熱戦譜〜2019年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2019.08.02  WBO世界スーパーフライ級
 挑戦者決定戦10回戦
 ジェイビエール・シントロン  判定  江藤光喜
2019.08.03  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 竹迫司登  TKO8R終了  加藤収二
2019.08.03  WBOアジアパシフィック スーパーウェルター級
 王座決定戦12回戦
 井上岳志  KO2R  コムサン・ポンセーン
2019.08.08  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 勅使河原弘晶  TKO12R  大森将平
2019.08.24  WBO世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田中恒成  TKO7R  ジョナサン・ゴンザレス

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                2019年8月2日(金)    オセロラ・ヘリテージ・センター(米国フロリダ州キシミー)
                      WBO世界スーパーフライ級挑戦者決定戦10回戦
                     WBO世界S・フライ級3位          WBO世界S・フライ級2位
                ○   ジェイビエール・シントロン    判 定    江藤光喜   ●
                                (プエルトリコ) 114 1/2 lbs                 (白井・具志堅) 114 3/4 lbs
                                             WBA3位,WBC7位,IBF8位

 右の江藤,左のシントロン。初回,シントロンが江藤の右の打ち終わりに左ストレートのカウンターを決める。江藤は前に出るが,シントロンはよく見て動き,左ストレート,右フックをボディに打つ。
 2回,開始早々にダウンシーンが見られた。江藤が右をミスしたところを見逃さず,鮮やかな左ストレートを打ち込むシントロン。これをアゴにもらった江藤は腰から落ち,もんどりうってダウンを喫した(カウント8)。
 3回は江藤がいいところを見せる。1分過ぎ,左の打ち終わりに放った江藤の右ストレートでシントロンの腰が落ちる。江藤は右フック,ストレートで強引に迫る。シントロンも応戦するが,ともに振りが大きい。江藤はバッティングで右目上をカットした。
 4回,よく見て動きながら巧みに江藤の攻撃をかわすシントロン。2分過ぎ,右をミスしたところに左ストレートを返され,バランスを崩す江藤。
 徹頭徹尾打ち合いを避けるシントロンに対し,中盤以降も江藤の空転が続いた。シントロンは左右へのフットワークと巧みなダッキングで江藤の攻撃を封じる。8回,完全に余裕が見えるシントロンに対し,江藤には焦りの色が濃い。シントロンは軽い左右アッパー,左ストレートをコツコツと当ててリードを広げた。
 9回,江藤の左フックが2発当たるが,後が続かない。それ以降はシントロンが足でかき回して追撃を許さなかった。
 10回,左右への動きを止めないシントロン。江藤のアゴにカウンターの左アッパー,ストレートを見舞う。右目上に加えて鼻からも出血した江藤はいいところなく終了ゴングを聞いた。

 今年5月にシントロンと対戦し,一度はKO勝利をコールされながら,ヘッドバットがあったとして無効試合とされた江藤。3ヶ月を経て仕切り直しのダイレクトリマッチに挑んだが,シントロンの技巧の前に強打を完封され,大差の判定負けという結果に終わった。顔面へのパンチに拘り,動きを読まれてしまったことが敗因。徹底的に足でかわされ,空転を続けるのみで完敗である。得意の右をミスしては,打ち終わりに左ストレートを返される展開の繰り返し。ボディにも散らせばシントロンの動きを止められた可能性はあるが,残念ながら無策という印象が強い。
 シントロンはサウスポーのボクサータイプ。アマチュア時代に284勝14敗という戦績を残し,ロンドン五輪,リオデジャネイロ五輪の2大会連続出場を果たしている。フットワークと巧みなダッキング,ウィービングで徹底的に江藤のパンチを封じる作戦が奏功した。前回の反省からか江藤をよく研究しており,打ち終わりに返す左ストレートのカウンターに見るべきものがあった。

採点結果 シントロン 江藤
主審:フランク・サントア・ジュニア(米国) *** ***
副審:アレックス・レビン(米国) 99 90
副審:マイク・ロス(米国) 99 90
副審:ジェームズ・オコーナー(米国) 99 90
参考:MAOMIE 99 90


     ○シントロン:12戦11勝(5KO)1無効試合        24歳     身長:168cm     リーチ:173cm
     ●江藤:31戦24勝(19KO)5敗1分1無効試合     31歳     身長:174cm     リーチ:177cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:赤平 大     アシスタント:福永英未

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                      2019年8月3日(土)    後楽園ホール
                       日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T K O   挑戦者(同級1位)
                ○   竹迫司登    8回終了    加藤収二   ●
                         (ワールドスポーツ) 159 1/2 lbs              (中野サイトウ) 159 1/2 lbs

 右の竹迫,左の加藤。初回,加藤は柔らかく体を動かし,右ジャブで牽制して左フックをボディに。しかし,中盤から竹迫がプレスをかける。右アッパーのボディブローを多用し,ロープに詰めて右ストレートをヒット。さらに左フック,右ストレートで攻勢に出る。
 2回,竹迫のプレスが厳しくなる。右アッパーのボディブローからのワンツーで加藤が一瞬ぐらつく。竹迫はさらに右アッパー,左右フックで攻勢。竹迫は力みこそあるが,前回の反省からか,うまく距離を潰している。
 3回,竹迫は右アッパーのボディブローを多用し,動きを止めにかかる。強烈な右ストレートを浴びせる竹迫。踏み込まれている加藤もワンツーで応戦。4回,加藤は自ら右ジャブ,ワンツーで流れを変えにかかるが,竹迫が右ストレート,ボディへの右アッパーを多用してプレスを強める。竹迫の左アッパーがアゴに決まり,のけぞる加藤。
 5回,攻勢に出ていた竹迫がピンチに陥った。中盤,加藤の右ショートフックが効いて,竹迫の足が縺れる。ダメージを誤魔化すように体を預けて攻め込むが,加藤の右フック,左ストレートが効き,足が動かない。
 6回,ダメージを引きずり,足がついていかない竹迫。竹迫は正面に立って左ストレート,フックを食う。加藤はここでもうひと押しが欲しい。
 7回,加藤をロープに詰めた竹迫は右ストレート,左右フックで攻勢。正面に立って加藤の右フック,左ストレートを食う場面があるが,加藤もダメージで目いっぱいの状態。
 8回,ともに目いっぱいだが,竹迫の方がわずかに余力を残していた。加藤をロープに詰め,左右フックのボディブローから右ストレートで攻勢。終盤,右ストレートから加藤をぐらつかせ,竹迫が一気にスパート。最後はロープを背にしたところに右から左のフックを浴びせれば,加藤は青コーナーで崩れるようにダウン。ゴング後と判断した飯田主審はノーカウントとしたが,加藤のダメージは深い。結局,8回終了後のインターバル中に加藤陣営が棄権を申し入れた。

 竹迫は3度目の防衛に成功。今年3月に対戦して引き分けに持ち込まれた加藤をTKOに降した。前回の試合で加藤のペースに嵌って苦戦した反省を生かして徹底的にプレスをかけ,距離を潰す作戦が奏功した。多用した右アッパーのボディブローは加藤の動きを止める効果が十分。ボディ攻撃から右ストレートを決め手とした攻撃で仕留めた。しかし,正面に立って加藤の左ストレート,右フックをもらう場面が目立った。中盤以降の加藤に余力があれば,危なかっただろう。
 健闘した加藤だが,序盤から右アッパーのボディブローで動きを停められた。5回に右ショートフックでぐらつかせて逆転のチャンスを迎えたが,すでにダメージで動きが鈍っていたことが悔やまれる。
 8回に加藤が倒れた場面は非常に危険だった。飯田主審の立つ位置がいかにも悪い。あれでは咄嗟の場合に体が出ていかないだろう。終了10秒前の拍子木は何のためにあるのか。

7回までの採点 竹迫 加藤
主審:飯田徹也 *** ***
副審:吉田和敏 80 72
副審:松原のぶひろ 79 72
副審:葛城明彦 78 73
参考:MAOMIE 78 74


     ○竹迫:12戦11勝(11KO)1分       28歳     身長:177cm
     ●加藤:14戦10勝(6KO)2敗2分     28歳     身長:180cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:平松修造

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                           2019年8月3日(土)    後楽園ホール
                    WBOアジアパシフィック スーパーウェルター級王座決定戦12回戦
               WBO世界S・ウェルター級11位    K     O     WBOアジアパシフィック同級4位
                ○   井上岳志      2回2分24秒      コムサン・ポンセーン   ●
                         (ワールドスポーツ) 153 3/4 lbs                            (タイ) 153 lbs

 初回,井上は落ち着いて左ストレートでコムサンの前進にストップをかける。コムサンは左右フックで迫るが,2分過ぎ,井上はコムサンをロープに詰めて左右フックを見舞う。さらに左右フックのボディブローからワンツーを浴びせる井上。
 2回,コムサンは低い姿勢から右フックを放つが,通じない。井上は左ジャブが少ないが,2分過ぎに右フックでぐらつかせてコムサンをロープに詰める。左右フックから脇腹に左フックを打ち込めば,コムサンは左膝から崩れるようにダウン。左膝をついたたままカウントアウトされた。

 今年1月にハイメ・ムンギア(米国)のWBO王座に挑んで判定負けを喫した井上がKOで再起をはたした。落ち着いた試合運びが目立ち,特に相手の前進を踏み込んで放つ左ストレートで止めていた点が目立つ。左右フックからボディへの左フックで仕留めたが,2回に左ジャブが少なくなったことは反省点。
 背中一面に鬼の面のような刺青があるコムサン。右ファイタータイプで低い姿勢から大きな右フックあるいはボディへの左右フックで攻める。パンチは重いが,スピードはない。

1回の採点 井上 コムサン
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 10
副審:マルティノ・レドナ(米国) 10
副審:メキン・スモン(タイ) 10
参考:MAOMIE 10


     ○井上:16戦14勝(8KO)1敗1分                 29歳     身長:173cm
     ●コムサン:51戦38勝(24KO)11敗1分1無効試合     36歳     身長:167cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:山ア 誠

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                          2019年8月8日(木)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K   O   挑戦者(同級3位)
              ○   勅使河原弘晶    12回2分36秒    大森将平   ●
                            (輪島功一) 122 lbs                         (ウォズ) 122 lbs
                            IBF8位                             WBC15位

 右の勅使河原,左の大森。勅使河原は低いガードから小刻みなステップと左ジャブで牽制し,右フックを見舞う。大森もサウスポースタイルから右フックを引っかける。勅使河原はボディにも右フックをヒット。
 前半は積極的な攻撃で勅使河原が優位に進めた。5回,大森は右目上をカット(勅使河原の有効打による傷)。勅使河原は小刻みにリズムを取りながら,右ストレートを顔面,さらに右フック,ストレートをボディに決める。
 6回,大森が勅使河原をロープに詰めて攻勢に出る。しかし,逆に勅使河原がロープを背に右フックのカウンターをヒット。2分過ぎ,勅使河原が右アッパーに次ぐ右フックで大森をぐらつかせ,ロープに詰めて左右フック,右ストレートで攻勢に出る。効いている大森。勅使河原に抱きついてゴングに救われた。
 7回は形勢逆転。2分過ぎ,勅使河原が青コーナーに下がったところに右フック,左ストレートを決める大森。勅使河原も右ストレートを返すが,再び大森が左ストレート,右フックを浴びせ,ロープを背負わせる。今度は勅使河原が効いてピンチ。
 8回,勅使河原は右ストレートをヒット。右目上の傷のために大森はドクターチェックを受ける。9回は疲れが見える勅使河原に対し,大森が前に出て終盤に左ストレート,ボディへの左右アッパーで攻勢。
 11回は逆に勅使河原が右ストレートから一気に左右フックの連打で攻勢に出る。クリンチで逃れようとする大森を振りほどいて猛然と襲いかかる勅使河原。
 12回,大森はダメージと疲れで元気がない。ここで勅使河原が左右フックの連打で攻め込む。大森は反撃の余力がない。勅使河原が左右フック,アッパーで猛攻に出れば,大森は防戦一方。ここで中村主審が割って入った。

 注目の好カードは期待に違わぬ激闘になった。勅使河原は2度目の防衛に成功。一発がある大森に対し,変則的な動きとパンチでプレスをかけ続けた。被弾はあるが,持ち味のスタミナと勝負強さが光る。打たれたときにダラリとロープにもたれるのは見栄えが悪いが,イキのよさが売り物。台風の目とも言える貴重なタレントである。
 大森はこのタイトルを手にして再び世界に挑もうとしていたが,勅使河原の手数に屈した。ときおりサウスポースタイルからの左ストレート,右フックでぐらつかせてチャンスを掴んだが,勅使河原の勝利への執念に及ばなかった。

11回までの採点 勅使河原 大森
主審:中村勝彦 *** ***
副審:染谷路朗 107 102
副審:福地勇治 107 102
副審:飯田徹也 106 103
参考:MAOMIE 106 103


     ○勅使河原:24戦20勝(13KO)2敗2分     29歳     身長:170cm
     ●大森:23戦20勝(15KO)3敗           26歳     身長:172cm     リーチ:174cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:田淵裕章

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              2019年8月24日(土)    武田テバオーシャンアリーナ(名古屋市)
                       WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T  K  O        挑戦者(同級1位)
                ○   田中恒成   7回2分49秒   ジョナサン・ゴンザレス   ●
                              (畑中) 112 lbs                        (プエルトリコ) 112 lbs

 右の田中,左のゴンザレスによるスピード対決。田中が開始早々から前に出て距離を詰めにかかる。しかし,入ろうとした田中の出バナにゴンザレスのモーションのない左ストレートがクリーンヒット。田中は右フックのボディブローで応戦するが,ゴンザレスはよく見てワンツーを返し,早くも目と勘の良さを見せた。
 2回にもゴンザレスの動きが田中を制した。田中は前に出るが,ゴンザレスは素早い身のこなしでかわし,ワンツーを浴びせる。終了間際,左フックを受けた田中がバランスを崩す。
 不安な立ち上がりとなった田中が3回にKOチャンスを迎える。田中は積極的に出て,ロープに下がったゴンザレスのボディに右フックを打ち込む。2分過ぎにはゴンザレスを赤コーナーに詰め,右ストレートを顔面,ボディにヒット。右フックがボディを抉れば,一瞬遅れて顔を歪めたゴンザレスは左膝から崩れてダウン(カウント8)。ゴンザレスはうずくまってカウントを聞くが,ここは再開に応じた。
 しかし,4回,思わぬ落とし穴が田中を待っていた。青コーナーに詰めて攻め込んだところにゴンザレスの左フックが軽くヒットし,田中はバランスを崩してキャンバスに右グラブをつき,ダウンを取られる(カウント8)。ダメージはなかったが,勝負はこれで振り出しに戻った。
 6回,田中は右フックのボディブローからアゴに左フックを返す。数は少ないが,徐々に追い込んでいる。ゴンザレスも動きながら左右アッパー,ワンツーをまとめた。
 7回,田中がついにゴンザレスを捉えた。ボディに的を絞った田中が攻勢に出る。右ストレート,ボディへの左右アッパーでプレスを強める田中に,後退が続くゴンザレス。赤コーナーに詰まって右ストレートからボディに左アッパーを打ち込まれたゴンザレスは左膝から崩れてダウン(カウント8)。立ち上がったゴンザレスに容赦ない左右アッパーのボディ打ちで襲いかかる田中。ロープを背負わせて鳩尾に右アッパーを突き上げれば,ゴンザレスは左膝から崩れ落ちる(カウント8)。これも立ち上がってトップコンテンダーの意地を見せたが,怒涛のような田中の攻勢に防戦一方。最後は立て続けに左右アッパーをボディに打ち込まれ,両膝からゆっくり沈む。これも立ち上がったが,ここまでと見たルイス主審はカウントの途中で試合をストップした。

 田中は動きのあるゴンザレスに手を焼いたが,きっちり沈めて2度目の防衛に成功。採点の上ではゴンザレスのスピードとテクニックにリードを許したが,落ち着いてボディから崩したことが勝因である。目まぐるしく動く相手への対応という面で貴重な経験値になるだろう。相手の逃げ道を塞ぐフットワークがあれば,もう少し楽な展開になっていたはず。しかし,難敵のゴンザレスを退けたことにより,さらにスケールアップすることが期待できる。
 ゴンザレスはサウスポーのボクサーファイターで,典型的な技巧派である。左右への軽快なフットワーク,シャープな左ストレートのカウンターで田中を苦しめた。徹頭徹尾打ち合いを避けてポイントを重ねる作戦は予定通りだったはず。左ストレート,左右アッパーをまとめる連打にも見るべきものがあある。その反面,ボディを打たれるとやや弱気になる面が見られた。それを見抜いた田中が結局は数段上だったと言える。

6回までの採点 田中 ゴンザレス
主審:セレスティノ・ルイス(米国) *** ***
副審:ウィリアム・ラーチ(米国) 55 57
副審:マイク・フィッツジェラルド(米国) 54 58
副審:エドワード・リガス(比国) 56 56
参考:MAOMIE 55 57


     ○田中:14戦14勝(8KO)                      24歳     身長:164cm     リーチ:161cm
     ●ゴンザレス:27戦22勝(13KO)3敗1分1無効試合     28歳     身長:157cm     リーチ:157cm

     放送:CBC中部日本放送(TBS)
     解説:飯田覚士&山中慎介
     実況:高田寛之

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