熱戦譜〜2014年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2014.12.06 ノンタイトル10回戦  加藤善孝  判定  荒川仁人
2014.12.06  東洋太平洋&日本ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 柴田明雄  TKO12R  淵上 誠
2014.12.06  日本スーパーバンタム級
 王座決定10回戦
 小國以載  判定  石本康隆
2014.12.06 6回戦  クウエ・ピーター  判定  丸木和也
2014.12.08  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 益田健太郎  判定  高橋竜也
2014.12.08 ノンタイトル10回戦  小原佳太  TKO4R  ロデル・ウェンセスラオ
2014.12.08 8回戦  岩井 大  8R負傷判定  小山拓見
2014.12.13 8回戦  亀海喜寛  KO4R  オスカー・ゴドイ
2014.12.21  5回戦(スーパーバンタム級決勝)
 第61回全日本新人王戦
 川島翔平  KO4R  松戸佑生
10 2014.12.21  5回戦(スーパーフェザー級決勝)
 第61回全日本新人王戦
 粕谷雄一郎  判定  脇田将士
11 2014.12.21  5回戦(ウェルター級決勝)
 第61回全日本新人王戦
 別府優輝  KO2R  松永宏信
12 2014.12.30  WBO世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  KO2R  オマール・ナルバエス
13 2014.12.30  WBC世界ライトフライ級
 王座決定12回戦
 ペドロ・ゲバラ  KO7R  八重樫 東
14 2014.12.30  WBC世界ライト級
 王座決定12回戦
 ホルヘ・リナレス  KO4R  ハビエル・プリエト
15 2014.12.30 10回戦  村田諒太  判定  ジェシー・ニックロウ
16 2014.12.31  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO9R終了  イスラエル・ペレス
17 2014.12.31  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 河野公平  引き分け  ノルベルト・ヒメネス
18 2014.12.31  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 田口良一  判定  アルベルト・ロセル
19 2014.12.31  WBA・WBO世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ギジェルモ・リゴンドー  TKO11R終了  天笠 尚
20 2014.12.31  IBF・WBO世界ミニマム級
 王座決定12回戦
 高山勝成  TKO7R  大平 剛
21 2014.12.31 10回戦  井岡一翔  KO5R  ジャン・ピエロ・ペレス

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                    2014年12月6日(土)    後楽園ホール
                           ノンタイトル10回戦
                  日本ライト級チャンピオン       WBC世界ライト級12位
                ○   加藤善孝    判 定    荒川仁人   ●
                           (角海老宝石) 136 3/4 lbs           (八王子中屋) 136 1/4 lbs

 距離を取りたい左の荒川,接近したい右の加藤。初回,ともにジャブで牽制しながらチャンスを窺う。引っ掛けるような荒川の右フックで加藤がバランスを崩す。
 しかし,2回以降の加藤はサウスポー対策の定番であるいきなりの右ストレートで主導権を握った。3回,上下に右ストレートを放って前に出る。終了間際,荒川は左右フックで攻勢に出るが,逆に加藤の右フックのカウンターが決まる。4回,荒川の動きを良く見て的確に右ストレート,左フックをヒットする加藤がリードを広げる。荒川の左フックに合わせ,加藤の右ショートストレートがカウンターになった。
 5回は荒川。小刻みにフェイントを使いながら左右フック,ワンツーを伸ばす。これで加藤が前に出にくくなる流れを作った。
 しかし,6回に入ると再び加藤のペースになった。荒川が左フックを振るところに加藤が右フックを返す。前のラウンドに見せた良い流れを維持したい荒川だが,加藤がそれを断つ。7回,荒川はバッティングで右目上をカット。加藤は右ストレートでプレスをかけるが,序盤に比べて振りが大きくなる。
 8・9回,荒川は疲れが見える加藤を左右フックで押し込むが,10回は再び加藤が押さえた。フィジカルの強さを生かし,体ごと押し込む加藤。荒川も接近戦で左右フックのボディブローを連打するが,終了間際に加藤の右フックのカウンターが決まる。加藤はバッティングで左目上をカット。

 過去1勝1敗と星を分けている両者にとって,これが3度目の対戦。現役のライト級を代表する実力者同士のライバル対決として注目を浴びたが,期待を裏切らない熱戦が展開された。
 加藤は序盤からプレスをかけ,サウスポー対策の右ストレートを上下に放ってリードした。これによって荒川が攻めにくくなった面がある。終盤は荒川の反撃もあったが,持ち味であるフィジカルの強さで混戦に持ち込み,荒川の持ち味を殺していた。泥臭い試合運びであるが,地道に力をつけてのし上がった平成の雑草男という印象が強い。
 サウスポーの荒川は現役屈指のテクニシャン。敗因はいつもの体の切れがなかったこと。ここ数試合はメキシコや米国への遠征で海外の強豪との激戦が多く,肉体的な疲労とダメージが抜け切れていないことが原因だろう。持ち味のウィービングやフェイントを駆使したスピーディなパンチも少なかった。これがないために,前に出たい加藤に得意とする流れを作らせてしまったことが響いた。5回に本来のリズムを掴みかけたが,それも長くは続かなかった。

採点結果 加藤 荒川
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 96 95
副審:土屋末広 97 94
副審:中村勝彦 97 94
参考:MAOMIE 96 94


     ○加藤:35戦29勝(9KO)5敗1分        30歳   身長:171cm
     ●荒川:31戦25勝(16KO)5敗1分       32歳   身長:173cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:辻岡義堂

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                     2014年12月6日(土)    後楽園ホール
                    東洋太平洋&日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン    T   K    O  挑戦者(OPBF4位,日本2位)
               ○   柴田明雄   12回1分49秒   淵上 誠   ●
                            (ワタナベ) 160 lbs                     (八王子中屋) 159 1/4 lbs

 オーソドックスな右の柴田,左の変則・淵上という対照的な顔合わせ。初回,淵上が右ジャブを突きながら盛んに距離を詰める。柴田は左右に動きながら右ストレート,アッパー,左ジャブで迎え撃つ。
 3回,柴田が放ったタイミングのいい右ストレートがアゴに決まり,淵上は腰から落ちてダウンを喫した(カウント8)。
 4・5回は執拗に前に出る淵上がリード。6回,両者の動きが激しくなる。淵上は左右フックをボディに連打し,柴田の足を止めにかかる。一方の柴田は動きながら再三右ストレートをヒット。淵上は右目上をカットするハンデを負った(柴田の有効打による傷)。7回にも幾度となく柴田の右ストレートが決まる。パンチで淵上の顔が上を向く場面があった。右目上の傷が深くなった淵上はドクタ−チェックを受けた。
 しかし,8回に入ると淵上の執拗なボディ攻撃に柴田は上体を丸めて後退し,苦戦の様相を呈した。9回,左ストレートで腰が落ちてロープに詰まる柴田。ボディが効いた柴田は弱気な表情を浮かべた。
 前進を止めない淵上だが,被弾が多く,徐々にダメージが増して行った。10回終盤,柴田の左フックがカウンターになる。
 11回,淵上は前に出るが,スピードが落ちており,柴田の右ストレート,フックでぐらつく。攻勢に出る柴田。淵上は構わず攻勢に出るが,ダメージの色が濃厚。ストップしても不思議ではない状況になった。
 12回,淵上はパンチに対する反応が鈍っている。なおも前に出て執念を見せるが,左フックでぐらつかせた柴田が再び攻勢に出る。右フックに次ぐ左フックでぐらついた淵上がロープに詰まったところで,ようやく杉山主審が試合をストップした。

 柴田はOPBF王座の3度目の防衛,日本王座の2度目の防衛に成功。淵上の執拗な攻撃に苦しむ場面も多かったが,再三得意の右ストレートを決めて仕留めた。しかし,ボディを打たれて動きが鈍くなり,上体を丸めて後退するなどの見栄えの悪さが目についた。重量級としては稀有な軽快なフットワークを持ち味とする右ボクサータイプ。
 淵上はサウスポースタイルからの変則的な攻撃を繰り返して柴田を苦しめた。特に執拗なボディブローで柴田をピンチに追い込み,異常なまでの勝負への執着を見せた。しかし,元々の低いガードが災いし,タイミングのいい右ストレートでダメージを蓄積したことが響いた。
 この試合における杉山主審のストップのタイミングは遅いと言わざるを得ない。11回には淵上の動きが鈍ってパンチに反応できておらず,その時点で止めるべきだった。

11回までの採点 柴田 淵上
主審:杉山利夫 *** ***
副審:浅尾和信 107 101
副審:ビニー・マーチン 106 102
副審:福地勇治 106 102
参考:MAOMIE 105 103


     ○柴田:33戦24勝(10KO)8敗1分      33歳   身長:183cm
     ●淵上:31戦21勝(12KO)10敗        31歳   身長:180cm

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中 毅

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                    2014年12月6日(土)    後楽園ホール
                     日本スーパーバンタム級王座決定10回戦
                   日本S・バンタム級1位       日本S・バンタム級2位
                ○   小國以載    判 定    石本康隆   ●
                             (角海老宝石) 122 lbs                (帝拳) 122 lbs
                         WBC12位               IBF11位
                   小國以載=おぐに・ゆきのり

 距離を取りたい小國,接近したい石本。初回,テクニシャン同士の対戦は左ジャブの探り合いから立ち上がった。石本は左右フックのボディブロー,そして右クロスをひとつ。2回にも石本がワンツー,左右フックからボディにも散らし,積極的な攻撃を見せる。小國も左ジャブ,ワンツーを返すが,石本の接近を許している。
 3回,石本が積極的に進めるが,後半には小國が細かい左ジャブ,ワンツーから左アッパーのボディブローでリズムを掴んだ。4回には小國がうまく足を使いながら距離を取り,左ジャブ,ワンツーを見せた。
 5回,左目上をカットした小國はドクターチェックを受ける(石本の有効打による傷)。ここは石本が右ストレート,左右フックで老獪なところを見せた。
 一進一退の展開が続いたが,6回以降は小國が完全に主導権を握り,手数も増えた。石本が出るところに合わせ,ワンツー,左右フックから上下に左右アッパーを連打する。7回,タイミングのいい小國の左アッパーがボディに決まる。さらに距離を取ったところからワンツーを浴びせる。
 8・9回はともに接近して連打を応酬するが,小國がわずかに上回る。逆に10回は石本がベテランの意地を見せ,最後まで攻めの姿勢を見せた。小國にはやや疲れが見え,ここは石本に譲った。

 テクニシャン同士の駆け引きの妙が随所に見られ,見応えのある試合内容。接戦を制した元OPBF王者の小國が日本タイトルも手にした。序盤は石本の果敢な攻撃に苦しんだが,中盤からワンツー,ボディへの左アッパーを的確に決めてリードした。アマチュア出身の右ボクサータイプで,オーソドックスな試合運びが特徴。フットワークに乗せた左ジャブ,ワンツー得意としている。ややスロースターター気味なところがあるが,パンチはシャープでタイミングがいい。
 ベテランの石本は右ストレート,左右フックを得意とする右ファイタータイプ。闘志溢れる攻撃で小國を苦しめたが,技巧に屈した。中盤からは得意の接近戦で逆に小國にリードを許したことが響いた。

採点結果 小國 石本
主審:土屋末広 *** ***
副審:ビニー・マーチン 96 94
副審:中村勝彦 96 94
副審:浅尾和信 96 95
参考:MAOMIE 96 94


     ○小國:15戦14勝(4KO)1敗        26歳   身長:173cm
     ●石本:32戦24勝(7KO)8敗        33歳   身長:172cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:佐藤義朗

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                      2014年12月6日(土)    後楽園ホール
                               6回戦
                  日本S・ライト級(ノーランク)        日本S・ライト級7位
                ○   クウエ・ピーター    判 定    丸木和也   ●
                             (KG大和) 141 3/4 lbs               (天熊丸木) 142 1/4 lbs

 初回,ピーターは前に出て右ストレートを狙うが,丸木の右ストレートでバランスを崩す。丸木はさらに左アッパーをボディに見舞う。
 しかし,2回,丸木が痛恨のダウンを喫した。終盤,ピーターが放ったクロスの右ストレートがアゴに決まり,丸木はキャンバスに落ちる(カウント8)。
 6回,ダメージと疲労が重なり,丸木の動きが鈍い。終盤,右ストレートを浴びてぐらついた丸木はのけぞってロープに詰まり,ダウン寸前のピンチのまま終了ゴングを聞いた。

 6連勝と波に乗っていた丸木だが,やや変則的なピーターと噛み合わずに完敗を喫した。右ストレートにパンチ力がある右ボクサーファイターだが,やや力に依存する傾向がある。独特のタイミングから放たれるピーターの右ストレートに苦しんだ。
 ガーナ人のピーターは右ボクサーファイター。打ち方は良くないが,ワンテンポ外れるタイミングで放つ右ストレートに威力がある。

採点結果 ピーター 丸木
主審:中村勝彦 *** ***
副審:ビニー・マーチン 58 55
副審:杉山利夫 60 53
副審:岡庭 健 60 53
参考:MAOMIE (29) (27)


     ○ピーター:13戦6勝(3KO)5敗2分     26歳   身長:170cm
     ●丸木:20戦17勝(11KO)3敗        26歳   身長:175cm

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

※ 第1・2・6ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                   2014年12月8日(月)    後楽園ホール
                      日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級11位)
               ○   益田健太郎   判 定   高橋竜也   ●
                          (新日本木村) 117 3/4 lbs           (ヤマグチ土浦) 118 lbs
                         IBF12位

 序盤は完全に益田のペースで進んだ。初回,左右に素早く動きながら,左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右フックを連打する。高橋は右ストレートを振って前に出るが,逆に益田の右ストレートを返される。
 2回,左アッパーのボディブローから右フックが決まり,高橋がぐらつく。さらにワンツーでぐらつかせる益田。高橋は早くも左目上と右目下をカットするハンデを負った(いずれも益田の有効打による傷)。
 3・4回も益田。正面からの打ち合いを避けるように動き,相手の隙を突くように畳みかける攻撃で高橋を翻弄する。5回には益田が左目上をカット(高橋の有効打による傷)したが,益田が大きくリードを広げたまま後半に入った。
 しかし,後半は執拗に前進を続ける高橋を益田が持て余す場面が目立った。7回,疲れの色が見える益田は上から押さえこまれ,弱気な表情で右膝をついてしまう。8回には高橋の左アッパーをアゴにもらった益田はぐらついてピンチに陥った。なおも攻勢に出る高橋に押される益田。
 終盤はともに疲れがピークに達したが,死力を振り絞って手を出し続けた。

 益田は2度目の防衛に成功。前半からテクニックの差を見せて楽勝ムードだったが,中盤から雲行きが怪しくなった。特に終盤は執拗な高橋の攻撃で消耗し,思わぬ苦戦を強いられた。乱戦狙いの高橋のペースに合わせてしまったことが苦戦の原因である。軽快なフットワークから放つスピーディな左ジャブ,ワンツーを得意とする右ボクサーファイターで,現役屈指のテクニシャンとして定評がある。前半は出バナに合わせるカウンターのワンツーが冴えた。持ち味の足とスピードを生かした試合運びを忘れると苦戦につながる。
 高橋は長身の右ファイタータイプ。ベタ足で泥臭いが,とにかく執拗に前に出て,右ストレート,左右アッパーを繰り出す。顔面を血に染めながらひたすら前に出る姿には鬼気迫るものがある。その反面,攻撃が正直で単調なところが目立つ。上体や頭の振りがないため,カウンターの標的になった。

採点結果 益田 高橋
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 96 94
副審:安部和夫 97 93
副審:土屋末広 97 93
参考:MAOMIE 96 94


     ○益田:27戦21勝(11KO)6敗1分   31歳   身長:165cm,   リーチ:175cm
     ●高橋:27戦18勝(13KO)6敗3分   25歳   身長:173cm

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                        2014年12月8日(月)    後楽園ホール
                             ノンタイトル10回戦
              東洋太平洋S・ライト級チャンピオン   T   K  O      比国ライト級10位
                ○   小原佳太     4回1分36秒     ロデル・ウェンセスラオ   ●
                                (三迫) 147 lbs                              (比国) 144 1/2 lbs
                         WBC14位

 初回,小原が左ジャブから軽く右ストレート,ボディに左右フックを打ち,動きのいいところを見せる。ガードを固めたウェンセスラオも唸り声を上げながら右ストレート,ボディに左右フックを放つ。
 2回,小原はバッティングで右眉の上をカットし,ドクターチェックを受ける。慎重に動きながらワンツー,ボディに右フックを見舞う小原。終了間際には小原の右ストレートがヒットした。
 3回,ガードを固めながら思い切った左右フックを振りまわすウェンセスラオ。小原は左アッパー,右ストレート,ボディにも左右フックを散らし,決定打を打ち込むチャンスを窺う。ウェンセスラオは左目上をカット(小原の有効打による傷)。終了間際,ウェンセスラオの右ストレートが飛んでくる。侮れないウェンセスラオ。
 4回,ウェンセスラオは思い切った左右フックで迫る。これをフットワークとスウェイバックでかわした小原は右ストレートから左右アッパーを浴びせる。ウェンセスラオの左目上の傷が深くなり,2度に渡るドクターチェックの末に試合がストップされた。

 11連続KO勝利で今年を締め括った小原だが,これから面白くなるという矢先のカットによるストップは非常に残念。ガードを固めて踏み込んでくるウェンセスラオに対して左ジャブ,右ストレート,左右アッパーを上下に散らし,ガードを開かせようとしていたが,これは妥当な作戦だろう。やりにくい相手だったが,ここから上を目指すには越えなければいけない壁と言える。持ち前の目と勘の良さでかわしているが,打たれて強い方ではないので,ガードの低さは要注意。来年は勝負の年になるだろう。
 ウェンセスラオは右ファイタータイプ。足は使わず,ガードを固めながらじりじりと前に出て,思い切った左右フックで迫る。KOの数こそ少ないが,当たれば倒れるパンチ。侮れない相手である。

     主審:杉山利夫,副審:吉田和敏&浅尾和信&福地勇治
     ○小原:14戦13勝(12KO)1敗           28歳   身長:179cm
     ●ウェンセスラオ:19戦8勝(2KO)10敗1分   21歳   身長:175cm
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                      2014年12月8日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                 日本S・フェザー級8位   負 傷 判 定   日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   岩井 大    8回1分04秒    小山拓見   ●
                               (三迫) 130 lbs                       (草加有沢) 129 1/2 lbs
                      岩井 大=いわい・だい

 初回,左ジャブで探り合う両者。いきなりダウンシーンが訪れた。岩井が左ジャブに次いで軽く出した肩越しの右ストレートがテンプルに決まり,小山はロープ下に突っ込むようにダウン(カウント8)。岩井は左右アッパーのボディブロー,ガードの上からもワンツーを浴びせる。
 2回,岩井は左ジャブ,左アッパーのボディブロー,ワンツー。小山の顔面に左フックが決まる。小山も前に出るが,うまくかわされている。岩井は左目上をカット(小山の有効打による傷)するが,冷静に相手の動きを見ている。
 4回は小山が挽回した。岩井はバッティングで右目上もカットし,さらに鼻からの出血を見る。5回,2度のドクターチェックを受ける岩井。小山は強引に出て右ストレート,フックをヒットし,流れを変えにかかる。序盤の左ジャブを忘れ,血が目に入ってやりにくそうな岩井。
 6回,岩井は回り込みながら左ジャブから右ストレートのカウンターを決める。後半には再び足が動き,左ジャブが出るようになる岩井。7回,小山は強引に前に出るが,逆にそれを読まれ,ワンツーを浴びる。
 8回,強引に右ストレートで攻め込む小山。ここで3度目のドクターチェック。結局,4回にカットした右目上の傷が続行不能とされ,ここで試合がストップした。

 岩井は右ボクサーファイター。広めのスタンスからリーチを生かした左ジャブ,ワンツーを得意としており,どちらかと言えばボクサータイプに近い。相手の出バナにタイミング良く決める右ストレートのカウンターに優れたものがある。中盤,小山の強引な攻撃に押し込まれる場面があったが,これは左ジャブを忘れたため。距離を取って戦う自分のスタイルを守ることが大事である。
 小山は右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックにパンチ力があるが,一発の威力よりも執拗な連打が武器になっている。ランキング入りへの執念を見せて食い下がったが,試合全般を通じて岩井に距離を取られていた。

8回を含む採点 岩井 小山
主審:土屋末広 *** ***
副審:安部和夫 79 74
副審:浅尾和信 78 73
副審:杉山利夫 79 73
参考:MAOMIE 77 74


     ○岩井:20戦16勝(5KO)3敗1分   25歳   身長:172cm
     ●小山:13戦9勝(7KO)3敗1分    24歳   身長:170cm   リーチ:180cm

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:木村拓也

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       2014年12月13日(土)    米国ラスベガス MGMグランド : グランドガーデンアリーナ
                                8回戦
                WBC世界ウェルター級14位   K      O  米国S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   亀海喜寛    4回1分58秒    オスカー・ゴドイ   ●
                               (帝拳) 151 lbs                          (米国) 150 lbs
                    OPBFチャンピオン,IBF13位

 スロースターターとして知られる亀海が開始早々から厳しいプレスをかけた。2回中盤,左ジャブに合わせて打ち下ろしたクロスの右ストレートが決まり,ゴドイは腰から落ちてダウン(カウント8)。終了間際,左アッパーのボディ打ちで口が開くゴドイ。ニュートラルコーナーに下がったところに打ち込んだ左フックが効いたゴドイはピンチ。亀海がすかさず左フック,右ストレートをフォローすれば,ゴドイは両グラブをついて2度目のダウン(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われた。
 4回,亀海がプレスを強める。ゴドイは左右に動いて早い左右フックを連打するが,流れは変わらない。赤コーナーに詰められ,左フックが効いたところに右ストレートをフォローされたゴドイはその場に崩れるようにダウン。朦朧と立ち上がったが,カウントアウトされた。

 今や米国に拠点を置いたとも言える亀海。攻めの姿勢を前面に押し出したボクシングで中堅のゴドイを沈めた。ガードを固めながらプレスをかけ,ボディブローで動きを止めにかかったのは定石通り。仕上げはコーナーに詰めて下から上に切り替えた左フック,右ストレート。亀海が得意とする攻撃パターンが出ていた。惜しまれるのは左ジャブ,ストレートがなかったこと。フェイントとしてでも左ジャブを多く使うことが望ましい。
 ゴドイは右ボクサータイプ。フットワークがあり,左右に動きながら左ジャブ,ワンツーを放つ基本に忠実なスタイルが特徴。弱い選手ではないが,亀海のパワーに押されて距離を潰されていた。

     主審:ジェイ・ネディ(米国),副審:3名とも不明
     ○亀海:28戦25勝(22KO)2敗1分   32歳   身長:175cm
     ●ゴドイ:17戦13勝(6KO)4敗      24歳
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:山藤美智

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                 2014年12月21日(日)    後楽園ホール
                第61回全日本新人王決勝戦(スーパーバンタム級)
                            5回戦
                  西軍代表     K      O    東軍代表
            ○   川島翔平   4回0分26秒   松戸佑生   ●
                      (真正) 121 1/2 lbs                       (青木) 122 lbs
             川島は技能賞を受賞          松戸佑生=まつど・ゆうき

 左の松戸,右の川島。川島はアップライトスタイルから小刻みな動きでリズムを取り,思い切った右ストレートを上下に放って積極的にリードした。川島は2回にも左で牽制しながら右ストレート,左フックをヒット。松戸も左ストレートをヒットするが,川島に先手を取られている。
 3回は松戸が積極的なところを見せたが,4回,川島が鮮やかに試合を決めた。開始早々,右ストレートのカウンターがアゴに決まり,松戸はロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がったものの,かなり効いており,そのままカウントアウトされた。

 川島が見事なワンツーの一撃で全日本新人王のタイトルを手にした。上体が立ったアップライトスタイルが特徴で,小刻みな前後の動きに乗せた左ジャブで牽制し,決め手の右ストレートを打ち込むのが得意の攻撃パターン。試合を決めたのは松戸のガードが下がったところに左ジャブから踏み込んで放った鮮やかなワンツー。これがアゴの先端を見事に打ち抜いた。返しの左フックが身につけば,さらに強味が増すだろう。
 長身の松戸はサウスポーのボクサーファイターで,左ストレートを武器にしている。川島の右ストレートを警戒して手数が少なく,動きの硬さが目立った。そのため,川島に自由にパンチを出させてしまったことが敗因。

     主審:杉山利夫,副審:中村勝彦&福地勇治&飯田徹也
     ○川島:11戦9勝(2KO)2分   23歳   身長:167cm
     ●松戸:10戦8勝(4KO)2敗   20歳   身長:173cm
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:川畑一志

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              2014年12月21日(日)    後楽園ホール
             第61回全日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                           5回戦
                  東軍代表            西軍代表
           ○   粕谷雄一郎   判 定   脇田将士   ●
                     (石川ジム立川) 130 lbs             (堺東ミツキ) 128 3/4 lbs
            粕谷は敢闘賞を受賞       脇田将士=わきた・まさし

 右の粕谷,左の脇田。ともに18歳という若々しい両者による熱戦になった。初回終了間際,脇田の右フックで粕谷の顔が上を向く場面があった。
 しかし,2回,左の打ち終わりに返した粕谷の右フックがアゴに決まり,脇田は左膝から落ちてダウン(カウント8)。待ってましたとばかりに合わせた見事なカウンターだった。脇田は鼻から出血。粕谷はロープに詰め,右ストレート,左フックで攻勢に出る。
 3回,粕谷は上体を振りながらプレスをかけ,ボディに左フック,右ストレートを放つ。
 5回,右から左のフックでぐらついた脇田はクリンチでこのピンチに耐える。さらに右ストレートで脇田をのけぞらせる粕谷。フォローの右ストレートで脇田のマウスピースが飛んだ。脇田をロープに詰めた粕谷は右ストレート,左フックで攻勢に出る。

 粕谷は右ファイタータイプ。右ストレート,左フックを武器にアグレッシブに攻め,低いKO率の割にパンチ力がある。ダウンを奪った右フックは脇田の左ストレートの打ち終わりに体を沈めたところから返した見事なカウンターである。その反面,力みが先に立ち,狙い過ぎる面がある。
 脇田はサウスポーのボクサータイプ。長身で長いリーチを誇る。右に回りながら右ジャブを突き,左ストレートにつなげるのが得意の攻撃パターン。アグレッシブな粕谷に踏み込まれ,後手に回ったことが敗因。

採点結果 粕谷 脇田
主審:土屋末広 *** ***
副審:中村勝彦 49 46
副審:福地勇治 48 46
副審:杉山利夫 48 46
参考:MAOMIE 48 46


     ○粕谷:6戦6勝(1KO)        18歳   身長:172cm
     ●脇田:8戦4勝(2KO)3敗1分   18歳   身長:180cm   リーチ:183cm

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:安藤 翔

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                2014年12月21日(日)    後楽園ホール
                第61回全日本新人王決勝戦(ウェルター級)
                            5回戦
                  西軍代表     K       O    東軍代表
            ○   別府優輝   2回0分32秒   松永宏信   ●
                      (久留米櫛間) 145 1/2 lbs                  (横浜光) 146 1/2 lbs
             別府はMVPを受賞

 左の松永,右の別府。開始ゴングと同時に左右フックを振って一気に襲いかかる別府。しかし,松永は冷静に動きを見て,右フックをヒットしてリード。そのまま松永が主導権を握るかに見えたが,終了間際,打ち合いの中で別府の左フックが決まる。松永はこのパンチで左グラブをついてダウンを取られた(カウント8)。再開となったところでゴング。
 2回,別府の勢いが止まらない。縺れたところで狙っていた右フックが炸裂し,松永は尻餅をつく(カウント8)。立ち上がったが,チャンスと見た別府が勝負に出る。ロープに詰め,左右フックで襲いかかったところで杉山主審が割って入った。

 別府が8戦オールKO勝ちで全日本新人王に輝いた。破壊力抜群の左右フックを武器とする右ファイタータイプで,最近珍しい力で相手をねじ伏せる右スラッガーである。腕っ節の強さは人一倍。初回は松永に踏み込まれて右フックを受ける場面もあったが,それを引っ繰り返したパワーは圧巻。嵩にかかって攻めているときは滅法強い。下がらされて守りに回ったときの対処ができるかどうかは未知数であり,今後の課題である。
 松永はサウスポーのボクサーファイターで左ストレート,左右アッパーを得意としている。相手の動きを冷静に見極めて巧打するテクニックには定評がある。強打を誇る別府に対し,意識的に下がらせていたが,これは非常にいい作戦だった。しかし,最後は打ち合いに巻き込まれ,別府の強打に屈した。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&福地勇治
     ○別府:8戦8勝(8KO)      23歳   身長:172cm
     ●松永:7戦6勝(3KO)1敗   27歳   身長:173cm
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:辻岡義堂

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                       2014年12月30日(火)    東京体育館
                       WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級8位)   K      O      チャンピオン
                ○   井上尚弥    2回3分01秒   オマール・ナルバエス   ●
                               (大橋) 115 lbs                       (アルゼンチン) 114 1/2 lbs

 サウスポースタイルのナルバエスに対し,開始早々から鋭い左ジャブ,フックを連発してプレスをかける井上。右ストレートで腰が落ちたところに右をフォローすれば,ナルバエスはニュートラルコーナーで腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったナルバエスを追い,厳しい表情でプレスを強める井上。ロープに詰め,テンプルに左フックを打ち込めば,ナルバエスは横転(カウント8)。ナルバエスも左右フックで反撃の構えを見せるが,届かない。
 2回,井上の厳しいプレスで心理的に追い詰められたナルバエスは早くも苦しい展開。井上は右ストレートのボディブローから攻勢に出る。左フックが決まり,ナルバエスは左膝から落ちてダウン(カウント8)。打って出たところに待ってましたとばかりに合わせた技ありのカウンターだった。手が出なくなったナルバエスに右ストレートからボディに左アッパーを打ち込む井上。もはやリングは井上のやりたい放題の様相。ロープを背負わせ,上に軽く右を打っておき,すかさずレバーに左アッパーを一刺し。ワンテンポ置き,たまらず膝から崩れ落ちるナルバエス。正座スタイルのまま半ば戦意を喪失したような表情でカウントアウトされた。

 圧巻の試合内容で井上が2階級制覇を達成した。ここ数年で最も衝撃的な試合内容と言えるだろう。すでに2階級を制して世界戦28勝を誇る強豪王者ナルバエスに何もさせない圧勝だった。開始早々から呑んでかかり,鋭い左ジャブ,フックでプレスをかけた。その後は上下への右ストレート,ボディへの左アッパーなど,まさにやりたい放題の井上劇場。厳しいプレスにナルバエスが成す術もなく沈んだのは驚き以外の何物でもない。自信に溢れた攻撃的なスタイルが好結果を生み出している。歴代王者と比較するのはまだ早いが,スケールの大きさはピカイチである。ライトフライ級から2階級上げたことにより,過酷な減量から解放され,信じられないほど体が大きく見えた。心配されたパワー負けは全くなく,今後はさらに上のバンタム級でもやっていける可能性を感じさせた。
 ナルバエスは12度目の防衛に失敗。スイッチするが,基本はサウスポーだろう。アマ,プロを通じて一度もダウン経験がない百戦錬磨のディフェンスマスターだが,井上の厳しいプレスに手も足も出ずに粉砕された。追い詰められ,苦し紛れに出るところに逆にカウンターを返される場面が目立った。

初回の採点 井上 ナルバエス
主審:ルー・モレット(米国) *** ***
副審:ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ) 10
副審:ウリセス・グレン(米国) 10
副審:リサ・ジアンパ(米国) 10
参考:MAOMIE 10


     ○井上:8戦8勝(7KO)               21歳   身長:163cm   リーチ:170cm
     ●ナルバエス:47戦43勝(23KO)2敗2分   39歳   身長:159cm   リーチ:163cm

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃     ゲスト:香川照之
     実況:竹下陽平

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                     2014年12月30日(火)    東京体育館
                       WBC世界ライトフライ級王座決定12回戦
                  WBC世界L・フライ級1位   K      O  WBC世界L・フライ級3位
                ○   ペドロ・ゲバラ    7回2分45秒    八重樫 東   ●
                             (メキシコ) 106 3/4 lbs                         (大橋) 107 1/2 lbs
                                           WBA6位,WBO8位

 初回,ゲバラは左ジャブから左右に動いて右ストレート,ボディに左アッパー。八重樫も速い左右フックで応戦する。2回,八重樫は右ストレートからボディに左右フック。フェイントをかけながら攻める八重樫。ゲバラは右目上をカットしてドクターチェックを受ける(八重樫の有効打による傷)。
 3回,八重樫はフェイントをかけながら速い左右フックを連打するが,ゲバラは足を使ってリズムを取りながらワンツー,アゴに左アッパーを見舞う。
 4回は八重樫が左右フックの連打を見せる。終盤,バッティングでひるむゲバラ。しかし,ゲバラも右ストレートをヒット。
 一進一退の展開が続いたが,5回に入ると試合の流れはゲバラに傾いた。潜り込んで撹乱したい八重樫だが,ゲバラの左ジャブがうるさい。八重樫は右ストレートのカウンターをもらう。
 6回,八重樫は前に出て左右フックを連打するが,正面に立ってワンツー,右フックをもらう。この回,打ち込まれている八重樫。
 7回開始早々,ゲバラの左側頭部に多量のワセリンが付着しており,ドラクリッチ主審が試合を中断してセコンドにワセリンを拭き取らせる場面があった。再開後,ダメージの影響か動きが鈍い八重樫にゲバラが右アッパー,左ジャブ,ワンツーを浴びせる。八重樫の足が動かない。そこに右ストレートが飛ぶ。ロープを背負ったところに容赦ないパンチを浴びせるゲバラ。リング中央,八重樫のガードが開いたところを突き,ゲバラの左アッパーがレバーを抉る。ひと呼吸置いてその場にうずくまるように膝から崩れ落ちた八重樫はそのままカウントアウトされた。

 3階級制覇に挑んだ八重樫だが,KOで完敗という結果に終わった。今年9月のローマン・ゴンザレス(ニカラグア)との激闘からわずか3ヶ月で世界戦という厳しいマッチメイクの影響か,動きが鈍く,正面に立って被弾する場面が目立った。本来の素早い出入りのフットワークが見られず,スピードも今ひとつ。一階級下げたことによる減量の影響よりも,歴戦のダメージと疲労を感じさせた。
 ゲバラは右ボクサーファイターでリーチを生かしたワンツー,左右アッパーを得意としている。フットワークがあり,ガードを高くしたスタイルから左ジャブでタイミングを取り,主武器の右ストレートを打ち込む。一発の威力はそれほどでもないが,畳みかける攻撃に強味がある。

6回までの採点 ゲバラ 八重樫
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:バート・クレメンツ(米国) 58 56
副審:ゲイリー・リッター(米国) 57 57
副審:キャシー・レナード(米国) 57 57
参考:MAOMIE 58 56


     ○ゲバラ:26戦24勝(16KO)1敗1分   25歳   身長:163cm   リーチ:172cm
     ●八重樫:25戦20勝(10KO)5敗     31歳   身長:161cm   リーチ:161cm

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志
     実況:森 昭一郎

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                    2014年12月30日(火)    東京体育館
                       WBC世界ライト級王座決定12回戦
                   WBC世界ライト級1位  K      O   WBC世界ライト級2位
                ○   ホルヘ・リナレス   4回1分50秒   ハビエル・プリエト   ●
                              (帝拳) 134 3/4 lbs                      (メキシコ) 134 1/2 lbs

 初回から両者のスピードの差が如実に表れた。摺り足で左右に動きながら鋭い左ジャブ,ストレートを上下に刺すリナレス。プリエトも前に出て左フック,右ストレートを出すが,リナレスは巧みなパリー,ステップバックでかわす。
 2・3回,決定的なスピードの差があり,プリエトのパンチは届かない。
 そして4回,リナレスが豪快に試合を決めた。前に出るプリエトに鋭い左ジャブ,ストレートを浴びせる。リング中央で左ジャブから小さく打ち下ろした右ストレートがアゴを打ち抜く。この一発で足を縺れさせて崩れ落ちたプリエトは仰向けに倒れたままカウントアウトされた。

 リナレスが堂々のワンパンチKOで3階級制覇を達成した。スピード,切れ味の差を見せつけた圧勝である。打ち合いに持ち込みたいプリエトを鋭い左ジャブ,ストレートで完璧にコントロールしたのはさすが。目と勘の良さは相変わらず。ここまでは取りこぼしに近い負け方が見られたが,今夜のように足と左で突き放すボクシングに徹すれば,安定政権を築ける可能性もある。
 プリエトは右ボクサーファイター。左フック,右ストレートを武器としているが,スピードは今ひとつ。リナレスの高速ジャブに前進を阻まれ,突破口を全く見出せないままに沈んだ。

3回までの採点 リナレス プリエト
主審:エルナン・ガハルド(アルゼンチン) *** ***
副審:バート・クレメンツ(米国) 30 27
副審:ゲイリー・リッター(米国) 30 27
副審:キャシー・レナード(米国) 30 27
参考:MAOMIE 30 27


     ○リナレス:41戦38勝(25KO)3敗     29歳   身長:173cm   リーチ:175cm
     ●プリエト:34戦24勝(18KO)8敗2分   27歳   身長:173cm   リーチ:175cm

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃
     実況:立本信吾

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                      2014年12月30日(火)    東京体育館
                             10回戦
                  WBC世界ミドル級9位         米国ミドル級(ノーランク)
                ○   村田諒太    判 定    ジェシー・ニックロウ   ●
                                (帝拳) 161 lbs                     (米国) 162 lbs

 ガードを固めて前に出るニックロウに対し,村田は右ストレート,ボディへの左アッパーを浴びせて序盤からリードした。2回,ニックロウは重い左右フックで迫るが,スピードがない。村田は足を止めて左右フック。ガードの上から右フックを連発し,さらに連打で攻勢に出る。
 5回,村田は左右に動きながらワンツーを打つ。村田の右フックでバランスを崩すニックロウ。村田は右ストレートのボディブローから左フック,右ストレートを浴びせる。
 6回,バッティングで左目上と左頬をカットした村田がドクターチェックを受けた。ニックロウは勝負に出るが,村田は動じることなく逆に右ストレート,フックからボディに左アッパーを返した。
 8回,動きながら上下に強打を散らす村田。思うように戦えないニックロウは盛んに挑発するが,村田は乗らない。
 10回,村田はワンツーの連打で攻勢に出るが,切れを欠く。

 ワンサイドの判定勝ちでプロ6連勝を飾った村田だが,ヤマ場のない試合となった。主武器の右ストレートに本来の切れを欠いたことが目についた。上下に右ストレート,左右フックを浴びせ続けたが,世界を狙うには物足りない。やりにくい相手ではあったが,この程度の相手は確実に仕留めるくらいでなければこのクラスでトップに名乗り出ることは難しいだろう。
 ニックロウは両腕と背中に派手な刺青を入れた白人。ずんぐりとした右ファイタータイプで足は使わず,上体を揺すってガードを固めながら前に出て左右フックを放つ。スピードはないが,執拗でタフなことが特徴である。ガードが固く,まともに打たせることは少ない。

採点結果 村田 ニックロウ
主審:福地勇治 *** ***
副審:安部和夫 100 91
副審:土屋末広 100 90
副審:杉山利夫 100 90
参考:MAOMIE 100 90


     ○村田:6戦6勝(4KO)              28歳   身長:182cm
     ●ニックロウ:32戦24勝(8KO)5敗3分   27歳   身長:175cm   リーチ:173cm

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃     ゲスト:香川照之
     実況:福永一茂

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                 2014年12月31日(水)    大田区総合体育館
                    WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T K O    挑戦者(同級8位)
                ○   内山高志   9回終了   イスラエル・ペレス   ●
                            (ワタナベ) 129 3/4 lbs                (アルゼンチン) 129 1/4 lbs

 初回,内山は左ジャブから右ストレート,ボディへの左アッパーを見舞う。ガードを高く上げて顔面をカバーするペレス。内山はそのガードの隙間から左ジャブを刺す。2回,ペレスはボディに左アッパーを連発するが,内山は動じない。左ジャブを多用してタイミングを取る。終盤,内山の左アッパーがボディに決まり,ペレスの表情が変わる。
 3回,内山のワンツーがクリーンヒット。左アッパーをボディに受けたペレスは怯んで後退。ロープを背負ったペレスは右ストレート,左アッパーのボディブローを打ち込まれる。
 6回,左右アッパー,左フックを連打して攻勢に出るペレス。しかし,内山は慌てず,ワンツー,左アッパーを打ち込んでプレスをかける。ペレスの左アッパーが低く入り,減点された。7回,ペレスの出バナに右アッパーのカウンターを合わせる内山。
 8回中盤,リング中央でペレスのワンツーがボディに当たり,尻餅をつく内山。これはペレスが内山の足を踏んでおり,スリップダウンと判定された。これでスイッチが入ったように内山が攻勢に出る。ペレスをロープに詰め,右ストレート,左右フックで激しく追い込んだ。
 9回,内山のワンツーが面白いようにヒットする。ワンツーでニュートラルコーナーに後退するペレス。終盤,内山はペレスをロープに詰め,右ストレート,左右フック,ボディへの左アッパーで仕留めにかかる。ロープを背にダウン寸前に追い込まれるペレス。辛うじて持ち堪えたが,9回終了後に棄権を申し入れ,ここで試合が終わった。

 1年ぶりのリングとなった内山だが,ブランクを感じさせない動きで9度目の防衛を飾った。ペレスのガードを割るような左ジャブ,ワンツーで崩し,ボディへの左アッパー,右アッパーのカウンターなどの多彩な攻撃で終始圧倒した。ペレスが攻め込んでも慌てることなく,左ジャブを多用して冷静に対処したことが光る。6回にヒヤリとさせる場面があったが,堂々たる試合内容でほぼ圧勝である。
 ペレスは右ファイタータイプ。ガードを高くして顔面をカバーしながら右ストレート,左右フックを浴びせる。パンチ力は今一つだが,思い切った攻撃で迫る。果敢に攻めたが,スピード,パワーともに及ばなかった。

8回までの採点 内山 ペレス
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:グスタボ・パディーリャ(パナマ) 85 85
副審:ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ) 88 82
副審:ヘスス・コバ(ベネズエラ) 90 78
参考:MAOMIE 90 80


     ○内山:23戦22勝(18KO)1分       35歳   身長:172cm   リーチ:182cm
     ●ペレス:31戦27勝(16KO)3敗1分   35歳   身長:168cm   リーチ:176cm

     放送:テレビ東京
     解説:竹原慎二&畑山隆則
     実況:斉藤一也

※ 第6ラウンド,ローブローによってペレスは減点1。

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                  2014年12月31日(水)    大田区総合体育館
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン             挑戦者(同級5位)
                ×   河野公平   引き分け   ノルベルト・ヒメネス   ×
                              (ワタナベ) 115 lbs                   (ドミニカ) 114 1/2 lbs

 6回,河野はどんどん前に出て左右フックで攻勢に出るが,クリーンヒットは少ない。ヒメネスの左アッパーが急所に当たり,河野は顔をしかめて膝をつく。ヒメネスはこのローブローで減点された。7回,左右に動くヒメネスに河野が左フック,右ストレートプレスをかける。終盤,河野の右ストレートがヒットする。
 8回,ヒメネスの右アッパーがヒットするが,河野はロープに詰めて右フックをボディに打つ。
 11回終盤,ヒメネスをロープに詰めた河野はボディに左右フックを連打する。12回,パンチに正確さがない河野。

 曲者ヒメネスに苦戦した河野だが,辛うじてドローで初防衛に成功した。タイトルは守ったが,不本意な試合内容。果敢に攻撃を仕掛けていたが,相変わらず単調な突進を繰り返すのみで,パンチに正確さを欠いた。雑な攻撃が目立ち,攻めている割にダメージを与えられなかった。
 ヒメネスは変則的な右ボクサーファイター。フットワークを使い,隙を突くように左フック,右ストレートを返す。接近すると左右アッパーのボディブローを連打する。若さに似合わぬ老獪な面があるが,終盤は河野のボディブローで弱気なところを見せた。

採点結果 河野 ヒメネス
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:グスタボ・パディーリャ(パナマ) 112 115
副審:マイケル・リー(韓国) 114 114
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 116 111
参考:MAOMIE (69) (64)


     ×河野:39戦30勝(13KO)8敗1分      34歳   身長:166cm,   リーチ:170cm
     ×ヒメネス:32戦20勝(10KO)8敗4分   23歳   身長:168cm,   リーチ:173cm

     放送:テレビ東京
     解説:竹原慎二&佐藤洋太
     実況:中川 聡

※ 第6ラウンド,ローブローによってヒメネスは減点1。
※ 第1〜5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                2014年12月31日(水)    大田区総合体育館
                    WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級8位)            チャンピオン
                ○   田口良一   判 定   アルベルト・ロセル   ●
                              (ワタナベ) 108 lbs                 (ペルー) 108 lbs
                        IBF8位

 序盤から田口が主導権を握った。13cmの身長差を生かし,積極的に左ジャブを突き,右アッパー,ストレートで優位に立つ田口。小柄なロセルは下がりながら左右フックを狙う。
 3回には田口の右ストレート,4回には左アッパーがクリーンヒットする。
 5回,田口の果敢な攻撃が目立つ。右ストレートからボディへの左アッパーで怯んだロセルは後退。さらにロープに詰めて攻勢に出る田口。6回,右ストレートのカウンターがアゴに決まり,ぐらつくロセル。田口は一気に攻勢。
 7回はこの試合で唯一見せた田口のピンチだった。前半はロセルをロープに詰めて攻勢に出たが,終盤,左フックをアゴに受けてぐらつく田口。逆転を狙って一気に追い込むロセル。
 8回,田口が再びプレスをかける。ロセルはバッティングで背を向けてしまい,弱気なところを見せる。田口の左アッパーがボディに決まり,ロセルは腰から落ちてダウン(カウント8)。
 9回にも田口がダウンを奪った。再び左アッパーがボディを捉え,ロセルは前に落ちてダウン(カウント8)。
 12回,激しい打ち合いが続く。右ストレート,左アッパーでクリンチに出るロセル。両者,死力を尽くした打ち合いの中,終了ゴングを聞いた。

 初挑戦の田口が大差の判定勝ちで見事に王座を奪取した。勝因は何と言っても先手を取って果敢に攻めたこと。身長差,リーチ差をフルに生かした左ジャブを多用して常に先に手を出し,ロセルに攻撃の糸口を掴ませなかったことが大きい。色白で柔和な表情とは裏腹に,激しい闘志を前面に出した好戦的なスタイルが特徴。右ボクサーファイターで右ストレート,ボディへの左アッパーを得意としている。
 ロセルはアマチュアで160戦というキャリアを持ち,アトランタ五輪に出場経験がある。小柄だが,右フックに威力がある右ボクサーファイター。しかし,田口の果敢な攻撃で下がらされ,主導権を握られた。

採点結果 田口 ロセル
主審:シルベストレ・アバインザ(比国) *** ***
副審:ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ) 116 110
副審:ヘスス・コバ(ベネズエラ) 117 109
副審:マイケル・リー(韓国) 116 111
参考:MAOMIE (99) (89)


     ○田口:24戦21勝(8KO)2敗1分          28歳   身長:168cm,   リーチ:171cm
     ●ロセル:42戦32勝(13KO)9敗1無効試合    39歳   身長:155cm,   リーチ:157cm

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則&新井田 豊
     実況:島田弘久

※ 第10・11ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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        2014年12月31日(水)    ボディメーカーコロシアム第1競技場(大阪府立体育会館)
                    WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       T  K  O   挑戦者(WBO6位)
             ○   ギジェルモ・リゴンドー   11回終了    天笠 尚   ●
                            (キューバ) 121 3/4 lbs                      (山上) 121 3/4 lbs
                                     WBA10位,OPBFフェザー級王者

 左のリゴンドー,右の天笠。初回,天笠がいきなり先制攻撃を仕掛けるが,リゴンドーは動じない。じりじりと前に出て,思い切った左ストレートを上下に打ち込む。ボディへの左ストレートを多用するリゴンドー。
 長身の天笠は積極的に前に出るが,5回,リゴンドーの左フックに次ぐ左ストレートで腰が落ちる。チャンスと見たリゴンドーは天笠をロープに詰め,叩きつけるような左フックを連発。天笠はよく凌ぎ,右ストレートを返した。
 6回,前に出る天笠に対し,リゴンドーは右に左にと動いて的を絞らせず,上体を低く屈めてパンチをかわす。
 ここまではほぼリゴンドーのワンサイドゲームだったが,7回に天笠が千載一遇のチャンスを得た。リゴンドーは左右に動いて天笠の攻撃を封じていたが,回り込んだところに右ストレートをアゴに受け,腰から落ちてダウン(カウント8)。攻勢に出る天笠。右ストレートでリゴンドーの腰が落ちる。クリンチに出るが,左右フックの追い打ちで前のめりに2度目のダウン(カウント8)。天笠が襲いかかったところでゴングが鳴った。
 8回,俄然元気が出た天笠が攻勢に出るが,リゴンドーは左右に動いて距離を取り,この回はダメージの回復を図った。天笠は右目横の腫れが目立つ。
 10回,強烈な右フックを連発するリゴンドー。中盤,ガードの隙間を破るように鮮やかなワンツーがアゴを捉え,天笠は腰から落ちてダウン(カウント8)。天笠は下がる場面が多くなり,リゴンドーの左ストレート,右フックが決まる。あっと言う間に天笠の左頬が腫れ上がり,右目横の腫れも酷くなった。
 11回,別人のように変形した顔で向かって行く天笠。しかし,リゴンドーの正確な右アッパー,フック,左ストレートが襲う。結局,この回が終わったところで天笠サイドが棄権を申し入れ,試合がストップされた。

 99%勝機がないとされた天笠だが,超一流技巧派のリゴンドーから2度のダウンを奪う大健闘を見せた。長身の右ボクサーファイターで,ワンツー,左右フックを得意としている。細身からは想像できないほどの強打の持ち主。一発当たってからの怒涛の連打にも定評がある。さすがにリゴンドーが相手では連打ができなかったが,勇気ある戦いぶりは賞賛に値する。
 リゴンドーはサウスポーのボクサーファイター。豪華なアマ戦歴を誇り,シドニー五輪,アテネ五輪のバンタム級で2大会連続の金メダリストに輝いている。小柄ながら,体全体にバネがある。上下に放つ左ストレートは伸びがあり,威力も十分。フットワークは使うが,無駄な動きがない。左ストレートだけでなく,巧みに間合いを取って右ジャブ,フックを浴びせる。パンチの精度が高く,さすがに稀に見る超一流のテクニシャンである。

10回までの採点 リゴンドー 天笠
主審:マイク・オルテガ(米国) *** ***
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 107 99
副審:ゾルタン・エンエディ(ハンガリー) 105 101
副審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) 107 99
参考:MAOMIE 107 99


     ○リゴンドー:15戦15勝(10KO)      34歳   身長:162cm   リーチ:173cm
     ●天笠:35戦28勝(19KO)5敗2分   29歳   身長:179cm   リーチ:181cm

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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          2014年12月31日(水)    ボディメーカーコロシアム第1競技場(大阪府立体育会館)
                       IBF・WBO世界ミニマム級王座決定12回戦
                 WBO世界ミニマム級1位  T   K  O  WBO世界ミニマム級2位
                ○   高山勝成    7回2分24秒    大平 剛   ●
                              (仲里) 104 3/4 lbs                       (花形) 104 lbs
                          IBF3位                  IBF6位,日本王者
                                               大平 剛=おおだいら・ごう

 右の高山,左の大平。初回,高山は目まぐるしい動きから左右フックを放つ。バランスを崩した大平が赤コーナーに詰まる場面が見られた。
 2・3回,大平は左ストレートのカウンターを巧打し,リードした。4回,左右に動いて高山の出バナに左ストレート,フックあるいは左アッパーをヒットする大平。大平の左フックがアゴに決まり,高山がのけぞる。突っ込むところにパンチをもらっている高山。
 5回前半,相変わらず左ストレート,アッパーをもらう高山。しかし,中盤からボディブローを織りまぜてプレスを強める。善戦していた大平だが,この辺から高山に流れが傾いた。右ストレート,ボディへの左アッパーで徐々に後手に回る大平。
 6回,高山は左ストレートをもらうが,後半に入って攻勢に出て左右フックのボディブローを連打する。終盤,動きが鈍った大平をロープに詰め,攻勢に出る高山。
 7回,苦戦していた高山が一気に試合を決めた。ボディ攻撃が効いている大平。右フックでバランスを崩した大平をロープに詰めた高山は怒涛の攻勢。左右フックのボディブロー,ワンツーの嵐に晒された大平がロープを背に手が出なくなったところで,島川主審が試合をストップした。

 動きの速い大平に苦戦した高山だが,最後は地力の差を見せた。苦戦の原因は正面に立ってしまったこと。そのため,タイミングのいい左ストレートを被弾した。まともにもらう場面もあり,大平にもう少しパンチ力があれば,危なかっただろう。その一方で,大平の足を止めるべくボディから崩した執拗かつ冷静な攻撃は見事。特に試合を決めた30秒間に及ぶノンストップの連打は圧巻だった。
 大平はサウスポーのボクサーファイター。軽快なフットワークで左右に動き,タイミングの良い左ストレート,フックを巧打する。カウンターを取るうまさが光る。前半は足を生かして善戦したが,ボディ攻撃で生命線を止められて捉まった。

6回までの採点 高山 大平
主審:島川 威 *** ***
副審:中村勝彦 57 57
副審:ヨンサック・ナ・ソンファ(タイ) 57 57
副審:原田武夫 56 58
参考:MAOMIE 57 57


     ○高山:36戦28勝(11KO)7敗1無効試合   31歳   身長:158cm   リーチ:159cm
     ●大平:18戦11勝(1KO)4敗3分         30歳   身長:160cm   リーチ:164cm

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:赤荻 歩

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        2014年12月31日(水)    ボディメーカーコロシアム第1競技場(大阪府立体育会館)
                                10回戦
                  WBA世界フライ級3位   K       O   ベネズエラ フライ級(ノーランク)
                ○   井岡一翔    5回2分09秒    ジャン・ピエロ・ペレス   ●
                               (井岡) 112 lbs                          (ベネズエラ) 110 1/4 lbs

 ともに左に回りながら左ジャブ,右ストレートで探る慎重な立ち上がり。2回,井岡は落ち着いて左ジャブ,右ストレートからボディに左アッパーを放つ。
 3回,ペレスは左右アッパーのボディブロー。これに井岡は右ストレートのカウンターで応じる。4回,井岡は的確なパンチを返すが,ペレスの動きも悪くない。ペレスは左目上から出血(井岡の有効打による傷)。
 5回,井岡の左ジャブ,右ストレートに対し,ペレスはワンツーで攻勢に出る。リング中央で井岡のワンツーがアゴを捉えれば,腰から落ちたペレスはうつ伏せにダウン。上体を起こしかけたが朦朧としており,そのままカウントアウトされた。

 井岡が鮮やかなワンツーでペレスを沈めた。落ち着いて左ジャブを突き,右ストレートからボディに決めた左アッパーが効果的だった。光るものを持っているだけに,思い切ったマッチメイクを避けて安全路線を歩もうとしている面があるのは残念。東の内山高志や井上尚弥と並んで西の井岡一翔として2010年代を背負って立てる素質を持っているだけに,小さくまとまってしまうのは残念。新しいスターが台頭している中で,そろそろ存在感をアピールしないと埋没してしまうだろう。
 ペレスは元WBA世界フライ級の暫定王者。右ボクサーファイターで左ジャブ,ワンツーを得意とする老練なテクニシャンである。リーチが長く,懐の深さが特徴。

4回までの採点 井岡 ペレス
主審:川上 淳 *** ***
副審:北村信行 39 38
副審:野田昌宏 39 38
副審:近藤謙二 39 37
参考:MAOMIE 39 38


     ○井岡:17戦16勝(10KO)1敗       25歳   身長:165cm,   リーチ:168cm
     ●ペレス:29戦20勝(14KO)8敗1分   33歳   身長:165cm

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:杉山真也

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