熱戦譜〜2016年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2016.06.04 10回戦  金子大樹  判定  高畑里望
2016.06.04 8回戦  末吉 大  判定  江藤伸悟
2016.06.04 8回戦  大野兼資  TKO8R  須田拓弥
2016.06.09  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 益田健太郎  判定  川口 裕
2016.06.13  WBO女子世界バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 藤岡奈穂子  判定  真道ゴー
2016.06.13  WBO女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 池山 直  引き分け  花形冴美
2016.06.13 8回戦  上林巨人  TKO7R  瀬藤幹人
2016.06.13 8回戦  近藤明広  TKO1R  ダオルーン・ルークバーンスワン
2016.06.13 8回戦  ジョナタン・バアト  判定  中嶋孝文

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                    2016年6月4日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                   日本S・フェザー級5位       日本S・フェザー級6位
                ○   金子大樹    判 定    高畑里望   ●
                              (横浜光) 130 lbs                 (ドリーム) 129 1/2 lbs
                                        高畑里望=たかはた・りぼう

 初回,上背で勝る高畑が好スタートを切った。左ジャブ,ストレートからボディに右フックを放って積極的に攻める。終盤,金子も低い姿勢で迫り,左アッパーをボディに。
 2回,金子が左でボディを打つところに右ストレートのカウンターを合わせる高畑。金子は鼻から出血するが,持ち前のフィジカルの強さを前面に出して押し込んでいく。左アッパーのボディブローから攻め込んだ金子が放った右ストレートが決まる。大きくぐらついた高畑に襲いかかる金子。土屋主審はロープがなければダウンという判断でカウント8を取った。
 これを境に金子が完全に主導権を握った。体で押し込むように肉薄し,左右アッパーのボディブロー,ワンツーを浴びせる。
 6回,高畑もいいパンチを返しているが,1分過ぎ,金子の右ストレートがクリーンヒット。これが効いてぐらついた高畑に左右アッパー,ワンツーで襲いかかる金子。高畑も右ストレートで応戦する。金子は左目下が腫れ,左目尻をカット(高畑の有効打による傷)。
 8回,高畑は右アッパーをヒット。距離を取るといいボクシングをするが,金子のプレスが厳しい。9回終盤,左フックで高畑のアゴが上がる。金子はすかさず攻勢に出て左アッパーをボディに打ち込む。
 10回,金子は左アッパーのクリーンヒットから攻勢に出るが,長く続かない。終盤,金子は右ストレートをヒット。高畑はかなり効いているが,最後までよく粘った。

 昨年の2連敗から立ち直った金子が力の差を見せてランカー対決を制した。持ち味とするフィジカルの強さをフルに生かして押し込んでは,ボディへの左右アッパー,ワンツーで圧倒した。パンチ力,スピードともに十分。ただし,チャンスに相手を見てしまう時間が長く,詰めを欠く場面が目立った。
 高畑は長身の右ボクサーファイター。恵まれた上背,リーチを生かした左ジャブ,ワンツーで金子を苦しめた。ストレート系のパンチに伸びがあり,威力もなかなかのもの。善戦したが,序盤からボディブローを打たれ,苦しい展開に追い込まれた。

採点結果 金子 高畑
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 98 91
副審:中村勝彦 98 91
副審:染谷路朗 98 91
参考:MAOMIE 99 90


     ○金子:31戦23勝(15KO)5敗3分     27歳     身長:174cm     リーチ:185cm
     ●高畑:20戦12勝(4KO)7敗1分      37歳     身長:180cm     リーチ:180cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:辻岡義堂

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                      2016年6月4日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                 日本S・フェザー級14位       日本S・フェザー級9位
                ○   末吉 大    判 定    江藤伸悟   ●
                            (帝拳) 131 3/4 lbs                (白井・具志堅) 132 lbs
                   末吉 大=すえよし・まさる

 初回,左ジャブの刺し合いからスタート。末吉の左ジャブが再三ヒットする。江藤も左フックで応戦。ともにスピードがある。
 実力伯仲の好ファイトになるが,4回,末吉が明白に主導権を握った。牽制しながら左ジャブで先手を取り,踏み込んで右ストレートをボディに打ち込む末吉。一方の江藤は手数が少なくなる。終盤,末吉が右ストレートからボディに左アッパーを浴びせる。
 5・6回,先に手を出したい江藤だが,それを末吉にやられている。末吉はタイミングのいい左ジャブ,右ストレートで先手を撮った。
 しかし,7回,キャリアで勝る江藤が意地を見せた。江藤は自分から仕掛けて左フック,右ストレートを浴びせる。末吉も左ジャブから意表を突くような右アッパーをヒットするが,この回は江藤が上回った。
 8回,ようやく吹っ切れたかのように江藤が積極的な動きを見せた。しかし,後半は逆に末吉が思い切った右ストレートで主導権を握った。

 アマチュアで鳴らしたランカー同士の対戦。下位の末吉がうまさを見せた。両者ともに相手が先に手を出すと手数が減ってしまうという欠点を見せた。
 末吉は千葉経済大付属高→東洋大でアマのキャリアを積んだ右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートのタイミングが良く,カウンターの切れ味に非凡なものがある。打ち合いに持ち込みたい江藤の思惑を見透かすように出バナに左ジャブを決めた。右ストレートあるいは意表を突く右アッパーを出すなど,試合運びのうまさを見せた。
 江藤は2連敗。上背に恵まれた右ボクサーファイターで,こちらも宜野湾高(沖縄)でアマのキャリアを積んでいる。伸びのある右ストレート,左フックに威力がある。しかし,末吉のカウンターや左ジャブに機先を制せられ,手数が少なくなったことが敗因。終盤に自ら攻撃を仕掛けたことによって逆に末吉の手数が減ったので,それを序盤からやるべきだった。

採点結果 末吉 江藤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:杉山利夫 78 75
副審:安部和夫 78 74
副審:土屋末広 77 75
参考:MAOMIE 77 75


     ○末吉:13戦12勝(7KO)1敗        25歳
     ●江藤:23戦17勝(9KO)5敗1分     26歳     身長:175cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                      2016年6月4日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本L・フライ級12位   T   K  O   日本ミニマム級8位
                ○   大野兼資    8回1分30秒    須田拓弥   ●
                              (帝拳) 107 3/4 lbs                       (沼田) 107 3/4 lbs
                   大野兼資=おおの・けんじ             須田拓弥=すだ・たくみ

 右の須田,左の大野。ともにジャブで探り合う。終了間際,大野の左ストレート,右フックの連打に対し,須田も右フックを一発返す。
 2回,バッティングで大野が右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。これは続行可能との判断が下り,負傷判定を意識した両者がここから激しい打ち合いに出た。大野は連打をまとめにかかるが,正面に立ち,逆に須田の左右フックをもらう。
 3回,体を密着させて激しく打ち合う両者。今度はバッティングで須田が左目上をカットする。
 中盤からはスピードで勝る大野が徐々に主導権を握った。5回終盤,須田をロープに詰めた大野は左アッパーをボディに打つ。
 6・7回,動きが衰えた大野は後手に回る。一方の須田は左ストレート,アッパー,右フックで押していく。
 8回,ショートの連打でプレスをかける大野に対し,須田の動きが鈍る。中盤,相打ちの右ストレートで須田がぐらついたところで中村主審が試合をストップした。

 ベテランの須田と新鋭の大野の対戦となったが,上り調子の大野が最終回に須田をストップした。大野はサウスポーのボクサーファイターで左ストレート,左右フック,アッパーなどの多彩なコンビネーションブローを持っている。積極的な攻撃を身上としており,手数の多さが強味。しかし,今夜は正面に立って左右フックをもらう場面が目立ち,手数も少な目だった。それが苦戦の原因になった。
 須田は右フック,ストレートを得意とする右ボクサーファイター。やや変則的で,ベテランらしい老獪な試合運びを持ち味としている。左に回るフットワークを絡めながら,大野の出バナに左右フックをヒットして苦しめた。ただ,下がりながらの攻撃が見栄えの悪いものになってしまったことが惜しまれる。中盤以降は大野の攻勢でダメージを蓄積させた。

     主審:中村勝彦,副審:染谷路朗&土屋末広&ビニー・マーチン
     ○大野:12戦11勝(6KO)1敗         28歳     身長:163cm
     ●須田:26戦12勝(3KO)12敗2分     36歳
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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                   2016年6月9日(木)    後楽園ホール
                     日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級1位)
               ○   益田健太郎   判 定   川口裕   ●
                           (新日本木村) 117 3/4 lbs         (グリーンツダ) 118 lbs
                                 川口 裕=かわぐち・ゆう

 初回,両者ともにスピードがあり,動きながらチャンスを伺う。益田は前後左右へのフットワークから左ジャブ,ワンツー。川口も動きは悪くない。終盤,益田は右ストレート,左右フックで攻勢に出る。
クリーンヒットではないが,バランスを崩す川口。
 2回,益田はよく見て川口の出バナに巧打を決める。川口の動きが硬くなる。
 5回,益田は巧みなサークリングで川口の出足を封じ,的を絞らせない。益田の右ストレートが決まり,川口が左目上をカット。6回,機を見て左右フックをまとめる益田。益田も川口の有効打で左目上をカットするが,意表を突くような右フックのボディブローを浴びせた。さらに益田の右ストレートのカウンターがヒット。
 ここまでは完全に益田のペースで進んだが,7回,バッティングで左眉下をカットした益田はドクターチェックを受ける(6回の傷とは別物)。
 9回前半は益田のサークリングと左ジャブが冴え,川口が攻め倦む場面が続く。バッティングで右目上をカットした川口は構わず前に出るが,逆に右ストレート,左ジャブを受ける。しかし,終盤,川口の左右フックで益田の膝が揺れる場面が見られた。起死回生の好機に川口は攻勢に転じる。
 10回,疲れが出たか,益田の足が動かなくなる。川口の右ストレートが2発ヒット。益田は足に来ている。両者ともに流血しながらも激しく手を出すが,より苦しそうなのは益田の方。

 激戦となったが,益田がスプリットデシジョンで辛くも初防衛に成功した。前半は持ち味の軽快なフットワークと左ジャブ,右ストレートが冴えて完勝ムード。しかし,終盤に生命線の足が止まり,川口の右ストレートをもらって苦しい展開になった。前半の貯金によって勝利をものにした形となった。4発・5発とまとめて打つうまさは光るが,後半に失速したのは大きな反省点である。
 元東洋太平洋王者・川口は2014年4月に空位の日本バンタム級王座を益田と争い,10回負傷判定で敗れている。今夜はリベンジを賭けての再戦だったが,返り討ちにあった。パンチの引きが遅く,益田に動かれて攻め倦み,出たところにワンツーを浴びる場面が目立った。

採点結果 益田 川口
主審:福地勇治 *** ***
副審:宮崎久利 96 94
副審:杉山利夫 96 95
副審:吉田和敏 95 96
参考:MAOMIE (76) (76)


     ○益田:32戦25勝(13KO)7敗     33歳     身長:165cm
     ●川口:33戦25勝(12KO)8敗     29歳     身長:165cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:鈴木芳彦

※ 第3・4ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                      2016年6月13日(月)    後楽園ホール
                      WBO女子世界バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(WBC S・フライ級4位)
               ○   藤岡奈穂子   判 定   真道ゴー   ●
                        (竹原慎二&畑山隆則) 117 1/2 lbs       (グリーンツダ) 117 3/4 lbs
                                             IBFフライ級2位

 初回,いきなり波乱の幕開けとなった。ロープ際に下がった藤岡が右を振ろうとした瞬間,真道の右ストレートが鮮やかに決まる。このカウンターでがくんと右膝を落とした藤岡はダウン寸前のピンチ。右グラブがキャンバスにつきそうになりながらもダウンは免れたが,かなり効いている。
 しかし,以降は藤岡が地力の差を見せて真道を押し込んでいった。2回後半,左右フックで攻め込み,一気にロープ際に詰めてラッシュを敢行する藤岡。ロープを背負って手が出なくなった真道は棒立ちになる。
 5回,左フックで真道の腰が落ちる。左右フックの攻勢に出る藤岡。真道の右ストレートもヒットするが,すぐに藤岡に押し込まれる。真道は鼻から出血し,苦しい展開が続く。7回,接近して正面からの打ち合いが続くが,真道が一発打つと藤岡が4発5発とパンチをまとめて返す。
 8回,藤岡の左右フックが唸りをあげる。効いている真道。ダメージがあり,動きが鈍い。終盤,激しい打ち合いになるが,藤岡の右フックが決まり,真道は腰から落ちてダウン(カウント8)。
 10回,右ストレート,左右フックで激しく攻め立てる藤岡。左フックが効いた真道はダメージの色が濃いが,最後まで死力を振り絞って応戦した。

 壮絶な打撃戦の末に藤岡が初防衛に成功。初回にいきなり大ピンチを迎えたが,その後は渾身の左右フックで真道を圧倒した。必ずしも見栄えは良くないが,とにかく旺盛なスピリットで攻めまくる右ファイタータイプ。上背がある真道に間合いを取られては不利と見て,終始押し込んで戦っていた点が良かった。
 真道は世界王座への返り咲きならず。上背とリーチに恵まれている右ボクサーファイターだが,体格差を生かせたのは初回だけ。2回以降は藤岡の馬力に屈した。足とワンツーで突き放すことができなかったことが敗因。

採点結果 藤岡 真道
主審:中村勝彦 *** ***
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 97 92
副審:ダンレックス・タップダソン(比国) 98 91
副審:原田武夫 98 91
参考:MAOMIE 97 91


     ○藤岡:16戦15勝(6KO)1敗      40歳     身長:158cm     リーチ:161cm
     ●真道:20戦16勝(11KO)4敗     28歳     身長:168cm

     放送:スカイA
     解説:渋谷 淳&宮田有理子     ゲスト:柴田直子
     実況:四家秀治

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                   2016年6月13日(月)    後楽園ホール
                     WBO女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(OPBF王者)
                ×   池山 直   引き分け   花形冴美   ×
                             (フュチュール) 100 3/4 lbs             (花形) 101 3/4 lbs
                       池山 直=いけやま・なお

 初回,じりじりと距離を詰めて右フックをヒットする池山。花形は小刻みに動いて左右フックを狙う。
 2回,左右フックで押し込んでいく花形。ともにスピードは今一つだが,それでも花形の方が一枚上。3回,両者のパンチが数を増し,接近戦で左右フックの応酬となる。花形の右ストレートがヒット。
 4・5回は池山が密着してボディに左右フック,アッパーを連打する。花形は右ストレートをヒットするが,回り込んで少し間合いを取りたいところ。
 8回,執拗に前に出て連打で迫る池山。9回は開始ゴングと同時に飛び出した花形がラッシュを仕掛ける。
 最後まで激しい打ち合いが続くが,ともに決定打を欠いた。

 ともに譲らぬ白熱戦になったが,三者三様のドローで池山が4度目の防衛に成功した。しかし,世界戦と銘打つには低調な試合内容。
 46歳の池山は右ファイタータイプ。ベタ足で泥臭く接近戦を挑み,執拗に左右フック,アッパーを上下に連打する。豊富なスタミナが武器だが,パンチ力,スピードは今一つ。体を預けるように打っているため,パンチにウェイトが乗らず威力が半減している。
 花形,3度目の挑戦も実らず。きびきびとした動きを身上とする右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。善戦空しく届かなかった原因は池山の接近戦に合わせてしまったこと。いっしょになって打ち合うのではなく,回り込んで出バナにパンチを合わせることが必要だった。

採点結果 池山 花形
主審:ダンレックス・タップダソン(比国) *** ***
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 96 94
副審:スラット・ソイクラチャン(タイ) 94 96
副審:原田武夫 95 95
参考:MAOMIE 95 96


     ×池山:12戦9勝(1KO)2敗1分      46歳     身長:154cm
     ×花形:21戦12勝(6KO)6敗3分     31歳

     放送:スカイA
     解説:渋谷 淳&宮田有理子     ゲスト:柴田直子
     実況:西 達彦

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                      2016年6月13日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本バンタム級14位    T   K  O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   上林巨人    7回2分00秒    瀬藤幹人   ●
                         (竹原慎二&畑山隆則) 122 lbs                  (協栄) 121 1/4 lbs
               上林巨人=うえばやし・なおと

 初回,瀬藤が積極的にワンツーで攻撃を仕掛ける。上林は右アッパーから左フックを返すが,ここでバッティングが発生して一時中断。上林は上下に右アッパーを見舞う。しかし,瀬藤は攻撃の手を緩めず,ワンツーで上林をロープに詰める。瀬藤の右ストレートが再三ヒットした。
 2回,瀬藤は果敢に攻めて上林をロープ,コーナーに詰め,右ストレート,アッパー。しかし,上林の左フックが効いて形勢逆転。瀬藤は右目上をカットし,ドクターチェックを受ける(バッティング)。3回,ロープに下がった上林にワンツーを浴びせる瀬藤。上林は左右フックで反撃するが,瀬藤は構わず前に出てロープに詰め,ワンツーを浴びせる。
 4回,このあたりは瀬藤のペースで進んだ。フェイントをかけながら放つ左ジャブで上林の顔が上を向く場面が見られた。後手に回った上林は調子に乗れず,苦しい展開が続く。瀬藤は2回にカットした傷からの出血が多くなり,再びドクターチェックを受ける。
 5回,先手で攻める瀬藤が主導権を握って戦う。上林をロープに詰め,左ジャブ,右ストレートを見舞う。終盤,ようやくタイミングのいい上林の右ストレートがヒットした。
 6回,瀬藤の右ストレートが決まるが,上林は左フックを顔面に,そこからすかさず左アッパーをボディに打つ。
 7回,リードされていた上林が形勢を逆転した。瀬藤は積極的に攻めるが,中盤,打ち合いの中で上林の左フックがアゴを捉える。この一発でぐらついた瀬藤は動きが止まる。これを見逃さず,一気にスパートする上林。ロープを背負った瀬藤は一転して大ピンチ。右ストレート,左右フックの猛攻で逆転を狙う上林。必死に体勢を立て直そうとするが,左フックでロープに詰まったところで土屋主審が試合をストップした。

 形勢不利だった上林がワンチャンスをモノにして逆転TKO勝利を飾った。広陵高(広島)→日大でアマ経験がある右ボクサーファイターで右ストレート,左フックに威力がある。7回に一発の左フックで効かせてからは怒涛の攻勢で試合をひっくり返した。パンチ力に加えて連打をまとめる力がある。しかし,前半は瀬藤の積極的な仕掛けで後手に回り,攻め倦んだ。スロースターターというわけでもないだろうが,見栄えが悪い。もう少し自分から左ジャブを突いて先に先にと試合を作ることが必要。せっかくいいものを持っているのに宝の持ち腐れになる。
 1年4ヶ月ぶりのリングとなった瀬藤だが,節目のプロ50戦目となる試合を勝利で飾れなかった。2013年7月のTKO勝利以降は4試合勝ち星から遠ざかっている。再三ヒットしていたワンツーは良かったが,前半こそ積極的な攻撃でリードしたものの,一発の左フックが効いてしまった。

     主審:土屋末広,副審:ウクリッド・サラサス&浅尾和信&岡庭 健
     ○上林:12戦10勝(6KO)1敗1分       29歳     身長:167cm
     ●瀬藤:50戦34勝(18KO)13敗3分     36歳     身長:168cm
     放送:スカイA     解説:渋谷 淳     実況:四家秀治

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                     2016年6月13日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                 IBF世界S・ライト級5位   T   K   O     タイ国ライト級(ノーランク)
                ○   近藤明広    1回2分54秒    ダオルーン・ルークバーンスワン   ●
                             (一力) 136 3/4 lbs                           (タイ) 135 1/4 lbs

 初回,顔面をグラブでカバーしながら左ジャブを突くダオルーン。さらに左右フックを振って迫る。近藤は落ち着いて左ジャブを突きながら,様子を見て左アッパーをボディに。中間距離から放った近藤の右ストレートがアゴに決まる。返しの左フックを当てる間もなく,ドッと音を立ててキャンバスに落ちるダオルーン。カウントの途中で岡庭主審が試合をストップした。

 元日本ライト級王者・近藤がワンパンチで試合を決めた。格下相手ではあるが,タイミングと切れの良い右ストレートで存在感を示した。現在は世界ランクに連ねて日本S・ライト級1位という位置にあり,もう一花咲かせたいところだろう。右だけでなく,左フックにも威力がある右ボクサーファイター。ベテランらしい落ち着いた試合ぶりが目についた。
 ダオルーンは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,パンチは重い。足を止めて打つ左右フック,アッパーに威力がある。

     主審:岡庭 健,副審:ウクリッド・サラサス&杉山利夫&福地勇治
     ○近藤:32戦25勝(12KO)6敗1分         31歳     身長:173cm
     ●ダオルーン:16戦8勝(4KO)6敗2分        20歳
     放送:スカイA     解説:渋谷 淳     実況:西 達彦

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                      2016年6月13日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本S・バンタム級1位       日本フェザー級13位
                ○   ジョナタン・バァト   判 定   中嶋孝文   ●
                                 (カシミ) 122 lbs            (竹原慎二&畑山隆則) 121 3/4 lbs

 右の中嶋,左のバァト。初回,ともに探り合いから立ち上がる。右ストレートでバァトをロープに詰めていく中嶋。右アッパーのボディブローを打つ中嶋に対し,バァトもアゴに右アッパーを合わせる。
 中嶋が互角に戦ったのは初回だけ。2回以降はバァトのペースで進んだ。3回,後手に回っては不利と見た中嶋は右ストレート,左右フックで積極的に出る。しかし,後半はバァトが左右アッパーでプレスをかけて主導権を握った。
 4回,中嶋の攻撃は単発。逆にバァトが攻勢に出て接近戦で左右アッパーを浴びせれば,中嶋は手が出にくくなり,クリンチに逃れる。中嶋は右目上をカット(バッティング)。5回,バァトに左右アッパーでボディを攻められ,中嶋の動きが鈍る。
 6回以降は一発打っては揉みあう場面が多くなった。8回,ともに疲労が目立ち,盛り上がらないまま終了ゴングを聞いた。

 クリンチ,ホールドが多い凡戦。バァトが2−0の判定勝ちで一階級上の中嶋を退け,トップコンテンダーの貫禄を示した。ベタ足でスピードはないが,積極的に前に出て接近戦を挑み,左右アッパーを連打するサウスポーのファイタータイプ。老獪な試合運びが目立つ。くっつかれてやりにくそうな中嶋の心の内を見透かしたように執拗な接近戦を仕掛けた。
 中嶋は右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを得意としている。距離を取って自分のペースで戦いたいところだったが,あまりにも簡単に接近を許してしまった。後手に回り,弱気な面を見せてしまった。2−0の判定ではあるが,内容的には完敗。

採点結果 バァト 中嶋
主審:福地勇治 *** ***
副審:土屋末広 78 75
副審:杉山利夫 77 76
副審:浅尾和信 76 76
参考:MAOMIE 78 74


     ○バァト:43戦31勝(14KO)7敗5分     35歳     身長:168cm
     ●中嶋:34戦25勝(10KO)8敗1分      31歳     身長:170cm

     放送:スカイA
     解説:宮田有理子
     実況:四家秀治

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