
 5回,激しい左右フックの応酬。波田が石井をロープ際に押し込む。左ストレートでバランスを崩した石井をロープに詰めて一気に勝負に出る波田。左ストレートでロープを背に大きくのけぞる石井。ここで葛城主審が試合をストップした。

 波田が見事にユースのタイトルを手にした。10勝がすべてKO・TKOという快進撃である。サウスポーのボクサーファイターだが,ファイターに近い。左ストレート,左右フックに切れ,スピードがあり,チャンスに見せる速攻が強味になっている。今夜は主武器の左ストレートに加えて,返しの右フックが非常に効果的で,これで石井が再三バランスを崩す場面があった。やや狙い過ぎて相手を見てしまう面があるのが反省点。
 石井は長身のサウスポー。ボクサータイプで右ジャブで自分の間合いを保ちながら,左ストレートを打つ。しかし,その右ジャブで波田の接近を止められなかったことが敗因。無駄な動きも見られ,波田の右フックでバランスを崩していた。低いガードからスムーズにパンチが出るが,このガードの低さを突かれる結果となった。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&松原暢宏&杉山利夫
     ○波田:11戦10勝(10KO)1敗      23歳     身長:170cm
     ●石井:15戦8勝(5KO)6敗1分     23歳     身長:176cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:平松修造

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                        2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
                    日本ミドル級13位   T  K  O   日本ウェルター級15位
                ○   ワチュク・ナァツ   2回2分23秒   辻本純兵   ●
                            (マーベラス) 153 1/2 lbs                  (帝拳) 153 1/2 lbs
                      2018年全日本ミドル級新人王            2018年全日本ウェルター級新人王

 長身の辻本が左ジャブから右ストレートを放つ。ナァツは左ジャブから潜り込み,重い左右フックでボディを叩く。
 2回,辻本の右ストレートがヒット。ナァツは構わず前に出て左フックを決める。一瞬動きが止まった辻本は顔面が紅潮。接近して左右フックを浴びせるナァツ。辻本の左に合わせたナァツの豪快な右クロスがアゴに炸裂。この一撃で辻本は腰から落ちてダウン(カウント9)。再開に応じたが,足元のふらつきを見たナァツは一気に走り寄って襲いかかる。右ストレートで腰が落ちた辻本はフォローの左フックで大きく上体が揺らぐ。ここで染谷主審が割って入った。

 2018年全日本新人王同士という好カード。
 ナァツは右ファイタータイプ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフである。左右フックにパンチ力があり,パワフルな攻撃力に優れている。ガードを固めて上体を揺すりながら懐に潜り込み,ボディ,アゴに左右フックを浴びせる。瞬発力に見るべきものがある。ナァツを指導するのは所属するマーベラスボクシングジムの岡橋勲会長。かつて70年代前半に”VANカップ争奪戦”で活躍し,軽量級離れした強打とスリリングなファイトで絶大な人気を誇った元日本ランカーである。セコンドとして懐かしい姿を見せている。
 辻本は長身の右ボクサーファイター。瓊浦高(長崎)で29戦19勝10敗のアマ戦績がある。上背とリーチを生かした左ジャブと右ストレートに切れがある。潜り込もうとするナァツを突き放すことができず,入らせてしまったことが敗因。中途半端に左を出したところに右クロスを被され,これが致命傷になった。

     主審:染谷路朗,副審:飯田徹也&ビニー・マーチン&松原暢宏
     ○ナァツ:8戦6勝(3KO)2分         22歳     身長:175cm
     ●辻本:11戦6勝(4KO)2敗3分     25歳     身長:187cm
     放送:G+     解説:なし     実況:平松修造

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                      2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                               6回戦
                日本S・ライト級(ノーランク)  T   K   O   日本S・ライト級14位
                ○   赤岩 俊    3回1分18秒    遠藤健太   ●
                            (マナベ) 139 1/4 lbs                      (帝拳) 140 lbs
                         あかいわ・しゅん

 左の遠藤,右の赤岩。じりじり出てアップライトスタイルから右ストレートを出す赤岩。遠藤は自分の間合いを取りながら,出バナに左ストレート,カウンターの右フックをヒットする。
 2回,ほぼベタ足で前に出ながら右ストレートを放つ赤岩。しかし,遠藤はこれを迎え撃ち,左ストレート,フックを当てる。中盤,左右フックで遠藤が攻勢に出る。終盤,遠藤の左フックで赤岩のアゴが上がる。チャンスと見た遠藤は一気にラッシュ。ロープに詰めて左右フックの猛攻で仕留めにかかるが,赤岩の左フックがカウンターになる。アゴが上がった一瞬の隙を突かれた遠藤は膝からロープ際に崩れ落ちてダウン。カウント8で辛うじて立ち上がった遠藤はゴングに救われたが,朦朧として赤コーナーに戻った。
 3回,遠藤は慎重に間合いを取るが,ダメージで反応が鈍く,赤岩の右ストレートをもらう。1分過ぎ,赤岩の左アッパー,右ストレートで赤コーナーに下がる遠藤。赤岩が一気にワンツーの連打で畳みかければ,遠藤は膝から崩れ落ちる。ここで杉山主審が試合をストップした。

 帝拳のハードパンチャー遠藤が伏兵・赤岩にTKOで痛恨の初黒星を喫した。
 赤岩は長身の右ボクサーファイター。ほとんど足を使わずベタ足に近いが,アップライトスタイルからの右ストレートに威力がある。上体の動きがほとんどないことが気になるが,カウンターの左フック,チャンスにまとめたワンツーの連打は見事。遠藤を破ったことで,ランク入りが十分に期待できる。自らのアゴのガードも甘いところがあるので,今後の課題である。
 遠藤はサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,右フックにパンチ力があり,期待されていただけに,痛恨のTKO負けとなった。体の硬さが欠点で,パンチをもらうとダメージが大きくなりやすい。2回終盤までは積極的な攻撃で流れを完全に支配していたが,終了間際に攻め込んでガードが下がったアゴにカウンターをもらってしまった。一発の恐さを思い知らされた苦い敗戦。3回に入っても,そのダメージは明白だった。

     主審:杉山利夫,副審:飯田徹也&ビニー・マーチン&葛城明彦
     ○赤岩:7戦5勝(3KO)1敗1分     27歳     身長:175cm
     ●遠藤:7戦5勝(4KO)1敗1分     35歳     身長:175cm
     放送:G+     解説:なし     実況:弘 竜太郎

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                        2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
                日本L・フライ級(ノーランク)   K      O   インドネシア L・フライ級12位
                ○   野田賢史    1回2分17秒    トマス・トペ・フレク   ●
                             (帝拳) 107 1/2 lbs                      (インドネシア) 107 1/2 lbs
                            のだ・けんし

 右の野田,左のフレク。野田が左ジャブを突いて積極的に攻める。左ジャブから体を寄せて右アッパーでボディを打つ。さらにワンツーを浴びせる野田。ロープ際に追い込まれたフレクは左ストレートを振るが,空を切ってバランスを崩す。容赦なく畳みかける野田。ボディに左右フックを連打すれば,フレクは呆気なくダウン。うつ伏せに沈んだままカウントアウトされた。

 実力差が大きいカードだったが,野田がプロ2戦目を圧勝で飾った。秀岳館高(熊本)→拓大で61戦45勝(10KO・RSC)16敗というアマチュア戦績を残している。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としており,スピーディで積極的な攻撃が身上。アマでの実績があるだけに,国内でB級でのマッチメイクは苦労するだろう。育成手腕が問われる逸材である。
 フレクはサウスポーのボクサーファイター。インドネシアの国内ランカーという触れ込みだが,ぎこちない動きでパンチもあるとは言えない。ボディに集められ,あっさり沈んだ。

     主審:松原暢宏,副審:染谷路朗&ビニー・マーチン&葛城明彦
     ○野田:2戦2勝(2KO)           24歳
     ●フレク:8戦2勝(1KO)5敗1分     35歳
     放送:G+     解説:なし     実況:弘 竜太郎

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                         2020年2月1日(土)    後楽園ホール
                                 6回戦
                 日本S・フライ級(ノーランク)   K      O   インドネシア S・フライ級12位
                ○   矢代博斗     3回2分31秒     アブドゥル・ラウフ   ●
                               (帝拳) 115 lbs                        (インドネシア) 114 1/2 lbs
                          やしろ・ひろと

 左の矢代,右のラウフ。初回,矢代が右ジャブで牽制しながら,鋭い左アッパーのボディブロー,ワンツーで積極的に攻める。ラウフはガードを固めて右ストレートを伸ばすが,打ち終わりに矢代のワンツーが返る。
 2回中盤,矢代の強烈なワンツーが効いて青コーナーに後退するラウフ。一気にラッシュする矢代。左右フック,ワンツー,ボディへの左ストレートで畳みかける。
 3回,矢代がワンツー,左右フックで圧倒する。防戦一方のラウフもときおり右ストレートで応戦するが,スピードの差が出る。矢代の左ストレートがレバーに刺さり,白いマウスピースを覗かせ,上体を丸めて後退するラウフ。矢代は赤コーナーに詰めて強烈な左右フック,アッパーをボディに叩き込む。最後はニュートラルコーナーに詰まったラウフはボディブローの連打から脇腹に右フックを打ち込まれ,腰から崩れるようにダウン。立ち上がったが,飯田主審はそのままカウントアウト。

 矢代が鮮やかなKO勝利。元日本S・フェザー級王者・矢代義光(帝拳)の甥。叔父と同じ花咲徳栄高(埼玉)→平成国際大というコースを歩んだ。アマ戦績は94戦75勝(23KO・RSC)19敗。サウスポーのボクサーファイターでワンツー,ボディへの左アッパー,右フックが強い。下半身がしっかりしていて,バランスの良さが目につく。相手をよく見て落ち着いて攻めているのがいい。狙い過ぎないことが大事。叔父譲りのシャープなパンチが光る。直線的な攻撃にならぬよう,3回に見せた右フックの引っかけで相手を回すことをやるといいだろう。
 ラウフは右ボクサーファイター。このクラスとしては上背があり,右ストレートを得意としている。オーソドックスな戦い方が特徴。ガードを固めながら矢代の強打をカバーして右ストレートを返していたが,スピード,パンチ力ともに差が大きかった。

     主審:飯田徹也,副審:染谷路朗&ビニー・マーチン&杉山利夫
     ○矢代:2戦2勝(2KO)     23歳     身長:161cm
     ●ラウフ:4戦1勝3敗       22歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:なし     実況:大町怜央

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                   2020年2月11日(火)    刈谷市あいおいホール(愛知県)
                      WBCユース世界フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(比国4位)
                ○   畑中建人   判 定   ローランド・ジェイ・ビエンディーマ   ●
                              (畑中) 112 lbs                  (比国) 111 3/4 lbs
                    日本フライ級2位

 開始早々から畑中が小気味いい左ジャブを多用し,主導権を握った。左ジャブから右ストレート,ボディに左アッパー。ビエンディーマは前に出たいが,畑中の左ジャブに阻まれる。
 3回,接近戦でボディへの左右アッパーを応酬する両者。畑中は鼻から出血するが,左フックのカウンターをヒット。これが効いて後退したビエンディーマに攻勢を仕かける畑中。
 4回,ビエンディーマは左右フックを強振するが,さすがに打ち疲れの色が見える。2分過ぎ,ワンツーでバランスを崩すビエンディーマ。ロープに詰め,左右アッパーのボディブロー,右ストレートで攻勢に出る畑中。
 6回,足を止めたビエンディーマは左右フックをボディに叩きつけて食い下がる。畑中も鼻からの出血で呼吸が苦しそう。
 7回,左右フックを強振するビエンディーマ。畑中は左目上をカット(偶然のバッティング)。カットしていないビエンディーマはWBCルールによって減点された。
 8・9回,畑中は手数が少なく,フラストレーションが溜まる。それでも10回には再びワンツーが戻る。終盤,激しいパンチの応酬の中で終了ゴングを聞いた。

 畑中は2度目の防衛に成功。序盤から左ジャブ,ワンツーが冴え,ボディ攻撃も交えて一方的に進めた。採点の上ではワンサイドゲームだが,不満を残す試合内容である。特に7回に左目上をカットしてからは,鼻血で呼吸が苦しくなったことも加わって手数が減った。精彩を欠いた印象は否めない。父・畑中清詞会長に続く親子二代の世界チャンピオンを目指しているが,まずは日本タイトルを目指し,しっかりキャリアを積むことが望ましい。
 ビエンディーマは右ファイタータイプ。パンチ力はなく,ベタ足に近い。接近して左右フック,アッパーを強振する。かなり被弾していたが,最後まで倒れることを拒否し,タフなところを見せた。

採点結果 畑中 ビエンディーマ
主審:福地勇治 *** ***
副審:宮崎久利 99 90
副審:石川和徳 99 90
副審:加藤たかお 98 91
参考:MAOMIE 98 91


     ○畑中:11戦11勝(9KO)                21歳     身長:165cm
     ●ビエンディーマ:22戦15勝(8KO)6敗1分     23歳     身長:165cm

     放送:youtube(CBC中部日本放送)
     解説:田中恒成
     実況:宮部和裕

※ 第7ラウンドのバッティングによる畑中の負傷により,ビエンディーマは減点1(WBCルール)。

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                     2020年2月13日(木)    後楽園ホール
                       日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級1位)
               ○   吉野修一郎   8回1分55秒   富岡 樹   ●
                              (三迫) 135 lbs                    (REBOOT.IBA) 135 lbs
                        WBC15位,WBO13位                 とみおか・いずき
                   東洋太平洋&WBOアジアパシフィック王者

 初回,富岡が挑戦者らしく積極的な攻撃を展開した。広いスタンスから左ジャブ,ストレートを突き,吉野の出バナを叩く。吉野も左ジャブで迫る。富岡の顔面が紅潮する。しかし,2分過ぎ,富岡が放った矢のようなワンツーがアゴの先端に炸裂。がくんと腰が落ちた吉野はしがみついて耐えるが,膝から落ちてダウン(カウント8)。富岡の右ストレートを受けた吉野はクリンチに出る。
 2回も富岡のペース。間合いを取り,低いガードから左ジャブ,フック,ボディへの左アッパー,さらにワンツーで先手を取る。のびのびと戦っている富岡に対し,吉野は狙い過ぎてミスが出る。しかし,終盤,吉野も右ストレート,フックで挽回に出る。
 7回,富岡は足を使って左右にサークリングし,低いガードから出バナに左ジャブを突く。その左をもらい,攻め倦む吉野。
 しかし,8回,リードを許していた吉野がついに富岡を捉えた。必死の形相で迫る吉野。富岡は足でうまくかわすが,徐々に追い込まれていく。吉野の右ストレート,フックでダメージを負った富岡は逃げ一方になる。一気に攻め込む吉野。左フックからの右ストレートで腰が落ちた富岡は力なくロープ際に後退。がっくりと前に落ちたところで中村主審が試合をストップした。

 吉野は5度目の防衛。これで8連続KOと国内無敵を誇るが,今夜は大苦戦。7回まではポイントをリードされており,まさに起死回生の猛攻で勝利を引き寄せた形になった。最後は力ずくで王者の面目を保ったが,多くの課題を残した。油断したわけではないだろうが,KOを狙い過ぎて雑な攻撃になったことが苦戦の原因。若い富岡のアウトボクシングに手を焼き,左ジャブ,ワンツーで先手を取られた。
 富岡は右ボクサータイプ。リーチを生かした左ジャブ,ワンツーを得意とする。軽快なフットワークからタイミングのいいパンチを出バナにヒットし,吉野を苦しめた。最後は地力の差に屈したが,まさに大魚を逸した形。左ジャブを当てるタイミングにいいものがある。

7回までの採点 吉野 富岡
主審:中村勝彦 *** ***
副審:染谷路朗 66 66
副審:飯田徹也 64 68
副審:吉田和敏 65 67
参考:MAOMIE (26) (30)


     ○吉野:12戦12勝(10KO)        28歳     身長:175cm
     ●富岡:11戦7勝(2KO)3敗1分     22歳

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:酒主義久

※ 第1・2・7・8ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                       2020年2月13日(木)    後楽園ホール
                               8回戦
                WBC世界バンタム級7位   T   K  O     比国バンタム級13位
                ○   比嘉大吾    6回2分25秒    ジェイソン・ブエナオブラ   ●
                        (白井・具志堅) 118 3/4 lbs                         (比国) 118 3/4 lbs

 左のブエナオブラ,右の比嘉。比嘉は開始早々から上体を振り,低い姿勢から左右フックでコーナー,ロープに追い込んでプレスをかける。しかし,振りが大きく,力んでミスも目立つ。
 2回,低い姿勢から左右フックでボディを叩く比嘉。長身のブエナオブラはのらりくらりとかわしながら右ジャブ,左ストレート。
 4回,コーナー,ロープに押し込み,ボディに右ストレート,左右アッパーを叩き込む比嘉。ブエナオブラは両目上をカットしてドクターチェックを受ける(右目上はバッティング,左目上は比嘉の有効打による傷)。
 5回,ブエナオブラの右ジャブ,左ストレートがうるさい。それでも左右アッパーのボディブローでブエナオブラの動きが鈍っている。右ストレートでぐらついたブエナオブラはクリンチに出る。終了間際にも比嘉の右ストレートでぐらつくブエナオブラ。
 6回,比嘉は動きが鈍ったブエナオブラを左右アッパーのボディブローで攻め立てる。赤コーナーに詰め,右ストレート,ボディへの左右アッパーに次ぐ右アッパーのボディブローで,ブエナオブラは左膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったが,ボディへの左右アッパーで再び左膝から崩れ落ちる。ここで福地主審が試合をストップした。

 2018年4月にクリストファー・ロサレス(ニカラグア)との3度目の防衛戦で計量失格のために王座を剥奪された比嘉。結局試合はおこなわれ,9回TKO負け。ライセンス無期限停止処分を受けてブランクを作ったが,2年ぶりにリング復帰となった。フライ級から2階級上げ,バンタム級を3/4ポンド上回るウェイトでリングに上がったが,馴染んでいるとは言い難い。スピードも体の切れも今ひとつ。力みが先に立って攻撃が雑になり,ミスブローが目立った。バンタム級でやれる体の切れを取り戻すことが最重要。さらには何よりも本人が語っていたモチベーションが今後を占うカギである。
 ブエナオブラはサウスポーのボクサーファイター。長身で柔軟な上体が特徴。相手のパンチを巧みに殺す老獪な面がある。右ジャブ,左ストレートが中心であるが,接近すると左右アッパーもある。

5回までの採点 比嘉 ブエナオブラ
主審:福地勇治 *** ***
副審:葛城明彦 50 45
副審:染谷路朗 50 45
副審:飯田徹也 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○比嘉:17戦16勝(16KO)1敗          24歳     身長:161cm     リーチ:163cm
     ●ブエナオブラ:15戦7勝(3KO)5敗3分     25歳     身長:168cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                       2020年2月15日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                WBO世界L・フライ級7位    T   K  O    元WBO暫定世界L・フライ級チャンピオン
                ○   木村 翔     2回2分16秒     メルリト・サビーリョ   ●
                              (花形) 113 lbs                            (比国) 111 lbs
                           WBA10位

 右の木村,左のサビーリョ。開始早々,木村が左ジャブからプレスをかけながら,サビーリョをロープ際に追い込む。木村,左右フックのボディブローからアゴに左フックを持っていく。終盤,木村の左フックがテンプルをかすめてサビーリョが倒れ込んだかに見えたが,これはスリップダウンとされた。
 2回,木村がワンパンチで試合を決めた。左右フックのボディブロー,ワンツーでプレスをかける。サビーリョも右フックを強振し,左右フックで反撃に出るが,木村は冷静。木村はなおも左右フックのボディブローで迫る。リング中央で木村の左フックがアゴに炸裂。タイミングのいいカウンターをもらったサビーリョはたまらず右膝からキャンバスに崩れ落ち,大の字に沈む。ガルシア主審は即座に試合をストップした。

 昨年5月にカルロス・カニサレス(ベネズエラ)のWBA世界ライトフライ級王座に挑戦して敗れた木村の再起戦。本来のクラスであるフライ級を1ポンドオーバーするウェイトまで戻したことで,動きが非常によかった。左ジャブを伸ばして終始プレスをかけ,接近してはボディへの連打を多用した。返しの左フックが初回から出ていたが,2回にそれがカウンターになってフィニッシュにつながった。一発で仕留めた試合ではあるが,コンビネーションブローの冴えが光る。
 サビーリョはサウスポーのボクサーファイター。右フック,左ストレートを得意としている。劣勢を挽回すべく2回に猛然と反撃に出てアゴのガードが下がったところにカウンターの左フックをもらって沈んだ。

     主審:オリバー・ガルシア(比国),副審:ジル・ゴー(比国)&グレグ・オルテガ(比国)&モハマッド・アキル・タマノ(比国)
     ○木村:24戦19勝(12KO)3敗2分        31歳     身長:165cm     リーチ:169cm
     ●サビーリョ:36戦27勝(13KO)8敗1分     36歳     身長:160cm     リーチ:165cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                2020年2月29日(土)    フォード・センター(米国テキサス州フリスコ)
                        WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(元4階級王者)   T  K  O     チャンピオン
                ○   ローマン・ゴンザレス    9回0分29秒    カリド・ヤファイ   ●
                            (帝拳=ニカラグア) 114 1/2 lbs                     (英国) 114 3/4 lbs

 開始早々から両者ともに手数が多い。ゴンザレスは左ジャブから左フック,アッパーをボディ,アゴに。ヤファイは左ジャブから左右フック。ゴンザレスは右アッパーをヒットする。
 2回,ヤファイは前に出るが,ゴンザレスは巧みに位置取りし,パリー,ブロックでこれを封じる。逆にゴンザレスのワンツーが飛ぶ。さらに左アッパーをねじ込むゴンザレス。ヤファイのマウスピースが落ちて一時中断する場面があった。終盤,ゴンザレスが左右フック,アッパーを上下に打って攻勢。
 3回は上背で勝るヤファイが左ジャブから左右フックで攻め立てる。ゴンザレスも左フック,アッパーを返し,譲らない。ヤファイのマウスピースが落ちて再び一時中断。
 中盤,ゴンザレスは内・外に打ち分ける左右アッパーのボディブローでヤファイのスタミナを削り取る。この辺から苦しくなり,ヤファイのクリンチが多くなった。
 7回,効いているヤファイは後退が目立つ。ゴンザレスの右ストレートがヒット。さらに右フックでバランスを崩すヤファイ。ゴンザレスは攻撃の手を緩めず,上下への左右アッパー,ワンツーでプレスを強める。
 8回終盤,ゴンザレスの右ストレートでバランスを崩すヤファイ。ここから攻勢に出るゴンザレス。後退するヤファイをロープ,コーナーに追い込んでワンツーで攻め立てる。赤コーナーでの連打から右フックでヤファイは右ひざをついてダウン(カウント8)。ヤファイは立ち上がったところでゴングに救われた。
 9回,開始ゴングと同時にゴンザレスがプレスを強める。リング中央で左から右の鮮やかなワンツーがアゴを直撃。これをまともにもらったヤファイはたまらず仰向けに崩れ落ちる。ロープを頼りに上体を起こすが,カウントの途中でパボン主審が試合をストップした。

 ゴンザレスは3年ぶりに世界タイトルを奪回。安定政権を築きかけていたヤファイを上下へのコンビネーションブローで徐々に追い込み,力の差を見せつけた見事なTKO勝利である。左ジャブからのワンツー,内・外に打ち分ける左右アッパーのボディブローでヤファイを弱らせた。ディフェンスでも優れた面を見せ,パリー,ブロックで巧みにパンチを殺してプレスをかけていた。バランスの良さは相変わらず。ピークは過ぎたと見られていたが,パワーに円熟した技巧が加わり,さらに攻防に厚みが増した。
 ヤファイは初黒星で6度目の防衛に失敗。技巧とパンチ力を兼備した右ボクサーファイター。アマチュアでは北京五輪に出場している。序盤こそ左ジャブ,左右フックで前に出ていたが,ゴンザレスにうまく殺され,コンビネーションブロー,特に左右アッパーのボディブローで動きを鈍らせた。中盤からはクリンチが多くなり,弱気な表情が目立った。

8回までの採点 ゴンザレス ヤファイ
主審:ルイス・パボン(プエルトリコ) *** ***
副審:ウィルフレッド・エスペロン(米国) 78 73
副審:デーブ・モレッティ(米国) 77 74
副審:ラファエル・ラモス(米国) 80 71
参考:MAOMIE 79 72


     ○ゴンザレス:51戦49勝(41KO)2敗     32歳     身長:160cm     リーチ:163cm
     ●ヤファイ:27戦26勝(15KO)1敗       30歳     身長:163cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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