熱戦譜〜2014年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2014.04.04 12回戦  ランディ・カバジェロ  TKO8R  大場浩平
2014.04.05  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 亀海喜寛  KO4R  梁 正勲
2014.04.05 8回戦  胡 朋宏  KO3R  サトリア・アンタセナ
2014.04.06  WBC世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井上尚弥  TKO6R  アドリアン・エルナンデス
2014.04.06  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 八重樫 東  KO9R  オディロン・サレタ
2014.04.13  日本バンタム級
 王座決定10回戦
 益田健太郎  10R負傷判定  川口 裕
2014.04.14  東洋太平洋スーパーライト級
 王座決定12回戦
 小原佳太  KO4R  ジェイ・ソルミアノ
2014.04.14  日本スーパーフライ級
 王座決定10回戦
 戸部洋平  TKO9R  江藤大喜
2014.04.14 8回戦  伊藤雅雪  KO7R  中野和也
10 2014.04.23  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中慎介  TKO9R  シュテファーヌ・ジャモエ
11 2014.04.23  IBF世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 キコ・マルチネス  TKO7R  長谷川穂積
12 2014.04.23 10回戦  粟生隆寛  判定  マルコ・アントニオ・ロペス
13 2014.04.23 6回戦  中澤 奨  TKO1R  ペッチナクルア・トーナッタサク
14 2014.04.30 8回戦  藤本京太郎  判定  石田順裕

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                      2014年4月4日(金)    神戸市立中央体育館
                                 12回戦
                   IBF世界バンタム級4位    T   K  O   IBF世界バンタム級5位
               ○   ランディ・カバジェロ    8回1分54秒    大場浩平   ●
                               (米国) 117 3/4 lbs                       (真正) 117 3/4 lbs
                                           WBC11位,WBO7位

 初回,両者ともに左ジャブの探り合いからスタート。変則的な動きで様子を見る大場に対し,カバジェロが積極的に仕掛ける。終盤,出バナに小さい右フックがカウンターになり,大場は右膝をついてダウン(カウント8)。
 大場にとっては初回のダウンが見た目以上に響いた。すっかりリズムを崩した大場は前に出るものの,冷静なカバジェロのパンチを返され,徐々にダメージを積み重ねた。4回は大場が手数で上回ったが,主導権を握るまでには至らない。
 5回,大場は左右アッパー,フックで執拗にボディを攻めるが,カバジェロはニュートラルコーナーに大場を押し込み,右フック,左右アッパーを浴びせる。6回,大場は粘りを見せるが,逆にカバジェロの的確なパンチを上下に受けてダメージを負った。右ストレートでよろめいた大場はロープを背負う。チャンスと見たカバジェロは攻勢。大場はますます苦しくなる。
 7回,カバジェロは右ストレート,上下への左右アッパーで大場をロープからコーナーに詰める。顔面を腫らした大場は鼻からも出血して敗色濃厚。
 8回,大場は全身から絞り出すような執念を見せて手を出す。しかし,勝負の行方は誰の目にも明らかだった。上下にパンチを散らして冷静に攻めるカバジェロ。クリンチからの小さな左フックをアゴに受けた大場はロープ際で腰から落ち,脆くもダウン(カウント8)。辛うじて立ち上がったが,カバジェロが再び襲い掛かったところでタオルが投入された。

 世界挑戦権を賭けて上位ランカーの強豪カバジェロとの対戦に臨んだ大場だが,スピード,パンチの切れに圧倒されて完敗という結果に終わった。驚異的な粘りを見せたが,目と勘に優れるカバジェロを崩せなかった。単調に繰り返す前進を読まれ,的確にパンチを返されたことが敗因。
 カバジェロはアマチュアで165勝10敗という戦績を残し,プロでは無敗を誇る上り調子の右ボクサーファイター。左ジャブからのワンツー,左右アッパーを武器としている。攻防のバランスに優れ,右を打って返す左フック,アッパーが強い。ボディブローを交え,上下に打ち分けるコンビネーションブローが身上。スピードがある方ではないが,うまさが目立つ。

7回までの採点 カバジェロ 大場
主審:ジャック・レイス(米国) *** ***
副審:アルフレッド・ポランコ(メキシコ) 69 63
副審:アラン・デービス(カナダ) 69 63
副審:イグナシウス・ミサイリディス(豪州) 70 61
参考:MAOMIE 69 63


     ○カバジェロ:21戦21勝(13KO)
     ●大場:39戦35勝(14KO)3敗1分

     放送:YOUTUBE
     解説:なし     
     実況:なし

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                      2014年4月5日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O  挑戦者(同級5位)
                ○   亀海喜寛   4回2分25秒    梁 正勲   ●
                             (帝拳) 146 3/4 lbs                    (韓国) 145 lbs
                     WBC14位,IBF8位                韓国ウェルター級チャンピオン

 亀海が初回からプレスをかける。ガードを固めながら左ジャブを突き,右ストレートからボディに左フックを打ち込んで早くも主導権を握った。梁もワンツーを返すが,亀海の固いブロックに阻まれる。
 完全に呑んでかかる亀海。3回にはボディへの右フック,左アッパーが効いた梁の上体が前傾し,口が開いて苦しくなった。
 4回,亀海が左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右アッパーで圧力を増す。2分過ぎ,左アッパーからの右ストレートで梁の動きが鈍る。さらに右ストレートからレバーに左アッパーを突き刺せば,耐えていた梁もたまらず腰から崩れ落ちる。カウントの途中でタオルが投入された。

 亀海が初防衛に成功。梁のパンチを鉄壁のディフェンスで封じ,上下にパンチを散らすうまさを見せた。特に右フック,左アッパーのボディブローは強烈で,梁の心を折るのに十分な威力があった。ただし,このクラスで世界挑戦となると,もう一つ上のパフォーマンスを見せる必要があるだろう。
 現役の韓国チャンピオンという肩書きを持つ梁だが,亀海との実力差は大きかった。自らの攻撃は固いガードに阻まれ,なす術もない完敗となった。右ボクサーファイターで,ワンツー,左フックを得意としている。良く粘ってワンツーで突破口を開こうとしていたが,亀海のブロック,ヘッドスリップ,スウエイバックでかわされて不発に終わった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:コン・ジュンスク(韓国)&ウクリッド・サラサス&安部和夫
     ○亀海:26戦24勝(21KO)1敗1分     ●梁:14戦8勝(3KO)6敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:辻岡義堂

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                       2014年4月5日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                    日本ミドル級5位    K       O   インドネシア S・ミドル級1位
                ○    胡 朋宏    3回1分20秒    サトリア・アンタセナ   ●
                               (横浜光) 174 lbs                        (インドネシア) 174 lbs

 長身のアンタセナに対し,胡は踏み込んで上下に左ジャブ。2分過ぎ,胡の左フックがヒット。さらにアンタセナをニュートラルコーナーに追い込んだ胡はボディに左フックを打ち込んだ。
 2回,上体を揺すり,ウェイトを乗せた左ジャブから左右フックでアンタセナを脅かす。アンタセナはアップライトスタイルからワンツーを返す。
 3回に入っても積極的な胡の姿勢は変わらない。左ジャブから左右フックで迫り,ロープに詰めて左フックをヒット。このパンチでひるんだアンタセナがクリンチに出るところを許さず,さらに右フックを浴びせる。カウンター気味に決まった左ジャブを直撃されたアンタセナは右目を押さえて腰から崩れ落ち,そのままカウントアウトされた。

 昨年8月に中川大資(帝拳)に7回KO負けを喫し,日本ミドル級王座を追われた胡にとって8ヶ月ぶりの復帰戦。上体が良く振れており,踏み込んで放つ左ジャブが効果的だった。そこから素早く接近し,左右フックで脅かす理想的な展開。やや大振りが気になるが,まずまずの試合内容だった。破格の強打があるだけに,左ジャブと踏み込みの鋭さを忘れなければ,再浮上のチャンスは十分にある。
 アンタセナは183cmという長身の右ボクサータイプ。アップライトスタイルから繰り出す,リーチを生かしたワンツーを得意としている。胡に踏み込まれて上体が立ってしまい,押し込まれた。

     主審:中村勝彦,副審:安部和夫&ビニー・マーチン&葛城明彦
     ○胡:15戦12勝(12KO)3敗     ●アンタセナ:13戦6勝(2KO)7敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:佐藤義朗

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                     2014年4月6日(日)    大田区総合体育館
                       WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級4位)   T   K  O       チャンピオン
                ○   井上尚弥    6回2分54秒    アドリアン・エルナンデス   ●
                              (大橋) 108 lbs                              (メキシコ) 108 lbs

 開始早々から井上が縦横無尽の攻撃で見せ場を作った。エルナンデスは前に出るが,長く続かず,ボディへのワンツーでバランスを崩して後退。さらに右ストレート,左フックからボディへの左右フック,左アッパーを打ち込めば,エルナンデスは前に出られなくなった。
 2回,エルナンデスは前に出るが,右ストレートからボディへの左アッパーが効いて再び下がる。3回に入ると,井上のやりたい放題となった。エルナンデスは左目上をカットしてドクターチェックを受ける(井上の有効打による傷)。
 4回,傷を負ったことで厳しい状況に追い込まれたエルナンデスは勝負に出るが,逆に鋭いパンチを上下に打ち込まれた。左目上からの出血が酷くなる。5回,エルナンデスは顔面を鮮血に染めて反撃に出る。足でも痛めたのか,井上は距離を置き,右ストレート,ボディへの左アッパーを打ち込む。
 6回,減量苦もあって左足がつった井上は足を止めて打ち合いに応じる。エルナンデスはここぞとばかりに左右フック,アッパーを連打。井上はガードを固めて冷静に対応し,右ストレート,左フックで迎え撃つ。ワンツーをアゴに打ち下ろされたエルナンデスは左膝から落ちてダウン。立ち上がったが,もはや戦意は失せており,背中を向けてロープに両手をかけたままストップされた。

 わずか6戦目で初挑戦の井上が圧巻のパフォーマンスを見せ,見事な王座奪取を果たした。スピード,パンチの切れが素晴らしい。攻めの姿勢で序盤からエルナンデスを圧倒した文句なしのTKO勝利である。左ジャブ,上下への右ストレート,ボディへの左アッパー,右フックなど鋭いコンビネーションブローが光り,ベテランのエルナンデスにほとんど何もさせなかった。躍動感に溢れ,無限の将来性を感じさせる逸材である。育ち盛りで減量苦との戦いになるだろうが,適正なクラスを選ぶことが重要になるだろう。
 エルナンデスは5度目の防衛に失敗。左右フック,アッパーを得意とする右ファイタータイプだが,井上のスピードと鋭いパンチに初回から圧倒された。3回に左目上に傷を負ってから意を決したように反撃に出たが,逆に鋭いパンチを上下に打ち込まれて下がる場面が目立った。

5回までの採点 井上 エルナンデス
主審:マイク・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:ドン・グリフィン(米国) 50 45
副審:グイド・カバレリ(イタリア) 50 45
副審:スティーブ・モロー(米国) 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○井上:6戦6勝(5KO)
     ●エルナンデス:33戦29勝(18KO)3敗1分

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:村田諒太
     実況:森 昭一郎

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                    2014年4月6日(日)    大田区総合体育館
                       WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O  挑戦者(同級8位)
                ○   八重樫 東   9回2分14秒   オディロン・サレタ   ●
                               (大橋) 112 lbs                      (メキシコ) 111 3/4 lbs

 序盤はサレタが快調に飛ばす。フットワークを使い,ロングレンジからワンツー,左フックを放ち,積極的に手を出す。八重樫はじりじりと前に出てチャンスを窺うが,サレタを調子に乗せたくないところ。
 やや戸惑った八重樫だが,3回に入ると落ち着きを取り戻した。サレタは動きながら左ジャブ,ワンツー,左フックを放つ。しかし,2分過ぎ,八重樫は右ストレート,さらに右フックをヒットする。八重樫は持ち味の摺り足で迫り,ワンツーを放つ。4回,八重樫が完全に自分のリズムを掴んだ。短く鋭い踏み込みから左ジャブで探り,飛び込んで左フックを決める。
 5回,ロープを背負ったサレタの左フックが飛ぶが,6回は再び八重樫が主導権を握る。右アッパーのボディブローから左フックを見舞う八重樫。さらにロープに詰め,ボディへの左右アッパー。サレタは口が開き,クリンチに出る。終盤にも八重樫が接近戦で左右アッパーをボディに集めた。
 7回,八重樫の左アッパーのボディブロー,右ストレートに次ぐ左アッパーでサレタはロープを背にのけぞる。サレタの表情からは序盤の勢いが失せた。
 8回,八重樫はボディへの左アッパーからアゴに左フックを切り返す。ワンツーを受けたサレタのマウスピースがこぼれ,一時中断する場面があった。
 9回,サレタの左フック,ワンツーがヒット。しかし,リング中央で攻め込むサレタのアゴに小さく打ち下ろした右ストレート。これがカウンターになり,ガクンと膝を揺らしたサレタは腰から落ちてダウン。辛うじて立ち上がったものの,戦意を失ったかのように横を向いてしまい,そのままカウントアウトされた。

 八重樫が鮮やかなカウンターによるKOで3度目の防衛に成功した。序盤こそサレタのスピーディな動きに手を焼いたが,冷静にボディ攻撃で足を止めたのはさすが。摺り足,鋭い出入りを取り入れたスピーディな攻撃は八重樫ならではのものだろう。
 サレタは右ボクサーファイター。軽快なフットワークからワンツー,左フックを放つ。パンチ力は今ひとつだが,スピーディな動きが売り物。しかし,3回以降は八重樫のボディブローを織り交ぜた攻撃で徐々に消耗し,口が開いて苦しげな表情に変わった。

8回までの採点 八重樫 サレタ
主審:イアン・ジョン・ルイス(英国) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 76 76
副審:グイド・カバレリ(イタリア) 77 75
副審:リム・ジュンバエ(韓国) 77 76
参考:MAOMIE 77 75


     ○八重樫:23戦20勝(10KO)3敗
     ●サレタ:19戦15勝(8KO)4敗

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志     ゲスト:内山高志
     実況:竹下陽平

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                     2014年4月13日(日)    松下IMPホール
                        日本バンタム級王座決定10回戦
                  日本バンタム級2位      負 傷 判 定    日本バンタム級1位
              ○   益田健太郎    10回0分45秒    川口 裕   ●
                          (新日本木村) 117 1/4 lbs                        (グリーンツダ) 118 lbs

 初回からテクニックで勝る益田が持ち味を生かしたボクシングでリードした。やや変則的な動きから左ジャブ,ワンツーで攻める益田。
 3回,益田は足を使って川口の焦りを誘い,ワンツーをヒット。やりにくそうな川口。4回終了間際にはワンツーが効いて,川口の動きが止まった。
 5回,益田の老獪な試合運びが光る。足を生かした攻撃で的を絞らせず,左ジャブを多用してワンツーにつなげる。益田のワンツー,左フックで川口は鼻血を流す。焦りが見える川口はホールディングで減点された。
 7回には逆に後頭部へのパンチによって,益田が減点された。川口はバッティングで右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。終盤には川口の左右フックで益田がぐらつく場面があった。
 川口の見せ場は7回だけ。8回以降は単調な動きを読まれ,フットワークで撹乱された末に左ジャブ,ワンツーを浴びる展開が続く。その間,8・9回と右目上の傷が深くなり,ドクターチェックを繰り返した。
 10回,益田の動きは変わらず,左ジャブ,ワンツーが川口を悩ませた。結局,右目上の傷が深く,ここまでと見た野田主審が試合をストップした。

 益田は2度目の挑戦で念願のタイトル獲得。最近は珍しくなった玄人受けするテクニシャンである。フットワークを使いながら左ジャブを多用し,相手の隙を突くようにワンツーを巧打して川口を圧倒した。相手の動きを良く見て冷静に戦っている点が光る。一本調子に出てくる川口の動きを読み,出バナを叩く老獪な試合運びが目についた。けっして強振することなく,伸びのあるパンチをコツコツと当てていたところが良かった。
 川口は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。出方が単調で,すべて益田に読まれていたことが敗因。上体の振りがなく,益田のワンツーの標的となった。

10回までの採点 益田 川口
主審:野田昌宏 *** ***
副審:安部和夫 96 93
副審:原田武夫 96 93
副審:宮崎久利 96 92
参考:MAOMIE 98 91


     ○益田:25戦19勝(10KO)6敗
     ●川口:26戦20勝(9KO)6敗

     放送:スカイA
     解説:高島 穣(VADYジム会長)&城島 充
     実況:山下 剛

※ 第5ラウンド,川口はホールディングで減点1。
※ 第7ラウンド,益田は後頭部への加撃によって減点1。

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                     2014年4月14日(月)    後楽園ホール
                     東洋太平洋スーパーライト級王座決定12回戦
                東洋太平洋S・ライト級1位   K      O   東洋太平洋S・ライト級2位
                ○   小原佳太     4回1分50秒     ジェイ・ソルミアノ   ●
                               (三迫) 140 lbs                             (比国) 139 lbs

 右の小原,左のソルミアノ。開始早々から体ごと叩きつけるような左ストレート,フックを上下に強振してソルミアノが襲いかかる。
 3回,小原はようやく落ち着きを取り戻し,右ストレートでプレスをかける。ソルミアノの出足が止まるが,回り込もうとしたところに左ストレートを受けた小原は腰が砕け,キャンバスにグラブをついてしまう。吉田主審はスリップダウンとしたが,これはノックダウンを取られても仕方がない場面だった。その後もソルミアノの左ストレートが小原を脅かし,危ない場面が続いた。
 しかし,4回,小原が苦戦を帳消しにするかのように鮮やかなKOシーンを演出した。小原は嵩にかかって攻め込むソルミアノに浮足立つが,左を振って攻め込もうとしたところに左フックがカウンターになり,ソルミアノはロープ際でうつ伏せにダウン(カウント8)。立ち上がったが,足に来ている。チャンスと見た小原は右ストレート,ワンツーで攻勢。最後は左アッパーからの右ストレートがアゴに決まり,腰から落ちたソルミアノはロープを枕に沈んでカウントアウトされた。

 ハードパンチャー同士のスリリングな展開の末,小原が日本タイトルに続いて東洋太平洋タイトルを獲得した。デビュー戦は苦い黒星スタートとなったが,これで11連勝9連続KO勝ちという快進撃である。最近は堂々たる風格が備わり,強打とスリリングな試合内容で人気選手の地位を動かぬものにしている。危険な香りがプンプンするソルミアノに苦戦したが,慌てることなく最後は持ち味の強打で試合を決めた。今夜のように突進力がある相手に真っすぐ下がっては不利。回り込んで引っ掛けるようなパンチを使えば,もう少し楽に戦えたはず。それでも冷静に対処し,自らプレスをかけてソルミアノの出足を鈍らせた点が良かった。
 ソルミアノはサウスポーのファイタータイプ。体ごとぶつかるようにして打ち込む左ストレート,フックは相手にとって脅威。敗れたが,侮れない相手である。2011年10月には荒川仁人(八王子中屋)をも苦しめている。攻撃は直線的で単調だが,人並み外れた突進力でカバーしている。

3回までの採点 小原 ソルミアノ
主審:吉田和敏 *** ***
副審:土屋末広 28 29
副審:浅尾和信 29 28
副審:中村勝彦 28 29
参考:MAOMIE 27 30


     ○小原:12戦11勝(10KO)1敗
     ●ソルミアノ:20戦16勝(12KO)3敗1分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:森 昭一郎

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                       2014年4月14日(月)    後楽園ホール
                        日本スーパーフライ級王座決定10回戦
                   日本S・フライ級1位   T   K  O   日本S・フライ級2位
                ○   戸部洋平    9回1分58秒    江藤大喜   ●
                               (三迫) 115 lbs                      (白井・具志堅) 114 1/4 lbs
                                                   WBA13位

 戸部が左ジャブを有効に使い,積極的な試合運びで序盤から主導権を握った。2回には戸部のワンツーから左アッパーがアゴに決まり,江藤は大きくのけぞって青コーナーに詰まる。
 4回,戸部の左ジャブが良く決まる。江藤も右ストレートで応戦するが,終了間際,戸部の右ストレートからの攻勢で膝が落ち,あわやダウンというピンチに陥った。
 中盤は小気味の良いパンチの応酬になったが,全般を通じて戸部がコンスタントな左ジャブ,ワンツーで上回る。6回,戸部は江藤の有効打で左目尻をカットするが,優位は動かない。ここでも戸部が左ジャブ,右アッパー,ワンツーで打ち合いを制した。
 7回,左ジャブをもらって江藤がのけぞる場面が多くなる。戸部は冷静に上下の空いているところにパンチを散らし,さらにリードを広げた。動きが鈍った江藤は被弾が多くなる。
 8回,劣勢の江藤が逆転を狙って反撃に出る。右ストレート,ワンツーで戸部を追い込むが,ダメージが蓄積しているためか,もう一つ攻め切れない。
 9回,戸部が見事な仕上げを見せた。左ジャブ,ワンツーで江藤を追い込む戸部。江藤も応戦するが,ダメージで足がついていかず,パンチが流れる。江藤が出した左ジャブを外しざまに返した右クロスのストレートがアゴを打ち抜く。このカウンターで江藤はたまらず右膝をついてダウン。ダメージの蓄積を感じ取った安部主審はノーカウントで試合をストップした。

 戸部が東洋太平洋に次ぐ2度目の挑戦で念願のタイトルを獲得した。文理開成高(千葉)→拓殖大というコースを歩み,拓大時代には国体で2連覇を記録している。鋭くタイミングの良い左ジャブがコンスタントに出ており,これで江藤の出足を完全に止めたことが勝因。さらに,ワンツー,左右フックを上下に散らしてダメージを蓄積した。攻撃の中に織り交ぜていたボディブローが意外に効いていたと言える。アマチュアでの輝かしいキャリアから期待されてプロ入りしたが,ここまではひ弱さと不安定なボクシングで伸び悩んだという印象が強い。しかし,今夜は貪欲とも言える試合運びが奏功した。攻めの姿勢が前面に出れば,今後が楽しみ。ただし,8回に入って生命線の左ジャブが減り,江藤に立ち直りのチャンスを与えたことは反省点である。ガードが下がることも要注意。
 江藤は172cmの長身。右ボクサーファイターでワンツーに威力がある。その反面,こちらもガードの低さに不安がある。戸部の左ジャブで再三のけぞり,序盤からリズムを崩されたことが響いた。ボディブローも効いており,パンチに対する反応が鈍った。中盤から被弾が多くなっており,9回のストップは妥当な処置と言える。

8回までの採点 戸部 江藤
主審:安部和夫 *** ***
副審:土屋末広 79 73
副審:福地勇治 79 73
副審:浅尾和信 79 73
参考:MAOMIE 79 73


     ○戸部:10戦8勝(5KO)1敗1分
     ●江藤:15戦12勝(9KO)3敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                      2014年4月14日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本S・フェザー級12位   K      O  日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   伊藤雅雪    7回2分12秒    中野和也   ●
                               (伴流) 129 1/2 lbs                     (花形) 129 1/2 lbs
                  2012年度全日本フェザー級新人王

 右の伊藤,左の中野。探り合いから立ち上がるが,2回,中野が前に出ようとしたところに,タイミングの良い伊藤のワンツーがヒット。このパンチで中野は思わず尻餅をついてダウン(カウント8)。3回にも伊藤の右ストレートが胸板に当たり,中野がバランスを崩す場面があった。
 4回,今度は伊藤がダウンを取られるという波乱が起きた。中盤,中野の左フックがアゴをかすめ,伊藤は押される形で大きくバランスを崩して尻餅(カウント8)。
 しかし,地力で上回る伊藤は5回に入ると右ストレートでリズムを掴んだ。終盤,伊藤の右から左のフックが効き,中野は思わずクリンチに出る。左フックを引っ掛けられた中野がバランスを崩してロープに突っ込む場面があった。6回,完全に中野のタイミングを読んだ伊藤は打ち終わりや待っているところに右ストレートを合わせる。
 7回,伊藤が鮮やかに中野を沈めた。中野は左ストレートを振って突っ込むが,打ち終わりに合わせた伊藤の右ストレートがカウンターになり,左膝をついてダウン(カウント8)。冷静に詰めに入る伊藤。鮮やかな右ストレートで中野は腰から落ちて2度目のダウン(カウント9)。立ち上がったが,効いている。左ストレートの打ち終わりに合わせた右ストレートのカウンターで左膝をついて3度目のダウンを喫し,万事休す。

 カウンターのタイミングの良さに定評がある伊藤が鮮やかなKO勝利で存在感をアピールした。ランキングは下位だが,上位に名前があっても不思議ではないほどの実力がある。右ボクサーファイターで,左ジャブでうまくタイミングを取り,主武器の右ストレートを打ち込む。相手の打ち終わりに合わせる当て勘の良さに非凡なものがある。フェイントの使い方もうまい。いずれタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。今後の動向を注目すべきタレントである。
 サウスポーの中野はアマチュア経験(静岡・飛龍高→中央大)があるが,どちらかと言うとプロ向きのファイタータイプ。右ジャブで距離を測り,思い切った左ストレート,フックを打ち込む。パンチに威力があるが,大振りでバランスを崩しやすいことが欠点。打ち終わりを突かれた。

     主審:中村勝彦,副審:吉田和敏&福地勇治&浅尾和信
     ○伊藤:15戦14勝(6KO)1分     ●中野:10戦7勝(6KO)3敗
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                     2014年4月23日(水)    大阪城ホール
                       WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O     挑戦者(同級3位)
                ○   山中慎介   9回0分11秒   シュテファーヌ・ジャモエ   ●
                              (帝拳) 118 lbs                       (ベルギー) 117 1/4 lbs

 初回から山中のペースで進んだ。硬質な右ジャブから左ストレートをアゴ,ボディに散らす。左ストレートのボディブローで早くもジャモエの表情が変わる。
 2回,山中が最初のダウンを奪う。ジャモエの出足をボディへの左ストレートで止める。さらにタイミングの良い左ストレートがアゴを直撃。ジャモエはロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。終盤にも左ストレートで攻勢に出る山中。ジャモエは『打って来い』と挑発するが,山中の優位は動かない。
 3回以降はワンサイドゲームの様相を呈した。右目下を腫らしたジャモエは良く食い下がるが,山中の強烈なワンツーを受ける場面が目立つ。5回,ワンツーを打ち込まれてバランスを崩すジャモエ。ガードの上からのパンチにも関わらず,左ストレートでニュートラルコーナーに飛ばされる場面があった。
 6回開始早々の左ストレートで腰が落ちたジャモエはダウン寸前のピンチ。山中はプッシングで減点されるが,形勢には影響なし。ワンツーをボディに打ち込まれたジャモエはここでも後退した。
 8回序盤,左ストレートがボディに決まり,ロープ際まで飛ばされたジャモエは腰から落ちてダウン(カウント8)。終了間際,今度は左ストレートがアゴに決まり,ニュートラルコーナーで再び腰から落ちてダウン(カウント8)。
 9回,一方的な展開に終止符を打ったのは山中の左ストレートだった。開始早々,顔面へのフェイントの右ジャブから不意を打つような左ストレートをボディに一刺し。耐えていたジャモエだが,この一撃でたまらず仰向けに倒れ,この試合4度目のダウン。ここまでと見たアフー主審がノーカウントで試合をストップした。

 山中,盤石の横綱相撲で6度目の防衛。これで5連続KO防衛という快進撃である。まさに日本ボクシング界を牽引するエースの風格十分で,バンタム級最強であることを証明した。相手が警戒していても食ってしまう主武器の左ストレートはさらに切れと破壊力を増した。鋭く硬い右ジャブからボディ,アゴに見舞うワンツーで,タフなジャモエを弱らせた。右ジャブをフェイントに使って左を打ち込むうまさが光る。右フックの返しが加われば,相手にとってはさらに脅威が増すはず。このまま国内で防衛を重ねるのもいいが,本場ラスベガスでのビッグマッチに期待がかかる。自信に満ちて脂が乗った今がチャンスである。
 ベルギーに初の世界タイトルをと目論んだジャモエだが,一方的に打ちまくられて4度のダウンを喫した末の完敗となった。好戦的な右ファイタータイプで,左右フックの連打で果敢な攻撃を仕掛ける。非常にタフでしぶとく,気の強さも持ち合わせている。接近戦で打ち合いを望んでいただろうが,山中の左で出足を止められ,上下に散らされてダメージを蓄積した。

8回までの採点 山中 ジャモエ
主審:エクトル・アフー(パナマ) *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 79 69
副審:ティモシー・チータム(米国) 79 69
副審:ファン・カルロス・ペラヨ(メキシコ) 79 69
参考:MAOMIE 79 68


     ○山中:23戦21勝(16KO)2分
     ●ジャモエ:30戦25勝(15KO)5敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&西岡利晃
     実況:中野謙吾

※ 第6ラウンド,プッシングによって山中は減点1。

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                     2014年4月23日(水)    大阪城ホール
                     IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級13位)
               ○   キコ・マルチネス   7回1分20秒   長谷川穂積   ●
                            (スペイン) 121 1/4 lbs                      (真正) 122 lbs
                                                  WBO11位

 長谷川が好調な滑り出しを見せた。初回,左右フックで打ち合いを狙って前に出るマルチネス。長谷川は回り込みながら左ストレート,フックを上下に見舞う。
 しかし,2回,ロープを背にした長谷川に左フックから猛烈な勢いでラッシュするマルチネス。長谷川はロープを背負ったままムキになって反撃するが,左から右のフックで腰が落ちてダウン寸前。クリンチに出ようとするが,左右フックの追い打ちでロープ際に崩れ落ちてダウン(カウント8)。立ち上がった長谷川は打ち返すが,足に来ており,ピンチが続く。
 3回以降は長谷川が持ち直した。マルチネスはどんどん前に出るが,長谷川は左フック,ストレート,ボディへの左右アッパーで迎え撃つ。4回,長谷川はバッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受けるが,5回には動きながら良く見て左アッパー,ストレート,ボディへの左右フックを浴びせた。接近して連打したいマルチネスだが,思うように出られない展開が続く。
 6回,マルチネスはブレイク後にパンチを出して減点される。しかし,再開後に長谷川をロープに詰めたマルチネスが攻勢に出た。左右フックが効いて動きが鈍る長谷川。血が目に入った長谷川は連打に後退を余儀なくされ,苦しい展開になる。一方のマルチネスはそれまでの左右フックの連打に右ストレートを織り交ぜ,息を吹き返したかのように勢いを増した。
 7回,健闘する長谷川だが,破局を迎えた。セコンドのGOサインを受けたマルチネスは嵩にかかって攻め立てる。長谷川は良く打ち返すが,動きが鈍く,カウンターの左フックをアゴに食ってガックリと右膝をついてダウン(カウント8)。再開に応じたが,もはや精気がなく,左フックで両膝をついて2度目のダウン。ここでバード主審が試合をストップすると同時に,タオルが投入された。

 健闘した長谷川だが,最後は連打を浴びて沈み,3階級制覇の夢は潰えた。何よりも足が動かなかったことが響いたと言える。スピードが命のボクサーが晩年に足が動かなくなって仕方なく打ち合いに出るのはありがちなパターンだが,長谷川も例外ではなかった。それは肉体的な衰え以外の何物でもない。そのためマルチネスが最も得意とする打ち合いに巻き込まれてしまったことが敗因である。本来の動きの鋭さやスピードがあれば勝てる可能性があった相手だけに,惜しまれる。2回にダウンを奪われてから持ち直したが,全盛時の切れやスピードがなく,戦況を引っ繰り返すことはできなかった。
 マルチネスは2度目の防衛に成功。愚直なまでの左右フックの連打を得意とする典型的な右ファイタータイプ。ガードは固くなく,穴はある。長谷川のボディブローで動きが鈍る場面があったが,6回には左右フックの連打の中にストレート系のパンチを取り入れていたことが目立った。これが7回のフィニッシュにつながったと言える。

6回までの採点 マルチネス 長谷川
主審:ロバート・バード(米国) *** ***
副審:ヒューバート・アール(カナダ) 55 57
副審:ロバート・ホイル(米国) 56 56
副審:カルロス・オルチス(米国) 56 56
参考:MAOMIE 55 57


     ○マルチネス:35戦31勝(23KO)4敗
     ●長谷川:38戦33勝(15KO)5敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:鈴木 健

※ 第6ラウンド,ブレイク後の加撃によってマルチネスは減点1。

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                    2014年4月23日(水)    大阪城ホール
                              10回戦
                   WBA世界ライト級5位          メキシコ ライト級(ノーランク)
                ○   粟生隆寛    判 定    マルコ・アントニオ・ロペス   ●
                               (帝拳) 137 lbs                      (メキシコ) 136 1/4 lbs
                    WBC5位,WBO8位,IBF8位

 左の粟生,右のロペス。粟生は鋭い右ジャブを突きながら前に出て,左ストレートをボディ,顔面に見舞う。
 2回,粟生は右ジャブ,ワンツーを上下に打ち分け,右フック,左アッパーをボディに。ガードが固いロペスだが,腹回りの弛みは隠せない。4回,粟生は左ストレートのボディブローからすかさず位置取りを左に変え,右アッパーからの左ストレートを打ち込む。
 6回,バッティングで右目上をカットした粟生はドクターチェックを受ける。ロペスをロープに詰めた粟生は右フックのボディブロー。さらにワンツーでのけぞらせて攻勢に出る。
 7・8回,粟生は手数でリードしているが,決め手に欠ける。9回には逆にロペスの左右フックを許した。10回にもロペスの左から右のフックが飛んでくる。

 3階級制覇を狙う粟生。しぶといロペスを相手にに3−0の判定勝ちとなったが,決め手に乏しく精彩を欠く試合内容だった。ワンツー,ボディへの左右フックで終始押していたが,力みが前面に出てしまい,見た目ほどの威力が感じられなかった。世界を狙うには物足りない。
 ロペスは右ファイタータイプで左右フックを得意としている。手数で粟生にリードを許したが,ガードの固さが目立った。その上タフなので,相手にとってはやりにくい。

採点結果 粟生 ロペス
主審:川上 淳 *** ***
副審:野田昌宏 98 94
副審:原田武夫 96 95
副審:宮崎久利 99 91
参考:MAOMIE 97 93


     ○粟生:30戦26勝(12KO)3敗1分
     ●ロペス:27戦23勝(14KO)4敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重 聡

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                        2014年4月23日(水)    大阪城ホール
                                 6回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)  T   K  O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
                ○   中澤 奨     1回1分03秒    ペッチナクルア・トーナッタサク   ●
                           (大阪帝拳) 121 3/4 lbs                             (タイ) 120 lbs

 初回,中澤が鋭い左ジャブを飛ばして早くもプレスをかける。細身のペッチナクルアは動きがぎこちない。相打ち気味の左フックがアゴに決まり,ペッチナクルアはロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がりかけたが,朦朧としており,新井主審はカウントの途中で試合をストップした。

 興国高(大阪)→東京農大で102戦92勝(45KO・RSC)10敗というアマ戦績を残している中澤がプロ入り3連続KO勝利をマークした。鋭い左ジャブから右ストレート,左フックという決め手を持っている右ボクサーファイター。攻めの姿勢が非常に良く,パンチ力も十分。ただし,ここまでは格下の相手が続いており,もう少し対戦相手のレベルを上げなければ,今後を占うのは時期尚早である。
 ペッチナクルアは右ボクサーファイターで右ストレートを武器としているが,ガードが甘く,動きもぎこちない。中澤とは大きな対格差があった。

     主審:新井久雄,副審:北村信行&半田隆基&原田武夫
     ○中澤:3戦3勝(3KO)     ●ペッチナクルア:15戦8勝(2KO)6敗2分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:本野大輔

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                      2014年4月30日(水)    後楽園ホール
                             ノンタイトル8回戦
                   日本ヘビー級チャンピオン          日本ミドル級2位
                ○   藤本京太郎    判 定    石田順裕   ●
                             (角海老宝石) 232 3/4 lbs             (グリーンツダ) 206 1/2 lbs

 初回,ともに左ジャブから立ち上がる。藤本は右ストレートからボディに左アッパーを。石田は前に出てワンツー。両者ともに動きは悪くない。
 先に主導権を握ったのは石田。2回,積極的に前に出て,タイミングの良い左ジャブをヒット。一方の藤本には力みが見られる。3回中盤,石田の右ストレートがカウンターになり,藤本が大きくバランスを崩す場面があった。石田は左ジャブをしっかり突いてリズムを掴む。
 5回,今度は藤本の右ストレートが決まる。ここで攻めたい藤本だが,今一歩の詰めを欠いた。6・7回,前に出る石田に対し,藤本はワンツー,左右フックを細かく浴びせる。
 8回,積極的にワンツーを放って前に出る藤本。しかし,後半は石田が右ストレート,左フックで優勢。

 日本人同士のヘビー級の試合にしては,ともにスピードがあり,終始キビキビとした動きが続く好ファイトになった。藤本は右ストレート,左右フックを武器とする右ファイタータイプ。得意の打ち合いに持ち込みたいところだったが,石田のカウンターを警戒してか,思い切った攻撃が見られなかった。中盤以降にようやく積極的に攻めて勝利を呼び込んだが,やや不本意な試合内容である。
 石田は本来のミドル級から20kgも増量して臨んだヘビー級転向第一戦。その割に動きが良く,スピードも損なわれていなかったのは立派。計画的に体づくりをした成果だろう。特に左ジャブ,ストレートで藤本を苦しめた。

採点結果 藤本 石田
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 77 75
副審:土屋末広 77 75
副審:安部和夫 77 76
参考:MAOMIE 77 76


     ○藤本:10戦9勝(5KO)1敗
     ●石田:37戦25勝(10KO)10敗2分

     放送:TBS
     解説:佐藤 修
     実況:杉山真也

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