熱戦譜〜2019年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2019.12.02  WBOアジアパシフィック スーパーライト級
 王座決定戦12回戦
 井上浩樹  KO7R  ジェリッツ・チャベス
2019.12.07  IBF世界スーパーバンタム級
 暫定王座決定戦12回戦
 岩佐亮佑  TKO11R  マーロン・タパレス
2019.12.07  WBOアジアパシフィック スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジョー・ノイナイ  5R負傷引き分け  尾川堅一
2019.12.07  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 坂 晃典  TKO6R  末吉 大
2019.12.07 8回戦  舟山大樹  TKO4R  スラデッチ・ルハシリ
2019.12.07 6回戦  峯田 光  KO1R  トモーン・ピタワッタナクン
2019.12.08  WBOアジアパシフィック ウェルター級
 王座決定戦12回戦
 別府優樹  TKO10R  矢田良太
2019.12.10  東洋太平洋スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 三代大訓  判定  木村吉光
2019.12.12  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 勅使河原弘晶  KO5R  川島翔平
10 2019.12.12  日本ユース バンタム級
 王座決定戦8回戦
 石井渡士也  TKO4R  石川春樹
11 2019.12.17 8回戦  辰吉寿以輝  TKO4R  中村誠康
12 2019.12.21  WBCシルバー ヘビー級
 王座決定戦12回戦
 ダニエル・デュボア  KO2R  藤本京太郎
13 2019.12.22  4回戦(バンタム級決勝)
 第66回全日本新人王戦
 中西寛多郎  判定  小笠原梢太
14 2019.12.22  4回戦(フェザー級決勝)
 第66回全日本新人王戦
 前田稔輝  判定  亀田京之介
15 2019.12.22  5回戦(スーパーライト級決勝)
 第66回全日本新人王戦
 本多航大  TKO4R  藤田裕崇
16 2019.12.23  WBA世界ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 村田諒太  TKO5R  スティブン・バトラー
17 2019.12.23  IBF世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 モルティ・ムザラネ  TKO9R  八重樫 東
18 2019.12.23  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 寺地拳四朗  TKO4R  ランディ・ペタルコリン
19 2019.12.23 8回戦  ローマン・ゴンザレス  TKO2R  ディオネル・ディオコス
20 2019.12.31  WBO世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井岡一翔  判定  ジェイビエール・シントロン
21 2019.12.31  WBO世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田中恒成  KO3R  ウラン・トロハツ
22 2019.12.31  WBOアジアパシフィック スーパーバンタム級
 王座決定戦12回戦
 ジュンリエル・ラモナル  KO1R  久我勇作
23 2019.12.31  WBOアジアパシフィック ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 重岡銀次朗  KO5R  レイ・ロリト

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                       2019年12月2日(月)    後楽園ホール
                  WBOアジアパシフィック スーパーライト級王座決定戦12回戦
                     同級1位     K     O      同級5位
                ○   井上浩樹   7回3分08秒   ジェリッツ・チャベス   ●
                              (大橋) 140 lbs                       (比国) 139 1/2 lbs
             いのうえ・こうき   日本S・ライト級チャンピオン            比国S・ライト級チャンピオン

 左の井上,右のチャベス。初回,井上の死角から大きな左フックをかぶせるチャベス。井上はやや慎重になるが,中盤からボディへの左ストレート,ワンツーを細かく打つ。
 チャベスはぐいぐいと前に出て左フックを振るが,思うように接近できない。井上は右に回りながら右ジャブ,フック,上下に左ストレートを打ってコントロールし続けた。3回,井上はチャベスの左フックに合わせて左ストレート,右フックを浴びせた。
 5回,右に回り込みながら右ジャブ,フック,ボディへの左ストレートを打ち込む井上。チャベスは外からの左フックに加えて,踏み込んで右フックを振るが,届かない。終盤,井上は左ストレート,右フックをまとめる。
 7回,相変わらず上下への鋭いパンチで試合をコントロールする井上。2分過ぎ,流れを変えるべく,チャベスがプレスを強める。しかし,終了間際,チャベスが不用意に左フックを振ろうとした瞬間,井上のワンツーの左ストレートがアゴに炸裂。このカウンターをまともにもらったチャベスは,キャンバスに後頭部を打ちつけて仰向けに沈む。朦朧と立ち上がったが,足元が定まらない。到底戦える状態ではなく,福地主審はそのままカウントアウトした。

 井上がワンパンチでWBOアジアパシフィックのタイトルを手にした。強打を誇るチャベスに対し,常に右に回りながら右ジャブ,左ストレートでコントロールした。パンチの切れ,スピード,目と勘のよさが光る。カウンターのタイミングも抜群。15戦目にして,このクラスでは国内ナンバーワンの座を揺るがぬものにした印象がある。ただし,待ちに入る時間帯が長いことが気になる点。層が厚い中量級で世界に打って出るチャンスを掴むためには,自分からまとめて仕掛ける場面を作ることも必要。
 チャベスは右ファイタータイプで左右フックに破壊力がある。足はほとんど使わず,じりじりと距離を詰め,サウスポーの死角からかぶせる左フックで迫った。何とか接近しようとしていたが,井上の巧みなディフェンスと鋭いカウンターに阻まれた。

6回までの採点 井上 チャベス
主審:福地勇治 *** ***
副審:メキン・スモン(タイ) 59 55
副審:アキル・タマノ(比国) 58 56
副審:中村勝彦 58 56
参考:MAOMIE 60 54


     ○井上:15戦15勝(12KO)           27歳     身長:177cm
     ●チャベス:15戦9勝(7KO)4敗2分     28歳     身長:170cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:森昭一郎

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                2019年12月7日(土)    バークレイズセンター(米国:ニューヨーク)
                    IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦12回戦
                IBF世界S・バンタム級1位   T   K   O    IBF世界S・バンタム級2位
                ○   岩佐亮佑     11回1分09秒     マーロン・タパレス   ●
                            (セレス) 121 1/2 lbs                           (比国) 121 1/2 lbs

 サウスポー同士の対決。初回,タパレスは角度を変えながら右ジャブ,フックを突いて積極的に攻める。さらに上体を沈めておいて右アッパーを見舞うタパレス。2回,タパレスは左ストレートをかぶせる。しかし,押されてはならじと岩佐も右ジャブでプレスをかけながら前に出て左ストレート。
 3回,左アッパーのボディブローの相打ちは一瞬早く岩佐の頭がタパレスの右目下に当たっていた。このバッティングで思わずキャンバスに左膝をつくタパレス。しかし,ムーダ主審はノックダウンを宣告し,カウント8を数えた。
 4回,右ジャブを突いて前に出る岩佐。接近して体ごとプレスをかけ,左右アッパーのボディブローを打ち,タパレスのプレスに負けず,逆に押し込んで主導権を握っている。
 5回はタパレスがうまさを見せた。小さな左のフェイントから意表を突く右アッパーを巧打する。
 6回,岩佐はワンツーからタパレスをロープに詰め,右アッパーのボディブロー。さらに巧みにポジションを変えて右フックを見舞う岩佐。7回には左から右のフックをボディに。さらにじりじりと右ジャブでプレスをかける。タパレスは前に出たいが,岩佐のプレスに押されている。
 8回,ロープを背にした岩佐は右フックをもらうが,その後はショートのワンツー,左右アッパーを浴びせて主導権を握る。
 10回,岩佐は力みを排したワンツー,左右フックでプレスをかけ続ける。しかし,タパレスのリターンも要警戒のままだ。
 11回,タパレスは積極的に左右フックで攻める。しかし,岩佐は落ち着いている。タパレスが出した中途半端な右ジャブの打ち終わりにかぶせたクロス気味の左ストレートがカウンターになった。これをアゴに打ち込まれたタパレスはロープの下で仰向けにダウン。立ち上がったが,足元がふらついている。ムーダ主審はこれを見逃さず,そのまま試合をストップした。

 岩佐が暫定ながら見事なワンパンチTKOでタイトルを獲得した。馬力があるタパレスに苦戦も予想されたが,いつになく右ジャブで積極的にプレスをかけ,逆に下がらせていた。従来は線の細さが弱点だったが,すっかり逞しくなった姿を見せた。ときおりタパレスのリターンをもらう場面があったが,見事な試合内容である。
 タパレスは左ストレート,右フックに威力があるサウスポーのファイタータイプ。小柄ながらも体全体のバネを利かせたパンチが特徴。攻撃型で前に出ているときに強味を発揮するが,逆に岩佐にプレスをかけられて出足を封じられた。

10回までの採点 岩佐 タパレス
主審:シャーデ・ムーダ(米国) *** ***
副審:フランク・ロンバルディ(米国) 97 92
副審:ロビン・テイラー(米国) 95 94
副審:スティーブ・ワイズフェルド(米国) 97 92
参考:MAOMIE 97 92


     ○岩佐:30戦27勝(17KO)3敗       29歳     身長:172cm     リーチ:181cm
     ●タパレス:36戦33勝(16KO)3敗     27歳     身長:163cm     リーチ:165cm

     放送:WOWOW
     解説:西岡利晃&亀海喜寛
     実況:赤平 大

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                          2019年12月7日(土)    後楽園ホール
                    WBOアジアパシフィック スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン      負傷引き分け   挑戦者(同級1位)
                ×   ジョー・ノイナイ    5回2分07秒    尾川堅一   ×
                               (比国) 130 lbs                        (帝拳) 129 3/4 lbs
                             WBO6位                    IBF3位,WBA4位,WBO10位

 左のノイナイ,右の尾川。初回,ノイナイが積極的に前に出て,思い切った左ストレートをねじ込む。1分過ぎ,ノイナイの左ストレートでのけぞる尾川。尾川は左右フックのボディブロー,右ストレートで応戦するが,ノイナイは右フックから左アッパーを浴びせる。尾川は後手に回る。
 2回,ノイナイに主導権を渡すまじと言わんばかりに,尾川の動きが変わる。右ストレートがヒット。攻め込んできたノイナイのアゴにロープを背にした尾川の左フックがカウンターになる。しかし,その直後にバッティングが発生し,左目上をカットしたノイナイはドクターチェックを受ける。
 3回は逆に尾川がカットの憂き目に遭った。両者が踏み込んだところでバッティングが発生し,右眉頭から出血した尾川がドクターチェックを受ける。ノイナイの左目上よりも出血量が多い。ストップを意識した両者が一気にギヤを上げる。
 4回序盤,ノイナイの左ストレートがカウンターになり,尾川の腰が落ちる。尾川も右ストレートで応戦し,予断を許さぬ展開が続く。終了間際,両者が同時に踏み込もうとした瞬間にバッティングが発生し,ノイナイが左目上をカットして再びドクターチェックを受ける。2回に負ったのとは別物の傷とアナウンスがあった。
 5回,尾川は左フック,右ストレートを浴びせる。度重なるバッティングでノイナイはやや集中力を欠き,手数が減る。2分過ぎ,またもバッティングが発生してノイナイがドクターチェックを受ける。左目上の傷のうち,4回に負った2つ目が続行不能とされ,ここで試合がストップされた。

 果敢に攻めた尾川だが,無念の負傷ドローにより王座奪取ならず。強敵ノイナイに序盤はリードされたが,右ストレートあるいは左右フックのボディブローで徐々にリズムを掴んだ。ノイナイの手数が減ったのは尾川が上下に放ったサウスポー対策の右ストレートのおかげ。タイトルは奪えなかったが,最後まで集中力を切らさなかったのはよかった。次につながる勝利である。
 辛くも2度目の防衛に成功したノイナイはサウスポーのボクサーファイター。よく伸びる左ストレートを武器として,積極的に攻めてくる。尾川を苦しめたが,右ストレートで出足が鈍った。また再三のバッティングでやや集中力を欠いた面がある。しかし,強敵であることは間違いない。阿部麗也(判定負け=KG大和),坂晃典(2回TKO勝ち=仲里),清水聡(6回TKO勝ち=大橋)という具合に日本の一線級とグラブを交え,今夜の尾川を加えて4戦2勝(2KO)1敗1分という来日戦績を誇る。日本人にとっては非常にいいライバルになっている。かつてはこのように何度も来日して日本人の壁になった強敵が存在した。最近は強敵を避ける傾向が顕著だが,こういう相手にどんどんぶつかるべきだろう。

5回までの採点 ノイナイ 尾川
主審:染谷路朗 *** ***
副審:飯田徹也 46 49
副審:ダンレックス・タップダソン(比国) 48 47
副審:杉山利夫 48 48
参考:MAOMIE 47 48


     ×ノイナイ:22戦18勝(7KO)2敗2分           24歳     身長:173cm
     ×尾川:27戦24勝(18KO)1敗1分1無効試合     31歳     身長:173cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&長谷川穂積
     実況:辻岡義堂

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                        2019年12月7日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                  挑戦者(同級8位)   T   K  O     チャンピオン
                ○   坂 晃典     6回1分30秒     末吉 大   ●
                             (仲里) 130 lbs                         (帝拳) 130 lbs
                          さか・こうすけ                      すえよし・まさる
                                                           WBO3位

 2階級制覇に燃える坂が開始早々から精力的な攻撃を見せた。左ジャブで牽制し,広めのスタンスから上体を揺すってぐいぐいと距離を詰める。末吉をロープ,青コーナーに追い込んで攻める坂。
 2回,鋭い追い足で迫る坂に対し,末吉は余裕がない。終盤,坂が左フック,右ストレートで末吉をロープに詰めて攻勢。坂は末吉が得意とする左ジャブを多用している。
 3・4回,末吉は右ストレートで坂の出足を止めようとするが,勢いがなく,踏み込まれている。
 5回開始早々,坂も右ストレートを打ち込まれた末吉は体勢が崩れ,ロープにもたれてピンチに陥る。終盤,末吉の左ジャブが出るが,逆に坂の左ジャブで末吉のアゴが上がる。
 6回,左ジャブ,右ストレートで坂の出足を止めようとする末吉。しかし,1分過ぎ,坂が右ストレート,アッパーからチャンスを掴む。末吉を青コーナーに詰め,一気に襲いかかる坂。回り込んで逃れようとする末吉のアゴに左フックから右ストレートが決まる。末吉はニュートラルコーナーで腰から落ち,ロープを枕にする痛烈なダウン。ここでマーチン主審が即座に試合をストップした。

 坂が見事なTKOで王座奪取。フェザー級に続く2階級制覇である。浪速高(大阪)→関西大でアマ42戦31勝(17KO)11敗というキャリアがあるが,プロ向きの右ファイタータイプである。左右フック,右ストレートに威力がある。左ジャブを生命線とする末吉のお株を奪うような左ジャブが攻撃の突破口になった。鋭い踏み込みと逃げ道を塞ぐフットワーク,ウィービングを駆使して肉迫した。ロープ際に追い詰めてからは左フック,右ストレート,さらには左右フックのボディ打ちで攻め込んだ。素早い先手先手の攻撃で末吉の持ち味を封じた会心の勝利である。
 末吉は5度目の防衛に失敗。序盤から精彩を欠き,坂の果敢な攻めを止められなかった。持ち味の左ジャブが見られず,スウェイバックだけで対応しようとしたことが簡単に入り込まれた原因である。安定王者の地位を築いて世界に打って出ようとしていた矢先の痛恨の王座陥落となった。

5回までの採点 末吉
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:松原暢宏 50 45
副審:葛城明彦 49 46
副審:飯田徹也 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○坂:25戦20勝(17KO)5敗         27歳     身長:169cm
     ●末吉:22戦19勝(11KO)2敗1分     29歳     身長:175cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&長谷川穂積
     実況:平松修造

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                        2019年12月7日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)   T  K  O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
                ○   舟山大樹     4回1分54秒     スラデッチ・ルハシリ   ●
                              (帝拳) 122 lbs                             (タイ) 121 1/2 lbs
                          ふなやま・だいき

 左の舟山,右のスラデッチ。舟山はいきなり左ストレートで襲いかかる。右ジャブ,左ストレートからボディへの左右フックで攻める。スラデッチはアップライトスタイルから右ストレートを狙って前に出るが,スピードの差が大きい。
 2・3回,右ストレート,フックでぐいぐいと出るスラデッチ。舟山は左右フックのボディブロー,ワンツーを浴びせる。
 4回,激しい打ち合い。左右フック,左アッパーを上下に見舞う舟山。スラデッチも右ストレートをヒットするが,舟山は左右フック,左ストレート,アッパーで攻勢。スラデッチはバランスを崩しながらも右ストレート,フックを上下に打って応戦。しかし,舟山の左右フックが効いてしまう。朦朧としながら背中を向けて青コーナーにもたれたところで杉山主審が試合をストップした。

 舟山はこれで8連勝。サウスポーのファイタータイプでワンツー,ボディへの左右フックを得意としている。スピーディな連打が身上である。左右に動きながら相手の攻撃をかわして連打を浴びせる。スラデッチがどんどん出てきたので,足を絡めたボクシングになったが,本来は接近戦が主戦場。
 スラデッチは右ファイタータイプ。ベタ足でアップライトスタイルから右ストレート,フックを振って執拗に攻めてくる。ただし,重心が高いため,舟山にボディを狙われた面がある。タフではあるが,被弾を重ねたことによりダメージを負った。

     主審:杉山利夫,副審:飯田徹也&葛城明彦&ビニー・マーチン
     ○舟山:15戦11勝(4KO)3敗1分     26歳
     ●スラデッチ:8戦6勝(5KO)2敗       27歳
     放送:G+     解説:なし     実況:伊藤大海

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                      2019年12月7日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
                日本フェザー級(ノーランク)   K      O     タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○   峯田 光     1回0分42秒     トモーン・ピタワッタナクン   ●
                            (帝拳) 125 3/4 lbs                          (タイ) 125 1/4 lbs
                          みねた・ひかり

 右の峯田に対し,左のトモーンは右ジャブ,左ストレートから立ち上がる。峯田は左ジャブで牽制しながらチャンスを窺う。トモーンが左ストレートを出そうとしたところ,体を沈めて溜めを作った峯田が左フックを返す。このカウンターをアゴにもらったトモーンはバッタリと前に落ちてダウン。立ち上がったが,朦朧としており,松原主審はそのままカウントアウト。

 峯田は2018年度東日本新人王。全日本の決勝戦で竹本雄利(クラトキ)に敗れたが,これで3連勝(2KO)と復調している。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力があり,カウンターのタイミングに非凡なものがある。狙い過ぎず,細かく手を出しながらチャンスを探るべき。
 トモーンはサウスポーのボクサーファイター。右ジャブ,左ストレートを主体とする基本に忠実なスタイルが特徴。ガードが下がるのが欠点であり,そこに左フックのカウンターをもらった。

     主審:松原暢宏,副審:染谷路朗&葛城明彦&ビニー・マーチン
     ○峯田:9戦8勝(5KO)1敗          23歳     身長:172cm
     ●トモーン:8戦4勝(3KO)3敗1分     25歳
     放送:G+     解説:なし     実況:伊藤大海

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                  2019年12月8日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                   WBOアジアパシフィック ウェルター級王座決定戦12回戦
                     同級1位      T   K   O      同級2位
                ○   別府優樹    10回2分11秒    矢田良太   ●
                       (久留米櫛間&別府優樹) 146 1/2 lbs                  (グリーンツダ) 146 1/2 lbs

 初回,別府が左右フックで積極的に先手を取る。矢田はクリーンヒットこそ許していないが,別府が手数で上回る。
 2回,別府はよく左ジャブを突いている。矢田は左フックをもらう。中盤にもテンプルに左フックをもらった矢田は腰が落ちてロープ際に後退。効いている矢田。別府の左アッパーを食った矢田はキャンバスに両手をついてダウン(カウント8)。3回にも別府の左ジャブ,フックがよく出ている。矢田は正面に立って被弾する場面が目立つ。
 4回,矢田が逆転のダウンを奪った。矢田は左ジャブ,フックをもらうが,中盤,右フックが決まり,今度は別府が腰から落ちてダウン(カウント8)。
 5回,矢田は上体を振りたいが,左ジャブ,フックの標的になっている。しかし,2分過ぎ,矢田の右ストレートがヒットし,ぐらついて別府の動きが止まる。さらに矢田の右フックが決まる。
 6回,矢田がKOチャンスを迎えた。中盤,右フックでロープ際に飛ばされる別府。右アッパーをフォローされた別府は仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がったところで激しい打ち合いに突入。別府は右アッパーで反撃に出るが,終盤,矢田の右アッパーを浴び,前に落ちて2度目のダウン(カウント8)。再開したが,別府の足元は定まらず,よろけてロープ際で尻餅をつく。
 7回,矢田も被弾は多いが,別府のダメージが深い。打ち合いの中,ダメージが蓄積した別府は両膝をキャンバスにつく。ここで室屋主審はダウンを宣告した(カウント8)。立ち上がった別府は左ジャブ,フックを多用しながら足を使い,リズムを取り戻そうとする。
 8回は別府が左に回りながら多用する左ジャブ,フックがよく当たる。より多く左ジャブを出さなければならない矢田が逆に左ジャブをもらっている。
 9回,矢田は前に出るが,ガードの甘さが目立つ。しかし,終盤,左右ショートフックをまとめようとした別府のアゴに矢田の左フックがカウンターになり,腰から落ちた別府はこの試合5度目のダウン(カウント8)。
 10回,5度のダウンを奪った矢田は前に出るが,ダメージの蓄積が見られる。正面に立って別府の左ジャブをことごとくもらう。なおも前に出るが,矢田の右目が塞がり,ドクターチェックを受ける。矢田は再開後も前に出るが,勝負どころと見た別府が左ジャブ,フックを連打。矢田の腰が落ちたところで室屋主審が試合をストップした。

 両者合わせて6度のダウンシーンを含む大乱戦の末,5度のダウンを跳ね返した別府が王座を獲得した。別府は左右フックに破壊力がある右ファイタータイプ。しかし,力任せではなく,左右に動きながら出バナに左ジャブ,フックを当てるうまさを見せた。その反面,いい攻撃を見せながらも肝心なところで反撃を受ける悪い癖が出た。驚異的な回復力が目を引いたが,ディフェンス力を向上させることが課題。
 矢田は5度のダウンを奪いながら,別府の左ジャブをことごとくもらっていた。奪ったダウンの回数は矢田の方が多いが,被弾の数とダメージの深刻さもまた別府を上回っていた。こちらもディフェンスを何とかしないと選手生命を縮めるだけだろう。軽快なフットワークから放つ左ジャブ,ワンツーを得意とする右ボクサーファイター。

9回までの採点 別府 矢田
主審:室屋雅弘 *** ***
副審:池原信遂 80 85
副審:大藤隆幸 80 85
副審:メキン・スモン(タイ) 80 85
参考:MAOMIE 80 85


     ○別府:23戦21勝(20KO)1敗1分     28歳     身長:172cm
     ●矢田:25戦19勝(16KO)6敗        30歳     身長:179cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                      2019年12月10日(火)    後楽園ホール
                   東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン         挑戦者(同級6位)
                ○   三代大訓   判 定   木村吉光   ●
                            (ワタナベ) 129 3/4 lbs         (白井・具志堅) 129 3/4 lbs
                      みしろ・ひろのり

 初回,木村が挑戦者らしく積極的に左ジャブを伸ばしてスタート。しかし,中盤,三代のタイミングのいい右フックが耳の下に決まり,木村は思わず右膝をついてダウンを取られた(カウント8)。
 2回,ダウンにもめげず,木村が左ジャブから右ストレートを被せて積極的に攻める。しかし,三代はこれをよくブロック。終了間際,右ストレート,ワンツーで木村をロープに詰める三代。
 4回,ウェイトが乗った重いパンチで攻める木村。左フックを浴びせて三代をロープに詰め,右フックを打つ。三代も右クロスを返すが,木村は左フック,右ストレートで優位に立つ。三代の攻勢をウィービング,ダッキングでかわす木村。
 6・7回は三代が右ストレート,ボディへの左アッパーでポイントを押さえる。木村は積極的に攻めているが,鼻から出血。
 8回は木村。三代も右ストレート,アッパーで反撃するが,いいところで相手を見てしまい,反撃の芽を自ら潰している。木村はワンツーをヒットし,左ジャブがよく出ている。
 10回終盤,木村の右ストレートがヒット。よく動き,手数も出ている。一方の三代は手数が少ない。11回,木村は左ジャブから右フックをボディに。さらに右ストレートを打つ。
 12回,ともに決め手を欠くが,積極的に手数を出している木村がわずかに上回った。

 三代,辛くも4度目の防衛。まさに薄氷の勝利である。全般を通じて手数が少なく,いいパンチが当たっても,相手を見てしまい,手を止めてしまう悪い癖が目立った。洗練されたスマートな右ボクサーファイター。右ストレート,ボディへの左アッパーなど鋭いパンチを持っているが,自分から流れを作るようでないと,ここから上は期待できない。
 木村は惜しい試合を落とした。尽誠学園高(香川)でのアマ経験を経てプロ入りし,2016年全日本フェザー級新人王のタイトルを獲得している。右ファイタータイプで左ジャブ,右ストレートを得意としている。ジャブの名手・三代のお株を奪う左ジャブを多用し,常に先手を取っていた。一歩及ばなかったが,王者・三代に対し,互角以上の試合内容で渡り合ったことは今後の自信につながるだろう。

採点結果 三代 木村
主審:杉山利夫 *** ***
副審:松原暢宏 114 113
副審:福地勇治 113 114
副審:染谷路朗 114 113
参考:MAOMIE (94) (95)


     ○三代:10戦9勝(3KO)1分      25歳     身長:177cm
     ●木村:14戦12勝(7KO)2敗     23歳     身長:169cm

     放送:TBS
     解説:内藤大助
     実況:土井敏之

※ 第3・5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                           2019年12月12日(木)    後楽園ホール
                       東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                       チャンピオン       K      O   挑戦者(同級15位)
                ○   勅使河原弘晶    5回3分09秒    川島翔平   ●
                          (輪島功一スポーツ) 121 3/4 lbs                     (真正) 122 lbs
                               IBF7位

 開始早々から勅使河原が小刻みな動きでリズムを取り,フェイントをかけながら左ジャブで牽制する。川島は慎重に様子見。勅使河原は単発ながらも右ストレート。終了間際にも左フックをヒットする。
 2回,勅使河原は左ジャブでプレスをかける。川島の鼻の周囲が紅潮している。勅使河原は左ジャブから右ストレート,ボディにも右フックを見舞う。川島も左ジャブ,右ストレート。
 3回,勅使河原は右フックのボディブローから左フックをヒット。終盤,川島も右ストレートをヒット。
 4回,勅使河原の左ジャブがよく当たる。川島はボディから上に左アッパー,フックをダブルで打つが,勅使河原は左ジャブを多用し,リング中央で右ストレート,左フックをヒット。
 5回,ガードを固めながら前に出る川島。しかし,パンチを出す前に勅使河原が先手で攻める。終盤,右ストレートをヒットした川島がスパートする。これに呼応した勅使河原が左右フックで反撃し,火を噴くような激しい打ち合いに突入。ここで勅使河原の相打ちの左フックが一瞬早く川島のアゴに着弾する。まともにカウンターをもらった川島は上体を捻じるようにキャンバスに落下。立ち上がったものの,足元が定まらず,福地主審はそのままカウントアウトした。

 勅使河原が豪快なワンパンチKOで3度目の防衛に成功。左ジャブがよく出ており,フェイントをかけながらコツコツとパンチを当てていた。フィニッシュの左フックは右が空を切って作った溜めで返した豪快なカウンター。がむしゃらな攻めのようで,相手をよく見ている。ガードの低さが攻撃のしやすさにつながって吉と出るか,ディフェンスの甘さとして凶と出るか。来年は勝負の年になるだろう。
 川島は右ボクサーファイター。ガードを固めながら前に出て,左ジャブ,右ストレートでオーソドックスな試合運びをする。前に出ていたが,打つ前に勅使河原に先手を取られていた。

4回までの採点 勅使河原 川島
主審:福地勇治 *** ***
副審:染谷路朗 39 37
副審:吉田和敏 39 37
副審:杉山利夫 40 36
参考:MAOMIE 40 36


     ○勅使河原:25戦21勝(14KO)2敗2分     29歳     身長:170cm
     ●川島:24戦18勝(4KO)4敗2分         27歳     身長:167cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                        2019年12月12日(木)    後楽園ホール
                       日本ユース バンタム級王座決定戦8回戦
                  日本バンタム級14位   T   K  O    日本バンタム級(ノーランク)
                ○   石井渡士也     4回0分30秒     石川春樹   ●
                          (REBOOT. IBA) 117 3/4 lbs                     (RK蒲田) 117 3/4 lbs

 初回,石井がよく伸びる左ジャブを多用して流れを作った。石川は右ストレートからの左フックを狙うが,石井は冷静。終盤,右ストレート,左フックで石川が攻め込み,石井がロープ際に崩れ落ちるが,これはプッシングでスリップとの判断が下った。終了間際,石井が右ストレートから返した左フックで石川が仰向けにダウン(カウント8)。
 2回,壮絶な打ち合いになった。石井がロープ際に追い込んだところに石川の左フックがカウンターになり,今度は石井が腰から落ちてダウン(カウント8)。再開後,リング中央で相打ちの左フックによって両者が同時に腰砕けになる珍しい場面があり,場内が大いに沸いた。しかし,逆転のダウンを奪われた石井のワンツーで石川の腰が落ちる。2分過ぎにも石井の右フックでぐらつく石川。
 3回,力みが目立つ石川に対し,冷静な石井。石井は間合いを取り,左ジャブがよく伸びる。この左ジャブから右ストレート,左フック,アッパーを巧打する石井。
 4回,石井が痛烈に試合を終わらせた。前に出ようとする石川。しかし,石井は冷静に出方を見て左ジャブで出バナを叩く。石川が左フックを振って入ろうとした瞬間に打ち下ろした石井のワンツーの右ストレートがものの見事にアゴを捉える。上体がぐらりと揺れて制御不能になった石川はそのままロープの間に突っ込む。あわやリング下に転落かという痛烈なダウンに,杉山主審は即座に試合をストップした。

 ダウンの応酬を含む激戦となったが,石井が見事なワンパンチTKOで勝利を飾った。花咲徳栄高(埼玉)時代にインターハイで準優勝の実績があり,アマチュアで44戦30勝(4KO)14敗の戦績を残している。右ボクサーファイターで非常にクレバーな面がある。自分の間合いを保つフットワークと相手の出バナにタイミングよくヒットする左ジャブで試合をコントロールした。この左ジャブに次ぐカウンターの右ストレート,左フックが鋭い。冷静な試合運びは18歳とは思えぬ落ち着きを感じさせる。楽しみな新鋭が現れた。
 石川は2018年度東日本バンタム級新人王。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを武器としており,こちらもパンチ力がある。都立六郷工科高(東京)でアマ6戦3勝(1RSC)3敗というキャリアを持つ。果敢に打ち合いを挑んだが,力みが目立ち,逆に冷静な石井に出バナを叩かれて主導権を握られていた。

     主審:杉山利夫,副審:染谷路朗&福地勇治&岡庭 健
     ○石井:3戦3勝(2KO)         18歳     身長:162cm
     ●石川:10戦8勝(6KO)2敗     20歳     身長:166cm
     放送:フジテレビ     解説:川島郭志     実況:大川立樹

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                   2019年12月17日(火)    大阪府立体育会館第2競技場
                                 8回戦
                   日本S・バンタム級14位   T   K  O   日本バンタム級5位
                ○   辰吉寿以輝    4回2分30秒    中村誠康   ●
                            (大阪帝拳) 121 1/4 lbs                 (TEAM 10CONUT) 121 1/2 lbs
                                               なかむら・まさやす

 初回,中村は積極的に出るが,辰吉はよく見て右ストレート,左フックを返す。早くも右目上から出血する中村(辰吉の有効打による傷)。左フックで足が縺れる。中盤,辰吉の左フックがカウンターになり,中村は腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がった中村は顔面を血で染めて応戦するが,正面に立ってパンチをもらう。辰吉は好調なスタート。
 前に出る中村に対し,辰吉は左に回りながらよく見て右ストレート,左フックを打つ。3回,中村は右目上の傷でドクターチェックを受ける。辰吉は落ち着いてよく見て,終盤に左アッパーのボディブローを見舞った。
 4回,出血にも構わず前に出る中村。しかし,スピードがなく,ガードも甘い。辰吉は左ジャブで中村の前進を止め,左フック,右ストレートを浴びせる。中村の右目上からの出血が多くなり,2度目のドクターチェックを受ける。結局続行不能と診断され,ここで試合がストップされた。

 辰吉は無傷の13連勝。前に出る中村に対し,左ジャブ,フック,右ストレートを浴びせ,左に回りながら落ち着いて戦っていた。力みもほとんどなく,冷静な戦いぶりである。この勝利でさらにランクが上がることは間違いない。来年はいよいよタイトルを目指した勝負の年になるだろう。左ジャブが少ないことが唯一の問題点である。
 中村は右ファイタータイプ。右ストレートを得意として積極的に前に出る。しかし,スピードがなく,正面に立ってしまうので,被弾が多くなった。愚直に前に出ていたが,あれだけことごとくパンチをもらっては勝機は見えてこない。

     主審:半田隆基,副審:近藤謙二&田中しんいち&北村信行
     ○辰吉:13戦13勝(9KO)         23歳     身長:167cm
     ●中村:12戦7勝(6KO)4敗1分     27歳     身長:169cm
     放送:読売テレビ(youtube)     解説:なし     実況:尾山憲一

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               2019年12月21日(土)    カッパーボックス・アリーナ(英国:ロンドン)
                       WBCシルバー ヘビー級王座決定戦12回戦
                  WBO世界ヘビー級6位    K      O   WBA世界ヘビー級13位
               ○   ダニエル・デュボア    2回2分10秒    藤本京太郎   ●
                               (英国) 240 lbs                       (角海老宝石) 230 1/4 lbs
                             IBF12位                           WBO15位

 開始早々からデュボアが巨体を小刻みに動かしてリズムを取りながら,左ジャブで牽制してプレスをかける。その威圧感に気圧された藤本は後退を余儀なくされる。デュボアは右ストレートをボディに。ワンツーを受けた藤本はロープに詰まる。
 2回,前に出るデュボア。藤本は動きが硬い。デュボアのタイミングのいい左ジャブが顔面に決まり,藤本は呆気なく尻餅をつく(カウント8)。藤本が踏み込んで左ジャブをボディに打とうとしたところに合わせたカウンターだった。再開後,デュボアはプレスを強める。藤本をロープに詰めたデュボアは右ストレート,左右アッパーで攻勢。藤本は後退。ロープ際に下がった藤本が右ストレートを出そうとした瞬間,ウェイトが乗ったデュボアの右ストレートがまともに炸裂。アゴの先端に相打ちのカウンターをまともにもらった藤本は半回転して仰向けに沈む。ここでラフリン主審が即座に試合をストップした。

 敵地に乗り込んで世界ヘビー級の上位に敢然と挑んだ藤本だが,圧倒的な力の差に屈服した。デュボアにプレスをかけられて出るに出られず,後退して強打をかわすのが精いっぱい。考えていた作戦はいろいろあったはずだが,金縛りにあったような動きだった。もう少し左右に動いてかわしながら揺さぶっていれば面白くなっていた可能性はある。
 デュボアは右ボクサーファイター。巨体を利して左ジャブを突きながらプレスをかける。距離を詰めながら右ストレート,接近すると左右アッパーがある。体のスピードは今ひとつだが,パンチは非常に重い。

     主審:ビクトル・ラフリン(英国),副審:レイ・ダンセコ(比国)&ジョン・レイタム(英国)&エルネスト・サルディバル(メキシコ)
     ○デュボア:14戦14勝(13KO)     22歳     身長:196cm     リーチ:198cm
     ●藤本:23戦21勝(13KO)2敗     33歳     身長:183cm     リーチ:186cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                      2019年12月22日(日)    後楽園ホール
                    第66回全日本新人王決勝戦(バンタム級)
                               4回戦
                      西軍代表               東軍代表
               ○   中西寛多郎    判 定    小笠原梢太   ●
                           (HKスポーツ) 117 3/4 lbs            (シャイアン大嶋) 117 3/4 lbs
                         なかにし・かんたろう               おがさわら・しょうた
                中西は技能賞を受賞

 小柄な中西が左ガードを下げた構えから,よく見て左ジャブを多用する。小笠原は動きが硬く,中西の左ジャブを受ける。終盤,中西が左右に動き,左ジャブから左右フック,右ストレートをまとめる。
 2回にも中西がうまさを見せつけた。自分のポジションと間合いを保ち,左ジャブ,アッパー,ボディへの左アッパー,右ストレートで先手を取る。終了間際,小笠原も青コーナー付近で左フックをヒット。
 3回,攻め倦む小笠原の胸中を読んだかのように,中西が翻弄した。左ジャブ,アッパー,フック,右ストレート。左に回りながら,よく手が出る中西。
 4回,完全にリズムに乗る中西。左に回りながら小笠原のパンチをウィービング,ダッキングでかわし,小気味よく左ジャブをヒットする。左アッパー,フック,右ストレートが冴える。劣勢の小笠原は攻めたいが,左ジャブで出バナを叩かれ,出ていくと足でかわされた。

 中西が技能賞に相応しい技巧を見せ,全日本新人王のタイトルを獲得した。豊国学園高(福岡)でアマチュアの経験はあるが,戦績は13戦7勝6敗という平凡なもの。しかし,決勝戦の晴れ舞台でファンを唸らせる見事なテクニシャンぶりを見せた。左に回りながらタイミングのいい左ジャブを多用し,終始リードした。左ジャブ,右ストレート,上下への左フック,アッパーなど多彩な持ち駒がある。相手のパンチをウィービング,ダッキングでかわし,攻め込んでくるとフットワークを生かして間合いを取るなど,18歳とは思えぬ引き出しの豊富さが光る。
 小笠原は右ボクサーファイター。左フック,ボディへの左アッパーにパンチ力がある。積極的に攻め,ときおり得意の左フックをヒットしていたが,序盤から動きが硬く,中西のうまさに翻弄された。出バナに左ジャブを受け,出足を封じられたことが響いた。

採点結果 中西 小笠原
主審:近藤謙二 *** ***
副審:石川和徳 40 36
副審:杉山利夫 39 38
副審:姫野俊道 39 37
参考:MAOMIE 40 36


     ○中西:4戦3勝1分           18歳
     ●小笠原:8戦5勝(3KO)3敗     24歳

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:辻岡義堂

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                   2019年12月22日(日)    後楽園ホール
                  第66回全日本新人王決勝戦(フェザー級)
                             4回戦
                     西軍代表             東軍代表
               ○   前田稔輝    判 定    亀田京之介   ●
                         (グリーンツダ) 125 1/2 lbs               (花形) 126 lbs
                    まえだ・じんき              かめだ・きょうのすけ
               前田は敢闘賞を受賞

 右の亀田,左の前田。初回,左右に動きながら前田を挑発する亀田。前田は全く動じることなく,じいじりとプレスをかける。赤コーナーに亀田を詰めた前田は左ストレートをひとつヒット。
 2回,亀田は左右に動いてカウンター狙い。前田は距離を詰めようとするが,亀田が体を沈めて右ストレートを伸ばす。1分過ぎ,赤コーナーを背負った亀田の右ストレートがカウンターになり,前田は腰砕けになって後退。すかさず攻勢に出る亀田。
 3回は逆に前田。ロープを背負った亀田に前田のワンツーがヒット。前田はさらに左ストレートをボディに打つ。前田は落ち着いて攻めている。
 4回,激しい打ち合い。前田の左ストレートでロープを背にのけぞる亀田。亀田もロープを背に左フック,右ストレートを返すが,前田はどんどんロープに詰めていく。亀田は打ち返すが,疲労が目立つ。前田は左ストレートをヒット。

 東のMVP亀田と西の技能賞・前田という注目のカード。激しい応酬が続いたが,終始冷静に攻めた前田が全日本新人王に輝いた。
 前田はサウスポーのボクサーファイター。摺り足で前に出て,ややガードを低めに構えたところから放つ左ストレートを得意としている。日本拳法出身者特有の当て勘が光る。その反面,直線的な出方をするので,カウンターをもらうリスクも高い。
 亀田は長身の右ボクサーファイタータイプ。右ストレートを武器としている。左右に動きながら,ときにはロープを背にカウンターを狙う。しかし,前田の冷静な攻めに対し,無駄な動きが多い。4回には体力を消耗しており,打ち返してはいたものの,バランスを崩して目いっぱいの状態だった。

採点結果 前田 亀田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:石川和徳 37 39
副審:福地勇治 39 38
副審:近藤謙二 39 37
参考:MAOMIE 39 37


     ○前田:4戦4勝(2KO)          23歳     身長:174cm
     ●亀田:8戦5勝(4KO)2敗1分     21歳     身長:183cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:平松修造

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                     2019年12月22日(日)    後楽園ホール
                  第66回全日本新人王決勝戦(スーパーライト級)
                              5回戦
                     東軍代表    T   K  O   西軍代表
               ○   本多航大   4回0分42秒   藤田裕崇   ●
                           (川崎新田) 140 lbs                 (名古屋大橋) 140 lbs
                         ほんだ・こうだい                ふじた・やすたか
               本多はMVPを受賞

 開始早々から激しい打ち合いになった。左にスイッチした藤田がエンジン全開で左右フックの猛攻に出る。藤田の右フックが決まり,本多は左膝をついてダウン(カウント8)。再開後,左構えにスイッチして左右フックで猛攻に出る藤田。本多は左フック,右ストレートで反撃するが,カウンターの右フックを食い,腰から落ちて2度目のダウン(カウント9)。藤田は絶好のKOチャンスを迎えるが,力んで大振りになる。終盤,本多の右ストレートがヒットし,今度は藤田が効いてしまうという混沌の展開。
 2回,本田の右ストレート,藤田の右フックで予断を許さない展開。初回に飛ばした藤田はややスローダウン。逆に本多がヘッドスリップを繰り返しながら執拗に前進し,右ストレート,左右フックでロープ,コーナーに藤田を詰めて攻勢に出る。
 3回,スタミナを回復させようと足を使って左右に動き,細かく手を出す藤田。一方の本多は構わず執拗に食い下がる。本多の左フックが再三ヒット。終盤,ロープに詰めて本多が放った小さい左フックがアゴに決まり,藤田は両膝からがっくり前に落ちてダウン(カウント9)。
 4回,前に出る本多。低く構え,左ジャブを突いて立て直そうとする藤田。赤コーナーに藤田を詰める本多。藤田はロープを背に手を出すが,左フックをアゴに打ち込まれ,赤コーナーに崩れ落ちる。ここで田中主審が即座に試合をストップした。

 壮絶な打撃戦,ダウンの応酬になった。初回にいきなり2度倒された本多が劇的な逆転TKOで全日本新人王のタイトルを獲得した。右ファイタータイプで華麗なところはないが,愚直かつ執拗に前に出る。右ストレートと返しの左フックにパンチ力がある。粘りが身上であり,初回にKO負け寸前に追い込まれながらも,諦めずに食い下がって藤田のスローダウンを待った。
 藤田は右ファイタータイプだが,頻繁に左構えにスイッチする。左右フック,右ストレートにパンチ力がある。パワーを前面に出した攻撃型だが,変則的でセオリーのない戦い方をする。初回に飛ばし過ぎた反動が次の2回に出てしまった。力みが目立ち,大振りでチャンスを潰した面がある。

     主審:田中浩二,副審:石川和徳&福地勇治&中村勝彦
     ○本多:6戦5勝(4KO)1敗     20歳     身長:175cm
     ●藤田:6戦5勝(5KO)1敗     24歳     身長:174cm
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:伊藤大海

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                       2019年12月23日(月)    横浜アリーナ
                       WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T  K  O    挑戦者(同級8位)
                ○   村田諒太   5回2分45秒   スティーブン・バトラー   ●
                            (帝拳) 159 1/2 lbs                     (カナダ) 160 lbs

 開始早々から早くもプレスをかける村田。ガードを固めながら前に出て,左ジャブからボディに右ストレート。さらに右クロスからボディに左アッパーを打つ。村田の強打を警戒したバトラーは下がりながら,ときおり左ジャブから右ストレートを打つ。
 2回はバトラーが先に手を出すが,3回には村田が丹念に左ジャブを突いて攻める。村田は左ジャブ,右ストレートでバトラーをロープに詰めて攻勢。バトラーは思わずクリンチに出る。終盤,村田は右ストレート,フックを連発して攻勢。
 4回,村田のプレスが止まない。右ストレートのボディブローから右フック,ストレートで徐々にバトラーを追い込む。バトラーは右の打ち終わりに上下への右ストレートを狙うが,村田のパワーに押され気味。
 5回,村田の強打が火を噴いた。中盤,右ストレートが効いてクリンチに出るバトラー。終盤,テンプルへの右ストレートが効いてバトラーの膝が落ちる。チャンスと見た村田が一気に襲いかかる。ふらつくバトラーをニュートラルコーナー付近に詰めた村田は右ストレートからの左フックを一閃。バトラーはたまらずその場に腰から落ちる。ここでラモス主審が試合をストップした。

 今年7月にロブ・ブラント(米国)から王座を奪回した村田が初防衛に成功。若くて強打があるバトラーは強豪の呼び声が高かったが,ブロック,パリーしながらプレスをかけ続けた。左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパー,右フックはパワー十分で強力なプレスになった。待ちに入らないように左ジャブをどんどん出し,自分からプレスをかける戦法に徹するのがいいだろう。
 バトラーは長身の右ボクサーファイター。距離を置いたところで左ジャブから放つ右ストレートが最大の武器。一発がある若きホープである。村田の打ち終わりに右ストレートを狙っていたが,村田の強いプレスは想定を越えていただろう。

4回までの採点 村田 バトラー
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:ラウル・カイズ・シニア(米国) 39 37
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 40 36
副審:イグナシオ・ロブレス(パナマ) 39 37
参考:MAOMIE 39 37


     ○村田:18戦16勝(13KO)2敗          33歳     身長:184cm     リーチ:190cm
     ●バトラー:31戦28勝(24KO)2敗1分     24歳     身長:182cm     リーチ:190cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&長谷川穂積
     実況:森昭一郎

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                      2019年12月23日(月)    横浜アリーナ
                       IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       T  K  O   挑戦者(同級14位)
               ○   モルティ・ムザラネ   9回2分54秒   八重樫 東   ●
                              (南アフリカ) 112 lbs                    (大橋) 112 lbs

 八重樫が絶好調の立ち上がりを見せた。軽快なフットワークで左右に動き,左ジャブ,ワンツー,左フックをガードの上から叩く。ムザラネはガードを固めながら八重樫を追う。
 3回までは完全に八重樫のペース。ムザラネは八重樫の動きのスピードについていけない。
 4回中盤,八重樫が戦法を一変。激闘王の火がついたように,足を止めて猛然と左右フック,アッパーの連打を浴びせる。しかし,これはムザラネのパンチが当たる距離でもある。逆に八重樫の攻撃が途切れたところからムザラネが左ジャブ,ワンツーを浴びせる。ムザラネの右アッパーがヒット。5回にもアウトボクシングを捨てた八重樫が足を止め,左右フックを浴びせる。
 6回,八重樫は動きを強めて左右フックをボディに連打するが,中間距離にいるとムザラネの左ジャブが飛んでくる。
 7回,八重樫は接近して左右フック。しかし,中間距離に立ち,ムザラネの左ジャブからのワンツー,左フックをまともに食ってのけぞり,動きが止まる。ムザラネのガードは相変わらず固い。
 8回序盤,ボディに打ち込まれた左フックが効いてしまった八重樫はロープからロープに後退。猛然と攻勢に出るムザラネ。ロープに腰を落としてダウン寸前のピンチに陥った八重樫はクリンチで逃れようとする。タオルを握った大橋会長が立ち上がり,投入のタイミングを測る。状況は一気に緊迫。
 9回,勝負どころと見たムザラネは左ジャブを増やして前に出る。八重樫は動いてリズムを取り戻そうとするが,ワンツーの連打をもらって後退。ロープからロープに逃れてピンチを凌ぐが,ダメージの蓄積は明白。再び立ち上がってタオル投入のタイミングを測る大橋会長。ここでゴンザレス主審が試合をストップした。

 王座返り咲きを目指した八重樫。健闘したが,ムザラネの堅固なガードに阻まれた。終わってみれば,左ジャブ,ワンツーでダメージを蓄積させた末のTKO負け。序盤は左右に動いていいリズムでリードしていたが,4回に足を止めて攻撃に出てから流れが変わった。やはり中間距離に立っては,ムザラネの思うツボ。左ジャブ,ワンツーをもらい,徐々に追い込まれた。序盤に見せていた足を生かした組立に徹していればと悔やまれる。
 ムザラネは3度目の防衛に成功。華麗なところはないが,鉄壁のガードで相手のパンチを巧みに殺す堅実なテクニックは相変わらず。身長の割にリーチが長く,ガードを固めるとアゴから脇腹までが隠れてしまう。八重樫が中間距離に立つと,すかさず左ジャブ,ワンツーを飛ばした。ボディにもパンチを散らし,いつの間にか自分のペースに引きずり込む老獪さが光る。

8回までの採点 ムザラネ 八重樫
主審:マリオ・ゴンザレス(アルゼンチン) *** ***
副審:ジョナサン・デービス(比国) 76 76
副審:デオン・ドゥワルテ(南アフリカ) 77 75
副審:吉田和敏 78 74
参考:MAOMIE 76 76


     ○ムザラネ:41戦39勝(26KO)2敗     37歳     身長:161cm     リーチ:175cm
     ●八重樫:35戦28勝(16KO)7敗      36歳     身長:160cm     リーチ:164cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志&長谷川穂積
     実況:竹下陽平

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                        2019年12月23日(月)    横浜アリーナ
                       WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       T  K  O    挑戦者(同級12位)
                ○   寺地拳四朗   4回1分08秒   ランディ・ペタルコリン   ●
                             (BMB) 107 3/4 lbs                   (比国) 106 1/2 lbs

 右の寺地,左のペタルコリン。ペタルコリンは思い切った左フック,ストレートを伸ばして攻める。寺地は小刻みな足の動きでリズムを取りながら,リーチ差を生かした左ジャブでプレスをかける。
 3回,ペタルコリンの左ストレートが飛んでくる。しかし,寺地は冷静に右ストレートのボディブローでプレスをかける。2分ちょうど,右ストレートが鳩尾に突き刺さり,苦悶の表情を浮かべたペタルコリンはたまらずひざまづいてダウン(カウント8)。さらに同じ右ストレートのボディ打ちで左膝をついて2度目のダウン(カウント8)。すっかり余裕が出た寺地は右ストレート,ボディへの左右アッパーで厳しい攻めを見せる。ニュートラルコーナー付近で左から右のアッパーでボディを抉られたペタルコリンは左膝をついて3度目のダウン(カウント9)。絶体絶命のペタルコリンはここで辛うじてゴングに救われた。
 4回,左ストレート,フックを振り,捨て身の反撃に出るペタルコリン。しかし,寺地は全く動じることなく,右ストレートのボディブローで応じる。右ストレートから脇腹を左アッパーで抉られたペタルコリンはロープ際で左膝をつき,この試合実に4度目のダウン。笑顔で悠々とコーナーに下がる寺地。ペタルコリンは立ち上がれず,カウントの途中でストップされた。

 寺地,7度目の防衛に成功。パンチ力があるペタルコリンの左強打に脅かされる場面はあったが,右ストレートのボディ打ちに集中して崩した。サウスポーの左の打ち終わりに右ボディブローを合わせるタイミングも抜群。これでペタルコリンが攻めにくくなった。この右ボディブローはすっかり主武器として定着した。リーチ差を生かした左ジャブでうまくタイミングを測って打ち込む右ストレートあるいは左右アッパーのボディブローが強烈。いつの間にか防衛回数を重ね,安定王者としての風格が備わってきた。
 ペタルコリンはサウスポーのボクサーファイター。戦績が示すようにパンチ力がある。左ストレート,フックを振って積極的に攻め込む。しかし,左を打つときに両足が揃い,ボディが空く欠点がある。

3回までの採点 寺地 ペタルコリン
主審:フランク・ガルサ(米国) *** ***
副審:マルコム・ブルナー(豪州) 29 26
副審:キム・ジャンスン(韓国) 28 26
副審:ネイサン・パルマー(米国) 29 25
参考:MAOMIE (20) (16)


     ○寺地:17戦17勝(10KO)               27歳     身長:165cm     リーチ:164cm
     ●ペタルコリン:36戦31勝(23KO)4敗1分     27歳     身長:160cm     リーチ:170cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:立本信吾

※ 第2ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2019年12月23日(月)    横浜アリーナ
                                 8回戦
                 元世界4階級チャンピオン    T   K  O      比国フライ級12位
              ○   ローマン・ゴンザレス    2回2分20秒    ディオネル・ディオコス   ●
                           (ニカラグア) 115 3/4 lbs                           (比国) 115 1/2 lbs

 初回,ゴンザレスが軽くウィービング,ダッキングしながら前に出る。ディオコスは左ジャブを出しながら下がり,左右フック。ゴンザレスはこれをブロック,パリーしながらロープに詰め,右ストレートから左アッパーをボディに。
 2回,相手の力量を読み切ったゴンザレスがプレスを強める。ディオコスの左ジャブをパリー,ウィービングでかわし,ロープに詰める。右ストレートの強打でディオコスの動きが止まったところで一気にスパートするゴンザレス。ディオコスは応戦するが,右ストレート,左右アッパーをまとめられ,ロープを背に防戦一方。ここで福地主審がカウント9を数える。しかし,再びゴンザレスの攻勢でディオコスがニュートラルコーナーを背に防戦一方になったところで福地主審が試合をストップした。

 ゴンザレス,貫録のTKO勝利。実力差はあったものの,堂々たる横綱相撲の圧勝である。初回こそ様子を見ながら自らの動きを確認するような攻め方だったが,2回に入るや一変。相手の非力を見て取り,一気にギヤを上げた。逃げ道を塞いで相手をロープに追い込む独特のフットワークは健在。挫折も経験したが,全盛期のパワーに加えて円熟味が増し,今後が楽しみである。
 ディオコスは右ボクサーファイター。足を使いながら左ジャブ,左右フックを連打する。よく手が出ていたが,いかにも非力。ゴンザレスのプレスを止める力はなかった。

     主審:福地勇治,副審:飯田徹也&葛城明彦&杉山利夫
     ○ゴンザレス:50戦48勝(40KO)2敗      32歳     身長:160cm     リーチ:163cm
     ●ディオコス:23戦14勝(4KO)6敗3分     26歳     身長:164cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                      2019年12月31日(火)    大田区総合体育館
                      WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン              挑戦者(同級1位)
                ○   井岡一翔    判 定    ジェイビエール・シントロン   ●
                            (Reason大貴) 115 lbs               (プエルトリコ) 114 3/4 lbs

 右の井岡,左のシントロン。序盤はシントロンのペース。右ジャブを突き,左右に動いて間合いを取りながら,井岡の出バナに左ストレートを浴びせるシントロン。
 しかし,3回に入ると井岡がフェイントをかけながら前に出て,右ストレートからボディを左右アッパーで攻める。
 4・5回,シントロンの左ストレートが決まるが,井岡は構わず肉迫し,左右アッパーのボディブロー。ボディ攻撃を嫌ったシントロンはクリンチに出る。
 8回,左ストレートをもらった井岡はバランスを崩すが,9回,攻勢を強める。左ジャブ,ワンツーからボディへの左右アッパーでプレスをかける井岡。ボディを攻められたシントロンが消極的になる。終盤,井岡は左アッパーのダブルでボディを叩き,攻勢。
 10回,井岡はワンツーをもらうが,構わず右ストレート,左右アッパーのボディブローで攻め立てる。クリンチを振りほどいて攻める井岡。シントロンの表情に余裕がない。
 11・12回,いずれもシントロンの左グラブのテープが解けて中断。ダメージの回復を狙った老獪な時間稼ぎに,場内からブーイングが起きた。右ストレート,ボディへの左右アッパーでどんどん攻め込む井岡。シントロンは苦しくなり,クリンチに出る。

 井岡は初防衛に成功。シントロンのリーチを生かした攻撃に序盤は戸惑ったが,執拗なボディ攻撃に活路を見出した。長身の相手に対して上ばかり狙えば,上体が起きてしまい,標的になっただろう。そういう意味でも重心を低くしてフェイントをかけながら接近し,シントロンが嫌がる下から崩す攻撃が奏功した。やりやすい相手ではなかったが,綿密に作戦を練って攻略した跡が見られた。
 シントロンは長身で長いリーチを誇るサウスポーのボクサータイプ。ロンドン,リオデジャネイロの2大会連続で五輪出場の経験があるテクニシャンである。フットワークを駆使し,ロングレンジから右ジャブ,左ストレート,右アッパーを打つ。懐が深く,相手にとっては非常にやりにくい。しかし,ボディにパンチを集められて動きを止められた。

採点結果 井岡 シントロン
主審:トニー・ウィークス(米国) *** ***
副審:ウェス・メルトン(米国) 116 112
副審:フリオ・セサール・アルバラード(パナマ) 115 113
副審:フィリップ・オースティン(豪州) 116 112
参考:MAOMIE 117 111


     ○井岡:27戦25勝(14KO)2敗              30歳     身長:164cm     リーチ:167cm
     ●シントロン:13戦11勝(5KO)1敗1無効試合     24歳     身長:170cm     リーチ:179cm

     放送:TBS
     解説:内藤大助&内山高志
     実況:伊藤隆佑

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                     2019年12月31日(火)    大田区総合体育館
                       WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    K     O   挑戦者(同級10位)
                ○   田中恒成   3回2分29秒   ウラン・トロハツ   ●
                              (畑中) 112 lbs                   (中国) 112 lbs

 開始早々から田中が切れのある動きから左ジャブ,フックでどんどんプレスをかけていく。トロハツは打ち合いを避け,足を使って左右に動き,ときおり左フックを振る。田中の右ストレートでバランスを崩すトロハツ。
 2回,気合い十分で前に出る田中。左ジャブからロープに詰め,左アッパーを再三ボディに打ち込む。終盤,再び右ストレートでバランスを崩すトロハツ。田中はさらに右フックでボディを叩く。
 3回,田中が圧倒的なパワーで試合を決めた。フェイントをかけ,鋭い踏み込みから左ジャブでトロハツを追い込む。左右のショートアッパーから左アッパーでボディを叩く田中。青コーナー付近のロープに詰め,右アッパーからアゴにダブルの左アッパーを打ち込めば,トロハツはたまらずロープ下に崩れ落ち,仰向けに沈む。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 田中が見事なKOで3度目の防衛に成功。気力,スピード,パワーすべての面で充実度満点。鋭い左ジャブでどんどんプレスをかけて追い込み,左アッパーのボディブローを多用した。ボディに散らしておいて,フィニッシュはアゴに見舞った左右アッパーという極上のコンビネーションブロー。井上尚弥と並び,日本ボクシング界を支える大看板になっている。これだけの素質を「中部の星」で終わらせるのはもったいない。ビッグカードを実現させ,日本から世界の舞台への進出に期待したい。
 トロハツは右ボクサーファイター。左フック,右ストレートを武器としている。前に出て戦いたかったはずだが,田中のプレスが強く,後手に回って追い込まれた。ボディに打ち込まれた左アッパー,右フックが効いた。

2回までの採点 田中 トロハツ
主審:ホセ・イラム・リベラ(プエルトリコ) *** ***
副審:フリオ・セサール・アルバラード(パナマ) 20 18
副審:ヘルナンド・ステイデル(プエルトリコ) 20 18
副審:サワエン・タウィクーン(タイ) 20 18
参考:MAOMIE 20 18


     ○田中:15戦15勝(9KO)            24歳     身長:164cm     リーチ:164cm
     ●トロハツ:18戦13勝(6KO)4敗1分     26歳     身長:163cm     リーチ:164cm

     放送:TBS
     解説:飯田覚士&田口良一
     実況:赤荻 歩

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                    2019年12月31日(火)    大田区総合体育館
                WBOアジアパシフィック スーパーバンタム級王座決定戦12回戦
                     同級5位      K     O    同級1位
             ○   ジュンリエル・ラモナル   1回1分24秒   久我勇作●
                          (比国) 121 1/2 lbs                         (ワタナベ) 122 lbs
                                                      WBC8位,日本チャンピオン

 ラモナルは左ジャブ,右ストレートでボディを狙う。久我は左ジャブを突いて積極的に攻め,左フックで起こして右ストレートを打つ。しかし,ラモナルがリング中央で左右フックのボディブローから見舞った右フック。これをアゴに直撃された久我はたまらずキャンバスに崩れ落ちる。立ち上がったが,足元が定まらず,福地主審はそのままカウントアウトした。

 再浮上を狙っていた久我だが,ラモナルの強打をまともにもらって沈んだ。まさに痛恨のKO負けである。左ジャブを突いて積極的に攻めていたが,ガードが下がったところを突かれた。一発がある相手だけに,序盤は慎重にスタートしてもよかったのではないか。
 ラモナルは右ファイタータイプ。ベタ足に近く,スピードはないが,左右のフックはどちらでも一発で倒せる破壊力がある。昨年10月には和氣慎吾(FLARE山上)をも3回TKOで破っており,大物食いの曲者という印象がある。ボディにパンチを集めておいて見舞ったアゴへの右フックは技ありの一撃である。

     主審:福地勇治,副審:浅尾和信&エドワード・リガス(比国)&マルティノ・レドナ(米国)
     ○ラモナル:31戦17勝(10KO)8敗6分     30歳     身長:168cm
     ●久我:24戦19勝(13KO)4敗1分       29歳     身長:171cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                      2019年12月31日(火)    大田区総合体育館
                     WBOアジアパシフィック ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       K      O   挑戦者(同級4位)
                ○   重岡銀次朗    5回2分13秒    レイ・ロリト   ●
                               (ワタナベ) 105 lbs                     (大成) 105 lbs

 サウスポー同士。初回,ともに右ジャブ,フックから接近して左右フックでボディを打つ。右フックを振って入ろうとしたところに重岡の左フックが決まり,ロリトは腰から落ちてダウン(カウント8)。
 2回,上背で勝るロリトは右フック,左ストレートを振って前に出る。重岡は右に回りながら慎重な構え。それでも中盤から重岡が出入りしながら左ストレート,右フックを当てる。
 ところが,3回に重岡がピンチに陥った。ワンツーをもらって後退する重岡。ロリトの追撃に腰を落とした重岡は,足に来てピンチが続く。嵩にかかったロリトは左ストレート,右フックで攻勢。重岡はリズムを取ろうとするが,足に来ている。
 4回,重岡がリズムを取り戻した。ロリトは打ち下ろしの左ストレートで積極的に攻める。重岡は後手に回るが,左ストレートでぐらつかせ,右アッパーでボディを打つ。
 5回,左ストレートで積極的に前に出るロリト。攻め込まれた重岡はやや後手に回るが,足を使ってリズムを取り,右ジャブを突く。青コーナーに下がったロリトが攻め込もうとしたところに左ストレートがカウンターになる。この一発でロリトは左膝から崩れ落ちてダウン。立ち上がったが,中村主審はそのままカウントアウトした。

 重岡は初防衛に成功。最後はワンパンチで仕留めたが,攻め込まれて後手に回り,キャリアが浅いところを露呈した面がある。開進高(熊本)で高校5冠を達成し,鳴り物入りでB級デビューを果たした。逸材であることは間違いないが,まだ5戦目。嵩にかかって攻めているときは強いが,守りに回ったときの対応が今後の課題である。左ストレート,ボディへの右フック,アッパーにパンチ力があるサウスポーのファイタータイプ。
 ロリトはサウスポーのボクサーファイター。打ち下ろしの左ストレートにパンチ力がある。積極的な攻撃で重岡を苦しめたが,カウンターの一発に泣いた。

4回までの採点 重岡 ロリト
主審:中村勝彦 *** ***
副審:飯田徹也 39 36
副審:エドワード・リガス(比国) 39 36
副審:マルティノ・レドナ(米国) 39 36
参考:MAOMIE 39 36


     ○重岡:5戦5勝(4KO)            20歳     身長:153cm
     ●ロリト:40戦25勝(17KO)15敗     29歳

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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