熱戦譜〜2018年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2018.12.01  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 細川バレンタイン  TKO1R  稲垣 孝
2018.12.01 8回戦  今野裕介  判定  デスティノ・ジャパン
2018.12.01 8回戦  小國以載  TKO4R  アレガ・ユニアン
2018.12.08 10回戦  竹中 良  TKO5R終了  ローレンス・ロサス
2018.12.09  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 中谷正義  TKO4R  ハリケーン風太
2018.12.09 8回戦  大森将平  TKO3R  山本隆寛
2018.12.13  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 吉野修一郎  TKO3R  小林和優
2018.12.13 8回戦  佐川 遼  TKO8R  河村真吾
2018.12.22 8回戦  辰吉寿以輝  TKO3R  平島祐樹
10 2018.12.22 10回戦  大沢宏晋  KO9R  ベルマー・プレシアド
11 2018.12.23  5回戦(フライ級決勝)
 第65回全日本新人王戦
 湊 義生  TKO3R  荒川竜平
12 2018.12.23  5回戦(フェザー級決勝)
 第65回全日本新人王戦
 竹本雄利  判定  峯田 光
13 2018.12.23  4回戦(スーパーライト級決勝)
 第65回全日本新人王戦
 遠藤健太  TKO2R  岡田翔馬

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                         2018年12月1日(土)    後楽園ホール
                        日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン      T   K  O   挑戦者(同級10位)
                ○   細川バレンタイン   1回2分56秒    稲垣 孝   ●
                            (角海老宝石) 139 1/4 lbs                   (フラッシュ赤羽) 140 lbs

 開始早々から慌ただしい展開になった。左ジャブ,右ストレートを交換する両者。稲垣がややリードかと思われたが,赤コーナー付近で細川の右アッパーに次ぐ右ストレートを浴びた稲垣は右膝から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが,効いている。右ストレートのカウンターでぐらついた稲垣はフォローの右ストレートで大きくよろめき,ロープに詰まる。一気に襲いかかる細川。ロープに釘付けになった稲垣がガードもままならぬ状態になったところで杉山主審が試合をストップした。

 細川が電光石火のTKOで2度目の防衛に成功した。スパーリングで何度もグラブを交わしている両者だけに,序盤は慎重に出方を窺うかと見られたが,激しい主導権争いになった。しかし,硬さが見られる稲垣に対し,冷静に動きを見ていた細川が先制のダウンを奪った。これが見た目以上に効いており,再開後の速攻で試合が決まった。右ボクサーファイターでワンツー,左右フックにスピードがある。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフ。
 稲垣は3度目の挑戦も実らず,完敗。硬さが取れないところにいいパンチをもらってしまった。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としており,打ち合いに強い。

     主審:杉山利夫,副審:安部和夫&福地勇治&中村勝彦
     ○細川:33戦24勝(11KO)6敗3分     37歳     身長:163cm
     ●稲垣:40戦20勝(9KO)18敗2分     33歳     身長:176cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:平松修造

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                      2018年12月1日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本S・ライト級2位           日本S・ライト級9位
                ○   今野裕介    判 定    デスティノ・ジャパン   ●
                            (角海老宝石) 140 lbs               (ピューマ渡久地) 139 lbs

 パンチ力に自信があるランカー同士の対戦。初回,今野がしっかり左ジャブを突き,好調なところを見せる。ガードを高くしたデスティノはじりじりと前に出て左ジャブから左フックを狙う。
 2回,ロープを背負った今野はデスティノの左フックがミスブローになった隙に右フックを引っかけ,赤コーナーに詰めて攻勢。終盤,デスティノの左右フックに負けじと応戦する今野。
 4回はデスティノ。飛び込んで放ったデスティノの左ジャブが決まる。今野は右アッパー,左フックを返すが,デスティノの左フックを返されてぐらつく。左右フックの激しい応酬になった。
 5回,打ち合いが続くが,終盤,今野の左アッパーのボディブローからの右フックがアゴに決まり,デスティノは右グラブをついてダウンを取られた(カウント9)。
 6回にも今野が果敢に攻め,右ストレート,左アッパーのボディブローから左フックを浴びせる。デスティノは前に出たいが,今野に先手を取られた上に,ホールディングで減点された。終盤には今野が踏み込んで放った左ジャブがタイミングよくカウンターになり,デスティノは右グラブをついてダウンを喫した(カウント8)。
 7・8回,自信を深める今野に対し,疲労が出たデスティノは左右フックを強振するが,バランスを崩す場面が目立った。

 ランカー同士の好カードとなったが,今野が積極的な攻撃でデスティノを圧倒した。右ボクサーファイター。強打を恐れず,常に先手で攻めたことが勝因。左ジャブでデスティノの出足を封じており,右ストレート,ボディへの左アッパーが冴えた。
 デスティノはドミニカ出身の輸入ボクサー。長いリーチから繰り出す左右フックを武器とする右ボクサーファイター。特に左フックにKOの威力がある。KO率が示すように破壊力は抜群。その反面,スピードがやや不足している。腰高なため,疲労が溜まった終盤にバランスを崩す場面が目立った。

採点結果 今野 デスティノ
主審:葛城明彦 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 77 74
副審:中村勝彦 77 72
副審:安部和夫 78 72
参考:MAOMIE 79 70


     ○今野:18戦14勝(7KO)4敗            29歳     身長:178cm
     ●デスティノ:31戦24勝(22KO)5敗2分     34歳     身長:174cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:辻岡義堂

※ 6回,デスティノホールディングで減点1。

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                       2018年12月1日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                IBF世界S・バンタム級10位   T   K  O   インドネシア S・バンタム級(ノーランク)
                ○   小國以載     4回2分25秒     アレガ・ユニアン   ●
                            (角海老宝石) 122 lbs                       (インドネシア) 120 lbs

 初回,ともに左ジャブで探り合いから立ち上がる。小國は左ジャブ,左アッパーのボディブローから,右ストレートにつなげようとしている。ユニアンは思い切った右フックを振る。
 3回,ぎこちない動きから右フックの一発を狙うユニアンに対し,小國は落ち着いて左ジャブ,右ストレートでじっくり攻める。右ストレートのボディブローが効くユニアン。さらにボディに右ストレート,左アッパーを決める小國。終了間際,右ストレートでボディを抉られたユニアンは後退。
 4回,完全にリズムを掴んだ小國が落ち着いて左ジャブから組み立てる。右ストレートに続く左アッパーがアゴに決まり,ユニアンは横倒しにダウン(カウント8)。苦笑しながら立ち上がったユニアンは捨て身の反撃を見せるが,左アッパーのボディブローで2度目のダウン(カウント8)。これも立ち上がったが,左フックで膝から落ちて3度目のダウン。ここで福地主審が試合をストップした。

 昨年9月に岩佐亮佑(セレス)に6回TKO負けでIBF王座を奪われた小國。一度は引退を表明したが,今夜は1年2ヶ月ぶりのリング復帰を見事なTKO勝利で飾った。攻め急がず,左ジャブで丁寧に試合を組み立てていた。そこからボディに右ストレート,左フックを決めて崩した。格下相手にリングの感触を確かめるような戦い方だったが,冷静な試合運びが光る。
 ユニアンは右ボクサーファイター。スタンスが狭く,左ジャブから相打ち覚悟の思い切った右フックを強振する。しかし,スピードがなく,動きはぎこちない。再び世界を目指す小國の敵ではなかった。

     主審:福地勇治,副審:ウクリッド・サラサス&杉山利夫&安部和夫
     ○小國:23戦20勝(8KO)2敗1分         30歳     身長:172cm     リーチ:176cm
     ●ユニアン:26戦13勝(3KO)12敗1分     30歳
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:寺島淳司

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                  2018年12月8日(土)    タイ:ホアヒン True Arena
                             10回戦
                 日本フェザー級10位   T K O   比国S・フェザー級(ノーランク)
                ○   竹中 良    5回終了    ローレンス・ロサス   ●
                              (三迫) 129 lbs                    (比国) 128 lbs

 右の竹中,左のロサス。竹中は軽く足と上体を動かし,リラックスした滑り出し。竹中は左ジャブを伸ばしてタイミングをはかる。ロサスは右ジャブを出し,左右フックを振るが,ナックルパートが当たっていない。
 3回,竹中はグラブで顔面をカバーしながら接近し,右ストレートからボディに左右アッパーを集める。
 4回,左右アッパーをボディに集める竹中。ボディが効いて消極的になったロサスはローブローを主張する。竹中のワンツーがヒット。
 5回,右アッパーのボディブローが効いたロサスは再びローブローを主張するが,竹中は構わずロープからニュートラルコーナーに詰めて攻勢に出る。ロサスはボディブローが効き,戦意喪失気味で集中力を欠く。2分過ぎにも右アッパーをボディに打ち込まれ,露骨にローブローをアピールするロサス。サノン主審はこれを認めず,続行を促す。ロサスは完全に動きが鈍り,ホールドが目立つ。5回終了後のインターバル中にロサス陣営が棄権を申し入れ,試合がストップされた。

 元OPBF王者・竹中がタイ遠征でTKO勝利。力まず,軽い動きから左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右アッパーで徐々に弱らせた。特に2回あたりからボディにパンチを集めた攻撃が効果的だった。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としており,スピードもある。しかし,国内の中量級は層が厚く,フェザー級にとどまってもスーパーフェザー級に上げてもタイトル獲得はなかなかハードな戦いになる。今後の進路が注目される。
 ロサスはサウスポーのボクサーフィター。右ジャブからの左右フックを得意としており,ときおり左ストレートをヒットした。しかし,左右フックはナックルパートが当たっておらず,威力半減。ボディを打たれて露骨にローブローを主張していたが,そのボディ攻撃で半ば戦意喪失の棄権となった。

     主審:サノン・オーミン(タイ),副審:ソムサク・シリアナント(タイ)&タワット・ルンシャロン(タイ)&クリエンサク・トンホン(タイ)
     ○竹中:23戦18勝(11KO)4敗1分     33歳     身長:174cm     リーチ:176cm
     ●ロサス:14戦9勝(3KO)3敗2分      24歳     身長:169cm     リーチ:169cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                  2018年12月9日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                       東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級3位)
                ○   中谷正義   4回1分43秒   ハリケーン風太   ●
                            (井岡) 134 3/4 lbs                   (カシミ) 135 lbs
                     WBC8位,WBO12位,IBF5位

 開始早々から風太がラフファイトを仕掛けた。ときおりスイッチしながら左右フックで突っかかるが,中谷は距離を置いて左ジャブ,右ストレートからボディに左右アッパーを見舞う。
 2回,風太は左まぶたをカット(中谷の有効打による傷)。風太はラフな突進を仕掛けるが,突っ込むだけでボクシングにならない。中谷の左ジャブに次ぐ右ストレートがクリーンヒットする。さらにボディにも左右アッパーを打つ中谷。風太は3回にも右まぶたをカット(中谷の有効打による傷)。
 4回,中谷は左ジャブ,ワンツー,左右アッパーを浴びせる。風太の左まぶたからの出血が多くなり,ドクターチェックのために中断。これは続行となったが,風太は再び突っかかり,レスリング行為で中谷を投げ飛ばす。風太の左まぶたの傷が深くなり,2度目のドクターチェック。ここで続行不能とされ,試合がストップされた。

 中谷は11度目の防衛に成功。風太のダーティファイトに手を焼く場面はあったが,順当な勝利だろう。左ジャブ,ワンツーを浴びせ続け,冷静さを失わなかったことが勝因。盛り上がりに欠けた原因は風太のダーティファイトにある。
 風太は相変わらずのリングマナーの悪さが目立った。むやみに突っ込み,抱きついて背後に回ったり,レスリング行為に及ぶなど目に余る。

     主審:近藤謙二,副審:川上淳&北村信行&むろや・まさひろ
     ○中谷:18戦18勝(12KO)          29歳     身長:182cm     リーチ:180cm
     ●風太:34戦25勝(15KO)8敗1分     31歳     身長:165cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                 2018年12月9日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                                8回戦
                  日本S・バンタム級6位   T   K  O   日本バンタム級12位
                ○   大森将平    3回2分48秒    山本隆寛   ●
                            (ウォズ) 121 1/2 lbs                      (井岡) 122 lbs

 右の山本,左の大森。初回,ガードを高くした大森が上体を振りながら,左ストレート,右フックで積極的にプレスをかける。山本もときおり右ストレートを返すが,大森の左ストレートが飛ぶ。
 3回,大森の左ストレートで腰を落とす山本。大森,攻勢。左ストレート,右フックでぐらついてロープに詰まる山本。再び大森が左ストレート,右フック,アッパーを浴びせれば,山本はぐらついてロープ際に後退。ここで新井主審が試合をストップした。

 両者ともに元王者,元世界ランカーという好カード。世界挑戦を経験している元日本バンタム級王者・大森が山本をTKOで一蹴した。サウスポーのボクサーファイターで,リーチを生かした左ストレート,右フック,アッパーを武器としており,ダイナミックな攻撃を身上としている。開始早々から積極的に攻めて主導権を握ったことが勝因。
 山本は元OPBFバンタム級王者で3度の防衛を果たしている。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを得意としている。右ストレートのカウンターを狙っていたのか,あるいは大森のパンチを警戒したのか,手数が少なかった。それが大森に主導権を握られる原因になった。

     主審:新井久雄,副審:北村信行&半田隆基&近藤謙二
     ○大森:22戦20勝(15KO)2敗     25歳     身長:172cm     リーチ:174cm
     ●山本:27戦21勝(17KO)6敗     27歳     身長:171cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                      2018年12月13日(木)    後楽園ホール
                        日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン    T   K  O  挑戦者(同級10位)
               ○   吉野修一郎   3回1分37秒   小林和優   ●
                            (三迫) 134 3/4 lbs                    (RK蒲田) 135 lbs
                                                       こばやし・かずまさ

 初回,じっくり見ながら前に出て左ジャブを出す吉野。小林は左に回りながら左ジャブで様子見。
 2回,小林は左に回りながら,ときおり右フックを打つ。しかし,ロープに詰まったところで吉野の右ストレートがヒット。終盤,吉野の右フックがアゴに決まり,小林がぐらついた。
 3回,GOサインが出たのか,左ジャブ,ワンツーでプレスを強める吉野。右フックのボディブローからの左フックでロープを背に大きくのけぞる小林。無理な体勢からの右ストレートの打ち終わりに,吉野の左フックが炸裂。がら空きのアゴに痛烈なカウンターをもらった小林は,糸が切れた操り人形のようにキャンバスに落下。仰向けに倒れたところで岡庭主審が即座に試合をストップした。

 吉野が圧勝で3度目の防衛。立ち上がりから左ジャブ,ワンツーでプレスをかけた。3回には小林の力量を見切ったかのようにギヤを上げ,最後は見事なワンパンチでダウン経験がないという小林を沈めた。ノーカウントでのストップは妥当な処置である。右ストレートやボディへの右フックもよかった。タイトル獲得と3度の防衛戦をすべてKO・TKOで飾っており,国内で無敵の状態になったといえる。来年は勝負の年になるだろう。
 小林は右ボクサーファイター。左に回りながら左ジャブを出し,ときおり右ストレートを返していた。しかし,スピードがなく,吉野の前進を止めることができなかった。

採点結果 吉野 小林
主審:岡庭 健 *** ***
副審:安部和夫 20 18
副審:福地勇治 20 18
副審:杉山利夫 20 18
参考:MAOMIE 20 18


     ○吉野:9戦9勝(7KO)            27歳     身長:180cm
     ●小林:19戦10勝(6KO)8敗1分     35歳     身長:180cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                      2018年12月13日(木)    後楽園ホール
                               8回戦
                   日本フェザー級4位   T  K  O   日本S・バンタム級7位
                ○   佐川 遼    8回2分40秒    河村真吾   ●
                           (三迫) 125 3/4 lbs                       (堺東ミツキ) 126 lbs

 右の佐川,左の河村。初回,小刻みな動きと牽制の左ジャブからボディへの右ストレート,さらにカウンターの右ストレートを放つ佐川。左フックを引っかけられた河村がバランスを崩す場面が見られた。
 2回,佐川はよく見てワンツーあるいは右ストレートを上下に当てている。河村はサウスポースタイルからの右フックを打つが,得意の左ストレートは流れる。佐川は出てくる河村の出バナに右ストレートをヒットする。
 5回,河村は左ストレートをヒットするが,単調。逆に佐川はよく見て右ストレートを上下に決める。終了間際,佐川の右ストレートがカウンターになる。
 流れは完全に佐川に傾く。6回,佐川はボディに右アッパー,ストレートを打っておいて顔面にワンツーを打ち込む。攻め手を封じられた河村は被弾が多くなり,右ストレートでのけぞる。フェイント,強弱をつけて巧みにワンツーをヒットする佐川。うまさが光る。
 7回,河村は正面に立って右ストレートの被弾が目立つ。右ストレートでのけぞり,終了間際にも右ストレートでぐらつく。
 8回,佐川のテクニックに翻弄される河村。左ストレート,右フックは空を切り,正面に立って右ストレートをもらう。佐川がワンツーで青コーナーに詰め,さらにワンツーをまとめたところで吉田主審が試合をストップした。

 進境著しい佐川がうまさを存分に見せた。相手の動きを冷静に見極め,ウィービング,ダッキング,フェイント,フットワークを駆使して河村を翻弄した。青森北(青森)→東京農大で84戦62勝22敗というアマチュアのキャリアを積んでいる。今年9月に松本亮(大橋)を3回TKOで破り,今夜は河村を一蹴した。足が使える右ボクサータイプで右ストレートに切れがある。ボディに右アッパーを散らしておいて右ストレートを浴びせるなどのテクニックが光った。うまさが光り,自信に溢れている。来年はタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。注目株が増えた。
 河村はサウスポーのボクサーファイターで左ストレート,右フックを得意としている。前に出てときおり左ストレートをヒットしていたが,ほぼ佐川のディフェンステクニックにかわされ,ミスブローが目立った。おまけに正面に立って右ストレートをもらう場面が続いた。

     主審:吉田和敏,副審:飯田徹也&杉山利夫&安部和夫
     ○佐川:7戦6勝(4KO)1敗          24歳
     ●河村:22戦16勝(8KO)5敗1分     28歳     身長:172cm
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:木村拓也

※ 第1・2・5・6・7・8ラウンドのみを放送。

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                    2018年12月22日(土)    大阪府立体育会館第2競技場
                                  8回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)   T  K  O    日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   辰吉寿以輝     3回2分39秒     平島祐樹   ●
                              (大阪帝拳) 121 lbs                       (三松スポーツ) 121 3/4 lbs

 初回,いきなり辰吉の強打が爆発した。小刻みに左ジャブを突いて攻める。中盤,右ストレートで平島がぐらつく。打ち下ろしの右ストレートで追い込み,右ストレート,左フックを打ち込めば,平島は腰から落ちてダウン(カウント8)。左フックでぐらつく平島。カウンターの右ストレートが決まり,平島は前に落ちて2度目のダウン(カウント8)。試合は早くもワンサイドゲームの様相を呈した。
 2回,硬さがほぐれない平島は辰吉の左ジャブ,右ストレート,左フックを被弾する。
 3回,平島は小刻みに動いて応戦するが,辰吉のパンチが面白いほどヒットする。辰吉が左アッパーのボディブローから右ストレートを浴びせたところで田中主審が試合をストップした。

 辰吉が節目の10戦目をTKOで飾った。左ジャブがよく出ており,手数が多いことがよかった。決め手は右ストレートだったが,そこに織り交ぜた左フックが効果的だった。得意の左ボディブローは少なかったが,確実に攻撃の幅が広がっている。今日のように左ジャブを多くすることがリズムを生む。
 平島は右ボクサーファイター。右ストレートを得意としているが,最後まで硬さがほぐれず,辰吉のパンチの標的になった。

     主審:田中しんいち,副審:野田昌宏&宮崎久利&原田武夫
     ○辰吉:10戦10勝(7KO)         22歳     身長:167cm
     ●平島:13戦9勝(3KO)3敗1分     35歳
     放送:G+     解説:六車卓也     実況:本野大輔

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                   2018年12月22日(土)    大阪府立体育会館第2競技場
                                10回戦
                   日本フェザー級6位   K      O   WBA世界S・バンタム級7位
                ○   大沢宏晋    9回2分33秒    ベルマー・プレシアド   ●
                         (ロマンサジャパン) 125 3/4 lbs                      (コロンビア) 125 1/4 lbs
                         おおさわ・ひろしげ

 序盤はプレシアドがリードした。前後左右に足を使い,左ジャブから大きな左右フックで激しく攻めるプレシアド。2回終盤には大沢も右ストレートを返すが,鼻から出血している。
 4回,大沢は足を止めて打ち合いに応じ,左右フックを強振。しかし,プレシアドの右ストレートが危ないタイミングで返ってくる。
 強引な攻めに苦しんだ大沢だが,中盤から左右フックでプレシアドの動きに鈍りが見え始めた。6回,大沢は接近して左右フックでボディを叩く。左フックをボディに受けたプレシアドは後退し,クリンチに出る。ボディブローが徐々に効き始める。
 7回,大沢の左ジャブがよく出る。左ジャブで追い込み,ロープに詰めて左右フックのボディブローを叩き込む大沢。ボディが効いたプレシアドは足が止まり,クリンチが多い。大沢のワンツーがクリーンヒット。
 8回終盤,ニュートラルコーナーに下がった大沢が放った左フックがカウンターになり,プレシアドの腰が落ちる。左右フックの追撃を受け,腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったプレシアドは抱きついてピンチを逃れる。
 9回,左右フックで攻勢に出る大沢。ボディを打たれたプレシアドは完全に動きが鈍る。辛うじて足を動かすが,それも長く続かず,クリンチ。ニュートラルコーナーで大沢のワンツーがアゴにヒットし,プレシアドは両膝からキャンバスに崩れる。ここでタオルが投入された。

 今年4月に元世界王者・久保隼(真正)に敗れた大沢が再起戦を飾った。序盤はプレシアドの強引な左右フックに手を焼いたが,中盤からボディ攻撃で徐々に弱らせた。一階級下とはいえ現役世界ランカーをKOで破ったことにより,再浮上に望みをつなぐ形になった。その反面,肝心なところで相手を見てしまい,手を止めてしまう場面が目立った。
 プレシアドは右ボクサーファイター。左ジャブから広いスタンスで思い切った左右フックを強振する。フットワークもあり,序盤は大沢を苦しめた。しかし,中盤以降はボディが効いて動きが鈍り,クリンチに逃れる場面が多くなった。

     主審:半田隆基,副審:野田昌宏&田中しんいち&北村信行
     ○大沢:43戦34勝(20KO)5敗4分         33歳     身長:168cm     リーチ:178cm
     ●プレシアド:21戦18勝(11KO)2敗1分     30歳
     放送:G+     解説:六車卓也     実況:尾山憲一

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                 2018年12月23日(日)    後楽園ホール
                 第65回全日本新人王決勝戦(フライ級)
                           5回戦
                  西軍代表   T   K  O    東軍代表
             ○   湊 義生   3回1分44秒   荒川竜平   ●
                       (JM加古川) 112 lbs                (中野サイトウ) 112 lbs
                  みなと・よしき               あらかわ・りょうへい
             湊は技能賞を受賞


 左の荒川,右の湊。開始早々に早くも波乱が起きた。両者ともにキビキビとした動きを見せるが,出バナに引っかけられた右フックで湊は思わず右グラブをついてダウンを取られた(カウント8)。ダメージはないが,さらに荒川の左フックが決まる。しかし,終盤には湊の右ストレートもヒット。
 ダウンを喫した湊だが,2回に入ると右ストレートのタイミングが合ってきた。ボディに再三右ストレートを打つ湊。終盤,荒川の左ストレートがヒットするが,すぐに返した湊の右ストレートでぐらついて荒川の動きが止まる。続く右ストレートでのけぞらせ,ロープに詰めて右ストレート,左フックで攻勢に出る湊。
 3回,湊は右ストレートでボディを狙う。逆に荒川は硬さが見える。湊が打ち込んだ右ストレートがタイミングよく決まる。このパンチをもらった荒川はニュートラルコーナーまで飛んで腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったところに左右フックで一気に畳みかける湊。右ストレートがまともにアゴを捉え,崩れ落ちた荒川は大の字に沈む。姫野主審は即座に試合をストップした。荒川はしばらく立ち上がれないほどのダメージを負っていた。

 湊が見事な逆転TKOで全日本新人王のタイトルを手にした。初回にダウンを喫したが,右ストレートを上下に打ち分けて追い込んだ。特にボディに多用していた右ストレートは荒川の出足を封じる効果があった。最初のダウンを奪ったのは体をわずかに沈めてフェイントをかけて打ち込んだ見事な右ストレート。フィニッシュに持ち込んだ怒涛のような連打は圧巻。しなやかな動きと鋭い右ストレートを武器とする右ボクサーファイター。楽しみなタレントが現れたものだ。
 荒川はサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,右フックを武器としており,小柄だがバランスの良さがある。左ストレートをヒットする場面もあったが,湊の右ストレートでボディを狙われ,前に出にくくなった。それだけサウスポー殺しの右ストレートが効果的だったといえる。

     主審:姫野俊道,副審:むろや・まさひろ&ビニー・マーチン&中村勝彦
     ○湊:9戦8勝(3KO)1敗          20歳     身長:167cm
     ●荒川:10戦6勝(3KO)3敗1分     29歳     身長:163cm
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:伊藤大海

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                2018年12月23日(日)    後楽園ホール
               第65回全日本新人王決勝戦(フェザー級)

                         5回戦
                  西軍代表           東軍代表
            ○   竹本雄利   判 定   峯田 光   ●
                        (クラトキ) 126 lbs             (帝拳) 126 lbs
                     たけもと・ゆうり            みねた・ひかり
             竹本はMVPを受賞

 右の峯田,左の竹本。東西新人王トーナメントのMVP同士の対戦はともにキビキビとした動きで立ち上がった。小刻みな動きから鋭い右ストレートを振って積極的に攻める峯田。峯田の右ストレートがヒットする。しかし,勢い込んで攻めた峯田は右フックを返され,腰からキャンバスに落下(カウント8)。さらに右ジャブからの鮮やかな左ストレートを打ち込まれ,峯田は腰から落ちて2度目のダウン(カウント8)。一気に試合を終わらせようとラッシュする竹本。左右フックの連打に晒された峯田は,ロープ際で思わず右膝をつく。この直後にゴングが鳴ったが,ダウンは明らかにゴングの前である。ところが一度カウントを取り始めた蜂須賀主審は途中でカウントをやめてしまった。この曖昧なレフェリングで場内が少し混乱した。
 予期せぬ劣勢に陥った峯田だが,2回に入ると東のMVPの実力を見せて反撃に転じた。竹本の左右フックで後手に回るが,右ストレートを浴びせた。
 3回,竹本が矢継ぎ早の左ストレート,左右フックで押す。しかし,峯田のパンチも生きている。峯田の右ストレートがヒット。さらに左フックでのけぞる竹本。ともにMVP同士の緊迫した展開が続くが,竹本の左目下が腫れている。4回,峯田の右アッパーがヒット。竹本は気の強さを前面に出し,左ストレート,右フックを打って前に出るが,峯田の右ストレートがヒット。
 5回,竹本は強振一辺倒ではなく,この回は右ジャブを突いて攻める。峯田は右ストレートに逆転を賭けるが,左目下を腫らした竹本も左ストレート,右フックで応戦。

 今大会で最も注目された好カード。期待を裏切らない白熱戦になったが,初回の3度のダウンがモノを言った。竹本はサウスポーのボクサーファイターだが,ファイタータイプに近い。左ストレートと返しの右フックにパンチ力があるが,何よりもまとめて打つ力がある。峯田の右ストレートを浴びて左目下を腫らしたが,持ち前の気の強さで必ず反撃していた。
 峯田は右ボクサーファイターで右ストレートに切れがあり,これを決め手としている。こちらも返しの左フックがよく,これが攻撃力を増す要因になっている。初回に3度のダウンを喫しながら,2回から気の強さを前面に出してポイントを挽回した。敗れたが,見事な戦いぶりだった。その反面,攻撃がやや単調になるのが欠点。横の動きが加わるとさらにレベルアップするはず。

採点結果 竹本 峯田
主審:蜂須賀ジョン *** ***
副審:むろや・まさひろ 49 44
副審:杉山利夫 47 46
副審:寺山しゅうへい 47 46
参考:MAOMIE 47 46


     ○竹本:7戦5勝(3KO)1敗1分     22歳     身長:171cm
     ●峯田:6戦5勝(3KO)1敗        22歳     身長:172cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重 聡

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                  2018年12月23日(日)    後楽園ホール
               第65回全日本新人王決勝戦(スーパーライト級)
                           4回戦
                  東軍代表    T   K  O    西軍代表
            ○   遠藤健太   2回0分40秒   岡田翔馬   ●
                        (帝拳) 140 lbs                  (姫路木下) 139 3/4 lbs
                    おかだ・しょうま
             遠藤は敢闘賞を受賞

 左の遠藤,右の岡田。開始早々から岡田が積極的に前に出る。しかし,遠藤の左ストレートで早くも動きが止まる。岡田は構わず前に出るが,遠藤が左ストレート,右フック,ボディへの左アッパーから右フックを返す。終了間際,岡田が遠藤をニュートラルコーナーに詰めるが,逆にカウンターの左ストレートでのけぞる。
 2回,岡田は気を取り直して再び積極的に攻める。勢いよく遠藤を青コーナーに詰めていくが,ここで左ストレートをアゴにカウンターされ,腰から落ちてダウン。立ち上がろうとしたが,もはや戦える状態ではなく,マーチン主審はカウントの途中で試合をストップした。

 遠藤が見事なワンパンチで全日本新人王に輝いた。サウスポーのファイタータイプで左ストレートにパンチ力がある。攻め込んでくる岡田の動きを冷静に見極め,左ストレート,右フックをうまく当てていた。カウンターのタイミングに優れたものがある。
 岡田は右ファイタータイプで右ストレート,左フックを得意としている。上背の不利を積極的な攻撃でカバーしようと前に出たが,正直過ぎて遠藤のカウンターを返された。もう少し上体を振って揺さぶるなどの変化が欲しかった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:むろや・まさひろ&杉山利夫&中村勝彦
     ○遠藤:4戦3勝(2KO)1分     34歳     身長:175cm
     ●岡田:5戦4勝(2KO)1敗     22歳     身長:171cm
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:平松修造

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