熱戦譜〜2015年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2015.05.01 10回戦  村田諒太  TKO5R  ダグラス・ダミアオ・アタイデ
2015.05.01  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 三浦隆司  TKO3R  ビリー・ディブ
2015.05.01 8回戦  八重樫 東  TKO2R  ソンセーンレック・ポスワンジム
2015.05.01  WBO世界ライト級
 王座決定戦12回戦
 レイムンド・ベルトラン  TKO2R  粟生隆寛
2015.05.06  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO2R  ジョムトーン・チューワッタナ
2015.05.06  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田口良一  TKO8R  クワンタイ・シスモーゼン
2015.05.09 10回戦  長谷川穂積  判定  オラシオ・ガルシア
2015.05.30  WBO世界ミニマム級
 王座決定戦12回戦
 田中恒成  判定  フリアン・イエドラス

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                    2015年5月1日(金)    大田区総合体育館
                               10回戦
                 WBC世界ミドル級7位   T   K   O     WBO世界ミドル級15位
                ○   村田諒太    5回0分38秒    ダグラス・ダミアオ・アタイデ   ●
                              (帝拳) 161 3/4 lbs                            (ブラジル) 161 lbs

 初回,村田は右ストレートから左アッパーをボディに。早くも右ストレートがクリーンヒットする。アタイデもワンツーの連打で応戦するが,終盤には村田が左ジャブをヒットする。
 世界ランクに名を連ねるアタイデも引き下がらない。2回,足を使い,ウィービング,ダッキングしながら左ジャブ,ワンツー,左アッパーを連打。村田は前に出てプレスをかけるが,アタイデの手数が上回る。3回,アタイデは細かく手を出す。村田はプレスをかけ,ロープに詰めて右ストレートからボディに左アッパーを打ち込む。
 4回はアタイデがワンツー,左右フックをまとめてリード。村田は右フックを返すが,アタイデの手数にやや戸惑う。
 一進一退の展開が続くが,5回,村田の強打が爆発した。開始早々から左ジャブを多用する村田。リング中央で右ストレートのボディブローから右フックがアゴに炸裂し,左膝を突っ張らせながらキャンバスに落ちるアタイデ(カウント8)。立ち上がったが,村田が一気に攻勢に出る。矢のようなワンツーでアゴを打ち抜かれたアタイデは腰から落ちて2度目のダウン。福地主審が即座に試合をストップした。

 村田がプロ7戦目を鮮やかなTKO勝利で飾った。ここ2試合はやや不本意な判定勝ちに終わっただけに,溜飲を下げるフィニッシュだった。立ち上がりからアタイデのスピードと手数に戸惑ったが,左ジャブが出なかったことが原因。5回に左ジャブを多用したが,これが鮮やかなTKOの伏線となった。この感触を忘れないことが大事。狙い過ぎて手数が少なくなってはつけ込まれるだけである。
 アタイデは黒人の右ボクサーファイター。足を使い,アップライトスタイルから長身を生かしたワンツー,左フック,アッパーが矢継ぎ早に出ることが強味。パンチ力はないが,うまさが光る。

4回までの採点 村田 アタイデ
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 38 38
副審:中村勝彦 40 36
副審:安部和夫 39 37
参考:MAOMIE 38 38


     ○村田:7戦7勝(5KO)            29歳   身長:182cm
     ●アタイデ:16戦13勝(6KO)2敗1分   24歳

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:具志堅用高
     実況:立本信吾

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                      2015年5月1日(金)    大田区総合体育館
                       WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K  O   挑戦者(同級6位)
                ○   三浦隆司    3回1分29秒    ビリー・ディブ   ●
                               (帝拳) 130 lbs                          (豪州) 130 lbs
                                                元IBF世界フェザー級チャンピオン

 左の三浦,右のディブ。正面からの打ち合いを避け,左右にうごきながらワンツーを伸ばすディブ。三浦はじりじりと迫り,ボディを狙う。
 2回,三浦は左フックをヒット。しかし,狙い過ぎて後が続かない。
 3回,動きながらフェイントをかけながら戦うディブにやりにくそうな三浦。それでも構わずロープに押し込んで重厚感溢れる左右フックをボディに叩きこむ三浦。これが強打爆発の伏線になった。回り込んでピンチを脱したディブがニュートラルコーナーに詰まったところで,三浦が打ち込んだ左ストレートがアゴに決まる。これで意識が飛んだところに右フックから左ストレートをフォローされたディブはたまらずニュートラルコーナーの直下に崩れ落ちる。うつろな目で立ち上がったが,朦朧としている。アフー主審はカウントの途中で試合をストップした。

 三浦がキャッチフレーズの”ボンバーレフト”を炸裂させ,圧巻のTKO勝利で4度目の防衛を飾った。強打者同士の対戦となったが,爆発力で上回る三浦の真骨頂が出たと言える。序盤,硬さが目立つ三浦はディブの動きに戸惑ったが,3回にワンチャンスをモノにした。左ストレートで半ば失神状態となったところにフォローの強打を浴びせ,豪快に仕事を終わらせた。雑草のような強さは厳しいマッチメイクを乗り越えてきたからこそである。狙い過ぎず,上体を振って手数を出すことを心がけるべきだろう。
 ディブは元世界王者の肩書を持つ右ボクサーファイターで右ストレートを武器としている。三浦の強打を警戒して正面衝突を避けるように足を使った。この戦法は一定の効果があったが,3回にボディブローでロープに詰められたことが勝負の分かれ目になったと言える。

2回までの採点 三浦 ディブ
主審:エクトル・アフー(パナマ) *** ***
副審:マウロ・ディ・フィオーレ(米国) 20 18
副審:ディック・フラハーティ(米国) 18 20
副審:リム・ジュンバエ(韓国) 18 20
参考:MAOMIE 20 18


     ○三浦:33戦29勝(22KO)2敗2分        30歳   身長:169cm   リーチ:178cm
     ●ディブ:44戦39勝(23KO)4敗1無効試合   29歳   身長:171cm   リーチ:179cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:具志堅用高
     実況:森 昭一郎

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                    2015年5月1日(金)    大田区総合体育館
                                 8回戦
                 WBC世界L・フライ級5位   T   K  O     タイ国S・フライ級(ノーランク)
                ○   八重樫 東    2回2分05秒    ソンセーンレック・ポスワンジム   ●
                                (大橋) 115 lbs                             (タイ) 115 lbs
                         WBO9位

 八重樫が開始早々から軽快に動き,左ジャブを出しながら距離を測る。ソンセーンレックの右ストレートは届かない。終盤,相打ちの右ストレートがアゴに決まり,ソンセーンレックは腰から落ちてダウン(カウント9)。
 2回,八重樫が豪快に試合を決めた。2分過ぎ,ソンセーンレックの左フックの打ち終わりに放った右クロスがアゴを直撃する。この一発で腰から落ちたソンセーンレックはキャンバスに後頭部をしたたか打ちつけて失神。土屋主審は即座に試合をストップした。

 世界戦2連敗の八重樫がワンパンチで圧巻の再起を果たした。体の動きが非常に良く,パンチにも切れがあった。左ジャブでうまく自分の間合いを保っていたことが良かった。鋭い出入りを生かしたボクシングが持ち味であり,これを生かすことが必要。スーパーフライ級に上げたことによりスピードが落ちることが心配されたが,その懸念は完全に払拭された。厳しい減量から解放されたことが大きい。
 ソンセーンレックは右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。アグレッシブに前に出て右ストレートを放つ。しかし,アゴのガードががら空きになることが多い。

1回までの採点 八重樫 ソンセーンレック
主審:土屋末広 *** ***
副審:浅尾和信 10
副審:中村勝彦 10
副審:福地勇治 10
参考:MAOMIE 10


     ○八重樫:26戦21勝(11KO)5敗   32歳   身長:161cm   リーチ:161cm
     ●ソンセーンレック:戦績不明       31歳

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:井上尚弥
     実況:竹下陽平

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            2015年5月1日(金)    米国ネバダ州ラスベガス コスモポリタン・オブ・ラスベガス
                           WBO世界ライト級王座決定戦12回戦
                    WBO世界ライト級4位     T   K  O   WBO世界ライト級1位
                ○   レイムンド・ベルトラン    2回1分29秒    粟生隆寛   ●
                                 (メキシコ) 135 1/2 lbs                         (帝拳) 134 3/4 lbs
                                                         IBF9位

 左の粟生,右のベルトラン。アゴ髭にスキンヘッドという風貌のベルトランが開始早々から主導権を握った。上体を振って前に出ながら上下に右ストレートを散らしてプレスをかけるベルトラン。粟生は右ジャブ,左ストレートで迎え撃つが,後退を余儀なくされた。2分過ぎにはベルトランが右ストレート,左フックで粟生をロープからコーナーに追い込む。
 2回,試合は呆気なく決まった。ベルトランは右ストレートを狙いながら左フックのボディブローを見舞う。粟生が左フックを振るよりも早く,ベルトランの強烈な右ストレートがアゴに決まる。このパンチを浴びた粟生は弾き飛ばされるように横転。辛うじてカウント8で立ちあがったものの,ベルトランの攻勢に晒される。右ストレートから打ち込む左フックに粟生のピンチが続く。ロープを背に棒立ちになった粟生が左フックでぐらついたところでウィークス主審が試合をストップした。

 3階級制覇を目指した粟生だが,ベルトランの強打を浴びて完敗。体格差に押され,初回から後退する場面が目立った。カウンターを合わせようとしたところに逆に右を打ち込まれ,完全に効いてしまった。
 ベルトランは右ファイタータイプで右ストレートから返す左フックに破壊力がある。前日の1回目の計量で1ポンドオーバー,2回目も200グラムオーバーでギブアップして失格となった。粟生が正規ウェイトでリングに上がったので,タイトルマッチとしては成立したが,ベルトランは勝ってもタイトルを手にできないという状況。試合はしっかり勝ち切ったが,明らかにリバウンドしており,粟生との体格差は明白だった。ウェルター級のウェイトになっていたという情報もある。これではウェイト制の意味がなく,真面目に計量をパスした者が馬鹿を見るだけである。これを許していては,ボクシングという競技の根幹に関わり,厳しいペナルティが必要だろう。前日の計量でパスできなかった者には当日の再計量を課し,リバウンド制限をかけるべきである。

     主審:トニー・ウィークス(米国),副審:アデライド・バード(米国)&エリック・チーク(米国)&ジェリー・ロス(米国)
     ○ベルトラン:38戦30勝(18KO)7敗1分   33歳   身長:173cm   リーチ:173cm
     ●粟生:32戦27勝(12KO)4敗1分       31歳   身長:169cm   リーチ:174cm
     放送:YOUTUBE     解説:なし     実況:なし

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                     2015年5月6日(水)    大田区総合体育館
                      WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O     挑戦者(同級7位)
                ○   内山高志   2回1分15秒   ジョムトーン・チューワッタナ   ●
                              (ワタナベ) 129 1/2 lbs                          (タイ) 129 lbs

 右の内山,左のジョムトーン。初回,お互いにジャブで牽制し,緊迫したスタートになった。1分過ぎ,内山の強烈なワンツーが決まり,ジョムトーンがロープに詰まる。内山はワンツー,左フックで早くも攻勢。ニュートラルコーナーに追い込まれたジョムトーンは右目を痛めたのか,苦痛の表情を浮かべる。内山は容赦ないワンツー,左フック,ボディへの左アッパーで襲い掛かる。
 2回,早くも右目下が腫れたジョムトーンは左ストレート,アッパーで前に出るが,内山は良く見えている。リング中央,出ようとしたジョムトーンのアゴにワンツーが炸裂。絶妙なタイミングで放たれたパンチを浴びて上体を大きく泳がせたジョムトーンは,一呼吸置いて腰から崩れ落ち,大の字に沈む。まさに完全崩壊となり,ラミレス主審がカウントの途中で試合をストップした。

 内山,圧巻のワンパンチTKOで10度目の防衛に成功。まさにKOダイナマイトという異名に相応しい豪快な勝ちっぷりである。自分よりも背が高いサウスポーはやりにくいはずだが,全く問題にしなかった。開始早々から一歩も引かないところを見せ,左ジャブで牽制して動きを封じたことが奏功した。パンチの切れも抜群で,以前から期待されている海外進出の夢がさらに大きく膨らむ試合内容である。
 ジョムトーンはサウスポーのボクサーファイター。長身でリーチに恵まれており,アップライトスタイルから放つ左ストレート,アッパーに威力がある本格派である。OPBF王者として,今年1月に金子大樹(横浜光)の挑戦を退けている。うまさと強打を兼ね備えており,内山の苦戦も予想されたが,初回に打ち込まれたワンツーの強打でダメージを負ったことが響いた。

1回までの採点 内山 ジョムトーン
主審:ロベルト・ラミレス・Sr.(プエルトリコ) *** ***
副審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) 10
副審:ユー・ワンスー(韓国) 10
副審:デレク・ミルハム(豪州) 10
参考:MAOMIE 10


     ○内山:24戦23勝(19KO)1分      35歳   身長:172cm   リーチ:182cm
     ●ジョムトーン:10戦9勝(4KO)1敗   25歳   身長:173cm   リーチ:181cm

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重     ゲスト:山中慎介&三浦隆司
     実況:斉藤一也

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                     2015年5月6日(水)    大田区総合体育館
                       WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O     挑戦者(同級14位)
                ○   田口良一   8回0分36秒    クワンタイ・シスモーゼン   ●
                               (ワタナベ) 108 lbs                         (タイ) 107 3/4 lbs

 田口が好調な立ち上がりを見せた。じりじりと前に出るクワンタイに対し,左に回りながら左ジャブ,ストレートを浴びせる。
 2回には動きの中から左ジャブ,ワンツー,左フックで圧倒。終盤,打ち下ろしの右ストレートがアゴに決まり,クワンタイは腰から落ちてダウン(カウント8)。
 クワンタイは執拗に出るが,5回終盤にはカウンターの鮮やかなワンツーで再び腰から落ちてダウン(カウント8)。6回終盤,右ストレートがボディに刺さり,クワンタイの口から思わずうめき声が漏れる。田口が右ストレート,左フックをフォローすれば,クワンタイはロープ際で右膝から崩れ落ちてダウン(カウント8)。
 7回,田口の攻撃は止まらない。ボディが効いたクワンタイは苦しい展開。終了間際,右ストレートをアゴに打ち込まれたクワンタイは右膝から落ちた(カウント8)。
 8回,挑戦者のダメージが濃いと見た田口が右ストレート,ボディへの左アッパーで攻勢に出る。左アッパーのボディブローを打ち込まれたクワンタイはロープ際で腰が落ちる。右ストレートをフォローされ,赤コーナー付近で両膝からキャンバスに崩れ落ちる。実に5度目のダウンとなり,ここまでと見たマーシュ主審はカウント8まで数えて試合をストップした。

 田口が元世界王者を5度倒す圧勝で初防衛に成功。スピード,切れ,手数で圧倒し,つけ入る隙を全く与えなかった。動きの中から鋭く刺す左ジャブ,ストレートが冴えた。これにフォローする右ストレート,ボディへの左アッパーも効果的だった。7回までに奪った4度のダウンはすべてがラウンドの終盤。これがクワンタイの立ち直りを阻んだと言える。今夜のような足と左ジャブを生かして,スピードで勝負するボクシングに徹すれば,ここから先が非常に楽しみである。
 クワンタイは元WBA世界ミニマム級王者で,キャリア豊富な右ファイタータイプ。左右フックに威力があり,しぶとさに定評がある。しかし,田口とのスピードの差は明白。足で翻弄され,左ジャブで出バナを叩かれた。良く食い下がったが,パンチが空を切る場面が目立った。最後まで元世界王者のプライドを見せたが,ボディを打たれたことが響いた。

7回までの採点 田口 クワンタイ
主審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) *** ***
副審:ロベルト・ラミレス・Sr.(プエルトリコ) 70 59
副審:ユー・ワンスー(韓国) 70 59
副審:デレク・ミルハム(豪州) 70 59
参考:MAOMIE 70 59


     ○田口:25戦22勝(9KO)2敗1分       28歳   身長:168cm   リーチ:172cm
     ●クワンタイ:54戦49勝(26KO)4敗1分   30歳   身長:160cm   リーチ:166cm

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重     ゲスト:山中慎介
     実況:島田弘久

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              2015年5月9日(土)    神戸市立中央体育館
                         10回戦
            日本フェザー級(ノーランク)       WBC世界S・バンタム級9位
          ○   長谷川穂積    判 定    オラシオ・ガルシア   ●
                     (真正) 125 3/4 lbs                  (メキシコ) 125 1/2 lbs
                                   IBF13位

 初回,長谷川が久々に好調なところを見せた。左アッパーのボディブローから左ストレート,フックを浴びせる。右ジャブ,フックも良く出ている。長谷川の右フックとガルシアの右ストレートが相打ちになるが,終盤には長谷川の左右フック,左ストレートが回転した。
 2・3回,ガルシアが右ストレート,フックで思い切って仕掛けるが,長谷川はこれを迎え撃ち,左フック,ストレートを上下に散らす。前に出ているのはガルシアだが,先に手を出しているのは長谷川。
 4回,右足を踏まれてバランスを崩す長谷川。ガルシアはこれで減点されたが,少々厳しすぎる処置だった。左右に動いてウィービング,ダッキングから放つ左右フック,左ストレートが冴える長谷川。左フックのボディブローからの左ストレートでガルシアがのけぞる場面があった。
 5・6回,ガルシアがプレスをかけるが,長谷川の巧打が目立つ。7回,ガルシアは左目尻をカット(長谷川の有効打による傷)。
 8回,ガルシアが接近して左右アッパーのボディブロー,右フックでプレスをかける。長谷川はこれに付き合ってしまい,この回は不安を感じさせた。
 10回,ガルシアが猛然と出てワンツー,左フックを振る。長谷川は疲れが見えるが,左右フック,左ストレートで応戦。終盤にはガルシアにも疲れが出て勢いが止まった。

 長谷川が1年ぶりのリングで世界ランカーに快勝し,見事な再起を飾った。足の動き,体の切れ,パンチのスピードは最近数試合の中での一番の内容である。回り込みながらウィービング,ダッキングでガルシアのパンチをかわし,的確なカウンターを返した。上下に散らした左右フック,左ストレートが効果的。34歳という年齢で世界タイトル奪還は厳しいが,今夜の動きをどれだけ出せるかがポイントだろう。無理に打ち合わず,動きを主体に据えることが大事。勝利に対する貪欲なまでの執念が光る。
 ガルシアは右ボクサーファイター。右ストレートに威力があり,高いKO率を誇る。長谷川危うしという下馬評が多かったが,長谷川の動きに翻弄された。前に出ていたが,逆に先手を取られる場面が目立った。

採点結果 長谷川 ガルシア
主審:川上 淳 *** ***
副審:新井久雄 100 91
副審:野田昌宏 98 93
副審:北村信行 97 93
参考:MAOMIE 99 90


     ○長谷川:39戦34勝(15KO)5敗    34歳   身長:168cm   リーチ:169cm
     ●ガルシア:30戦29勝(21KO)1敗   24歳   身長:168cm   リーチ:165cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:鈴木 健

※ 第4ラウンド,長谷川の足を踏んだことにより,ガルシアは減点1。

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   2015年5月30日(土)    小牧市スポーツ公園総合体育館 パークアリーナ小牧(愛知県小牧市)
                      WBO世界ミニマム級王座決定戦12回戦
                  WBO世界ミニマム級2位        WBO世界ミニマム級1位
                ○   田中恒成    判 定    フリアン・イエドラス   ●
                               (畑中) 105 lbs                     (メキシコ) 105 lbs

 若い田中が初回からスパートした、良く動き,左ジャブ,フックから左右フックがどんどん出る。中盤,右アッパーのカウンターが決まり,イエドラスがぐらつく場面があった。2回にも田中の右ストレートでイエドラスがぐらつく。
 イエドラスは執拗に仕掛けるが,田中の動きに翻弄される。5回終盤,右アッパーでぐらつかせた田中が一気に攻勢に出た。
 6回は田中がイエドラスの得意な接近戦に付き合ってしまう。2分過ぎ,左右フックの連打を許した田中が棒立ちになる場面があった。
 7回,再び田中が主導権を握る。ワンツーの連打でロープを背負うイエドラス。終盤にも左フックで動きが止まったところに渾身の連打で襲い掛かる田中.
 8回,一進一退の打ち合いが続くが,終盤,ワンツーでイエドラスがのけぞる。田中,攻勢。9回にも田中の左右アッパー,ワンツーの連打でロープに詰まる。
 いいところまで攻めるイエドラスだが,要所に田中の連打を浴びて反撃の芽を摘まれる場面が目立つ。11回,さすがのイエドラスも中盤までの踏み込み,勢いがなくなる。
 12回,イエドラスが左右フックで攻勢に出れば,田中も負けじと応戦し,激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 中部の大器・田中が国内最速の5戦目で世界タイトルを獲得した。序盤からスピードに乗った左ジャブ,フックからの連打を浴びせてリードした。これに足を絡め,スピードで圧倒した見事な勝利である。イエドラスの反撃もあったが,下がったままにせず,要所で打ち返していたことが良かった。相手の接近戦に付き合わず,持ち味のフットワークを止めることなく戦うことが望ましい。振りが大きくなって雑な攻撃になる場面が見られたことは反省点である。粗削りな魅力の反面,まだ5戦目というキャリアの浅さは否定できない。今後勝ち抜いていくためには,雑な部分を修正することが必要だろう。
 イエドラスは右ファイタータイプ。左右フックの連打を武器に,打たれても執拗に食い下がる。この連打で田中を再三苦しめた。しかし,田中の的確なパンチが効き,さすがに終盤は手数が減った。

採点結果 田中 イエドラス
主審:サムエル・ビルエト(米国) *** ***
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 117 111
副審:ルイス・ルイス(プエルトリコ) 115 113
副審:サワエン・タウィクーン(タイ) 117 111
参考:MAOMIE 118 110


     ○田中:5戦5勝(2KO)            19歳    身長:164cm,   リーチ:159cm
     ●イエドラス:26戦24勝(13KO)2敗   27歳   身長:162cm,   リーチ:154cm

     放送:CBC中部日本放送(TBS)
     解説:飯田覚士&星野敬太郎     ゲスト:高山勝成
     実況:高田寛之

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