熱戦譜〜2017年10月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2017.10.02  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 清水 聡  TKO5R  ノ・サミュング
2017.10.02 10回戦  阿部麗也  9R負傷判定  細野 悟
2017.10.07  日本スーパーフェザー級
 王座決定戦10回戦
 末吉 大  判定  高畑里望
2017.10.07 8回戦  正木脩也  KO1R  シソ・モラレス
2017.10.07 8回戦  千葉 開  TKO5R  松原 陵
2017.10.07 8回戦  永野祐樹  TKO3R  クリエンクライ・トー・シラチャイ
2017.10.13  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 大竹秀典  判定  丸田陽七太
2017.10.22  WBA世界ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 村田諒太  TKO7R終了  アッサン・エンダム
2017.10.22  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 比嘉大吾  TKO7R  トマ・マソン
10 2017.10.22  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 拳四朗  判定  ペドロ・ゲバラ
11 2017.10.28  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 カリド・ヤファイ  判定  石田 匠

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2017年9月に戻る     2017年11月に進む →


                        2017年10月2日(月)    後楽園ホール
                       東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(同級11位)   T  K  O     チャンピオン
                ○   清水 聡    5回1分54秒    ノ・サミュング   ●
                             (大橋) 126 lbs                       (韓国) 126 lbs
                                        WBC14位

 右のノ,左の清水。初回,ノは上体を揺すりながら接近を試みる。一方の清水は長いリーチから右ジャブを突き,早くも左ストレートを見舞う。
 しかし,2・3回はノの突進を持て余す場面が見られた。回り込みたい清水だが,正面に立って押し込まれている。3回,ノは左右アッパーのボディブロー。清水は反撃に出るが,ノの右フックで一瞬ぐらつく。
 4回,正面からの打ち合いになった。中盤,清水の左右アッパーで一瞬ぐらつくノ。ここから清水が左右の猛烈な連打で攻勢に出る。ノは赤コーナーで両膝から崩れ落ちてダウン(カウント8)。ノは立ち上がったものの,かなり効いている。
 5回,ノは捨て身で食い下がるが,ダメージと疲労で足の踏ん張りが利かない。清水は左右フック,アッパーで攻勢。さらにロープに詰めて左右アッパー,左ストレートを浴びせる。ノがグロッギーになったところで福地主審が試合をストップした。

 プロ4戦目の清水が持ち味の変則的な連打でOPBF王座を奪取した。回り込みがなく,正面に立って押し込まれるなど,ノのペースに合わせてしまったことは反省すべき点である。初回に出ていた右ジャブが2回以降は出なくなり,ノの接近を簡単に許していた。どこから出るかわからない強打・連打は相手にとって脅威だが,それも右ジャブを有効に使って自分の距離を保ってのこと。年齢的に見て近い将来に世界挑戦が計画されるはずだが,相手の土俵に乗らず,あくまで持ち味を生かすことに徹することが必要。
 ノは長身の右ファイタータイプ。頭を低くして入るのでバッティングが多いが,接近して連打する左右フック,アッパーを得意としている。右ストレートにも伸びがある。清水が正面に立ったこともあって一時は優位に立った。しかし,最後は変則的で猛烈な連打にパワー負けした感がある。

4回までの採点 清水
主審:福地勇治 *** ***
副審:ビニー・マーチン 39 36
副審:杉山利夫 40 35
副審:染谷路朗 39 36
参考:MAOMIE 38 37


     ○清水:4戦4勝(4KO)        31歳     身長:179cm
     ●ノ:15戦11勝(4KO)4敗     25歳     身長:175cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

このページのトップに戻る


                      2017年10月2日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                   日本フェザー級9位   負 傷 判 定   WBC世界フェザー級12位
                ○   阿部麗也    9回0分57秒    細野 悟   ●
                           (KG大和) 129 3/4 lbs                      (大橋) 130 lbs
                                                      ほその・さとし   IBF10位

 左の阿部,右の細野。初回,阿部が左右に大きく動きながら距離を取り,広いスタンスから右ジャブ,フック,左ストレートを放つ。細野は低い姿勢から接近を試みる。
 2回,細野はロープに追っていくが,阿部の左アッパーがカウンターになる。阿部は右に回り込みながら右ジャブを突き,左ストレートを出バナに見舞う。さらに細野をロープに詰めて右ストレートをヒットする阿部。3回にも阿部の右ジャブ,左ストレートが出バナに決まる。細野は阿部の動きに追随できていない。終盤にも阿部の左ストレートがヒットし,細野の動きが止まる。
 7回,阿部を赤コーナーに詰めて右ストレート,左フックで攻める細野。しかし,バッティングで細野が右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。血が目に入り,右目下も腫れている。相変わらず阿部の左ストレートがクリーンヒットする。
 8回1分過ぎ,左ストレートを打ち込まれた細野はぐらついてニュートラルコーナーに詰まる。チャンスと見た阿部は一気に攻勢に出て,ロープを背負った細野にワンツー,右フックを浴びせる。細野のパンチは空しく空を切る。細野が低い姿勢で入ろうとするところに左ストレートを打ち込む阿部。
 9回,細野は必死に反撃を試みるが,パンチは当たらない。逆に阿部の左ストレート,右フックを浴びる。ここで細野の右目上からの流血が酷くなり,ドクターチェックを経ずに吉田主審が試合をストップした。

 新旧交代を印象づける一戦になった。新鋭・阿部がベテランの細野に殊勲の勝利。縦横無尽のフットワークを駆使するサウスポーのボクサータイプ。右ジャブで牽制しながら,広いスタンスから放つ左ストレートで再三にわたって細野をぐらつかせた。フェイントをかけ,やや変則的なタイミングで放つストレート系のパンチに威力がある。細野が得意とする接近戦を徹頭徹尾避け,自分の距離を保ったことが勝因。今夜の勝利によってランキング上位への進出が期待される。楽しみな素材である。
 細野は持ち味のパワーを封じられ,まさに完敗。阿部の動きに対応できず,逆に出バナに左ストレートを痛打された。再浮上して4度目の世界挑戦に賭けていたはずだが,痛恨の金星献上となってしまった。

9回までの採点 阿部 細野
主審:吉田和敏 *** ***
副審:杉山利夫 89 83
副審:染谷路朗 90 81
副審:ビニー・マーチン 89 83
参考:MAOMIE (50) (45)


     ○阿部:17戦15勝(7KO)2敗         24歳     身長:172cm
     ●細野:38戦33勝(22KO)4敗1分     33歳     身長:170cm     リーチ:168cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:田中大貴

※ 第1・2・3・7・8・9ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

このページのトップに戻る


                   2017年10月7日(土)    後楽園ホール
                   日本スーパーフェザー級王座決定戦10回戦
                 日本S・フェザー級1位        日本S・フェザー級2位
                ○   末吉 大    判 定    高畑里望   ●
                           (帝拳) 129 3/4 lbs              (ドリーム) 129 3/4 lbs
                         WBO11位                 たかはた・りぼう

 初回,長身の高畑が左ジャブから積極的に前に出る。後半には末吉も左ジャブをヒット。3回,高畑は左ジャブから右ストレートをボディに。末吉は左ジャブでチャンスを窺うが,まだペースは掴めていない。
 4回,ともにフェイントなどの駆け引きが出る。末吉のスウェイバックで高畑の右ストレートが流れる。末吉はじりじりとプレスをかけ,ワンツーをヒットし,さらに左フックをフォローする。
 5・6回,末吉が単発ながらも左ジャブを当ててようやくリズムを掴む。高畑は思うように手が出ない。
 7回,浅いながらも右ストレート,左フックをヒットしてリードを奪う末吉。8回は高畑が右ストレートをヒット。ここから打ち合いになるが,末吉も右ストレートを返す。
 9回,末吉はボディに右ストレート,左右フックを打ち,単発ながらも主導権は握っている。
 10回,高畑の出バナに右ストレートのカウンターを当てる末吉。高畑も左フックをヒットし,最後まで末吉を追うが,決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 お互いに攻撃が単発に終わって決め手に乏しく,盛り上がりに欠ける試合となった。
 帝拳で若手ホープの一角を占める末吉が初のタイトルを獲得した。長身の高畑に対してなかなかリズムを掴めずに攻め倦む場面が多かったが,力の差は出ていた。目立たないが,スウェイバックで相手のパンチを殺すテクニックがある。右ストレートのカウンターに威力がある。左ジャブもよく出ていたが,今夜はやりにくい高畑が相手だけに,単発で攻撃につながりがなかったことが気になった。
 高畑は右ボクサーファイター。長身で長いリーチを生かした左ジャブ,右ストレートを得意としている。フェイントをかけながら積極的に攻めて崩そうとしていたが,目と勘のいい末吉に読まれていた。自らは積極的に攻めていたが,末吉のカウンターを警戒し,思うように攻められなかったことが響いた。

採点結果 末吉 高畑
主審:染谷路朗 *** ***
副審:ビニー・マーチン 98 92
副審:葛城明彦 98 93
副審:飯田徹也 97 93
参考:MAOMIE 97 93


     ○末吉:17戦16勝(10KO)1敗       26歳
     ●高畑:22戦13勝(5KO)8敗1分     38歳     身長:180cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:寺島淳司

このページのトップに戻る


                       2017年10月7日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・フェザー級6位   K      O  東洋太平洋ライト級10位
                ○   正木脩也    1回1分56秒    シソ・モラレス   ●
                               (帝拳) 132 lbs                      (比国) 131 1/4 lbs

 鋭い左ジャブで牽制しながら落ち着いた滑り出しを見せる正木。モラレスは左ジャブからの右ストレートを振る。ロープに下がったところに鮮やかなワンツーが炸裂し,モラレスはその場に崩れ落ちる。朦朧として両膝をついたままカウントアウトされた。

 正木は興国高(大阪)→関西大(中退)で62戦54勝8敗というアマのキャリアがある。右ボクサーファイターで,左ジャブ,ワンツー,左アッパーのボディブローを得意としている。スピードがあり,パンチのシャープさが売り物。長身でリーチをフルに生かした大きいボクシングが特徴になっている。間違いなく上位に進出してタイトルに絡むだけの実力がある。楽しみな素材。
 モラレスは2010年2月に当時のWBO世界バンタム級王者だったフェルナンド・モンティエル(メキシコ)の王座に挑戦した経験がある(初回TKO負け)。右ボクサーファイターで,左ジャブからの右ストレート,フックにパンチ力がある。しかし,スピードでは正木に遠く及ばなかった。

     主審:中村勝彦,副審:飯田徹也&葛城明彦&ビニー・マーチン
     ○正木:9戦9勝(5KO)               23歳     身長:173cm
     ●モラレス:25戦19勝(12KO)5敗1分     29歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:川畑一志

このページのトップに戻る


                      2017年10月7日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本バンタム級(ノーランク)  T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   千葉 開     5回2分12秒     松原 陵   ●
                       (帝拳) 117 1/2 lbs                             (帝拳) 117 3/4 lbs
                          ちば・かい

 開始早々から体を寄せてパワフルな左右フックのボディブローで迫る松原。千葉はかっと目を見開いて左ジャブでタイミングを測り,松原の出バナに右ストレートのカウンター,左アッパーのボディブローを合わせる。
 2回に入るとセコンドの指示か,千葉が左に回って小気味いい左ジャブ,ストレートを突く。間合いを取られた松原は振りが大きくなり,ミスブローでバランスを崩す。リズムを掴んだ千葉は左ジャブ,出バナにワンツー,そしてボディにも左アッパーを散らす。
 3回,千葉の左ジャブが冴える。ジャブをもらって松原の顔が上を向く場面があった。千葉はパンチを絶妙なスウェイバックでかわし,的確にヒットを積み重ねた。さらに意表を突くような右アッパーを決める。
 4回,千葉の手数がさらに増えた。松原は左ジャブ,ストレートが邪魔で思うように接近できない。終了間際,千葉が右ストレート,左右アッパーをまとめて攻勢。効いている松原。
 5回,松原は体ごと叩きつけるような左右フックで反撃に出るが,続かない。これをしっかりブロックした千葉が2分過ぎにスパートした。ボディからアゴへの左アッパーが効いて動きが止まったところを見逃さず,一気に勝負に出る。右ストレート,左フック,左右アッパーをまとめたところで,危険を察した帝拳ジムの中野トレーナーがタオルを投入して両者の間に飛びかからんばかりの勢いで割って入った。同時にマーチン主審が試合をストップした。

 ハードパンチャー同士の好カードはスリリングな展開になったが,千葉が抜群のうまさを見せて快勝した。無駄な動きをせず,多彩な左ジャブ,ストレートを多用しながら左に回り,恐ろしいほど冷静に攻めていた。かっと目を見開いて相手の動きを見極める姿が印象的。右ボクサーファイターで出バナへの右ストレート,上下への左右アッパーなど多彩な攻撃が特徴。大振りせず,コンパクトに的確に当てる技術に非凡な才能がある。相手のパンチを巧みなスウェイバックやブロックでかわすディフェンスにも優れた面がある。将来性を感じさせる素材で,今後特に注目したい若手である。
 松原は7KO勝利中6KOがファーストラウンドという即決型の右ファイタータイプ。しっかりキャンバスを踏んで打ち込む左右フックの連打に破壊力がある。今夜も一気に攻め落とそうとしていたが,接近して戦えたのは初回だけ。2回以降は作戦を変えた千葉に見切られ,左ジャブでコントロールされた。出バナにもパンチを合わされ,最も得意とする接近戦を封じられたことが敗因。上下に打ち分けられ,為す術もなく敗れた。ダメージが蓄積しており,棄権は妥当な処置だろう。

     主審:ビニー・マーチン,副審:染谷路朗&飯田徹也&中村勝彦
     ○千葉:7戦7勝(6KO)        24歳     身長:165cm
     ●松原:9戦7勝(7KO)2敗     26歳
     放送:G+     解説:なし     実況:平松修造

このページのトップに戻る


                      2017年10月7日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本ウェルター級6位   T   K   O     タイ国S・ライト級3位
                ○   永野祐樹    3回2分45秒    クリエンクライ・トー・シラチャイ   ●
                             (帝拳) 146 3/4 lbs                          (タイ) 146 1/4 lbs

 左の永野,右のクリエンクライ。眼光鋭く右ジャブで牽制し,左ストレートをボディ,顔面に打ち込む永野。クリエンクライは慎重に様子見。
 2回,クリエンクライが右ストレート,フックを振って積極的に攻める。クリーンヒットはないが,この回はクリエンクライがリードした。
 3回,クリエンクライの右ストレートはスピードがない。終盤,ロープを背負ったところに永野が左フックのボディブローを打ち込む。さらに左ストレートを浴びせる永野。ここは持ちこたえたが,左ストレートのカウンターがヒットし,クリエンクライの足がもつれる。ロープに詰めて左ストレートでのけぞらせ,ワンツーで襲いかかったところで葛城主審が試合をストップした。

 帝拳のホープ永野が得意の左強打を炸裂させてTKO勝利。やや力に頼った面はあるが,ボディにもパンチを散らしており,まずまずの試合内容だろう。上体の動きが乏しいことが気になる点。もう少し力を抜いて戦った方が良さそう。
 クリエンクライは右ファイタータイプ。豊富なムエタイのキャリアを持つ。右ストレート,フックを振って前に出るが,ベタ足でスピードはない。

     主審:葛城明彦,副審:染谷路朗&中村勝彦&飯田徹也
     ○永野:14戦12勝(9KO)2敗           28歳     身長:175cm
     ●クリエンクライ:12戦10勝(2KO)2敗     30歳
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

このページのトップに戻る


                       2017年10月13日(金)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン            挑戦者(同級1位)
                ○   大竹秀典    判 定    丸田陽七太   ●
                            (金子) 121 3/4 lbs                 (森岡) 121 3/4 lbs
                   WBC13位,IBF9位                 まるた・ひなた

 初回,大竹は前に出てワンツー,左アッパーのボディブロー。丸田は右ストレートをヒットする。大竹は青コーナーに丸田を詰めるが,逆に左アッパー,右ストレートを返す。若さに似合わず落ち着いている丸田。
 序盤は一進一退の展開が続いたが,中盤からは大竹が老獪さを前面に出してリードを広げた。プレスを強め,接近してショートの左右フック,アッパーを連打する大竹。丸田は出バナに左ジャブをヒットするが,押し込まれている。
 6回に入ると主導権は完全に大竹の手中に納まった。右フックをクリーンヒットし,終盤には丸田をニュートラルコーナーに詰めて上下にショートの連打を浴びせる。
 8・9回,カウンターを狙っているのか,丸田は青コーナー,ロープを背負う時間が長い。大竹は角度を変えた左右フック,アッパーを連打する。
 10・11回,体を寄せた大竹が軽い連打からボディに左アッパーを打ち込む。
 12回,ようやく闘志を前面に出して激しい攻撃に出る。しかし,逆にラストラウンドは譲らないとばかりに大竹が連打で圧倒した。

 典型的なベテランと新鋭の対決。大竹が老獪なテクニックで若い丸田を翻弄し,2度目の防衛に成功した。勢いがある丸田にリズムを掴ませないように先手で押し込んで攻めたことが勝因。上下内外に緩急をつけた左右フック,アッパーの連打でポイントを積み重ねた。軽いパンチを打って,ガードの隙間に強いパンチを打ち込むなどのベテランらしい試合運びでホープの前に立ち塞がった。
 丸田は長身で長いリーチを誇る右ボクサータイプ。関西大北陽高(大阪)時代に2年連続でインターハイ準優勝という実績を持ち,2014年11月にB級デビューを果たしている。長いリーチを生かした左ジャブ,右ストレートを武器としている。カウンターを狙っていたのか,コーナーやロープを背負う場面が多くなり,見栄えの悪さばかりが目立った。最終回にようやく挑戦者らしく攻めたが,序盤からそれをやるべきだった。浅いキャリアを露呈してしまったと言える。

採点結果 大竹 丸田
主審:福地勇治 *** ***
副審:ランディ・カルアグ(比国) 116 112
副審:中村勝彦 117 111
副審:葛城明彦 116 112
参考:MAOMIE 118 110


     ○大竹:35戦30勝(13KO)2敗3分     36歳     身長:172cm
     ●丸田:6戦5勝(4KO)1敗           20歳     身長:177cm

     放送:TBS
     解説:長谷川穂積     ゲスト:岩佐亮佑
     実況:土井敏之

このページのトップに戻る


                     2017年10月22日(日)    両国国技館
                      WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)   T K O     チャンピオン
                ○   村田諒太    7回終了    アッサン・エンダム   ●
                              (帝拳) 160 lbs                  (フランス) 158 3/4 lbs
                            WBC3位

 初回,エンダムは打ち合いを避けるように左右に動き,ワンツー,左右フックを放つ。村田は不敵な笑みを浮かべて迫り,左右フックのボディブロー,右ストレートを浴びせる。
 2回,エンダムを赤コーナーに詰めて右ストレートを打ち下ろす村田。エンダムは動きながら左右フックを連打するが,危なくなるとクリンチに出る。3回,左右アッパーのボディブローで迫る村田に対し,エンダムも右アッパーを返す。しかし,村田の右ストレートがカウンターになる。
 4・5回,村田のプレスがさらに厳しくなる。弱気な面を見せたエンダムはクリンチに出て,体のバランスも崩れている。
 6回,村田は右ストレート,フック,ボディへの左アッパーを打ち込んで攻勢。終盤,村田のワンツーが決まり,エンダムの腰が落ちる。
 7回,容赦ない村田の攻撃が続く。エンダムは足を使って動くだけで,倒されまいとする姿勢が見え見えになった。7回終了後のインターバル中に,これ以上戦っても勝ち目がないと見たエンダム陣営が棄権を申し入れ,試合がストップされた。

 村田が2度目の挑戦で悲願の世界タイトル奪取を果たした。五輪のメダリストからプロの世界チャンピオンになったのは村田が日本人初という快挙である。今年5月にエンダムに惜敗した第1戦では手数の少なさが災いしたが,今夜はその反省を受けて序盤から積極的に仕掛けたことが勝因。プレスをかけて中盤に仕留めようという狙いに加え,ポイント勝負になった場合も想定し,ジャッジ映えを意識して早めにリードを広げることを意識した戦い方が奏功した。長身から打ち下ろす右ストレート,フック,重い左アッパー,右フックのボディブローは圧巻。上下への打ち分けの妙とパワーでエンダムを降参に追い込んだ。
 エンダムは初防衛に失敗。右ボクサーファイターで,フットワークを駆使しながらワンツー,左右フックを連打する。ガードの上からでも連打を浴びせてポイントを取る老獪さがある。ミドル級としてはスピードがあるテクニシャン。今夜は村田のプレスに負けて後退やクリンチが多くなり,消極的な姿勢が目立った。

7回までの採点 村田 エンダム
主審:ケニー・ベイレス(米国) *** ***
副審:ラウル・カイズ・ジュニア(米国) 69 64
副審:ロバート・ホイル(米国) 68 65
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 70 63
参考:MAOMIE 70 63


     ○村田:14戦13勝(10KO)1敗        31歳     身長:183cm     リーチ:188cm
     ●エンダム:39戦36勝(21KO)3敗     33歳     身長:181cm     リーチ:188cm

     放送:フジテレビ
     解説:長谷川穂積     ゲスト:井上尚弥
     実況:森 昭一郎

このページのトップに戻る


                      2017年10月22日(日)    両国国技館
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O  挑戦者(同級5位)
                ○   比嘉大吾   7回1分10秒   トマ・マソン   ●
                            (白井具志堅) 112 lbs                (フランス) 111 3/4 lbs

 初回,早くも比嘉が飛び込んで左フックをヒットし,接近して左右フック,アッパーを上下に連打する。マソンも左ジャブ,右ストレートを返すが,スピードがある。
 ガードが堅いマソンをロープに詰めて上下に左フック,アッパーを連発する比嘉。4・5回,マソンも右ストレートで応戦して気が強いところを見せるが,比嘉のボディ打ちが徐々に効いている。
 6回,比嘉の右アッパーでマソンがクリンチに出る。さらにボディに打ち込まれた左アッパーが効き,嫌な表情を浮かべてロープに詰まるマソン。マソンは終盤に反撃に出るが,逆に比嘉の倍返しの猛攻に見舞われた。
 7回,比嘉は左フック,アッパーを連打。マソンは唸り声を発して攻勢に転じるが,比嘉の左フックで右膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったが,右目下をカットしている(比嘉の有効打による傷)。さらに傷めた右目の状態を確認するためにドクターチェックを受ける。結局試合続行不能となり,試合がストップされた。

 比嘉がパワーを全開させて欧州型テクニシャンのマソンを粉砕し,初防衛に成功した。ガードを固めながら左ジャブを刺し,体を寄せて左フック,アッパーを上下に連打した。ガードが堅くてスピードがあるマソンは楽な相手ではなく,倒すのは難しい。それをしっかりフィニッシュに持ち込んだことは今後の比嘉にとって大きい意味を持つだろう。
 マソンは右ボクサーファイターだが,どちらかというとファイタータイプに近い。ガードを固めると打つ場所に困るほど,優れたディフェンス力を持っている。攻撃は左ジャブ,右ストレート主体で,バラエティが豊富というわけではないが,気の強さを前面に出して攻勢に出る。6回に受けた左ボディブローが効いてしまい,ここから下降線を辿った。

6回までの採点 比嘉 マソン
主審:トム・テイラー(米国) *** ***
副審:マイク・ロス(米国) 60 54
副審:リム・ジュン・バエ(韓国) 59 55
副審:アレハンドロ・ロチン(メキシコ) 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○比嘉:14戦14勝(14KO)          22歳     身長:161cm     リーチ:166cm
     ●マソン:22戦17勝(5KO)4敗1分     27歳     身長:167cm     リーチ:172cm

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃     ゲスト:井上尚弥
     実況:竹下陽平

このページのトップに戻る


                      2017年10月22日(日)    両国国技館
                     WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○   拳四朗    判 定    ペドロ・ゲバラ   ●
                            (BMB) 107 1/2 lbs              (メキシコ) 107 1/2 lbs

 序盤はゲバラのペースで進んだ。拳四朗は左に回りながら左ジャブを打つが,ガードを高く構えたゲバラのワンツー,ボディへの左アッパーに悩まされる。2回にはゲバラの左ジャブで拳四朗の顔が上を向く場面も見られた。4回終了間際,ようやく拳四朗の右アッパーがヒットするが,ここまでは完全にゲバラが主導権を押さえていた。
 しかし,5回に入ると作戦を変えた拳四朗が前に出る。左ジャブから右ストレート,ボディに左右アッパーを打って先手で攻めれば,試合の流れは一気に拳四朗に傾いた。ゲバラは左目上をカット(拳四朗の有効打による傷)。
 ここからは拳四朗が積極的な攻撃でポイントを挽回した。6回,右ストレートからの左アッパーがアゴに決まる。ゲバラは左右アッパーのボディブローで反撃するが,逆に拳四朗の右フックがヒット。7回には拳四朗が連打した左右アッパーのボディブローでゲバラの動きが鈍る。拳四朗がゲバラを追いかける場面が多くなった。さらに終盤には拳四朗の右ストレートがヒットした。
 9回,拳四朗の右アッパーがローブローになり,一時中断。しかし,終盤に拳四朗が強烈な左右アッパーのボディブローで攻勢に出る。これが効いたゲバラは上体を丸めて耐えた。10回,顔面への左フックからボディに左右アッパーを打ち込む拳四朗。苦しくなったゲバラはクリンチに出る。拳四朗は右ストレートのカウンターもヒットし,完全に優位に立った。
 11回,拳四朗は左アッパーのボディブロー,右フックで攻勢。ゲバラも応戦するが,元気がない。主導権は完全に拳四朗の手中に納まった。
 12回,拳四朗が強烈な左右アッパーを打ち込んで打ち合いを制した。右アッパーでぐらついたゲバラは動きが鈍い。

 拳四朗が中盤以降の追い上げで初防衛に成功した。特に3回まではゲバラの積極的な攻撃で後手に回った。潮目が変ったのは積極的な姿勢に転じた5回。それによって一気に流れを引き寄せたことが最大の勝因。効果的だったのは,ボディへの強烈な左右アッパー。これでゲバラの動きを鈍らせたことが優位に立てた要因だった。序盤から積極的に攻めていれば,終盤にストップできた可能性もある。しかし,元王者でパンチ力があるゲバラを押し切ったことは大きい自信になるはず。
 ゲバラは2014年12月に空位のWBC世界ライトフライ級王座を八重樫東(大橋)と争い,7回KO勝ちでタイトルを獲得した。2度の防衛を果たした後,木村悠(帝拳)に明け渡している。右ボクサーファイターで,右ストレート,左フックを武器としており,左アッパーのボディブローも強い。ガードを高く構えたところからKOパンチを繰り出す試合スタイルが身上。しかし,拳四朗のボディブローは相当堪えたはず。終盤はボディ打ちで上体を丸めたり,クリンチに逃れる場面が多くなった。

採点結果 拳四朗 ゲバラ
主審:エクトル・アフー(パナマ) *** ***
副審:マイク・ロス(米国) 116 112
副審:リム・ジュンバエ(韓国) 115 113
副審:アレハンドロ・ロチン(メキシコ) 114 114
参考:MAOMIE 117 111


     ○拳四朗:11戦11勝(5KO)           25歳     身長:164cm     リーチ:164cm
     ●ゲバラ:34戦30勝(17KO)3敗1分     28歳     身長:163cm     リーチ:170cm

     放送:BSフジ
     解説:川島郭志     ゲスト:八重樫 東
     実況:立本信吾

このページのトップに戻る


               2017年10月28日(土)    プリンシパリティ・スタジアム(英国:カーディフ)
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
               ○   カリド・ヤファイ    判 定    石田 匠   ●
                            (英国) 114 1/2 lbs               (井岡) 114 1/2 lbs

 初回から重心を低くしたヤファイが左ジャブ,フックでプレスをかける。石田はまともには打たせていないが,様子見。3・4回,ヤファイは左ジャブ,ボディへの左右フックで押していく。石田はこの辺から出ていかなければならないが,見てしまって手数が少なく,後手に回る。
 5回,ヤファイのマウスピースが落ちて一時中断。再開後,石田が左ジャブ,右ストレートを放って前に出る。初めてヤファイを下がらせる石田。この展開を続けたいが,長くは続かない。7回前半は石田が左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右アッパーでいい流れを作ったが,左フックのボディブローが効いて後退してしまう。再び後手に回った石田に対し,ヤファイが積極的な攻撃を展開した。
 8回,ヤファイの左フックでロープに詰まる石田。9・10回もヤファイが先手を取った。
 11・12回,ヤファイの疲れに乗じた石田がショートのワンツー,左右アッパーを連打してポイントを挽回したが,時すでに遅し。

 敵地で初挑戦となった石田だが,全般を通じて消極的な試合運びに終始し,大差で敗れた。待ちのボクシングになって後手に回ってしまったことが敗因。5回に見せたように,左ジャブを多用して自ら積極的に仕掛けていればと悔やまれる。この場面ではヤファイが後退していたし,終盤には疲れが出てクリンチに出る場面もあった。石田の戦い方次第では絶対に勝てない相手ではなかったはず。
 ヤファイはイエメン系英国人。右ボクサーファイターで右ストレート,左フック,アッパーの連打を得意としている。広いスタンスから重心を低くして接近し,上下にパンチを放つ。それだけに石田が積極的に戦っていればと悔やまれる。

採点結果 ヤファイ 石田
主審:ハワード・ジョン・フォスター(英国) *** ***
副審:スティーブ・グレイ(英国) 118 110
副審:パウエル・カルディニ(ポーランド) 116 112
副審:ロン・マックネア(米国) 116 112
参考:MAOMIE 117 111


     ○ヤファイ:23戦23勝(14KO)      28歳     身長:163cm
     ●石田:25戦24勝(13KO)1敗     25歳     身長:173cm

     放送:WOWOW
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2017年9月に戻る     2017年11月に進む →

ホームページのトップに戻る