熱戦譜〜2016年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2016.04.02  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 尾川堅一  KO9R  杉田 聖
2016.04.02  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 石本康隆  判定  藤原陽介
2016.04.02 8回戦  堀池雄大  TKO2R  シラパチャイ・シットチャーンシン
2016.04.14  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 竹中 良  TKO6R  正野 晃
2016.04.14  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 拳四朗  TKO1R  角谷淳志
2016.04.14 8回戦  小原佳太  TKO1R  ペッダム・トーパランイーシップサーム
2016.04.16  WBCインターナショナル フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジョシュ・ウォーリントン  判定  天笠 尚
2016.04.17  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 中谷正義  TKO1R  闘将 青木 誠
2016.04.27  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジェスレル・コラレス  KO2R  内山高志
10 2016.04.27  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 河野公平  判定  インタノン・シッチャモアン
11 2016.04.27  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田口良一  TKO11R終了  ファン・ランダエタ

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                      2016年4月2日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    K      O  挑戦者(同級1位)
                ○   尾川堅一   9回1分36秒   杉田 聖   ●
                              (帝拳) 130 lbs                     (奈良) 129 3/4 lbs
                 WBC8位,IBF11位,WBOフェザー級15位    杉田 聖=すぎた・さとる

 同型のボクサーファイター同士の対戦。初回,ともに左ジャブの刺し合いから立ち上がる。中盤から尾川が左ジャブ,右フックのボディブロー,さらに右ストレート,左フックで先手を取った。2回,左ジャブでタイミングを取りながら,杉田の入り際に右フックでボディを叩く尾川。杉田はこれで入りにくくなっている。杉田は右ストレートをヒットするが,尾川がすぐに右フックを振れば,杉田はバランスを崩す。
 3回,尾川のワンツーが決まり,一瞬ぐらつく杉田。尾川はさらに右ストレートでボディを叩く。徐々に尾川のタイミングが合ってきた。終盤,尾川は左アッパーのボディブロー。
 4・5回は杉田が丹念に左ジャブを突き,右ストレートを浴びせる。わずかに鼻から出血した尾川がそれを気にする場面が見られた。終盤,尾川は積極的に右ストレートを浴びせる。
 6回,やや力みがあるが,再び尾川が積極的にワンツーを振り抜き,左右フックでボディを叩く。杉田も右ストレートを打ち返して白熱する。終盤,尾川が右ストレートから攻勢に出る。
 7回,尾川は右ストレートを思い切り振って積極的に攻める。杉田も右ストレート,左フックで応戦するが,主導権は尾川が握っている。
 8回は杉田が再び左ジャブを突いて前に出る。ワンツーで攻め込んで尾川にロープを背負わせる杉田。尾川の左目下が腫れている。いい感じで攻めている杉田だが,もう一歩の踏み込みが欲しい。
 9回,左ジャブ,右ストレートで応酬する両者。1分過ぎ,尾川の右ストレートはガードの上からだったが,ここから一気に攻勢に出て右ストレートを見舞う。すかさず放った右ストレートから返した左フックが決まり,杉田は青コーナー付近のロープ下で仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったが,力が抜けたように膝が落ちたところでマーチン主審がカウントアウトした。

 ハイレベルな攻防で見応え十分の白熱戦となった。
 尾川は初防衛に成功。やや苦戦したが,地力の差を見せつけ,最後はパワーでねじ伏せた。力んで手数が減り,逆に杉田の左ジャブ,右ストレートを受ける場面が目立った。パンチ力,スピードともに抜群で,世界を狙える実力があることは間違いない。狙い過ぎる欠点を直せば,十分にチャンスがある。右ストレート,フックをボディに打ち,上下にパンチを散らしていた点は良かった。
 杉田は尾川と同型の右ボクサーファイターで右ストレートにパンチ力がある。ガードを固めて丹念に左ジャブを突き,尾川を苦しめた。強打を警戒しつつも恐れずに五分に渡り合った勇気は賞賛に値する。練習環境に恵まれているとは思えない地方のジムでトレーニングし,実力をつけた姿に頭が下がる思いである。尾川の右でボディを叩かれ,思い切って前に出られなかったことが響いた。

8回までの採点 尾川 杉田
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 77 75
副審:杉山利夫 78 74
副審:土屋末広 79 73
参考:MAOMIE 77 75


     ○尾川:19戦18勝(15KO)1敗       28歳     身長:173cm
     ●杉田:15戦11勝(7KO)3敗1分     26歳

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:上重 聡

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                  2016年4月2日(土)    後楽園ホール
                    日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級1位)
               ○   石本康隆   判 定   藤原陽介   ●
                               (帝拳) 122 lbs            (ドリーム) 121 1/2 lbs
                        WBO9位         藤原陽介=ふじはら・ようすけ

 立ち上がりから石本が左ジャブ,右アッパー,ストレートで積極的な攻撃を見せた。2回には開始早々にタイミング抜群のワンツーが頭部を掠め,藤原は腰から落ちてダウン(カウント8)。石本は気合い十分の表情で左右アッパー,右ストレートで攻勢。藤原も左アッパーのボディブロー,右ストレートで応戦する。
 4回,意識的にか先に手を出す石本。接近して左右アッパーのボディブローを連打し,さらに顔面にも左右アッパー。終盤には石本の右ストレートがヒット。
 中盤は石本のうまさが目立った。距離を取って足を絡めながら左ジャブ,右ストレート。あるいは接近して左右アッパーを見舞う。
 7回は藤原がいいところを見せた。ワンツーをクリーンヒットし,さらに右アッパー,ストレートを決める。これが効いた石本はクリンチ,ホールドに出る。バッティングで左前頭部をカットした石本はドクターチェックを受ける。藤原もバッティングで右目上をカットするが,この回のポイントはモノにした。
 8回,石本が7回とは別の左前頭部の傷(バッティング),藤原が7回の右目上のカットで相次いでドクターチェックを受ける。藤原は勝負所だが,思い切った攻撃ができない。
 9回,石本の右アッパーがアゴに決まり,藤原は右膝から落ちてダウン(カウント9)。攻勢に出る石本。ダメージがある藤原は動きが鈍く,クリンチで凌ぐ。振りほどいてでも攻めたい石本だが,こちらも詰めを欠いた。
 10回,フィニッシュに向けて激しく攻める石本。右ストレートがアゴにヒットし,ぐらつく藤原。かなり効いている藤原。石本の左フックが決まるが,藤原はクリンチ,ホールドでピンチを耐えた。

 激戦の末,2度のダウンを奪った石本が大差の判定で初防衛に成功した。ベテランらしい落ち着いた試合運びとうまさが光る。足を絡めて左ジャブ,ワンツーあるいは接近戦で左右アッパーを巧打した。相手が打ち気に出れば,動いて逸らすなどの老獪なテクニックで藤原の攻撃の芽を摘んだ。このあたりはキャリアの差だろう。ただ,2度のダウンを奪って相手のダメージもあっただけに,フィニッシュしたかったところ。
 藤原は右ボクサーファイターで右ストレート,アッパーに威力がある。トップコンテンダーの意地を十分に見せたが,石本のうまさが一枚も二枚も上だった。7回に右ストレートでチャンスを掴んだが,石本に攻撃を封じられた。

採点結果 石本 藤原
主審:染谷路朗 *** ***
副審:安部和夫 98 90
副審:杉山利夫 98 90
副審:土屋末広 98 90
参考:MAOMIE 98 90


     ○石本:36戦28勝(7KO)8敗     34歳     身長:172cm     リーチ:171cm
     ●藤原:20戦16勝(4KO)3敗     29歳     身長:171cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:川畑一志

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                         2016年4月2日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)   T   K   O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
                ○   堀池雄大     2回1分52秒    シラパチャイ・シットチャーンシ   ●
                              (帝拳) 122 lbs                               (タイ) 121 1/2 lbs

 初回,気合いが入った表情で左ジャブからプレスをかける堀池。シラパチャイをロープに詰め,左右フックのボディ連打で攻め込む。さらにニュートラルコーナーに詰め,攻勢に出る。シラパチャイもアップライトスタイルから右ストレートを返す。堀池は左目上をカット(シラパチャイの有効打による傷)。
 2回,ロープに詰めて左右フックでボディを叩けば,シラパチャイはがっくりと膝をついてダウン(カウント8)。ニュートラルコーナーで左から右のフックが決まり,腰から落ちて2度目のダウン(カウント9)。ここでカウントアウトかと思われたが,安部主審は続行を指示する。シラパチャイは右ストレート,アッパーで応戦するが,すぐに捕まってロープを背負う。ボディから顔面に左右フックを浴び,その場に膝をついて3度目のダウン(カウント8)。よく立ち上がるが,ロープに詰めて堀池が左右フックを浴びせたところで安部主審が試合をストップした。

 4連敗中だった堀池が鮮やかなTKOで再起を果たした。浜松の西遠ジムから帝拳に移籍し,これが第1戦だったが,2年5ヶ月ぶりのうれしい勝利で飾った。右ボクサーファイターで,左ジャブからの左右フックにスピードと威力がある。連打が出ることが最大の強味になっている。移籍と同時に連敗からの脱出を果たしたことにより,心機一転。スピードを活かしたボクシングに徹すれば,ランク入りも十分に期待できる。2012年度の全日本S・バンタム級新人王。
 シラパチャイは右ボクサーファイター。動きはぎこちなく,スピードも今ひとつだが,アップライトスタイルから思い切った右ストレート,アッパーで攻める。パンチを打つときにアゴのガードが空くことが欠点。

     主審:安部和夫,副審:染谷路朗&土屋末広&中村勝彦
     ○堀池:18戦10勝(3KO)5敗3分       31歳     身長:168cm
     ●シラパチャイ:16戦8勝(2KO)8敗     26歳     身長:169cm
     放送:G+     解説:なし     実況:佐藤義朗

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                     2016年4月14日(木)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   T   K  O   挑戦者(同級14位)
                ○   竹中 良   6回1分20秒   正野 晃   ●
                             (三迫) 125 3/4 lbs                  (アポロ) 125 3/4 lbs
                                           正野 晃=しょうの・あきら

 初回,滑り出しはともに左ジャブの探り合いから。しかし,中盤から竹中が左ジャブからボディに左アッパー,さらに右ストレートでプレスをかける。正野も動きながらワンツーで応戦するが,流れは早くも竹中に傾いた。
 3回,正野は左眉(偶然のバッティングによる傷)と左目尻(竹中の有効打による傷)をカットし,ドクターチェックを受ける。竹中は左ジャブから左右アッパーをボディに集め,完全に主導権を握った。ボディが効いた正野は足が止まる。
 4回,竹中は左ジャブからワンツー,さらに左右アッパーのボディブローでプレスを強める。正野もワンツーを返すが,スピードがない。
 5回,右ストレートでのけぞった正野はロープを背負う。チャンスと見た竹中は一気に攻勢に出て右ストレート,ボディへの左右アッパーで襲いかかる。ロープ際から回り込んで逃れようとしたところに右ストレートを打ち込まれた正野は腰から落ちてダウン(カウント8)。辛うじて立ち上がったが,かなりダメージを残し,やっとのことでゴングに救われた。
 6回,敗色濃厚の正野は意を決したように勝負に出るが,全く通じない。竹中は落ち着いて左アッパーをボディに打ち込む。そこから青コーナーに詰めてワンツーの連打を浴びせたところで土屋主審が試合をストップした。

 力の差を見せつけた竹中が圧勝で初防衛に成功した。冷静な試合運びが光る。左ジャブでリズムを取り,ワンツーから左右アッパーのボディブローを多用し,早い段階で正野を弱らせた。力みのない軽い動きからスムーズにパンチが出ていた。チャンスの詰めも見事で,ほぼ会心の試合内容と言えるだろう。
 正野は右ボクサーファイターで右ストレート,ワンツーを得意としている。立ち上がりこそ軽い足の運びでワンツーを放っていたが,ボディブローへの防御に策がなかったことが響いた。竹中が左アッパーでボディを狙っていたのは明白なので,右フックのカウンターを合わせるなどの思い切った攻撃が欲しかった。あまりにも簡単に接近を許し,ボディを打たせてしまったことが敗因の一つ。このボディブローでスピードが鈍り,じり貧に陥った印象が強い。

5回までの採点 竹中 正野
主審:土屋末広 *** ***
副審:中村勝彦 50 44
副審:福地勇治 49 45
副審:安部和夫 50 44
参考:MAOMIE 50 44


     ○竹中:18戦14勝(8KO)3敗1分     30歳     身長:172cm
     ●正野:19戦9勝(5KO)7敗3分      35歳     身長:171cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:福永一茂

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                  2016年4月14日(木)    後楽園ホール
                      日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン   T   K  O  挑戦者(同級1位)
                ○  拳四朗   1回2分53秒   角谷淳志   ●
                           (BMB) 107 1/2 lbs                   (金沢) 107 3/4 lbs
                   拳四朗=けん・しろう         角谷淳志=かくたに・あつし

 開始早々からお互いにキビキビとした動きを見せる。左フックでバランスを崩した拳四朗だが,構わず攻め込む。逆に左フックが効いて角谷の動きが鈍る。拳四朗の右アッパーで左膝をついた角谷はダウンを取られる(カウント8)。立ち上がった角谷にはダメージが残っている。チャンスと見た拳四朗はさらに勢いを増す。右ストレートのカウンターから返した左フックを受け,角谷は仰向けに2度目のダウン(カウント8)。これも立ち上がったが,左フックで脆くも腰から落ちて3度目のダウン。ここまでと見た浅尾主審が試合をストップした。

 拳四朗は初防衛に成功。関西期待の若手ホープである。軽快な動きを持ち味とする右ボクサーファイターで,右ストレート,左フックに切れがある。奈良朱雀高→関西大でアマのキャリアを積んだ。東洋太平洋ライトヘビー級と日本ミドル級の元王者でジムの会長でもある寺地永の次男で,本名は寺地拳四朗。まだキャリアが浅いが,このまま成長すれば世界挑戦も期待できる。
 角谷はこのクラスとしては長身の右ボクサーファイター。過去に日本,世界のタイトル戦を1度ずつ経験しているが,いずれも敗れている。フットワークに乗せた右ストレートを得意としている。しかし,バランスが悪く,非力な印象は否めない。勢いのある拳四朗との力の差は明白だった。ガードの低さを突かれ,左フックで効かされてからは朦朧とした様子でなす術もなく沈んだ。

     主審:浅尾和信,副審:安部和夫&福地勇治&杉山利夫
     ○拳四朗:7戦7勝(4KO)            24歳     身長:164cm
     ●角谷:23戦17勝(10KO)5敗1分     30歳     身長:169cm
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:鈴木芳彦

※ 2016年1月のルール改正により,フリーノックダウン制が施行された。したがって,3度目のダウンによるストップはKOではなく,TKOとなる。

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                      2016年4月14日(木)    後楽園ホール
                                8回戦
                  IBF世界S・ライト級3位  T   K   O      タイ国S・ライト級(ノーランク)
                ○   小原佳太    1回2分31秒   ペッダム・トーパランイーシップサーム●
                              (三迫) 143 1/2 lbs                             (タイ) 143 lbs
                      WBO11位

 開始早々,小原が左ジャブからワンツーでプレスをかける。動きがぎこちないペッダムに対し,小原は左ジャブ,右アッパー,ボディへの右フックを軽く散らしながら崩しにかかる。ロープ際に下がったペッダムが中途半端に出した左ジャブ。これを軽いバックステップでかわしざまに放った小原の右ストレート。これがアゴに炸裂し,ペッダムはうつ伏せにダウン。ここで中村主審が即座に試合をストップした。

 世界挑戦を目前にしている小原が痛烈なカウンターでアピールした。格下相手の調整試合であることは明白だったが,特に油断することもなく,リラックスして上下にパンチを散らしていた点が光る。ただし,もう少し骨のある相手との手合わせが見たかった。ただし,ハードパンチャーにありがちなように,小原自身は打たれて強い方ではない。このクラスにはスピードとパンチ力を備えた強豪が犇めいている。世界に打って出る上ではアゴのガードだけは要注意。
 ペッダムは右ボクサーファイター。これという武器もスピードもなく,動きはぎこちない。世界を目指す小原の敵ではなかった。

     主審:中村勝彦,副審:土屋末広&福地勇治&浅尾和信
     ○小原:18戦16勝(15KO)1敗1分     29歳     身長:178cm     リーチ:184cm
     ●ペッダム:12戦8勝(4KO)4敗       30歳
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:木村拓也

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            2016年4月16日(土)    ファースト・ダイレクト・アリーナ(英国ヨークシャー リーズ市)
                    WBCインターナショナル・フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン            挑戦者(WBC13位)
               ○  ジョシュ・ウォーリントン   判 定   天笠 尚   ●
                              (英国) 125 lbs                 (山上) 125 1/2 lbs
                        WBC2位                 IBF13位

 序盤,ウォーリントンは左ジャブを打ちながら距離を詰め,天笠をロープ際に追い込んでボディから顔面に左右フックを見舞う。天笠はワンツーで応戦するが,動きが硬く手数で下回る。
 3回,天笠がタイミングの良い右アッパーをクリーンヒット。試合の流れを引き寄せたかに見えたが,後半はウォーリントンが左ジャブからの左右フックで見せ場を作る。
 6回は天笠がいいところを見せた。攻め込むウォーリントンを迎え撃ち,左フック,アッパーで脅かす。ウォーリントンは鼻から出血。天笠はどんどん先に手を出したい。7回,天笠のボディブローを嫌ったウォーリントンはやや弱気な表情を浮かべる。
 いいところまで攻める天笠だが,要所を締められる展開が続く。10回,距離を取るウォーリントン。天笠は先に手を出したいが,逆にウォイーリントンが左ジャブ,フックをコツコツと当てる。2分過ぎ,ウォーリントンが飛び込んで放った左フックがクリーンヒット。天笠は左アッパーのボディブローで応戦するが,ウォーリントンの攻勢でロープを背負う。
 11回,オーバーハンドの右フックをヒットした天笠が左右フックで攻め込む。しかし,勝負所と見たウォーリントンが逆に左ジャブ,フック,右ストレートで攻勢に出た。ここでウォーリントンの左グラブのテープが剥がれて一時中断。天笠はバッティングで右目上をカットする。ここが正念場の天笠だが,ウォ−リントンの手数が上回った。
 12回,天笠は積極的に攻め込み,持ち味とする変則的な左右フック,アッパーを振る。これを序盤から見せて欲しかったが,時すでに遅し。

 IBF世界フェザー級王者リー・セルビー(英国)への挑戦権を賭して英国に乗り込んだ天笠。完全アウェイの敵地で健闘したが,ウォーリントンの巧みな試合運びに屈した。得意のボディブローで足を止める作戦は良かったが,それを徹底できなかったことが惜しまれる。要所をウォーリントンに締められてポイントにつなげることができなかった。まともに打たれることは少なかったが,ロープを背負う場面が多かったことが見栄えを悪くした。
 ウォーリントンは右ボクサーファイター。軽快なフットワークから接近し,左右フックを上下に連打するのが得意の攻撃パターン。被弾もあったが,すぐに打ち返して決定打を許さなかった。特にラウンドの後半に攻勢に出ていたあたりは,ポイントの取り方を知り尽くす試合巧者という印象を強くした。

採点結果 ウォーリントン 天笠
主審:ビクター・ロフリン(英国) *** ***
副審:マッシモ・バロベッキオ(イタリア) 117 111
副審:イアン・ジョン・ルイス(英国) 118 111
副審:ヴェンツィスラフ・ニコロフ(ブルガリア) 120 107
参考:MAOMIE 115 113


     ○ウォーリントン:23戦23勝(4KO)      25歳     身長:170cm
     ●天笠:38戦30勝(20KO)6敗2分     30歳     身長:179cm        リーチ:181cm

     放送:YOUTUBE     解説:なし         実況:なし
     放送:TBS         解説:坂田健史     実況:赤荻 歩

※ YOUTUBEはフルラウンドを収録。TBSは第1・6・7・10・11・12ラウンドのみを放送。

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              2016年4月17日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                      東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級15位)
                ○   中谷正義   1回1分19秒   闘将 青木 誠   ●
                              (井岡) 135 lbs                         (グリーンツダ) 135 lbs
                   WBA13位,WBC9位,IBF15位

 良く見て左ジャブから立ち上がる中谷。青木はいきなり右ストレート,フックを振って飛び込むが,スピードがなく,全く通じない。左ジャブで青木をのけぞらせた中谷はさらに右ストレートを浴びせる。青木の力量を見て取った中谷はここから一気に攻勢。右ストレート,左フックの連打を浴びて棒立ちになった青木はリング中央で両手両足をついてダウン(カウント8)。辛うじて続行に応じたが,再び右ストレート,左フックの追撃に晒される。ガードも取れなくなってロープに腰を落としたところで川上主審が試合をストップした。

 中谷は5度目の防衛に成功。相手に何もさせない圧勝である。良く見て左ジャブでタイミングを取り,チャンスを掴んでからは一気の攻勢で仕留めた。軽快なフットワークがある右ボクサータイプで,左ジャブ,右ストレートにスピードと切れがある。目と勘の良さに定評がある。
 青木は右ファイタータイプ。スピードがない上に,正面に立ってしまうので,中谷の的確なパンチの標的になってしまった。右を振って飛び込むだけで策がなく,ガードも取れずにスピーディなパンチを浴びた。パンチに対する反応の鈍さが目立っており,上昇気流に乗る中谷の相手ではなかった。ミスマッチに近い試合内容である。

     主審:川上 淳,副審:福地勇治&新井久雄&野田昌宏
     ○中谷:12戦12勝(7KO)            26歳     身長:182cm     リーチ:180cm
     ●青木:36戦20勝(17KO)14敗2分     36歳     身長:173cm
     放送:YOUTUBE     解説:なし     実況:なし

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                     2016年4月27日(水)    大田区体育館
                     WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)    K      O   チャンピオン
                ○   ジェスレル・コラレス   2回2分59秒   内山高志   ●
                                (パナマ) 130 lbs                        (ワタナベ) 129 3/4 lbs

 右の内山,左のコラレス。開始早々から変則的なタイミングで思い切った左右フックを振るコラレスは気合い十分。終盤,コラレスは左右フック,右ストレートで猛然と攻勢に出て,内山をロープに詰める。早くも目が離せない緊迫した展開になった。
 2回,コラレスの強打が火を噴いた。虎視眈々と入り際を狙っているコラレス。まさに内山が右ストレートを振った入り際に返した左ストレートが決まる。痛烈なカウンターをアゴに食らった内山は右膝を折るようにキャンバスに落ちる。カウント8で立ち上がったが,足に来て朦朧としている。猛然と襲いかかるコラレス。内山は左右フックをかわし切れず,前に落ちて2度目のダウン(カウント8)。これも辛うじて続行となるが,コラレスの攻勢に絶体絶命のピンチが続く。しかし,残り1秒というところで左フックがアゴに決まり,内山はロープ際で腰から落ち,3度目のダウンで万事休す。

 安定政権を築いていた内山がまさかの陥落となった。痛恨のKO負けで12度目の防衛に失敗。変則的なパンチを振り回すコラレスの術中に嵌り,強打を浴びて完敗となった。従来から指摘されていたガードの低さが致命傷になったと言える。クリンチするか,足を使って時間を稼ぐなどの方法があったはずだが,王者のプライドがそれを許さなかったのだろう。様子を見ながらでも左ジャブを上下に打って牽制しておけば,コラレスを調子に乗せることはなかったはず。
 コラレスはサウスポーのファイタータイプ。基本は左構えだが,頻繁に右にもスイッチする。体ごとぶつけるように思い切って放つ左右フックは低いKO率が信じられないほどの破壊力がある。意外に目と勘がいいことも強味である。最初のダウンを奪った左ストレートは,タイミングの面からも見事なカウンターだった。

1回までの採点 コラレス 内山
主審:ロバート・ホイル(米国) *** ***
副審:ヒューバート・アール(カナダ) 10
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 10
副審:ウリエル・アギレラ(コロンビア) 10
参考:MAOMIE 10


     ○コラレス:22戦20勝(8KO)1敗1無効試合     24歳     身長:168cm     リーチ:170cm
     ●内山:26戦24勝(20KO)1敗1分           36歳     身長:173cm     リーチ:180cm

     放送:テレビ東京
     解説:竹原慎二     ゲスト:山中慎介
     実況:斉藤一也

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                    2016年4月27日(水)    大田区体育館
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン           挑戦者(同級7位)
                ○   河野公平   判 定   インタノン・シッチャモアン   ●
                               (ワタナベ) 115 lbs                   (タイ) 114 1/2 lbs

 右の河野,左のインタノン。初回,インタノンは右ジャブ,フック,左ストレートから積極的に攻める。河野はガードを固めながら前に出て右ストレートを狙う。
 2・3回,両者の動きが忙しくなる。河野は右ストレート,ボディへの左右フックで先に手を出してプレスをかける。
 4回,河野の右ストレート,左右フックに対して,インタノンは左ストレート,右フックで攻勢に出る。この回はインタノン優勢で終わるかと思われた終盤,河野が放ったワンツーが鮮やかにアゴを捉える。この見事なパンチでインタノンは尻餅をついてダウン(カウント8)。
 5回にも河野がダウンを奪った。インタノンの右フックが飛ぶが,終盤,河野の右アッパーが鳩尾に刺さり,インタノンは両手両足をついてダウン(カウント8)。同時にバッティングは発生していたが,明白なノックダウンである。
 7回,河野が再び攻勢に出る。ぐらついて後退するインタノン。よく耐えるが,左右フックでロープ際に詰まったところに右ストレートを打ち込まれ,両膝をついてダウン(カウント8)。グロッギーのインタノンは辛うじてゴングに救われた。
 8・9回,インタノンをロープに釘付けにして連打を浴びせる河野。インタノンは足にダメージの色が出て,パンチは空を切る。
 11回,ワンツー,右アッパーのボディブローで圧倒する河野。12回,河野の攻勢が続く。右ストレート,ワンツーを浴びせて攻め込む。かなり効いているインタノンはワンツーの連打で後退。しぶとさを見せて最後まで耐え抜き,辛うじて終了ゴングを聞いた。

 河野が3度のダウンを奪い,大差の判定勝ちで3度目の防衛に成功した。サウスポーのインタノンに対し,得意の右ストレートを多用する作戦が奏功した。持ち味のスタミナは相変わらずの無尽蔵。後半は右アッパーのボディブローを多用していたが,これを序盤から出して上下に打ち分けていれば,KOも可能だったろう。
 インタノンはサウスポーのボクサーファイターで右フック,左ストレートを得意としている。かなり被弾していたが,非常にタフでしぶといところを見せた。パンチ力はあるが,追い足が鈍いことが攻撃力を半減させている。また横への動きがほとんどないことが欠点。攻撃が直線的で正面に立ってしまうため,ある意味で河野にとっては戦いやすかったはず。

採点結果 河野 インタノン
主審:ウリエル・アギレラ(コロンビア) *** ***
副審:ヒューバート・アール(カナダ) 119 106
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 119 106
副審:キム・ビュンム(韓国) 119 106
参考:MAOMIE (109) (97)


     ○河野:41戦32勝(13KO)8敗1分        35歳     身長:167cm     リーチ:170cm
     ●インタノン:37戦28勝(17KO)8敗1分     29歳     身長:160cm     リーチ:165cm

     放送:テレビ東京
     解説:竹原慎二     ゲスト:山中慎介
     実況:増田和也

※ 第10ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                  2016年4月27日(水)    大田区体育館
                    WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン     T  K O   挑戦者(同級7位)
               ○   田口良一   11回終了   ファン・ランダエタ   ●
                            (ワタナベ) 107 3/4 lbs                  (カシミ) 108 lbs

 右の田口,左のランダエタ。初回,田口は左フックのカウンターをヒットするが,ランダエタは上体を揺すりながら右ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーで積極的に攻める。
 しかし,2回中盤,田口の右フックがアゴに決まり,ランダエタは大きくぐらついて後退。田口は一気に襲いかかる。ロープを背負ったランダエタはウィービング,ダッキングで凌ぐ。
 これ以降は田口のペースで試合が進んだ。左ジャブ,右ストレート,ボディへの左フック,右アッパーで圧倒する田口。ランダエタは老獪な試合運びを見せるが,田口のボディ攻撃は確実に動きを鈍らせた。7・8回,田口の優勢が続くが,ランダエタはまともには打たせず,ときおり左右アッパー,左ストレートを回転させた。
 9回序盤,田口がランダエタを捉えた。右ストレートからの左フックを脇腹に打ち込まれたランダエタはたまらず右膝をついてダウン(カウント9)。さらに左右フックの猛攻で左膝をつき,2度目のダウン(カウント8)。KOを狙って田口の攻勢が続くが,ランダエタは弱気な表情を浮かべながらもしぶとく耐え抜いた。
 ワンサイドゲームになり,試合の興味は田口がどこで仕留めるかに絞られた。10回終盤,ロープに詰めて右ストレート,左アッパーを打ち込めば,ランダエタは右膝をついてダウン(カウント8)。
 11回,ワンツー,左右フックの攻勢に晒されたランダエタはまたもや右膝をついて4度目のダウン(カウント8)。ランダエタは一瞬戦意を失ったような表情を見せたが,驚異的な粘りを見せる。しかし,田口が青コーナー付近で右ストレート,左右フックを浴びせれば,右膝をついて5度目のダウン(カウント8)。完全に動きが鈍ったランダエタは辛うじて終了ゴングを聞いたが,結局インターバル中に棄権を申し入れた。

 田口は3度目の防衛に成功。老獪なランダエタをボディブローで攻略し,5度のダウンを奪った末の勝利である。粘るランダエタの心を折ったのは上下への間断ない打ち分けであることは間違いない。特にここに織り交ぜたボディブローが効果的だった。これで3度の防衛戦をすべてTKOで飾ったことになり,着実に力をつけている。
 ランダエタは過去にWBA世界ミニマム級の暫定王座を保持していたことがある。サウスポーのボクサーファイターで右ジャブ,左ストレート,左右アッパーなどの多彩なパンチがスムーズに出ることが強味。さすがにかつてのスピードはないが,柔軟な上体を生かしたウィービング,ダッキングや巧みなボディワークで相手のパンチを殺す老獪さがある。

11回までの採点 田口 ランダエタ
主審:ヒューバート・アール(カナダ) *** ***
副審:ロバート・ホイル(米国) 108 96
副審:ウリエル・アギレラ(コロンビア) 108 96
副審:キム・ビュンム(韓国) 108 96
参考:MAOMIE 108 96


     ○田口:27戦24勝(11KO)2敗1分         29歳     身長:168cm     リーチ:172cm
     ●ランダエタ:37戦27勝(21KO)9敗1分     37歳     身長:164cm     リーチ:169cm

     放送:テレビ東京
     解説:竹原慎二     ゲスト:山中慎介
     実況:島田弘久

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