熱戦譜〜2018年9月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2018.09.01  日本バンタム級
 王座決定戦10回戦
 齋藤裕太  TKO2R  菊地永太
2018.09.01 8回戦  チャールズ・ベラミー  判定  清水優人
2018.09.01 8回戦  阿部麗也  TKO6R  野口将志
2018.09.01 8回戦  近藤明広  TKO5R  宮崎辰也
2018.09.01 8回戦  高橋竜平  判定  草野慎悟
2018.09.01 8回戦  梶 颯  TKO2R  サハパープ・ブンオップ
2018.09.08 10回戦  井岡一翔  判定  マックウィリアム・アローヨ
2018.09.11  WBC世界バンタム級
 指名挑戦者決定戦12回戦
 井上拓真  判定  マーク・ジョン・ヤップ
2018.09.24  WBO世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田中恒成  判定  木村 翔
10 2018.09.25  東洋太平洋&WBOアジアパシフィック ヘビー級
 タイトルマッチ12回戦
 藤本京太郎  TKO6R終了  スタット・カラレット
11 2018.09.25 10回戦  京口紘人  TKO4R  チボ・モナベザ
12 2018.09.25 6回戦  重岡銀次朗  TKO3R  サンチャイ・ヨッブン
13 2018.09.29 12回戦  ホルヘ・リナレス  KO3R  アブネル・コット

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2018年8月に戻る     2018年10月に進む →


                       2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                       日本バンタム級王座決定戦10回戦
                  日本バンタム級2位   T   K   O   日本バンタム級3位
                ○   齋藤裕太    2回2分33秒    菊地永太   ●
                              (花形) 118 lbs                        (真正) 118 lbs

 開始早々から齋藤が好調。左ジャブから右ストレート,左フック,さらにボディへの左アッパーからアゴへの左フックにつなげる。押し込まれた形の菊地は手が出にくい。齋藤の手数が上回り,早くも主導権を握った。
 2回にも齋藤の攻勢が続く。左フックでバランスを崩した菊地は身長,リーチのアドバンテージを生かせず,踏み込まれている。齋藤の右ストレート,左フックがヒットする。ロープに菊地を押し込み,左右フック,右アッパーで攻勢。ロープを背負った菊地は抵抗を試みるが,右ストレートからの左アッパーでぐらついたところで福地主審が試合をストップした。

 果敢な先制攻撃が実り,齋藤が悲願のタイトル獲得を果たした。身長で10cm劣っているが,踏み込みと連打の回転力で全く不利を感じさせない圧勝となった。左ジャブ,右ストレート,左フックから右アッパーなど,持っているコンビネーションブローをフルに出し切った会心の勝利である。ベルトへの執念と気迫が漲っており,その面でも素晴らしい試合内容だった。
 菊地は長身の右ボクサーファイター。目論見はリーチを生かした左ジャブ,右ストレートで齋藤を突き放して戦うことだったろうが,手数でも威力でも劣っていた。そのため,簡単に斎藤に入らせてしまったことが敗因。踏み込ませてしまえば,回転力に優れる齋藤に対しては分が悪い。

     主審:福地勇治,副審:安部和夫&葛城明彦&杉山利夫
     ○齋藤:23戦11勝(8KO)9敗3分     30歳     身長:167cm
     ●菊地:31戦21勝(8KO)6敗4分     32歳     身長:177cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:平松修造

このページのトップに戻る


                        2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                     日本ウェルター級7位         日本S・ウェルター級8位
                ○   チャールズ・ベラミー   判 定   清水優人   ●
                                 (横浜光) 151 lbs             (木更津グリーンベイ) 150 1/2 lbs

 スロースターター返上をテーマにしてリングに上がったというベラミーが左ジャブを突きながら,初回から積極的に前に出た。1分過ぎ,右クロスが決まり,清水が思わずよろける場面があった。上背で勝る清水は左ジャブを伸ばしながら左に回り,終了間際にはワンツーを伸ばした。
 2回以降は清水のアウトボクシングが冴えた。ベラミーは前に出て右ストレートをヒットするが,清水は左アッパー,右ストレートをボディに。さらにベラミーの出バナに右ストレート,アッパーを浴びせる。
 3回にも清水が左に回りながら左ジャブ,ワンツー,右アッパー。さらにロープに詰めて左右フックのボディ連打で迫る。ここはベラミーが右クロスを浴びせて押し返したが,再び清水が足を使い,ワンツー,右アッパーを浴びせた。4回,自分のリズムで思惑通りに戦えているのは清水。左に回りながら,ベラミーの出バナを叩き,ボディにも右ストレートを散らす。ベラミーは前に出ているが,攻め倦み,思うように手数が出ない。
 しかし,5回終盤,ベラミーが左フックを効かせ,左右フックで清水に迫る。6回に入ると,攻め倦んでいたベラミーの動きが急に良くなった。フェイントをかけ,右ストレートをボディに打つベラミー。清水はワンツーで応戦するが,ベラミーの左フックでのけぞる。
 7回,一進一退の攻防が続く。ベラミーは唇をカットして出血(清水の有効打による傷)。しかし,終盤にはオーバーハンドの右フックが決まる。さらに左フックを浴びせるベラミー。
 8回,ベラミーが唸り声を発しながら攻める。終盤には右フックからボディに左右フックを連打した。

 ランカー同士の好カード。終盤の攻勢でベラミーが上回り,僅差ながら清水を制した。清水のアウトボクシングに手を焼き,2回以降はポイントを失ったが,中盤からの追い上げが勝利につながった。フェイントをかけながら,見た目以上に伸びる左ジャブ,右クロス,左フックで攻め上げた。連打が出ない欠点はあるが,やはりパンチ力は魅力である。
 清水は183cmという長身の右ボクサーファイター。フットワークを使って左に回り,出バナに左ジャブ,右ストレート,アッパーを浴びせて前半をリードした。作戦通りに打ち合いを避けてポイントをゲットした。惜しまれるのは5回以降にベラミーの反撃を許したこと。勝てる試合を落としたという印象が強い。

採点結果 ベラミー 清水
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:飯田徹也 77 76
副審:杉山利夫 76 77
副審:安部和夫 77 76
参考:MAOMIE 77 75


     ○ベラミー:33戦28勝(18KO)3敗2分     37歳     身長:170cm     リーチ:183cm
     ●清水:18戦12勝(5KO)4敗2分        30歳     身長:183cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司

このページのトップに戻る


                       2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                 IBF世界フェザー級5位    T   K   O   日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   阿部麗也     6回2分25秒     野口将志   ●
                           (KG大和) 128 3/4 lbs                       (一力) 128 3/4 lbs
                     日本フェザー級1位                        のぐち・まさし

 左の阿部,右の野口。阿部は右ジャブを伸ばし,軽いステップから左ストレートを伸ばす。野口は慎重に構え,ときおり右ストレートをボディに。
 右ジャブでタイミングを計りながら,フェイントをかけて攻める阿部。やはり実力は数段上だ。4回,阿部が左ストレート,右フック,アッパーでプレスを増す。野口が出ようとするところに,阿部の左フックがカウンターになった。野口は阿部の左を警戒し,思うように攻められない。
 5回,ついに阿部が野口を捉えた。左ショートストレートでぐらついたところに攻勢を仕掛ける阿部。右フックを受けた野口は前に落ちてダウン(カウント8)。再開直後,バッティングが発生。野口の頭が阿部のアゴに当たり,阿部が倒れる場面があり,一時中断。阿部は左眉(眉間の付近)をカット(バッティングによる傷)。しかし,阿部の優位は揺るがない。終盤には左ストレートでぐらついた野口をロープから赤コーナーに詰めて攻勢。
 6回,完全に主導権を掌握した阿部が余裕を持って攻める。左ストレートでぐらつかせ,ロープに詰めてワンツーを浴びせれば,野口は腰から落ちてダウン(カウント8)。さらにロープを背負った野口が左ストレートでのけぞったところで葛城主審が試合をストップした。

 着実に力をつけて急上昇中の阿部がスピードの差で野口を圧倒した。日本のトップコンテンダーまで上り詰め,王者・源大輝(ワタナベ)への挑戦が楽しみになった。サウスポーのボクサーファイターで,シャープな左ストレートが最大の武器。軽いステップからフェイントをかけながらタイミングのいい左ストレートを当てる。左ストレートに頼って一本調子にならないようにすることが大事。
 野口は右ボクサーファイターで右ストレート,フックを得意としている。粘り強く戦ったが,阿部の左ストレートを警戒して手が出ず,後手に回って追い込まれた。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&福地勇治&安部和夫
     ○阿部:20戦18勝(9KO)2敗         25歳     身長:172cm
     ●野口:24戦12勝(6KO)11敗1分     28歳     身長:173cm
     放送:G+     解説:なし     実況:寺島淳司

このページのトップに戻る


                         2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  IBF世界S・ライト級4位   T   K   O    日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   近藤明広     5回0分55秒     宮崎辰也   ●
                              (一力) 140 lbs                            (マナベ) 140 lbs

 初回,いきなり左フックを振って攻める宮崎。近藤は落ち着いて右アッパーから左ジャブを出す。宮崎の左ボディブローに右ストレートを合わせる近藤。
 2回,近藤は右フックでぐらつかせ,右ストレートを浴びせて宮崎を追い込む。丹念に左ジャブを突いて攻めれば,宮崎は鼻から出血するが,ボディへの左右フックで応戦。終盤,ガードが下がったところに近藤の右フックが決まり,宮崎は右膝をついてダウン(カウント8)。近藤は攻勢に出る。
 3回,試合はワンサイドゲームの様相。鼻血を気にする宮崎。1分過ぎ,リング中央で相打ちの右ストレートがカウンターになり,宮崎は右膝から落ちて再びダウン(カウント8)。余裕を持って攻める近藤に対し,鼻血が増した宮崎は動きが鈍い。
 4回,近藤は右アッパーから攻勢に出る。宮崎は耐えるが,正面に立って被弾する。近藤はさらに余裕を持ち,右ストレート,左フックをヒットし,宮崎を追い込んだ。
 5回,宮崎は劣勢にめげず前に出るが,スピードがない。近藤はフットワークを使いながら左右フックを浴びせる。青コーナー付近で右ストレートが決まり,右膝をついた宮崎はこの試合3度目のダウン。ここで杉山主審が試合をストップした。

 近藤が世界ランカーの貫録を見せ,ノーランカーの宮崎を一蹴した。フットワークに乗せて左ジャブを有効に使いながら右ストレート,左右フックを浴びせた。ベテランらしい冷静かつ丹念な攻撃の組み立てが光る。
 宮崎は右ファイタータイプ。負け数が多いが,9勝はすべてKOによるものというハードパンチャー。左右フックに威力があり,積極的に打ち合いを挑む。しかし,ベタ足に近く,スピードがないことが欠点である。正面に立ってしまい,近藤の多彩なパンチの標的になった。

     主審:杉山利夫,副審:飯田徹也&ビニー・マーチン&福地勇治
     ○近藤:39戦31勝(18KO)7敗1分     33歳     身長:173cm
     ●宮崎:22戦9勝(9KO)12敗1分      34歳
     放送:G+     解説:なし     実況:伊藤大海

このページのトップに戻る


                      2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本S・バンタム級12位         日本フェザー級(ノーランク)
                ○   高橋竜平     判 定     草野慎悟   ●
                              (横浜光) 126 lbs                   (三迫) 126 lbs
                        たかはし・りょうへい

 右の高橋,左の草野。初回,高橋が右ストレートを上下に放って積極的に攻める。草野は左ストレートを返すが,後手に回る。
 2回にも高橋が変則的に迫り,右ストレートのボディブローから右フックをヒットする。くっつかれた草野はやりにくそう。高橋はさらに右ストレートをヒット。
 3回は草野が右フックをヒットしてペースを掴みかけたが,4回に入ると再び高橋が押し気味に進める。ときおり左にスイッチしながらガチャガチャと攻める高橋を持て余す草野。高橋はバッティング(ヘディング)で減点されたが,主導権は握っている。
 6回,高橋は右ストレートからボディへの左右フック。正確さに欠けるが,手数で攻勢をとる。高橋の左フックが決まり,効いている草野。草野も左ストレート,右アッパーで応戦するが,高橋の攻勢を止められない。
 7回,リング中央での打ち合い。草野は苦しいが,足を踏ん張り,渾身の左右フック。
 8回,ともに疲労がピークに達しているが,左右フックのボディブローで押し込んだ高橋がリード。ともに死力を振り絞った戦いを見せるが,決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 混戦模様だったが,攻勢で上回った高橋が激戦を制した。2014年全日本バンタム級新人王で,右ファイタータイプ。ときおり左にスイッチしながらどんどん攻め込む。スタイルは変則的で,相手にとってはやりにくい。右ストレート,フックを得意としている。
 草野は2013年東日本フェザー級新人王で,昨年8月末で閉鎖されたヨネクラジムからの移籍組である。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレート,右フックを得意としている。自分の間合いを保って左ストレートを見舞いたいところだったが,高橋に押し込まれてしまったことが敗因。

採点結果 高橋 草野
主審:安部和夫 *** ***
副審:葛城明彦 77 75
副審:ビニー・マーチン 77 76
副審:福地勇治 77 74
参考:MAOMIE 77 74


     ○高橋:20戦16勝(6KO)3敗1分     28歳     身長:164cm
     ●草野:19戦11勝(4KO)7敗1分     29歳     身長:170cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

※ 第4ラウンド,バッティング(ヘディング)により高橋は減点1。

このページのトップに戻る


                     2018年9月1日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                日本S・フライ級10位   T  K  O    タイ国S・フライ級(ノーランク)
                ○   梶 颯    2回2分10秒    サハパープ・ブンオップ   ●
                         (帝拳) 114 3/4 lbs                          (タイ) 114 lbs

 開始早々から梶がスピーディな攻撃を展開した。左ジャブから右ストレート,左右フックでサハパープをリング中央からロープに追う。終盤,右ストレートに次ぐ左フックでのけぞったサハパープをニュートラルコーナーに詰めて攻勢に出る梶。
 2回,サハパープは下がりながらときおり右ストレートを伸ばすが,梶は構わずプレスをかけ続けた。左フックでぐらつかせ,すかさず左右フックから右フックをフォローすれば,サハパープはニュートラルコーナーに崩れ落ちる(カウント9)。立ち上がったサハパープをロープに釘付けにして左右フックで圧倒する梶。ニュートラルコーナーで右フックが決まり,ぐらついたサハパープを飯田主審が救って試合が終わった。

 帝拳のホープ梶が速攻で試合を決めた。左ジャブの数が少なかったが,相手に休む間を与えない攻撃は見事。上位への進出に期待がかかる逸材である。ただし,上体の動きが少なく,立っていることが気になる点。うまくかわされるとパンチを返される危険がある。もう少し上体や頭を振りながら前に出た方がいいだろう。
 サハパープはムエタイで100戦以上というキャリアを持つ。右ボクサーファイターで右ストレートを得意としているが,動きはぎこちない。開始早々から梶の矢継ぎ早の連打に押しまくられ,防戦が精いっぱいだった。

     主審:飯田徹也,副審:杉山利夫&ビニー・マーチン&葛城明彦
     ○梶:11戦11勝(9KO)           21歳     身長:164cm
     ●サハパープ:5戦3勝(2KO)2敗     22歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:なし     実況:辻岡義堂

このページのトップに戻る


           2018年9月8日(土)    米国カリフォルニア州イングルウッド : フォーラム
                              10回戦
                 WBA世界S・フライ級2位         WBC&WBO世界S・フライ級3位
                ○   井岡一翔    判 定    マックウィリアムス・アローヨ   ●
                           (SANKYO) 114 1/2 lbs                 (プエルトリコ) 114 1/2 lbs

 開始早々から気合い十分の井岡が積極的な攻撃を展開した。ガードを固めながら,左ジャブ,左右アッパーのボディブローで迫る。アローヨはじりじりと出るが,井岡の手数が上回った。
 3回,この試合唯一のダウンシーンが見られた。井岡が左ジャブ,ボディへの左右アッパー,右ストレートでアローヨを圧倒する。終了間際,井岡の鋭いワンツーがアゴに決まり,アローヨは左ブラブをついてダウンを取られた(カウント8)。
 4・5回はアローヨが実力の片鱗を見せ,左ジャブ,アッパーで反撃。5回終了間際にはアローヨの左から右のフックがヒットした。
 6回,再び井岡が主導権を握る。鋭い左ジャブでアローヨの前進を阻み,左右アッパーで迫る。
 8回はアローヨ。終了間際,右ストレート,左フックがヒットした。
 9回,井岡が左ジャブ,左右ショートフックでリード。2分過ぎ,左フックのカウンターでアローヨがぐらつき,ここから井岡が攻勢に出る。
 10回,井岡は左右アッパーをボディに連打。接近戦に応じたアローヨもボディブローで応酬するが,井岡は左ジャブ,左右アッパー,ワンツーなど手数で上回った。

 昨年12月に突如引退を発表した井岡が1年4ヶ月ぶりのリング復帰を果たした。退路を断ち,単身米国に乗り込んだ気迫が感じられる試合内容だった。世界上位に相応しい実力者のアローヨを相手に選んだことは決意の表れだろう。テレビ局の意向かジムの意向か不明だが,今までは危険を冒さない安全優先のマッチメイクが実力の割に不人気の原因になっていたが,相応の相手を選んでグラブを交えれば人気が出るはず。姿勢を低くし,鋭い左ジャブからボディに左右アッパーあるいはワンツー,左フックなど多彩なコンビネーションブローにより,手数で上回った。体の切れもスピードも十分で,健在を証明した。今後の動向が注目される。
 アローヨは右ボクサーファイター。ガードが固いテクニシャンである。左ジャブ,右ストレート,左右アッパーなど,こちらも多彩なパンチを持っている。ときおり右ストレート,左アッパーでいいところを見せたが,井岡の気迫が一枚上だった。

採点結果 井岡 アローヨ
主審:トーマス・テイラー(米国) *** ***
副審:カーラ・カイズ(米国) 99 90
副審:エスター・ロペス(米国) 97 92
副審:パット・ラッセル(米国) 97 92
参考:MAOMIE 97 92


     ○井岡:24戦23勝(13KO)1敗       29歳     身長:165cm     リーチ:169cm
     ●アローヨ:21戦17勝(14KO)4敗     32歳     身長:163cm     リーチ:163cm

     放送:TBS
     解説:内藤大助
     実況:伊藤隆佑

このページのトップに戻る


                      2018年9月11日(火)    後楽園ホール
                   WBC世界バンタム級指名挑戦者決定戦12回戦
                WBC世界バンタム級10位          WBC世界バンタム級3位
                ○   井上拓真    判 定    マーク・ジョン・ヤップ   ●
                               (大橋) 118 lbs                    (六島) 118 lbs
             WBA世界S・フライ級11位,WBO世界バンタム級8位      東洋太平洋バンタム級チャンピオン

 左ジャブでの主導権争いから始まった。4回,井上はクリーンヒットこそないが,左ジャブを打ちながらプレスはかけている。ヤップも左右に動いて決定打は許さない。
 5回,ヤップの右ストレートからの左フックがカウンターで決まる。中盤,両者の体が交錯し,バランスを崩したヤップはロープ際で腰から落ちる。井上の左フックはヒットしておらず,スリップダウンのはずだが,マクタビッシュ主審はカウント8を数えた。
 6回,ヤップのワンツーがヒット。しかし,リング中央で井上の右アッパーが軽く当たり,ヤップは大きくバランスを崩してロープに詰まる。
 ここまでポイントの上では井上がワンサイドゲームを展開した。しかし,中盤以降はヤップが挽回した。8回終盤にはヤップの右ストレートがカウンターになった。9回中盤,ヤップの左フックで井上がのけぞる。ヤップはここから右ストレートを振って積極的に攻める。
 10回,ヤップは果敢に右ストレート,左フック,アッパーを振って攻める。井上はやや後手に回る。
 11回,ヤップはどんどん前に出てダイナミックな攻撃を展開。しかし,井上はよく見て回り込み,左フックをヒット。さらにロープを背にしながら左フックをヒットする。
 12回,攻め込むヤップに対し,井上はこれを迎え撃つように左右フックを浴びせた。

 激しい応酬が続いたが,井上が5回に奪った幸運なダウンと終盤の追い込みで勝利を手にした。中盤までは正面からの攻撃が目立ったが,終盤の勝負どころで巧みにポジションを変えて左フックを打つなどのうまさを見せた。
 ヤップは右ボクサーファイター。スピードがある右ストレート,左フックを得意としている。前半は左ジャブを打って左に回りながら距離を置いていたが,中盤以降は自ら前に出て攻撃を仕掛ける場面が多くなった。いずれにしてもスピードがあり,レベルの高さを見せた。

採点結果 井上 ヤップ
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:キャシー・レナード(米国) 114 113
副審:古田厳一 117 110
副審:レイ・ダンセコ(比国) 116 111
参考:MAOMIE 115 112


     ○井上:12戦12勝(3KO)          22歳     身長:163cm
     ●ヤップ:42戦29勝(14KO)13敗     29歳     身長:168cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

このページのトップに戻る


              2018年9月24日(月)    武田テバオーシャンアリーナ(名古屋)
                     WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)            チャンピオン
                ○   田中恒成    判 定    木村 翔   ●
                               (畑中) 112 lbs              (青木) 111 3/4 lbs

 初回から激しい鍔迫り合いが展開された。田中は左ジャブ,右ストレート,左右ショートフックを放ち,積極的に手数でリード。木村も負けじと右フックのボディブローから左アッパーで応戦。
 2回終盤,田中の左フックのカウンターがアゴに決まり,木村がガクンと膝を落とす。木村をロープに詰め,ワンツー,左アッパーのボディブローで攻勢に出る田中。
 3・4回も田中が好調。左右に動いて巧みにポジションを変え,スピーディなパンチでリード。木村も左ボディで応戦するが,先手を取られて分が悪い。
 ここまでは田中が優位に立っていたが,5回に入ると木村の調子が上がってきた。木村が手数を増し,頭をつけての打ち合いの中,木村が右ストレート,ボディへの左アッパー,フックで押していく。田中も応戦するが,この回は木村。
 6回,木村は接近して左右アッパー,右ストレート。ようやく木村が本領を発揮し,左右フックでボディを叩いて執拗な攻撃を始めた。
 7回,火を噴くような打撃戦が続く。木村は右アッパーからボディに左アッパー。田中はしっかり左ジャブ,ワンツー,左アッパー,フックで先手を取り,手数でリードする。8回,田中は足を使って左右に動きながら先手で攻める。木村は右目の周囲が腫れて塞がりかけるが,愚直に攻める。
 9回,田中は巧みにギヤチェンジし,左ジャブ,右ストレートを浴びせて間合いを取ったかと思うと,一転して右ストレート,左フックで前に出る。
 11回,あらん限りの力を振り絞ってパンチを出す両者。田中が体ごと押し気味に展開。
 12回,木村はボディへの左右フックから顔面に左フックを浴びせる。田中に疲れが見える。木村も目いっぱいだが,最後の力を振り絞ってパンチを出した。

 まれにみる激闘の末,田中が2−0の判定勝ちで3階級制覇を達成した。気迫が漲り,動きながらも引くことなくスピーディなパンチを浴びせた。愚直に前に出る木村に対し,左右に動いて打ったかと思うと,接近戦で渡り合うなど,巧みな戦術が光った。
 木村は3度目の防衛に失敗。執拗なボディブローや右ストレート,左フックで田中を苦しめたが,スピードの点で一歩及ばなかった。いずれにしても王者の意地を十分過ぎるほど見せており,見事な戦いぶりだった。最近のボクサーとしては稀有な雑草のような逞しさを持っており,このまま引退してしまうのは惜しい。捲土重来を期して欲しい。

採点結果 田中 木村
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:ゾルタン・エンエディ(ハンガリー) 116 112
副審:ダンレックス・タップダソン(比国) 115 113
副審:ドン・トレラ(米国) 114 114
参考:MAOMIE 116 112


     ○田中:12戦12勝(7KO)           23歳     身長:164cm     リーチ:161cm
     ●木村:21戦17勝(10KO)2敗2分     29歳     身長:165cm     リーチ:169cm

     放送:CBC中部日本放送(TBS)
     解説:飯田覚士
     実況:高田寛之

このページのトップに戻る


                       2018年9月25日(火)    後楽園ホール
                東洋太平洋&WBOアジアパシフィック ヘビー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T K O   挑戦者(OPBF10位)
               ○   藤本京太郎   6回終了   スタット・カラレット   ●
                          (角海老宝石) 233 1/2 lbs             (タイ) 203 3/4 lbs
               WBA15位,WBO7位,日本チャンピオン        WBOアジアパシフィック9位

 開始早々から藤本が左ジャブを突いてプレスをかける。スタットはベタ足でじわじわと下がる。藤本の左フックでスタットがぐらつく。
 2回,藤本は左ジャブから右ストレート,左フックでスタットをロープに詰める。スタットも左フックをひとつヒット。5回,スタットをロープに詰め,ワンツーから左アッパーをボディに見舞う藤本。スタットもときおり伸び上がるようにして左フックを打つ。
 6回2分過ぎ,スタットの右に合わせた藤本の右ショートストレートが鮮やかなカウンターになり,スタットはたまらず仰向けにダウン(カウント9)。これで終わりと思えるほどの痛烈なダウンだったが,スタットはガバッと起き上がって大きな拍手を浴びる。詰めに入るべく攻勢に出る藤本。手負いのスタットは大きい左右フックで最後の抵抗を試みる。結局,6回終了後のインターバル中にスタット陣営が棄権を申し入れた。

 藤本はOPBF王座の4度目の防衛,WBOアジアパシフィック王座の3度目の防衛に成功。終始,積極的にプレスをかけた。スタットの大きいパンチにも冷静に対応し,落ち着いた試合運びが目立った。6回にダウンを奪ったパンチは相手の右に小さく合わせた右ストレートで,抜群のタイミング。ショートで倒した価値は大きい。
 スタットは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはない。大柄な藤本に対して上背で13cm劣っている。伸び上がるような左右フックで対抗したが,力の差は明白だった。

5回までの採点 藤本 スタット
主審:福地勇治 *** ***
副審:スラット・ソイクラチャン(タイ) 60 53
副審:杉山利夫 60 53
副審:飯田徹也 60 53
参考:MAOMIE (50) (44)


     ○藤本:21戦20勝(12KO)1敗        32歳     身長:183cm     リーチ:186cm
     ●スタット:22戦12勝(11KO)10敗     23歳     身長:170cm

     放送:TBS
     解説:内山高志
     実況:赤荻 歩

※ 第1・2・4・5・6ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

このページのトップに戻る


                      2018年9月25日(火)    後楽園ホール
                               10回戦
                 WBC世界L・フライ級2位  T   K   O   WBA世界L・フライ級6位
                ○   京口紘人    4回2分20秒    チボ・モナベザ   ●
                              (ワタナベ) 108 lbs                     (インドネシア) 107 1/2 lbs
                     WBA2位,IBF5位

 右の京口,左のモナベザ。京口はジリジリと前に出て左アッパーのボディブロー,さらにアゴへの左アッパーから右ストレートを浴びせてプレスをかける。
 2回,モナベザをロープに詰めた京口は右から左のアッパーをボディに打ち込む。モナベザの左フックもヒットするが,京口はアゴへの左アッパーから右ストレートという得意のパターンで押していく。
 3回2分過ぎ,京口が右から返した左フックがアゴに決まり,モナベザは思わず左膝をついてダウン(カウント8)。モナベザの左アッパーに合わせた見事なカウンターだった。
 4回,京口は左アッパー,右ストレートでプレスをかける。モナベザは右フック,左ストレートあるいは左アッパーで応戦。中盤,同じように左アッパーに合わせた左フックのカウンターが決まり,モナベザは腰から落ちてダウン(カウント9)。立ち上がったが,京口の左アッパーが決まり,モナベザはよろめくように後退し,ニュートラルコーナーに崩れ落ちる。ここで染谷主審はノーカウントで試合をストップした。

 2階級制覇を目指す京口が世界ランカー対決を圧勝で制した。開始早々から左アッパー,右ストレートあるいはボディへの左アッパーでプレスをかけた。パワフルなボディブローも攻撃力を増す要素になっている。ただ,アゴへの左アッパーから右ストレートというコンビネーションブローを多用していたが,左アッパーを打つときに体のバランスが崩れることが気になった。
 モナベザはサウスポーのボクサーファイター。右フック,左ストレート,アッパーを得意としている。無敗の世界ランカーだけあって,そこそこのレベルにある。ただ,左アッパーをアゴに向けて多用していたが,ガードが空いたところに左フックを合わされてダウンを喫した。

3回までの採点 京口 モナベザ
主審:染谷路朗 *** ***
副審:中村勝彦 29 27
副審:福地勇治 30 26
副審:飯田徹也 30 26
参考:MAOMIE 30 26


     ○京口:11戦11勝(8KO)             24歳     身長:162cm     リーチ:165cm
     ●モナベザ:21戦18勝(8KO)1敗2分     28歳     身長:163cm     リーチ:170cm

     放送:TBS
     解説:内山高志
     実況:杉山真也

このページのトップに戻る


                       2018年9月25日(火)    後楽園ホール
                                 6回戦
                   日本ミニマム級(ノーランク)  T   K   O   タイ国ミニマム級(ノーランク)
                ○   重岡銀次郎    3回1分22秒    サンチャイ・ヨッブン   ●
                               (ワタナベ) 105 lbs                        (タイ) 104 3/4 lbs

 左の重岡,右のサンチャイ。重岡が小刻みな動きで上体を振りながら積極的に攻める。サンチャイをロープに詰め,右ジャブ,フック,左ストレートからボディに左アッパーを打ち込む。
 2回に入っても重岡の攻勢が続く。ロープ,コーナーに詰め,連打を打ち込む。左ストレートのカウンターから左アッパーのボディブローが効くサンチャイ。
 3回,重岡が果敢な攻撃で試合を終わらせた。ニュートラルコーナーで右フックのカウンターが決まり,サンチャイはワンテンポ遅れて赤コーナーまでよろめき,崩れるようにダウン(カウント8)。立ち上がったが,重岡の詰めは鋭く,ロープを背負ったサンチャイの顔面への左ストレートからボディに左フックが炸裂。サンチャイはたまらずロープ下に仰向けに沈む。ここで葛城主審が試合をストップした。

 開新高(熊本)時代にアマで57戦56勝1敗という実績を持つ重岡が鮮やかなTKOでプロデビューを飾った。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレート,右フック,ボディへの左アッパーを得意としている。スピードがあり,パンチも切れる。なおかつ連打がよく出ることが強味。ミニマム級としてはパワーがあり,何よりも攻めの姿勢がいい。ただし,ときおり上体が前にのめってアゴのガードが空くことが気になる点。攻め急がないことが大事。
 サンチャイは右ボクサーファイター。右ストレートを得意としており,4勝はすべてKOで飾っている。しかし,重岡のスピードとパワーに押され,いいところを見せられないまま敗れた。

     主審:葛城明彦,副審:杉山利夫&中村勝彦&染谷路朗
     ○重岡:1戦1勝(1KO)           18歳
     ●サンチャイ:5戦4勝(4KO)1敗     21歳
     放送:TBS     解説:内山高志     実況:新夕悦男

このページのトップに戻る


       2018年9月29日(土)    ファンタジースプリングス・リゾートカジノ(米国カリフォルニア州インディオ)
                                  12回戦
                   WBA世界ライト級1位     T   K   O   元WBC中米カリブS・ライト級チャンピオン
                ○   ホルヘ・リナレス     3回1分31秒     アブネル・コット   ●
                              (帝拳) 137 1/4 lbs                     (プエルトリコ) 137 3/4 lbs
                    WBC世界S・ライト級4位

 上背で劣っているはずのリナレスが大きく見える。左ジャブ,ストレートでプレスをかけるリナレス。コットも左ジャブで応戦。
 2回2分過ぎ,左ジャブから矢のような右ストレートがアゴに決まり,コットは左膝からゆっくり落ちてダウン(カウント8)。朦朧としているコットに攻勢を仕掛けるリナレス。
 3回,上下への左ジャブで落ち着いて攻めるリナレス。右ストレートを受けたコットはよろめいて後退。さらに右ストレートをフォローされたコットはロープ下で仰向けにダウン(カウント8)。リナレスの左アッパーが低いとカイズ主審にアピールした隙に攻め込まれてロープに詰まるコット。リナレスは上下に連打を浴びせて攻勢。縺れるように倒れ込む両者。コットは立ち上がったが,腰が砕けてそのままニュートラルコーナーに尻餅をつく。カイズ主審のカウントの途中で試合がストップされた。

 今年5月にワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に10回KO負けを喫したリナレスが見事なKOで復活した。スーパーライト級のウェイトだったが,スピード,切れともに申し分なく,圧巻の試合内容。上下への左ジャブでタイミングを測り,鋭い右ストレートあるいは左アッパーのボディブローで主導権を握った。決め手の右ストレートは破壊力十分で,パワーとスケールが一段とアップしていた。
 コットはミゲール・コットと父親同士がいとこ同士という間柄。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としており,オーソドックスな試合運びが身上。しかし,リナレスとはスピードの面で大きな開きがあり,呑まれてしまった印象が強い。

     主審:ラウル・カイズ・シニア(米国),副審:フェルナンド・ビラレアル(米国)&アレハンドロ・ロチン(メキシコ)&マキシモ・デ・ルカ(米国)
     ○リナレス:49戦45勝(28KO)4敗     33歳     身長:173cm     リーチ:175cm
     ●コット:27戦23勝(12KO)4敗       31歳     身長:178cm     リーチ:180cm
     放送:WOWOW     解説:浜田剛史&飯田覚士     ゲスト:伊藤雅雪
     実況:鈴木 健     アシスタント:増田美香

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2018年8月に戻る     2018年10月に進む →

ホームページのトップに戻る