熱戦譜〜2019年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2019.10.01  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 京口紘人 判定  久田哲也
2019.10.05 10回戦  中谷潤人  TKO6R  ミラン・メリンド
2019.10.05 10回戦  赤穂 亮  TKO6R  グォン・ギョンミン
2019.10.05 8回戦  定常育郎  TKO3R  ロビン・ラングレス
2019.10.10  東洋太平洋&WBOアジアパシフィック ライト級
 王座決定戦12回戦
 吉野修一郎  TKO1R  ハルモニート・デラ・トーレ
2019.10.10  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 高橋悠斗  判定  堀川謙一
2019.10.21  WBOアジアパシフィック フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 阪下優友  KO10R  望月直樹
2019.10.26 8回戦
(最強挑戦者決定戦:ウェルター級)
 小原佳太  TKO4R  垂水稔朗
2019.10.26 8回戦
(最強挑戦者決定戦:フェザー級)
 丸田陽七太  TKO3R  大橋健典
10 2019.10.27  日本フライ級
 王座決定戦10回戦
 ユーリ阿久井政悟  TKO1R  小坂 駿

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                 2019年10月1日(火)    大阪府立体育会館第1競技場
                     WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
               ○   京口紘人    判 定    久田哲也   ●
                            (ワタナベ) 108 lbs               (ハラダ) 107 3/4 lbs
                                          IBF6位

 開始早々から軽量級らしいきびきびとした試合になった。久田が積極的に攻めるが,京口の左ジャブがよく伸びる。京口はさらに右ストレートからボディに左アッパー。
 2回,京口は左ジャブからボディへの左アッパー。しかし,中盤,久田の右クロスが決まり,京口がぐらつく。さらに鮮やかなワンツーがアゴを捉え,腰が落ちた京口はよろめいてロープ際に下がった。
 久田の動きがいい。中盤は一進一退の白熱した展開が続く。5回終盤には久田が飛び込んで左フックを決める。6回,久田は右アッパーをヒット。しかし,京口のワンツーで久田の腰が落ちる場面があった。京口は右ストレート,左アッパーで攻勢に出る。
 久田も黙っていない。7回には狙い澄ました右アッパーをアゴにクリーンヒット。
 9回,京口が決定的なポイントを奪った。右アッパーからすぐに右フックをかぶせれば,久田は前に落ちてダウン(カウント8)。さらに右アッパーを決めた京口は左右の連打で攻勢に出た。
 10回,久田が接近戦で挽回を図る。しかし,これに応じた京口が左右アッパーのボディブローで優位に立つ。ボディが効いた久田は動きが鈍くなる。終盤,左右フックで久田をロープに詰めて攻勢に出る京口。
 11回,久田は左右フックで反撃に出るが,京口が余力を残していた。よく見て接近戦で左右アッパーをボディに打ち込む。終盤,京口が左右フックで攻勢。
 12回,左右フックで攻勢に出た久田が気迫と手数で迫る。京口は危険を避けるように左右に動き,距離を取る。しかし,終盤,京口も左右フックで攻勢に出る。激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 京口は2度目の防衛に成功。久田の気迫に手を焼いた面はあるが,要所を的確なパンチで締めた。ボディ打ちで久田の動きを鈍らせたことが中盤以降の展開を楽にさせた。今後のキャリアにとって貴重な一戦になったことだろう。
 念願の初挑戦に敗れた久田は46戦目というベテラン。右ボクサーファイターで左右フックにパンチ力がある。積極的なボクシングで京口を苦しめた。特に意表を突く右アッパーが再三ヒットしており,これが善戦のポイントになった。ボディを攻められたことによって終盤に勢いを失ったが,最後まで闘志を見せた。

採点結果 京口 久田
主審:浅尾和信 *** ***
副審:池原信遂 115 112
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 117 110
副審:セルジオ・カイズ(米国) 116 111
参考:MAOMIE 116 111


     ○京口:14戦14勝(9KO)            25歳     身長:162cm     リーチ:163cm
     ●久田:46戦34勝(20KO)10敗2分     34歳     身長:162cm

     放送:毎日放送
     解説:長谷川穂積
     実況:赤木 誠

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                       2019年10月5日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                  WBA世界フライ級2位   T   K  O   WBC世界L・フライ級9位
                ○   中谷潤人    6回2分02秒    ミラン・メリンド   ●
                             (MT) 113 3/4 lbs                       (比国) 114 lbs
                      WBC3位,WBO3位,IBF11位

 左の中谷,右のメリンド。初回,元世界王者のメリンドにも臆せず,果敢な攻撃で早くも主導権を握る中谷。長いリーチから右ジャブ,左ストレートでプレスをかける。メリンドは中に入りたいが,糸口を掴めない。
 2回,右ジャブ,左ストレートからボディにも左アッパーを打ち込む中谷。メリンドもワンツーをボディに打つが,中谷は絶好調。3回に入るとメリンドをニュートラルコーナーに詰め,ワンツー,右フック,ボディへの左フックを打ち込む。
 4回,試合はワンサイドゲームの様相。ニュートラルコーナーにメリンドを詰めた中谷は上下にコンビネーションブローを打ち込む。左ストレートのカウンターでぐらつかせたところからメリンドをロープに詰め,一気に攻勢に出る中谷。メリンドはどうしていいかわからない状態。
 5回2分過ぎにもメリンドを左ストレートでぐらつかせ,攻勢に出る中谷。ボディも上も効いているメリンドはさらに厳しい状況に追い込まれた。
 6回,メリンドをニュートラルコーナーに詰めて左右のコンビネーションブローを浴びせる中谷。左アッパーのボディブローが効くメリンド。左ストレート,右フック,左アッパーに次ぐワンツーでよろめいたところで福地主審が試合をストップした。

 節目の20戦目を迎えた中谷が元世界王者メリンドに何もさせない会心のTKO勝利。序盤から右ジャブ,左ストレートが冴え,ボディにも左ストレート,アッパーを散らし,まさにやりたい放題。正直なところ冒険という印象もあるマッチメイクだったが,全く臆することなく隙のない堂々たる試合内容である。上背と長いリーチをフルに生かし,持ち味をフルに生かしてゆとりさえ感じさせた。世界挑戦を期待させる成長ぶりである。
 メリンドは元IBF世界L・フライ級王者。パンチが強く,百戦錬磨の猛者である。特に主武器の右ストレートは最軽量級らしからぬ一打必倒の威力がある。しかし,今夜は中谷の間断ないコンビネーションブローの前になす術がなかった。

     主審:福地勇治,副審:染谷路朗&浅尾和信&葛城明彦
     ○中谷:20戦20勝(15KO)         21歳     身長:170cm
     ●メリンド:42戦37勝(13KO)5敗     31歳     身長:158cm     リーチ:166cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:川畑一志

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                        2019年10月5日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                WBO世界バンタム級2位    T   K  O    韓国S・バンタム級チャンピオン
                〇   赤穂 亮     6回0分56秒     グォン・ギョンミン   ●
                          (横浜光) 122 1/2 lbs                           (韓国) 122 lbs
                 IBF世界S・バンタム級14位

 初回,赤穂が素晴らしい立ち上がりを見せた。ガードを固めて前に出るグォンの出バナに鋭い左ジャブを多用。ワンツーがヒットし,グォンがのけぞる。好調な赤穂。小気味よく放つ左ジャブがいい。
 2回,左アッパーから左ジャブを多用する赤穂。意表を突く右アッパー,さらにガードの隙間から左アッパーをアゴに決める。ボディにも左アッパーを打ち込む赤穂。近来まれにみる好調さだ。3回には左ジャブから右ストレートがよく出るようになる。
 4回,赤穂の巧打が冴える。左ジャブからグォンをロープに詰め,ボディに左アッパーを打ち込む赤穂。5回,左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右アッパーを浴びせる。終盤,ワンツーで大きくぐらつくグォン。
 6回,赤穂の左ジャブ,ワンツー,左右アッパーがよく出る。左フックでグォンの足が縺れたのを見逃さず,赤穂が一気に左右フックで襲いかかる。ここでマーチン主審が試合をストップした。

 赤穂がベテランの味を存分に披露し,会心のTKO勝利。これまでのキャリアの中で最高とも言える試合内容である。欠点の力みや単調でラフな攻撃が消え,終始冷静に左ジャブで組み立てていた点がよかった。相手の出バナに左ジャブを浴びせ,そこから意表を突く左右アッパー,ボディへの左アッパー,右ストレートという具合に多彩なパンチでグォンを圧倒した。いつものラフファイトではなく,理詰めの攻撃が光る。動きがよく,体やパンチの切れが抜群。今夜の試合内容であれば,まだまだやれる。
 グォンは現役の韓国王者で右ファイタータイプ。右ストレートにパンチ力がある。ガードを固めて打ち合いを挑んでいたが,赤穂のスピードと多彩なパンチに翻弄された。

     主審:ビニー・マーチン,副審:飯田徹也&浅尾和信&葛城明彦
     ○赤穂:39戦35勝(23KO)2敗2分      33歳     身長:168cm     リーチ:170cm
     ●グォン:13戦7勝(3KO)6敗         26歳
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:佐藤義朗

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                      2019年10月5日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本バンタム級7位    T  K  O    比国S・バンタム級6位
                ○   定常育郎    3回0分02秒    ロビン・ラングレス   ●
                               (T&T) 119 lbs                        (比国) 118 1/2 lbs
                     さだつね・いくろう

 右のラングレス,左の定常。初回,定常の左ストレートにラングレスも左フックをひっかけて応戦。定常はスピードがある。よく動き,スピーディな右ジャブ,フック,ワンツーを放つ定常。ボディにもワンツーを見舞う。ラングレスは右ストレートを強振し,譲らない構えを見せる。
 2回中盤,左ストレートのカウンターが鮮やかに決まり,攻勢に出る定常。ラングレスは左右フックでボディを狙うが,定常の左アッパーがボディに決まる。
 3回,ラングレスは赤コーナーを出るが,マウンスピースが入っておらず,中断。ここでエプロンに上がったドクターが塞がったラングレスの左目下をチェック。視界がないということで,ここで試合がストップされた。2回中盤にヒットした定常の左ストレートで負った左目下の負傷。有効打によるものなので,TKOとなる。

 サウスポーのテクニシャン定常が3連敗を免れてTKO勝利。広いスタンスから上体を柔軟に振り,右ジャブで牽制しながら左ストレート,右フックを打つ。目と勘の良さが売り物でスピードもある。うまく経験を積めば,上位進出の可能性がある。
 ラングレスは右ボクサーファイター。右ストレートを得意としており,ボディへの左右フックもある。飛び抜けたスピードはないが,右ストレートを強振して攻める。

     主審:染谷路朗,副審:飯田徹也&福地勇治&浅尾和信
     ○定常:17戦10勝(4KO)4敗3分      22歳     身長:167cm
     ●ラングレス:14戦10勝(4KO)4敗     23歳     身長:168cm
     放送:G+     解説:なし     実況:安藤 翔

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                        2019年10月10日(木)    後楽園ホール
                  東洋太平洋&WBOアジアパシフィック ライト級王座決定戦12回戦
                      同級1位     T   K  O        同級9位
                ○   吉野修一郎   1回2分10秒   ハルモニート・デラ・トーレ   ●
                               (三迫) 135 lbs                         (比国) 135 lbs
                    日本ライト級チャンピオン

 開始早々からデラトーレが果敢に攻め込む。左ジャブを打ちながら,長いリーチから左右フック,右ストレートを強振して強引に攻める。吉野は落ち着いて左アッパーをボディに。デラトーレは構わず右ストレートを打ち込んで攻め続ける。リング中央で右フックのボディブローを連発するが,ここで吉野の左フックが痛烈なカウンターになってアゴに炸裂。肩口から落下したデラトーレはキャンバスに頭部を打ちつけてダウン。デラトーレが横たわって朦朧とする中,カウントの途中で福地主審が試合をストップした。

 吉野が劇的なワンパンチTKOでアジア3冠を果たした。強引に攻め込むデラトーレの動きをよく見て,ガードが下がったところを見逃さず,カウンターで沈めた。冷静な試合運びが光る。右でも左でも一発で倒せる威力があり,左ジャブでコントロールすることも連打もできるのが強味。層が厚くて難しいクラスではあるが,世界挑戦が十分に期待できる。手を止めずに手数を出すことが課題。
 デラトーレは右ファイタータイプ。非常に長いリーチが特徴で,これをフルに生かして打ち込む左右フックが強い。好戦的で右フックのボディブローを連発して強引に攻め込むが,アゴのガードが空く欠点がある。

     主審:福地勇治,副審:フェルナンド・エストレリャ(比国)&メキン・スモン(タイ)&杉山利夫
     ○吉野:11戦11勝(9KO)             28歳     身長:175cm
     ●デラ・トーレ:23戦20勝(12KO)3敗     25歳     身長:173cm     リーチ:185cm
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:木村拓也

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                   2019年10月10日(木)    後楽園ホール
                    日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級4位)           チャンピオン
                ○   高橋悠斗   判 定   堀川謙一   ●
                               (K&W) 108 lbs             (三迫) 108 lbs
                                     WBC2位,IBF4位

 初回,やや距離を取って出方を窺う堀川。高橋はガードを固め,クラウチングスタイルで上体を振りながら左右フックで仕かける。前半は高橋が積極的な攻撃でリードした。
 4回,高橋はアゴへの右アッパーから左アッパー。堀川は後手に回るが,終盤には右アッパーで応戦。
 劣勢のまま中盤を迎えた堀川だが,5回,流れを変えるべく接近戦で左右アッパーを打つ。後半は足を使い,高橋の打ち気を逸らす。堀川は左目上をカット(バッティングによる傷)。
 6回,堀川は接近戦で左右アッパーのボディブローを連打。高橋はやりにくくなる。ここで堀川は一転して間合いを取り,左ジャブを浴びせる。高橋はパンチが当たらなくなる。堀川は右目上もカットして出血(バッティングによる傷)。
 7回,接近戦で揉み合うようにして左右アッパーでボディを打つ。高橋も応戦して激しい打ち合いになるが,堀川の左から右のフックが決まる。8回,両目上からの出血が多くなり,ドクターチェック。堀川は接近戦を挑み,高橋は攻め倦む。
 9回,挽回を許して勝負所と見た高橋が激しく接近戦を挑む。揉み合いの展開だが,押し込んで左右アッパーでボディを叩く。10回,両者ともに死力を振り絞って激しく手を出す。終盤,堀川の左右アッパーのボディブローで高橋のマウスピースがこぼれる。

 激しい応酬になったが,前半のポイント差がモノを言い,高橋がタイトルを奪取した。
 高橋は右ボクサーファイターだが,ややファイタータイプに近い。小柄だが,右ストレート,アッパーに威力がある。序盤から王座奪取への執念を見せ,積極的な攻撃で主導権を握った。左アッパーのボディブローに加え,アゴへの右アッパーが効果的だった。中盤からは老獪な堀川に挽回されたが,執念と粘りで前半の貯気を守った。
 堀川は2度目の防衛に失敗。中盤以降に接近戦と距離を取った戦い方を使い分けるベテランらしい試合運びで追い上げたが,一歩及ばなかった。

採点結果 高橋 堀川
主審:葛城明彦 *** ***
副審:中村勝彦 95 95
副審:吉田和敏 96 94
副審:松原暢宏 97 93
参考:MAOMIE 95 95


     ○高橋:15戦11勝(5KO)4敗          26歳     身長:157cm
     ●堀川:57戦40勝(13KO)16敗1分     39歳     身長:162cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:立本信吾

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                          2019年10月21日(月)    後楽園ホール
                       WBOアジアパシフィック フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K       O   挑戦者(同級4位)
                ○   阪下優友    10回1分00秒    望月直樹   ●
                           (角海老宝石) 112 lbs                        (横浜光) 112 lbs
                    さかした・ゆうすけ   WBO15位

 序盤は望月が積極的な攻撃で流れを引き寄せた。足を使いながら左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右フックで早くもリードを奪う。
 3回,望月は飛び込んで左フック,接近してボディに左右フックを連打する。阪下が出てくると足でかわし,左ジャブを打つ。4回までは手数とうまさで完全に望月のペース。初防衛戦の緊張からか,阪下は一向にピッチが上がらない。
 このままワンサイドゲームで望月が押し切るかと思われたが,5回あたりから阪下にもようやく手数が出るようになった。以降は一進一退の展開が続く。
 6回終盤には望月が左右の連打で阪下を追い込んでいく。7回前半は望月が積極的に攻めてリード。しかし,中盤からは阪下が執拗に追い上げていく。左ジャブから右ストレート,アッパーで攻める阪下。望月には疲れが見える。
 8回,阪下は右ストレート,接近して左右フックで攻勢。望月も左右フックで応戦し,激しい応酬が続く。9回は望月。左右に細かく動きながら左右フックを浴びせる。
 10回,激しい応酬。阪下は右アッパーから攻勢に出て,左右フックで攻め上げる。望月も反撃するが,右ストレートのカウンターをアゴに打ち込まれて仰向けにダウン。立ち上がったが,杉山主審はそのままカウントアウトした。

 劣勢を跳ね返した阪下が逆転KOで初防衛に成功。右ボクサーファイターで右ストレート,左右アッパーを得意としている。スロースターター気味なところがあり,前半はほぼ一方的にリードを許した。軽量級にしてはKO率が高く,パンチは鋭いので,もう少し早い段階から積極的に攻めるべきだろう。中盤からの追い上げで辛うじて勝ったが,望月にパンチ力があれば危ないところだった。
 望月はまさに勝てる試合を落とした形。9回までは大きくリードしていただけに,悔やまれる試合。右ボクサーファイターで左ジャブ,左右フックを得意としている。軽快なフットワークが売り物で,接近戦もアウトボクシングもこなす器用な面がある。

9回までの採点 阪下 望月
主審:杉山利夫 *** ***
副審:スラット・ソイクラチャン(タイ) 84 87
副審:マルティノ・レドナ(米国) 83 88
副審:中村勝彦 84 87
参考:MAOMIE 84 87


     ○阪下:30戦19勝(14KO)8敗3分     28歳     身長:167cm
     ●望月:21戦16勝(8KO)5敗         25歳     身長:162cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                       2019年10月26日(土)    後楽園ホール
                      8回戦(最強挑戦者決定戦:ウェルター級)
                 IBF世界ウェルター級8位    T   K   O    日本ウェルター級2位
                ○   小原佳太     4回2分59秒     垂水稔朗   ●
                             (三迫) 146 3/4 lbs                          (協栄) 147 lbs
                                                            たるみ・としろう

 初回,垂水が左ジャブを出しながら積極的に前に出る。小原は左右に軽く動きながら左ジャブで牽制する。2回,小原は左ジャブから右ストレートを伸ばす。垂水もボディに右ストレートを返して応戦。
 ともに決定的なリードを奪えないまま迎えた4回,試合が大きく動いた。ウィービング,ダッキングで接近を試み,左右フックで攻勢に出る垂水。小原が右ストレートで応戦し,ここから白熱した。終盤,小原がボディへの左右フックから返した右ストレートで垂水の腰が落ちる。すかさずフォローした右ストレートで垂水は仰向けにダウン(カウント9)。立ち上がったが,すぐに襲いかかった小原が再び右ストレートを決めれば,垂水はロープ際で腰から崩れ落ちる。ここで染谷主審が試合をストップした。

 小原が貫録の4回TKO勝利。3回までは一進一退の展開が続いたが,4回にボディ連打からの右ストレートで突破口を開いた。アップライトスタイルからの左ジャブ,右ストレートを主武器とする右ボクサーファイター。キャリア十分で,チャンスを見極めて集中する力に優れている。今夜は来春のチャンピオンカーニバルへの挑戦権を賭けた一戦であるが,小原ほどの実績を持つ選手があえて再び日本タイトルに挑もうとする姿勢が素晴らしい。
 垂水は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。ネームバリューのある小原に対し,臆することなく積極的に攻めた姿勢は立派。最後はパンチ力の差に屈したが,チャレンジする精神は賞賛に値する。

     主審:染谷路朗,副審:ビニー・マーチン&松原暢宏&中村勝彦
     ○小原:27戦22勝(20KO)4敗1分     32歳     身長:180cm     リーチ:184cm
     ●垂水:19戦12勝(6KO)4敗3分      25歳
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                          2019年10月26日(土)    後楽園ホール
                         8回戦(最強挑戦者決定戦:フェザー級)
                    日本フェザー級2位    T   K  O    日本フェザー級3位
                ○   丸田陽七太    3回2分00秒     大橋健典   ●
                              (森岡) 125 1/4 lbs                        (角海老宝石) 126 lbs
                            まるた・ひなた                        おおはし・たけのり

 大橋が前に出て,丸田が距離を取る展開。初回,左ジャブを突きながらプレスをかける大橋に対し,長身の丸田は打ち合いを避けながら左ジャブを突いて左右に動いた。リング中央でタイミングのいい左フックが決まり,大橋は腰から落ちてダウン(カウント9)。丸田は一転して左ジャブ,右ストレートで攻勢。
 2回,丸田は長いリーチから踏み込んで左ジャブを多用。これで大橋をロープに詰め,右ストレートを上下に見舞う。鼻を負傷した大橋は出血が多く,ドクターチェックを受ける。大橋はガードを固めてプレスをかけようとするが,丸田の左ジャブに阻まれる。
 3回,軽いステップでタイミングを取りながら左ジャブを浴びせる丸田。大橋はなす術がない。さらに右ストレートを浴びせる丸田。大橋の鼻からの出血が酷くなり,ドクターチェックのために一時中断。ここで続行不能とされ,試合がストップされた。

 丸田が見事なアウトボクシングで元王者・大橋を一蹴した。長身で長いリーチに恵まれた右ボクサータイプ。軽いステップでリズムを取りながら左ジャブをよく当てて相手をコントロールする。この左ジャブでペースを握り,右ストレートにつなげるクレバーな試合運びを身上としている。一発の破壊力がある大橋の前進を左一本でコントロールし,何もさせない完勝。タイトル挑戦に近づいた一戦である。
 大橋は元日本フェザー級王者。右フック,ストレートに一発がある典型的な右ファイタータイプ。ほとんど足は使わず,ガードを固めながら前に出て右強打を浴びせる。しかし,丸田に全部読まれてしまった。

     主審:松原暢宏,副審:中村勝彦&福地勇治&染谷路朗
     ○丸田:12戦10勝(8KO)1敗1分      22歳     身長:177cm
     ●大橋:25戦17勝(11KO)6敗2分     30歳     身長:169cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                  2019年10月27日(日)    浅口市立天草公園体育館(岡山県)
                           日本フライ級王座決定戦10回戦
                      日本フライ級1位    T   K   O  挑戦者(同級2位)
                ○   ユーリ阿久井政悟   1回2分16秒    小坂 駿   ●
                                (倉敷守安) 112 lbs                     (真正) 111 1/2 lbs

 開始早々から左ジャブ,右ストレートでプレスをかける阿久井。小坂は下がりながら左ジャブを突いて距離を取ろうとする。1分過ぎ,阿久井の打ち下ろしのワンツーが鮮やかにアゴを捉え,小坂は仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がったが,小坂は足にきており,ダメージが残っている。右フックで前に落ちて2度目のダウン(カウント8)。赤コーナーに小坂を詰めて左アッパー,フックに次ぐ右ストレートを浴びせる阿久井。小坂は腰からキャンバスに落ちるが,これはスリップダウンとの判定でノーカウントとなった。阿久井は構わず攻勢を強める。ロープを背負った小坂は左右フックの追撃で3度目のダウン(カウント8)。これも立ち上がったが,最後は左フックを浴び,ロープ際で腰から落ちる。ここで近藤主審が試合をストップした。

 山陽地区で気を吐く阿久井が初挑戦でタイトルを獲得した。攻防のバランスに優れた右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力がある。カウンターのタイミングもいいし,右ストレートから返す左フックも鋭い。2017年8月に中谷潤人(MT)に6回TKOで敗れているが,タイトルを手にしたことによって自信を取り戻せば,飛躍が期待できる。
 小坂は右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートを得意としている。阿久井の強打を避けるように左ジャブで間合いを取ろうとしたが,強いプレスで押されっ放しになった。

     主審:近藤謙二,副審:半田隆基&池原信遂&むろや・まさひろ
     ○阿久井:17戦14勝(10KO)2敗1分     24歳     身長:163cm
     ●小坂:22戦16勝(4KO)6敗          24歳     身長:163cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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