熱戦譜〜2017年9月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2017.09.02 10回戦  伊藤雅雪  TKO6R  グレン・エンテリナ
2017.09.02 8回戦  日野 僚  判定  中澤 奨
2017.09.03  WBA世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ダニエル・ローマン  TKO9R  久保 隼
2017.09.03  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 中谷正義  TKO4R  ライアン・セルモナ
2017.09.09  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 シーサケット・ソールンビサイ  KO4R  ローマン・ゴンザレス
2017.09.09  WBO世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  TKO6R終了  アントニオ・ニエベス
2017.09.13  IBF世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 岩佐亮佑  TKO6R  小國以載
2017.09.13  WBO世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田中恒成  TKO9R  パランポン・CPフレッシュマート
2017.09.13 8回戦  和氣慎吾  KO8R  パノムルンレック・CPフレッシュマート
10 2017.09.13 8回戦  山本隆寛  KO1R  スーパージェン・シットサイトーン
11 2017.09.23  WBA世界ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 ホルヘ・リナレス  判定  ルーク・キャンベル

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2017年8月に戻る     2017年10月に進む →


                        2017年9月2日(土)    後楽園ホール
                                 10回戦
                WBO世界S・フェザー級3位   T   K  O    比国S・フェザー級5位
                ○   伊藤雅雪     6回1分32秒     グレン・エンテリナ   ●
                             (伴流) 133 1/4 lbs                          (比国) 133 lbs
         WBC11位,IBF10位,OPBF王者,WBOアジアパシフィック王者

 初回,伊藤はよく見てボディに左ジャブを突きながら様子を見る。しかし,エンテリナの右ストレートのボディブローの打ち終わりに右アッパーを返され,バランスを崩してクリンチに逃れる場面が見られた。
 2回にも左フックの打ち終わりにエンテリナの左フックをカウンターされる伊藤。しかし,中盤,タイミングのいい右ストレートでエンテリナの腰が落ちる。2分過ぎにも伊藤の右ストレートがヒット。
 エンテリナのシャープなパンチに戸惑った伊藤だが,3回に入ると目が慣れてきたのか,落ち着きを取り戻した。
 4回,伊藤のパンチのタイミングが合い始める。左ジャブでエンテリナのアゴが上がる。終盤,狙い澄ました右ストレートがアゴの先端に決まる。伊藤が右・左・右と畳みかければ,エンテリナは腰から落ちてダウン(カウント8)。
 5回,伊藤は冷静に見ながら左アッパーのボディブロー,左ジャブ,右ストレートを見舞う。
 6回,左ジャブで探り,フェイントをかけながらチャンスを窺う伊藤。矢のような右ストレートがアゴに決まり,マウスピースがこぼれ落ちたエンテリナは動きが止まる。一気にラッシュする伊藤。エンテリナは必死に抱きついて凌ぐが,ワンツーの連打でよろめく。グラブをキャンバスにつきそうになったところでマーチン主審が試合をストップした。

 伊藤がフィリピンのホープを相手に見事なTKO勝利。動きに硬さが見られた序盤は打ち終わりをエンテリナのシャープなパンチで突かれていたが,3回以降は冷静に立て直した。右ストレートのタイミング,切れは抜群。左ジャブを上下に打ったり,フェイントをかけながら右を打ち込むチャンスを自ら作ったことが大きい。世界ランクの上位に名を連ね,世界挑戦に期待がかかる。
 エンテリナは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックに切れがあり,相手の打ち終わりに合わせるカウンターのタイミングがいい。序盤にこのカウンターで伊藤を苦しめたように,侮れない相手である。しかし,右を打つときに体のバランスが崩れ,アゴががら空きになる欠点がある。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&岡庭 健&ウクリッド・サラサス
     ○伊藤:24戦22勝(11KO)1敗1分        26歳     身長:174cm
     ●エンテリナ:15戦11勝(8KO)3敗1分     22歳     身長:170cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

このページのトップに戻る


                      2017年9月2日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                 日本フェザー級(ノーランク)      日本フェザー級11位
                ○   日野 僚    判 定    中澤 奨   ●
                           (川崎新田) 125 3/4 lbs           (大阪帝拳) 126 lbs

 右の中澤,左の日野。初回,日野が左ストレートをボディに打ち,外から右フックをかぶせる。中澤は終盤にもワンツーでぐらついてバランスを崩す。
 2回,不用意に出たところに右フックが軽く当たり,中澤は両グラブをキャンバスについてダウンを取られた(カウント8)。変則的な動きから日野が左ストレート,右フックで攻勢に出る。
 5回,日野の左ストレートがボディに決まり,これが効いた中澤が後退する場面があった。日野はよく見てパンチをかわし,右ジャブ,左ストレート,右フックを先に打つ。6回,中澤に焦りが見られ,正面から左右フックで攻めるが,逆にパンチを返される。中澤は鼻から出血。
 7回,中澤の右ストレートの前に日野の右フックがカウンターになった。左ストレートでのけぞらせ,さらに左アッパーを打ち込む日野。
 8回,日野に疲れが見えるが,中澤も正確さに欠ける。それでも攻勢で上回り,ラストラウンドは中澤が押さえた。

 日野がランカーの中澤を破り,ランク入りを有望にした。サウスポーのボクサーファイターで,アマ経験はなく,文字通りの叩き上げである。やや変則的なタイミングで放つ左ストレート,右フックで出バナを叩いた。中澤の出バナに突く右ジャブも効果的だった。目と勘に優れ,相手のパンチを殺すのがうまい。
 中澤はこれから上位を目指そうという矢先に手痛い取りこぼしとなった。序盤から左右フックで仕掛けたが,力みが目立って正確さに欠けた。常に先手を取られ,追い込まれて浮足立つ場面が目立った。最後まで変則的な日野と噛み合わず,完敗に近い試合内容。

採点結果 日野 中澤
主審:中村勝彦 *** ***
副審:葛城明彦 77 74
副審:岡庭 健 78 73
副審:ビニー・マーチン 79 73
参考:MAOMIE 78 73


     ○日野:13戦11勝(6KO)1敗1分     26歳     身長:175cm
     ●中澤:12戦10勝(4KO)2敗        24歳     身長:171cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

このページのトップに戻る


                        2017年9月3日(日)    島津アリーナ京都
                      WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級2位)    T   K  O    チャンピオン
                ○   ダニエル・ローマン    9回1分21秒    久保 隼   ●
                              (米国) 121 3/4 lbs                    (真正) 121 3/4 lbs

 距離を取りたい左の久保,接近したい右のローマンという対照的な組み合わせ。ともにジャブで牽制しながら突破口を探る。久保は右ジャブから左アッパーのボディブロー。ローマンは右アッパーのボディブローから左アッパー。
 初回こそ好調な滑り出しを見せた久保だが,それ以降はローマンの積極的な攻撃で徐々に被弾が増えた。ローマンは上体を揺すりながら前に出て,右ストレート,左アッパーで攻勢。久保は正面に立ち,パンチをもらって棒立ちになる場面が目立つ。
 6回に入ると試合はワンサイドゲームの様相を呈した。久保は足を止めてブロックでかわそうとするが,かえって左右アッパーでボディを打たれた。ローマンはいよいよ勢いに乗り,右ストレート,左右アッパー,左フックで攻勢。再三ぐらつく久保。終盤にはロープに詰まり,ダウン寸前に追い込まれた。
 7回,序盤から攻勢に出るローマン。右アッパーでぐらついた久保はフォローの右ストレートで大きくよろめいて後退し,腰から落ちてダウン(カウント9)。立ち上がったものの,攻勢に晒されて再三ぐらつき,再びダウン寸前のピンチ。辛うじてゴングに救われた。
 8回,久保はワンツーで応戦するが,逆にローマンのパンチをもらう場面が目立つ。終盤,右アッパーに次ぐ右ストレートをもらった久保はロープ際で左膝をついてダウン(カウント8)。
 9回,動きが鈍い久保。ローマンは勝負に出る。ロープに詰まった久保は左フックで大きくのけぞる。左アッパーから右ストレートをフォローされた久保は大きくバランスを崩す。力なくよろめいて再びロープ際に後退したところでプラヤドサブ主審が試合をストップした。

 久保は惨敗に近い試合内容で初防衛に失敗。サウスポーのボクサーファイターで左ストレートを武器としているが,スピードがなく,足が動かず,おまけに正面に立ってしまっては倒されて当然。上体も頭も振れていないため,格好の標的になってしまった。攻め込まれた時の対処法が全くできていなかったことが敗因。もう少し左右に動いたり,クリンチに出るなどの方法があったはず。今年4月にネオマール・セルメニョ(ベネズエラ)からタイトルを奪った試合でも打ち込まれてダウンするなど,常に危うさがついて回る。厳しい言い方だが,全くの無策で未熟な面ばかりが目についた。捲土重来に期待する。
 ローマンは右ファイタータイプで右ストレート,左フック,上下への左右アッパーを回転させる。驚くようなスピードや一発の破壊力はないが,上下への打ち分けで久保を弱らせた。

8回までの採点 ローマン 久保
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:ジャン・フランソワ・トゥーパン(フランス) 79 72
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 80 70
副審:エルナンド・ステイデル(プエルトリコ) 80 70
参考:MAOMIE 79 71


     ○ローマン:26戦23勝(9KO)2敗1分     27歳     身長:166cm     リーチ:171cm
     ●久保:13戦12勝(9KO)1敗          27歳     身長:176cm     リーチ:180cm

     放送:BSフジ
     解説:長谷川穂積
     実況:大橋雄介

このページのトップに戻る


                      2017年9月3日(日)    島津アリーナ京都
                       東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   中谷正義   4回1分24秒   ライアン・セルモナ   ●
                               (井岡) 135 lbs                   (比国) 134 1/2 lbs
                  WBA11位,WBC6位,IBF7位        比国ライト級チャンピオン

 右の中谷,左のセルモナ。初回から中谷が主導権を握った。左ジャブを鋭く突いてチャンスを窺い,ワンツーにつなげる。
 3回,セルモナは接近して左右フック,アッパーを振るが,スピードがない。逆に中谷が右ストレート2発を浴びせれば,セルモナは崩れ落ちて仰向けにダウン(カウント8)。中谷の右ストレート,左フックでロープに詰まるセルモナ。青コーナーで右ストレートが決まり,左膝から崩れて2度目のダウン(カウント8)。
 4回,中谷はよく見て左ジャブ,右ストレートから左アッパーのボディブローで攻め立てる。ロープに詰まったセルモナは中谷の攻勢からの左フックで前に崩れ落ちてダウン。『もう戦えない』というジェスチュアを見せるセルモナ。ここで原田主審が試合をストップした。

 中谷が圧勝で8度目の防衛に成功。スピードの差を見せつけ,相手を全く寄せ付けなかった。圧倒的なスピードとリーチの差を生かした左ジャブ,右ストレートで序盤から自分のペースに引きずり込んだ。このクラスでの世界挑戦はなかなか困難。もうワンランクもツーランクも上の相手と戦って,さらにアピールすることが必要だろう。
 セルモナはサウスポーのファイタータイプ。左右フック,アッパーを得意としているが,スピードがない。接近して打ち合いに持ち込みたいところだったが,中谷の左ジャブ,右ストレートに阻まれた。

     主審:原田武夫,副審:宮崎久利&ピニット・プラヤドサブ(タイ)&シルベストレ・アバインザ(比国)
     ○中谷:15戦15勝(9KO)              28歳     身長:182cm     リーチ:180cm
     ●セルモナ:30戦20勝(13KO)9敗1分     29歳     身長:163cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

このページのトップに戻る


           2017年9月9日(土)    スタブハブセンター(米国カリフォルニア州カーソン)
                      WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       K      O   挑戦者(同級1位)
            ○   シーサケット・ソールンビサイ   4回1分18秒   ローマン・ゴンザレス   ●
                              (タイ) 115 lbs                        (ニカラグア=帝拳) 114 3/4 lbs

 左のシーサケット,右のゴンザレス。ゴンザレスの滑り出しは左ジャブ,ワンツーから。シーサケットは右ジャブから上下に左ストレート,ボディに右アッパー,フックを打つ。
 2回,シーサケットのスウェイバックでゴンザレスの右ストレートが流れる。シーサケットは左ストレート,右フックからボディに左アッパーを打ち込む。シーサケットの左ボディブローが効く。
 3回,ゴンザレスの左ジャブ,ワンツーに対し,シーサケットは接近して的確なパンチを打ち込む。ゴンザレスが攻めるとさっと離れて射程外に出るシーサケット。
 4回,衝撃的な幕切れが見られた。ボディから顔面に右フックを打ち込んで右に回り込むシーサケット。ワンツーの連打から切り返した右フックがアゴに決まり,ゴンザレスはキャンバスに落下してダウンを喫した(カウント8)。一気に襲いかかるシーサケット。ゴンザレスも応戦するが,またも右フックのカウンターが炸裂。ゴンザレスは糸が切れた操り人形のように再びキャンバスに落下。大の字に沈んだところでテイラー主審が試合をストップした。

 シーサケットがゴンザレスを返り討ちに沈めて初防衛に成功。今年3月にゴンザレスから王座を奪ったが,前回を上回る圧巻のKO勝利となった。強打のゴンザレスに打ち負けることなく,接近戦や中間距離で的確なパンチを打ち込んだ。相手が攻めてくるとスウェイバックでかわし,巧みに距離を置いて攻撃を封じた。勇敢な戦い方と派手なダウンシーンばかりが目立ったが,細かい位置取り,間合いの置き方に優れたものがあった。
 王座奪回を目指したゴンザレスだが,いいところを出せずに完敗。持ち味の回転力に陰りが見え,パンチに対する反応も今一つだった。ダウンを食ったのも,スピード,切れのない右を打とうとしたところに右フックのカウンターを返されたもの。バッティングを気にして集中力を欠いた面もあった。

     主審:トム・テイラー(米国),副審:スティーブ・モロー(米国)&ジェシー・レイジェス(米国)&アレハンドロ・ロチン(メキシコ)
     ○シーサケット:49戦44勝(40KO)4敗1分     30歳     身長:160cm     リーチ:161cm
     ●ゴンザレス:48戦46勝(38KO)2敗         30歳     身長:160cm     リーチ:163cm
     放送:WOWOW     解説:浜田剛史&西岡利晃     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

このページのトップに戻る


             2017年9月9日(土)    スタブハブセンター(米国カリフォルニア州カーソン)
                      WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン      T K O     挑戦者(同級7位)
               ○   井上尚弥    6回終了    アントニオ・ニエベス   ●
                             (大橋) 115 lbs                   (米国) 113 3/4 lbs

 開始早々から相手を呑んでしまったかのように井上が攻め込んだ。鋭い左ジャブ,ストレートを刺し,左フック,アッパー,さらに右ストレートからボディに左アッパーを打ち込む。ニエベスは早くも顔面が紅潮する。
 3回,一段とギヤを上げる井上。ワンツー,ボディへの左右アッパーで容赦なくロープに詰めてプレスをかける。
 5回中盤,ボディに左アッパーを打ち込まれたニエベスは後退。ロープ際に下がったところで再び井上の左アッパーがボディに決まり,ニエベスはたまらず右膝をついてダウン(カウント8)。さらに左右アッパーのボディブロー,左ジャブ,右ストレートで攻め上げれば,ニエベスは完全に後退オンリーに陥る。ボディを打たれまいと上体を折り曲げて腰を引くニエベス。
 6回,井上の容赦ない攻勢にロープからロープに逃げるだけのニエベスに対し,井上は攻めてこいというジェスチュアで挑発する。結局6回終了後のインターバル中にニエベスのセコンドが棄権を申し入れ,モレット主審が試合をストップした。

 本場・米国に初見参の井上がこれ以上ないインパクトを与え,6度目の防衛に成功。今後を占うには力不足の相手だったが,十分にアピールできたはず。序盤から上下への打ち分けが冴え,厳しい攻めで圧倒した。鋭い左ジャブ,ストレートを突破口として,右ストレート,ボディへの左右アッパーを打ち込んだ攻撃が圧巻。初の海外遠征でも全く動じた様子がなく,”モンスター”の異名を轟かせるには十分な試合内容である。継続的に米国でのオファがあるだろう。今回は相手のレベルが物足りなかったが,次はもうワンランク上の相手とのカードが組まれることに期待したい。
 ニエベスは右ボクサーファイター。右ストレート,左右フックを得意としているが,井上とはスピード,パンチ力だけでなく,すべての面で大きな開きがあった。ボディ攻めがきつくなってからは,打たれまいとする意図が露骨になった。

5回までの採点 井上 ニエベス
主審:ルー・モレット(米国) *** ***
副審:ラリー・ハザード・ジュニア(米国) 60 53
副審:フェルナンド・ビラレアル(米国) 60 53
副審:ザック・ヤング(米国) 60 53
参考:MAOMIE 60 53


     ○井上:14戦14勝(12KO)            24歳     身長:165cm     リーチ:169cm
     ●ニエベス:21戦17勝(9KO)2敗2分     30歳     身長:163cm     リーチ:174cm

     放送:WOWOW
     解説:浜田剛史&西岡利晃
     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

このページのトップに戻る


                2017年9月13日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                    IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級3位)  T  K  O    チャンピオン
                ○   岩佐亮佑   6回2分16秒   小國以載   ●
                            (セレス) 121 3/4 lbs                (角海老宝石) 121 3/4 lbs

 右の小國,左の岩佐。初回,ともにジャブで牽制し,ストレートでボディを狙う。終盤,岩佐のタイミングのいい左ストレートがカウンターになり,小國は呆気なく尻餅をつく(カウント8)。
 2回,小國はワンツー,右ストレートを伸ばすが,動きが硬く,岩佐の左ストレート,右フックのカウンターを食う。終盤,岩佐の鮮やかな左ストレートが決まり,背中からキャンバスに叩きつけられてダウン(カウント8)。終了間際にも岩佐の左ストレートがカウンターになり,小國は尻餅をついた(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われる小國。
 3回,小國は右ストレートを振って前に出るが,再三左ストレートを受けて腰が落ちる場面も見られた。
 4回,左ストレートでロープに飛ばされる小國。首を抑えながら右アッパーのボディブローを見舞った岩佐は減点されたが,優位は動かない。一方の小國は正面に立ち,被弾が目立った。5回,小國は右目下を腫らしながら敢然と攻めるが,岩佐の冷静な見極めに阻まれる。
 6回,小國は死力を振り絞って攻めるが,いよいよ敗色濃厚。岩佐はショートの左ストレートでロープに詰め,ボディに左右アッパーを連打。手負いの小國は岩佐をロープに詰めて反撃するが,口からの出血が酷くなる。ここでドクターチェックの結果,試合続行不能とされ,試合がストップした。

 プロ入り10年目の岩佐が2度目の挑戦で悲願の世界タイトルを獲得した。スピードがあるボクサータイプの小國が相手だけに,噛み合わなかった場合に難しい試合になる可能性があったが,冷静な試合運びでワンサイドゲームにした。力みのないショートの左ストレートを再三ヒットしてぐらつかせた。大振りせず,小刻みな右ジャブでタイミングを取りながらカウンターの左ストレートを決めるチャンスを作った。ボディ攻撃が少なかったが,安定感十分で見事な試合内容である。
 小國は初防衛に失敗。動きに硬さが出て正面に立ち,格好の標的になってしまったことが敗因。サウスポー相手に右回りしたため,被弾を増したことも響いた。逆に左に回って右ストレートあるいは左ボディブローで序盤に主導権を握る戦略をとっていればと悔やまれる。

5回までの採点 岩佐 小國
主審:ウェイン・ヘッジペス(米国) *** ***
副審:アラン・デービス(カナダ) 48 44
副審:中村勝彦 49 43
副審:島川 威 49 43
参考:MAOMIE 49 42


     ○岩佐:26戦24勝(16KO)2敗       27歳     身長:171cm     リーチ:180cm
     ●小國:22戦19勝(7KO)2敗1分     29歳     身長:172cm     リーチ:176cm

     放送:TBS
     解説:飯田覚士&内藤大助
     実況:杉山真也

※ 第4ラウンド,首を押さえながらの加撃によって岩佐は減点1。

このページのトップに戻る


                  2017年9月13日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                       WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O      挑戦者(同級13位)
                ○   田中恒成   9回1分27秒   パランポン・CPフレッシュマート   ●
                              (畑中) 108 lbs                     (タイ) 107 1/2 lbs

 初回,左に回りながらフェイントをかけ,スピーディな左ジャブを突く田中。様子見のパランポンに対し,絶好調の滑り出しを見せたが,終盤,タイミングのいい右ストレートをもらい,田中は後方に大きくバランスを崩してダウン(カウント8)。
 不覚のダウンを喫した田中だが,2回以降はスピードの差を見せつけてリードを重ねた。3回,パランポンは左フック,右ストレート,左ジャブを放つ。田中は左目上が腫れているが,左に回りながら左ジャブ,右ストレートをヒット。5回,田中の左アッパーが再三ボディに決まり,パランポンは上体を丸める。田中はさらに右ストレートを浴びせる。
 6回,田中は右目上をカット(パランポンの有効打による傷)。左目上を腫らし,右目上から出血しながら前に出て,下から上に左アッパーを打ち込む田中。
 頻りに右目上の傷を気にする田中。8回,積極的に攻めるパランポンに対して後手に回るが,ラウンドの後半に反撃に転じる。右ストレート,左フック,アッパーで攻勢に出る。
 9回,再び田中の足が動き始め,ショートの連打が回転する。リング中央で矢のようなワンツーが決まり,パランポンは背中からキャンバスに叩きつけられてダウン(カウント8)。立ち上がったが,田中の攻勢に晒される。速射砲のようなワンツー,左フックを浴びたパランポンはよろめきながらも反撃の構えを見せる。しかし,さらに左フック,右ストレートを浴びせたところでラミレス主審が試合をストップした。

 田中が連打を爆発させて2度目の防衛に成功。序盤に不覚のダウンを喫したり,右目上を負傷して苦しい場面もあったが,試合そのものはほぼ完勝と言える。鋭い出入りを利かせたフットワークで左に回り込み,左ジャブでコントロールした。多用していた左アッパーのボディブローで動きを鈍らせたことが効いた。スピーディなワンツー,左フック,アッパーの速攻は見事。しかし,左眼窩底骨折とのことで,長いブランクは避けられないだろう。年末に予定されていたWBA王者・田口良一(ワタナベ)との統一戦は白紙に戻る見込み。
 パランポンは右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートが強く,カウンターのタイミングもいい。しかし,やはりスピードでは遥かに及ばなかった。スピーディなコンビネーションブローと左ボディ打ちで徐々に動きが鈍った。

8回までの採点 田中 パランポン
主審:ロベルト・ラミレス・ジュニア(プエルトリコ) *** ***
副審:ジェラルド・ホワイト(米国) 77 74
副審:ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ) 77 74
副審:ビル・ラーチ(米国) 76 75
参考:MAOMIE 78 73


     ○田中:10戦10勝(6KO)           22歳     身長:164cm     リーチ:161cm
     ●パランポン:32戦24勝(10KO)8敗     32歳     身長:162cm     リーチ:162cm

     放送:TBS
     解説:飯田覚士&内藤大助
     実況:赤荻 歩

このページのトップに戻る


                      2017年9月13日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                                8回戦
                 日本S・バンタム級10位   K      O     WBA世界バンタム級7位
                ○   和氣慎吾    8回2分45秒   パノムルンレック・CPフレッシュマート   ●
                             (FLARE山上) 122 lbs                          (タイ) 121 1/4 lbs

 サウスポー同士の対戦。じりじりと前に出るパノムルンレックに対し,和氣は軽快に動きながら右アッパーをボディに打つ。
 3回,出バナを捉えて的確に左右アッパーをボディに打ち込む和氣。構わず前に出るパノムルンレック。ロープに下がった和氣が左ストレートのカウンターを合わせれば,パノムルンレックは体を半回転させてキャンバスに落下(カウント8)。ロープに詰めて攻勢に出る和氣。
 4回以降,和氣は左ストレート,ボディに左右アッパーを的確に決めてリードを広げる。6・7回,パノムルンレックは執拗に出るが,和氣は軽快に動いてシャープなパンチを浴びせた。
 8回,右フックがアゴに決まり,ぐらついたパノムルンレックはロープに下がる。チャンスと見た和氣は攻勢に出る。左フックに次ぐ左ストレートを打ち込めば,パノムルンレックはロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がったが,そのままカウントアウトされた。

 世界再挑戦を目指す和氣が世界ランカーに快勝。持ち味のスピーディなボクシングが冴えた。左右への軽快な動きから左ジャブ,ストレート,ボディへの左右アッパーを的確にヒットした。執拗に出てくるパノムルンレックに対し,よくボディを攻めていた。右フックのカウンターからチャンスを掴み,最後の詰めも見事だった。
 パノムルンレックはサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,右フックを得意としており,KO率も高い。積極的に前に出て攻めたが,和氣のスピーディな動きについていけなかった。ガードの甘さも響いた。

     主審:川上 淳,副審:北村信行&池原信遂&近藤謙二
     ○和氣:29戦22勝(14KO)5敗2分          30歳     身長:175cm     リーチ:176cm
     ●パノムルンレック:53戦50勝(31KO)3敗     33歳     身長:161cm     リーチ:163cm
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

このページのトップに戻る


                   2017年9月13日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                                8回戦
                   日本バンタム級9位    K      O     タイ国バンタム級(ノーランク)
                ○   山本隆寛    1回2分43秒    スーパージェン・シットサイトーン   ●
                            (井岡) 123 1/2 lbs                         (タイ) 121 1/2 lbs

 左ジャブで探りながらじりじりと前に出る山本が落ち着いてチャンスを窺う。スーパージェンは様子見。体を寄せた山本が脇腹からアゴに左フックをダブれば,スーパージェンはその場に崩れ落ちる。大の字に沈んだまま立ち上がれず,カウントアウトされた。

 呆気ない幕切れ。元OPBF王者の山本があっさりとKOで試合を決めた。左ジャブを出しながらプレスをかけ,フィニッシュは見事なダブルの左フック。格下相手ではあったが,落ち着いた試合運びが印象に残る。
 スーパージェンは右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としている。オーソドックスな戦い方が特徴だが,打たれ脆さは致命的。

     主審:宮崎久利,副審:野田昌宏&川上 淳&原田武夫
     ○山本:25戦20勝(17KO)5敗     26歳     身長:171cm
     ●スーパージェン:戦績不詳        年齢不詳
     放送:youtube     解説:なし     実況:なし

このページのトップに戻る


             2017年9月23日(土)    イングルウッド・フォーラム(米国カリフォルニア州)
                      WBA世界ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
               ○   ホルヘ・リナレス   判 定   ルーク・キャンベル   ●
                         (ベネズエラ=帝拳) 134 1/4 lbs         (英国) 134 3/4 lbs
                         WBC名誉チャンピオン

 右のリナレス,左のキャンベル。ともに長いリーチからジャブで牽制するが,中盤,リナレスがロープに詰めてワンツーを浴びせる。
 2回,キャンベルは右ジャブから左ストレート,ボディへの左アッパーを放つ。しかし,2分過ぎ,リナレスが踏み込んで放ったワンツーが鮮やかに決まり,キャンベルは呆気なく尻餅(カウント8)。リナレスは速射砲のようなワンツー,左右フック,ボディへの左アッパーで攻勢。
 4回までは完全にリナレスのペースで進んだが,5回に入るとキャンベルが右ジャブ,左ストレートで挽回を始めた。6回,左アッパーのボディブローから返した右フックでリナレスのアゴが上がる。キャンベルはなおも長いリーチから繰り出すパンチでうまさを見せた。7回,キャンベルは右に回り,右ジャブ,左ストレートをコツコツと当てる。一方のリナレスは前に出ているもののパンチが当たらなくなり,攻め倦む場面が見られる。
 10回,前半はリナレスが左ジャブ,ワンツーで押し気味に進める。しかし,終盤はキャンベルが右ジャブをヒット。さらに左ストレートでリナレスの上体が大きく後方に反る場面が見られた。
 前半をリードしながら主導権を譲り渡したリナレスに対し,ポイントを挽回したキャンベル。終盤が勝負所だが,この場面をリナレスが押さえた。11回,手数が減ったキャンベルに対し,リナレスは左ジャブ,右ストレートで押していく。12回序盤,リナレスの右から左のショートフックでキャンベルの足が縺れる。さらにリナレスの左フックが決まる。この正念場でキャンベルの手数の少なさが目についた。

 リナレスが接戦を制し,2−1の判定で2度目の防衛に成功。2回にダウンを奪って圧勝かと思われたが,手数が思うように出ず,中盤からキャンベルの立ち直りを許してしまったことが苦戦の原因。勝負が縺れた終盤にポイントを押さえたことが勝利を呼び込んだ。
 キャンベルは長身のサウスポーでボクサータイプ。ロンドン五輪のバンタム級に出場し,準決勝で清水聡を破り,その勢いで金メダリストになっている。リーチを生かした右ジャブ,左ストレート,アッパーを得意としており,基本に忠実なスタイルが特徴。中盤から流石は金メダリストと唸らせる挽回を見せてリードしながら,肝心の11・12回にポイントを失ったことが敗因。勝てる試合を落としたという印象が強い。

採点結果 リナレス キャンベル
主審:ジャック・レイス(米国) *** ***
副審:マキシモ・デ・ルカ(米国) 114 113
副審:ビクトル・ラフリン(英国) 113 115
副審:ザック・ヤング(米国) 115 112
参考:MAOMIE 114 113


     ○リナレス:46戦43勝(27KO)3敗       32歳     身長:173cm     リーチ:183cm
     ●キャンベル:19戦17勝(14KO)2敗     29歳     身長:178cm     リーチ:180cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&飯田覚士
     実況:赤平 大     アシスタント:吉年愛梨

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2017年8月に戻る     2017年10月に進む →

ホームページのトップに戻る