熱戦譜〜2017年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2017.08.05  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 赤穂 亮  TKO9R  齊藤裕太
2017.08.05 8回戦  正木脩也  KO3R  プティポン・サイトーンジム
2017.08.10  WBOアジアパシフィック ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 小原佳太  TKO2R  ナロン・ボーンチャン
2017.08.10  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 井上岳志  TKO8R  長濱 陸
2017.08.10 8回戦  吉野修一郎  TKO2R  カティカー・サイトーンジム
2017.08.15  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ルイス・ネリ  TKO4R  山中慎介
2017.08.26  WBO世界スーパーウェルター級
 王座決定戦12回戦
 ミゲール・コット  判定  亀海喜寛
2017.08.27  WBO世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中竜也 判定  福原辰弥
2017.08.30 10回戦  井上拓真  判定  久高寛之

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                     2017年8月5日(土)    後楽園ホール
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   T  K  O  挑戦者(同級1位)
                ○   赤穂 亮   9回1分13秒   齋藤裕太   ●
                           (横浜光) 117 1/2 lbs                 (花形) 117 3/4 lbs
                   WBO8位,IBF12位           2012年全日本スーパーフライ級新人王

 初回,両者ともに好調な滑り出し。左ジャブ,右ストレートがよくのびる齋藤。赤穂は動きが硬いが,終盤,左アッパーのボディブローから右ストレート,左フックを強振する。
 3回,赤穂の左フック,右ストレートが決まって齋藤の顔面が紅潮する。しかし,逆に齋藤の右ストレートがカウンターになり,赤穂の腰が落ちる。さらに齋藤の右ストレートがヒットし,エキサイトした赤穂は強振して反撃に出るが,チャンスと見た齋藤が逆に赤穂をロープに詰めて攻勢に出る。
 4回,赤穂のカウンターの左フックがアゴにヒット。赤穂は猛然と攻勢に出るが,強振して正確さに欠ける。
 5回,赤穂は猛攻に出るが,左アッパーがローブローになり,減点された。齋藤は左目上をカット(赤穂の有効打による傷)。しかし,逆に赤穂が勢い込んで攻めたところに齋藤の左フックが決まる。このパンチで足が縺れた赤穂はロープに突っ込み,ダウンを取られた(カウント8)。
 打ちつ打たれつの応酬が続いたが,6回以降は赤穂が主導権を握った。7回,赤穂は強振から一転して左ジャブを多用。8回,再び左右フックで攻勢に出る赤穂。終了間際にはダメージが蓄積した齋藤に対し,左右フックでロープに詰める。
 9回,強引に押し込んでいく赤穂。右フックのクリーンヒットから一気に左右フックを叩きつけたところで葛城主審が試合をストップした。

 激しい打撃戦の末,赤穂が初防衛に成功。丹念に攻める齋藤の右ストレート,左フックに危ない場面はあったが,最後はパワーの違いを見せてねじ伏せた。いつものことながら,強振して冷静さを欠く場面が多いことは反省点。7回に見せたように,いい左ジャブを持っているので,それを生かすことも大事だろう。
 齋藤は右ボクサーファイターでフットワークに乗せた右ストレート,左フックを得意としている。攻防のバランスがよく,的確な左ジャブ,カウンターの右ストレートで赤穂を苦しめた。初挑戦は実らなかったが,善戦が光った。再起に期待する。

8回までの採点 赤穂 齋藤
主審:葛城明彦 *** ***
副審:安部和夫 75 75
副審:染谷路朗 76 74
副審:ビニー・マーチン 75 75
参考:MAOMIE 76 74


     ○赤穂:35戦31勝(20KO)2敗2分     31歳     身長:168cm     リーチ:170cm
     ●齋藤:21戦10勝(7KO)8敗3分      29歳     身長:167cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:川畑一志

※ 第5ラウンドのローブローによる赤穂の減点1を含む採点。

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                       2017年8月5日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・フェザー級8位   K      O   タイ国S・フェザー級(ノーランク)
                ○   正木脩也    3回2分28秒    プティポン・サイトーンジム   ●
                            (帝拳) 129 3/4 lbs                         (タイ) 128 1/2 lbs
                           まさき・しゅうや

 初回,プティポンは右ストレートでボディを狙う。正木はスピーディな左ジャブから右ストレート,ボディに左アッパー。
 2回,鋭い左ジャブから上下に散らしてプレスをかける正木。左アッパーをボディに打ちこまれたプティポンは上体を丸める。ロープに詰まったところに再び左アッパーをボディに打ち込めば,プティポンは膝から崩れてダウン(カウント9)。しかし,手負いのプティポンが放った左フックでぐらついた正木は,ロープに詰まってピンチを迎える。さらにプティポンが合わせた相打ちの右ストレートで危ない場面が見られた。
 3回,鋭い左ジャブでプレスをかける正木。右ストレート,左アッパーのボディブローで追い上げ,左フックでロープに詰めて攻勢に出る。最後は左アッパーがボディに決まり,プティポンは仰向けにダウン。カウントの途中でタオルが投入された。

 帝拳の次世代を担うホープとして注目される正木が持ち味を発揮し,見事なKO勝利。鋭く伸びる左ジャブが威力を増し,突破口の機能を果たしている。右ストレートに加え,決め手はボディへの左アッパー。このパンチだけでは読まれてしまうので,やはり右ストレートを中心に上へのパンチにボディブローを交えるのがいいだろう。今夜は会心の勝利。しかし,2回にダウンを奪った後に危ない場面があったのは反省点。ここから上位に上がると,そのような隙を突かれる。
 プティポンは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックに威力がある。ベタ足だが,思い切り合わせるパンチは要注意。正木のボディブローで心を折られたという印象が強い。

     主審:杉山利夫,副審:中村勝彦&ビニー・マーチン&安部和夫
     ○正木:8戦8勝(4KO)               23歳     身長:173cm
     ●プティポン:11戦8勝(2KO)2敗1分     17歳
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:上重 聡

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                           2017年8月10日(木)    後楽園ホール
                       WBOアジアパシフィック ウェルター級王座決定戦12回戦
             WBOアジアパシフィック ウェルター級1位   T   K  O     WBOアジアパシフィック ウェルター級5位
                ○   小原佳太       2回2分43秒       ナロン・ボーンチャン   ●
                            (三迫) 146 1/2 lbs                                 (タイ) 146 lbs
                        IBF世界S・ライト12位

 初回,がっしりとした上体と丸太のような腕をしているボーンチャンが左右フックを振って前に出る。小原は下がりながら左右に動いて左ジャブ。小原は落ち着いているが,ボーンチャンはパンチ力がありそうで油断できない。
 2回,小原の強打が爆発した。右ストレート,左アッパーをクリーンヒットする小原。ボーンチャンは構わず前に出るが,小原の右ストレート,左フックあるいは右アッパーから左フックがヒット。右ストレートのクリーンヒットから攻勢に出る小原。左フック,右ストレートを連打すれば,ボーンチャンは膝から前に落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが,右ストレートでぐらついたボーンチャンを青コーナーに詰め,ワンツーの連打を浴びせる。朦朧としているボーンチャンに福地主審が試合をストップした。

 小原が圧勝で新設のタイトルを獲得した。パンチ力があるボーンチャンを問題とせず,得意の右ストレート,左フックで仕留めた。リーチを生かして足を使いながら間合いを取り,2回にいいパンチを当てたところで一気に攻勢に出た。この辺の勝負勘が小原の強味だろう。打たれて強い方ではないので,ディフェンスには要注意。
 ボーンチャンは右ファイタータイプ。スピードはないが,頭と上体を振りながら前に出て,左右フックを当てるチャンスを窺う。KO率が示すようにパンチ力があり,侮れない。

1回までの採点 小原 ボーンチャン
主審:福地勇治 *** ***
副審:メキン・スモン(タイ) 10
副審:中村勝彦 10
副審:染谷路朗 10
参考:MAOMIE 10


     ○小原:21戦18勝(16KO)2敗1分        30歳     身長:178cm     リーチ:184cm
     ●ボーンチャン:29戦26勝(21KO)3敗     34歳     身長:167cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                       2017年8月10日(木)    後楽園ホール
                      日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T  K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   井上岳志   8回1分52秒   長濱 陸   ●
                          (ワールドスポーツ) 154 lbs                  (白井・具志堅) 153 1/4 lbs
                            IBF15位

 初回,落ち着いてじりじりと前に出る長濱。井上は動きながら左ジャブを突き,右フックをかぶせる。さらに左右フックのボディブローを打ち込み,ロープに詰めて右フックを浴びせる。
 3・4回,井上は手数でリードする。動きながら左ジャブ,左右フックを上下に。長濱は出足が鈍る。
 5回は長濱が積極的に前に出て,右ストレート,ボディへの左アッパーから上に右アッパーを打つ。井上も押し返すが,このラウンドは長濱が上回った。
 6回以降はボディブローが効いて,長濱の動きが鈍くなった。7回,やや効いている様子を見て,井上が左ジャブから体を密着させて左右フックを見舞う。一方の長濱は元気がない。
 8回,勝負どころと見た井上が攻勢。ロープに押し込み,上下にパンチを見舞う。長濱は打ち返すパンチに力がない。ニュートラルコーナーに詰めて左右フック,右アッパーを浴びせれば,長濱は防戦一方に陥る。ここで杉山主審が試合をストップした。

 無敗対決を制した井上が初防衛に成功。今年4月に斉藤幸伸丸(輪島スポーツ)を7回TKOで破り,空位の王座についた。右ファイタータイプで,がっしりとした上体から放つ左ジャブ,左右フックを武器としている。駿台学園高(東京)→法大でアマのキャリアを積んだが,試合のスタイルは完全にプロ向き。左ジャブを突いて接近し,体を密着させて上下に左右フックを見舞う。特にスピードがあるわけではないが,フィジカルの強さが際立っている。
 長濱は長身の右ファイタータイプ。右ストレート,ボディに打ち込む左アッパーを武器としている。冷静に試合を進めていたが,フィジカルの強さで押し込まれ,ボディブローで動きが鈍った。

7回までの採点 井上 長濱
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 69 64
副審:福地勇治 70 63
副審:葛城明彦 69 64
参考:MAOMIE 68 65


     ○井上:12戦11勝(6KO)1分      27歳
     ●長濱:9戦7勝(3KO)1敗1分     25歳     身長:178cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:田中大貴

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                       2017年8月10日(木)    後楽園ホール
                                8回戦
                     日本ライト級1位   T   K  O    タイ国ライト級(ノーランク)
                ○   吉野修一郎   2回0分30秒   カティカー・サイトーンジム   ●
                               (三迫) 136 1/4 lbs                    (タイ) 136 lbs

 初回,吉野が左ジャブ,ワンツーで積極的に攻める。中盤,左フックでぐらつくカティカー。右ストレート,左右フックで畳みかければ,カティカーは腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったカティカーは右ストレートを返すが,スピードも力もない。終盤,左アッパーのボディブローで上体が丸くなったカティカーは横を向いてしまい,辛うじてゴングに救われた。
 2回,吉野はゆっくりとプレスをかけ,右クロスをかぶせる。ロープに下がったところに吉野の左フックが決まり,カティカーはロープ下で仰向けにダウン。染谷主審はノーカウントで試合をストップした。

 吉野は無傷の5連勝。作新学院高(栃木)→東京農大で124戦104勝(55RSC)20敗というアマチュア戦績を残している。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としている。スピードがあって積極的な攻めの姿勢がいいが,初回のKOチャンスに相手を見てしまって詰めを欠いたことは反省点。
 カティカーは右ボクサーファイター。右ストレートを伸ばして応戦したが,スピードがなく,打ち方もぎこちない。ガードが低く,標的になってしまった。

     主審:染谷路朗,副審:杉山利夫&安部和夫&中村勝彦
     ○吉野:5戦5勝(3KO)     25歳
     ●カティカー:戦績不詳      20歳
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:森 昭一郎

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                    2017年8月15日(火)    島津アリーナ京都
                      WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級1位)   T  K  O     チャンピオン
                ○   ルイス・ネリ    4回2分29秒    山中慎介   ●
                             (メキシコ) 118 lbs                      (帝拳) 118 lbs

 サウスポー同士の対戦。初回,山中が上下に右ジャブを刺し,左ストレートを伸ばす。ネリの左右フックも飛んでくるが,山中が好調な滑り出しを見せた。
 2回,ネリの左フックが飛ぶ。動きが硬くなった山中に対し,ネリは接近して左右フックでボディを連打する。終了間際にもネリの左フックがヒット。山中もすかさず左ストレートを返し,緊迫した展開が続く。
 3回,山中は右ジャブを多用し,ワンツー,さらに左ストレートをボディに。ネリも左右フックで攻勢に出るが,山中は左ストレートを返し,右ジャブで冷静に対処する。
 4回,荒々しいネリの左右フックに体勢が崩れた山中は乱戦に巻き込まれる。左ストレートのボディブローで押し返そうとするが,逆にネリの左ストレートでロープに詰まる。左右フックの猛攻でロープに腰を落とす山中。必死に応戦するが,ネリの猛攻は止まらず,左ストレートでロープにもたれたところでタオルが投入された。

 山中が無念のTKO負けで13度目の防衛に失敗。右ジャブを多用して好調なスタートに見えたが,荒々しいネリの攻撃に巻き込まれて敗れた。4回のピンチも一旦クリンチで逃れて体勢を立て直していれば,その後に望みをつなげた可能性があっただろう。あまりにも正面から受け止めてしまったことが悔やまれる。
 ネリはサウスポーのファイタータイプ。左右フック,左ストレート伸びと威力がある。チャンスを掴んでからの連打は荒々しいが,回転力は抜群。体勢が崩れた山中に矢継ぎ早の連打を浴びせてストップに持ち込んだ。”Pantera(豹)”という異名を取るだけに,目と勘に優れている。攻撃力だけが印象に残るが,ディフェンスにも優れたものがある。山中の強打を恐れずに攻めた精神力の強さが光った。
 4回の大和心トレーナーのタオル投入が論議を呼んだ。タイミングが早過ぎるというのが批判派の主旨である。しかし,すべてを信頼して判断を任せられているのがチーフトレーナーの立場であり,安易な批判は避けるべきだろう。すべてを信頼して執刀医に手術を任せるのと同じこと。そうでなければチーフセコンドの成り手はなくなるし,医師はメスを握れなくなる。

3回までの採点 ネリ 山中
主審:マイケル・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:ジョエル・スコビー(カナダ) 29 28
副審:デビッド・サザーランド(米国) 28 29
副審:オレン・シュレンバーガー(米国) 28 29
参考:MAOMIE 28 29


     ○ネリ:24戦24勝(18KO)           22歳     身長:165cm     リーチ:167cm
     ●山中:30戦27勝(19KO)1敗2分     34歳     身長:170cm     リーチ:174cm

     放送:日本テレビ
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:具志堅用高
     実況:田中 毅

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              2017年8月26日(土)    スタブハブセンター(米国カリフォルニア州カーソン)
                   WBO世界スーパーウェルター級王座決定戦12回戦
                WBO世界S・ウェルター級1位        WBO世界S・ウェルター級6位
                ○   ミゲール・コット    判 定    亀海喜寛   ●
                            (プエルトリコ) 153 1/2 lbs              (帝拳) 153 3/4 lbs

 初回,ともに好調な動きを見せる。コットは足を使いながら左ジャブ,右ストレート,左右フック。亀海は上体をくねらせてパンチを殺し,ボディに左右フックを見舞う。ここは亀海がポイントを押さえた。
 しかし,2回以降はコットがテクニックで亀海を圧倒する。亀海は果敢に攻めていくが,コットはロープを背にひらりとかわしながら左ジャブ,右ストレート,左右フックを的確にヒット。亀海は序盤から鼻血を出した。
 5回,亀海はコットを休ませないようにどんどん距離を詰めるが,なかなか捕まえられない。6回にはコットの左ジャブの連打からカウンターの右ストレートが決まる。
 中盤以降もコットが心憎いまでのテクニックで亀海を翻弄した。9回,亀海の攻撃をひらりひらりとかわしながら,左ジャブ,フック,右ストレートを的確に決めるコット。右ストレートのカウンターも決まった。
 11回,亀海は左アッパーをボディに打ち込むが,単発に終わる。コットは後続打を動いてかわし,亀海が打って出るとクリンチで封じるうまさを見せた。
 12回,コットの足は最後まで止まらない。亀海は諦めずに追いかけるが,左右にかわされ,的確なパンチを浴びた。

 敵地でビッグネームを相手に終始果敢な攻撃を展開した亀海だが,コットのフットワークとテクニックに翻弄された。逃げ道を塞ぐようなフットワークとボディ攻撃をもっと多くしていればと悔やまれる。しかし,コットの対戦相手に選ばれること自体が名誉なこと。その強豪中の強豪コットを相手に本場・米国で堂々と渡り合ったことは賞賛に値する。その意味で日本ボクシング界の歴史に残る功績と言える。
 4階級制覇の名王者コットはやはり只者ではなかった。攻防兼備の右ファイタータイプ。体格的には恵まれているわけではないが,変幻自在のフットワークで亀海の前進を封じ,的確なクリーンヒットを重ねた。クリンチワークもうまく,やはり超一流。左ジャブ,フック,右ストレート,ボディへの左アッパーなど,力みがなく,多彩な攻撃が光る。

採点結果 コット 亀海
主審:ルー・モレット(米国) *** ***
副審:パット・ラッセル(米国) 119 109
副審:ロビン・テイラー(米国) 120 108
副審:ザック・ヤング(米国) 118 110
参考:MAOMIE 119 109


     ○コット:46戦41勝(33KO)5敗       36歳     身長:170cm     リーチ:170cm
     ●亀海:33戦27勝(24KO)4敗2分     34歳     身長:175cm     リーチ:178cm

     放送:WOWOW
     解説:飯田覚士&西岡利晃
     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

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           2017年8月27日(日)    しろやまスカイドーム(熊本県葦北郡芦北町)
                     WBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)           チャンピオン
                ○   山中竜也    判 定    福原辰弥   ●
                               (真正) 105 lbs           (本田フィットネス) 104 3/4 lbs
                        IBF6位

 左の福原,右の山中。積極的に前に出る福原。山中の右ストレートがヒットするが,福原も接近してボディに左右フックを放つ。2回,山中は落ち着いて左ジャブを伸ばし,福原の入り際に小さく左フック,右アッパーを合わせる。福原はやりにくそう。
 4回,福原の左ストレートで山中がバランスを崩すが,お互いに主導権を握るには至らない。6回,福原は左右アッパーをボディに連打。山中は左フックを返し,ボディに右アッパーをヒット。
 一進一退の展開が続くが,7回以降は山中がわずかに優位に立って進めた。距離を詰めて戦いたい福原に対し,左右に動いたりステップバックで接近させず,右ストレート。
 9回,自分のペースで戦っているのは山中。足で軽くリズムを取り,福原が入ってくるとステップバックでかわし,右ストレートをヒットする。11回,山中のフットワークで思うように接近できない福原。山中の左フックがカウンターになる。
 12回,山中の右ストレートがヒットするが,最後は福原が王者の意地を見せ,左右アッパーの連打で攻勢。山中もこれに応じ,激しい応酬のうちに終了ゴングを聞いた。

 白熱したした好ファイトではあったが,世界戦としてはいかにも小粒で,技術レベルの面からも低調な試合内容。
 山中は初挑戦でタイトルを獲得。右ボクサーファイターで,足でリズムを取りながら左ジャブで距離を掴み,右ストレートをヒットする。オーソドックスな試合運びを身上とする。福原の入り際に見舞う右ストレートが効果的だった。
 福原は初防衛に失敗。サウスポーのファイタータイプで左ストレート,ボディへの左右アッパーを得意としている。今年2月にモイセス・カジェロス(メキシコ)を破って暫定王座についたが,正規王者・高山勝成(仲里)の返上によって正規王者に昇格したもの。ボディを狙って積極的に攻めたが,山中のフットワークにかわされ,パンチをヒットしようとしてバランスが崩れたところに左フック,右ストレートを打たれた。

採点結果 山中 福原
主審:エディ・クラウディオ(米国) *** ***
副審:カルロス・オルティス・ジュニア(米国) 115 113
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 116 112
副審:スラット・ソイクラチャン(タイ) 115 113
参考:MAOMIE 115 113


     ○山中:17戦15勝(4KO)2敗        22歳     身長:162cm     リーチ:165cm
     ●福原:30戦19勝(7KO)5敗6分     28歳     身長:164cm     リーチ:160cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:辻岡義堂

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                     2017年8月30日(水)    後楽園ホール
                             10回戦
                  WBC世界S・フライ級9位       日本S・フライ級2位
                ○   井上拓真    判 定    久高寛之   ●
                               (大橋) 118 lbs              (仲里) 117 1/2 lbs
                        WBA11位,IBF15位             くだか・ひろゆき

 初回,ともに好調な立ち上がり。井上は出バナにショートの右ストレートをヒット。2分過ぎには井上の左フックが決まる。
 2・3回は久高がベテランらしく落ち着いたボクシングで見せ場を作った。左ジャブから前に出て右クロス,ボディに右ストレート。
 やや攻め倦む井上だが,中盤は右ストレート,ボディへの左アッパーでポイントを奪った。
 終盤は両者が火の出るような打ち合いでファンを魅了した。7回,久高は右ストレートのカウンターをヒットするが,すぐに井上も右ストレートを返す。ここで久高は右クロスカウンターを決める。
 8回は井上が押さえた。左ジャブから右フック,ストレート,左フックをヒットして攻勢。久高は左目上をカット(井上の有効打による傷)。
 9回,久高は左右フックのボディブローから左フック,右ストレートで攻勢に出て,ベテランの意地を見せた。両者が縺れ合い,終了ゴングと同時に久高がロープの間からエプロンに落ちてしまうハプニングがあった。
 10回,久高は打って来いというジェスチュアを見せ,激しい左フック,右ストレートで鬼気迫る執念を見せる。井上もこれに応じ,火を噴くような打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 新鋭・井上とベテラン久高の対決は壮絶な打撃戦になった。試合終了と同時に拍手が鳴りやまない白熱戦。
 右拳の負傷でブランクを作った井上は1年ぶりのリング復帰。左ジャブ,右ストレート,左フックで積極的に打って出た。力みが出た面はあるが,負けずに打ち返したことが良かった。苦しい戦いになったが,今後のキャリアを考えれば,キャリア豊富な久高に勝ち切ったことは大きい自信になるだろう。
 プロ生活15年で世界挑戦4度という大ベテランの久高は右ボクサーファイター。右ストレートのカウンターを武器としている。スピードも衰えず,43戦目というキャリアで積み重ねたベテランの味を存分に出した。上昇気流に乗る井上の前に立ち塞がろうとする気迫が漲っており,見事な試合内容である。

採点結果 井上 久高
主審:浅尾和信 *** ***
副審:杉山利夫 98 92
副審:福地勇治 98 93
副審:安部和夫 97 94
参考:MAOMIE 96 94


     ○井上:9戦9勝(2KO)              21歳     身長:160cm
     ●久高:43戦25勝(11KO)17敗1分     32歳     身長:164cm     リーチ:162cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:田中大貴

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