熱戦譜〜2018年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2018.03.01  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ルイス・ネリ  TKO2R  山中慎介
2018.03.01  IBF世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 岩佐亮佑  判定  エルネスト・サウロン
2018.03.01 8回戦  粟生隆寛  判定  ガマリエル・ディアス
2018.03.02 8回戦  近藤明広  TKO4R  リクヒット・サンリッツ
2018.03.02 8回戦  阿部麗也  判定  渡部大介
2018.03.03 ノンタイトル10回戦  伊藤雅雪  TKO9R  ベルゲル・プトン
2018.03.03 8回戦  戸部洋平  TKO5R  長井 一
2018.03.03 8回戦  江藤光喜  TKO3R  マルソン・カベラ
2018.03.03 8回戦  大野兼資  引き分け  多田 雅
10 2018.03.03 8回戦  豊嶋亮太  KO3R  ロンナキット・ブントゥリー
11 2018.03.18  WBO世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中竜也  TKO8R終了  モイセス・カジェロス

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                       2018年3月1日(木)    両国国技館
                      WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                    前チャンピオン   T   K  O  挑戦者(同級1位)
                ○   ルイス・ネリ   2回1分03秒   山中慎介   ●
                             (メキシコ) 121 lbs                    (帝拳) 117 1/2 lbs

 初回,ネリに攻めさせては不利と見た山中が積極的にプレスをかける。右ジャブから左ストレートで先手を取り,作戦通りの滑り出しとなった。しかし,中盤からネリが左右フックのボディ連打に次ぐ左ストレートで攻勢に出る。ネリの右ストレートがカウンターになり,キャンバスに右グラブをつきそうになる山中。ここは踏み止まったが,左右フックに続く肩越しの左ストレートを打ち込まれ,山中は右膝から落ちてダウン(カウント8)。
 2回,減量に失敗したネリが短期勝負に出た。左右フックのボディ連打から左ストレートが回転する。ロープに下がった山中が左を振ろうとした瞬間,ネリの左ストレートがカウンターになる。この一発で山中はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったものの,ダメージの色が濃い。今度はちょこんと出したネリの右ストレートが当たり,山中は腰から落ちて2度目のダウン(カウント8)。これも立ち上がった山中は思い切って打ち合いに出るが,ネリの回転力が上だった。左右フックから最後は右フックを打ち込まれ,腰から落ちて仰向けに3度目のダウン。ここでグリフィン主審が試合をストップした。

 昨年8月の対戦後にネリがドーピングを指摘され,WBCから再戦の指示を受けて実現したリターンマッチ。王座奪回と雪辱に燃えた山中だが,無念の返り討ちという結果に終わった。ネリに攻めさせまいと開始早々からプレスをかけた作戦は妥当だが,ここ数試合で目についたパンチに対する反応の鈍さが出てしまった。そのため回転力に優れるネリの連打をかわせなかったことが敗因。2回に少し距離を置いて時間を稼いでいればと悔やまれるが,あえて打ち合いに挑んだのは12度防衛のプライドだろう。それが決着を早めたと言える。試合後に引退を表明。
 ネリは前日の公式計量で3ポンドのウェイトオーバーとなり,王座を剥奪されて上がったリング。減量を放棄して勝ちに徹しただけに,動きそのものは悪くなかった。左右フックの連打からの左ストレートという持ちパターンを生かした勝利である。しかし,今回のウェイトオーバーは明らかに確信犯。後日WBCはネリに対して無期限資格停止処分を課した。JBCもネリの日本における活動停止処分を発表した。階級制に根差すボクシングという競技の根幹を揺るがす行為であり,いずれも当然の処分だろう。

1回までの採点 ネリ 山中
主審:マイケル・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:アラン・クレブス(米国) 10
副審:ケビン・スコット(米国) 10
副審:デビッド・サザーランド(米国) 10
参考:MAOMIE 10


     ○ネリ:26戦26勝(20KO)           23歳     身長:165cm     リーチ:169cm
     ●山中:31戦27勝(19KO)2敗2分     35歳     身長:170cm     リーチ:174cm

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&長谷川穂積     ゲスト:村田諒太
     実況:田中 毅

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                      2018年3月1日(木)    両国国技館
                   IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級13位)
               ○   岩佐亮佑   判 定   エルネスト・サウロン   ●
                           (セレス) 121 3/4 lbs             (比国) 121 1/2 lbs

 左の岩佐,右のサウロン。初回,目を見開いて右ジャブで牽制しながらチャンスを窺う岩佐。いきなりワンツーが顔面にヒットし,サウロンが後方に飛ばされた。岩佐は左アッパーのボディブローから左ストレートを見舞い,積極的な攻撃で好調なスタートを見せた。
 3回,タイミングのいい岩佐の右アッパーがアゴに決まる。岩佐は力を抑えた右ジャブ,左ストレートを小気味よく浴びせる。6回,左ストレートを顔面にもらったサウロンがのけぞる場面があった。
 7回,岩佐は左アッパーのカウンターをボディに打ち込み,さらに左ストレート,フックを浴びせる。苦しくなったサウロンは思わずクリンチに出る。
 9回,このままでは勝ち目がないと見たサウロンが力が入った左右フックで迫る。10回にもサウロンが左右フックで攻め込む。相手が出てくるのはチャンスだが,岩佐は今一つ締まらず,残り時間を気にする素振りを見せた。
 11回,岩佐は左ストレートをヒットするが,サウロンもすぐに左フックをお返ししてしぶといところを見せる。岩佐はここで踏ん張り,右フック,左ストレートの攻勢でサウロンをロープ際に追い込んだ。サウロンはクリンチに逃れる。
 12回,サウロンはダメージの蓄積で動きが鈍いが,岩佐も詰めを欠いた。終盤にはワンツーでのけぞらせたが,サウロンを仕留めるには至らず,終了ゴングを聞いた。

 岩佐は初防衛に成功。力みのない右ジャブ,左ストレートを浴びせて終始リードを保った。手数とスピードで圧倒したワンサイドゲームになったが,うまさこそ見せたものの詰めを欠いたことは大いなる反省点。ボディへの左アッパーでサウロンの動きを止めていたが,これを序盤から多用していればと悔やまれる。さらに返しの右フックが少なかったこともKOを逃した要因だろう。
 サウロンは右ファイタータイプ。スピードはないが,タフでしぶとい。思い切った左右フックを振って迫ったが,ほぼ見切られていた。

採点結果 岩佐 サウロン
主審:ケニー・チャバリエ(米国) *** ***
副審:中村勝彦 120 108
副審:イアン・スコット(ニュージーランド) 119 109
副審:グレグ・オルテガ(比国) 118 110
参考:MAOMIE 118 110


     ○岩佐:27戦25勝(16KO)2敗         28歳     身長:171cm     リーチ:180cm
     ●サウロン:25戦21勝(8KO)3敗1分     28歳     身長:166cm     リーチ:172cm

     放送:BS日テレ&G+
     解説:飯田覚士&長谷川穂積
     実況:佐藤義朗

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                      2018年3月1日(木)    両国国技館
                              8回戦
                   日本ライト級(ノーランク)        メキシコ ライト級(ノーランク)
                ○   粟生隆寛    判 定    ガマリエル・ディアス   ●
                             (帝拳) 136 3/4 lbs                (メキシコ) 136 3/4 lbs

 右のディアス,左の粟生。粟生は右フックをヒットするが,すぐにディアスが左フックを返す。このパンチでぐらついた粟生はロープ際に後退。ディアスが右フックを打ったときに足を踏まれた粟生がバランスを崩す場面があった。2回,ディアスは荒っぽい左右フックのボディブローで迫る。終了間際に粟生も左ストレートを返す。足を踏まれた粟生がバランスを崩してスリップダウンする場面があった。マウスピースが合っていないのか,ディアスの口からマウスピースが2度にわたって落ちた。
 3回,粟生がこの試合唯一の見せ場を作った。左ストレート,左右フックで積極的に攻める粟生。終盤,鮮やかなワンツーが決まり,ディアスはロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。粟生が久々に見せた会心の左ストレートだった。
 しかし,その後の粟生はパンチに正確さを欠き,雑な攻めが目立った。ディアスは相変わらず荒っぽい左右フックで迫る。6回,ディアスには疲れが見えるが,粟生も単調。7回終了間際,ディアスの右ストレートがヒット。
 8回2分過ぎ,ディアスをロープに詰めて左ストレートをヒットする粟生。ディアスも右アッパーで応戦する。両者ともに決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 2年10ヶ月ぶりのリングとなった粟生。世界タイトル奪回に向けてアピールしたいところだったが,盛り上がりに欠ける凡戦に終わった。ディアスは2012年10月にWBC世界S・フェザー級王座を奪われた宿敵。何とか雪辱を果たしたが,単調な攻撃が目立った。パンチに正確さがなく,スピードも今ひとつで精彩を欠いた。相手の正面に立つ場面が多く,危ない場面も見られた。見せ場は3回に奪ったダウンだけで,それ以外は低調。復帰戦に勝ったことで何とか次につながったが,この試合内容では多くを望むことはできないだろう。
 ディアスは変則的な右ファイタータイプ。頭から入って右フック,ストレートを打つので相手にとってはやりにくい。目立たないが相手のパンチの威力を巧みに殺す老獪さがある。しかし,さすがに年齢的な衰えは隠せなかった。

採点結果 粟生 ディアス
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 79 74
副審:吉田和敏 77 76
副審:安部和夫 77 74
参考:MAOMIE 77 74


     ○粟生:33戦28勝(12KO)3敗1分1無効試合     33歳     身長:169cm     リーチ:174cm
     ●ディアス:62戦40勝(19KO)19敗3分         37歳     身長:174cm     リーチ:174cm

     放送:G+
     解説:長谷川穂積
     実況:安藤 翔

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                     2018年3月2日(金)    後楽園ホール
                             8回戦
              IBF世界S・ライト級5位   T   K   O   タイ国S・ライト級(ノーランク)
             ○   近藤明広    4回2分48秒    リクヒット・サンリッツ   ●
                        (一力) 139 3/4 lbs                        (タイ) 139 lbs

 右の近藤,左のリクヒット。初回,リクヒットは打ち合いを避けるように右に回り,ときおり左ストレート,右フックを伸ばす。近藤は左フック,右ストレートでプレスをかける。終了間際,ニュートラルコーナーからロープにリクヒットを追い込んだ近藤は左アッパーのボディブローから右フックを浴びせる。
 2回中盤,右ストレートからの左フックでリクヒットがバランスを崩す場面があった。近藤はさらにロープ際に追ってボディに右ストレートを伸ばす。終盤,左の打ち終わりに返した近藤の右ストレートがカウンターになり,リクヒットはロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。
 3回,近藤は丹念に左ジャブを突き,左右フックで追い込んでいく。ロープを背負ったリクヒットは右ストレートを打ち込まれてのけぞった。
 4回,左ジャブからの左右フックでプレスをかける近藤。リクヒットは思わずクリンチに出る。終盤,青コーナーに詰まったところで右ストレートを打ち込まれ,ぐらつくリクヒット。さらに近藤が右ストレートを浴びせ,リクヒットがロープにもたれたところで福地主審が試合をストップした。

 近藤がベテランの味を存分に出して見事にTKO勝利を飾った。サウスポーのリクヒットを問題にせず,左ジャブを多用し,左右フック,右ストレートでプレスをかけた。昨年11月,米国ニューヨークで空位のIBF世界S・ライト級王座をセルゲイ・リピネッツ(ロシア)と争い,判定負け。今夜は再起戦だったが,その経験が生きて,一段と逞しくなった印象を受ける。32歳という年齢だが,ここからさらにステップアップする可能性がある。
 リクヒットはサウスポーのボクサータイプ。いわゆる『噛ませのタイ人』とは一線を画すバランスの良さがある。リーチに恵まれており,自分の間合いを保ちながら左ストレート,右フックを相手の出バナに打つ。しかし,自信に満ちた近藤のプレスに押し込まれた。

     主審:福地勇治,副審:染谷路朗&ウクリッド・サラサス&中村勝彦
     ○近藤:38戦30勝(17KO)7敗1分     32歳     身長:173cm
     ●リクヒット:10戦8勝(3KO)2敗       24歳
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

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                     2018年3月2日(金)    後楽園ホール
                              8回戦
                 IBF世界フェザー級11位       日本フェザー級(ノーランク)
                ○   阿部麗也    判 定    渡部大介   ●
                            (KG大和) 125 3/4 lbs             (ワタナベ) 125 3/4 lbs

 左の阿部,右の渡部。阿部はガードを下げたスタイルから右ジャブで牽制する。
 3回,阿部の動きが活発になった。右ガードを下げ,足でリズムを取りながらフェイントをかけて右ジャブ,ボディへの左ストレートを放つ。渡部は接近したいが,思うようにならない。
 4回は渡辺が積極的な攻撃を見せたが,5回に入ると再び阿部が主導権を握る。フェイントをかけながらスピードで渡部を翻弄する阿部。渡部は左ストレートでバランスを崩す。さらにボディ,顔面に左ストレートを浴びせる阿部。
 6回,阿部の鋭い左ストレートが冴える。7回,打ち合いを挑む渡辺に対し,阿部はこれを許さず,巧みに間合いを取って矢のような左ストレート,右フックを浴びせる。
 8回,渡部は右ストレートを振って接近を試みるが,空を切り,首をかしげる場面があった。渡辺が出てくるところ,顔面に阿部の左ストレートがクリーンヒットした。

 スピードのあるテクニシャン阿部が持ち味をフルに出した。サウスポーのボクサータイプで,鋭い左ストレートを武器としている。右ガードを下げ,フェイントをかけながらタイミングのいい左を当てていた。渡部が攻め込むと,素早いステップバックや左右への動きでかわし,巧みなディフェンスを見せた。目と勘の良さが光る。2014年全日本フェザー級新人王で,アマチュア時代に会津工高(福島)で国体ベスト8という実績を持っている
 渡部は右ファイタータイプで右ストレート,フックを得意としている。果敢に接近を試みたが,阿部のスピードに翻弄された。出バナや待っているところに左ストレートを合わされ,動きの速い阿部を捉えられなかった。札幌工高(北海道)→道都大というアマチュアのコースを歩み,インターハイでベスト8という実績がある。54戦40勝(17KO)14敗というアマ戦績が残る。

採点結果 阿部 渡部
主審:中村勝彦 *** ***
副審:染谷路朗 79 73
副審:ウクリッド・サラサス 78 75
副審:福地勇治 78 75
参考:MAOMIE 79 73


     ○阿部:19戦17勝(8KO)2敗     24歳     身長:172cm
     ●渡部:10戦6勝(3KO)4敗      26歳

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                        2018年3月3日(土)    後楽園ホール
                               ノンタイトル10回戦
                WBC世界S・フェザー級8位   T   K   O    比国S・フェザー級10位
                ○   伊藤雅雪     9回1分56秒     ベルゲル・プトン   ●
                            (伴流) 134 3/4 lbs                         (比国) 132 1/2 lbs
             WBOアジアパシフィック王者,WBA9位,WBO1位

 初回から伊藤が鋭い左ジャブ,フックで先制した。終盤,右ストレートで腰を落としたプトンは大きくバランスを崩す。あわやダウンという場面だった。
 2回1分過ぎ,上にフェイント気味の左ジャブを出し,間髪入れずに返した左ジャブがボディに当たり,プトンは押されるように尻餅をついてダウン(カウント8)。ダメージはなく,完全にタイミングが合って倒れたダウンだった。伊藤は右ストレート,左フックを浴びせる。
 4回,右アッパーから右ストレートでロープを背にのけぞるプトン。伊藤はボディにも左右アッパーを散らす。プトンは粘るが,ボディが効いてきたのか,クリンチが増える。
 5・6回,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。
 7回,ボディが効いているプトン。伊藤は左右アッパーのボディブロー。ここでプトンが前に落ち,ダウンを取られた(カウント8)。これは首に右グラブを引っかけたためにキャンバスに落ちたもので,微妙な場面だった。再開後,ニュートラルコーナーに詰めて攻勢に出る伊藤。しかし,手負いのプトンの右フックを受けてぐらつき,ひやりとさせる場面もあった。
 8回,伊藤は右ストレート,左フックで攻勢に出るが,いいところで手を止めてプトンを休ませてしまう。
 9回,ワンツーで攻勢に出る伊藤。1分過ぎ,プトンをロープに追いこんで右ストレートでのけぞらせる。そのままニュートラルコーナーに詰め,右ストレート,左フックで畳みかければ,プトンは前に崩れ落ちてダウン。立ち上がったが,マーチン主審はカウントの途中で試合をストップした。

 世界を狙う伊藤がタフなプトンを終盤に仕留めた。スピード,パワー,パンチの切れなどすべてが申し分ない。主武器の右ストレートの切れ味は抜群。ボディにもパンチを散らし,攻撃の面では十分に世界上位の実力を見せた。しかし,相手を見ていて休む時間を与えてしまう場面が目立った。世界で戦うためにはこういう隙を見せてはいけない。プトンのようなしぶとい相手を一発で沈めるのは困難。少ないチャンスに一気にパンチをまとめてストップを呼び込む攻撃力が求められる。
 プトンは右ファイタータイプ。岩佐亮佑(セレス)のスパーリングパートナーを務めていたことで知られている。がっしりした上体から振る左右フックに威力がある。タフでしぶといところが相手にとっては厄介。しかし,ボディを打たれたことによって中盤から動きが鈍くなり,クリンチに出ることが多くなった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:安部和夫&染谷路朗&中村勝彦
     ○伊藤:25戦23勝(12KO)1敗1分     27歳     身長:174cm
     ●プトン:27戦17勝(8KO)10敗       28歳     身長:168cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:中野謙吾

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                      2018年3月3日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・フライ級7位   T   K  O   日本S・フライ級10位
                ○   戸部洋平    5回1分35秒    長井 一   ●
                            (三迫) 115 3/4 lbs                     (ワタナベ) 115 3/4 lbs

 開始早々から戸部がスピードと手数で主導権を握った。長井が右を出して入ろうとしたところに合わせた小さな左フック。これがカウンターになってアゴを捉え,長井は前に落ちてダウン(カウント8)。これが意外なほど効いており,長井の足元が乱れた。すべての面で切れている戸部。右アッパー,ストレート,左フックで畳みかける。長井は足に来ており,ダメージの色を窺わせた。
 2回,戸部が好調を維持する。左ジャブを多用し,右アッパーをタイミングよくヒット。さらに上下に鋭いパンチを浴びせて攻め立てる。右ストレートでぐらつく長井だが,逆に右ストレートをヒットして粘りを見せた。3回,鼻から出血した長井は苦しい展開が続く。
 4回,戸部の左ジャブが冴える。長井もよく食い下がるが,終盤,不用意に出ようとしたところに右ストレートを受けて前に落ち,この試合2度目のダウン(カウント8)。
 5回,このままでは勝ち目がないと見た長井が逆転を狙って攻勢に出る。しかし,戸部は冷静にこれを見極める。長井が右を振ろうとした瞬間,戸部の右ストレート一閃。これをアゴの先端にもらった長井は体を捻じる形でキャンバスに落下。葛城主審はためらわずノーカウントで試合をストップ。同時にワタナベジム陣営からタオルが投入された。

 戸部がランカー同士の対戦にTKOで快勝した。体の動きもパンチも切れまくり,まさに会心の試合内容である。2014年8月に石田翔(井岡)に敗れて日本タイトルを失って以来,これで5連勝4連続KO勝利となった。文理開成高(千葉)→拓大でアマチュアのキャリアを積み,国体2連覇という実績がある。期待されてプロ入りしたものの一時低迷していたが,完全に復調したと言っていいだろう。リーチを生かした左ジャブから右ストレート,あるいは出バナに合わせる右アッパーをタイミングよく決めた。出入りのフットワークを利かせて上下に散らした攻撃が光る。勝利者インタビューでの誠実な応対も好印象である。
 長井は右ファイタータイプ。右ストレート,左フックを得意としており,果敢に攻撃を仕掛ける。初回早々に合わされた左フックのカウンターが効いてしまった。よく食い下がったが,実力の差が大きかった。

     主審:葛城明彦,副審:中村勝彦&染谷路朗&ウクリッド・サラサス
     ○戸部:16戦13勝(9KO)2敗1分      30歳     身長:170cm
     ●長井:27戦15勝(5KO)10敗2分     34歳     身長:165cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:田中 毅

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                         2018年3月3日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                 WBC世界S・フライ級4位   T   K  O     比国S・フライ級4位
                ○   江藤光喜     3回1分30秒     マルソン・カベラ   ●
                           (白井・具志堅) 115 lbs                         (比国) 115 lbs
                    WBA9位,WBO7位

 初回,江藤が右ストレートのボディブロー,左フック,右ストレートで積極的に仕掛けた。2分過ぎ,江藤が攻勢に出るが,小兵のカベラも思い切った左右フックを振り回して応戦。左アッパーのボディブローが効いたカベラが後退する。
 2回,前に出る江藤に対し,カベラも左右フックを振る。しかし,終了間際,右アッパーをボディに打ち込まれたカベラはたまらずその場に膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われた。
 3回,江藤が前に出てプレスをかける。テンプルへのワンツーが効いたカベラは後退。左右フックで追撃すれば,カベラは腰が砕けてダウン(カウント8)。再開後,バッティングで江藤が額をカットし,ドクターチェックを受ける。両者ともに勝負を急ぎ,打ち合いになった。ニュートラルコーナーに下がったカベラは右ストレートで腰から落ちてダウン。ここで安部主審が試合をストップした。

 江藤が世界ランカーの貫録を見せた。スタートから上背,リーチの差を生かし,積極的な攻撃で相手を圧倒した。右ストレートに加えてボディに打ち込んだ左右アッパーが効いた。格下相手で今後を占うには物足りなかったが,2015年11月にカルロス・クアドラス(メキシコ)のWBC王座に挑戦して敗れて以来,これで5連勝4連続KO勝利となった。
 童顔のカベラは小柄な右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,足を止めて思い切り振る左右フックを武器としている。しかし,ボディががら空きになる場面が多かった。

     主審:安部和夫,副審:ビニー・マーチン&染谷路朗&ウクリッド・サラサス
     ○江藤:27戦22勝(17KO)4敗1分      30歳     身長:172cm     リーチ:177cm
     ●カベラ:33戦16勝(4KO)16敗1分     26歳     身長:160cm
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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                      2018年3月3日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本L・フライ級7位        日本L・フライ級(ノーランク)
                ×   大野兼資   引き分け   多田 雅   ×
                            (帝拳) 107 3/4 lbs              (TI山形) 108 lbs
                           おおの・けんじ               ただ・まさし

 左の大野,右の多田。序盤は大野が積極的な攻撃でリードした。初回,大野は右フックのボディブロー。多田も飛び込んで右ストレートを打つ。2回,多田は左ジャブを巧打するが,大野は左ストレートを見舞う。さらに大野は右フックからボディに左アッパーをヒットし,先手で攻めた。
 しかし,3回は多田が主導権を奪った。2分過ぎ,多田は左右アッパーのボディブローから右ストレート,左フックで大野を下がらせる。
 5回,攻め倦む大野。一方の多田はよく見て間合いを取りながら,大野が待っているところに飛び込んで右ストレートをヒット。終了間際には左ジャブからボディに打ち込んだ右フックで大野がバランスを崩す場面があった。
 6回,多田をロープに押し込んだ大野が密着して左右フック,アッパーを連打する。しかし,多田もよく見て右ストレート,ボディへの右アッパーで応戦。
 7回,大野が押し込んでいくが,多田は左右アッパーで的確にボディを打つ。8回にも多田を押し込んだ大野が体を密着させて右フック,左アッパーをボディに連打する。多田も終盤にボディブローで応戦。

 接戦の末,結果は1−0のドロー。大野はサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,右フックを得意とし,手数の多さが身上。その反面,相手の正面に立ってしまい,被弾を許した。後半は多田の的確なパンチに苦しむ場面が多くなった。
 多田は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。序盤は積極的な攻撃で大野にリードされたが,中盤からは接近戦で左右アッパーのボディブロー,右ストレート,左フックを決めてポイントを奪った。終盤に見せた右アッパーのボディブローもよかった。しかし,全般を通じて後手に回ったことが見栄えを悪くし,ポイントにつながらなかったと言える。日本ランカーの大野とドローというのはある意味で勝ちに等しいが,ドローとした副審の一人からもう1ポイントだけでも取っていれば勝ちになっただけに,悔いが残る試合内容だろう。

採点結果 大野 多田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:葛城明彦 76 76
副審:染谷路朗 76 77
副審:安部和夫 76 76
参考:MAOMIE 76 76


     ×大野:15戦11勝(6KO)2敗2分     29歳     身長:163cm
     ×多田:19戦11勝(7KO)5敗3分     28歳     身長:164cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:寺島淳司

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                      2018年3月3日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本ウェルター級11位   K      O    タイ国ウェルター級2位
                ○   豊嶋亮太    3回2分30秒    ロンナキット・ブントゥリー   ●
                            (帝拳) 146 1/4 lbs                         (タイ) 146 1/4 lbs

 初回,豊嶋は左フック,右ストレートで積極的にプレスをかける。ロンナキットは下がりながら右ストレートを放つ。
 2回,豊嶋は接近して左アッパーのボディブローから打ち下ろしの右ストレート。一方のロンナキットも接近戦で左右フック。しかし,豊嶋の左ボディブローが効く。
 3回,豊嶋のプレスに鼻と口から出血するロンナキット。豊嶋のタイミングのいいワンツーが決まり,ロンナキットはロープ際に後退して腰から崩れ落ちてダウン。立ち上がったが,マーチン主審はそのままカウントアウトした。

 豊嶋が鮮やかなワンツーでタイの上位ランカーを沈めた。右ファイタータイプで左フック,右ストレートにパンチ力がある。そこに左アッパーのボディブローが一枚加わり,攻撃力を増している。その反面,力みが目立ち,攻防がハッキリし過ぎていることが目につく。2016年全日本ウェルター級新人王。
 ロンナキットは右ボクサーファイター。右ストレートを得意としているが,スピードがないことが欠点。接近戦でボディブローを返していたが,豊嶋のパワーに屈した。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&中村勝彦&ウクリッド・サラサス
     ○豊嶋:11戦8勝(6KO)2敗1分            22歳     身長:177cm
     ●ロンナキット:38戦25勝(7KO)11敗2分     27歳     身長:175cm
     放送:G+     解説:なし     実況:寺島淳司

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                    2018年3月18日(日)    神戸ポートピアホテル
                      WBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T K O   挑戦者(同級4位)
                ○   山中竜也   8回終了   モイセス・カジェロス   ●
                              (真正) 105 lbs                  (メキシコ) 105 lbs

 初回,カジェロスは前に出て接近戦を挑む。これを迎え撃つ山中は足を使い,左ジャブ,フックを浴びせる。終了間際,左ジャブから右アッパーをヒットする山中。
 2回,カジェロスは前に出て左フック,アッパー。しかし,山中はよく足が動いている。左ジャブを多用し,ボディ,アゴに右アッパーをヒット。カジェロスは鼻から出血。
 中盤も山中の足と左ジャブ,右ストレートが冴える。5回2分過ぎ,左アッパーが効いてカジェロスの動きが鈍る。すかさず左右アッパーをボディに集めて攻勢に出る山中。
 6回,カジェロスは被弾しながらも執拗に前進するが,山中は足を止めず,左右アッパーのボディブロー。山中の右クロスがカウンター気味に決まる。
 7回,山中の左ジャブが的確にヒット。さらに右ストレート,アッパー,左フックがクリーンヒットする。カジェロスもボディブローで迫るが,山中の動きについていけない。
 8回,試合はワンサイドゲームの様相。足がよく動き,左ジャブ,右ストレート,左右アッパーが冴える。ロープに詰め,攻勢に出る山中。左フックのカウンターが決まり,ぐらりとくるカジェロス。辛うじてゴングに救われるカジェロス。しかし,8回終了後のインターバル中にカジェロスが棄権を申し入れ,ここで試合がストップされた。

 山中が会心のTKOで初防衛に成功した。フットワークと小気味よい左ジャブが冴え渡り,カジェロスを全く寄せつけない完勝だった。右ストレートのカウンターに加え,上下に決めた右アッパーが非常に効果的だった。ボディへの左アッパーはカジェロスの動きを鈍らせるのに十分な威力を発揮した。今後も足と左ジャブが試合を占うカギになるだろう。
 カジェロスは右ファイタータイプ。左右フック,アッパーによる接近戦を得意としているが,山中の足についていけず,出バナに的確な左ジャブを浴び続けた。さらにはカウンターの右ストレートをもらい,ダメージを蓄積させた。

8回までの採点 山中 カジェロス
主審:ホセ・イラム・リベラ(プエルトリコ) *** ***
副審:ジェラルド・ホワイト(米国) 80 72
副審:ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ) 80 72
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 78 74
参考:MAOMIE 80 72


     ○山中:18戦16勝(5KO)2敗            22歳     身長:163cm     リーチ:169cm
     ●カジェロス:37戦28勝(16KO)8敗1分     28歳     身長:163cm     リーチ:173cm

     放送:フジテレビNEXT
     解説:長谷川穂積     ゲスト:武井 壮
     実況:大橋雄介

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