熱戦譜〜2015年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2015.04.04  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 木村 悠  TKO8R  山口隼人
2015.04.04 8回戦  石本康隆  7R負傷判定  宇津見義広
2015.04.04 8回戦  中澤将信  TKO8R  相馬一哉
2015.04.04 6回戦  大野兼資  TKO2R  横手太一
2015.04.04 6回戦  鳴海友其  TKO2R  真ひろき
2015.04.05  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 中谷正義  判定  アクセル住吉
2015.04.05 8回戦  多田悦子  KO6R  チャマンゴーン・シットサイトーン
2015.04.05 8回戦  真道ゴー  TKO3R  タンティップ・シットサイトーン
2015.04.05  東洋太平洋バンタム級
 王座決定戦12回戦
 川口 裕  判定  山本隆寛
10 2015.04.08  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 村中 優  判定  林 徹磨
11 2015.04.08 8回戦  渡邉義友  判定  水野孝亮
12 2015.04.08 8回戦  コブラ諏訪  判定  チャッチャイ・シットサイトーン
13 2015.04.13  東洋太平洋スーパーライト級
 タイトルマッチ12回戦
 小原佳太  TKO6R  岡崎祐也
14 2015.04.13  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 大森将平  TKO3R  益田健太郎
15 2015.04.16  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中慎介  KO7R  ディエゴ・サンティリャン
16 2015.04.16 4回戦  辰吉寿以輝  KO2R  岩谷忠男
17 2015.04.22  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井岡一翔  判定  ファン・カルロス・レベコ
18 2015.04.22  IBF世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 高山勝成  9R負傷判定  ファーラン・サックリン・ジュニア
19 2015.04.30  日本ヘビー級
 タイトルマッチ10回戦
 藤本京太郎  判定  石田順裕

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                      2015年4月4日(土)    後楽園ホール
                        日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T  K  O   挑戦者(同級5位)
                ○   木村 悠    8回2分49秒    山口隼人   ●
                           (帝拳) 107 3/4 lbs                    (TEAM 10COUNT) 108 lbs
                WBA14位,WBC7位,WBO10位,IBF3位

 序盤からうまさで勝る木村がワンツーを再三ヒットし,主導権を握った。3回,山口は足を使ってリズムを変えにかかるが,木村は冷静に見極め,ワンツーをヒットする。攻め倦む山口の心理を見透かすように右ストレートを浴びせる木村。
 4回,木村は足を使ってフェイントをかけながら右ストレートのカウンターを合わせる。山口が打ち気に出ると巧みなフットワークでかわす。
 5回は山口がいいところを見せた。木村はワンツーでロープに詰めるが,逆に山口の右ストレートでぐらつく。山口は一気に出るが,木村の上体を抱え込んでマーチン主審から注意を受け,試合が中断した。惜しいチャンスを逃す山口。
 6回,木村はサークリングしながら右ストレートをヒット。攻め倦む山口は正面に立ったところにカウンターの右ストレートをもらう。しかし,その木村も右ストレートを返されてぐらつく場面があった。この回,山口は左目上をカット(木村の有効打による傷)。
 7回,左目上からの出血が増した山口はドクターチェックを受ける。主導権は再び木村の掌中に。焦り気味に出る山口に対し,木村は足を絡めて左ジャブ,右ストレートをヒットする。さらに終了間際にはワンツーの連打を浴びせた。
 8回,山口は再びドクターチェックを受ける。木村は冷静に右ストレート,ワンツーを浴びせる。さらに右ストレートのカウンターからボディに左アッパーを突き上げる。ガードが下がり始めた山口は顔面に右ストレートを浴び,さらに窮地に追い込まれた。左フックを受けて後退したところで,マーチン主審が試合をストップした。

 木村は3度目の防衛に成功。うまさが光る秀逸の試合内容である。すっかり安定王者として大人の風格が漂ってきた。足を絡めて左ジャブ,右ストレートからボディに左アッパーを打つ基本に忠実な右ボクサーファイター。習志野高→法大というアマチュアのキャリアを持つ一方で,ここまではプロらしい逞しさに欠ける面があったが,最近の数試合における充実ぶりは目覚ましい。自分の中に世界挑戦のイメージが描けているためだろう。安定感に逞しさが加わった今,年齢的にも世界挑戦の可能性が出てきた。
 小野心(ワタナベ)の負傷により,15日前に代役に決まった山口はこれが2度目のタイトル挑戦。それを感じさせないほどコンディションは良かったが,やはり力の差は如何ともし難い面があった。スピードがある右ボクサーファイターで,右ストレート,左フックを武器としている。得意の右ストレートで木村をぐらつかせる場面もあったが,後続を封じられた。攻め倦んで正面に立ち,そこに右ストレートをもらう場面が目立った。

7回までの採点 木村 山口
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 69 64
副審:土屋末広 69 64
副審:染谷路朗 68 65
参考:MAOMIE 68 65


     ○木村:19戦16勝(3KO)2敗1分   31歳   身長:161cm
     ●山口:19戦12勝(2KO)6敗1分   25歳   身長:164cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                      2015年4月4日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本S・バンタム級4位   負 傷 判 定   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   石本康隆    7回2分11秒    宇津見義広   ●
                               (帝拳) 122 lbs                          (ヨネクラ) 121 1/2 lbs

 初回,変則の宇津見が足を使いながら積極的に打って出る。早くも揉み合いになるが,ここは宇津見が掻き回してリードした。
 2回,石本の左アッパーが低く入り,一時中断。石本は構わず接近戦で左アッパーをボディに放つ。揉み合いで石本が宇津見を投げ飛ばしてしまい,再び中断した。揉み合いに出ているのは宇津見だが,露骨にイヤな表情を見せる
 中盤も揉み合いが続き,全く締りのないグダグダの展開が続いた。5回,離れ際に右ストレート,左フック,ボディへの左右アッパーを見舞う石本。しかし,6回には2度に渡るすくい投げで宇津見を投げ飛ばしてしまい,レスリング行為でついに減点された。
 7回,ようやく足を使って距離を取る石本。しかし,それも長く続かず,再び揉み合いになる。宇津見はバッティングで右目上をカット。これはドクターチェックなしで続行となったが,再び縺れたところで宇津見が今度は右目上もカットし,激しい出血をみる。ドクターチェックの結果,続行不能とされ,試合がストップされた。

 クリンチ,ホールドばかりが目立ち,レスリング行為まで飛び出す凡戦。3連敗を免れた石本だが,変則的でラフな宇津見のペースに合わせてしまったことが拙戦の原因。距離を潰され,得意のパンチを放つスペースを作れなかった。タイトル挑戦に向け,立て直しが求められる。
 宇津見は変則の右ファイタータイプ。足を使いながら左右フックで執拗な攻撃を見せる。石本を苦しめたが,肝心のパンチがヒットしなかったことが敗因。揉み合いに終始した責任は宇津見にある。減点こそされなかったが,相手の首に腕を巻きつけるなどの行為が目立った。自ら揉み合いに持ち込んでおいて,露骨にイヤな表情を見せていた。駆け引きとはいえ,見ている者に良い印象は与えない。

採点結果 石本 宇津見
主審:安部和夫 *** ***
副審:染谷路朗 68 65
副審:土屋末広 68 65
副審:中村勝彦 68 65
参考:MAOMIE 68 65


     ○石本:33戦25勝(7KO)8敗       33歳   身長:172cm   リーチ:171cm
     ●宇津見:21戦12勝(7KO)6敗3分   31歳   身長:167cm

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:山本紘之

※ 第6ラウンド,レスリング行為によって石本は減点1。

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                      2015年4月4日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                   日本S・ライト級3位  T   K  O  日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   中澤将信   8回0分52秒   相馬一哉   ●
                               (帝拳) 140 lbs                      (一力) 139 3/4 lbs

 初回,長身の中澤が足を使いながら左ジャブ,右ストレートを放つ。さらにボディにも右ストレートを散らし,好調なスタートを見せた。ベタ足の相馬は前に出て左右フック,右アッパーを振る。
 2回,中澤は左ジャブ,右ストレートからボディに左右アッパーを打つが,相馬の執拗な左右フックで鼻血を流す。4回,思い切った連打で攻勢に出る相馬にたじろぐ中澤。相馬は俄然元気が出る。しかし,後半は打ち疲れが出た相馬に対して中澤が地力を見せて反撃に転じた。
 5回,中澤はラッシュでロープに詰めるが,相馬も左右フック,アッパーの連打でしぶといところを見せる。
 しかし,6回に入ると流れは完全に中澤に傾いた。右フックでバランスを崩した中澤が思わずロープに突っ込む場面があったが,その直後,右ストレートのカウンターが決まる。このパンチでぐらつく相馬。チャンスとみた中澤は一気に襲いかかる。相馬は必死に凌ぐが,足が動かず,被弾が多くなった。
 7回,疲労とダメージで動きが鈍い相馬。中澤は足を使い,距離を取りながら攻める。相馬はここでも前に出て左右フックを振り,粘りを見せたが,8回に力尽きた。体を密着させた打ち合いになるが,離れ際のワンツーがアゴに決まり,相馬は腰が落ちて大きくぐらつく。すかさず中澤が右ストレートをフォローしたところで中村主審が試合をストップした。

 激しい打撃戦の末,2011年度全日本スーパーライト級新人王の中澤がランカーの意地を見せた。長身の右ボクサータイプで,オーソドックスな試合運びを身上としている。主武器は左ジャブから放つ右ストレート。接近すればボディへの左右アッパーもある。しかし,相馬の左右フックで序盤から鼻血を流し,苦しい試合になった。相馬のペースに合わせてしまい,体を密着させた打ち合いに応じたことが苦戦の原因。足を絡めて左ジャブ,ワンツーを浴びせるボクシングに徹するべきだろう。
 相馬は右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,左右フック,右アッパーがどんどん出る。この連打で最後まで中澤を苦しめた。敗れはしたが,粘りが光る。正面に立ってしまい,中澤の右ストレートの標的になってしまったことが惜しまれる。

     主審:中村勝彦,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&安部和夫
     ○中澤:19戦17勝(7KO)1敗1分   32歳   身長:180cm
     ●相馬:16戦7勝(6KO)7敗2分    35歳
     放送:G+     解説:なし     実況:田中 毅

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                      2015年4月4日(土)    後楽園ホール
                               6回戦
                  日本L・フライ級15位  T   K  O  日本L・フライ級(ノーランク)
                ○   大野兼資   2回1分16秒   横手太一   ●
                             (帝拳) 107 3/4 lbs                      (ドリーム) 108 lbs
                    大野兼資=おおの・けんじ

 左の大野,右の横手。右ジャブから左ストレート,右フックを放って積極的に攻め,早くも主導権を握る大野。横手も右ストレートで応戦するが,2分過ぎ,大野が左右フック,アッパーで畳みかけた。ロープを背負った横手はアゴに左ストレートを打ち込まれてぐらつく。攻勢に出る大野。
 2回,横手は積極的な大野の攻撃で後手に回る。ロープに下がったところで大野の左ストレートがアゴに決まる。このパンチでガクンと腰が落ちた横手はロープを背にダウン寸前のピンチ。一気に仕上げにかかる大野。右フック,左ストレートの猛攻で再びロープに腰を落としたところで染谷主審が割って入った。

 大野が鮮やかな速攻で見事な勝利を飾った。サウスポーのボクサーファイターでスピードがある左ストレート,右フックを得意としている。特に左ストレートのタイミングと切れに非凡なものがある。積極的な攻撃で横手を後手に回したことが良かった。スピードを生かした速攻が持ち味である。フィニッシュの連打は圧巻で,チャンスの詰めとしてはこれ以上のものはないだろう。2014年度全日本ライトフライ級新人王。
 横手は右ボクサーファイター。こちらは2011年度東日本ライトフライ級新人王のタイトルを獲得した実績がある。武器の右ストレートを上下に打ち分けて応戦したが,上体の動きがないために格好の標的になってしまった。

     主審:染谷路朗,副審:ビニー・マーチン&安部和夫&中村勝彦
     ○大野:9戦8勝(4KO)1敗   26歳   身長:163cm
     ●横手:9戦6勝(3KO)3敗   26歳   身長:163cm
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

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                       2015年4月4日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
               日本S・ウェルター級(ノーランク)   T   K  O   日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   鳴海友其    2回2分45秒    真ひろき   ●
                               (帝拳) 153 3/4 lbs                       (高崎) 153 1/4 lbs
                    鳴海友其=なるみ・ともき            真ひろき=まこと・ひろき

 開始早々からスリリングな打ち合いになった。強打自慢の鳴海は右ストレート,左フックを思い切り打ち込む。真も負けじと左右フック,右ストレートで攻勢に出る。しかし,すぐに鳴海が反撃。真をニュートラルコーナーに詰め,右ストレート,ボディへの左右フックで攻勢。
 2回,呆気なく決着がついた。左右フックから右ストレート,フックを叩きつける真。しかし,鳴海も黙っていない。ニュートラルコーナーに詰め,再び攻勢。右ストレートが炸裂し,大きくぐらつく真。すかさずエンジン全開の猛攻に出る鳴海。ここで土屋主審が試合をストップした。

 B級デビューを豪快なTKO勝利で飾った鳴海は弘前工→拓殖大で60戦38勝22敗というアマチュアのキャリアを積んでいる。弘前工では国体ベスト4,拓殖大では主将を務めている。発達した上半身が特徴で,腰の回転を効かせて打ち込む豪快な右ストレート,左右フックが売り物。プロ向きの右ファイタータイプである。思い切った攻撃は迫力十分だが,力みが目立つ。嵩にかかって攻めているときはいいが,ディフェンスに不安がある。
 真は右ファイタータイプで左右フックを武器としている。新人にひと泡吹かせようという気持ちが表れており,ベテランの意地を十分に見せた。最後はパワーに屈したが,強打の鳴海に一歩も引かず応戦した勇気は立派。

     主審:土屋末広,副審:ビニー・マーチン&中村勝彦&染谷路朗
     ○鳴海:1戦1勝(1KO)     24歳
     ●真:13戦4勝(3KO)9敗   35歳   身長:178cm
     放送:G+     解説:なし     実況:川畑一志

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              2015年4月5日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                    東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級8位)
               ○   中谷正義   判 定   アクセル住吉  ●
                              (井岡) 135 lbs              (関門JAPAN) 135 lbs
                    WBC10位

 ボクサータイプの中谷に対し,ファイタータイプの住吉という対照的な顔合わせ。左ジャブを突いて積極的に前に出る住吉。中谷は左に回りながら左ジャブで制し,出バナにワンツーを浴びせる。2・3回,インサイドに潜り込まなければ勝機がない住吉だが,中谷に距離を取られて攻め倦む場面が続いた。
 4回,中谷のワンツーがクリーンヒットし,ぐらつく住吉。中谷はすかさず右ストレート,左右アッパーをまとめる。
 住吉にとって,6回は唯一の見せ場となった。左フックのカウンターが決まり,中谷がぐらつく。少ないチャンスに色めき立って一気に攻める住吉。中谷は左ジャブで立て直そうとするが,今度は住吉の右ストレートがクリーンヒット。右ストレート,左フックで攻勢に出る住吉。中谷はバッティングで右目上をカットした。
 しかし,7回以降は再び中谷が主導権を握った。9回終盤,左右アッパーのボディブローが効いて後退する住吉。中谷は左右アッパー,右ストレート,ボディへの左アッパーをまとめて仕留めにかかる。耐える住吉だが,さすがに苦しくなる。
 11回,住吉は再び前に出るが,流れは変わらない。12回,中谷は左に回り込み,左アッパーのボディブロー,ワンツーを浴びせる。終盤,左右フックで攻め込む住吉に対し,右フックのカウンターをヒットした。

 中谷が大差の判定勝ちで3度目の防衛に成功した。持ち味のフットワークに乗せ,長いリーチを生かした左ジャブで徹頭徹尾突き放すアウトボクシングが冴えた。特に左アッパーのボディブローで住吉の動きを止めた攻撃が効果的。謙遜していたが,アウトボクサーとしての本領は見せた。ただし,本人が望む世界挑戦となれば話は別。今のままでは通用しないだろう。チャンスに一気に攻め落とすだけのパワーがなければ苦しい。
 住吉は右ファイタータイプ。プロ戦績は芳しくないが,アマで63戦43勝18敗の実績がある。右ストレート,左フックを武器としており,打ち合いを好む。上体の振りがなく直線的に前に出る攻撃パターンを読まれてしまい,中谷のストレート攻撃の標的になった。

採点結果 中谷 住吉
主審:川上 淳 *** ***
副審:原田武夫 119 109
副審:北村信行 119 109
副審:近藤謙二 118 110
参考:MAOMIE 119 109


     ○中谷:10戦10勝(5KO)      25歳   身長:182cm,   リーチ:180cm
     ●住吉:9戦4勝(1KO)4敗1分   29歳

     放送:スカイA
     解説:植田洋介     ゲスト:徳山昌守
     実況:西 達彦

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                 2015年4月5日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                                8回戦
               WBC女子世界ミニフライ級2位  K      O    タイ国女子ミニマム級(ノーランク)
                ○   多田悦子    6回1分00秒    チャマンゴーン・シットサイトーン   ●
                              (真正) 105 1/4 lbs                             (タイ) 104 3/4 lbs
                   WBAミニマム級1位,IBFミニフライ級5位

 サウスポー同士の対戦だが,スピードの差は歴然。右ジャブ,左ストレートで攻め込む多田。チャマンゴーンも左ストレート,フックを返すが,スピードがない。
 2・3回,多田が積極的な攻撃でリードを広げる。チャマンゴーンが横を向いて逃げの姿勢を見せる場面があった。
 4回,ロープに下がったチャマンゴーンを追って打ち込んだ左ストレートがボディに決まる。このパンチを受けたチャマンゴーンは苦しそうな表情で上体を屈める。左右フックの追撃に崩れるようにダウンするチャマンゴーン(カウント8)。
 5回,試合は一方的なものになった。多田が左ストレート,右フック,ワンツーをまとめれば,チャマンゴーンはロープ際で崩れ落ちる(カウント8)。左ストレートからの連打で2度目のダウン(カウント8)。仕上げとばかりにラッシュする多田。ニュートラルコーナーに釘付けとなったチャマンゴーンは形振り構わず右腿を高く上げてパンチをブロックし,多田の攻勢に耐える。
 チャマンゴーンは辛うじてゴングに救われたが,6回に破局を迎えた。果敢に打ち合うが,リング中央で左ストレートのカウンターがボディに決まり,その場に崩れ落ち,この試合4度目のダウン。立ち上がったが,近藤主審はそのままカウントアウトした。

 多田が4度のダウンを奪う圧圧倒的な試合内容でKO勝利を飾った。実力差が大きく,一方的な展開になった。サウスポースタイルからのワンツー,左右フックが回転し,連打がよく出ていた。
 表情に幼さが残るチャマンゴーンはサウスポーのボクサーファイター。何度倒されても果敢に立ち上がり,粘りを見せた。左ストレートを打つときにアゴが上がる癖がある。

     主審:近藤謙二,副審:川上淳&北村信行&原田武夫
     ○多田:18戦14勝(4KO)2敗2分      33歳   身長:161cm   リーチ:160cm
     ●チャマンゴーン:13戦8勝(2KO)5敗   24歳
     放送:スカイA     解説:植田洋介     ゲスト:徳山昌守     実況:河路直樹

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               2015年4月5日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                               8回戦
               WBC女子世界フライ級3位   T   K  O   タイ国女子S・フライ級(ノーランク)
                ○   真道ゴー    3回1分19秒   タンティップ・シットサイトーン   ●
                             (グリーンツダ) 115 lbs                            (タイ) 115 lbs

 初回,ぎこちない動きで前に出るタンティップ。しかし,スピード不足は明らか。真道は左ジャブ,右ストレートから立ち上がる。ボディに右フックが当たり,キャンバスに両グラブをついたタンティップはダウンを取られる(カウント8)。これはダメージがないダウンだった。
 2回,真道は右ストレートのボディブロー,左フックのカウンターをヒット。右フックでぐらつくタンティップ。終盤,真道が左右フックで攻勢に出れば,タンティップは防戦一方に陥った。
 3回,真道は左右フックのボディブローから顔面にも左右フックを浴びせる。ボディが効いたタンティップは苦しそうな表情を浮かべる。さらに左右フックの攻勢でニュートラルコーナーに下がったところで原田主審が試合をストップした。

 スピード,パンチ力の差を見せつけた真道が圧勝。右ストレート,ボディへの左右フックで相手を圧倒した。女子としてはスピードがあるのが強味になっている。上下に打ち分ける攻撃が持ち味の右ボクサーファイターである。
 タンティップは右ファイタータイプ。ベタ足で動きはぎこちなく,真道との実力の差は歴然。スピードがない左右フックを振ったが,真道には通じなかった。

     主審:原田武夫,副審:川上淳&北村信行&近藤謙二
     ○真道:18戦15勝(10KO)3敗     27歳   身長:168cm
     ●タンティップ:14戦9勝(1KO)5敗   22歳
     放送:スカイA     解説:城島 充     実況:西 達彦

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              2015年4月5日(日)    大阪府立体育会館第2競技場
                   東洋太平洋バンタム級王座決定戦12回戦
               東洋太平洋バンタム級2位       東洋太平洋バンタム級1位
                ○   川口 裕    判 定    山本隆寛   ●
                             (グリーンツダ) 118 lbs                 (井岡) 118 lbs
                川口裕=かわぐち・ゆう

 初回,ともに左ジャブによる探り合いから立ち上がる。川口は前に出て相打ちの右ストレートをヒット。山本は足を使い,ワンツーをヒット。
 2回に入ると山本が動きながら左ジャブ,右ストレートを放ってリズムを掴んだ。一方の川口は前に出るが,動きが硬く,手数が少ない。終了間際,山本が左フック,右ストレート,ボディへの左アッパーで攻勢に出る。4回,山本は左フックのカウンターでアゴが上がった川口をロープ際に追い,攻勢に出る。伸び伸びと戦っているのは山本。
 6回,山本はワンツーで川口を後退させる。さらに足を使いながら右ストレート,ボディへの左アッパーを浴びせる。フットワークとパンチがマッチし,うまく戦っている山本。打ち合いたい川口は思うようにならず,攻め倦む場面が続いた。川口は右目上をカット(山本の有効打による傷)。
 ここまでは完全に山本のペースだったが,後半に入ってようやく川口が挽回に入った。ピッチを上げた川口は右フック,ボディへの左アッパーで反撃の構え。前半飛ばしたせいか,山本には疲れの色が見える。10回,左右フックで追い上げる川口。疲れが出た山本は足を使っているというよりも,下がらされている印象が強い。
 11回,流れは完全に川口に傾いた。山本は下がってかわそうとするが,いかにも見栄えが悪い。激しい応酬になるが,川口が上回る。12回,山本の疲労が目立つ。川口の右ストレート,左右フックで後退する場面が続く。川口も鼻から出血するが,リング中央で激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 川口が2−1の僅差で念願のタイトルを獲得した。右ファイタータイプで左右フック,右ストレートを得意としている。前半は動きの硬さから手数が少なく,山本の足と左ジャブ,ワンツーに翻弄された。ようやく挽回に出たのは7回。遅かったが,ここから左右フックで追い上げた。終盤は疲れが出た山本を下がらせ,完全に主導権を握った。狙い過ぎず,手数を多くすることが必要だろう。
 前半をリードしていた山本だが,勝てる試合を試合を落としたという印象が強い。フットワークがあり,左ジャブ,右ストレートを得意とする右ボクサーファイター。後半に失速して挽回を許したのはキャリアの浅さに他ならない。足を絡めた攻撃に優れたものがあるが,スタミナの増強が必要。

採点結果 川口 山本
主審:原田武夫 *** ***
副審:川上 淳 113 115
副審:北村信行 115 113
副審:近藤謙二 116 112
参考:MAOMIE 115 113


     ○川口:29戦23勝(10KO)6敗   28歳   身長:165cm
     ●山本:19戦15勝(12KO)4敗   24歳   身長:171cm

     放送:スカイA
     解説:徳山昌守&城島 充
     実況:河路直樹

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                   2015年4月8日(水)    後楽園ホール
                       日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     前チャンピオン          挑戦者(同級1位)
                ○   村中 優    判 定    林 徹磨   ●
                             (フラシュ赤羽) 114 3/4 lbs             (セレス) 112 lbs
               WBA8位,WBC4位,WBO8位,IBF8位         IBF15位
               村中 優=むらなか・すぐる

 戦わずしてベルトを失った村中に対し,序盤をリードしたのは林。左ジャブ,フックからワンツーを放って積極的に攻める。村中も左ジャブ,フックで応戦するが,林の手数が上回った。
 しかし,4回に入ると村中のピッチが上がった。右クロスから接近して上下に左フック,アッパーを見舞ってプレスをかける。一方の林は後手に回り,消極的になった。終了間際に激しい打ち合いになったが,ここでも多彩なパンチで村中が制した。
 5回,本格的に村中のエンジンがかかった。先手で攻める村中に林は後手。終了間際には林の左アッパーもアゴを捉える。
 6回,村中はバッテイングで右目上をカットするが,7回1分過ぎには右ストレート,左フック,アッパーで攻勢。村中の手数が増す。左フックでバランスを崩した林はロープに詰まる。チャンスと見た村中が一気に出るが,ここで終了10秒前の拍子木をゴングと聞き間違えた浅尾主審が両者の間に割って入るハプニングがあった。チャンスを潰された村中に対し,林は命拾いする結果になった。
 8・9回,村中が的確なパンチを上下に見舞ってリードを保つ。10回,嵩にかかって攻める村中。林はやや効いて動きが鈍る。終盤,村中の左アッパーがアゴに決まり,林の腰が落ちる場面があった。

 前日の計量でウエイトオーバーのために失格となった村中。これが3度目の防衛戦だったが,試合前にタイトルを剥奪されるという屈辱のリングとなった。当日夕方5時に再計量して53.0s以内という厳しい条件を突き付けられて何とか成立した試合である。序盤は林の積極的な攻撃にリードを許したが,徐々に地力の差を見せて挽回した。試合直前まで厳しい体重制限を強いられた影響か,スピードが今一つで,本調子とは程遠い試合内容。それでも右クロスから上下に左フック,アッパーを打ち分けてプレスをかけるクレバーな試合運びで勝ち切った。上下への多彩なコンビネーションブローで林を翻弄したあたりはさすがである。右ボクサーファイターで現役屈指のテクニシャンであるだけに,ウェイトオーバーによる失格はあまりにも残念。世界を狙える素質があるのに勿体ないという印象が強い。
 2度目のタイトル挑戦にも敗れた林。序盤から積極的な攻撃で優位に立ったが,4回以降は村中のテクニックに翻弄され,結果的には完敗である。左ジャブ,フック,ワンツーによる果敢な攻撃は好印象だったが,中盤から読まれてしまい,村中の的確なパンチで徐々に押された。

採点結果 村中
主審:浅尾和信 *** ***
副審:中村勝彦 96 94
副審:福地勇治 96 94
副審:安部和夫 97 93
参考:MAOMIE 97 93


     ○村中:25戦22勝(7KO)2敗1分    29歳   身長:163cm
     ●林:30戦25勝(9KO)3敗2分     27歳   身長:164cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:辻岡義堂

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                      2015年4月8日(水)    後楽園ホール
                              8回戦
               東洋太平洋S・フェザー級15位      日本フェザー級(ノーランク)
                ○   渡邉義友    判 定    水野孝亮   ●
                             (レイスポーツ) 125 1/4 lbs                 (緑) 126 lbs
                                       水野孝亮=みずの・こうすけ

 初回からスピード,テクニックの差が出た。軽快な動きから上下に右ストレート,左フックを飛ばす渡邉。水野は前に出て左右フックを放つが,渡邉は良く見てカウンターを合わせる。2回,攻勢に出て渡邉をロープに詰める水野。しかし,渡邉は冷静に右ストレートを合わせる。左フックでバランスを崩す水野。
 3回,左ジャブを上下に見舞ってコントロールする渡邉。水野の出バナに右ストレート,左フックのカウンターを決める。ロープに下がった渡邉は右を振ろうとした水野のアゴにショートの右ストレートをヒット。この見事なカウンターで水野の右膝が落ちる。
 左に回りながら左ジャブ,フックを浴びせる渡邉。5・6回も右ストレート,左フックが冴える。
 7回終盤,右ストレートで水野の足が縺れる。チャンスと見た渡邉は一気に攻勢。ロープに詰め,ワンツー,左フックで襲い掛かる。水野は辛うじてゴングに救われた。
 8回,激しい打ち合いが続く。大きくリードされた水野は果敢に応戦するが,渡邉の鋭いパンチでロープに詰まる。渡邉も口が開き,打ち疲れが見えた。

 渡邉は右ボクサーファイターで,カウンターの右ストレート,左フックに威力がある。足が使えて,スピードがある好素材。左に回り込みながら左ジャブ,フックを多用し,終始自分のスタイルを守り通した。無駄打ちや大振りをせず,相手の出バナに合わせるカウンターのタイミングと切れに非凡なものを感じる。白鴎大足利高(栃木)でアマのキャリアを積んでおり,基礎がしっかりできている点が優れたところ。現時点で日本ランキングには入っていないが,上位進出も十分に期待できる。今後が楽しみな選手である。終盤に打ち疲れが出たが,スタミナの強化が課題。
 水野は右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックで果敢に打ち合いを挑んだが,冷静な渡邉に読まれてカウンターを返された。渡邉とはすべての面で大きな開きがあった。

採点結果 渡邉 水野
主審:染谷路朗 *** ***
副審:浅尾和信 80 72
副審:安部和夫 80 73
副審:飯田徹也 79 73
参考:MAOMIE 80 72


     ○渡邉:8戦7勝(5KO)1敗       22歳
     ●水野:14戦7勝(2KO)5敗2分   23歳

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:中野謙吾

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                      2015年4月8日(水)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・ウェルター級9位         タイ国S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   コブラ諏訪    判 定    チャッチャイ・シットサイトーン   ●
                           (ピューマ渡久地) 153 1/4 lbs                    (タイ) 153 3/4 lbs

 左にスイッチするチャッチャイは腹回りに余裕がある。諏訪は低い姿勢から左右フックでボディを狙う。
 2・3回,変則的に動いて左右のストレートを放つチャッチャイ。諏訪はじりじりと距離を詰めて左右フックを振るが,もう少し踏み込みたいところ。
 4回,ニュートラルコーナーに詰めて左右フックのボディブロー,右ストレートを浴びせる諏訪。チャッチャイも右ストレート,アッパー,左フックを振るが,諏訪の左ストレートで怯む。終盤,諏訪は再びニュートラルコーナーに詰めてボディブローを連打する。左アッパーがボディに決まり,チャッチャイは右膝をついてダウン(カウント8)。
 後半から終盤にかけては諏訪のワンサイドゲームになった。口が開いて呼吸が苦しそうなチャッチャイ。6回,ボディが効いたチャッチャイはトリッキーな動きでごまかすが,諏訪が飛び込んで左アッパーをボディに打ち込めば,チャッチャイの上体が丸くなる。
 7回,諏訪はバッティングで鼻の左脇をカット。8回,雑で単調な攻撃が災いして決定打が出ない諏訪。見ているファンのイライラは募るばかり。チャッチャイはトリッキーな動きを見せるだけで,それ以上は進まない。終了間際,諏訪の右ストレート2発がヒット。

 諏訪は右ファイタータイプ。がっしりとした体躯から放つ左右フック,右ストレートを武器としている。ボディを中心に攻めたが,単調で雑な面ばかりが目についた。タイトル挑戦を熱望しているが,もう少しフェイントや左ジャブを使い,接近するまでの工夫をしない限り前途は厳しいと言わざるを得ない。
 チャッチャイは右ボクサーファイター。変則的でトリッキーな動きから左右ストレート,左フックを放つ。ときには左にスイッチするなどの戦いも見せる。さすがにボディを打たれて動きが鈍った。

採点結果 諏訪 チャッチャイ
主審:中村勝彦 *** ***
副審:染谷路朗 78 73
副審:安部和夫 78 75
副審:福地勇治 77 74
参考:MAOMIE 78 73


     ○諏訪:28戦15勝(7KO)11敗2分   34歳   身長:175cm
     ●チャッチャイ:15戦8勝(3KO)7敗    20歳

     放送:G+
     解説:なし
     実況:佐藤義朗

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                      2015年4月13日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級9位)
                ○   小原佳太   6回1分51秒   岡崎祐也   ●
                              (三迫) 140 lbs                         (中内) 139 lbs
                      WBC12位,IBF13位

 右の小原,左の岡崎。強打者同士の対戦は初回から緊迫感が充満する展開を辿った。2回,岡崎が放つ左ストレートからの右フックが鋭いが,小原は右ストレートを狙って迫る。
 3回,岡崎の右フックがヒット。しかし,小原は慌てない。軽いステップからの左ジャブでリズムを掴み,右ストレート2発をヒット。
 4回に入ると小原が完全に流れを掴んだ。岡崎のパンチをウィービング,ダッキング,ブロッキングでかわし,右ストレート。さらに出バナに左フックを合わせる。小原のうまさが光る。。
 5回,小原は左ジャブから再三に渡って右ストレートを浴びせる。岡崎は攻めればかわされ,待っていれば攻められるという悪循環に陥った。
 6回,劣勢の岡崎がKOチャンスを掴む。カウンター気味の左ストレートが決まり,一瞬ぐらつく小原。岡崎は左ストレート,右フックを振って猛然と攻める。しかし,これを凌いだ小原が一瞬の隙を突き,ワンツー,左アッパー,フックの連打で猛然と反撃。岡崎はロープを背負って必死に耐えるが,再び小原のワンツー,左アッパーの猛攻に晒され,ロープに詰まったところで福地主審が試合をストップした。

 スリリングな強打の応酬の末,地力で勝る小原が3度目の防衛をTKOで飾った。これで12連続KO勝ちという快進撃である。パンチ力がある岡崎に対し,慎重に左ジャブを突いて徐々にリズムを掴み,ここから右ストレートを軽く多用し,主導権を握った。打ち終わりに決める右ストレートが効果的。岡崎が攻めると巧みなディフェンスを見せた。うまさが光った一戦と言える。
 岡崎はサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,右フックにパンチ力がある。特にカウンター気味の右フックは相手にとって脅威的で,KO率以上の破壊力がある。勇敢な戦いぶりに好感が持てるが,小原にかわされ,徐々に手詰まり状態に陥った。

5回までの採点 小原 岡崎
主審:福地勇治 *** ***
副審:吉田和敏 50 46
副審:中村勝彦 49 46
副審:安部和夫 49 46
参考:MAOMIE 50 46


     ○小原:15戦14勝(13KO)1敗     28歳   身長:179cm
     ●岡崎:20戦11勝(4KO)8敗1分   28歳   身長:180cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                    2015年4月13日(月)    後楽園ホール
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                  挑戦者(同級1位)   T   K  O      チャンピオン
                ○   大森将平    3回1分35秒    益田健太郎   ●
                             (WOZ) 117 1/2 lbs                       (新日本木村) 118 lbs
                    WBC13位,WBO12位               WBC14位,IBF11位

 右の益田,左の大森。初回から左ストレート,アッパーを浴びせて積極的に攻める大森。受けて立つ益田はサークリングしながら慎重なスタート。しかし,2分過ぎ,ニュートラルコーナーに詰めた大森が左右フックを連打すれば,益田はロープ際で腰から落ちて脆くもダウン(カウント8)。立ち上がった益田をロープに詰めた大森は攻勢に出る。益田が右フックを振るより早く大森の右フックがカウンターになる。これをまともにもらった益田は腰から落ち,2度目のダウン(カウント9)。大森は一気に攻勢。防戦一方に陥った益田は辛うじてゴングに救われた。
 2回,王者の意地を見せたい益田だが,大森のダイナミックな攻撃に守勢に回る。左ストレートを受けてぐらつく益田。
 3回,左ストレート,右フック,左右アッパーを振り,嵩にかかって攻める大森。回り込んでかわしたい益田だが,思うようにならない。さらに勢いを増す大森。左ストレートでぐらついてバランスを失った益田がロープ際に詰まったところで杉山主審が試合をストップした。

 関西の逸材として評価が高い大森が圧巻の王座奪取。長身で長いリーチを誇るサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,右フックに加えて左右アッパーもある。キャリアで上回る益田を完全に呑んでかかり,自信を持って攻め込んだことが勝因。粗削りで未完成な部分はあるが,ダイナミックな攻撃は魅力的。巷間囁かれているような世界挑戦云々は時期尚早だが,それにしてもとびきり活きのいい新鋭が現れたものだ。山中慎介,村田諒太を輩出した南京都高(京都)でアマのキャリアがあり,2010年国体で準優勝の実績を誇る。
 益田が3度目の防衛に失敗。右ボクサーファイターで,軽快なフットワークに乗せた左ジャブ,ワンツーを得意としている。経験豊富なテクニシャンだが,勢いがある大森の攻撃を止められず,まさに完敗。左右に回り込んで大森の攻撃を外し,カウンターを取りたいところだったが,距離を潰され,下がらされたことが敗因。

2回までの採点 大森 益田
主審:杉山利夫 *** ***
副審:北村信行 20 16
副審:浅尾和信 20 16
副審:安部和夫 20 16
参考:MAOMIE 20 16


     ○大森:14戦14勝(9KO)       22歳   身長:173cm
     ●益田:28戦21勝(11KO)7敗   32歳   身長:165cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:立本信吾

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                 2015年4月16日(木)    大阪府立体育会館第1競技場
                       WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O    挑戦者(同級7位)
                ○   山中慎介   7回0分36秒   ディエゴ・サンティリャン   ●
                              (帝拳) 117 3/4 lbs                     (アルゼンチン) 117 1/2 lbs

 左の山中,右のサンティリャン。初回,サンティリャンは右ストレートをボディに伸ばすが,上背で勝る山中は余裕を持って右ジャブでリードし,ボディ,アゴに左ストレートを浴びせて早くも主導権を握る。さらに打ち込んだワンツーはあわやKOというタイミングだった。
 2回,サンティリャンは鼻から出血。左ストレートのボディブローでロープに飛ぶサンティリャン。山中の右ジャブが鋭い。
 4回,サンティリャンは猛然と打って出るが,パンチは届かない。
 5回,ワンツーを受けたサンティリャンは大きくバランスを崩す。山中の左ストレートが再三ヒットし,右ジャブも決まる。サンティリャンは鼻血まみれで顔面も大きく腫れ上がった。終盤には山中が左ストレート,右フックを浴びせた。
 6回,試合はワンサイドゲームの様相。サンティリャンは右フックを振って反撃を見せるが,山中のワンツーが決まり,腰から落ちてダウン(カウント8)。ガードの隙間を割るような左ストレートだった。効いているサンティリャン。山中はワンツー,右フックで攻勢。左・右・左の連打で襲い掛かる。もはや打つ手がない状況のサンティリャンがマウスピースを落とし,試合が一時中断する場面があった。
 7回,山中は鋭い右ジャブを浴びせる。右ジャブから踏み込んで打った左ストレート。この絶妙なワンツーがアゴに決まり,サンティリャンは再び腰から落ちてダウン(カウント8)。すべてを諦めたかのように首を振り,座り込んだままカウントアウトされた。

 山中は8度目の防衛に成功。無敗の挑戦者を全く寄せ付けず,堂々たる横綱相撲である。主武器の左ストレートに頼らず,序盤から多用した右ジャブが効果的。相手の揺さぶりにも動じない王者の風格を見せつけた一戦。ボディにも左ストレートを散らしたことによって顔面に隙を作り,スタミナを奪う効果もあった。次は本場・米国でのビッグマッチに期待が膨らむ。
 サンティリャンは無敗の右ボクサーファイター。KO率も高いが,充実した山中の前ではイージーな挑戦者でしかなかった。右フックを打って果敢に攻めたが,序盤から上下に左ストレートを散らされ,自分のパンチが当たる距離まで踏み込めなかった。

6回までの採点 山中 サンティリャン
主審:マイク・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:フランク・ガルサ(米国) 60 53
副審:プレドラグ・アレクシク(モンテネグロ) 60 53
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 60 53
参考:MAOMIE 60 53


     ○山中:25戦23勝(17KO)2分         32歳   身長:171cm   リーチ:175cm
     ●サンティリャン:24戦23勝(15KO)1敗   27歳   身長:161cm   リーチ:176cm

     放送:日本テレビ
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:田中 毅

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                 2015年4月16日(木)    大阪府立体育会館第1競技場
                                 4回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)  K      O  日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   辰吉寿以輝    2回2分45秒    岩谷忠男   ●
                               (大阪帝拳) 121 lbs                       (神拳阪神) 121 1/4 lbs

 初回,若い辰吉が右ストレート,左フックをを振って果敢な攻撃を見せる。岩谷も負けじと気合が入り,左ジャブを返す。終了間際,激しい左右フックの応酬となるが,辰吉の左フックがアゴに決まり,岩谷は腰から落ちてダウン(カウント8)。
 2回にも辰吉が迫力ある攻撃で優位に立った。右ストレートから踏み込んで放った左ストレートがアゴにヒットし,岩谷は再び腰から落ちてダウン(カウント8)。右ストレート,左フックで足が縺れた岩谷に襲いかかる辰吉。岩谷は大きな左右フックで捨て身の反撃を試みるが,足元が怪しい。右ストレートで再び足が縺れたところで原田主審が試合をストップした。

 辰吉丈一郎の次男・寿以輝のデビューとあって,大きな注目を浴びた一戦。辰吉が見事なKO勝利で初陣を飾った。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックに威力がある。親譲りのスピードとパンチ力は大きな魅力であり,十分に通用する。その一方で硬くなったのか,力みも目立った。攻められたときのディフェンス能力が課題。
 岩谷はアマで11戦というキャリアを持つ。右ボクサーファイターで,こちらも右ストレート,左フックを得意としている。プロの意地を見せようという気迫が溢れていたが,やはり力の差は如何ともしがたいものがあった。

     主審:原田武夫,副審:野田昌宏&ほか2名不明
     ○辰吉:1戦1勝(1KO)   18歳   身長:167cm
     ●岩谷:4戦1勝3敗      31歳
     放送:日本テレビ     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:尾山憲一

※ 4回戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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              2015年4月22日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                      WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級3位)            チャンピオン
                ○   井岡一翔    判 定    ファン・カルロス・レベコ   ●
                               (井岡) 112 lbs                     (アルゼンチン) 112 lbs
                          IBF6位

 開始早々から井岡が左ジャブで先手を取る。力まず,左ジャブ,右ストレートからボディに左右アッパーを見舞う。レベコは左ジャブから左フック,アッパーで応戦するが,井岡が手数で上回る。2回終了間際,井岡の左フックがアゴに決まり,バランスを崩したレベコがロープに詰まる場面が見られた。
 3・4回はレベコが手数で上回ったが,5回,井岡は先手を取ってプレスをかけた。フェイントからの左ジャブ,左アッパーのボディブロー,ワンツーでリードする井岡。
 7回はレベコが左ジャブからバネを利かせた左右フックで迫る。井岡は後手に回らず,自分からプレスをかけたいところ。
 一進一退の展開が続いたが,終盤は井岡が安定感のあるボクシングで主導権を握った。8回,敵地であることを意識したのか,レベコが積極的に出るが,焦りが見える。この攻撃を冷静に見極めた井岡は右ストレートのカウンターを巧打した。
 10・11回,果敢に攻め込むレベコだが,井岡は良く見て左右アッパーのボディブローから右ストレートのカウンターをヒット。12回,レベコの左右フックを巧みなウィービング,ダッキングでかわした井岡は左右アッパーのボディブロー,ワンツーをヒット。最後まで冷静さを保つ井岡に対し,レベコはミスブローが目立った。

 井岡は3階級制覇を達成。百選練磨のベテラン王者レベコの動きを冷静に見て,左ジャブで出バナを叩いたことが勝因。2−0という判定だが,勝利そのものは明白なものだった。カウンターの右ストレートや接近戦でボディに見舞った左右アッパーが効果的。安全運転という感じが強いが,うまさ,冷静さが光る。3階級制覇は偉業ではあるが,目の肥えたファンから本当に評価されるか否かは今後のマッチメイク次第。
 9度目の防衛に失敗したレベコは右ボクサーファイターで左ジャブ,左右フックを武器としている。小柄だが,リーチが長く見える。体にバネがあり,手数で押しまくる戦法を身上としている。積極的に攻めたが,先に井岡の左ジャブを打たれたことで攻撃の芽を摘まれる場面が目立った。得意の連打をまとめても,井岡の巧みなディフェンスにかわされ,空を切る場面の連続となった。

採点結果 井岡 レベコ
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:カルロス・スクレ(米国) 116 113
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 115 113
副審:ラウル・カイズ・Sr. 114 114
参考:MAOMIE 116 112


     ○井岡:18戦17勝(10KO)1敗     26歳   身長:165cm,   リーチ:168cm
     ●レベコ:37戦35勝(19KO)2敗   31歳   身長:157cm,   リーチ:164cm

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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             2015年4月22日(水)    大阪府立体育会館第1競技場
                     IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン      負 傷 判 定       挑戦者(同級9位)
             ○   高山勝成    9回2分19秒    ファーラン・サックリン・ジュニア   ●
                          (仲里) 104 3/4 lbs                            (タイ) 104 1/2 lbs

 開始ゴングと同時に右フックを振って襲い掛かる高山。目まぐるしい動きから,早くも手数で迫る。しかし,ファーランの右ストレート,左フックのカウンターが飛んでくる。
 2回,ファーランの右ストレートがクリーンヒットするが,高山が手数で圧倒する。終盤,ロープに詰めて右ストレート,左右フックの連打を浴びせる高山。
 3回,高山は右アッパーを狙っているファーランをニュートラルコーナーに詰めて手数で圧倒する。4・5回もロープ,コーナーに詰めて連打を回転させる高山。手数の多さは驚異的だ。
 7回,ロープに押し込み,連打で圧倒する高山。ファーランはカウンターを狙うが,後手に回る。高山はバッティングで左目上をカット。
 8回,ファーランを赤コーナー付近のロープ際に詰めた高山が怒涛の連打で迫る。ロープを背負ったファーランはウィービング,ダッキングでかわしながら,右ストレート,アッパー,左フックを返す。この展開が2分近く続いた。打ちまくる高山だが,カウンターをもらって棒立ちになる場面も見られた。高山はバッティングで右目上もカットし,出血が増した。
 9回,高山は前に出るが,右アッパーのカウンターをアゴに食い,この試合で初めて足を使って距離を取る。高山の両目上からの出血が増す。この回2度のドクターチェックを経て続行不能とされ,中村主審が試合をストップした。

 一方的に攻めながらも今一つ精彩を欠いた印象が否めない高山。初防衛に成功したが,ときおりファーランのカウンターをもらうなど,不安定なところが目についた。旺盛な手数の割りに踏み込みが足りず,ダメージを与えられなかった。さらには相手の正面に立ったことが被弾の原因。無尽蔵のスタミナは相変わらずだが,8回にはカウンターを食って動きが鈍る場面が見られた。
 ファーランは右ボクサーファイター。このクラスとしては長身でリーチに恵まれており,右ストレートのカウンターに威力がある。高山のスピードと手数に圧倒され,ロープを背負う場面の連続だった。それでもウィービング,ダッキングしながら返すカウンターに見るべきものがあった。

9回までの採点 高山 ファーラン
主審:中村勝彦 *** ***
副審:島川 威 90 81
副審:チャラードチャイチャノン・スリチャラット(タイ) 86 85
副審:申 京下(韓国) 87 84
参考:MAOMIE 87 84


     ○高山:37戦29勝(11KO)7敗1無効試合   31歳   身長:158cm,   リーチ:157cm
     ●ファーラン:32戦27勝(15KO)4敗1分     21歳   身長:166cm,   リーチ:170cm

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:土井敏之

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                    2015年4月30日(木)    後楽園ホール
                       日本ヘビー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
               ○   藤本京太郎   判 定   石田順裕   ●
                            (角海老宝石) 223 3/4 lbs         (グリーンツダ) 205 3/4 lbs

 初回,藤本は左ジャブから。石田は左ジャブで前に出て,左アッパーのボディブローからワンツーをヒット。2回にも石田が左ジャブでタイミングを取り,右ストレートをヒット。藤本は攻め倦む。
 しかし,3回に入ると藤本が左右フックの連打で巻き返した。石田も左ジャブ,右ストレートで応戦するが,終盤には藤本が左右フックから左フックをヒット。
 中盤にも一進一退の攻防が続く。7回,相打ちのワンツーが決まり,石田が一瞬ぐらつく場面が見られた。8回,両者ともに疲労が見られるが,ともにスピードがある。藤本はワンツー,石田は左フックを返す。
 9回,藤本は左右フックのボディ連打。その直後,石田が左フックのカウンターを決める。10回,スピーディなパンチの応酬が続くが,ともに疲労が出て決め手に欠けた。

 ヘビー級とは思えぬスピーディなパンチの応酬が続いたが,藤本が僅差で3度目の防衛に成功した。石田の左ジャブ,ワンツーに手を焼いたが,接近戦で見せる素早い左右フックの連打で上回った。右ファイタータイプで左右フック,右ストレートを得意としている。このクラスは日本ランキングの維持が困難であり,今後どのような方向性を持って進むかは極めて難しい問題だろう。
 石田は20kg増量して臨んだヘビー級タイトル挑戦。藤本とは昨年4月以来の再戦となったが,僅差で敗れた。さすがに体がふっくらしているが,フットワークはウェルター級やミドル級でやっていた頃と比べると影を潜めているものの,パンチのスピードはさほど落ちていない。長いリーチを生かした左ジャブ,ワンツーは相変わらずの伸びを見せた。

採点結果 藤本 石田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:原田武夫 96 95
副審:福地勇治 96 94
副審:浅尾和信 95 96
参考:MAOMIE 96 95


     ○藤本:13戦12勝(7KO)1敗        28歳   身長:183cm
     ●石田:40戦27勝(11KO)11敗2分   39歳   身長:187cm,   リーチ:183cm

     放送:TBS
     解説:佐藤 修
     実況:杉山真也

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