熱戦譜〜2019年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2019.07.01  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 井上浩樹  TKO5R  池田竜司
2019.07.01 8回戦  溜田剛士  TKO2R  テイル渥美
2019.07.06 10回戦  尾川堅一  TKO4R終了  グレン・メデュラ
2019.07.06 10回戦  正木脩也  判定  アル・トヨゴン
2019.07.06 8回戦  長濱 陸  判定  玉山将也
2019.07.06 8回戦  梶 颯  判定  レイ・オライス
2019.07.06 6回戦  李 健太  判定  マーロン・パニアモーガン
2019.07.06 6回戦  中野幹士  KO2R  アルビン・ユロング
2019.07.12  WBA世界ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 村田諒太  TKO2R  ロブ・ブラント
10 2019.07.12  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 拳四朗  TKO4R  ジョナサン・タコニン
11 2019.07.19  IBF世界ライト級
 挑戦者決定戦12回戦
 テオフィモ・ロペス  判定  中谷正義
12 2019.07.27  東洋太平洋スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 三代大訓  KO8R  竹中 良
13 2019.07.27  WBOアジアパシフィック ミニマム級
 王座決定戦12回戦
 重岡銀次朗  KO1R  クライデ・アザルコン

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                        2019年7月1日(月)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級8位)
                ○   井上浩樹    5回0分34秒    池田竜司   ●
                              (大橋) 140 lbs                 (竹原慎二&畑山隆則) 139 3/4 lbs
                          いのうえ・こうき

 左の井上,右の池田。初回,井上が鋭い右ジャブ,フックで先行する。池田も右ストレートでボディを狙うが,井上は左ストレートをボディ,アゴに見舞う。終了間際,池田をロープに詰め,井上が左右フックで攻勢に出る。井上の絶好調が目立つ。
 2回,井上のスピードと切れが凄い。池田は右ストレートを振って流れを変えようと前に出るが,井上はここでも鋭い右ジャブ,フックを浴びせる。赤コーナーに池田を追い込んだ井上は強烈な左ストレートをボディに見舞う。終盤,左ストレートで腰が砕けた池田はよろめいてロープに詰まる。ロープがなければダウンしていたと判断した岡庭主審はここでカウント8を数えた。
 3回,池田は劣勢ながらも気迫の表情で反撃するが,右フックを引っかけられて右膝をついてダウン(カウント8)。右フック,左ストレートで攻勢に出る井上。池田は激しく応戦するが,バッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける。
 4回,池田は一歩も引かずに右ストレート,左フックで反撃の姿勢を見せる。しかし,終盤は井上の左ストレート,右フックが上回る。
 5回,両者がともにジャブで探る。リング中央で井上の左ストレートがヒットし,腰が落ちた池田は後退。青コーナーに詰まった池田に対し,井上が一気に襲いかかる。再び井上が左ストレートを打ち込んだところで岡庭主審が試合をストップした。

 中量級の強打者同士による激しい打ち合いで白熱した好ファイトになった。
 井上は会心のTKOで初防衛に成功。右ジャブ,フックが冴え,強烈な左ストレート,返しの右フックに加えてボディにも強打を打ち込んだ。守りに回るという意識はなく,開始早々から鬼気迫る攻めのボクシングで池田を圧倒した。サウスポーのボクサーファイターでスピードもパンチ力もこのクラスでは抜群のものがある。今夜のような攻撃的スタイルを貫けば,自然に良い流れが生まれるだろう。
 池田は右ボクサーファイター。右ストレート,左フックに威力があり,攻撃的スタイルを身上としている。井上の強打を受けながらも,一歩も引かない気迫を見せて応戦した。右ストレートを上下に打ってよく攻めたが,やはりパンチ力,特にピンポイントを突くパンチの差が出た。とはいえ,白熱した好ファイトになったのは池田の健闘があったからにほかならない。

4回までの採点 井上 池田
主審:岡庭 健 *** ***
副審:染谷路朗 40 34
副審:福地勇治 40 34
副審:吉田和敏 40 34
参考:MAOMIE 40 34


     ○井上:14戦14勝(11KO)         27歳     身長:177cm
     ●池田:23戦14勝(9KO)6敗3分     24歳     身長:174cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:立本信吾

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                       2019年7月1日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本フェザー級14位    T  K  O   日本S・バンタム級15位
                ○   溜田剛士    2回0分40秒    テイル渥美   ●
                               (大橋) 126 lbs                       (渥美) 126 lbs
                      ためだ・つよし

 初回,小刻みな動きから溜田が上下に左ジャブ,フックを打って積極的に攻める。さらに左フック,右ストレートで攻め込む溜田。終盤,溜田の右ストレートのカウンターが炸裂し,テイルはロープ際で左膝をついてダウン(カウント8)。終了間際,溜田の右フックがクリーンヒット。ぐらついたテイルはニュートラルコーナーに詰まる。右ストレートをフォローされたテイルは右膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったところで終了ゴングに救われた。
 2回,開始と同時に溜田が上下への左右フックで攻め込む。左フックで腰が落ちたところに再び左フックをアゴにヒット。これでテイルは腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったところに一気に襲いかかる溜田。テイルをロープに釘付けにし,左右フックの連打からワンツーをまとめたところで中村主審が試合をストップした。

 閉鎖されたヨネクラジムの最後の所属選手となった溜田が見事な攻撃でTKO勝利を飾った。右ボクサーファイターで,KO率が示すように非常に強いパンチを持っている。左右フックのいずれでも一発で倒せるが,連打をまとめてフィニッシュに持ち込めることも強味。その一方で,体の動きにスピードがないこと,正面に立って両足が揃うなどの欠点がある。
 テイルは韓国出身で本名キム・テイル。右ボクサーファイターで右ストレートに威力がある。今夜は硬さがほぐれないところに先制攻撃を受け,溜田の攻勢に巻き込まれた。いいところを出す間もなく押し切られてしまった。

     主審:中村勝彦,副審:染谷路朗&福地勇治&浅尾和信
     ○溜田:26戦20勝(18KO)4敗2分     25歳     身長:166cm
     ●渥美:19戦16勝(8KO)3敗         26歳     身長:172cm
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川嶋郭志     実況:鈴木芳彦

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                      2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                 IBF世界S・フェザー級4位   T K O    比国S・フェザー級12位
                ○   尾川堅一     4回終了     グレン・メデュラ   ●
                            (帝拳) 129 1/2 lbs                    (比国) 126 3/4 lbs
                            WBO11位

 開始早々から尾川が絶好調。タイミングのいい左ジャブでメデュラがバランスを崩す。1分過ぎ,メデュラのオーバーハンドの右フックが決まり,尾川がひやりとする場面があった。しかし,尾川の鋭い左ジャブが的確にヒット。メデュラはバッティングで左目上をカット。尾川はなおも左アッパーのボディブローを打ち込む。
 2回,尾川は左フックのカウンターをヒット。メデュラは左右フックを強振。しかし,尾川は左アッパーのボディブローから右ストレートをヒット。終盤,ワンツーからの左アッパーを打ち込まれたメデュラはロープ際でうずくまり,ダウン(カウント8)。
 3回,尾川は左ジャブを多用してメデュラを追う。終盤,ワンツーからメデュラを青コーナーに詰め,左フック,右ストレートで攻勢に出れば,メデュラは崩れるようにダウン(カウント8)。
 4回,尾川の左ジャブが冴える。左右フックのボデイブローが効くメデュラ。尾川はバッティングで左目上をカットする。ダウン寸前のメデュラだが,必死に食い下がる。しかし,4回終了後にメデュラがギブアップの意思を申し入れた。

 尾川が会心の試合内容で見事なTKO勝利を飾った。鋭い左ジャブが冴え,これで試合の流れを作った。その後は左アッパーのボディブロー,ワンツー。どれもがスピード,切れともに申し分ない。せっかく手にしたと思われた世界タイトルがドーピングで幻のベルトと化したが,今夜の試合内容であれば十分に期待できる。
 メデュラは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,一発を狙って大きな右フックを強振する。当たれば倒すだけの威力がある。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&松原のぶひろ&葛城明彦
     ○尾川:26戦24勝(18KO)1敗1無効試合     31歳     身長:173cm
     ●メデュラ:17戦10勝(6KO)6敗1分         23歳     身長:165cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:佐藤義朗

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                      2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                   日本S・フェザー級2位         比国S・フェザー級(ノーランク)
                ○   正木脩也     判 定     アル・トヨゴン   ●
                             (帝拳) 129 3/4 lbs                (比国) 128 1/4 lbs

 初回,正木は左に回りながら左ジャブ,ボディにも左ジャブ,アッパーを打つ。トヨゴンはじりじりと前に出て強振するチャンスを窺う。大きな右フックをミスして自らキャンバスに手をつくトヨゴン。
 4回,バッテングで左目上をカットしたトヨゴンはドクターチェックを受ける。終盤,正木の左アッパーのボディブローが効くトヨゴン。5回にも左ボディが効き,トヨゴンの出足が鈍る。休ませずに攻めたい正木。
 6回,正木は左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパー。トヨゴンは左目上からの出血を気にする。
 9回,試合は一方的な展開になったが,正木は見ている時間が長い。
 10回,正木は左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパー。終盤,右ストレートをボディに受けたトヨゴンは赤コーナーに下がる。正木はここがチャンスだが,決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 ワンサイドゲーム。正木は大差の判定勝ちでトヨゴンを降したが,今一つ盛り上がりに欠ける試合内容である。スピーディな左ジャブ,右ストレートあるいは左アッパーのボディブローで圧倒したものの,チャンスに手が止まって相手を見てしまう時間が長いことが気になった。これが一方的に攻めながらもフィニッシュできなかった原因。タイトルを目指すためには,これでは不足である。メリハリをつけ,チャンスには一気にまとめて打つことが必要。
 トヨゴンは右ファイタータイプ。ベタ足に近く,スピードはない。左右フックを強振して強引に迫る。ボディブローが効き,さすがに中盤以降は動きが衰え,前に出る足がなくなった。

採点結果 正木 トヨゴン
主審:杉山利夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 100 90
副審:松原のぶひろ 100 90
副審:飯田徹也 100 90
参考:MAOMIE 100 90


     ○正木:14戦13勝(5KO)1敗         25歳     身長:173cm
     ●トヨゴン:15戦10勝(6KO)4敗1分     21歳     身長:163cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:川畑一志

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                      2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                  日本ウェルター級7位        日本ウェルター級11位
                ○   長濱 陸    判 定    玉山将也   ●
                          (角海老宝石) 146 1/2 lbs            (帝拳) 146 1/2 lbs

 開始早々から長濱が積極的に左ジャブを突いて組み立てた。ボディに右ストレート,左右フックを打って前に出る。玉山は後手に回る。長濱は重い左右アッパーのボディブローからワンツーをヒット。
 2回,長濱は手数がよく出ている。左フックをヒットした長濱は上下への左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右アッパーで先手先手の攻撃を展開し,完全に主導権を握った。
 4回は玉山。1分過ぎ,オーバーハンドの右フックが決まる。さらに長濱にロープを背負わせ,右ストレートを浴びせてのけぞらせる。ここから攻勢に出る玉山。5回,単発ながらも再三右ストレートをヒットする玉山。長濱の手数は序盤よりも減っている。
 7回,長濱は体を密着させて重い左右アッパーをボディに打ち込み,右ストレートを浴びせる。玉山はいいところまで押し込むが,長濱が左右のショート連打からボディに右アッパーを叩き込み,パワーで上回った。
 8回,激しいパンチの応酬が続く。右ストレートをヒットしたところから玉山が攻勢に出る。長濱も左右アッパー,右ストレートで応戦。死力を振り絞った打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 中堅ランカー同士の好カードは期待を裏切らない白熱戦になった。
 長濱は白井・具志堅ジムからの移籍第一戦。今までになく手数が出て,スピードもあった。積極的な攻撃がよかった点。左右アッパーのボディブローからすぐに右ストレートを浴びせる攻撃パターンが効果的。右ボクサーファイターでパンチ力も十分。玉山が出てくると,左ジャブで阻むうまさも見せた。中盤以降に手数が減ったのは反省点である。上位進出あるいはタイトル挑戦を狙うためには,スタミナの養成が課題となる。
 玉山は右ボクサーファイター。右ストレートを得意としている。長濱の積極的な攻撃で序盤にポイントを失ったことが響いた。

採点結果 長濱 玉山
主審:葛城明彦 *** ***
副審:杉山利夫 77 76
副審:松原のぶひろ 77 75
副審:飯田徹也 77 75
参考:MAOMIE 77 75


     ○長濱:13戦10勝(4KO)2敗1分     27歳     身長:178cm
     ●玉山:14戦12勝(6KO)2敗        25歳     身長:177cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:伊藤大海

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                    2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                            8回戦
                 日本S・フライ級5位         日本S・フライ級2位
                ○   梶 颯    判 定    レイ・オライス   ●
                             (帝拳) 115 lbs           (FLARE山上) 113 3/4 lbs

 右の梶,左のオライス。初回,梶はじりじりと左ジャブを突いて迫り,左フックを上下に放つ。しかし,オライスの左ストレートがヒット。その直後,オライスの左アッパーがローブローになり,梶がしゃがみ込んでしまい,試合が一時中断した。オライスは早くも老獪なところを見せ,梶の入り際に左アッパーのカウンターを合わせる。
 2回中盤,オライスをニュートラルコーナーに詰めた梶は左右フックで攻勢。しかし,打ち合いの中で返したオライスの左ストレートがヒットし,腰を落とした梶はピンチに陥る。梶は構わず左右フックで迫るが,オライスはここでも左アッパーを返す。
 4回,梶はロープにオライスを詰め,左右アッパーのボディブロー,右ストレートを浴びせる。
 7回,梶はガードの上から左右フックを連打。しかし,オライスはよく見てダイナミックな右から左のフックをヒット。
 8回,オライスのワンツーがヒットするが,梶は上下に左右フックを連打。それでもオライスは最後まで打ち終わりに左フックを狙って食い下がる。

 梶は無傷の13連勝。しかし,老獪なオライスに手を焼き,際どい判定勝ちに終わった。スピードもパンチ力もある右ボクサーファイターで将来が楽しみだが,キャリア豊富な相手への対応力が試される試合になった。今後のことを考えれば,良薬になっただろう。
 オライスはサウスポーのボクサーファイター。2000年4月デビューで今夜が41戦目という大ベテラン。2008年に一度リングから遠ざかっているが,2018年5月,10年ぶりに復帰している。34歳とは思えぬスピードがあり,思い切って放つ左右フックを武器としている。ガードを固めながら動きをよく見て左フック,ストレートを打ち込む。オライスが入り際に合わせる左アッパーが梶の出足を鈍らせる効果を生んだ。

採点結果 オライス
主審:飯田徹也 *** ***
副審:ビニー・マーチン 77 75
副審:松原のぶひろ 77 76
副審:葛城明彦 76 77
参考:MAOMIE 75 77


     ○梶:13戦13勝(9KO)               21歳     身長:164cm
     ●オライス:41戦20勝(5KO)19敗2分     34歳     身長:163cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:川畑一志

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                      2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                              6回戦
                 日本S・ライト級(ノーランク)           比国S・ライト級13位
                ○   李 健太     判 定     マーロン・パニアモーガン   ●
                              (帝拳) 140 lbs                     (比国) 138 3/4 lbs
                            り・ごんて

 左の李,右のパニアモーガン。初回,李は長いリーチから右ジャブ,左アッパー。パニアモーガンは低いウィービング,ダッキングから左右フックで迫る。終盤,李が左アッパーのボディブローを打ち込む。
 2・3回,パニアモーガンは思い切った左右フックで迫り,右ストレートをひとうヒット。しかし,李はボディへの左右フック,右ジャブ,左アッパーのボディブロー,左ストレートを浴びせる。スピードの差は歴然。
 しかし,4回,勢い込んで攻めたところに右フックをもらった李はぐらついてロープに詰まる。ひやりとさせる場面だった。パニアモーガンはなおも思い切った右ストレート,左フックを浴びせて李を脅かす。
 5回,低い姿勢から思い切った左フックを引っかけるパニアモーガン。李は右ジャブで牽制し,左アッパー,ストレートを浴びせるが,しぶといパニアモーガンを持て余す。6回,右フックを受けてロープを背にのけぞる李。しかし,終盤は左ストレート,ボディへの左アッパー,右フック。パニアモーガンは鬼の形相で迫るが,このボディ打ちが効いた。

 李はサウスポーのボクサーファイター。長身で長いリーチに恵まれている。大阪朝鮮高(大阪)→日大というコースを歩んだ。高校時代にインターハイなど高校6冠を達成し,日本記録となる62連勝を記録している。右ジャブからの左ストレート,ボディへの左アッパーを得意としており,パンチは鋭く,スピードもある。その一方で,しぶとくタフな相手に手を焼く場面も見られた。プロ2戦目ではアマチュア臭さが抜けないのは仕方ないが,今夜のような相手を乗り越えなければならない。
 パニアモーガンは右ファイタータイプ。ガードを固め,低い姿勢から右ストレート,左右フックを強振する。右フックで何度か李を苦しめた。その一方で被弾も多く,ボディを打たれたが,タフネスは人一倍。

採点結果 パニアモーガン
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:飯田徹也 58 56
副審:松原のぶひろ 58 56
副審:福地勇治 59 55
参考:MAOMIE 59 55


     ○李:2戦2勝(1KO)                   23歳     身長:180cm
     ●パニアモーガン:11戦9勝(5KO)1敗1分     24歳     身長:168cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:伊藤大海

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                      2019年7月6日(土)    後楽園ホール
                              6回戦
                 日本フェザー級(ノーランク)        比国S・フェザー級10位
                ○   中野幹士    判 定    アルビン・ユロング   ●
                            (帝拳) 125 3/4 lbs               (比国) 125 3/4 lbs
                      なかの・みきと

 左の中野,右のユロング。初回,右ジャブを伸ばしながら落ち着いてプレスをかける中野。ユロングは思い切り右ストレートを振って迫る。中野は左ストレートをボディに。負けじとユロングもボディに左ストレートを返す。
 2回,接近戦を挑んだ中野は右から左のフックでボディを連打し,すぐにアゴに右フックを返す鮮やかなコンビネーションを見舞う。ユロングは消極的になる。ワンツーでロープを背負い,ぐらつくユロング。チャンスと見た中野は赤コーナーに釘付けにして一気にスパーク。強烈な左右フックの連打から,最後は左ストレートを打ち込まれたユロングは赤コーナーで腰から崩れ落ちてダウン。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 帝拳の新しいホープ中野が圧巻の2回KO勝ちでプロ3戦目を飾った。サウスポーのボクサーファイターで右フック,左ストレートに破壊力がある。一発でも連打でも倒せることが強味である。落ち着いた試合運びは新人らしからぬ堂々たるものを感じさせる。チャンスの詰めも素晴らしい。右ジャブ,フックをうまく使えるようになれば,すぐにでも日本タイトル挑戦は可能なレベルにある。竹台高(東京)→東京農大で5度にわたって全国大会での優勝経験があり,アマ戦績は71勝9敗。非常に楽しみな逸材が現れたものである。
 ユロングは右ボクサーファイター。思い切った右ストレート,フックを武器としている。初回こそ果敢に打ち返していたが,2回に入って中野の連打が出ると消極的になった。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&ビニー・マーチン&福地勇治
     ○中野:3戦3勝(3KO)            23歳
     ●ユロング:15戦12勝(3KO)3敗     23歳     身長:168cm        リーチ:168cm
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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                  2019年7月12日(金)    大阪府立体育会館第1競技場
                        WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級4位)    T  K  O      チャンピオン
                ○   村田諒太     2回2分34秒     ロブ・ブラント   ●
                            (帝拳) 159 1/2 lbs                         (米国) 159 1/4 lbs

 開始早々からブラントが細かく手を出して積極的な立ち上がりを見せた。しかし,村田がプレスをかけると,ブラントが足を使い始めた。村田は右ストレート,ボディへの左アッパーで攻め立てる。ブラントも動きながらワンツー,左フックを出すが,村田のパワーが上回った。終盤,右ストレートを上下に見舞ってプレスを強める村田。
 2回,村田が怒涛のような攻勢に出た。ブラントは打ち合いを避けるように足を使うが,村田の迫力に押される。村田は左フック,右ストレートに次ぐ左フックのボディブローを打ち込む。右ストレートのヒットから一気に攻勢に出る村田。ブラントはよろめいてロープ伝いに逃れるが,左フックで大きくぐらついて青コーナーに詰まる。容赦ない左右フックの猛攻に晒されたブラントは背中からキャンバスに落下(カウント8)。ここは再開に応じたが,村田の猛攻が続く。大きくよろめいてロープ際で沈みかけるブラント。かろうじて持ちこたえるが,右ストレート2発で再びよろめいてロープ際に倒れ込む。ここでパボン主審が試合をストップした。

 村田が圧巻のTKO勝利で雪辱を果たし,見事に王座を奪回。昨年10月の第1戦で手数でポイントを奪われた反省から,先制攻撃を敢行して一気に主導権を握ったことが勝因。どっしりと重心を低くし,右ストレート,左フックあるいはボディへの左右フックでブラントを圧倒した。リベンジへの並々ならぬ執念が漲っており,上下への容赦ない打ち分けが見事だった。前回の敗因を生かした今夜のような試合ができれば,まだまだ伸びしろがある。
 ブラントは2度目の防衛に失敗。おそらくこれほどまでに村田が激しくプレスをかけてくることは想定していなかっただろう。初回の序盤は自ら積極的に攻めていたが,村田がプレスを強めた途端に引き始めた。動きながらよく手数は出していたが,パワーの差は歴然。

初回の採点 村田 ブラント
主審:ルイス・パボン(プエルトリコ) *** ***
副審:ラウル・カイズ・シニア(米国) 10
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 10
副審:ジーン・ロバート・レイン(モナコ) 10
参考:MAOMIE 10


     ○村田:17戦15勝(12KO)2敗       33歳     身長:183cm     リーチ:184cm
     ●ブラント:27戦25勝(17KO)2敗     28歳     身長:184cm     リーチ:179cm

     放送:フジテレビ
     解説:長谷川穂積&井上尚弥
     実況:森昭一郎

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                  2019年7月12日(金)    大阪府立体育会館第1競技場
                       WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T  K  O     挑戦者(同級1位)
                ○   拳四朗    4回1分00秒    ジョナサン・タコニン   ●
                           (BMB) 107 3/4 lbs                       (比国) 108 lbs

 右の拳四朗,左のタコニン。初回,タコニンが上体を振り,上下に右ジャブを打って接近し,左右フックでボディを連打する。2分過ぎ,拳四朗が左ジャブから右アッパーをヒット。終盤には拳四朗の右ストレートにタコニンが左ストレートを合わせた。
 2回にもタコニンが積極的に攻め込み,左右フックでボディを狙う。しかし,中盤からは拳四朗が左ジャブで多用してリズムを掴み,出バナに右アッパー,ストレート,さらに右アッパーでボディを打つ。
 3回,タコニンがどんどん出るが,振りが大きくミスが目立つ。拳四朗は完全にリズムを掴み,右アッパーのボディブロー,右ストレート。バッティングでタコニンが右目上をカットしてドクターチェックを受ける。これにより,WBCルールで拳四朗は減点された。
 4回,鮮やかなフィニッシュが見られた。タコニンの攻撃的姿勢は変わらないが,パンチの精度は落ちている。リング中央で左ストレートを振って不用意に突っ込んだタコニンのアゴに,拳四朗の右ストレート一閃。見事なカウンターでアゴを撃ち抜かれたタコニンは前に落ちてダウン。立ち上がったものの朦朧としており,ガルサ主審はカウントの途中で試合をストップした。

 拳四朗は6度目の防衛に成功。序盤はタコニンの積極的な仕掛けに戸惑う場面が見られたが,左ジャブを多用し,上下への右アッパーでリズムを掴んだ。攻め込まれても慌てることなく冷静に対処できていた。ときおりタコニンの左フックを受ける場面が見られたが,リーチ差を生かした左ジャブとサイドへの動きで封じていた。防衛を重ねるごとに円熟味が増している感じがする。
 タコニンはサウスポーのファイタータイプ。。小柄だが,上体を揺すって素早く接近し,左右フックのボディブロー,左フック,ストレートでアグレッシブに攻める。ただ,ガードが甘くなることが欠点。4回に不用意に出てアゴのガードがお留守になったところに右のカウンターを打ち込まれて沈んだ。

3回までの採点 拳四朗 タコニン
主審:フランク・ガルサ(米国) *** ***
副審:フェルナンド・バルボサ(米国) 29 27
副審:リム・ジュンバエ(韓国) 28 28
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 28 28
参考:MAOMIE 28 28


     ○拳四朗:16戦16勝(9KO)            27歳     身長:165cm     リーチ:164cm
     ●タコニン:33戦28勝(22KO)4敗1分     32歳     身長:157cm     リーチ:168cm

     放送:フジテレビ
     解説:八重樫東&山中慎介
     実況:竹下陽平

※ 第3ラウンドのバッティングによるタコニンの負傷により,拳四朗は減点1(WBCルール)。

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              2019年7月19日(金)    MGMホテル(米国メリーランド州オクソンヒル)
                      IBF世界ライト級挑戦者決定戦12回戦
                    IBF世界ライト級4位          IBF世界ライト級3位
                ○   テオフィモ・ロペス    判 定    中谷正義   ●
                               (米国) 134 1/2 lbs                (井岡) 134 1/2 lbs
                                             東洋太平洋チャンピオン,WBC7位,WBO14位

 中谷が絶好調の立ち上がりを見せた。初回,鋭く長い左ジャブを刺して主導権を握る。ロペスは左ガードを下げ,中谷の左に右を合わせるチャンスを窺う。終盤,ロペスの左ジャブにオーバーハンドの右ショートストレートを合わせる中谷。
 2回にも中谷の左ジャブが冴える。これを多用し,さらにワンツーをヒット。バッティングが発生し,中谷が顔をしかめて中断。
 ここまでは完全に中谷のペース。しかし,3回には中谷の左ジャブが減り,逆にロペスの左ジャブで中谷の顔が上を向く。
 4回中盤,赤コーナーに詰まった中谷はロペスの右ストレートを受けてロープに倒れ込む。これは濡れたキャンバスに足を取られたためと見たドック主審がスリップダウンと判定したが,ノックダウンとされてもおかしくない場面だった。
 6回,ロペスも手数が多いわけではないが,左ジャブから踏み込み鋭く左フック,右ストレートを放つ。しかし,その直後から逆に中谷が前に出て,左ジャブ,右ストレートでプレスをかける。この攻撃を持続したい中谷。
 9回,ロペスは単発ながらも左フック,右ストレートをヒット。中谷は怯まずに前に出て右ストレートを打ち下ろし,ボディに左アッパーを決める。
 11回,ロペスは右ストレート。中谷は疲労が出たか,攻めが雑になっている。12回,中谷は前に出るが,思うようにパンチにならない。ロペスは右ストレートをヒットするが,決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 世界挑戦権を賭けて敵地に乗り込んだ中谷だが,意外なほどの大差で敗れた。序盤に鋭い左ジャブで主導権を握ったかに見えたが,それ以降は左ジャブが減り,ロペスにつけ入る隙を与えてしまった。中盤以降もワンツーあるいは左アッパーのボディブローで攻めたが,カウンターを警戒してか,決定的な攻撃ができなかった。
 ロペスはホンジュラス出身で2016年のリオ五輪で同国の代表になっている。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにKOの威力がある。左ガードを低くしてタイミングを測り,カウンターを合わせるのがうまい。手数は多くないが,スピードが抜群。目と勘の良さ,踏み込みの鋭さ,体の切れに非凡なものがある。その反面,中谷の左ジャブ,ワンツーに苦しんだ。

採点結果 ロペス 中谷
主審:ハービー・ドック(米国) *** ***
副審:デーブ・ブラスロー(米国) 118 110
副審:ベルナルド・ブルーニ(米国) 119 109
副審:ラリー・ハザード・ジュニア(米国) 118 110
参考:MAOMIE 115 113


     ○ロペス:14戦14勝(11KO)       21歳     身長:173cm     リーチ:174cm
     ●中谷:19戦18勝(12KO)1敗     30歳     身長:182cm     リーチ:180cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:赤平 大     アシスタント:福長英未

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                         2019年7月27日(土)    後楽園ホール
                     東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン      K      O   挑戦者(同級10位)
                ○  三代大訓     8回1分56秒     竹中 良   ●
                          (ワタナベ) 129 3/4 lbs                       (三迫) 130 lbs

 同型の右ボクサーファイター同士の対戦。初回,ともに左ジャブの刺し合いからスタート。竹中は左右フックのボディブロー。三代は左ジャブ。終盤,三代が右ストレートをヒットする。
 3回,竹中は積極的に左アッパーのボディブローから右ストレート,ボディへの左右アッパー。さらに左アッパー,フックをボディからアゴに返す。三代はやや後手に回る。
 4回前半は竹中のペース。しかし,2分過ぎ,ボディに受けた左アッパーが効いた竹中は後退し,ここから流れが変わった。ロープを背に左アッパーをボディに打ち込まれた竹中は思わず三代に抱きついてピンチを凌ぐ。左ストレートで大きくのけぞり,ロープを背負う竹中。終了間際にも三代の左フックで竹中がのけぞる場面があった。
 竹中はよく手を出すが,三代の的確なパンチで徐々にダメージを負った。7回,竹中は右ストレート,左右アッパーで反撃するが,ダメージの蓄積で追い込まれていく。三代は右ストレート,ボディからアゴへの左アッパー,フックで追い上げる。竹中は明らかに効いている。三代のショート連打でロープを背にした竹中は苦しそうな表情で終了ゴングを聞いた。
 8回,竹中は力を振り絞るようにして攻めるが,三代がワンツーで追い込んでいく。ロープに詰まった竹中は左右フックを強振して捨て身の猛反撃に出る。しかし,攻撃が途切れたところで右ストレートを打ち込まれ,崩れ落ちた竹中はロープの下で精魂尽き果てたように仰向けに沈む。福地主審のカウントの途中で青コーナーからタオルが投入された。

 三代は3度目の防衛に成功。一階級下の元OPBF王者・竹中を迎えての防衛戦だったが,冷静な試合運びで見事にTKO勝利を飾った。手数が少なくて後手に回る場面があったが,右ストレートあるいは左アッパーのボディブローで徐々に弱らせて仕留めた。元々がスロースターター気味だが,世界を目指すためにはそれでは通用しない。鋭いパンチを持っているので,左ジャブを多用し,とにかく積極的に流れを作ることが必要。同じ位置に留まって相手を見てしまうことが多いので,それも修正すべき点である。
 竹中はフェザー級に続く2階級制覇を狙ったが,打ち負けて完敗。序盤から積極的に攻めたが,ボディを打たれて動きが鈍った。ベテランの意地を存分に見せて果敢な攻撃を展開したが,上り調子の三代の的確なパンチに屈した。

7回までの採点 三代 竹中
主審:福地勇治 *** ***
副審:中村勝彦 67 66
副審:飯田徹也 67 66
副審:ビニー・マーチン 67 66
参考:MAOMIE 68 65


     ○三代:9戦8勝(3KO)1分           24歳     身長:177cm
     ●竹中:25戦18勝(11KO)6敗1分     34歳     身長:172cm     リーチ:176cm

     放送:TBS
     解説:内山高志     ゲスト:京口紘人
     実況:土井敏之

※ カウントの途中でのタオル投入はTKOではなく,KOとなる。

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                        2019年7月27日(土)    後楽園ホール
                    WBOアジアパシフィック ミニマム級王座決定戦12回戦
                     同級3位      K      O       同級4位
               ○   重岡銀次朗    1回1分12秒    クライデ・アザルコン   ●
                             (ワタナベ) 105 lbs                         (比国) 103 lbs

 左の重岡,右のアザルコン。重岡は右ジャブを軽く伸ばしながらじりじりとプレスをかける。アザルコンは左フックを振る。重岡は右ジャブ2発を軽く上に打ち,踏み込んで左ストレート。まともにボディを刺されたアザルコンはキャンバスに崩れ落ちて悶絶。そのままカウントアウトされ,しばらく立ち上がれなかった。

 新鋭・重岡が4戦目で初のタイトルを獲得した。サウスポーのファイタータイプで,右フック,左ストレートに威力がある。落ち着いて右ジャブを出しながらプレスをかけていた。KOにつなげた左のボディショットは十分にウェイトが乗っており,会心の一撃。このクラスでは破格のパンチ力がある。ただし,拙速な世界挑戦は禁物。まだ19歳と若いので,数試合はいろいろなタイプにぶつけ,対応力を身につけることが望ましい。
 アザルコンは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックを得意としている。キャリアで上回っているだけに,うまくかわしながら後半に持ち込みたかったが,ボディにまともにもらってしまった。

     主審:中村勝彦,副審:ダンレックス・タップダソン(比国)&サワエン・タウィクーン(タイ)&福地勇治
     ○重岡:4戦4勝(3KO)                19歳     身長:153cm
     ●アザルコン:19戦15勝(5KO)3敗1分     24歳     身長:163cm
     放送:TBS     解説:内山高志     ゲスト:京口紘人     実況:土井敏之

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