熱戦譜〜2019年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2019.05.04  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 末吉 大  判定  大里 拳
2019.05.04 8回戦  正木脩也  判定  リー・ナムジュン
2019.05.04 8回戦  波田大和  KO2R  アルビウス・マウファニ
2019.05.04  IBF世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ジェルウィン・アンカハス  TKO7R  船井龍一
2019.05.10  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 栗原慶太  KO1R  ワルリト・パレナス
2019.05.10  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 松永宏信  TKO6R終了  新藤寛之
2019.05.10 8回戦  千葉 開  判定  中川抹茶
2019.05.13  IBF世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 モルティ・ムザラネ  判定  黒田雅之
2019.05.18  IBF世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  TKO2R  エマヌエル・ロドリゲス
10 2019.05.25  WBO世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジャメル・ヘリング  判定  伊藤雅雪
11 2019.05.25  WBO世界スーパーフライ級
 挑戦者決定戦10回戦
 江藤光喜  無効試合  ジェイビエール・シントロン

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                       2019年5月4日(土)    後楽園ホール
                     日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
                ○   末吉 大    判 定    大里 拳   ●
                            (帝拳) 129 3/4 lbs             (大鵬) 129 3/4 lbs
                      WBO3位
                         すえよし・まさる

 初回,左ジャブの刺し合いで立ち上がる。大里の右ストレートがヒットする。末吉は左ジャブから右ストレートを狙う。
 2回,末吉の左ジャブで大里が鼻血を出す。末吉はムキになって左フック,右ストレートを強振。末吉の左フックがヒット。3回,末吉の右ストレートにすぐ右ストレートを返す大里。左ジャブの刺し合い。終盤,末吉のワンツー,右ストレートが決まり,両者がヒートアップする。
 5回,大里の打ち下ろしの右ストレートがヒット。左を軽くボディに伸ばしてアゴに見舞った技ありのパンチだ。末吉も右ストレートを返すが,ムキになり,大振りが目立つ。
 8回,大里が左ジャブ,右ストレートを打って前に出る。末吉は右目上をカット(バッティング)。終了間際にも大里がワンツーを浴びせて攻勢。
 9回は末吉。右ストレートがヒットし,大里の動きが止まる。すかさず大里をロープに詰めて左右フックの猛攻に出る末吉。しかし,ここでも大振りになり,KOチャンスを逃す結果となった。
 10回,両者死力を振り絞って手を出す。大里は左ジャブ,右ストレート。末吉は左ジャブ,右フック。

 末吉は4度目の防衛に成功。大里の左ジャブ,右ストレートに苦戦したが,要所を右ストレート,フックで絞めた。スピードがあってよく伸びる左ジャブが効果的。その一方でスウェイバックしながら打つパンチがバランスを崩す原因になっている。またムキになって強振する場面が目立った。パンチ力は十分だが,雑な印象は否めない。世界を狙うにはもう少し緻密さが欲しい。
 大里は昨年2月に末吉に挑戦して8回TKOで敗れており,今夜は再挑戦。左ジャブの刺し合いから右ストレートを決めて前に出るなど,積極的な攻撃で末吉を苦しめた。

採点結果 末吉 大里
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:染谷路朗 96 95
副審:葛城明彦 97 93
副審:中村勝彦 95 95
参考:MAOMIE 96 94


     ○末吉:21戦19勝(11KO)1敗1分     28歳
     ●大里:19戦15勝(4KO)3敗1分      24歳     身長:176cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:中野謙吾

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                      2019年5月4日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・フェザー級4位         韓国フェザー級1位
                ○   正木脩也    判 定    リー・ナムジュン   ●
                             (帝拳) 129 3/4 lbs                (韓国) 130 lbs

 初回,じりじりと迫るリーに対し,左に回りながら左アッパーのボディブローを多用する正木。さらに左ジャブ,右ストレートを上下に打つ。
 リーは2回以降もガードを固めて左ジャブを突きながら接近を試みるが,正木はスピードと手数で圧倒した。左右に動いて左ジャブ,右ストレート,接近して左右アッパーのボディブロー。
 着々とポイントを奪う正木だが,中盤に入ると一本調子に慣れたのか,リーがタフなところを見せて執拗な前進を繰り返した。
 7回,左右に動いて上下にスピーディなコンビネーションブローを放って主導権を握り続ける正木。8回,正木は手数で押すが,リーの執拗な前進で鼻から出血。しかし,終盤には正木がカウンターの右ストレートから攻勢に出てワンツーでリーをロープに追い込む。

 正木が韓国のトップコンテンダーをスピードと手数で圧倒した。左ジャブ,右ストレートからボディに打ち込む左アッパーを多用し,終始リードした。その反面,課題も見られた。攻撃が一本調子になってしまい,一方的に攻めながらも相手の目が慣れてしまったという印象が強い。多用していた左アッパーのボディブローも脇腹を狙うだけでなく,鳩尾,レバーなど,変化が欲しかった。その意味では物足りなさが残る。
 リーは元韓国フェザー級王者。ベタ足に近くてスピードはないが,ガードを固めながら執拗に前に出る。左ジャブ,右ストレート,左フックを得意としており,タフネスが特徴。

採点結果 正木 リー
主審:飯田徹也 *** ***
副審:杉山利夫 80 72
副審:染谷路朗 79 73
副審:中村勝彦 78 74
参考:MAOMIE 80 72


     ○正木:13戦12勝(5KO)1敗       25歳     身長:173cm
     ●リー:19戦10勝(4KO)6敗3分     35歳     身長:171cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:伊藤大海

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                        2019年5月4日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                日本S・フェザー級(ノーランク)   K     O    インドネシアS・フェザー級(ノーランク)
                ○   波田大和     2回2分19秒     アルビウス・マウファニ   ●
                             (帝拳) 129 1/2 lbs                         (インドネシア) 128 3/4 lbs
                           はた・やまと

 左の波田,右のマウファニ。初回,がっしりとした上体でガードを固めながら前に出て左右フックを狙うマウファニ。波田は左右に動きながら右ジャブ,フックから上下に左ストレートを飛ばす。
 2回,マウファニは固いガードでじりじりと前に出る。波田は右ジャブ,フック,アッパーから左ストレート。さらにボディにも右フックを見舞う。よく手数が出ている波田。右フックのボディブローを効かせたところから攻勢。この攻撃にマウファニは赤コーナーで崩れるようにダウン(カウント8)。立ち上がったが,右アッパーからの左ストレートで2度目のダウン。両膝をついたままカウントアウトされた。

 元小結・旭道山の甥として話題の波田が見事なKO勝利。サウスポーのボクサーファイターで左ストレートを主武器としているが,右ジャブ,フックがよく出る。ボディへの右フックもいい。大振りせず,上下に細かく打ち分けていた。
 マウファニは背は低いが,がっしりとした上体が特徴の右ファイタータイプ。固いガードでじりじりと前に出て左右フックを狙う。しかし,波田のスピーディなパンチを上下に打ち分けられて沈んだ。

     主審:葛城明彦,副審:杉山利夫&飯田徹也&ビニー・マーチン
     ○波田:9戦8勝(8KO)1敗            22歳
     ●マウファニ:11戦6勝(3KO)3敗2分     23歳
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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           2019年5月4日(土)    ストックトン・アリーナ(米国カリフォルニア州ストックトン)
                       IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K  O   挑戦者(同級1位)
             ○   ジェルウィン・アンカハス   7回0分01秒    船井龍一   ●
                            (比国) 114 1/4 lbs                      (ワタナベ) 114 1/2 lbs

 左のアンカハス,右の船井。初回から船井が積極的に攻めた。しかし,アンカハスの右ジャブから左ストレートがよく伸びる。船井の顔面は早くも紅潮。アンカハスの右ショートフックがヒット。終了間際にもアンカハスの右フックが決まった。
 2回,船井は前に出てモーションのない右ストレートから左フック,アッパーで果敢に攻める。タイミングのいい右ストレートがヒット。しかし,終盤にはアンカハスの左ストレートがカウンターになり,船井がわずかにぐらつく場面があった。
 3回,右ストレートから左フック,アッパーで積極的に仕掛ける船井。しかし,逆に右アッパーをもらってのけぞる。アンカハスは船井の打ち終わりを狙って左ストレートを浴びせる。右フックをもらう船井。
 4回はアンカハスの強打が火を噴いた。船井をロープに詰め、左ストレート,右フックで攻勢に出るアンカハス。ロープを背負った船井は左ストレートで大きくのけぞる。船井はなおも粘るが,アンカハスも左ストレート,右フックを強振して激しい打ち合いになった。鼻から出血した船井は顔面が腫れている。正面から左ストレートを受けてぐらつく船井。
 前のラウンドに被弾が多くなった船井は5回開始早々にドクターチェック。その再開直後,アンカハスの左ストレートを打ち込まれ,のけぞる。ここはアンカハスが強振を避け,右ジャブ,左ストレートを浴びせる。序盤から積極的に攻めていた船井だが,ダメージのためにプレスが弱まった。
 6回,船井にとって戦局はさらに厳しいものとなった。果敢に前に出るが,正面に立つので,左ストレートを返されている。アンカハスはさらに左ストレート,ワンツーを浴びせて船井を窮地に追い込む。被弾が急に増える船井。終了間際,左ストレートを受けてぐらつく船井。
 被弾が多くなった船井に対し,7回開始早々に再びドクターチェック。結局,ここで試合続行不能とされた。

 7連勝(6KO)の勢いを駆って米国に乗り込んだ船井。待望の世界初挑戦で堂々の健闘を見せたが,アンカハスのパワーに屈して完敗を喫した。鋭い右ストレート,左フック,アッパーを武器とする右ボクサーファイター。切れのいいいパンチに加え,チャンスの連打もある。しかし,果敢な攻めを見せたが,前進が直線的。正面に立ってしまい,左ストレートを返されていた。右フックへの備えも不十分。アンカハスが序盤から強振を繰り返していただけに,ヘッドスリップやサイドへの動きを取り入れて空振りを誘い,打ち疲れを待って勝負をかけていれば全く違う展開になっていただろう。実力があるだけに,悔やまれる試合内容である。
 アンカハスは7度目の防衛に成功。サウスポーのボクサーファイター。足を止めて打ち込む左ストレート,右フックに威力がある。打ち終わりに必ず左ストレートを打ち返されていた。強振するのでスタミナのロスが大きいが,船井が正面に立ったことが有利に作用した。

6回までの採点 アンカハス 船井
主審:エドワード・コランテス(米国) *** ***
副審:カーミット・ベイレス(米国) 59 54
副審:ジョナサン・デービス(比国) 60 54
副審:ダニエル・サンドバル(米国) 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○アンカハス:34戦31勝(21KO)1敗2分     27歳     身長:168cm     リーチ:169cm
     ●船井:39戦31勝(22KO)8敗           33歳     身長:170cm     リーチ:173cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&亀海喜寛
     実況:赤平 大     アシスタント:増田美香

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                       2019年5月10日(金)    後楽園ホール
                      東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    K      O   挑戦者(同級9位)
                ○   栗原慶太   1回0分35秒   ワルリト・パレナス   ●
                              (一力) 118 lbs                    (森岡) 117 1/2 lbs
                      IBF15位

 開始早々から強打者同士のヒリヒリした緊迫感が充満する。栗原は鋭い左ジャブを突き,思い切りのいい右ストレート,左フックを浴びせる。リング中央でパレナスが伸ばした左に待ってましたとばかりに被せた右クロス。これがまともにテンプルを捉え,パレナスはたまらずキャンバスに落下。辛うじて立ち上がったものの,足元が定まらない。染谷主審はそのままカウントアウトした。

 王者・栗原は初防衛に成功。圧巻のワンパンチKOだった。右ボクサーファイターで左フック,右ストレートに一発で倒す破壊力がある。ここまで5敗のうち4敗はキャリア初期の7戦目までに喫したもの。その後は開眼したかのようにKOの山を築いている。むやみに強振せず,鋭い左ジャブを出バナに浴びせているのがいい。大事なのはこの左ジャブを忘れないことだろう。自信をつけており,さらに強くなるはず。非常に楽しみなタレントである。
 パレナスは2015年12月に井上尚弥(大橋)のWBO世界S・フライ級王座に挑戦して2回TKOで敗れている。右ファイタータイプで右ストレート,左フックに威力がある。しかし,不用意に出した左に右クロスを合わされて沈んだ。

     主審:染谷路朗,副審:飯田徹也&松原のぶひろ&福地勇治
     ○栗原:19戦14勝(12KO)5敗           26歳     身長:172cm
     ●パレナス:37戦26勝(23KO)10敗1分     35歳     身長:165cm     リーチ:170cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                      2019年5月10日(金)    後楽園ホール
                     日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)  T K O     チャンピオン
                ○   松永宏信    6回終了    新藤寛之   ●
                           (横浜光) 153 3/4 lbs                (宮田) 153 3/4 lbs
                                         しんどう・のぶゆき

 サウスポー同士だが,長身の新藤,インファイター型の松永という対照的な両者の顔合わせとなった。上背で勝る新藤は左右に動いて左ストレート,右ジャブ。潜り込みたい松永は後半に左右フックのボディブローで迫る。
 3回終盤,松永はロープからニュートラルコーナーに新藤を詰めて攻勢。左右フック,アッパーを上下に見舞って優位に立つ。
 4回に入ると松永の執拗な連打が効果を出し始めた。ロープ,ニュートラルコーナーを背負う新藤のボディに左右フックを打ち込む。終了間際にも新藤を赤コーナーに詰めて攻勢に出る松永。5回にも松永の執拗な攻撃が続く。左ストレート,左右フック。新藤はロープやコーナーを背にする場面が多く,見栄えが悪い。
 6回,松永は小刻みな右ジャブ,ワンツーで新藤をロープに追いこみ,右フックのボディブローから左右フックを浴びせる。松永の執拗な攻撃に劣勢が続く新藤。終了ゴングと同時に赤コーナーの椅子にがっくりと腰を落としてうなだれる新藤。結局ここで棄権を申し入れ,試合がストップされた。

 松永はWBOアジアパシフィックのタイトルを獲得しているが,今夜は初挑戦で念願の日本タイトルを手にした。サウスポーのファイタータイプで,左右フック,アッパーの連打を身上としている。上背,リーチで大きく劣っているだけに,潜り込まなければ勝機が見えないのは衆目の一致するところ。開始早々からその作戦を忠実に実行した。右ジャブ,ワンツーを小刻みに出してロープやコーナーに詰め,ボディブロー中心の攻撃で動きを止めたことが勝因。どちらかと言えば地味なタイプだが,地道な努力を見事に開花させ,念願のタイトル獲得を果たした。見事な勝利である。
 新藤はウェルター級とスーパーウェルター級の2冠を制したサウスポーのボクサーファイター。破格の長身と長いリーチを誇っており,右ジャブ,左ストレートを得意としている。松永の入り際にパンチを合わせて前進を止めたかった。しかし,右ジャブ,左ストレートの数も威力も不十分なため,簡単に接近を許してしまったことが敗因。

6回までの採点 松永 新藤
主審:葛城明彦 *** ***
副審:飯田徹也 59 55
副審:岡庭 健 58 56
副審:福地勇治 58 56
参考:MAOMIE 59 55


     ○松永:16戦15勝(9KO)1敗        31歳     身長:173cm
     ●新藤:27戦20勝(8KO)5敗2分     32歳     身長:186cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                      2019年5月10日(金)    後楽園ホール
                             8回戦
                   日本バンタム級18位       日本バンタム級19位
                ○   千葉 開    判 定    中川抹茶   ●
                             (横浜光) 118 lbs              (角海老宝石) 118 lbs

 左の中川,右の千葉。初回,千葉が上体を振りながら積極的に出る。飛び込んで右ストレート。長身の中川は距離を置いて右ジャブを伸ばす。千葉は右ストレートから左フックを振って攻め込む。
 2回以降も千葉が積極的に攻めて中川が迎え撃つという展開が続くが,一発打ってはクリンチ,揉み合いという場面が多くなる。
 4回,千葉は左ジャブが少なく,右ストレート,フックから飛び込む単調な攻撃。中川は千葉の出バナに左ストレート,ボディに左アッパーを打つ。
 7回,執拗に密着して揉み合いの中で右アッパー,左フックを打つ千葉。中川は距離を取りたいが,押し込まれて持て余す。終了間際に左右フックの連打から左ストレートを振る中川。これが欲しい。
 8回,千葉は果敢に攻め込む。この回は中川も距離を置いて流れを変えようとするが,思うように手が出ない。

 バンタム級の下位にランクされる若手同士による好カード。しかし,かみ合わない展開が続き,クリンチ,揉み合いが多い凡戦に終わった。千葉は右ボクサーファイターで目と勘の良さがある。パンチを当てる勘に優れており,右ストレート,左フックに威力がある。期待されながらも昨年1月には伏兵ブライアン・ロベターニャ(比国)に痛恨の4回TKO負けを喫した。その後,タイ,韓国への遠征を含め,これで4連勝。完全復調とは言えないまでも復活の兆しは見せている。しかし,今夜は左ジャブが出ず,右ストレート,フックから飛び込むことが多く,雑な攻撃が目立った。
 中川は長身でリーチに恵まれたサウスポーのボクサータイプ。ワンツーを得意としており,リーチを生かした試合運びが持ち味。しかし,千葉のペースに合わせてしまい,押し込まれたことが敗因。

採点結果 千葉 中川
主審:福地勇治 *** ***
副審:岡庭 健 77 75
副審:染谷路朗 77 76
副審:松原のぶひろ 78 75
参考:MAOMIE 79 74


     ○千葉:12戦11勝(7KO)1敗        26歳     身長:165cm
     ●中川:16戦13勝(5KO)2敗1分     25歳     身長:174cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                     2019年5月13日(月)    後楽園ホール
                      IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級4位)
              ○   モルティ・ムザラネ   判 定   黒田雅之   ●
                             (南アフリカ) 112 lbs            (川崎新田) 111 3/4 lbs

 上背で勝る黒田が開始早々から積極的な攻撃を展開し,左ジャブ,フックでリードした。2回には左ジャブ,フックから右ストレート,ボディへの左アッパーで優勢。ムザラネも手数が増え,終盤には左右フックで攻勢に出た。
 序盤は好調なところを見せた黒田だが,5回には左目上をカット(ムザラネの有効打による傷)。黒田はアウトサイドからのパンチが中心で,振りが大きくなる。一方のムザラネは細かい左ジャブ,ワンツーで徐々に盛り返した。終盤にはムザラネがワンツーの連打で黒田を後退させる。
 6回終盤,黒田は右ストレートでムザラネをわずかにぐらつかせて攻勢に出るが,チャンスを逃す。中盤から終盤にかけては,ムザラネが的確なパンチで黒田を翻弄した。黒田は右目の上下も腫れ,苦しくなる。ムザラネは巧みなブロックで黒田のパンチを殺し,左ジャブ,ワンツー,左右フックを浴びせた。
 10回はムザラネの右グラブ,11回は黒田の左グラブのテープが解け,仲良く2度ずつの中断があった。その中でもムザラネがよく見てワンツースリーフォアとパンチをまとめる。11回終盤には黒田の右ストレートでぐらついたムザラネがロープに詰まり,クリンチに出る場面も見られた。
 12回,顔面を血で染めて必死に手を出す黒田。しかし,ムザラネの左ジャブを浴び,右ストレート,左右フックを返される。

 6年ぶり2度目の世界挑戦を迎えた黒田。序盤こそ積極的な攻撃でタイトル奪取への期待を抱かせたが,中盤からはムザラネの的確なパンチでリードを広げられた。左ジャブ,フック,右ストレートからボディへの左アッパーで最後まで食い下がったが,ムザラネの老獪なテクニックに屈した。左右への動きに乏しく,連打の標的になった。
 ムザラネは2度目の防衛に成功。小柄だが,体にバネがあり,左ジャブも右ストレートもよく伸びる。右ボクサーファイターで相手の動きをよく見て左ジャブ,ワンツーを的確にヒットする。一発のパンチ力はないが,ワンツーをまとめる力がある。グラブやエルボーで黒田のパンチを巧みに殺し,すぐに打ち返していた。派手さはないものの,堅実な技巧が光る。

採点結果 ムザラネ 黒田
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:ネビル・ホッツ(南アフリカ) 116 112
副審:イアン・スコット(ニュージーランド) 117 111
副審:村瀬正一 116 112
参考:MAOMIE 116 112


     ○ムザラネ:40戦38勝(25KO)2敗     36歳     身長:159cm     リーチ:164cm
     ●黒田:41戦30勝(16KO)8敗3分     32歳     身長:167cm     リーチ:171cm

     放送:テレビ神奈川
     解説:川嶋勝重     ゲスト:八重樫 東
     実況:黒沢幸司

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            2019年5月18日(土)    The SSE Hydro(英国スコットランド:グラスゴー)
                    ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝
                       IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                    WBAチャンピオン   T   K  O      IBFチャンピオン
                ○   井上尚弥    2回1分19秒    エマヌエル・ロドリゲス   ●
                              (大橋) 118 lbs                          (プエルトリコ) 118 lbs

 初回,ロドリゲスが真剣な表情で左ジャブを突いてプレスをかける。右ストレート,左アッパーは恐いパンチだ。井上は慎重に出方を窺う。井上のアゴが上がる場面もあって緊張させられたが,後半には左フックのカウンターを返すなど,落ち着きを取り戻した。
 2回開始早々,右ストレートからの左ジャブという逆ワンツーでロドリゲスをのけぞらせる井上。両者の動きが忙しくなる。リング中央で激しい応酬。左フックをミスしたロドリゲスが中途半端な体勢でクリンチに出る。すぐに左アッパーを出そうとするが,両足が揃ってガードが下がったところに井上の小さい左フックが絶妙なカウンターになる。この一発でロドリゲスは腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが鼻から出血し,足元がふらついている。井上はすぐに詰めにかかる。左から右のフックがまともにボディを抉れば,ロドリゲスは苦悶の表情を浮かべながら沈む(カウント9)。カウントを聞きながら自コーナーに「もう戦えない」というジェスチュアを見せるロドリゲス。ここは王者のプライドにかけて続行に応じたが,すぐに捕まった。井上の怒涛の攻勢であっという間にロープを背負う。渾身の左フックを脇腹に打ち込まれたロドリゲスはロープ際に崩れ落ち,3度目のダウン。もはや戦える状態ではなく,アレクサンダー主審はカウントの途中で試合をストップした。

 井上が圧巻のTKO勝利でまたも世界の度肝を抜いた。WBA王座はかかっておらず,形の上では井上がロドリゲスのIBF王座に挑戦した試合。初回こそロドリゲスのプレスで慎重になったが,すぐにペースを掴んだあたりはさすが。最初のダウンを奪った左フックはフェイント気味に右で軽くボディを叩いておいて間髪入れずに返したカウンター。強打ばかりが絶賛されるが,これは超絶技巧である。2度目のダウンを奪ったボディへの左右フックも同様で,最初のパンチからの切り返しの速さが素晴らしい。この先どこまで登っていくのか想像もできないが,楽しみは尽きない。
 ロドリゲスは2度目の防衛に失敗。攻防兼備で完成度の高い右ボクサーファイターである。右ストレート,左アッパーを中心とする流れるようなコンビネーションブローを得意としている。わずか2回で決着がついてしまったが,おそらく井上の今までのプロキャリアの中では最強の相手だろう。井上に主導権を握らせまいと開始早々からプレスをかけたのは作戦通り。しかし,井上の返しの速さはロドリゲスの想像を超えていたに違いない。

     主審:ミカエル・アレクサンダー(英国),副審:ハワード・フォスター(英国)&スティーブ・グレイ(英国)&ロバート・ウィリアムズ(英国)
     ○井上:18戦18勝(16KO)           26歳     身長:165cm     リーチ:171cm
     ●ロドリゲス:20戦19勝(12KO)1敗     26歳     身長:168cm     リーチ:169cm
     放送:WOWOW     現地解説:山中慎介(スタジオ:浜田剛史&西岡利晃)     現地実況:高柳謙一(スタジオ:鈴木 健)     アシスタント:増田美香

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             2019年5月25日(土)    オセオラ・ヘリテージパーク(米国フロリダ州キシミー)
                      WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     挑戦者(同級9位)            チャンピオン
                ○   ジャメル・ヘリング    判 定    伊藤雅雪   ●
                               (米国) 129 1/2 lbs               (横浜光) 129 1/2 lbs

 右の伊藤,左のヘリング。初回,長身のヘリングがロングレンジからの右ジャブを多用し,ワンツーを飛ばす。伊藤の左目下が早くも赤くなっている。伊藤もワンツーを伸ばすが,左右から揺さぶりたいところ。
 ヘリングが出バナに右ジャブを突いて右に回り,左ストレートを放って,自分の立ち位置を保っている。4回序盤,鮮やかなワンツーをもらった伊藤がのけぞる。中盤にもヘリングのワンツーで伊藤がバランスを崩す場面があった。ヘリングは巧みなボディワークで伊藤のパンチを封じ,先手で主導権を握っている。5回終盤にはヘリングがワンツーを浴びせて攻勢に出た。
 中盤は伊藤がやや強引に仕掛け,いい流れを掴みかけた。8回,クリンチの揉み合いから左右フック,右アッパーを浴びせる伊藤。ヘリングはこれを嫌う。ヘリングを消耗させて動きを止めたい伊藤。
 ヘリングに疲れが見え,伊藤はチャンスを迎えたが,終盤は再びヘリングがリズムを取り戻した。10回,距離を取ってロングの右ジャブを多用したヘリングは左ストレートをボディに。
 11回中盤,右ストレートを振って飛び込んだところに右フックを引っかけられてバランスを崩した伊藤は勢い余ってロープに突っ込み,キャンバスにグラブをつく。あわやダウンという場面だったが,グラブで首を巻き込んだということでノーカウントになった。勝負所の伊藤は右ジャブ,左ストレートでうまくあしらわれている。
 12回,伊藤は右を振って必死に仕掛けるが,巧みなクリンチ,ボディワークに阻まれる。ヘリングは出バナに右ジャブを突き,最後まで自分のペースを守った。

 伊藤は2度目の防衛に失敗。試合巧者のヘリングに距離を制圧され,かみ合わないまま終わった印象が強い。ヘリングが右ジャブを多用するのは想定内だろうが,右回りは阻止したかったところ。直線的に出ていたため,右に回り込まれてかわされ,出バナを叩かれた。このままでは勿体ないタレントなので,再起に期待したい。
 ヘリングは海兵隊出身の黒人でロンドン五輪の代表にもなったテクニシャン。長身で長いリーチを誇るサウスポーのボクサータイプである。スピードと抜群の伸びがある右ジャブ,ワンツーを得意としている。右ジャブを多用し,右回りを忘れずに戦っていた。攻め倦む伊藤の心を見透かすような巧みな位置取り,クリンチワーク,ボディワークが光る。

採点結果 ヘリング 伊藤
主審:フランク・ジェンタイル(米国) *** ***
副審:リサ・ジアンパ(米国) 118 110
副審:アレックス・レビン(米国) 116 112
副審:トーマス・ナルドニ(米国) 118 110
参考:MAOMIE 116 112


     ○ヘリング:22戦20勝(10KO)2敗     33歳     身長:178cm     リーチ:178cm
     ●伊藤:28戦25勝(13KO)2敗1分     28歳     身長:174cm     リーチ:173cm

     放送:WOWOW
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:高柳謙一     アシスタント:増田美香

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                2019年5月25日(土)    オセオラ・ヘリテージパーク(米国フロリダ州キシミー)
                        WBO世界スーパーフライ級挑戦者決定戦10回戦
                  WBO世界S・フライ級4位     無 効 試 合       WBO世界S・フライ級5位
                −   江藤光喜      (1回2分37秒)     ジェイビエール・シントロン   −
                            (白井具志堅) 114 1/2 lbs                           (プエルトリコ) 114 1/2 lbs
                   WBA7位,WBC7位,IBF8位

 右の江藤,左のシントロン。シントロンは右ジャブを突きながら左右に動いて左ストレートのチャンスを窺う。江藤はプレスをかけて右ストレート,フックを狙う。シントロンの左ストレートが決まる。リング中央で左ストレートの打ち終わりに江藤が右ストレートを返そうとするが,それより一瞬早く頭がシントロンのアゴに命中。背中からキャンバスに叩きつけられるシントロン。立ち上がったものの完全に足に来ている。気持ちとは裏腹に体をコントロールできず,ロープに突っ込み,夢遊病者のようにリング内を彷徨う。グレン主審が試合をストップし,一度は江藤のTKO勝利がコールされた。しかし,リプレイ検証の結果,江藤の頭が当たっていたことが確認され,ノーコンテストとなった。

 世界挑戦権を賭けてフロリダに渡った江藤だが,思わぬアクシデントで世界戦への切符を逃した。コンディションがよく,右ストレート,フックを振って積極的にプレスをかけていた。消化不良の結果になったが,再戦に期待する。
 シントロンはサウスポーのボクサーファイター。軽快なフットワークから放つ右ジャブ,フックを得意としている。

     主審:アンドリュー・グレン(米国),副審:ロドルフォ・アギラー(パナマ)&リサ・ジアンパ(米国)&マイク・ロス(米国)
     − 江藤:30戦24勝(19KO)4敗1分1無効試合     31歳     身長:174cm     リーチ:177cm
     − シントロン:11戦10勝(5KO)1無効試合        24歳     身長:168cm
     放送:WOWOW     解説:浜田剛史&飯田覚士     実況:高柳謙一     アシスタント:増田美香

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