熱戦譜〜2014年9月の試合から


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試合日 試合 結果
2014.09.05  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ローマン・ゴンザレス  TKO9R  八重樫 東
2014.09.05  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  TKO11R  サマートレック・ゴーキャットジム
2014.09.05 10回戦  村田諒太  判定  アドリアン・ルナ
2014.09.06 10回戦  五十嵐俊幸  9R負傷判定  レンレン・テソリオ
2014.09.06 10回戦  岩佐亮佑  KO2R  ロミー・ワッサー
2014.09.06 8回戦  末吉 大  判定  長井祐太
2014.09.14  4回戦(ミニマム級決勝)
 2014年西日本新人王戦
 小西怜弥  TKO2R  吉村尚樹
2014.09.14  4回戦(スーパーフライ級決勝)
 2014年西日本新人王戦
 橋詰将義  KO1R  梶川武士
2014.09.14  5回戦(バンタム級決勝)
 2014年西日本新人王戦
 田淵圭祐  判定  北川孝明
10 2014.09.16 10回戦  井岡一翔  判定  パブロ・カリージョ
11 2014.09.16 8回戦  宮崎 亮  KO5R  イカル・トビダ
12 2014.09.23  5回戦(バンタム級)
 2014年・中日本・西日本新人王対抗戦
 伊集盛尚  KO1R  浦田 優
13 2014.09.23  4回戦(スーパーライト級)
 2014年・中日本・西日本新人王対抗戦
 森定哲也  KO1R  山内雄介
14 2014.09.23  4回戦(ウェルター級)
 2014年・中日本・西日本新人王対抗戦
 別府優樹  TKO1R  冨永信平

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                2014年9月5日(金)    国立代々木競技場第二体育館
                        WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)    T   K  O     チャンピオン
              ○   ローマン・ゴンザレス   9回2分24秒   八重樫 東   ●
                              (ニカラグア) 112 lbs                          (大橋) 112 lbs

 開始ゴングと同時に強大な壁のように迫るゴンザレス。右フックのカウンターは浅かったが,十分に脅威となるパンチだった。八重樫はセオリー通りに左右に動いて正面衝突を避けながら慎重に運び,ときおり左ジャブを差し込む。ゴンザレスは構わず前に出て,ボディへの左フック,アッパーを唸らせる。早くも息詰まるような展開になった。
 2回,右アッパーのクリーンヒットからプレスを増したゴンザレスは,八重樫をロープに詰めてワンツーから左アッパーをボディに打ち込む。八重樫も果敢に飛び込んで左右フックで応戦するが,ゴンザレスのプレスが厳しい。八重樫の左目周辺が早くも紅潮した。
 3回,八重樫は足を使いながら速射砲のような左ジャブ,ワンツーを連打。この回は取ったかに見えたが,下がりながら中途半端に左を伸ばしてアゴが上がったところに左フックを返され,尻餅をつく(カウント8)。立ち上がった八重樫が反撃に出て,場内が大歓声に包まれた。
 4回,下がっては不利と見た八重樫は作戦を変え,リング中央で足を止めて打ち合いに出る。左フックが決まるが,動きを止めるとゴンザレスのワンツーを食う。5回,両目上を腫らしながら激しく抵抗する八重樫に,さすがのゴンザレスが攻め倦む場面を見せた。八重樫の左アッパーがボディに刺さるが,逆にゴンザレスのワンツー,左フック,アッパーが回転する。思い切ってもう少し密着したい八重樫。
 6回に入ると八重樫の動きが鈍り,ダメージの蓄積が垣間見え,左フック,アッパーで下がらされる場面が目立った。7回,足の動きが止まり,被弾が多くなる八重樫。ゴンザレスはロープに詰めて右ストレート,左フック,アッパーでプレスを増す。八重樫は内から外から巧みにパンチを打ち込むゴンザレスの術中に嵌った印象が強い。
 8回,ゴンザレスが仕上げに取りかかるべく勝負に出る。厳しい状況に追い込まれた八重樫は必死に耐えて激しい抵抗を見せるが,右ストレート,左右アッパーの追い打ちで下がらされる場面が続いた。
 王者のプライドを賭けて粘りを見せる八重樫だが,9回に破局を迎えた。猛然と反撃に出た八重樫の左右フックでたじろぐ場面を見せながらも,すぐに立て直したゴンザレスが倍返しの攻撃力を見せつけた。力なくロープ際に後退した八重樫は必死に耐えるが,もはや勝負の行方は明白。右ストレート,左アッパーの連打を浴び,ズルズルと赤コーナーに下がって腰から崩れ落ちる。グリフィン主審がカウントの途中で試合をストップした。

 実力者同士が雌雄を決する,文字通りの大一番。今年最高の黄金カードとも言える一戦は期待通りの息詰まる展開に終始した。
 4度目の防衛に失敗した八重樫だが,勇気溢れる戦いぶりで,逆に男を上げる結果を生んだ。前半に足を使って打ち合いを避けながらパンチをまとめたのは思惑通りの作戦だろう。しかし,さすがにゴンザレスの強大なプレスに抗い切れず,徐々にダメージを蓄積させた。下がっては不利と見た面はあるだろうが,プレスに逆らえずに打ち合わざるを得なかった側面も大きい。最高のコンディションで手を尽くし,最高の戦いを見せたことが伝わる試合内容である。敗れはしたが,そのリングキャリアにとっては汚点ではなく,むしろ勲章になるはず。
 ゴンザレスは3階級制覇を達成。初回から壁のように迫り,厳しいプレスをかけ続けた。ロングレンジからの右ストレート,接近戦で上下に打ち分ける左フック,アッパーは圧巻。バランスが良く,軸がぶれないので,強いパンチを立て続けに打てることが最大の強味である。当分の間,ゴンザレスに勝てる相手は現れないだろう。その一方で,八重樫の左右フックに戸惑う場面が見られ,むしろゴンザレスにしては苦戦の部類に入るはず。

8回までの採点 ゴンザレス 八重樫
主審:マイケル・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 79 72
副審:フェルナンド・バルボサ(メキシコ) 80 71
副審:ヒューバート・ミン(米国) 79 72
参考:MAOMIE 80 71


     ○ゴンザレス:40戦40勝(34KO)
     ●八重樫:24戦20勝(10KO)4敗

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃     ゲスト:香川照之
     実況:森 昭一郎

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                2014年9月5日(金)    国立代々木競技場第二体育館
                       WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T    K    O     挑戦者(同級13位)
                ○   井上尚弥   11回1分08秒   サマートレック・ゴーキャットジム   ●
                              (大橋) 107 3/4 lbs                            (タイ) 107 1/4 lbs

 序盤から井上の独断場になった。積極的に前に出て,左ジャブ,ワンツーからボディに左右アッパーを見舞い,プレスをかける。サマートレックは早くも後退を余儀なくされた。
 4回,最初のダウンシーン。スピーディなコンビネーションブローを上下に打ち分けて追い詰める井上。サマートレックも反撃の姿勢を見せるが,左アッパーのボディ打ちからアゴに右フックをフォローされ,うずくまるようにダウン(カウント8)。ボディが効いて苦しそうに後退するサマートレックを追い,井上が攻勢に出る。
 6回,井上が2度目のダウンを奪う。劣勢のサマートレックは前に出るが,井上は慌てず左ジャブ,ワンツー,左右アッパーを散らす。ワンツー,右アッパーからボディに左アッパーを打ち込まれたサマートレックは再びうずくまるようにダウン(カウント8)。ニュートラルコーナからロ−プに追い込んで一気に攻勢に出る井上。
 7回,井上はロープを背にサマートレックの攻撃をかわし,上下に左右フック,アッパーを痛打する。8回,井上の右フックがカウンターになる。さらに左アッパーのボディブローが決まる。終盤には押し込んでくるサマートレックに対し,逆に右ストレート,ボディへの左右アッパーを見舞う井上。
 11回,粘るサマートレックをついに井上が仕留めた。上下への左右アッパーで攻勢。動きが鈍ったサマートレックをロープ際から青コーナーに詰めて襲い掛かる。守勢一方に陥ったサマートレックに右ストレートが浴びせられたところで,ペレス主審が割って入った。

 井上が圧勝によるTKOで初防衛に成功。タフなサマートレックに手を焼いた面はあるが,終始冷静に対処したことが良かった。左ジャブを多用し,上下に散らしたスピード豊かなコンビネーションブローが圧巻。特にボディ打ちが効いたと言える。倒すのが困難な相手をしっかりと仕留めたことは見事の一語に尽きる。減量の影響か人相が一変していたが,動きは非常に良かった。コンディション調整が順調だったことを物語っている。しかし,減量が厳しいことは否定できない。将来のことを考えれば,このクラスに留まるよりは早めに体を作り,フライ級あるいはスーパーフライ級に転向することが望ましい。
 サマートレックは右ファイタータイプ。155cmという小兵ながら,思い切って放つ左右フックに威力がある。非常にタフでしぶといが,上下に打ち分けられ,徐々に苦しい状況に追い込まれた。ボディブローの連打だけであれば耐えられただろうが,上を打たれた直後に打ち込まれる左ボディブローは効いたはず。

10回までの採点 井上 サマートレック
主審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 100 87
副審:フェルナンド・バルボサ(メキシコ) 100 88
副審:申京下(韓国) 100 88
参考:MAOMIE 100 88


     ○井上:7戦7勝(6KO)
     ●サマートレック:22戦17勝(5KO)5敗

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:香川照之
     実況:鈴木芳彦

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             2014年9月5日(金)    国立代々木競技場第二体育館
                              10回戦
                  WBC世界ミドル級12位       メキシコ ミドル級チャンピオン
                ○   村田諒太    判 定    アドリアン・ルナ   ●
                              (帝拳) 161 1/4 lbs                  (メキシコ) 162 lbs

 初回から村田がパワーにモノを言わせてプレスをかけた。固いガードから右ストレート,左右アッパーのボディブローを見舞ってどんどん前に出る。4回には右ストレートでルナをぐらつかせて攻勢。上体が揺らいだルナは柔軟な体で何とかパンチを殺し,ピンチを凌いだ。ルナをニュートラルコーナーに詰めた村田はワンツー,左右フックを浴びせる。
 7回,前半を飛ばし過ぎたか,村田はやや低調。この回は手数でルナが上回った。
 8回終了間際,村田は右アッパーからの左フックでルナをぐらつかせて一気に襲い掛かる。鼻血を流しながら反撃の構えを見せるルナ。9回2分過ぎ,村田は右ストレートから再び攻勢に出るが,打ち疲れの表情も覗かせた。苦しいはずのルナだが,左右フックのボディブローで反撃し,しぶといところを見せた。10回,村田は激しいプレスをかける。ルナは鼻からの出血にもめげず,しぶとく食い下がり,最後まで倒れることだけは拒否した。

 村田はプロ入り5連勝。しかし,終始プレスをかけながら攻撃が単調で雑な面が目立った。左ジャブが少なく,攻撃の組立てに変化が乏しい点が気になった。打ち下ろしの右ストレートの威力を巧みに殺されて上滑りしたことは誤算だったろう。しかし,プロ入り後初めて10ラウンズをフルに戦ったことは貴重な経験になるはず。
 ルナは186cmという長身の右ボクサーファイター。非常に柔軟な上体を生かし,相手のパンチの威力を半減させるうまさがある。タフネスも人並み以上で,しぶとい面を見せた。

採点結果 村田 ルナ
主審:福地勇治 *** ***
副審:安部和夫 99 91
副審:土屋末広 98 92
副審:中村勝彦 100 90
参考:MAOMIE 99 91


     ○村田:5戦5勝(4KO)
     ●ルナ:21戦17勝(11KO)3敗1分

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃
     実況:福永一茂

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                       2014年9月6日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                 WBC世界S・フライ級7位   負 傷 判 定     比国L・フライ級4位
               ○   五十嵐俊幸    9回1分03秒    レンレン・テソリオ   ●
                              (帝拳) 115 lbs                             (比国) 114 lbs

 左の五十嵐,右のテソリオ。五十嵐は右ジャブで探りながら左ストレートでボディを狙う。テソリオは右ストレートから立ち上がる。2回,右ストレート,左アッパーで仕掛けるテソリオ。五十嵐が出ないと見るや,大きな右フックで脅かした。
 一進一退の展開が続くが,テソリオの思い切った攻撃で五十嵐が後手に回る場面が目立った。5回,お互いにフェイントを使った駆け引きが見られた。五十嵐は右ジャブから左ストレート,さらにボディに左右アッパーを連打。6回はテソリオ。思い切り体ごとぶつかるようにして右ストレート,左右フックを振って攻め込む。回り込みたい五十嵐。
 テソリオの果敢な攻撃に手を焼く五十嵐だが,7回にようやく主導権を握った。右アッパーに次ぐ左ストレートから攻勢に出た五十嵐はニュートラルコーナーにテソリオを詰めてパンチをまとめる。
 8回,打ち疲れが見られるテソリオをニュートラルコーナーに追い込み,五十嵐が再び攻勢。ワンツー,左右フックの連打で一気に攻め込む。打ち疲れにダメージが加わったテソリオは弱気な表情を浮かべた。
 ようやくリズムに乗った五十嵐。終盤の追い上げに期待がかかったが,9回開始早々のバッティングで右目上をカットし,ドクターチェック。再開後,五十嵐は左アッパーのボディブロー,テソリオもボディ攻撃で応戦。ここで右目上からの出血が増し,やりにくそうに目に入る血をグラブで拭う場面が多くなる五十嵐。2度目のドクターチェックの結果,続行不能となり,ここで試合がストップされた。

 左肩の手術のため,ブランクを作っていた五十嵐が1年ぶりに復帰した。侮れない相手に手を焼いたが,7回以降に主導権を握った。テソリオの思い切ったパンチを警戒し,手数が少なくなったことが苦戦の原因。右ジャブが少なく,テソリオに好きなように攻めさせてしまったことは反省点。持ち味としている素早いフットワークとスピーディなコンビネーションブローを生かすことが大事である。
 テソリオはライトフライ級の選手であるが,スーパーフライ級でも十分にやっていけるだけのパワーがある。上下への右ストレート,左フックは体ごとぶつかるように放つパンチ。思い切りの良さを身上としており,序盤から果敢な攻撃で五十嵐を苦しめた。

9回までの採点 五十嵐 テソリオ
主審:土屋末広 *** ***
副審:葛城明彦 87 85
副審:杉山利夫 86 85
副審:ビニー・マーチン 88 86
参考:MAOMIE 86 85


     ○五十嵐:22戦19勝(11KO)2敗1分
     ●テソリオ:21戦13勝(4KO)5敗3分

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                          2014年9月6日(土)    後楽園ホール
                                   10回戦
               東洋太平洋バンタム級チャンピオン   K      O  インドネシア バンタム級2位
                ○   岩佐亮佑      2回1分03秒    ロミー・ワッサー   ●
                               (セレス) 120 lbs                           (インドネシア) 120 1/4 lbs
                WBC3位,IBF4位,WBO S・バンタム級6位

 初回,シューズの底が滑るのか,ワッサーの足の運びがぎこちない。中村主審が中断させ,ワッサーの靴底に松ヤニをつけさせる。ワッサーは左右にスイッチして左右フックを振るが,スピードがない。岩佐は左アッパーのボディブロー,左ストレートを見舞ってリード。
 2回,飛びつかんばかりに左右フックを振り回すワッサー。相手の力量を見切った岩佐は落ち着いて左ストレート,ボディに左アッパー,右フック。さらに小さなワンツーがアゴを捉えれば,後方に崩れ落ちたワッサーは横倒しにダウン。そのまま動けず,呆気なくカウントアウトされた。

 岩佐が得意のワンツーで鮮やかなKO勝ち。力みがなく,スムーズに出る左ストレート,右フック,アッパーは相変わらず。ただし,今夜のような素人同然のボクサーを倒しても,得るものがない。世界を狙うのであれば,もう少し相手を選ぶべきだろう。
 ワッサーはインドネシアの2位という肩書が泣くお粗末なボクサー。右ファイタータイプで,スピードのない左右フックを振り,飛びつくように攻めて来る。足の運びがぎこちなく,不甲斐なさばかりが目立った。

     主審:中村勝彦,副審:杉山利夫&飯田徹也&土屋末広
     ○岩佐:19戦18勝(11KO)1敗     ●ワッサー:45戦20勝(10KO)17敗8分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:田中 毅

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                      2014年9月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                 日本フェザー級(ノーランク)        日本フェザー級(ノーランク)
                ○   末吉 大     判 定     長井祐太   ●
                             (帝拳) 125 3/4 lbs                  (勝又) 125 1/2 lbs
                   末吉 大=すえよし・まさる

 積極的に前に出る長井。アップライトスタイルの末吉は下がりながら,左ジャブを伸ばす。2回,左右に動いて長井の攻撃をかわし,左ジャブを伸ばす末吉。この左がうるさく,長井は中に入れない。中盤,踏み込んで放った末吉のワンツーがクリーンヒットになった。
 3回,長井は強引に攻め込むが,末吉も足を止めて右フックを振る。長井の右に合わせた末吉の右ストレートがクロスカウンターになり,長井の右膝が落ちる場面が見られた。
 4回,末吉は左に回り,左ジャブを多用。右ストレートが長井の出バナに決まる。長井の左目下が腫れる。5回,長井は前に出て左右フックでボディを狙う。末吉は左に回って左ジャブでコントロールし,右ストレートを多用。
 6・7回は長井が距離を詰め,左右フックでボディを攻める。左ジャブを忘れた末吉は長井のの攻撃を持て余し,クリンチに出る。
 8回,再び末吉の足が動き,左ジャブが戻る。長井は追い上げるが,出バナにワンツーを返されてぐらつく。長井は両目の下を腫らしながら食い下がるが,左右フックは大振りで空を切った。

 試合中に左拳を骨折してリングから遠ざかっていた末吉が1年4ヶ月ぶりに復帰戦をモノにした。千葉経済大付属高→東洋大というコースを歩み,アマで29戦21勝(10KO・RSC)8敗という戦績を残している。右ボクサータイプで左ジャブが良く伸び,足を使いながら出バナに右ストレートを見舞うのが得意の攻撃パターン。これで長井の前進をコントロールした。基本に忠実な試合運びが特徴。6・7回に押し込まれたが,これは左ジャブが出なくなったことが原因。
 若い若いと思われていた長井も32歳。今夜が42戦目というキャリアで,すっかりベテランの領域に入った。2000年8月のデビューだから,おそらく現役最古参の部類だろう。右ファイタータイプで左フック,右ストレートにパンチ力がある。常に攻撃を仕掛けていたが,末吉の足にかわされて空転し,左ジャブで前進を阻まれた。6・7回に素早く距離を詰めてボディを打っていたが,これを序盤からやるべきだった。

採点結果 末吉 長井
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:葛城明彦 78 74
副審:飯田徹也 78 74
副審:中村勝彦 78 74
参考:MAOMIE 78 74


     ○末吉:8戦7勝(5KO)1敗
     ●長井:42戦28勝(19KO)10敗4分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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          2014年9月14日(日)    ボディメーカーコロシアム第2競技場(大阪府立体育会館)
                     2014年西日本新人王決勝戦(ミニマム級)
                               4回戦
                 日本ミニマム級(ノーランク)  T   K  O  日本ミニマム級(ノーランク)
               ○   小西怜弥    2回1分48秒    吉村尚樹   ●
                             (真正) 105 lbs                         (尼崎亀谷) 104 1/4 lbs
               小西は技能賞を受賞

 初回,小気味の良いパンチの応酬になった。小西が右ストレート,左フックを浴びせて前に出る。吉村も左右フック,アッパーで応戦するが,押し込まれている。小西の左フックが再三ヒット。
 2回,開始早々から押し込んで,攻勢に出る小西。吉村は苦しくなり,後退が続く。小西はさらにプレスを強め,足を止めて右ストレート,ワンツー,ボディへの左アッパーを見舞う。守勢一方でープに詰まった吉村に右ストレート,ワンツーを浴びせたところで池原主審が試合をストップした。

 小西は右ファイタータイプ。好戦的でミニマム級らしからぬ強打を売り物としており,右ストレート,左フックでプレスをかける。一発のパンチ力もさることながら,矢継ぎ早の連打が出ることが強味。その反面,足の動きが硬く,ガードも良くない。打たれた時の強さは未知数である。
 吉村は右ボクサーファイター。左右フック,アッパーを得意としているが,小西の強打に最初から押された。パンチ力の差が如実に表れたと言える。

     主審:池原信遂,副審:原田武夫&野田昌宏&1名不明
     ○小西:5戦5勝(4KO)     ●吉村:3戦2敗1分
     放送:スカイA     解説:植田洋介     ゲスト解説:本石昌也     実況:山下 剛

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         2014年9月14日(日)    ボディメーカーコロシアム第2競技場(大阪府立体育会館)
                   2014年西日本新人王決勝戦(スーパーフライ級)
                               4回戦
                 日本S・フライ級(ノーランク)  K      O  日本S・フライ級(ノーランク)
               ○   橋詰将義    1回0分38秒    梶川武士   ●
                             (井岡) 115 lbs                         (守口東郷) 113 3/4 lbs
               橋詰はMVPを受賞

 左の梶川,右の橋詰。梶川が右ストレートで積極的に仕掛けるが,タイミングの良い橋詰の左ストレートがヒット。さらに左ストレートが鮮やかに決まり,梶川が尻餅をつく(カウント8)。これは続行となったが,橋詰の詰めは鋭い。梶川は反撃に出るが,再び左ストレートを打ち込まれ,右膝から崩れ落ちる。ここで自動的にKO負けとなった。

 橋詰が見事なKO勝ちでMVPの座を手にした。切れのある左ストレートを武器とするサウスポーのボクサーファイター。スピード,タイミングに非凡なものがある。相手の攻撃を巧みに見極め,左ストレートを軸に攻めるのが得意の攻撃パターン。楽しみな素材である。
 梶川は細身の右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。負けん気の強さを前面に出して攻めたが,アゴのガードが下がる欠点を突かれた。

     主審:川上 淳,副審:野田昌宏&池原信遂&原田武夫
     ○橋詰:5戦5勝(3KO)     ●梶川:4戦3勝(2KO)1敗
     放送:スカイA     解説:植田洋介     ゲスト解説:山下正人     実況:寺西裕一

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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       2014年9月14日(日)    ボディメーカーコロシアム第2競技場(大阪府立体育会館)
                   2014年西日本新人王決勝戦(バンタム級)
                             5回戦
                 日本バンタム級(ノーランク)       日本バンタム級(ノーランク)
               ○   田淵圭祐    判 定    北川孝明   ●
                             (八尾) 118 lbs                    (黒潮) 118 lbs
                田淵は敢闘賞を受賞

 初回,積極的に攻めたのは北川。ワンツー,左フックで先手を取る。2分過ぎにはワンツーからボディに左右フックを連打してピッチを上げる。手数が少ない田淵は待っているところを打たれる。
 3回,ようやく先に手を出す田淵。左ジャブ,右ストレートで前に出る。中盤にはワンツー,右ストレートでぐらついた北川が思わずクリンチに出る場面が見られた。田淵はさらに右アッパー,左フック,右ストレートで北川を追い込む。
 4回,北川が再び積極的な攻撃に出た。終盤には田淵が打ち疲れが見える北川に左アッパーのボディブロー,左フック,右ストレートを見舞う。さらにロープに詰めて,ボディに左アッパーを打ち込む。
 5回,激しいパンチの応酬が続く。打ち疲れが見える北川に対し,余力を残していた田淵がワンツー,左フックでわずかに上回った。

 田淵がジャッジ泣かせの接戦を制した。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーを得意としており,パンチ力がある。スロースターター気味なところが難点で,待ちのボクシングになってしまう面がある。シャープなパンチが出るので,自分から前に出て先に手を出すことが大事。
 北川は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。初回から積極的に攻めて流れを作っていたが,田淵の的確なパンチで徐々にダメージを負った。

採点結果 田淵 北川
主審:原田武夫 *** ***
副審:野田昌宏 49 47
副審:近藤謙二 49 45
副審:不明 48 48
参考:MAOMIE 48 47


     ○田淵:10戦7勝(5KO)1敗2分
     ●北川:5戦4勝(2KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:植田洋介     ゲスト解説:山下正人
     実況:寺西裕一

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                    2013年9月16日(火)    後楽園ホール
                              10回戦
                  WBA世界フライ級5位         WBA世界フライ級14位
                ○   井岡一翔    判 定    パブロ・カリージョ   ●
                                (井岡) 112 lbs                   (コロンビア) 112 lbs

 初回,低い姿勢から鋭い左ジャブを飛ばして積極的に攻める井岡。ボディへの左アッパーからアゴに左フックをヒット。カリージョも左右フックで応戦する。
 2回,カリージョの左フックが決まる。さらに思い切った右ストレートが不意を突く形のカウンターになり,ひやりとさせた。
 3回以降は井岡が落ち着きを取り戻した。前に出ながらプレスをかけ,左ジャブ,右ストレートからボディへの左アッパーを打ち込む。6回,ボディが効いたのか,カリージョが白いマウスピースを覗かせて呼吸する姿が目立つようになった。カリージョは右目上をカット(井岡の有効打による傷)。
 7回には井岡が右ストレートをもらう場面があった。しかし,後半は井岡の左アッパーのボディブローからの左フックでカリージョがマウスピースを落とす。
 8・9回,ボディが効いたカリージョは苦しそうな表情に変わり,再三マウスピースを落とす場面があった。
 10回,井岡は左アッパーをボディに,さらにアゴへの左フックでまたもカリージョのマウスピースが落ちた。

 今年5月にアムナット・ルエンロエン(タイ)のIBF世界フライ級王座に挑戦して敗れた井岡の再起戦。低い姿勢から放つ鋭い左ジャブ,右ストレートで序盤から積極的に流れを作った。特にボディへの左アッパーからアゴに返す左フックが光った。タフなカリージョを倒せなかったが,まずまずの試合内容である。
 カリージョは小柄な右ボクサーファイター。思い切って放つ左フック,右ストレートに威力がある。左右フックで果敢に応戦したが,ボディを攻められて後半は苦しい展開になった。非常にタフでしぶとい。

採点結果 井岡 カリージョ
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 98 92
副審:浅尾和信 99 91
副審:吉田和敏 99 93
参考:MAOMIE 99 91


     ○井岡:16戦15勝(9KO)1敗
     ●カリージョ:19戦15勝(8KO)3敗1分

     放送:TBS
     解説:内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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                      2013年9月16日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本L・フライ級7位   K      O  インドンシア フライ級(ノーランク)
                ○   宮崎 亮    5回1分09秒    イカル・トビダ   ●
                             (井岡) 109 3/4 lbs                       (インドネシア) 110 lbs

 初回から宮崎が速い左ジャブを連発し,好調なところを見せた。
 3回,トビダは右ストレート,左フックを振って攻めるが,スピードの差は歴然。宮崎は左ジャブ,さらに左フックをヒットする。終盤には右ストレートを決めた。4回,宮崎の左アッパーがローブローとなり,一時中断。再開後,宮崎は右ストレートをクリーンヒット。さらに右フックからボディへの左アッパーで嵩にかかった攻めを見せる。
 5回,宮崎が鮮やかに試合を決めた。右ストレート,左フック,ボディへの左アッパーで攻勢。トビダも左右フックで応戦するが,宮崎は慌てずに対処した。ロープ際で右フックをアゴに打ち込まれたトビダは腰から崩れ落ちてダウン。カウントの途中でタオルが投入された。

 昨年12月にファーラン・サックリン・ジュニア(タイ)に痛恨の3回KO負けを喫した宮崎が9ヶ月ぶりのリング復帰をKOで飾った。序盤から速く鋭い左ジャブを上下に飛ばし,積極的に試合の流れを作った。体の切れ,パンチのスピードともに申し分なく,好調な姿をアピールした。適正なウェイトでしっかりコンディションを作れば,まだまだ十分に世界を狙える。
 トビダは右ボクサーファイター。思い切って放つ右ストレート,左フックに威力がある。その反面,スピードはなく,アゴのガードが下がる欠点が目についた。

     主審:杉山利夫,副審:浅尾和信&福地勇治&中村勝彦
     ○宮崎:25戦21勝(12KO)1敗3分     ●トビダ:23戦10勝(8KO)13敗
     放送:TBS     解説:内藤大助     実況:杉山真也

※ カウントの途中のタオル投入はTKOではなく,KOとなる。

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                     2014年9月23日(火)    フードパル熊本
                  2014年・中日本・西部日本新人王対抗戦(バンタム級)
                                 5回戦
                西部日本バンタム級新人王   K      O   中日本バンタム級新人王
               ○   伊集盛尚     1回2分25秒     浦田 優   ●
                           (琉豊BS) 117 1/4 lbs                         (緑) 117 3/4 lbs
                  伊集盛尚=いじゅう・もりひさ            浦田優=うらた・まさる

 やや動きが硬い浦田。伊集は落ち着いて左ジャブでプレスをかける。左ジャブで赤コーナーに下がらせ,ワンツーを見舞う。鮮やかな一撃に浦田はたまらず右膝から落ちてダウン。これは再開となったが,伊集の表情には余裕がある。上体が立った浦田は左ストレートを受けてのけぞる。再び伊集の左ストレートでのけぞった浦田がロープを背負ったところでストップがかかった。

 伊集は右ボクサーファイターで,右ストレートに鋭いものがある。落ち着いてプレスをかけ,開始早々から自分のペースに巻き込んだ。最初のダウンを奪った後に狙い過ぎて間延びした印象があるが,力みを排して上下に散らすことが大事。パンチ力は十分なので,KOを意識しないことだろう。
 浦田は右ボクサーファイターで,右ストレート,左フックを得意としている。伊集のプレスに押されて上体が立ってしまい,押し込まれる場面が目立った。

     主審:不明,副審:3名とも不明
     ○伊集:5戦5勝(4KO)     ●浦田:6戦4勝(1KO)1敗1分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:山本紘之

※ 新人王戦規定 = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                      2014年9月23日(火)    フードパル熊本
                2014年・中日本・西部日本新人王対抗戦(スーパーライト級)
                                4回戦
                 中日本S・ライト級新人王   K       O  西部日本S・ライト級新人王
               ○   森定哲也     1回1分25秒     山内雄介   ●
                            (鈴鹿ニイミ) 139 lbs                           (折尾) 140 lbs
                                              山内雄介=やまのうち・ゆうすけ

 右の山内,左の森定。長身の森定が積極的に出て左ストレートをヒット。このパンチで早くも山内がバランスを崩す。山内は左右に動くが,森定の左を警戒して動きが硬い。右を振って不用意に入ったところに左ストレートのカウンターが決まり,山内は腰から落ちてダウン(カウント8)。山内は立ち上がったが,森定が勝負を決めにかかる。再び左ストレートが決まり,2度目のダウン。ここで試合が終わった。

 森定(19歳)はサウスポーのボクサーファイター。長身から放つ左ストレートにパンチ力があり,自信を持っている。上体を左右に軽く動かしてリズムを取り,タイミングを測りながら得意の左ストレートを決めた。大振りせずに打っている点が良いところ。
 山内は右ファイタータイプで,左右フックを得意としている。潜り込みたいところだったが,森定の左ストレートを警戒し,思惑通りの戦い方ができなかった。上体が起きてしまい,そこに左ストレートを合わされた。

     主審:不明,副審:3名とも不明
     ○森定:6戦3勝(3KO)3敗     ●山内:9戦6勝(2KO)2敗1分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:山本紘之

※ 新人王戦規定 = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                    2014年9月23日(火)    フードパル熊本
                 2014年・中日本・西部日本新人王対抗戦(ウェルター級)
                                4回戦
                西部日本ウェルター級新人王  T   K  O  中日本ウェルター級新人王
               ○   別府優樹     1回0分32秒     冨永信平   ●
                           (久留米櫛間) 145 1/4 lbs                        (中日) 145 lbs

 前に出て中に入ろうとする冨永。しかし,たちまち別府のパワーに圧倒された。リング中央で足を止めて打ち合いになるが,ここで別府の強打が炸裂する。左右フック,右アッパーに次ぐクロスの右フックをアゴに打ち込まれた冨永は前のめりにキャンバスに落下。立ち上がったものの足元がおぼつかず,カウントの途中でストップされた。

 別府が段違いのパワーを見せつけて圧勝。がっしりした上体から放つ左右フックに破壊力がある。腕っ節の強さが特徴で,連打が出ることも強味である。打ち合いには滅法強いが,外からのパンチが主体であり,ガードの中央が開く欠点がある。
 冨永は右ボクサーファイターで,左フック,右ストレートを得意としている。中に入り込みたかったところだが,別府の強打で手が出ずに沈められた。

     主審:不明,副審:3名とも不明
     ○別府:6戦6勝(6KO)     ●冨永:3戦1勝(1KO)2敗
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:山本紘之

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