熱戦譜〜2016年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2016.03.03  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 ワンヘン・ミナヨーティン  TKO5R  大平 剛
2016.03.04  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中慎介  判定  リボリオ・ソリス
2016.03.04  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ガニガン・ロペス  判定  木村 悠
2016.03.05  WBCユース世界フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 比嘉大吾  TKO2R  ロメル・オリベロス
2016.03.05 8回戦  前川龍斗  KO1R  ビンボ・ナショナレス
2016.03.11  東洋太平洋&日本ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 西田 光  KO3R  柴田明雄
2016.03.27 8回戦  テイル渥美  TKO4R  中澤 奨
2016.03.27 4回戦  辰吉寿以輝  判定  三瓶一樹
2016.03.27 8回戦  ジョナス・スルタン  TKO2R  池水達也
10 2016.03.28  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 細野 悟  判定  福原力也
11 2016.03.28 6回戦  井上浩樹  KO1R  サラタン・シットプラカイファ

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            2016年3月3日(木)    タイ国ナコンラチャシーマー : シティホール・グラウンド
                        WBC世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン      T   K   O  挑戦者(同級7位)
              ○   ワンヘン・ミナヨーティン   5回2分00秒   大平 剛   ●
                               (タイ) 105 lbs                         (花形) 104 1/4 lbs
                                                   WBO10位
                                              大平剛=おおだいら・ごう

 右のワンヘン,左の大平。初回,大平は左右に軽く動いて右ジャブで牽制しながらワンツー。様子見のワンヘンは後半に入ると右ストレート,フックをヒットしてプレスをかける。2回にはワンヘンの右ストレートで大平がバランスを崩す。
 3回,地元の熱狂的な声援に押されるように攻勢を強めるワンヘン。ロープを背負った大平は回り込もうとするが,右ストレートを打ち込まれて横転するようにダウン(カウント8)。ワンヘンは嵩にかかって攻める。
 4回,ロープを背負い,右ストレートで大きくのけぞる大平。単発ながらもワンヘンの右フック,ストレートが当たり始める。終盤,大平をロープに詰めたワンヘンが左右フックを浴びせる。
 5回,ワンヘンのプレスが厳しさを増す。大平は足を使い,ときおり左右フックを振るのが精いっぱい。ロープを背に左フックでバランスを崩した大平に襲いかかるワンヘン。右フック,ストレートで畳みかければ,大平は腰から崩れ落ちる。ここでチャン主審がノーカウントで試合をストップした。

 ワンヘンは無敗を維持したまま4度目の防衛に成功。左右フックを武器にどんどん攻撃を仕掛ける右ファイタータイプ。動きのある大平をロープやコーナーに追い込み,右ストレートで再三のけぞらせた。尻上がりにプレスを強め,チャンスに鋭い詰めを見せた。
 大平は2度目の世界挑戦に失敗。サウスポーのボクサーファイターで軽快なフットワークから左ストレート,左右フックを放つ。ワンヘンの前進を足でかわして後半勝負という目論見だったと思われるが,決め手不足は否めない。押し込まれて後手に回ってしまっては敵地では勝てない。

4回までの採点 ワンヘン 大平
主審:レイモンド・チャン(香港) *** ***
副審:ヒューバート・ミン(米国) 39 36
副審:ジェロルド・トメルダン(比国) 39 36
副審:リチャード・オカシオ(米国) 40 35
参考:MAOMIE 40 35


     ○ワンヘン:41戦41勝(16KO)    30歳
     ●大平:20戦12勝(1KO)5敗3分  31歳   身長:160cm   リーチ:164cm

     放送:YOUTUBE
     解説:なし
     実況:なし

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           2016年3月4日(金)    島津アリーナ京都(京都府立体育館)
                     WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級3位)
                ○   山中慎介   判 定   リボリオ・ソリス  ●
                               (帝拳) 117 3/4 lbs          (ベネズエラ) 117 1/2 lbs

 左の山中,右のソリス。初回,目を見開いてチャンスを窺うソリス。終了間際,右を振って入ろうとするところに山中の右フックがカウンターになり,ソリスがバランスを崩す場面があった。
 2回開始早々,入り際に合わせた右フックが再びヒットし,ソリスは右グラブと右膝をついてダウンを取られた(カウント8)。ダメージのないダウンだったが,その後も山中が左ストレートでソリスを脅かした。
 先制のダウンを奪った山中だが,3回,逆にピンチを迎える。序盤,ロープに下がったところにもらった右ストレートで尻餅をつく山中(カウント8)。中途半端に右フックを振ったところに返されたパンチだった。必死の形相で嵩にかかって攻め込むソリス。左右フック,右アッパーで押し込まれた山中にはダメージの色が見える。左ストレート,左右アッパーで盛り返すが,またしても左の打ち終わりに右ストレートを返され,腰から落ちて2度目のダウン(カウント8)。
 4・5回は山中がリズムを取り戻し,単発ながらも上下に左ストレートを飛ばした。ソリスは強引に攻め込むが,9回,山中の左ストレートがヒットし,バランスを崩したソリスは左膝をついてダウンを取られた(カウント8)。
 これを境に主導権は完全に山中が掌握した。10回,左ストレート,右フックを飛ばして試合をコントロールする山中。ソリスは鼻から出血しながらも右ストレートで迫るが,攻撃が単調で策がなくなる。11回終盤には縺れ合った両者がロープの間からエプロンに倒れこむハプニングがあった。
 12回,山中がKOチャンスを掴む。左ストレートで怯んだソリスは後退。鼻からの出血に加え,眉間の下をカットしたソリスは傷を気にする。山中は左ストレート,右フックで厳しい攻めを見せるが,ソリスは最後までしぶとく耐え抜いた。

 山中は10度目の防衛に成功。2度のダウンを食う苦戦となったが,中盤以降に地力の差を発揮し,大差の判定で曲者のソリスを退けた。くっつくか離れるかのメリハリを欠いたことがソリスの踏み込みを許す原因になった。せっかく序盤に右フックのカウンターを巧打していたのだから,神の左に加えて右もあるぞというところを見せるべきだった。山中の左を警戒していたソリスに対し,その後に右が飛んでくるということを意識させれば,突進を防げたはず。奪われた2度のダウンはいずれも打ち終わりを突かれたもの。ソリスのパンチに正確さがあったら,仕留められていただろう。今後に向けて,もう一度ディフェンスの見直しが求められる。
 ソリスは元WBA世界S・フライ級王者で変則の右ファイタータイプ。広いスタンスから思い切り体ごと踏み込んで放つ右ストレート,フックを武器としている。とにかくタフでしぶとく,相手にとってはやりにくい。ただ,長丁場を戦うためには攻撃パターンが単調。中盤以降は山中に動きを読まれ,攻め手がなくなった。

採点結果 山中 ソリス
主審:イアン・ジョン・ルイス(英国) *** ***
副審:キャシー・レナード(米国) 117 107
副審:ゲイリー・リッター(米国) 117 107
副審:ファン・カルロス・ペラーヨ(メキシコ) 117 107
参考:MAOMIE 115 109


     ○山中:27戦25勝(17KO)2分        33歳     身長:171cm     リーチ:178cm
     ●ソリス:28戦23勝(10KO)4敗1分     33歳     身長:163cm     リーチ:177cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:長谷川穂積
     実況:寺島淳司

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            2016年3月4日(金)    島津アリーナ京都(京都府立体育館)
                    WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級5位)          チャンピオン
                ○   ガニガン・ロペス   判 定   木村 悠   ●
                                 (メキシコ) 107 lbs                (帝拳) 107 1/2 lbs

 右の木村,左のロペス。初回,ロペスはロングレンジからの左フックをボディに。木村は左右に動き,右ストレートのカウンターをヒットした。
 2回,動きに硬さがある木村はロペスのワンツーを受け,一瞬ぐらつく場面を見せる。いつものきびきびとした出入りがなく,手数が少ない木村。ロペスはそれを見透かしたように左ストレート,右アッパーからボディに左右フックを連打する。
 5回,細かい左ストレート,右アッパーをもらった木村は顔面が紅潮。迷いがあるのか,相手のペースに嵌りつつある。
 6回,木村は足を止めて打ち合いに活路を見出そうとするが,ここでも先手を取られてロペスにポイントを許した。木村は右目下をカット(ロペスの有効打による傷)。
 7・8回はロペスは小休止か。木村は流れを変えるチャンスだが,もうひと押しが足りない。10・11回,ロペスに疲れが見えるが,挽回したい木村の心中を見透かしたかのように細かく先手でパンチを出す。
 12回,右目下の腫れが大きくなった木村は焦りが先行し,ロペスの老獪さに阻まれてパンチが当たらない。

 木村は初防衛に失敗。出入りを活かしてメリハリの利いたアウトボクシングが見られなかったことが悔やまれる。そのため,ロペスの老獪な試合運びに巻き込まれる結果となった。スピードでは遥かに上回っており,本来の動きが出ていれば負ける相手ではなかったはず。ロペスに巧みにはぐらかされ,先にパンチを出されたことが敗因。
 ロペスはサウスポーのボクサーファイター。KO率は高いが,一発の威力は感じられない。動きながら左ストレート,左右フックを上下に放つのが得意の攻撃パターンである。ウィービングやダッキングでかわしたり,相手が打ち気に出るとすかさず頭を下げたり,体を密着させて相手のパンチを殺すうまさがある。これという強打やスピードは持ち合わせていないが,老獪な試合運びが目についた。

採点結果 ロペス 木村
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:キャシー・レナード(米国) 119 109
副審:ゲイリー・リッター(米国) 118 110
副審:ファン・カルロス・ペラーヨ(メキシコ) 114 114
参考:MAOMIE 117 111


     ○ロペス:33戦27勝(17KO)6分      34歳     身長:165cm     リーチ:168cm
     ●木村:22戦18勝(3KO)3敗1分     32歳     身長:162cm     リーチ:163cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:佐藤義朗

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                       2016年3月5日(土)    後楽園ホール
                       WBCユース世界フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(OPBF9位)
                ○   比嘉大吾   2回2分19秒   ロメル・オリベロス   ●
                             (白井・具志堅) 112 lbs                   (比国) 110 1/4 lbs

 開始早々から比嘉がプレスをかけた。左ジャブからロープに追い込み,上下に左フック,アッパーをダブル,トリプルで畳みかけるように攻め立てる。さらに右フックでボディを叩く比嘉。
 2回,オリベロスは柔軟な上体から左右フックを返すが,比嘉のプレスがさらに厳しさを増す。ロープに押し込んでボディに左右フック,左アッパーを連打すれば,オリベロスは崩れるようにダウン(カウント8)。立ち上がったが,左右フックでがっくりと両膝をついて2度目のダウン(カウント8)。さらに左右フックで3度目のダウン(カウント8)。フリーノックダウン制によって続行となったが,比嘉の詰めは鋭い。右ストレートを浴びたオリベロスはロープ際で崩れ落ちて4度目のダウン。ここで福地主審が試合をストップした。

 比嘉が9戦オールKO勝ちで2度目の防衛に成功した。とにかくアグレッシブに攻める右ファイタータイプ。上下に間断なく打ち分ける左フック,アッパーのダブル,トリプルが最大の武器。ここに右フックのボディブローが加わり,攻撃力が増している。もう少しパンチの強弱,緩急やフェイントを駆使できるようになれば,さらに威圧感が増すだろう。まだ20歳という若さ,いずれにしても楽しみなホープが現れたものである。
 オリベロスは右ボクサーファイター。フィリピン人特有の柔軟な上体から左右フック,アッパーを打つのが得意の攻撃パターンである。しかし,比嘉のプレスに押され,特にボディを打たれたことが効いた。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&安部和夫&杉山利夫
     ○比嘉:9戦9勝(9KO)              20歳
     ●オリベロス:9戦6勝(1KO)2敗1分     20歳     身長:163cm
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:辻岡義堂

※ WBCルール=ユース世界戦は10回戦。フリーノックダウン制。

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                     2016年3月5日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本S・フライ級(ノーランク)  K       O   比国S・フライ級(ノーランク)
                ○   前川龍斗    1回1分40秒    ビンボ・ナショナレス   ●
                             (白井・具志堅) 115 lbs                         (比国) 112 3/4 lbs

 開始早々から前川が積極的な攻撃を見せた。左ジャブからプレスをかける。ナショナレスも左ジャブで応戦するが,前川は右ストレートから左アッパーのボディブローで追撃。後退したところに左フックから右ストレートを浴びせれば,ナショナレスは青コーナーに腰から沈み,そのままカウントアウトされた。

 前川は協栄ジムから移籍した2013年度東日本ライトフライ級新人王。シャープな右ストレート,ボディへの左アッパーを得意とする右ボクサーファイター。試合開始と同時に体格差を活かしてプレスをかけた。2階級下の相手ということで,倒して当たり前という面はあったが,積極的な姿勢が目につく。
 ナショナレスは右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートを得意としている。しかし,動きはぎこちなく,スピードもない。

     主審:ビニー・マーチン,副審:浅尾和信&吉田和敏&福地勇治
     ○前川:8戦7勝(3KO)1分               20歳     身長:166cm
     ●ナショナレス:25戦14勝(2KO)10敗1分     26歳
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:安藤 翔

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                      2016年3月11日(金)    後楽園ホール
                    東洋太平洋&日本ミドル級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(OPBF4位)   T  K  O     チャンピオン
                ○   西田 光    3回1分28秒   柴田明雄   ●
                             (川崎新田) 160 lbs                    (ワタナベ) 159 1/2 lbs
                     日本ミドル級1位                   IBF10位

 初回,柴田は左右に動いて間合いを取り,定石どおりに左ジャブ,ワンツーで滑り出す。西田はガードを固めてクラウチングスタイルから接近戦を挑む。柴田を青コーナーに詰め,右ストレート,左フックのボディブローを見舞う西田。終了間際にはロープ際に下がった柴田を右ストレートでのけぞらせる。
 2回,果敢な攻撃を見せる西田がKOチャンスを掴んだ。柴田は足を使って左ジャブ,右ストレートで出バナを叩こうとするが,西田は構わず接近。中途半端にクリンチに出ようとしたところに左フックを打ち込まれた柴田は仰向けにダウン(カウント8)。チャンスと見た西田は一気にスパート。左右フックの連打に次ぐ右フックを浴びた柴田は腰から崩れて2度目のダウン(カウント8)。立ち上がったが,西田の攻勢に晒されて守勢に回る。危ない場面が続く中,辛うじてゴングに救われた。
 3回,西田の勢いが止まらない。柴田はリズムを取り戻そうとするが,足が思うように動かず,右ストレートをもらう。左フックのボディブローで上体が丸くなった柴田はアゴに左フックを返され,腰から崩れ落ちる。結局立ち上がれず,カウントアウトされた。

 西田が念願のタイトル獲得。東洋太平洋と日本の同時2冠というオマケ付きである。アウトボクサーの柴田とは対照的な右ファイタータイプ。ガードを固め,ややクラウチングスタイルから接近して左右フック,右ストレートで仕掛ける。がっしりした体躯から放つパンチには破壊力がある。2014年7月に柴田のタイトルに挑戦して判定負けを喫しているが,見事なKOで雪辱を果たした。2回に奪った最初のダウンは柴田が不用意に出たところにボディから切り返した左フック。その後も鮮やかな詰めを見せ,会心の勝利と言える。
 柴田は東洋太平洋は6度目,日本は5度目の防衛戦だったが,痛恨のKO負けによる陥落という結果になった。本来の足の動きが見られず,打ち合いに持ち込みたい西田の思惑に嵌ったことが敗因だろう。長身の右ボクサータイプで,重量級としては稀に見るスピーディな動きを身上としているが,今夜は弱点である打たれ脆さを露呈してしまった。

     主審:中村勝彦,副審:染谷路朗&福地勇治&安部和夫
     ○西田:23戦15勝(7KO)7敗1分      28歳     身長:175cm
     ●柴田:37戦27勝(13KO)9敗1分     34歳     身長:183cm
     放送:YOUTUBE     解説:なし     実況:なし

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             2016年3月27日(日)    なみはやドーム(東和薬品RACTABドーム)
                                8回戦
               日本S・バンタム級(ノーランク)  T   K   O   日本S・バンタム級7位
                ○   テイル渥美    4回2分10秒    中澤 奨   ●
                              (渥美) 124 3/4 lbs                       (大阪帝拳) 124 3/4 lbs

 初回,動きが硬い中澤。テイルは低いガードからスピードのある左ジャブ,さらに右フックを浴びせる。
 2回,左ジャブ,右ストレート,フックで積極的に攻めるテイル。中澤は左アッパーのボディブローで応戦するが,テイルはすぐに同じパンチを返す。打ち合いになるが,浮足立っている中澤に対し,テイルの冷静さが光る。中澤は鼻から出血し,早くも苦しい展開に追い込まれる。
 4回,中澤は左フック,アッパーで反撃の構え。しかし,右アッパーでアゴを突き上げられ,腰が砕けてロープに詰まり,あわやダウンというピンチ。辛うじて踏みとどまったが,テイルの攻勢にピンチが続く。再び右アッパーで腰が砕け,上体が泳ぐ中澤。左フックのボディブローで完全に動きが止まる中澤。テイルの執拗な右アッパーでぐらついたところで川上主審が試合をストップした。

 大阪帝拳のホープ中澤が痛烈なTKOで初黒星を喫した。力みが目立つ中で冷静な的確なパンチを浴びた末の完敗。左ジャブが出ず,力に頼る悪癖が出た。テイルのうまさに自らのガードの甘さを突かれ,執拗な右アッパーを浴びたことが敗因。
 テイルは元韓国フェザー級1位という輸入ボクサー。多彩なパンチがスムーズに出る右ボクサーファイターである。やや低いガードから放つ左ジャブ,左右フック,右アッパーを得意としている。中澤の雑な攻めに対し,冷静に動きを見極めて的確なパンチを決めた。

     主審:川上 淳,副審:宮崎久利&新井久雄&北村信行
     ○渥美:11戦10勝(4KO)1敗     22歳     身長:172cm
     ●中澤:9戦8勝(4KO)1敗       23歳     身長:171cm
     放送:G+     解説:六車卓也     実況:本野大輔

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             2016年3月27日(日)    なみはやドーム(東和薬品RACTABドーム)
                                4回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)       日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   辰吉寿以輝    判 定    三瓶一樹   ●
                              (大阪帝拳) 124 1/4 lbs                (ワタナベ) 124 3/4 lbs
                                           三瓶一樹=さんぺい・かずき

 初回,両者ともに左ジャブから立ち上がる。お互いにクリーンヒットはないが,長身の三瓶が積極的に前に出て左ジャブでチャンスを窺う。
 2・3回,じりじりと前に出て左ジャブを突く三瓶。一方の辰吉は慎重な姿勢を崩さないが,ときおり飛び込んで左フック,ストレートをヒットする。
 4回,三瓶はペースを変えることなく左ジャブを突く。手数が少ない辰吉だが,終盤にようやく攻勢に出た。自ら打って出て得意の左フックをヒット。しかし,単発で三瓶を追い込むには至らなかった。

 デビューから4連勝となった辰吉。しかし,三瓶の左ジャブに苦しみ,攻めあぐねて手数が少なかった。辛うじて2−1の判定で無敗を守ったが,不本意な試合内容である。微妙な採点であり,逆の結果になっていても不思議ではない。偉大な父・丈一郎の次男という話題先行で気の毒な面はあるが,自分から試合を作ろうとする積極的な姿勢がなければ上には行けない。相当な覚悟によるモデルチェンジが必要だろう。
 三瓶はこのクラスとしては破格の長身を誇る右ボクサーファイター。長いリーチを活かした左ジャブを多用して辰吉を苦しめた。常に自分からプレスをかけており,ホープにひと泡吹かせようという意気込みが感じられた。しかし,左ジャブに続く攻撃が見られなかったことが決定的なリードを奪えなかった原因である。

採点結果 辰吉 三瓶
主審:原田武夫 *** ***
副審:こしじま・じろう 39 38
副審:新井久雄 38 39
副審:北村信行 39 38
参考:MAOMIE 38 38


     ○辰吉:4戦4勝(2KO)        19歳     身長:167cm
     ●三瓶:7戦3勝(1KO)4敗     24歳     身長:178cm

     放送:G+
     解説:六車卓也
     実況:本野大輔

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                2016年3月27日(日)    なみはやドーム(東和薬品RACTABドーム)
                                  8回戦
                  比国S・フライ級チャンピオン  T   K  O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○  ジョナス・スルタン    2回2分37秒    池水達也  ●
                                (比国) 118 lbs                           (大阪帝拳) 118 lbs

 初回,スルタンが迫力十分の鋭い左ジャブを見せる。池水は左フック,アッパーで応戦。終盤,スルタンは左右フックで池水をロープに詰める。
 2回,比国の現役ナショナルチャンピオンであるスルタンの強打が火を噴いた。足を止めた打ち合いで左右フック,アッパーを連打するスルタン。池水は左アッパーのボディブローを返してスルタンの動きを止めにかかるが,打ち合いに引きずり込まれる。右ストレートのカウンターでぐらついた池水はクリンチに出ようとするが,左右フックからの右アッパーをアゴに打ち込まれ,大の字に沈む。カウント8で辛くも立ち上がったが,朦朧としており,ここで止めるべき状態だった。必死に耐える池水だが,すぐに捕まる。右アッパーに続く2発の右フックを浴びて膝から崩れ落ちたところで,宮崎主審が試合をストップした。

 池水にとっては思いもよらぬ惨敗だろう。スルタンは比国の現役王者とはいえ,2階級下の選手。これに勝ってランクインを目論んでいただろうが,想像以上の強打を浴びて沈んだ。持ち味のスピードと出入りを活かしたボクシングが見られず,足を止めて正面からの打ち合いに応じてしまったことが敗因。
 スルタンは右ファイタータイプ。フィリピン人特有のバネがあり,小柄だがパンチは良く伸びる。特に右フック,アッパーに破壊力があることに加えて,連打が出ることが強味である。相手の動きを良く見ており,動きが止まった池水に強打を的確に決めていた。

     主審:宮崎久利,副審:原田武夫&川上 淳&北村信行
     ○スルタン:13戦10勝(6KO)3敗     24歳     身長:163cm
     ●池水:15戦13勝(6KO)2敗        23歳     身長:167cm
     放送:G+     解説:六車卓也     実況:本野大輔

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                 2016年3月28日(月)    後楽園ホール
                     日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン        挑戦者(同級1位)
                ○   細野 悟   判 定   福原力也   ●
                               (大橋) 126 lbs              (ワタナベ) 126 lbs
              WBA2位,WBC8位,WBO6位,IBF5位

 初回,左フックから接近戦を挑む細野。福原はサークリングしながら右ストレートのカウンターをヒット。終盤,福原が右フックを浴びせる。
 2回,前に出る細野に対し,福原は右アッパーからボディに左アッパーを返し,さらに右ストレートを浴びせる。福原は足が良く動き,好調なスタートを印象付けた。
 接近戦に持ち込んで福原の動きを止めたい細野。5回終了時に発表された公開採点では3者ともに1ポイント差で福原を支持していた。6回,リードされていることを知った細野がここから追い上げを見せた。執拗に前に出て細かい左右アッパーからボディに左アッパーを打ってプレスをかける。ボディを攻められて弱気な面を見せた福原に対し,すかさず攻勢を仕掛ける細野。
 8回,福原は右アッパー。しかし,逆に細野が右アッパーを連発して攻勢に出る。福原はボディが効いてクリンチが多くなる。終盤,左アッパーでレバーを抉られた福原はロープ際でがっくりと左膝をついてダウン(カウント8)。
 こうなると形勢はさらに細野に傾いた。福原は右アッパーのカウンターで巻き返しを図るが,細野は左右アッパーで執拗にボディを連打。リング中央で再び左アッパーがレバーに刺さり,福原は左膝をついてダウン(カウント9)。アゴへの左アッパーから切り返した技ありのパンチだった。やっとの思いで立ち上がった福原は苦しい中で辛うじて凌いだ。
 10回,福原は目一杯だが,右ストレートのカウンターで逆転に賭ける。細野は前に出るが,肝心のパンチが出ず,フィニッシュを逃した。

 細野は6度目の防衛に成功。両者は過去に2度対戦しており,いずれも細野が勝っている。序盤は福原のカウンターに苦戦したが,中盤から得意の接近戦を仕掛けて動きを止めたことが勝因である。福原の弱気な表情を見てすかさず攻勢を仕掛けるなど,バズーカと異名を取るパワーだけではない老獪さを披露した。しかし,2度の痛烈なダウンを奪いながらフィニッシュできなかった詰めの甘さが反省すべきところ。
 福原は一階級下の元日本王者。右ボクサーファイターで右ストレート,アッパーに威力がある。体の硬さに難があるが,足を使いながら右ストレートのカウンターあるいは接近して右アッパーを決めて細野を苦しめた。5回終了後に公表された途中採点ではリードしていたが,細野の細かいパンチで動きを止められ,終盤は一気に失速した。ボディを打たれて弱気な面が見られた。

採点結果 細野 福原
主審:杉山利夫 *** ***
副審:土屋末広 97 91
副審:福地勇治 97 91
副審:中村勝彦 97 91
参考:MAOMIE 97 91


     ○細野:34戦31勝(20KO)2敗1分     32歳     身長:170cm     リーチ:168cm
     ●福原:41戦31勝(23KO)9敗1分     37歳     身長:173cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:森 昭一郎

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                      2016年3月28日(月)    後楽園ホール
                               6回戦
                日本S・ライト級(ノーランク)  K       O   タイ国S・ライト級(ノーランク)
                ○   井上浩樹   1回0分55秒   サラタン・シットプラカイファ   ●
                               (大橋) 140 lbs                           (タイ) 140 lbs
                   井上浩樹=いのうえ・こうき

 左の井上,右のサラタン。開始早々から井上が勢いよく襲いかかり,左ストレート,左右アッパーで一方的に押しまくる。左アッパー,右フックから右ッパーをまとめれば,サラタンはロープ際で脆くも崩れ落ちる(カウント8)。立ち上がったが,全く同じコンビネーションブローで再びうつ伏せにダウンするサラタン。一度寝返りを打っただけで仰向けのままカウントアウトされた。

 井上は井上尚弥・拓真兄弟の従妹にあたる。相模原青陵高(神奈川)→拓大に進んでアマチュアのキャリアを積んだサウスポーのハードパンチャー。左ストレート,左右アッパーにパンチ力がある。非常に好戦的で,いかにもプロ向きなファイトスタイルである。この強打ではマッチメイクが難しいだろうが,いずれタイトル挑戦が十分に期待できる。層が厚くなりつつある日本の中量級にまた一枚役者が加わった。
 サラタンは右ファイタータイプで右ストレート,フックを得意としている。しかし,スピードはなく,井上との実力の差は明白。圧倒的なプレスに押され,何もできないまま沈んだ。

     主審:葛城明彦,副審:杉山利夫&中村勝彦&染谷路朗
     ○井上:2戦2勝(2KO)     23歳     身長:177cm
     ●サラタン:14戦7勝7敗
     放送:フジテレビ     解説:具志堅用高&川島郭志     実況:田中大貴

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