熱戦譜〜2017年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2017.07.01  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 尾川堅一  TKO2R  山元浩嗣
2017.07.01 10回戦  横山雄一  TKO8R  トンテン・ムアンシマ
2017.07.01 6回戦  松原 陵  TKO1R  陸 讚永
2017.07.01  IBF世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ジェルウィン・アンカハス  TKO1R  帝里木下
2017.07.15  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ミゲール・ベルチェルト  判定  三浦隆司
2017.07.18 10回戦  末吉 大  KO3R  ネルソン・ティナンパイ
2017.07.18 10回戦  石本康隆  KO7R  アルネル・バコナヘ
2017.07.18 8回戦  大野兼資  4R負傷引き分け  塚田直之
2017.07.18 8回戦  梶 颯  KO2R  レナン・ポルテス
10 2017.07.19  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 大竹秀典  KO10R  臼井欽士郎
11 2017.07.19 8回戦  和氣慎吾  TKO5R  瀬藤幹人
12 2017.07.23  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田口良一  TKO9R  ロベルト・バレラ
13 2017.07.23  IBF世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 京口紘人  判定  ホセ・アルグメド
14 2017.07.23  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 船井龍一  7R負傷判定  奥本貴之
15 2017.07.23 8回戦  河野公平  TKO5R  ラムボー・ゴーラットスポーツスクール
16 2017.07.28  WBO世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 木村 翔  TKO11R  ゾウ・シミン
17 2017.07.28  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 久田哲也  TKO8R  角谷淳志

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                       2017年7月1日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O  挑戦者(同級13位)
                ○   尾川堅一   2回2分00秒   山元浩嗣   ●
                              (帝拳) 130 lbs                    (ワタナベ) 130 lbs
                      WBC8位,WBO4位,IBF4位              やまもと・ひろつぐ

 右の尾川,左の山元。お互いにジャブで牽制しながら探り合う立ち上がり。尾川は左フックを引っかけ,右ストレートを伸ばす。山元もワンツーで応戦するが,ロープを背負ったところにワンツーを打ち込まれ,腰から落ちてダウン(カウント9)。尾川は早くも攻勢に出る。右ストレートで膝が落ちてダウン寸前のピンチに陥った山元は辛うじてゴングに救われた。
 2回,力量の差を見て取った尾川がプレスを強めた。ガードの隙間を割るように着弾した右ストレートでのけぞった山元は足がもつれてニュートラルコーナーに後退。尾川が左フック,右アッパー,ストレートで畳みかければ,山元は青コーナーで腰から落ちてダウン(カウント9)。立ち上がったものの,右ストレート,左アッパーに次ぐ右ストレートでロープにもたれたところで染谷主審が試合をストップした。

 尾川が圧勝で5度目の防衛に成功。パンチ力の差が顕著に表れた一戦。スタートから左ジャブ,フックがよく出ていたが,特に外から軽く打つ左フックをフェイントに使っていた点が目についた。これによって決め手の右ストレートがさらに威力を発揮したと言える。国内では敵なしの状態になっており,いずれ近い将来に世界挑戦も期待される。
 山元はサウスポーのボクサーファイターでワンツーを得意としている。軽快な動きから右ジャブ,ワンツーを放つスタイルだが,尾川のフェイントでガードを割られ,右の強打を浴びた。動きでかわして後半に勝負という思惑だっただろうが,パンチ力の差は埋めようもなかった。

1回までの採点 尾川 山元
主審:染谷路朗 *** ***
副審:安部和夫 10
副審:杉山利夫 10
副審:葛城明彦 10
参考:MAOMIE 10


     ○尾川:23戦22勝(17KO)1敗        29歳     身長:173cm
     ●山元:37戦20勝(4KO)14敗3分     33歳     身長:170cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:山本紘之

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                      2017年7月1日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                 日本ライト級(ノーランク)   T   K   O     タイ国ライト級3位
                ○   横山雄一    8回2分12秒    トンテン・ムアンシマ   ●
                               (帝拳) 135 lbs                         (タイ) 134 1/2 lbs

 初回,横山は左ジャブ,フックからのスタート。右ストレート,カウンターの左フックで早くもぐらつくトンテン。2回,ベタ足のトンテンはじりじりと前に出て右フックのカウンター,ボディへの左フックを放ってパンチ力があるところを見せる。横山は目を見開いて左ジャブ,ボディへの左アッパー。ゴング後のパンチでトンテンが減点される場面があった。
 3回,トンテンのパンチ力を警戒しているのか,横山は慎重に戦っている。4回,トンテンは鼻から出血しているが,打ち気満々でじりじりと前に出て,左ジャブから思い切った左右フックを見舞う。横山は左目上をカット(トンテンの有効打による傷)。
 5回,横山の左フックがカウンターになるが,これで闘志に火がついたトンテンは鼻血に苦しみながらも左右フックで猛然と打って出る。トンテンは右目上をカット(横山の有効打による傷)。
 トンテンのしぶとさに手を焼いていた横山だが,7回は左ジャブ,ワンツーから左フックを浴びせて優位に立つ。
 8回,横山の左ジャブ,ワンツーがヒット。さすがのトンテンも出足が鈍くなっている。右ストレートでよろめいたところにワンツー,左フックをまとめる横山。ここでマーチン主審が試合をストップした。

 日本ランクへの返り咲きを目指す横山が苦戦しながらもタイの上位ランカーをTKOで仕留めた。終始左ジャブが出ていたことが良かった。元々パンチ力は抜群。この左ジャブあるいはワンツーを中心に組み立てるのがいいだろう。その反面,パンチの引きが遅く,正面からの攻撃が多い。そのため,被弾も多かった。サイドへのかわし方,変化を持たせた攻撃が必要である。けして楽な相手ではないトンテンに苦しみながらもTKO勝ちを収めたことは貴重な経験になるはず。
 トンテンは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,じりじりと出て思い切った左右フックを浴びせる。カウンターの右フック,ストレートも隠れた武器になっている。非常にタフでしぶとい。さすがにタイのランキングボクサーだけあり,いわゆる噛ませのタイ人とは一線を引くものを持っている。

     主審:ビニー・マーチン,副審:杉山利夫&葛城明彦&飯田徹也
     ○横山:21戦17勝(15KO)4敗         27歳     身長:175cm
     ●トンテン:21戦14勝(5KO)6敗1分     27歳
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:中野謙吾

※ 第2ラウンド,ゴング後の加撃によってトンテンは減点1。

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                       2017年7月1日(土)    後楽園ホール
                               6回戦
                日本バンタム級(ノーランク)  T   K  O   韓国S・バンタム級10位
                ○   松原 陵    1回0分41秒    陸 讃永   ●
                           (帝拳) 118 1/2 lbs                      (韓国) 119 lbs

 開始早々から松原がエンジン全開の先制攻撃に出て,ボディへの右ストレート,左右フックで襲いかかる。右ストレートからの左フックをアゴに叩き込まれた陸は青コーナーで仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がったが,右ストレート,左右フックの猛攻に晒され,ロープ際に落下して2度目のダウン。安部主審はノーカウントで試合をストップした。

 日韓のハードパンチャー同士の好カードは松原が電光石火の猛攻で韓国ランカーを沈めた。これで6連続KO勝ちという快進撃である。アマで24戦17勝7敗というキャリアがあるが,プロ向きの右ファイタータイプである。右ストレート,左右フックの強打を最大の武器としており,爆発力が売り物。その反面,振りが大きく,ガードが甘くなる欠点がある。うまい相手にカウンターを返されたときの対応に不安が残る。
 陸は19歳という若さを誇る右ボクサーファイター。右ストレートを武器としている。突進する松原を左右に捌いて中盤以降に持ち込みたいところだったが,先制攻撃で完全に浮足立ってしまった。

     主審:安部和夫,副審:染谷路朗&ビニー・マーチン&飯田徹也
     ○松原:8戦7勝(7KO)1敗     26歳
     ●陸:8戦5勝(4KO)3敗       19歳
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

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                     2017年7月2日(日)    サンコープスタジアム(豪州ブリスベン)
                          IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                        チャンピオン       T   K   O  挑戦者(同級3位)
                ○   ジェルウィン・アンカハス   7回1分53秒   帝里木下   ●
                                  (比国) 114 lbs                    (千里馬神戸) 115 lbs

 サウスポー同士の対戦。初回,上背で勝る木下は右ジャブを伸ばして前に出る。アンカハスは軽く足を使って右に回り,右ジャブ,ボディに左ストレート。
 2回,アンカハスの左ストレートが木下の肩越しに決まり始めた。木下はカウンターでも狙っているのか,手数が少ない。右目上をカットした木下はドクターチェックを受ける。
 3回開始早々にもドクターチェックを受ける木下。アンカハスの左ストレートが上下に決まる。待ちに入った木下に対し,アンカハスは右ジャブ,左ストレートから返しの右フック,アッパーで優勢に進める。
 5回,木下の右アッパーのボディブローに合わせてアンカハスの右フックがヒット。終了間際,入ろうとするところに右アッパーをもらった木下がのけぞる場面があった。そこからすかさず接近してボディに左右アッパーを連打するアンカハス。
 6回,右目上が腫れて塞がりかけている木下。中盤にして早くも敗色濃厚という展開。木下の実力を読み切ったアンカハスが手数を増す。肩越しの左ストレートを再三ヒットし,接近してボディブローを連打し,すぐに離れるうまいボクシングで木下を翻弄する。
 7回,右目の視界不良に陥った木下の肩越しにアンカハスの左ストレートがヒット。左ストレートから上に軽くショートブローを散らし,がら空きになった脇腹にアンカハスの右アッパーが決まる。このパンチで木下はリング中央で四つん這い。辛うじて立ち上がったが,右目上と鼻からの出血が酷く,ここでミサイリディス主審が試合をストップした。

 アンカハスは2度目の防衛に成功。サウスポーのボクサーファイターでシャープな左ストレート,返しの右フック,アッパーを得意としている。肩越しの左ストレートがよくヒットしていた。攻撃パターンはシンプルだが,深追いせず,接近してボディブローを連打するとすぐに離れて相手の反撃を封じるうまさを見せた。
 木下は2014年7月のゾラニ・テテ(南アフリカ)戦以来,2度目の世界挑戦だったが,全くいいところなく惨敗となった。アンカハスが出るところに左のカウンターを狙っていたのか,手数が出ず,先に打たれる場面の連続。前回の世界挑戦のときと全く同じ負けパターンである。右回りがなく正面に立って単調な攻撃をするだけでは勝機がないのはわかっていたはず。何が何でもベルトを持ち帰るという気迫も工夫も全く感じられなかったのは残念。

6回までの採点 アンカハス 木下
主審:イグナティウス・ミサイリディス(豪州) *** ***
副審:サミュエル・コンデ・ロペス(プエルトリコ) 60 54
副審:レビ・マルチネス(米国) 60 54
副審:レイ・ホイートリー(豪州) 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○アンカハス:29戦27勝(18KO)1敗1分     25歳     身長:168cm     リーチ:169cm
     ●木下:28戦25勝(8KO)2敗1分           31歳     身長:170cm     リーチ:172cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:村田諒太
     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

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                2017年7月15日(土)    イングルウッド・フォーラム(米国カリフォルニア州)
                      WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                       チャンピオン            挑戦者(同級1位)
                ○   ミゲル・ベルチェルト   判 定    三浦隆司   ●
                                (メキシコ) 129 1/4 lbs              (帝拳) 129 1/4 lbs

 右のベルチェルト,左の三浦。初回,三浦は右のガードを上げて前に出る。ベルチェルトは左右に動いて軽い右ストレート,左フック。終盤,ベルチェルトが放った右ストレートからの軽い左フックがテンプルを捉え,三浦は左グラブをついてダウンを取られた(カウント8)。
 三浦の強打を警戒して徹底的に打ち合いを避けるベルチェルト。左右に動きながらときおり右ストレート,左右フックをまとめる。三浦はラウンドの序盤はいいところを見せるが,後半はベルチェルトが細かくパンチを当ててポイントを奪う場面が続いた。
 6回,三浦の豪快な左フックが空を切り,場内がどよめく場面があった。
 8回,三浦の左アッパーがボディに決まり,これが効くベルチェルト。三浦はチャンスだが,クリンチの最中に放った左フックがベルチェルトの後頭部に当たり,中断。ボディが効いているベルチェルトはここで時間を稼ぐ老獪さを見せた。再開後,三浦は左右アッパーのボディブロー,ベルチェルトも右ストレート,左右フックを応酬する。9回終盤,三浦のボディ攻撃が効く。
 10回,三浦は単発ながらも左アッパー,フックでボディを攻める。これが効いたベルチェルトは足を使って露骨に打ち合いを避ける。三浦はどんどん手を出したいが,肝心のパンチが出ない。
 12回,三浦は逆転を狙って攻撃に出るが,逆にベルチェルトが動きながら右ストレート,左フック,ボディへの左右アッパーをまとめる。三浦の動きが鈍い。

 タイトル奪回を目指した三浦だが,動きのあるベルチェルトに完敗となった。接近して持ち前の強打で圧倒したいところだったが,ベルチェルトのフットワークとまとめ打ちに苦しんだ。上体の振りが少なく,パンチに力みが目立った。終盤にボディブローを効かせたが,大振りで雑な攻撃が災いした。気持ちが空回りした面がある。
 ベルチェルトは初防衛に成功。ワンツー,左右アッパーを得意とする右ボクサーファイター。三浦の強打を避けて徹頭徹尾足を使い,左ジャブ,右ストレート,左フックをコツコツと当てた。スピードはないが,動きが変則的で懐も深い。相手が隙を見せると上下にパンチをまとめるうまさがある。

採点結果 ベルチェルト 三浦
主審:ラウル・カイズ・シニア(米国) *** ***
副審:マキシモ・デ・ルカ(米国) 120 107
副審:マウロ・デ・フィオーレ(イタリア) 119 108
副審:ヒューバート・ミン(米国) 116 111
参考:MAOMIE 117 110


     ○ベルチェルト:33戦32勝(28KO)1敗     25歳     身長:170cm     リーチ:180cm
     ●三浦:37戦31勝(24KO)4敗2分       33歳     身長:169cm     リーチ:178cm

     放送:WOWOW
     解説:飯田覚士&西岡利晃     ゲスト:村田諒太
     実況:高柳謙一     アシスタント:吉年愛梨

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                      2017年7月18日(火)    後楽園ホール
                               10回戦
                 日本S・フェザー級2位   K      O    比国S・フェザー級6位
                ○   末吉 大    3回2分32秒    ネルソン・ティナンパイ   ●
                           (帝拳) 131 3/4 lbs                      (比国) 132 lbs
                    WBO12位   すえよし・まさる

 初回,末吉はよく伸びる左ジャブ,ストレートを多用し,右を当てるチャンスを窺う。右ストレートのボディブローでティナンパイの上体が丸くなる。ティナンパイも左右フックのボディブローで迫るが,終了間際,末吉がロープに詰めて左右フックを浴びせる。
 2回,末吉は軽く足でリズムを取りながら,左ジャブを多用。そこから大きな右フック,さらにカウンターでも右フックを浴びせ,ボディにも右ストレートを打ち込む。
 3回,打ち気に出るティナンパイをステップバックとスウェイバックでかわし,右ストレートのカウンターをヒットする末吉。そして顔面への軽い左右フックから強烈な左フックでボディを抉る。この一撃にティナンパイはたまらずうつ伏せにダウン。悶絶しながらカウントアウトされた。

 タイトルを狙う末吉が見事なKO勝利で存在を強烈にアピールした。主武器の左ジャブが実によく伸び,流れを作っていた。大きな左右フック,出てくるところに合わせる右フックのカウンターあるいはボディへの右ストレートなど多彩な攻撃パターンを持っている。ティナンパイを沈めたボディへの左フックは強烈そのもの。ステップバックやスウェイバックを使って,打たせずに打つボクシングは見事。千葉経済大付属高→東洋大というコースを歩み,アマチュアで29戦21勝(10KO)8敗というキャリアを積んでいる。
 ティナンパイは右ファイタータイプ。スピードはないが,左右フックにパンチ力がある。何度か左右フックで迫ったが,目と勘に優れる末吉に見切られた。

     主審:染谷路朗,副審:ウクリッド・サラサス&葛城明彦&飯田徹也
     ○末吉:16戦15勝(10KO)1敗           26歳
     ●ティナンパイ:18戦12勝(5KO)5敗1分     24歳
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:田中 毅

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                      2017年7月18日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                  日本S・バンタム級4位   K      O   比国S・バンタム級13位
                ○   石本康隆    7回2分38秒    アルネル・バコナヘ   ●
                               (帝拳) 124 lbs                          (比国) 124 lbs

 初回,石本が気合い十分の表情でワンツーから左アッパーのボディブローを打ち込む。しかし,バコナヘはタイミングのいい右アッパーを返す。これは恐いパンチ。バコナヘは石本の出バナに右ストレート,左フックを合わせる。
 2回,石本はバッティングで左目上をカット。バコナヘは若さに任せて右ストレート,左フック,右アッパーを振って攻める。石本も右ストレートを返すが,終盤,左フックでバランスを崩す。3回もバコナヘが連打で優位に立ち,石本は後手に回った。
 苦戦する石本だが,4回に入ってようやくリズムを取り戻した。5回にはボディへの左アッパーが効いたのか,バコナヘがクリンチに出る場面があった。
 6回,石本は足が動き,左ジャブが出て,上体も振れている。一方のバコナヘは明らかに序盤の勢いがない。ボディが効いていると見た石本は左アッパーのボディブローを多用してプレスをかけた。終了間際,石本はボディに左右アッパーを打ち込む。
 7回,石本がついにバコナヘを捉えた。長引いては不利と見たバコナヘは左右フック,アッパーの連打で攻勢に出る。しかし,打ち疲れは隠せず,逆に石本が一気に攻勢。左アッパーのボディブロー,右ストレートを浴びせれば,バコナヘは青コーナーに崩れ落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが,ロープを背にしたバコナヘに襲いかかる石本。連打から左アッパーのボディブローを打ち込めば,バコナヘはロープ際で仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 勢いがある若い強打者バコナヘに苦しんだ石本だが,最後は自力の差を見せた。左ジャブがあまり出ず,パワーで押し込んでくるバコナヘに合わせてしまったことが苦戦の原因。4回あたりからリズムを取り戻し,6回には打ち疲れに乗じて主導権を握った。ボディが効いたと睨んでからは左アッパーのボディブローを多用して一気に流れを変えた。苦戦はしたが,ベテランらしい冷静さで逆転につなげた。
 バコナヘは右ファイタータイプ。フィリピン人特有のバネがあり,右ストレート,左フックを思い切り打ち込んでくる。タイミングよく打つ右アッパーも恐いパンチ。パンチ力があり,手強い相手であるが,若さを露呈し,逆転を許した。

     主審:中村勝彦,副審:ウクリッド・サラサス&飯田徹也&葛城明彦
     ○石本:39戦30勝(9KO)9敗       35歳     身長:172cm     リーチ:171cm
     ●バコナヘ:11戦8勝(6KO)3敗     23歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:中野謙吾

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                      2017年7月18日(火)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本L・フライ級8位   負傷引き分け  日本L・フライ級9位
                ×   大野兼資   4回1分14秒   塚田直之   ×
                            (帝拳) 107 3/4 lbs                   (セレス) 107 3/4 lbs

 左の大野,右の塚田。初回,大野は距離を取り,塚田の出バナに左ストレートをカウンターする。中盤は塚田が左右フックで迫る。大野の右フックが決まる
 3回,ようやく自分のリズムが出る大野。大野の左ストレート。塚田は左右フックで攻めるが,大振りでバランスが崩れる。中盤,大野の右フックがカウンターになり,塚田の膝が落ちる場面があった。
 4回,変則的な動きで左右フックを振る塚田。大野は突き放したいが,バッティングが発生して中断。大野は額,塚田は右目上をカットし,塚田,大野の順で相次いでドクターチェックを受ける。結局ともに続行不能とされ,ここで試合がストップした。

 日本ランカー同士の好カードだったが,消化不良の結末となった。
 大野は2014年度全日本L・フライ級新人王で,スピードがある右ボクサーファイター。フットワークに乗せて放つ左ストレート,返しの右フックを得意としている。突進する塚田にやりにくそうだったが,もう少し右に左にという足の動きが欲しかった。塚田のペースに合わせてしまった面がある。
 塚田は右ファイタータイプ。変則的な動きから左右フックで突進する。その反面,振りが大きく,攻撃が雑という印象は否めない。

     主審:岡庭 健,副審:染谷路朗&飯田徹也&中村勝彦
     ×大野:14戦11勝(6KO)2敗1分     29歳     身長:163cm
     ×塚田:15戦8勝(3KO)3敗4分      29歳     身長:163cm
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

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                      2017年7月18日(火)    後楽園ホール
                              8回戦
                日本S・フライ級11位   K      O   比国S・フライ級6位
                ○   梶 颯    2回1分57秒    レナン・ポルテス   ●
                         (帝拳) 114 3/4 lbs                       (比国) 114 1/4 lbs

 初回,上背,リーチで勝るポルテスが左右に回り込みながら左ジャブで間合いを取る。梶はフェイントをかけながら接近を試みるが,ポルテスは右から左のフックを浴びせる。
 2回,梶の出バナに右アッパーから左フックを合わせるポルテス。梶は構わず左ジャブをパリーしながらフェイントを交えながら前に出る。青コーナーに下がったポルテスが棒立ちになったところを見逃さず,低い姿勢で懐に潜り込み,上にフェイントをかけながらボディに左アッパーを一撃。ポルテスはたまらず青コーナーに崩れ落ちて悶絶。そのまま立ち上がれず,カウントアウトされた。

 2015年全日本S・フライ級新人王で帝拳の若手ホープとして期待される梶。今夜はわずか一発のボディブローでフィリピンのランカーを沈めた。これで5連続KO勝ちという快進撃である。動いてリーチを生かした左ジャブを多用するポルテスにやや手を焼いた面はあるが,上体を振ってフェイントをかけながら,あの手この手で接近を試みたことが実を結んだ。上背もリーチもある相手をKOしたことは大きい自信になるだろう。
 ポルテスはこのクラスとしては長身でリーチに恵まれている。左に右にと回り込みながら左ジャブを多用した。右ボクサーファイターで,入ってくるところに右から返す左フックが強い。

     主審:葛城明彦,副審:染谷路朗&ウクリッド・サラサス&岡庭 健
     ○梶:8戦8勝(7KO)             19歳     身長:164cm
     ●ポルテス:14戦9勝(5KO)5敗     25歳     身長:170cm
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

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                         2017年7月19日(水)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K       O   挑戦者(同級14位)
                ○   大竹秀典    10回3分04秒    臼井欽士郎   ●
                             (金子) 121 3/4 lbs                        (横浜光) 122 lbs

 初回,大竹は左ジャブから左アッパーのボディブロー,右ストレートで積極的に攻める。臼井は足を使い,左ジャブで探りながら接近するチャンスを窺う。3回,動きながら左ジャブ,フック,アッパーを打つ臼井。大竹の左アッパーがローブローになり,一時中断。大竹はやや攻め倦み,臼井の左ジャブがヒットする。
 6回,大竹が徐々に押し始めた。左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーでプレスをかける大竹。臼井も左アッパー,フックで応戦するが,手数と的確さの両面で大竹が上回る。
 8回,体を密着させてパンチの応酬が続く。大竹は左ジャブ,右ストレート,左右アッパーでプレスを増す。臼井も左右フックをヒットするが,やや疲れが見える。9回,相変わらず密着戦が続く。臼井の左フックで大竹の膝が揺れる場面が見られた。しかし,大竹が左右アッパーのボディブローで押していく。口から出血が目立つ臼井は苦しい戦いを強いられる。
 10回,ついに大竹が激戦の幕を下ろした。ボディ攻撃で動きが鈍った臼井をロープに詰め,右ストレートを浴びせる。さらに右ストレート,左右アッパーで臼井を青コーナーに押し込んで攻勢に出る。再びロープを背負わせ,左右アッパーのボディ打ちから右ストレートをフォローすれば,臼井は力尽きたように右膝から崩れ落ちてダウン。カウントの途中でタオルが投入された。

 ベテラン同士の対決を制した大竹が初防衛に成功した。万全のコンディションというわけではなかったが,接近して左右アッパー,右ストレートを浴びせて徐々にダメージを与えた。接近戦になれば豊富な攻撃パターンを持つ大竹が数段上。ボディブローで臼井の動き,出足を止めたことが奏功した。
 臼井は悲願のタイトル獲得を目指したが,地力の差に屈した。左右フックを得意とする右ボクサーファイター。ときおり左フックをヒットしたが,単発で主導権を握ることができなかった。

採点結果 大竹 臼井
主審:杉山利夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 87 84
副審:安部和夫 86 85
副審:ダン・ニエテス(比国) 88 83
参考:MAOMIE (49) (46)


     ○大竹:34戦29勝(13KO)2敗3分     36歳     身長:172cm
     ●臼井:33戦27勝(11KO)6敗        37歳     身長:165cm

     放送:TBS
     解説:長谷川穂積
     実況:赤荻 歩

※ 第1・3・6・8・9・10ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2017年7月19日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)   T  K  O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   和氣慎吾     5回2分31秒     瀬藤幹人●
                          (FLARE山上) 121 3/4 lbs                       (協栄) 121 1/2 lbs

 左の和氣,右の瀬藤。開始早々から変則的な動きでどんどん攻め込み,攪乱を狙う瀬藤。しかし,和氣の左ストレートがカウンターになり,瀬藤は早くもぐらつく。和氣の左アッパー,カウンターの左ストレートが再三ヒットする。
 2回,フェイントを駆使してどんどん攻め込む瀬藤。しかし,和氣はよく見て右フック,左ストレート,アッパーを打ち込む。ぐらついてロープを背負った瀬藤に左ストレートを浴びせる瀬藤。瀬藤は右目上と左目下が腫れている。
 4回,よく見て左ストレート,右フック,左アッパーを上下に浴びせる和氣。瀬藤も右フックをヒットするが,徐々にダメージが蓄積している。
 5回,和氣の左ストレートで腰が落ちる瀬藤。チャンスと見て一気にワンツー,右フック,左アッパーでニュートラルコーナーからロープに詰めて攻勢に出る和氣。何とか体で押し返すが,2分過ぎ,再び和氣が左ストレート,右フックで一気にスパート。ぐらつく瀬藤に左アッパーから左ストレート,右フックを浴びせたところでタオルが投入された。

 実力者同士の興味深い対戦。しかし,今の勢いがそのまま出るという結果になった。
 和氣はサウスポーのボクサータイプ。スピーディなフットワークを生かしたボクシングが身上。昨年7月にジョナタン・グスマン(ドミニカ)とIBF王座を争って11回TKO負けを喫しており,今夜が再起第1戦。体の切れ,スピード,主武器の左ストレートのタイミングなどどれをとっても文句なしで見事な試合内容。左アッパー,右フックなど上下にパンチを散らしており,1年ぶりの復帰で今後が楽しみになった。
 瀬藤は変則の右ファイタータイプ。強引な揺さぶりで乱戦に持ち込もうとしていたが,和氣に動きを読まれていた。足も上体もよく動いていたが,正面に立ったところにカウンターを浴びてしまった。膝の動きが非常に硬く,被弾したときのダメージが増幅したと言える。

     主審:浅尾和信,副審:ビニー・マーチン&吉田和敏&染谷路朗
     ○和氣:28戦21勝(13KO)5敗2分        29歳     身長:175cm     リーチ:176cm
     ●瀬藤:51戦34勝(18KO)14敗3分       37歳     身長:168cm
     放送:TBS     解説:長谷川穂積     ゲスト:小國以載     実況:新夕悦男

※ 第3ラウンドをカットして放送。

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                        2017年7月23日(日)    大田区体育館
                       WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   田口良一   9回0分24秒   ロベルト・バレラ   ●
                              (ワタナベ) 108 lbs                   (コロンビア) 108 lbs

 初回,バレラが積極的に出て,左にスイッチして左ストレートでボディを狙う。しかし,田口も譲らず,終盤には左アッパーのボディブローを効かせてバレラを後退させる。田口はバレラをロープに詰め,左右フック,右ストレートで攻勢に出る。
 左右にスイッチしながら左右フック,ストレートを放つバレラ。田口は動きを止めるべく,ボディに左右フックを叩き込む。4回,田口の猛攻が続く。終盤,赤コーナーに詰めてラッシュする田口。クリンチに出て弱気な表情を見せるバレラ。
 6回,右ストレートでのけぞったバレラはロープに後退。終盤,バレラは左フックのボディブローでロープに腰を落とす。7回,田口は左右フック,アッパーをボディ,顔面に叩き込んで圧倒する。心が折れかけたバレラは集中力を欠き,横を向いてしまう。終盤,勢い余ってスリップダウンする田口。バレラは反撃に出るが,序盤に見せた勢いがない。8回,田口のボディ攻撃が効いたバレラはここでもクリンチに出て弱気な表情を浮かべた。
 9回,バレラのダメージを見てとった田口はゴングと同時に襲いかかる。右ストレートでぐらついたバレラは力なくロープを背負い,左右のボディブローから右アッパーでのけぞる。さらに畳みかけたところでモラ主審が試合をストップした。

 田口は6度目の防衛に成功。指名挑戦者のバレラを連打で圧倒した。動かれると厄介な相手だったが,得意のボディ攻撃を主体とする激しいアタックで崩した。防衛回数を重ねるに連れて実力をつけていった王者として典型的な好例になる可能性がある。
 バレラは右ボクサーファイター。フットワークを使いながら左右フック,ストレートを出して積極的に攻める。序盤から左構えにスイッチしていたが,これは田口の左ボディブローを打ちにくくする意図があったと考えられる。田口のボディ攻撃で中盤から弱気な表情を見せて後退する場面が多くなった。ボディが効いて,徐々に動きが鈍くなった。

8回までの採点 田口 バレラ
主審:ラッセル・モラ(米国) *** ***
副審:アルフレッド・ポランコ(メキシコ) 78 74
副審:ロベルト・ラミレス・シニア(プエルトリコ) 78 74
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 78 74
参考:MAOMIE 79 73


     ○田口:30戦26勝(12KO)2敗2分     30歳     身長:167cm     リーチ:172cm
     ●バレラ:20戦18勝(12KO)2敗       24歳     身長:164cm     リーチ:169cm

     放送:テレビ東京
     解説:長谷川穂積     ゲスト:内山高志&田中恒成
     実況:島田弘久

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                     2017年7月23日(日)    大田区体育館
                     IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級9位)          チャンピオン
                ○   京口紘人   判 定   ホセ・アルグメド   ●
                               (ワタナベ) 105 lbs           (メキシコ) 104 lbs

 初回,京口が積極的に攻め,左アッパーを見舞う。アルグメドは右ストレート,左フックをヒット。ややラフなアルグメドに対し,京口は左ジャブから入りたい。2回,アルグメドは右アッパー,ストレートをヒット。京口は左ボディで応戦するが,不用意にパンチをもらう。
 3回,京口は左ジャブが出ず,見ている時間が長くなり,そこにアルグメドの左右フックが飛んでくる。
 5回後半,京口にようやく左ジャブが出るようになる。6回,左右アッパーのボディブローを打ち込む京口。序盤の飛ばし過ぎか,あるいはボディが効いているのか,アルグメドの手数が減る。7回,京口の右フックがボディに決まり,アルグメドは必死に抱きついてピンチを凌ぐ。京口は攻勢に出て左右アッパーのボディブローを打ち込む。このラウンドは明白に京口が押さえた。
 9回,京口が飛び込んで放った左フックでぐらついてロープに詰まるアルグメド。京口は一気に攻勢。右ストレートを受けたアルグメドは腰から落ちてダウン(カウント8)。左右フックの攻勢にふらついたアルグメドは,ここでも抱きついてピンチを逃れる。終了間際,再び京口の右フックでよろめき,ダウン寸前に追い込まれるアルグメド。
 10回,アルグメドは左右フックで挽回を図るが,振りが大きくミスが目立つ。アルグメドはダメージと疲れでバランスを崩すことが多くなる。京口はもう少し細かく手数を出したい。
 11回,アルグメドの左右フック。京口は右アッパーをヒットするが,手数でアルグメドが上回る。12回,ともに疲れが出てクリーンヒットは少ないが,京口の左アッパーがヒット。

 京口が初挑戦で王座を奪取。9回にダウンを奪い,ポイントの面では文句ない勝利である。序盤はアルグメドのラフな攻撃にリードされたが,中盤から左アッパーのボディブローを主体に反撃してポイントを重ねた。しかし,左ジャブが出ず,アルグメドのラフなスタイルに合わせてしまい,攻防の組み立てが雑になったことは大きな反省点。力任せの面があるので,これも矯正する必要がある。
 アルグメドは4度目の防衛に失敗。右ファイタータイプで,数字以上にリーチが長く見える。ロングレンジからの右ストレート,左右フックを武器としている。旺盛な手数と攻撃的なスタイルが特徴であるが,ミスブローも目立つ。

採点結果 京口 アルグメド
主審:マリク・ワリード(米国) *** ***
副審:マイク・フィッツジェラルド(米国) 116 111
副審:カルロス・コロン(プエルトリコ) 116 111
副審:野田昌宏 115 112
参考:MAOMIE 114 113


     ○京口:8戦8勝(6KO)                 23歳     身長:161cm     リーチ:162cm
     ●アルグメド:25戦20勝(12KO)4敗1分     28歳     身長:160cm     リーチ:164cm

     放送:テレビ東京
     解説:長谷川穂積     ゲスト:内山高志
     実況:増田和也

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                    2017年7月23日(日)    大田区体育館
                     日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン      負 傷 判 定   挑戦者(同級1位)
             ○   船井龍一    7回1分32秒    奥本貴之   ●
                         (ワタナベ) 115 lbs                     (グリーンツダ) 114 3/4 lbs
                        WBA15位

 右の船井,左の奥本。ともにジャブで牽制して出方を窺う。船井は伸びの良い右ストレートを上下に。2回,出バナに左フックのカウンターを合わされた奥本は膝が落ちて危ない場面を見せた。奥本の鼻の周囲が紅潮している。
 3回,主導権を握られまいと奥本が積極的に出る。船井はバッティングで右眉下をカット。
 4回,船井が右ストレートをヒットして攻勢。奥本も左フックをヒットするが,ロングレンジから放った船井の右ストレートでバランスを崩す。5回,船井は接近して右からの左フックを打つ。しかし,バッティングで今度は左目上もカットし,ドクターチェックを受けた。
 6回,公開採点でリードされていることを知った奥本は接近戦に活路を見出そうとするが,パンチにならない。逆に船井がしぶとく左右フックを返す。船井は両目上からの出血が増し,再びドクターチェックを受ける。
 7回,船井のワンツーがクリーンヒット。ぐらついて足が縺れた奥本は完全に効いており,必死に抱きついてピンチに耐える。船井は振りほどいてフィニッシュにつなげようとするが,両目上の傷が深くなり,ドクターチェックを受ける。ここで試合続行不能とされ,試合がストップされた。

 負傷判定という結果になったが,白熱した好ファイトが展開された。
 船井は初防衛に成功。右ボクサーファイターでオーソドックスな試合スタイル。リーチを生かした左ジャブ,伸びがある右ストレートを得意としている。7回にワンツーを効かせてKOチャンスを掴んだが,バッティングによる傷というアクシデントに阻まれた。もう少し横への動きが加わるといいだろう。
 奥本は極真空手の経験者。タイのプロモーションと契約し,15歳のときにタイでデビューした異色の選手である。日本でライセンスが認められる17歳になるのを待って2009年2月に大阪で再デビューを果たしてしている。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレートのタイミングがいい。空手の影響なのか,上体が立ったアップライトスタイルが特徴で,右ジャブで牽制しながら左ストレートを放つ。しかし,船井の右ストレートを警戒してか,手数が少なく,相手を見てしまう時間が長くなった。

採点結果 船井 奥本
主審:浅尾和信 *** ***
副審:杉山利夫 67 66
副審:福地勇治 68 65
副審:ビニー・マーチン 68 65
参考:MAOMIE 69 64


     ○船井:35戦28勝(19KO)7敗       31歳     身長:170cm
     ●奥本:27戦17勝(7KO)7敗3分     25歳     身長:160cm

     放送:テレビ東京(youtube)
     解説:内山高志
     実況:野沢春日

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                      2017年7月23日(日)    大田区体育館
                                8回戦
                日本S・フライ級(ノーランク)   T   K  O       タイ国S・フライ級(ノーランク)
                ○   河野公平    5回1分35秒    ラムボー・ゴーラットスポーツスクール   ●
                              (ワタナベ) 117 lbs                             (タイ) 115 1/2 lbs

 開始早々から河野が加速。左ジャブ,ボディへの左アッパー,右フックで圧倒する。ラムボーはときおり右ストレートを返す。
 2・3回,河野の突進は止まらない。積極的にボディを打って前に出る。ラムボーは下がりながら思い切った右ストレートで相打ちを狙う。
 4回終盤,河野が右ストレートを効かせて畳みかける。左アッパーでボディを抉られたラムボーはがっくりと前に崩れ落ちる(カウント9)。辛うじてゴングに救われたが,やや戦意喪失気味の表情。
 5回,河野はワンツー,左右アッパーでプレスを強める。ロープに下がったラムボーは最後は左フックをアゴに打ち込まれ、大の字にに沈む。安部主審はノーカウントで試合をストップした。

 昨年の世界戦でルイス・コンセプシオン(パナマ),井上尚弥(大橋)に連敗した河野が再起を果たした。序盤からスパートする積極的な試合運び。左アッパー,右フックのボディブローでプレスをかけ続けた。上下への打ち分けもよくできていて,フォローの右ストレートも効いた。チャンスを掴んでからの詰めの鋭さ,ギヤチェンジが光った。
 ラムボーは右ボクサーファイター。ベタ足で動きは乏しいが,左ジャブから相打ちを狙って思い切り合わせる右ストレートに威力がある。しかし,さすがにボディを打たれ続けて力尽きた。

     主審:安部和夫,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&浅尾和信
     ○河野:44戦33勝(14KO)10敗1分     36歳     身長:167cm     リーチ:172cm
     ●ラムボー:戦績不明                23歳
     放送:テレビ東京(youtube)     解説:長谷川穂積     実況:中川 聡

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              2017年7月28日(金)    上海オリエンタルセンター(中国:上海)
                       WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級7位)  T   K   O    チャンピオン
                ○   木村 翔    11回2分28秒    ゾウ・シミン   ●
                           (青木) 111 1/2 lbs                     (中国) 111 3/4 lbs

 木村が初回から右ストレート,左フックを振って意欲的に攻め込む。ゾウは左に回りながら出バナに左ジャブ,右ストレートを浴びせる。木村はボディを狙ってどんどん距離を詰めるが,かわされている。
 3回,ゾウの右フックのカウンターがヒット。終盤には木村もゾウをロープに詰めて左右アッパーでボディを連打するが,序盤はゾウのペースで進んだ。
 5回,木村がいい攻撃を見せた。ワンツーでゾウをぐらつかせ,ロープに詰める。木村は右目上をカットするが,ゾウの足を止めるべくボディに左右アッパーを連打する。
 6回,木村は右目上の傷によりドクターチェックを受ける。木村は前に出るが,このラウンドはやや空回り。ゾウはノラリクラリとかわし,出バナに左ジャブ,右ストレートを当てた。
 動き回るゾウをなかなか捕まえられない木村だが,開始早々から続けていたボディブローが徐々に奏功した。8・9回,ゾウは執拗な木村の前進をトリッキーな動きでかわそうとするが,持て余し気味。10回にはボディブローが効いたのか,ゾウは打ち合いを避けるように左右に動く。木村は構わず前に出て,ボディを攻める。ニュートラルコーナー付近のキャンバスが濡れていたせいもあるが,踏ん張りが利かないのか,ゾウはスリップダウンを繰り返した。キャンバスの濡れを拭うため,一時中断。調子を上げつつあった木村にとってはもどかしい時間だった。
 11回,木村がついにゾウを捉えた。勢いに乗って攻勢を強める木村。ゾウは動いてかわそうとするが,木村は構わず攻め込む。ロープに詰め,グロッギーのゾウにワンツーから左右アッパーのボディブローを浴びせる木村。ロープに釘付けになったところにワンツーの雨を降らせれば,ゾウはロープ際で崩れ落ちる。立ち上がったもののふらついており,戦意喪失の表情。ここで試合がストップされた。

 敵地・中国に乗り込んだ伏兵・木村が強豪ゾウを破る大殊勲。圧倒的不利の予想を覆す見事な王座奪取である。右ファイタータイプで右ストレート,ボディへの左右アッパーを得意としている。勝因は何と言っても挑戦者らしく果敢に攻め続けたこと。序盤はゾウの動きに苦しんだが,執拗なボディブローで徐々に弱らせる作戦が的中した。
 ゾウは初防衛に失敗。北京五輪,ロンドン五輪のライトフライ級で2大会連続金メダリストになったアマのエリート中のエリート。左右に動きながら,低いガードから左ジャブ,右ストレートを浴びせるテクニシャン。足で木村の突進をかわしていたが,ボディを打たれて徐々にスローダウン。最後は根負けに近い形で力尽き,ベルトを手放した。

10回までの採点 木村 ゾウ
主審:ダンレックス・タップダソン(比国) *** ***
副審:ロバート・ホイル(米国) 96 94
副審:サワエン・タウィクーン(タイ) 94 96
副審:エドワード・リガス(比国) 93 97
参考:MAOMIE 96 94


     ○木村:18戦15勝(8KO)1敗2分     28歳     身長:165cm     リーチ:166cm
     ●ゾウ:11戦9勝(2KO)2敗         36歳     身長:164cm     リーチ:164cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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                  2017年7月28日(金)    大阪府立体育館第2競技場
                       日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T  K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   久田哲也   8回2分54秒   角谷淳志   ●
                              (ハラダ) 108 lbs                    (金沢) 107 1/2 lbs
                     WBA8位,WBO9位,IBF7位                 かくたに・あつし

 初回,左ジャブ,フックで前に出る久田。久田は足を使って左に回り,左ジャブから左右フックを浴びせる。3回,久田もよく左ジャブが出て,左フック,アッパーにつなげるが,角谷は動きながら機を見て左ジャブから左右フックをまとめる。
 5回序盤,角谷のワンツーがクリーンヒットして大きくバランスを崩す久田。角谷は俄然攻勢に出る。中盤からは久田も左フック,アッパー,右ストレートで追い上げるが,角谷も右ストレート,左右フックをまとめる。
 7回序盤,角谷が左に回り込もうとした瞬間,久田のアッパー気味の左フックがアゴにヒット。このパンチで角谷はロープ際で尻餅をつく(カウント9)。フィニッシュを狙う久田はロープに詰めてワンツー,左右フックの連打で一気に勝負に出る。角谷は粘りを見せるが,グロッギーで,終盤にはロープを背負ってワンツーを浴びてのけぞる。
 8回,角谷をロープに詰めて左右フックのボディブロー,ワンツーで攻勢を強める。ワンツーで体のバランスが崩れた角谷は再びロープに詰まる。左右フックの攻勢で角谷が防戦一方になったところで宮崎主審が試合をストップした。

 久田は初防衛に成功。ワンツー,上下に打ち分ける左右フック,左アッパーのボディブローを得意とする右ファイタータイプ。連打が出ることと鋭い踏み込みにもいいものがある。序盤こそ角谷の動きと連打に苦しむ場面があったが,上下への速い連打で徐々に主導権を握った。
 角谷は右ボクサーファイター。このクラスとしては上背があり,軽快なフットワークから左ジャブ,ワンツーを放つ。5回まではよく動き,機を見て左右フックをまとめてリードした。しかし,パワーの差に屈した。世界挑戦1度,日本タイトル挑戦2度はすべてTKO負けという結果。やはり線の細さが目立つ。

7回までの採点 久田 角谷
主審:宮崎久利 *** ***
副審:坂本相悟 67 65
副審:原田武夫 66 66
副審:野田昌宏 67 66
参考:MAOMIE 67 65


     ○久田:40戦29勝(18KO)9敗2分     32歳     身長:162cm
     ●角谷:26戦19勝(12KO)6敗1分     32歳     身長:169cm

     放送:youtube
     解説:なし
     実況:なし

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