熱戦譜〜2015年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2015.10.03 10回戦  亀海喜寛  KO3R  ネルソン・グルペ
2015.10.03 10回戦  下田昭文  TKO5R  ジェリー・ナルド
2015.10.16  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 河野公平  判定  亀田興毅
2015.10.17  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ローマン・ゴンザレス  TKO9R  ブライアン・ビロリア
2015.10.22  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 細野 悟  判定  渡邉卓也

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                      2015年10月3日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                 WBO世界ウェルター級6位  K      O   比国ウェルター級6位
                ○   亀海喜寛    3回3分09秒    ネルソン・グルペ   ●
                            (帝拳) 153 3/4 lbs                         (比国) 153 3/4 lbs
                        IBF15位

 初回,亀海は右フックのボディブローから。グルペは亀海の入り際に思い切った右アッパーを合わせる。油断のならない相手だ。ポンポンと左ジャブを突くグルペの左フックがヒットする。
 2回,グルペは右アッパー,左フックを振るが,ナックルパートが当たっていない。ボディに的を絞った亀海は左右フック,アッパーで迫る。後半は相手のパンチが良く見え,ダッキング,スウェイバックでかわす亀海。
 3回,グルペの右フックがヒットするが,亀海は構わず接近して左アッパー,右フックでボディを攻める。左アッパーのボディブローが効いて後退し,クリンチに出るグルペ。再び同じパンチでレバーを抉られ,たまらずその場に両膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったが,左ボディから切り返した右ショートストレートが鮮やかに決まり,大の字に沈む。今度は立ち上がれず,カウントアウトとなった。

 昨年4月以来,1年4ヶ月ぶりで国内のリングに上がった亀海。今年3月には米国でアルフォンソ・ゴメス(メキシコ)に完敗を喫しており,その再起戦を見事なKOで飾った。思い切ったグルペのパンチを巧みなディフェンスでかわし,ボディから崩した。フィニッシュはボディに意識を逸らしておいてアゴに見舞った右のワンパンチ。亀海ならではの頭脳的な攻撃だった。
 グルペは右ボクサーファイター。アップライトスタイルから放つ右アッパー,左フックが武器で,思い切った攻撃が身上。その反面,パンチはナックルパートが当たっておらず,威力は半減している。

     主審:ビニー・マーチン,副審:ウクリッド・サラサス&安部和夫&杉山利夫
     ○亀海:30戦26勝(23KO)3敗1分    32歳   身長:175cm   リーチ:180cm
     ●グルペ:14戦8勝(3KO)6敗       23歳   身長:175cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:寺島淳司

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                      2015年10月3日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                   日本フェザー級2位   T   K  O  比国S・バンタム級12位
                ○   下田昭文   5回2分55秒   ジェリー・ナルド   ●
                               (帝拳) 126 lbs                      (比国) 126 lbs

 左の下田,右のナルド。開始早々から気合い十分の下田が意欲的に攻め,ワンツーを浴びせる。ナルドも左フックを返すが,下田はすぐに左ストレートをボディに。相手の右に合わせて下田の右フックが軽くヒットし,ナルドが右膝をつくが,これはスリップダウンとされる。下田の左ストレートが決まる。
 2回,下田は右フック,左アッパーをボディに打ち,さらに左ストレートをフォロー。ナルドの左フックも飛んでくる。終盤,カウンターのワンツーが決まり,ナルドは左グラブをついて今度はノックダウンを取られた(カウント8)。苦笑しながらカウントを聞くナルド。
 3回,下田は左フックのボディブロー,左ストレート。さらに相手の右ストレ−トを避けるように右に回りながら右ジャブ,左ストレートを浴びせる。ナルドは左目上をカット(下田の有効打による傷)。4回にはボディブローが効いたのか,ナルドの動きが鈍った。
 5回,下田は左右フックのボディブロー,左ストレートでスピードに乗って攻める。バッティングでナルドが倒れ込み,一時中断。再開後,ボディ攻撃でナルドをロープに詰める下田。苦しくなったナルドはバランスを崩しながらも応戦。しかし,連打からのワンツーでニュートラルコーナーに後退したところで土屋主審が試合をストップした。

 下田が意欲十分の動きで開始早々から圧倒した。タフでしぶといナルドをボディ攻撃で弱らせた試合運びが目についた。思い切り振るナルドに対し,右に回り込んで攻めたことが良かった。従来はカッとなってラフな打ち合いになることが多かったが,キャリアを重ねるにつれて冷静な試合運びができるようになった。来年は正念場になるはず。
 ナルドは右ファイタータイプ。フィリピン人特有の柔軟な上体から振る右ストレート,左フックが主武器。変則的で思い切り振るので,相手にとってはタイミングが読みにくい。しぶとくタフなことが特徴。

     主審:土屋末広,副審:ウクリッド・サラサス&杉山利夫&中村勝彦
     ○下田:36戦30勝(13KO)4敗2分   31歳   身長:171cm   リーチ:165cm
     ●ナルド:29戦21勝(11KO)8敗     24歳   身長:168cm
     放送:G+     解説:飯田覚士&セレス小林     実況:田中 毅

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               2015年10月16日(金)    米国シカゴ UICパビリオン
                   WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級2位
                ○   河野公平   判 定   亀田興毅   ●
                             (ワタナベ) 114 3/4 lbs             (非公認) 115 lbs

 初回,河野が前に出て左ジャブから右ストレート,左右フックを放つ。亀田は距離を取り,左アッパーのボディブローから左ストレート。
 2回,早くも波乱が起きた。ボディに受けた左アッパーが効いた河野はホールディングで凌ぐ。ここで左アッパーが低く入り,思わずしゃがみ込む河野。このローブローで亀田は減点1。その直後,河野の右ストレートがカウンターになり,尻餅をついた亀田はカウント8のダウンを取られた。左の打ち終わりに合わせたタイミングのいいパンチだった。
 3回,河野は右ストレート,左右フック。亀田は左アッパーがローブローになり,この回だけで2度の減点となる。これを境に試合の流れは河野に傾いた。中盤は河野が右ストレート,左右フックで上下を攻めてリード。亀田は右ストレートを食う場面が目立つ。
 9回,足を止めて打ち合いが続くが,亀田の左ショートフックがヒットし,河野は大きくバランスを崩す。グラブで亀田の首を押さえつけた河野は減点された。
 亀田が良かったのはこの9回だけ。10回,再び河野が主導権を握った。足を止めて激しいパンチの応酬になるが,河野がワンツーの攻勢に出る。亀田の左目下は大きく腫れ上がった。
 11回,河野の右フックで腰が落ちてロープに詰まる亀田。亀田の左ストレートもヒットするが,左目下はさらに青黒く腫れ上がっている。12回,両者ともに疲労のピークだが,死力を振り絞った打ち合い。ここでも河野がわずかに打ち勝った。

 史上初の海外での日本人同士による世界戦。両者合計で4度の減点があるなど,お世辞にも技術レベルが高いとは言えず,わざわざ海外まで行ってやる必然性があったのか疑問。
 河野は2度目の防衛に成功。勝因は手数で上回ったこと。ワンツーから上下に浴びせた左右フックの連打で打ち勝った。左アッパーのボディ打ちに苦しむ場面はあったが,勝利への執念の面で大きくリードしていた。やはり無礼な挑発を受けたことによって発奮したことが大きいだろう。
 亀田は悪癖のローブローで3度も減点される醜態を晒した上にダウンまで喫するなど,まさに完敗。試合前の挑発で話題を誘ったが,見るべきものは何もない。中盤以降は反応が鈍って右ストレートを食う場面が目立ち,どこか集中力が切れてしまった印象がある。試合後に現役引退を表明したが,とうとう最後まで強敵と堂々と対峙することなく,逃げ回ったという印象しかない。3階級制覇と称しているが,これほど尊敬されず,ファンから認められない王者も過去に例がない。

採点結果 河野 亀田
主審:セレスティノ・ルイス(米国) *** ***
副審:ビル・ラーチ(米国) 115 109
副審:ロバート・ホイル(米国) 113 111
副審:グレン・フェルドマン(米国) 116 108
参考:MAOMIE 116 107


     ○河野:40戦31勝(13KO)8敗1分   34歳   身長:165cm,   リーチ:170cm
     ●亀田:35戦33勝(18KO)2敗      28歳   身長:165cm,   リーチ:168cm

     放送:テレビ東京
     解説:内山高志&田口良一
     実況:斉藤一也

※ 亀田はローブローで第2ラウンドに1度,第3ラウンドに2度の合計3度に及び,減点3。
※ 河野は第9ラウンドにグラブで相手の首を押さえつけたことにより減点1。


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             2015年10月17日(土)    マディソンスクエアガーデン(米国ニューヨーク)
                        WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K   O  挑戦者(元2階級王者)
              ○   ローマン・ゴンザレス   9回2分53秒   ブライアン・ビロリア   ●
                         (ニカラグア=帝拳) 111 1/2 lbs                    (米国) 111 1/2 lbs

 初回,ビロリアが積極的に左右フックで攻撃を仕かけた。スピードも切れもあり,好調な立ち上がり。様子を見ていたゴンザレスだが,終盤に左フック,アッパーでプレスをかけた。
 3回,ゴンザレスがプレスを強める。相打ちの右ショートストレートがアゴに決まり,ビロリアは右膝をついてダウン(カウント8)。ゴンザレスは上下への左右アッパー,右ストレートを回転させる。これ以降はゴンザレスが的確なコンビネーションブローで徐々にビロリアを追い詰めた。6・7回,ビロリアは果敢に応戦するが,ゴンザレスは連打からボディに左アッパーを打ち込む。
 8回,距離を置いては攻め込まれると見たビロリアは逆に接近戦に活路を見出そうとするが,ゴンザレスの連打でロープに詰まる。
 9回,ビロリアは接近して左右フックでボディを打つが,ゴンザレスは動じない。逆に終盤,ゴンザレスのワンツーの連打で赤コーナー付近のロープに詰まり,棒立ちになるビロリア。よろめいて再びニュートラルコーナー付近のロープを背負う。ゴンザレスがワンツー,左アッパーを浴びせたところでエステベス主審が試合をストップした。

 ゴンザレスは3度目の防衛に成功。実績豊富なビロリアを圧倒した文句ないTKO勝利である。左右に巧みにポジションを変え,上下に左右アッパー,ワンツーを打ち込む多彩なコンビネーションブローは圧巻。パンチを打っても絶対にバランスが崩れないゴンザレスならではの攻防の組み立てである。ビロリアの右に合わせる相打ち気味の右ストレートはタイミング,切れともに抜群のカウンター。一連のコンビネーションの最後に必ずボディへの左アッパーを入れていたが,これが効果的だった。
 ビロリアは比国系米国人でハワイ生まれのハワイ育ち。シドニー五輪のライトフライ級で米国代表になっている。右ファイタータイプで左右フックにスピードと威力があり,”ハワイアンパンチ”という異名を取る。接近戦を得意としており,右カウンターも強い。過去にWBCとIBFのライトフライ級,WBOフライ級,WBAフライ級スーパー王者になった世界的強豪。しかし,ゴンザレスの矢継ぎ早の連打に晒された。ゴンザレスの連打を防ごうと自ら前に出て接近戦を挑んでいたが,やはりその圧力には抗えなかった。

8回までの採点 ゴンザレス ビロリア
主審:ベンジー・エステベス・ジュニア(米国) *** ***
副審:ドン・アッカーマン(米国) 78 73
副審:ワレスカ・ロルダン(米国) 78 73
副審:ドン・トレラ(米国) 79 72
参考:MAOMIE 79 72


     ○ゴンザレス:44戦44勝(38KO)             28歳     身長:160cm     リーチ:163cm
     ●ビロリア:43戦36勝(22KO)5敗2無効試合     34歳     身長:163cm     リーチ:168cm

     放送:WOWOW
     解説:浜田剛史&飯田覚士     ゲスト:村田諒太
     実況:高柳謙一     アシスタント:山藤美智

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                   2015年10月22日(木)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級3位)
                ○   細野 悟   判 定   渡邉卓也   ●
                              (大橋) 126 lbs             (青木) 126 lbs
                   細野 悟=ほその・さとし
                  WBA3位,WBC11位,WBO6位,IBF6位

 初回,細野が左ジャブ,フックで積極的に距離を詰める。しかし,2回,渡邉が左右に回り込みながら左ジャブ,右ストレートを放つ。細野はプレスをかけるが,渡邉の小気味の良い左ジャブが邪魔になる。3回,細野は左フックのボディブローで迫る。しかし,青コーナーに詰めて右を伸ばそうとしたところに,渡邉の右フックのカウンターがクリーンヒット。
 4回,細野は勢い込んで攻めたところに渡邉の左右アッパーを返される。接近するまでのパンチが出ない細野は渡邉の動きに翻弄されている。5回にも渡邉がワンツー,左右アッパーをタイミング良く返す。
 渡邉の動きに手を焼く細野だが,6回,ようやくボディブロー中心に細かい左右フックを集めて動きを止めにかかる。ここで潮目が変わったかに見えたが,7回前半は再び渡邉が動きで幻惑し,ワンツー,アゴへの左アッパーで細野をロープに詰めた。しかし,後半は細野が左右フックで攻勢。
 8回,ここが渡邉の正念場だが,細野が右ストレートから左右フックでプレスをかける。終盤,細野の左アッパーがアゴにヒット。9回は渡邉。アゴへの左アッパー,ワンツーを浴びせてリードする渡邉。細野はもうひと押しが欲しい。
 10回,互角と見た渡邉が自ら前に出て左ジャブ,ワンツーでポイントを取りに行く。細野はフットワークを使いながら左右フック。

 大苦戦の末,細野が辛うじて4度目の防衛に成功。前半は明らかにリードを許したが,後半の追い上げで帳尻を合わせた。苦戦の原因は渡邉の動きと手数に翻弄されたことに尽きる。言い尽くされた欠点であるが,接近するまでの工夫が足りないことが拙戦の原因。後半に見せた追い上げを速い段階から展開するべきだった。
 大魚を逃した渡邉は右ボクサータイプで右ストレート,左右アッパーを得意としている。左ジャブを多用し,左右に動いて細野の攻撃を封じたことが予想外の善戦につながった。強打の細野に対し,同じ場所に立ち止まらないことが必要だったが,それを見事に実行した。その戦法によって中盤までは完全にリードしていた。アゴに見舞う左アッパーは意表を突くパンチで効果的。

採点結果 細野 渡邉
主審:浅尾和信 *** ***
副審:吉田和敏 97 94
副審:ウクリッド・サラサス 96 95
副審:中村勝彦 95 95
参考:MAOMIE 95 95


     ○細野:32戦29勝(20KO)2敗1分   31歳   身長:170cm,   リーチ:168cm
     ●渡邉:33戦26勝(12KO)6敗1分   26歳   身長:174cm

     放送:フジテレビ
     解説:具志堅用高&川島郭志
     実況:立本信吾


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