熱戦譜〜2017年1月の試合から


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試合日 試合 結果
2017.01.14  東洋太平洋ヘビー級
 王座決定戦12回戦
 藤本京太郎  判定  ウィリー・ナッシオ
2017.01.14 8回戦  井上岳志  判定  渡部あきのり
2017.01.14 8回戦  福本祥馬  TKO4R  福山和徹
2017.01.28 10回戦  三浦隆司  TKO12R  ミゲール・ローマン

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                    2017年1月14日(土)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ヘビー級王座決定戦12回戦
                   東洋太平洋ヘビー級1位        東洋太平洋ヘビー級2位
                ○   藤本京太郎    判 定    ウィリー・ナッシオ   ●
                             (角海老宝石) 227 1/4 lbs                (豪州) 262 lbs
                       日本ヘビー級チャンピオン

 初回,巨漢のナッシオが不敵な表情を浮かべながら前に出て左フックを振る。藤本は左右に動いて慎重に様子を見るが,下がらされている。
 しかし,2回,藤本が先制のダウンを奪った。ナッシオは左右フックで攻勢。右アッパーでぐらつく藤本。ナッシオは勢いに乗って攻め込むが,ニュートラルコーナー付近でロープを背負った藤本の右ショートストレートがテンプルに決まる。このカウンターにナッシオは右膝をついてダウン(カウント8)。
 4回,藤本は動きながら左ジャブ。左アッパーのボディブローが効いたナッシオの出足が止まる。藤本のワンツーがナッシオのアゴに決まる。これを境に中盤以降はボディが効いたナッシオは動きが鈍り,序盤の勢いが失せる。
 6回中盤,右ストレートでぐらつくナッシオ。チャンスと見た藤本は右ストレート,左フックで攻勢。8回,左アッパーをボディに受けたナッシオは上体が丸くなる。前に出てはいるが,頻りにトランクスをたくし上げ,呼吸も苦しそう。9回,藤本は動きながら左ジャブ,右ストレート,左フックを浴びせる。ナッシオは左右フックを振るが,スタミナ切れで足がついていかず,パンチが流れる場面が見られる。
 終盤はナッシオが意地を見せた。10回,藤本が左でボディを打とうとしたところにナッシオの右ストレートのカウンターがヒットし,ここから攻勢に出る。
 11回は藤本が左に回りながら上下にタイミングのいい左ジャブを多用してリードする。さらに右ストレートから左フックを再三飛ばす。ナッシオは呼吸が苦しいのか,全く手数が出ない。
 12回は再びナッシオが起死回生の一発を狙って迫る。左フックを食った藤本はひやりとさせる場面を見せた。藤本は足を使って凌ぐが,終了間際,再び左フックを受けてバランスを崩し,何とか終了ゴングを聞いた。

 藤本が2度目の挑戦で東洋太平洋のタイトルを獲得した。体格面の不利を動きと冷静な試合運びで対処したことが勝因。終始足を止めず,力まずに左ジャブ,ワンツー,左フックを浴びせ続けた。パワーがある相手に対してボディを攻めることは勇気が必要だが,左アッパーでボディを打ったことによってナッシオの出足と手数が止まった。
 ナッシオは260ポンドを超える巨漢。右ファイタータイプで動きは鈍重だが,どんどんプレスをかけて大きな左右フック,右アッパーを振る。しかし,勢いがあったのは序盤だけ。2回にダウンを喫し,ボディを打たれてからは出足もスピードも急速に衰えた。

採点結果 藤本 ナッシオ
主審:福地勇治 *** ***
副審:アンドリュー・キャンバル(豪州) 118 109
副審:ランディ・カルアグ(比国) 116 111
副審:安部和夫 116 112
参考:MAOMIE 116 111


     ○藤本:17戦16勝(8KO)1敗       30歳     身長:183cm     リーチ:186cm
     ●ナッシオ:12戦10勝(9KO)2敗     30歳     身長:188cm     リーチ:187cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:上重 聡

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                     2017年1月14日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・ウェルター級3位       日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   井上岳志    判 定    渡部あきのり   ●
                             (ワールドスポーツ) 153 lbs               (角海老宝石) 154 lbs

 左の渡部,右の井上。初回,互いに牽制しながらチャンスを窺う。目をかっと見開いて左フックを引っかける井上。さらに右フックからロープに詰め,パワフルな左右フック,右アッパーで攻勢に出る。渡部は早くも効いている。
 試合は強打自慢の両者による打撃戦の様相。2・3回,渡部をロープに詰め,体ごと叩きつけるような左右フック,右アッパーで攻勢に出る井上。渡部も自慢の強打で応戦するが,ロープを背負っている時間が長い。
 5回までは完全に井上のペースで進んだが,6回は渡辺も間合いを取って右フック,左ストレート,ボディへの左アッパーがヒットする。7回,井上は疲れが出ているのか,序盤のような勢いが見られない。渡部は単発ながらも左アッパーのボディブローを返す。
 8回,再び渡部にパンチを出す間合いを取らすまいとばかりに密着し,強引に押し込んでいく井上。渡部は最後まで自分のペースで戦えないまま終了ゴングを聞いた。

 新鋭・井上が東洋太平洋と日本の元王者・渡部に大差の判定勝ち。アマチュアの出身で駿台学園高(東京)で国体優勝,法政大では主将として全日本選手権ウェルター級で準優勝という実績がある。プロではまだ10戦目というキャリアだが,ネームバリューがある渡部を破ったことで大きく飛躍し,タイトル挑戦に向けて前進したと言える。右ファイタータイプでがっしりとした上体,丸太のような太い腕から放つ左右フック,右アッパーに破壊力がある。徹底的に渡部の距離を潰し,体を密着させたことによって巧みに自らのディフェンスも行っていた。完全にプロ向きなファイタータイプだが,アマチュ出身らしいクレバーな面も備えている。今後の動向が楽しみな逸材が現れたものである。
 いつの間にか40戦近いキャリアを積んでベテランの部類に入った渡部だが,登り竜のような井上の勢いに押されて完敗に近い試合内容。協栄→野口→角海老宝石と移籍を重ねて再浮上を狙っていたが,自分が得意とする左ストレート,右フックを打つための間合いを潰されたことが敗因。足が動かず,井上の密着をかわせなかったことが響いた。

採点結果 井上 渡部
主審:杉山利夫 *** ***
副審:中村勝彦 78 74
副審:安部和夫 79 73
副審:福地勇治 78 74
参考:MAOMIE 78 74


     ○井上:10戦9勝(4KO)1分       27歳
     ●渡部:39戦33勝(28KO)6敗     31歳     身長:175cm     リーチ:184cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:安藤 翔

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                      2017年1月14日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本ミドル級1位   T   K   O   日本ミドル級3位
                ○   福本祥馬   4回1分38秒   福山和徹   ●
                             (角海老宝石) 159 3/4 lbs                (冷研鶴崎) 159 lbs
                                               ふくやま・かずよし

 2年ぶりの再戦となった両者。開始早々からリベンジに燃える福山が動きながらワンツーをボディに,右ストレートを上に放って積極的に手を出す。福本は前に出るが,後手に回る。
 2回,福本はフェイントをかけながら突破口を探るが,出バナを打たれる。福山は間合いを取ってワンツーをボディに多用する。
 序盤で主導権を握られた福本だが,3回に入ると徐々にリズムを掴んだ。福本は左アッパーのボディブローから左ジャブでプレスをかける。福山もワンツーで応戦するが,流れは福本に傾いた。
 4回,福本が一気に試合を決める。福山が左を伸ばして不用意に出たところにタイミングのいい右アッパーがアゴに炸裂。このパンチで福山は腰から落ちて仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がったが,同じ右アッパーで崩れるところに左フックをフォローされ,福山は再び仰向けにダウン。ここで吉田主審がノーカウントで試合をストップした。

 両者は2015年1月に対戦し,そのときは福本が2−1の判定で勝っているが,今回は明白な形で決着をつけた。滑り出しは福山の積極的な攻撃に手を焼いたが,3回にボディブローでプレスをかけ,4回に鮮やかな右アッパーで沈めた。長身の右ボクサーファイターで右ストレート,左右アッパーに威力がある。しかし,相手の正面に立ち,攻めが正直なことが欠点。手を出しながらプレスをかける必要がある。
 福山は雪辱を果たすべく積極的に攻めたが,パンチ力の差が出た。右ボクサータイプで上下へのワンツーで福本を苦しめた。しかし,不用意に出たところに右アッパーを決められた。

     主審:吉田和敏,副審:染谷路朗&安部和夫&杉山利夫
     ○福本:11戦10勝(8KO)1敗     26歳     身長:184cm     リーチ:188cm
     ●福山:18戦10勝(3KO)8敗     35歳     身長:180cm
     放送:G+     解説:なし     実況:安藤 翔

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       2017年1月28日(土)    米国カリフォルニア州インディオ : ファンタジースプリングス・リゾート&カジノ
                                  12回戦
                 WBC世界S・フェザー級1位  K        O   WBC世界S・フェザー級2位
                ○   三浦隆司     12回0分53秒     ミゲール・ローマン   ●
                             (帝拳) 129 3/4 lbs                             (メキシコ) 129 1/4 lbs

 左の三浦,右のローマン。初回,三浦はじりじりと距離を詰めて低い姿勢からボディに左フックを打ち込む。さらに接近して脇腹に右フック。ファイタータイプのローマンが三浦の強打を警戒し,慎重な立ち上がりを見せた。
 しかし,歴戦の雄ローマンも黙っていない。3回に入ると右ストレートからボディに左右アッパーを連打して追い上げにかかった。4回,三浦の強打を受けない距離まで密着して腕を折り畳むようにして連打をまとめるローマン。終盤,三浦の左フックがヒットし,ローマンがぐらつく。
 5・6回,三浦もボディ攻撃で迫るが,ローマンが手数で上回る。
 ローマに流れが傾きかけた7回,三浦が気迫を前面に押し出して反撃に転じる。唸り声を発しながら三浦が左ストレート,左右フックで迫る。三浦が攻めに転じるとローマンの手数が止まる。終盤,三浦の左アッパーがアゴにヒット。浅いがタイミングは合っている。
 8回,三浦は左右フック,左アッパー,ストレート。ミスも多いが,ローマンはボディが効いているのか出足が鈍っている。ローマンはバッティングで右目上をカット。
 10回,左ストレートからカウンターの右フックをヒットする三浦。終盤,ローマンのガードが開いて不用意に出たところに三浦が打ち込んだ渾身の左アッパー。これをまともにボディにもらったローマンは膝から崩れ落ちてダウン(カウント8)。
 11回,三浦は左右アッパーのボディブローでローマンをロープ際に押し込む。ここで左右フックをまとめれば,ローマンはロープを背に両膝から落ちてダウン(カウント8)。三浦の攻勢に半ば戦意を失うローマン。
 12回,三浦は鬼のような形相で迫り,ボディブローで攻勢。ロープを背負ったところに左ストレートが炸裂し,ローマンは腰から落ちて仰向けにダウン。そのままカウントされた。

 三浦がボンバーと異名をとる自慢の強打を炸裂させ,激戦を制した。実力者ローマンを敵地でKOに仕留めた価値ある勝利である。これで王座奪回に向けて大きくアピールできたはず。ローマンに距離を潰された前半は手数に押されて苦戦したが,7回から持ち味のパワーで押し返した。やはりボディブローでダメージを与えて出足を止めたことが勝因。その反面,ミスブローが多く,手数が止まったところを先に打たれる場面が目立った。
 ローマンは右ファイタータイプ。接近して放つ右ストレートからの左右フック,アッパーの連打を得意としている。三浦の強打を封じるために徹底的に距離を潰していた。接近するとコンパクトな連打がどんどん出る。KO率が非常に高いが,一発で仕留めるタイプではなく,うまさも兼ね備えている連打型である。タフネスも強味ではあるが,さすがに三浦のボディ攻撃で動きが鈍った。

採点結果 三浦 ローマン
主審:トム・テイラー(米国) *** ***
副審:ラウル・カイズ・シニア(米国) 104 103
副審:パット・ラッセル(米国) 105 102
副審:オレン・シュレンバーガー(米国) 106 101
参考:MAOMIE 106 101


     ○三浦:36戦31勝(24KO)3敗2分       32歳     身長:169cm     リーチ:170cm
     ●ローマン:68戦56勝(43KO)12敗     31歳     身長:165cm     リーチ:170cm

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&西岡利晃     ゲスト:村田諒太
     実況:高柳謙一     アシスタント:荻野仁美

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