熱戦譜〜2015年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2015.06.06 10回戦  五十嵐俊幸  判定  レネリオ・アリサラ
2015.06.06 8回戦  下田昭文  判定  関 豪介
2015.06.06 8回戦  尾川堅一  KO6R  レイモンド・セルモナ
2015.06.06 8回戦  横山雄一  判定  堀内元気
2015.06.06 8回戦  鈴木武蔵  7R負傷判定  渡邉秀行
2015.06.08 ノンタイトル10回戦  内藤律樹  判定  荒川仁人
2015.06.10  IBF世界スーパーバンタム級
 指名挑戦者決定戦12回戦
 和氣慎吾  判定  マイク・タワッチャイ
2015.06.10 10回戦  天笠 尚  判定  パトムシット・パトムポン
2015.06.13  IBF世界バンタム級
 暫定王座決定戦12回戦
 リー・ハスキンス  TKO6R  岩佐亮佑

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                      2015年6月6日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                  WBC世界S・フライ級5位          比国フライ級6位
                ○   五十嵐俊幸    判 定    レネリオ・アリサラ   ●
                                (帝拳) 115 lbs                     (比国) 113 lbs
                      WBA6位,IBF13位

 左の五十嵐,右のアリサラ。慎重な五十嵐に対し,アリサラは広めのスタンスから左ジャブ,右ストレートを狙う。五十嵐の打ち終わりに右ストレートを合わせてくるアリサラ。2回,ワンツー,ボディへの左アッパーでリズムを掴む五十嵐。アリサラも左フックをヒットする。五十嵐は左目上をカット(アリサラの有効打による傷)。
 3回,五十嵐が動きを止めたところに右ストレートを決めるアリサラ。五十嵐は足を止めてはダメ。
 4回,アリサラの左右フックが飛ぶが,終盤には五十嵐が左ストレート,ボディへの左アッパーで攻勢に出て赤コーナーからロープに詰める。5回,五十嵐はアリサラはロープに詰め,左ストレート,ボディに右フック。さらにロングレンジからボディへの左アッパーを見舞う。五十嵐は右目上もカット(バッティング)。
 7・8・9回,手数で圧倒する五十嵐。コーナー,ロープを背負うアリサラはグロッギー気味。
 10回終盤,五十嵐は左アッパーのボディブローに次ぐ左ストレートでニュートラルコーナーに詰め,一気にラッシュ。タフなアリサラも必死に耐え,終了ゴングを聞いた。

 五十嵐がスピードと手数で圧倒し,大差の判定勝ち。しぶといアリサラを倒せなかった点に不満は残るが,直近2試合が負傷判定という不完全燃焼だったことを考えれば,今夜はまずまずの試合内容。同じクラスにいる井上尚弥(大橋)とはどうしても比較されてしまうが,どうやって存在感をアピールするかがカギだろう。元々がパンチャーではないので,持ち味であるスピードと手数でリードすることに徹するべき。
 アリサラは右ボクサーファイター。広めのスタンスから放つ右ストレート,返しの左フックを武器としている。中盤には五十嵐の打ち終わりを狙って手強い相手という印象だったが,ボディが効いた終盤は手数が減った。

採点結果 五十嵐 アリサラ
主審:安部和夫 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 99 92
副審:杉山利夫 97 93
副審:ビニー・マーチン 97 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○五十嵐:24戦21勝(11KO)2敗1分   31歳   身長:166cm   リーチ:169cm
     ●アリサラ:15戦12勝(5KO)2敗1分    21歳   身長:168cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:山本紘之

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                    2015年6月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)       日本フェザー級7位
                ○   下田昭文    判 定    関 豪介   ●
                               (帝拳) 126 lbs                 (角海老宝石) 126 lbs

 サウスポー同士の対戦。ともに動きながら右ジャブ,左ストレートからの滑り出しとなった。前に出る下田に対し,関は動きながら左右フックを振る。2回,下田は左ストレートをボディに。関も左フックを返すが,下田はリラックスして動きがいい。終了間際,下田は右フック,左ストレートをヒット。
 3回中盤,左右フックで攻勢に出る関。しかし,下田の右フックのカウンターがアゴに決まり,関の膝がガクンと落ちる。下田は接近戦で左右アッパー,フックを上下に打って攻勢に出る。
 4回,下田は冷静に関の動きを見て頭を振り,しっかりディフェンスをしながら攻める。ニュートラルコーナー付近で左ストレートをヒットする下田。関は思うように攻められない。
 7回,関は手数を出し,粘り強く攻める。しかし,後半は下田が細かくワンツー,左右フックをまとめる。
 8回,打撃戦。左右フックで食い下がる関。下田は右フック,アッパーをアゴに決め,うまさを見せた。

 昨年2月,マカオでマルビン・ソンソナ(比国)に痛恨の3回KO負けを喫した下田が,1年4ヶ月ぶりに再起した。関の攻撃に手を焼く場面はあったが,冷静な戦いぶりが目についた。いつもならカッとしてラフな攻撃になるところだが,今夜はそういう面はなく,冷静な試合運びが光った。力んで大振りすることなく,細かくパンチをまとめてポイントを取るための攻撃が見られた。まだ30歳。十分にやれるはず。
 関はサウスポーのファイタータイプ。左右フックを得意としており,粘り強い攻撃が身上。左右フックの連打でしぶとく食い下がったが,下田のうまさが一枚も二枚も上だった。

採点結果 下田
主審:土屋末広 *** ***
副審:染谷路朗 78 75
副審:杉山利夫 78 75
副審:安部和夫 78 74
参考:MAOMIE 79 74


     ○下田:35戦29勝(12KO)4敗2分   30歳   身長:171cm   リーチ:165cm
     ●関:20戦16勝(3KO)2敗2分      29歳   身長:166cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:寺島淳司

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                       2015年6月6日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・フェザー級7位   K      O    比国S・フェザー級7位
                ○   尾川堅一    6回0分59秒    レイモンド・セルモナ   ●
                              (帝拳) 129 3/4 lbs                          (比国) 127 3/4 lbs

 ベタ足のセルモナは左右フックを狙うが,届かない。尾川は軽く足を使い,左ジャブ,フックを多用。さらに左右アッパーでボディを攻める。左アッパーがボディを抉れば,これが効いてセルモナの動きが止まる。
 3回,セルモナは右目下をカット(尾川の有効打による傷)。尾川は左ジャブ,ワンツーからボディに左アッパー,右フックを打ち込む。
 4回,セルモナをロープに詰めた尾川は左アッパー,ワンツーを連打して攻勢。尾川はバッティングで右目上をカットするが,優勢は変わらない。5回にはじりじりと前に出るセルモナに対し,ボディに左右フック,左アッパーを打ち込む。
 6回,左に回りながら左ジャブを多用する尾川。ほとんど足を使わずに前に出るセルモナのテンプルに右ストレートが決まる。これで完全に動きが止まったところにフォローした右ストレートがアゴを捉えれば,セルモナはたまらず崩れ落ちる。立ち上がろうとしたが,そのままカウントアウトされた。

 尾川が圧倒的なスピード,パンチ力の差を見せつけた。これで7連続KO勝ちという破竹の快進撃である。左ジャブを多用し,相手を全く寄せつけない圧勝。格下相手ではあるが,右ストレート,ボディへの左フック,右アッパーで徐々にダメージを与えた。特にボディブローで動きを止めた点が良かった。近いうちにタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。
 セルモナは右ファイタータイプで右フックを得意としている。タフでしぶといが,ベタ足でスピードがない。大きな右フックで迫ったが,パンチは届かなかった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:ウクリッド・サラサス&土屋末広&染谷路朗
     ○尾川:16戦15勝(13KO)1敗       27歳   身長:173cm
     ●セルモナ:28戦17勝(8KO)6敗5分   30歳   身長:163cm
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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                     2015年6月6日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                 日本ライト級(ノーランク)       日本ライト級(ノーランク)
                ○   横山雄一   判 定   堀内元気   ●
                             (帝拳) 134 1/2 lbs               (筑豊) 133 3/4 lbs

 右の横山,左の堀内。右ストレートで堀内をロープに詰める横山。堀内も左ストレートをボディに返すが,横山はすかさず右ストレートをボディに。
 2回,前に出る横山に対し,堀内は右に回りながら低いガードからチャンスを窺う。ガードが下がったところに左フックのカウンターが決まり,横山が一瞬ぐらつく場面があった。
 3回,正面衝突を避けるように右に回って,ときおり上下に左フックを浴びせる堀内。プレスをかけているのは横山だが,自分のリズムで戦っているのは堀内だった。4回,両者の体が交錯し,横山が思わずグラブをキャンバスにつく。このとき堀内の右フックが軽くヒットしており,ノックダウンと思われたが,杉山主審はスリップダウンとした。
 5回,横山がようやくプレスで上回った。堀内は左フックのカウンターで応戦するが,横山は左ジャブを突きながら前に出て,ボディに右ストレートを放つ。
 6回,バッティングで右目上をカットした堀内はドクターチェックを受ける。横山の左フックで今度は堀内が大きくバランスを崩す場面が見られた。横山は右ストレート,ボディへの左フックでプレスを強める。
 7回,カッと目を見開いた横山が左ジャブから右ストレートを振って積極的に攻める。手数が減った堀内は後手に回った。
 8回は再び堀内がリード。右に回り込んで横山の攻撃をいなし,出バナに左フック,ストレート,右フックを浴びせる。横山はプレスを強めるが,堀内に先手を取られた。

 前の試合でKO・TKO負けを喫している両者。ともに負けられない再起戦となったが,パワーで勝る横山が打ち勝った。
 9割超のKO率を誇る横山だが,前半は狙い過ぎて手数が少なく,堀内のうまさに手を焼いた。右ストレート,左フックに破壊力がある右ボクサーファイター。堀内に先手を取られたことが苦戦の原因。もう少し細かくパンチを出して相手を崩すことが必要だろう。
 堀内はサウスポーのボクサーファイター。軽いフットワークを駆使し,右に回り込んで横山の強打を避けながら,タイミングのいい左フック,ストレートを巧打した。3〜5ポイント差の判定負けというのは気の毒だろう。足を絡めたカウンターによる攻撃を身上とするテクニシャンである。

採点結果 横山 堀内
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 78 75
副審:土屋末広 78 74
副審:ビニー・マーチン 79 74
参考:MAOMIE 76 76


     ○横山:18戦15勝(13KO)3敗    25歳   身長:175cm
     ●堀内:10戦5勝(3KO)2敗3分   30歳

     放送:G+
     解説:なし
     実況:田中 毅

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                        2015年6月6日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本フライ級(ノーランク)   負 傷 判 定     日本フライ級14位
                ○   鈴木武蔵    7回1分25秒     渡邉秀行   ●
                                (帝拳) 112 lbs                            (郡山) 112 lbs

 サウスポー同士の一戦。初回,早くもダウンシーンが見られた。開始ゴングからわずか10秒後,鈴木の左ストレートがアゴに決まり,渡邉は思わず尻餅をついてダウン(カウント8)。
 3回にも再びダウンシーン。鈴木の左ストレートでぐらつき,ニュートラルコーナーに詰まる渡邉。左右の追い打ちをかければ,渡邉は崩れるようにダウン(カウント9)。終了間際にも左ストレートを浴びて足元がふらついた渡邉はピンチが続く。
 そして5回。渡邉はワンツーの連打で果敢に反撃するが,それも続かない。またしても鈴木の左ストレートがアゴに決まり,腰から落ちた渡邉はこの試合3度目のダウン(カウント8)。ワンサイドゲームになったが,チャンスと見て攻め込む鈴木も詰めが甘い。
 6回,前に出る鈴木は疲れが出たのか,序盤のシャープさが失せていた。
 7回,劣勢の渡邉が足を使って右ジャブ,左ストレートで積極的に攻める。しかし,ロープ際でバッティングが発生し,渡邉が眉間をカットしてドクターチェックを受ける。結局この傷が続行不能とされ,試合がストップされた。

 鈴木はサウスポーのボクサーファイター。伸びがあってシャープな左ストレートを武器としている。ガードを固めながら前に出て,得意の左ストレートで3度のダウンを奪った。しかし,狙い過ぎて手数が少なく,詰めの甘さだけが目についた。渡邉がかなり効いていただけに,細かくまとめていれば,フィニッシュできていただろう。左ストレートに頼り,右フックの返しがなかったことも気になった。課題を多く残す試合内容である。
 渡邉もサウスポーのボクサーファイター。足を使いながら細かく右ジャブを突いて戦ったが,ガードが下がる欠点は致命的。

採点結果 鈴木 渡邉
主審:染谷路朗 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 70 61
副審:ビニー・マーチン 70 61
副審:杉山利夫 69 62
参考:MAOMIE 70 61


     ○鈴木:14戦11勝(4KO)3敗     29歳
     ●渡邉:18戦8勝(6KO)7敗3分   30歳   身長:167cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:川畑一志

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                      2015年6月8日(月)    後楽園ホール
                           ノンタイトル10回戦
                日本S・フェザー級チャンピオン        日本ライト級4位
                ○   内藤律樹    判 定    荒川仁人   ●
                              (E&Jカシアス) 135 lbs                (ワタナベ) 135 lbs
                        WBC13位

 サウスポーの実力者同士。初回,ともにスピードがある。荒川は右ジャブから左右フックをボディに。終盤には荒川の左フックで内藤がバランスを崩す。2回,やや手数が少ない内藤に対し,荒川は右ジャブ,さらにはアゴに左アッパーをヒットする。
 しかし,3回に入ると内藤が落ち着きを取り戻した。荒川の動きを良く見て右ジャブ。そして出バナにに左ストレート,さらにアゴへの左アッパーを決める。4回中盤,再び内藤の左アッパーのカウンターがアゴに決まる。さらに左ストレート,ボディへの右アッパー。この辺は内藤がスピードで上回った。荒川は右目上をカット(内藤の有効打による傷)。
 5回,リズムを掴んだ内藤は荒川が左ストレートを振るところに右アッパーをヒットし,さらに左ストレート,右アッパーを決める。
 6回は荒川が執拗に接近戦を挑み,左右フック,左ストレートで攻め込む。連打で内藤をニュートラルコーナーに追い詰める荒川。
 7回,接近戦を狙って荒川がどんどん前に出る。これを迎え撃つ内藤は左右に動いてかわし,右ジャブ,左ストレート,ボディに右アッパーをヒット。この辺は冷静さが光った。8回は体を密着させてのパンチの応酬で荒川がリード。
 一進一退の激戦になったが,終盤は両者ともに疲れがピークに達し,死力を振り絞って揉み合うような打ち合いが続いた。

 中量級屈指の好カードは予想通りの激しい応酬になった。内藤は執拗に接近戦を挑む荒川に苦戦したが,アピールできる有効打の数で上回ったことが勝因。押し込まれる場面はあったものの,全般を通じて冷静な試合運びが光った。特に荒川の出バナに放つ左アッパーのカウンターが良く決まり,今夜のキーになるパンチになっていた。
 荒川は執拗にインファイトを挑んで手数で内藤を追い詰める場面はあったが,決め手となるパンチを出せなかったことが響いた。世界的強豪との激戦が続いたことによる疲労の影響か,スピード,切れが今一つという印象。本来持ち合わせているはずの,チャンスにおける爆発力が失せていることが気になった。

採点結果 内藤 荒川
主審:福地勇治 *** ***
副審:吉田和敏 97 94
副審:浅尾和信 97 93
副審:土屋末広 98 92
参考:MAOMIE 96 94


     ○内藤:13戦13勝(5KO)         23歳   身長:173cm
     ●荒川:32戦25勝(16KO)6敗1分   33歳   身長:173cm   リーチ:180cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                    2015年6月10日(水)    後楽園ホール
                  IBF世界スーパーバンタム級指名挑戦者決定戦12回戦
              東洋太平洋S・バンタム級チャンピオン      IBF世界S・バンタム級3位
                ○   和氣慎吾    判 定    マイク・タワッチャイ   ●
                                (古口) 122 lbs                   (タイ) 121 1/4 lbs
                  WBA3位,WBO14位,IBF6位

 左の和氣,右のタワッチャイ。初回,和氣が持ち味のスピードを生かした動きから左ストレートを見舞う。タワッチャイが振った右ストレートでバランスを崩した和氣が尻餅をついてヒヤリとさせたが,これはヒットしておらず,スリップダウンとされた。
 3回,タワッチャイは左目上をカット(和氣の有効打による傷)。4回,和氣の左アッパーのカウンターがアゴに決まる。さらにタワッチャイの出バナに左ストレートがヒット。和氣はスピーディなパンチを上下に散らしてリードを広げる。タワッチャイは前に出て左右フックを振るが,スピードがない。
 5回にも和氣の左ストレート,アッパー,ボディへの右フックが回転する。
 10回2分過ぎ,和氣は右アッパーをボディに。さらにアゴに打ち込んだ左アッパーで動きが止まったタワッチャイをロープに詰め,攻勢に出る。
 11回,右アッパーのボディブローが効いたタワッチャイをロープに詰めて攻勢に出る和氣。完全に足が止まったタワッチャイに連打を浴びせるが,詰めの甘さも目についた。
 12回,和氣は足を使いながらパンチを浴びせる。タワッチャイの右ストレートが顔面をかすめる場面もあったが,終了間際にこの試合唯一のダウンシーンが訪れた。両者のパンチが交錯した直後,ガードが下がったアゴにシャープな左ストレートが刺さり,タワッチャイは腰から落ちてダウン。立ち上がったところで試合終了のゴングが鳴った。

 IBF王者カール・フランプトン(英国)への挑戦者決定戦と銘打って行われた一戦。大差で上位ランカーのタワッチャイを破った和氣だが,詰めの甘さが出てフィニッシュを逃した。出バナに左アッパー,ストレート,ボディにも左右アッパーを散らした。しかし,引きの甘さもあってタワッチャイの右ストレートを許す場面が見られた。持ち味とする出入りの鋭さが十分に出なかったことが物足りなさの原因。
 タワッチャイは右ファイタータイプ。じりじりと前に出て右ストレート,フックを振るが,ベタ足でスピードがない。タフでしぶといが,ボディを打たれ,元々鈍い動きがさらに鈍くなった。

採点結果 和氣 タワッチャイ
主審:サム・ウィリアムス(米国) *** ***
副審:パトリック・モーレイ(米国) 119 108
副審:デビッド・ハドソン(米国) 119 108
副審:マンフレッド・クーヒラー(ドイツ) 118 109
参考:MAOMIE (60) (53)


     ○和氣:25戦19勝(11KO)4敗2分        27歳   身長:173cm
     ●タワッチャイ:44戦35勝(21KO)8敗1分   29歳

     放送:TBS
     解説:畑山隆則
     実況:土井敏之

※ 第1・4・5・10・11・12ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                     2015年6月10日(水)    後楽園ホール
                             10回戦
               WBO世界S・バンタム級13位         タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○   天笠 尚    判 定    パトムシット・パトムポン   ●
                               (山上) 126 lbs                      (タイ) 125 1/2 lbs

 右の天笠,左のパトムシット。初回,天笠は積極的に前に出て右ストレートのボディブローから左フックをヒット。しかし,パトムシットが突如左右フックの連打で攻勢に出る。左ストレートで天笠の顔がわずかに上を向く場面があった。トリッキーに動きながら左ストレートを放つパトムシットに戸惑う天笠。
 4回,天笠は強引にプレスをかけ,右ストレートをヒット。左アッパーをボディに打ち込まれたパトムシットは背中を丸めて動きが止まる。チャンスと見た天笠は左右アッパーをボディに集めてプレスを強める。バッティングで天笠の右目上が腫れる。パトムシットは足を使って打ち合いを避けるが,苦しげな表情に変わった。
 5回,左アッパーのボディブローで上体が丸くなったパトムシットは苦しそうにロープ際に後退。すかさず左右アッパーのボディブローで追撃すれば,パトムシットはたまらず崩れ落ちて悶絶(カウント9)。立ち上がったが,天笠の攻勢に晒され,辛うじてゴングに救われた。
 10回,攻勢に出た天笠は執拗な右ストレート,左右アッパーで追い上げる。左アッパーのボディブローで上体を丸めたパトムシットはたまらずクリンチに逃れ,辛うじて凌ぎ切った。

 昨年の大晦日にギジェルモ・リゴンドー(キューバ)のWBA・WBO世界S・バンタム級王座に挑んで善戦した天笠の再起戦。足を使うパトムシットに対し,左右アッパーのボディブローで足を止めた試合運びが良かった。しかし,本来の集中打が出ていれば仕留められたはず。詰めの甘さに課題を残す試合内容だった。
 パトムシットはサウスポーのボクサーファイター。足を使い,ときおりトリッキーな動きを見せながら左ストレート,右フックを放つ。この動きで天笠を苦しめる場面があったが,ボディブローが効いてしまい,上体を折り曲げて耐える場面が目立った。

採点結果 天笠 パトムシット
主審:染谷路朗 *** ***
副審:吉田和敏 99 91
副審:土屋末広 98 92
副審:安部和夫 98 91
参考:MAOMIE (39) (36)


     ○天笠:36戦29勝(19KO)5敗2分   29歳   身長:179cm   リーチ:181cm
     ●パトムシット:16戦12勝(5KO)4敗

     放送:TBS
     解説:畑山隆則
     実況:赤荻 歩

※ 第1・4・5・10ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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            2015年6月13日(土)    英国ブリストル : ウィットチャーチ・スポーツセンター
                       IBF世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦
                  IBF世界バンタム級4位   T   K  O  IBF世界バンタム級3位
                ○   リー・ハスキンス    6回2分10秒    岩佐亮佑   ●
                                (英国) 118 lbs                         (セレス) 117 1/4 lbs

 サウスポー同士の対戦。右ジャブを突いて前に出る岩佐に対し,ハスキンスは下がりながら変則的なタイミングで左ストレート,フックを返す。岩佐が左をミスしたところにハスキンスの左ストレートがカウンターになった。
 2回,動きが硬い岩佐はスイング気味の左フックをテンプルに受けてぐらつき,思わずクリンチに出る。3回にもロングレンジから放つハスキンスの右フックをもらう岩佐。距離を取って意表を突くタイミングで思い切った左フック,ストレートを振るハスキンスに対し,岩佐は自分の距離を作れない。
 4回は岩佐がウィービング,ダッキングでパンチをかわしながら得意の左ストレートをヒット。このパンチでハスキンスがクリンチに出る場面があった。
 リズムを掴みかけたかに見えた岩佐だが,5回には再び距離を取られて噛み合わなくなる。ハスキンスの右フックからの左ストレートがヒット。
 そして,6回は岩佐にとって悪夢のようなラウンドになった。鼻からの出血にも関わらずハスキンスは足を使い,右ジャブを飛ばす。リング中央で岩佐が中途半端に振った左ストレートより一瞬早くハスキンスの左フックのカウンターがアゴに炸裂。まともに決まったスイング気味の一発で勝負が決まった。完全に効いてしまった岩佐は足が縺れ,大きく体を泳がせる。さらに右フックを追い打ちされ,腰から落ちて仰向けにダウン(カウント8)。何とか立ち上がったが,ニュートラルコーナーで猛攻に晒されたところでエドワーズ主審が試合をストップした。

 正規王者ランディ・カバジェロ(米国)が足首を負傷したことにより設けられた暫定王座を争う一戦。完全アウェイの敵地に果敢に乗り込んだ岩佐だが,ハスキンスの変則戦法に惑わされ,完敗という結果になった。自分より身長,リーチともに劣る相手に距離を取られて自分のパンチが届かず,逆に射程外から意表を突くような左ストレート,フックを許してしまったことが敗因。これは大きな誤算だろう。ガードの低さも致命傷になった。上へのパンチに依存していたが,ボディを攻めてハスキンスの動きを止めることが必要だった。4回に良い流れを作りかけただけに惜しまれる敗戦である。
 ハスキンスはサウスポーのボクサーファイター。足を使って岩佐の距離を外し,変則的なタイミングで左ストレート,フックを決めた。危なくなると体を寄せてクリンチで攻撃を封じるなど,老獪な試合運びで岩佐に主導権を与えなかった。キャリア,うまさの面で一日の長があったと言える。

5回までの採点 ハスキンス 岩佐
主審:フィル・エドワーズ(英国) *** ***
副審:デーブ・パリス(英国) 49−46
50−45
49−46
副審:パトリシア・モールス・ジャーマン(米国)
副審:ビル・モランデ(米国)
参考:MAOMIE 49 46


     ○ハスキンス:35戦32勝(14KO)3敗   31歳   身長:165cm   リーチ:168cm
     ●岩佐:21戦19勝(12KO)2敗       25歳   身長:170cm   リーチ:179cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:佐藤義朗

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