熱戦譜〜2014年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2014.03.01  東洋太平洋&日本ミドル級
 王座統一12回戦
 柴田明雄  判定  中川大資
2014.03.01 8回戦  西田 光  判定  淵上 誠
2014.03.01 8回戦  尾川堅一  KO2R  ヨン・アーメッド
2014.03.01 8回戦  小野 心  5R負傷判定  須田拓弥
2014.03.03  IBF女子世界ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 柴田直子  判定  グアダルペ・マルチネス
2014.03.03  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  TKO9R  アンゴー・ワンソンチャイジム
2014.03.03  WBA女子世界ライトミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 宮尾綾香  KO5R  ブアンゲルン・ワンソンチャイジム
2014.03.08 10回戦  ホルヘ・リナレス  判定  荒川仁人
2014.03.11  東洋太平洋スーパーウェルター級
 王座決定12回戦
 下川原雄大  引き分け  沼田康司  
10 2014.03.11  女子東洋太平洋ミニフライ級
 王座決定8回戦
 花形冴美  TKO5R  西村聡美
11 2014.03.11 8回戦  コブラ諏訪  KO1R  チョークチャラーム・ウォースラポン
12 2014.03.11 8回戦  福本祥馬  TKO3R  安 京俊
13 2014.03.25  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 岩佐亮佑  判定  リチャード・プミクピック
14 2014.03.25 10回戦  赤穂 亮  KO2R  リチャード・ガルシア
15 2014.03.25 8回戦  横山大輔  引き分け  高橋謙太
16 2014.03.26  WBA世界スーパーフライ級
 王座決定12回戦
 河野公平  KO8R  デンカオセーン・カオウィチット

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                      2014年3月1日(土)    後楽園ホール
                   東洋太平洋&日本ミドル級王座統一12回戦
                東洋太平洋ミドル級チャンピオン     日本ミドル級チャンピオン
                ○   柴田明雄    判 定    中川大資   ●
                               (ワタナベ) 160 lbs                 (帝拳) 160 lbs
                                     WBO14位

 柴田が初回から足を使って左右に動き,左ジャブ,ワンツーからボディに左アッパーを放つ。中川はプレスをかけて接近を試みるが,2分過ぎには柴田の右クロスで一瞬腰が落ちた。
 中川の動きに硬さが見られるが,4回には右ストレートで柴田の動きが止まる場面があった。その直後,再び中川の右ストレートが決まる。柴田は警戒を強めて足を使うが,終了間際に右ストレートを返した。
 5回以降は柴田のペースで進んだ。足を使って中川の接近をかわし,出バナに上下への左ジャブを浴びせる。7回終盤にも柴田の右ストレートがカウンターになった。
 9回は劣勢の中川にとって最大の見せ場になった。右ストレートをヒットしたところからピッチを上げる中川。さらに右ストレート,左右フックをまとめて攻勢に出れば,柴田は口が開いて苦しげな表情を浮かべる。
 しかし,中川の粘りもここまで。10回以降は息を吹き返した柴田が再び自分の距離を保った。中川は前に出るが,足でかわされ,左ジャブ,右ストレートを返された。

 柴田が東洋太平洋タイトルの初防衛に成功するとともに,中川が保持する日本タイトルを吸収した。打ち合うとうるさい中川をフットワークと左ジャブ,ワンツーで徹頭徹尾かわしたことが勝因。タイミングのいい右ストレートが再三ヒットしていた。9回に打ち合いに持ち込まれてピンチに陥ったが,後続を封じたことが奏功した。終始自分の距離を保ったことが好結果を生んだと言える。
 中川は昨年8月に胡朋宏(横浜光)を7回KOで降して奪った日本タイトルの初防衛に失敗し,引退を表明。ウェルター級,スーパーウェルター級,ミドル級と3階級制覇を達成した右ファイタータイプで,尻上がりに調子を上げて後半に強味を発揮する。プレスをかけ続けたが,柴田の足に追随できず,出バナにタイミングのいいパンチを返された。9回に柴田を追い込んだのが唯一の見せ場。右ストレートからの連打をまとめて柴田をピンチに追い込んだが,もっともっと前半から強引に攻めるべきだった。

採点結果 柴田 中川
主審:杉山利夫 *** ***
副審:土屋末広 117 111
副審:安部和夫 116 113
副審:ビニー・マーチン 115 113
参考:MAOMIE 118 111


     ○柴田:31戦22勝(9KO)8敗1分
     ●中川:28戦22勝(17KO)4敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:上重聡

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                     2014年3月1日(土)    後楽園ホール
                            8回戦
                   日本ミドル級5位       日本ミドル級4位
                ○   西田 光   判 定   淵上 誠   ●
                            (川崎新田) 160 lbs        (八王子中屋) 159 1/2 lbs

 左の淵上,右の西田。初回,西田がクラウチングスタイルから右ストレート,左右フックを放ってどんどん前に出る。後半は淵上が変則的な動きで下がりながらかわし,左ストレート,アッパー,右フックを上下に放ってアウトボクシングを見せた。
 西田が執拗に前進し,淵上がノラリクラリとかわしながら手数を多くして応戦する展開が続いた。4回,西田は体を預けるように接近して上下に左右フックを連打。5回には右ストレートで淵上がのけぞる場面があった。西田はさらに左フックを浴びせる。
 6回,疲れが見られる淵上はボディブローが効いて動きが鈍る。西田の右ストレートが決まる。
 7回,西田にも疲れが出るが,よく前に出ている。8回,両者ともに目一杯だが,執拗に前に出て押し込んでいる西田の方が分がいい。淵上は手数こそ出ているが,ロープを背負っているので,見栄えが悪い。終盤,拍子木を終了ゴングと勘違いした西田が動きを止め,淵上の左ストレートを受ける場面があった。

 上り調子の新鋭・西田が元王者・淵上を破る金星。氏家福太郎(新日本木村),飛天かずひこ(野口),中堀剛(本多)という上位クラスを連覇した上,淵上をも降して波に乗っている。典型的な右ファイタータイプで,ベタ足ながら体を預けるようにして右ストレート,左右フックを見舞う。淵上の手数に手を焼く場面もあったが,執拗な攻撃で食い下がったことが勝因。
 淵上は昨年5月に柴田明雄(ワタナベ)に敗れて以来の再起戦だったが,若い西田に足元を掬われる形となった。下がりながら左ストレート,アッパー,右フックを上下に浴びせていたが,見栄えが悪かった。もう少し右ジャブ,フックからの左ストレートを当てて,西田の前進を止める工夫が欲しかった。簡単に接近を許したことが響いた。

採点結果 西田 淵上
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 77 76
副審:安部和夫 78 75
副審:ウクリッド・サラサス 77 75
参考:MAOMIE 77 75


     ○西田:17戦10勝(3KO)6敗1分
     ●淵上:29戦20勝(11KO)9敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                          2014年3月1日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                日本S・フェザー級(ノーランク)  K      O  インドネシアS・フェザー級4位
                ○   尾川堅一     2回1分00秒     ヨン・アーメッド   ●
                              (帝拳) 132 lbs                          (インドネシア) 128 1/2 lbs

 初回,体格差を利してプレスをかける尾川。下がらされているヨン。かなり尾川の強打を警戒し,早くも腰が引けている。
 2回,尾川がプレスを強め,鋭い左ジャブから右ストレートをボディに。ヨンは完全に逃げ腰だ。ニュートラルコーナーに追って左ジャブから右フックをテンプルに一撃。これでヨンは大の字に沈み,カウントアウトされた。

 初めて外国人を相手にした尾川だが,全く問題にしない圧勝。パンチ力に絶対の自信を持っており,再ランクインは有望。鋭い左ジャブから放つ右ストレート,左フックは強烈で,ボディブローがさらに決め手を多彩なものにしている。今夜の相手では物足りない。強打者だけにマッチメイクが難しいが,思い切ったカードを組んでも面白いだろう。
 アーメッドは右ボクサーファイター。インドネシアの4位という肩書だが,最初から逃げ腰で勝負は見えていた。

     主審:土屋末広,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&ウクリッド・サラサス
     ○尾川:12戦11勝(9KO)1敗     ●アーメッド:17戦10勝(6KO)5敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

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                       2014年3月1日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                 WBC世界L・フライ級5位   負 傷 判 定   日本L・フライ級(ノーランク)
                ○   小野 心     5回1分52秒    須田拓弥   ●
                             (ワタナベ) 108 lbs                        (沼田) 108 lbs
                WBA12位,WBO5位,IBF14位                須田拓弥=すだ・たくみ

 左の小野,右の須田。初回,ともにジャブで牽制しながらチャンスを窺う。遠目の距離を保つ小野がサウスポースタイルからのワンツーを伸ばす。
 2回,小野の左ストレートが再三ヒット。終盤には同じパンチで須田がのけぞる。3回,バッティングで須田が右目上,小野が額をカットし,相次いでドクターチェックを受ける。負傷判定を意識した両者のピッチが上がった。須田が右を振って攻め込むところに,小野の左ストレートが決まる。左ストレートを受けた須田の足元がふらつく。
 4回,須田の気合いが空回りする。攻め込んだ勢いで,ロープの間からあわや転落という場面があった。小野は冷静に右ジャブから上下に左ストレートを散らしてリードを保った。
 5回,小野の左ストレート,フックが再三ヒット。1分過ぎ,左ストレートが決まり,顔をしかめて後退する須田。小野,攻勢。ここで須田の右目上の傷が深くなり,再びドクターチェック。結局これが続行不能とされ,試合がストップされた。

 前OPBF王者の小野が地力の差を見せた。サウスポーのボクサーファイターで,スピードに乗った左ストレートを得意としている。フットワークを絡めた攻撃が身上。カウンターにいいものがあり,須田の右の打ち終わりに巧みに合わせていた。目と勘の良さが光る一方で,左一本槍のところが難点。右ジャブ,フックを絡めることができれば,攻撃力が増すはず。
 3年ぶりのリング復帰となった須田だが,再起戦を飾れなかった。右ファイタータイプで右ストレート,左フックを得意としている。気合いが空回りし,パンチに正確さを欠いた。

5回までの採点 小野 須田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:ビニー・マーチン 50 45
副審:杉山利夫 50 45
副審:土屋末広 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○小野:24戦17勝(2KO)5敗2分
     ●須田:22戦10勝(2KO)10敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:安藤翔

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                      2014年3月3日(月)    後楽園ホール
                    IBF女子世界ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級11位)
               ○   柴田直子   判 定   グアダルペ・マルチネス   ●
                           (ワールドスポーツ) 108 lbs              (メキシコ) 106 1/4 lbs
             WBA女子ミニマム級3位,WBC女子L・フライ級6位

 柴田が軽快なフットワークから左ジャブ,ワンツーを放ってリードを奪う。マルチネスは執拗に前進して左右フックでボディを狙うが,スピードがない。
 3回,マルチネスの力量を読んだ柴田は自ら前に出て左右フックでプレスをかける。5回にはニュートラルコーナー付近のロープに詰めて攻勢。6回にもリング中央で足を止め,左右フックから右アッパーを見舞う。
 7回終盤,右ストレートがカウンターになり,マルチネスがバランスを崩す場面があった。8回,柴田は左に回りながら踏み込んで左ジャブ,ストレート。これがマルチネスの出バナに小気味良く決まった。
 9回,カウンターの右ストレートでぐらつかせたところから一気に攻勢に出る柴田。10回,柴田は足を使いながら踏み込んで左ジャブ,ストレートを見舞う。終盤には左右フックで攻勢に出る。

 スピードの差を見せつけた柴田が大差の判定勝ちで初防衛を飾った。左右に軽快に動いてマルチネスの前進をかわし,踏み込んで出バナに左ジャブ,ストレートを決めた。最後まで動きを止めずに戦ったことが勝因。マルチネスのスピード不足を読んだ後半は自ら前に出て連打で押し込んだ。
 マルチネスは右ファイタータイプ。フットワークは重いが,執拗な右ストレート,左右フックの連打で迫る。しかし,スピードの面で柴田に遠く及ばなかった。パンチを打つときにアゴが出て,正確さに欠けることが目立った。

採点結果 柴田 マルチネス
主審:島川威 *** ***
副審:ソムサック・シリアナント(タイ) 98 92
副審:サノング・アウムイム(タイ) 99 91
副審:金乗基(韓国) 98 93
参考:MAOMIE 99 91


     ○柴田:15戦12勝(3KO)3敗
     ●マルチネス:12戦6勝(3KO)6敗

     放送:スカイA
     解説:渋谷 淳     ゲスト:藤岡奈穂子
     実況:桑原 学

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                         2014年3月3日(月)    後楽園ホール
                       WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   T   K  O     挑戦者(同級10位)
                ○   小関 桃   9回1分43秒   アンゴー・ワンソンチャイジム   ●
                              (青木) 101 3/4 lbs                        (タイ) 100 3/4 lbs

 左の小関,右のアンゴー。小関は小刻みに右ジャブを出しながら間合いを詰める。2回,左ストレートのボディブローから左右フックで攻め込む小関。終盤には連打でアンゴーをロープ,赤コーナーに追う。
 4回,小関の左右アッパーが回転する。アンゴーはクリンチ,ホールドで逃れる。
 6回,セコンドのGOサインを受けた小関がピッチを上げる。ワンツー,左右フックを上下に打ち分けてプレスを強めれば,アンゴーは防戦一方に陥った。7・8回にも小関の攻勢が目立った。
 9回,小関が攻勢をさらに加速させる。アンゴーはホールドで逃れるのがやっとの状態。防戦一方のアンゴーをニュートラルコーナーに詰め,左ストレート,左右アッパーの連打を浴びせたところで福地主審が割って入った。

 小関は13度目の防衛に成功。立ち上がりから連打で圧倒し,序盤からワンサイドゲームとなった。上下への打ち分けが良かった。サウスポーのボクサーファイター。パンチ力はないが,間断ない連打を身上としている。
 表情にあどけなさを残すアンゴーはわずか17歳という右ボクサーファイターで,ワンツーを得意としている。小関の手数に押され,序盤から後退を余儀なくされた。特に後半はホールドで逃れる場面が目立った。

8回までの採点 小関 アンゴー
主審:福地勇治 *** ***
副審:申 京下(韓国) 80 72
副審:安部和夫 80 72
副審:宮崎久利 80 72
参考:MAOMIE 80 72


     ○小関:16戦15勝(5KO)1分
     ●アンゴー:6戦5勝(3KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:宮田有理子     ゲスト:藤岡奈穂子
     実況:桑原 学

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                          2014年3月3日(月)    後楽園ホール
                      WBA女子世界ライトミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     K      O      挑戦者(同級10位)
                ○   宮尾綾香   5回1分30秒   ブアンゲルン・ワンソンチャイジム   ●
                              (大橋) 102 lbs                           (タイ) 102 lbs
                      WBC女子アトム級1位

 宮尾が初回から小刻みな動きから左ジャブを放ち,右ストレートをボディに。さらに終了間際,右フックをヒットする。
 3回,ブアンゲルンは意欲的な攻撃を展開する宮尾のスピードに対応できない。4回,宮尾は赤コーナーにブアンゲルンを詰め,攻勢を仕掛ける。
 5回,右ストレート,左フックでプレスを強める宮尾。青コーナーに詰めて一気に攻勢。クリンチに出ようとするところをふりほどいて左右フックを浴びせれば,ブアンゲルンは青コーナーにしゃがみ込んでダウン。立ち上がったが,ロープに手をかけたまま戦意を失ったような表情でカウントアウトされた。

 宮尾が4度目の防衛をKOで飾った。スピード,パワーの両面で上回り,終始圧倒した。積極的な攻めの姿勢がいい。アップライトスタイルからのワンツー,左フックを武器として,154cmの小柄に似合わぬダイナミックなボクシングを見せる。低迷する女子ボクシング界を担うだけの素質を持っている。
 ブアンゲルンは右ボクサーファイター。長身でリーチに恵まれており,ワンツーを得意としている。しかし,宮尾のスピードについていけず,完敗。

     主審:ビニー・マーチン,副審:ブロムマセ・チャウシュラック(タイ)&島川威&原田武夫
     ○宮尾:14戦12勝(2KO)1敗     ●ブアンゲルン:15戦10勝(1KO)5敗1分
     放送:スカイA     解説:渋谷 淳     ゲスト:藤岡奈穂子     実況:河路直樹

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                2014年3月8日(土)    米国ネバダ州ラスベガス MGMグランド
                               10回戦
                   WBA世界ライト級2位         WBC世界ライト級2位
                ○   ホルヘ・リナレス    判 定    荒川仁人   ●
                              (帝拳) 134 1/2 lbs               (八王子中屋) 134 1/2 lbs
                     WBC5位,WBO5位

 右のリナレス,左の荒川。初回からリナレスが主導権を握った。速射砲のような左ジャブ,フック,右ストレートを放ち,手数で上回る。荒川も上体が良く振れて動きはいい。
 2・3・4回,強気を崩さずに前に出る荒川に対し,リナレスは目にも止まらぬ素早いコンビネーションブローでリードする。ときおり放つ左アッパーで荒川のアゴが上がる場面が見られた。
 5回,ボディへの連打からリナレスが見舞った左アッパーで荒川のアゴが跳ね上げられる。芯は外れていたが,まともに当たっていればKOという凄まじいパンチだった。
 6回,劣勢の荒川は距離を詰めて左右フック,アッパーで迫る。凄い根性だ。
 しかし,リナレスの優位は変わらない。7回中盤,速いコンビネーションブローからのワンツーで荒川の腰が落ちる。荒川は構わず前に出るが,リナレスのスピーディなパンチが飛ぶ。8回中盤にはリナレスが左アッパー,右ストレートの連打で荒川をロープ際に追う。左アッパーで荒川のアゴが上がった。
 9回,リナレスの右ストレートで上体のバランスが崩れる荒川。右目上の腫れと出血にもめげず執拗に前進するが,さすがにスピードが落ちている。
 10回,ゴングと同時にリナレスのコーナーに向かってダッシュする荒川。左右フックで攻勢。しかし,逆にリナレスのボディブロー,右ストレートを浴びる。それでも荒川は最後まで前に出続けた。

 日本のジムに所属する両者が本場ラスベガスのリングでグラブを交える話題の一戦。しかも,本場・米国の有料放送ペイ・パー・ビューで流れるというオマケ付き。ある意味で歴史的な試合と言える。
 大差の判定で荒川を退けたリナレス。果敢に出る荒川に対し,スピード十分の左右アッパー,ワンツーを浴びせた。スピードと連打のバリエーションは相変わらず。特にアゴへの左アッパーは何度も荒川のアゴを跳ね上げた。その反面,荒川が狙う接近戦に応じる場面が多かった。足と左ジャブ,ワンツーで突き放すボクシングに徹すれば,もう少し楽に戦えたはず。リナレスにはポイント差ほどの余裕はなかったように見えた。
 荒川はワンサイドゲームで敗れたが,その実力が十分に世界に通じることを証明した。荒川でなければ序盤で倒されていただろう。ときおり見せた左右フックから左ストレートの連打はリナレスを脅かすだけの迫力があった。終盤はダメージと疲労でスピードが鈍り,攻撃が雑になったことが悔やまれる。

採点結果 リナレス 荒川
主審:ロバート・バード(米国) *** ***
副審:ティム・チータム(米国) 100 90
副審:ディック・ホック(米国) 98 92
副審:ウィリアム・ラーチ(米国) 100 90
参考:MAOMIE 99 91


     ○リナレス:39戦36勝(23KO)3敗
     ●荒川:29戦24勝(16KO)4敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:長谷川穂積&山中慎介
     実況:高柳謙一     アシスタント:山藤美智

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                      2014年3月11日(火)    後楽園ホール
                    東洋太平洋スーパーウェルター級王座決定12回戦
                 東洋太平洋S・ウェルター級8位      東洋太平洋S・ウェルター級3位
                ×   下川原雄大    引き分け    沼田康司   ×
                              (角海老宝石) 153 3/4 lbs                 (トクホン真闘) 153 lbs
                 下川原雄大=しもがわら・たけひろ

 アウトボクシングの下川原,インファイトの沼田という対照的な両者の対戦とあって,初回から激しい主導権争いが展開された。先手を取ったのは下川原。足を使いながら左ジャブ,ワンツーを多用し,自分の距離を保つセオリー通りの試合運びで序盤をリードした。3回,思惑通りに戦えない沼田が首をかしげる場面が見られた。
 4回,沼田はボディブローを交えて攻め込み,下川原をロープに詰める。ダラリとガードを下げ,自らロープ際に下がって誘う沼田。終了間際にはニュートラルコーナーに詰めて左右フックを浴びせた。
 5回は再び下川原が左に回って左ジャブを多用し,優位に立った。沼田は鼻をカット(下川原の有効打による傷)。6回にも下川原が左ジャブ,ワンツーで出バナを叩き,自分の距離を保つ。ジャブを食い過ぎる沼田。これを何とかしないと勝機は見出せない。
 前半は下川原がリードしたが,ここから沼田がしぶとさの真骨頂を見せた。7回,左右フック,アッパーを振って攻め込む沼田。8回には両者の距離が詰まった。中盤,左アッパーのボディブローに次ぐカウンターの右ストレートが決まり,下川原がぐらつく。終盤にも左右フックでロープに詰めて攻勢に出る沼田。
 10回,下川原はかなり疲れが出て動きが鈍る。沼田は左フック,右ストレートをヒットし,自分のペースに引きずり込んだ。11回,かなり苦しくなる下川原。沼田はここでも右ストレートのカウンターで下川原をぐらつかせた。
 12回,スタミナが切れた下川原は足が止まり,打ち合わざるを得ない状況に追い込まれた。乱打戦は沼田の思うツボ。沼田は最後まで左右フックの連打で追い上げた。

 激しい応酬の末に三者三様の採点で決着がつかず,王座は空位のままとなった。前半は下川原が優位,後半は沼田が激しく追い上げるという展開。
 下川原は右ボクサータイプ。フットワークがあり,左ジャブ,ワンツーを主体にスピードを生かしたアウトボクシングを得意としている。前半はこの左ジャブを多用して出バナを叩き,完全に主導権を握っていた。しかし,疲れが出た中盤以降は足が止まり,沼田の追い上げを許した。勝てた試合を落としたという印象が強い。
 相変わらずのしぶとさを見せた沼田。曲者の面目躍如である。右ファイタータイプで,やや変則的なところがある。左右フックに一発があり,後半戦の強さは相手にとって心理的な脅威となっている。前半は下川原のアウトボクシングに苦しんだが,もう少し早くからボディブローを取り入れて足を止めたかったところ。それでも終盤の追い上げは見事。下川原とは試合数こそ同じ30戦目だが,やはりキャリアの中味の濃さで上回っていた。

採点結果 下川原 沼田
主審:土屋末広 *** ***
副審:浅尾和信 114 114
副審:福地勇治 115 113
副審:葛城明彦 113 115
参考:MAOMIE 114 114


     ×下川原:30戦19勝(6KO)8敗3分
     ×沼田:30戦21勝(16KO)7敗2分

     放送:スカイA
     解説:本間 暁&宮田有理子
     実況:西 達彦

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                     2014年3月11日(火)    後楽園ホール
                     女子東洋太平洋ミニフライ級王座決定8回戦
               女子東洋太平洋ミニフライ級1位  T   K  O  女子東洋太平洋ミニフライ級5位
                ○   花形冴美     5回1分23秒     西村聡美   ●
                             (花形) 104 3/4 lbs                          (折尾) 104 1/2 lbs
          WBA女子L・ミニマム級13位,WBC女子アトム級5位          WBA女子ミニマム級14位

 初回,上背で勝る西村が足を使って自分の距離を保ち,右ストレート,さらに右フックからボディに左アッパーを放つ。花形は打ち合いを狙ってロープに押し込むが,クリーンヒットは奪えない。
 しかし,2回以降は地力で上回る花形が主導権を握った。西村をロープに詰め,左右フックで攻勢に出る。花形のカウンターの左フックが決まる。右フックもヒット。3回には花形の表情に余裕が出た。西村は自分の距離が保てなくなり,4回には口が開いて苦しそうな表情に変わった。
 5回,スタミナが切れたのか,足が動かなくなる西村。こうなると花形が最も得意とする展開だ。花形がプレスを強める。ワンツー,左フックを浴びせたところで,飯田主審が割って入った。

 花形が3度目の挑戦で念願のタイトルを獲得した。右ファイタータイプで左右フックを得意としている。気合いが空回りした面はあるが,2回以降に得意の打ち合いに引きずり込んだことが勝因。その一方で,パンチに正確さを欠くところが今後の課題である。
 西村は右ボクサータイプ。フットワークを使って動きながら放つワンツー,右フックを得意としている。初回こそ自分の距離を保ってロングレンジからのパンチでリードしたが,徐々に花形のペースに嵌ってしまった。3回以降はスタミナが切れてしまい,足が動かなくなって捉まった。アウトボクシングにいいものを持っているので,スタミナの強化が課題。

4回までの採点 花形 西村
主審:飯田徹也 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 39 37
副審:浅尾和信 39 37
副審:土屋末広 39 37
参考:MAOMIE 39 37


     ○花形:15戦9勝(4KO)4敗2分
     ●西村:7戦6勝(1KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:本間暁&宮田有理子
     実況:四家秀治

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                       2014年3月11日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本S・ウェルター級10位   K      O     タイ国ウェルター級(ノーランク)
                ○   コブラ諏訪    1回2分35秒   チョークチャラーム・ウォースラポン   ●
                           (ピューマ渡久地) 153 3/4 lbs                          (タイ) 146 1/2 lbs

 接近して重い左右フックでボディを叩く諏訪。チョークチャラームも諏訪のアゴに右ストレートをひとつ見舞う。構わずボディブローで迫る諏訪。ニュートラルコーナーで左右フックのボディブローからテンプルに右フックが決まり,チョークチャラームは仰向けにダウン(カウント8)。何とか立ち上がったものの,諏訪が攻勢を仕掛ける。左右のボディ連打から最後は左アッパーをボディに打ち込まれ,チョークチャラームは再び仰向けにダウン。これは立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 ウェルター級で東洋太平洋,日本のタイトルに挑戦していずれも敗れた諏訪が再起戦を豪快なKOで飾った。右ファイタータイプで,ガッシリとした体躯から放つ左右フックにパンチ力がある。その一方でスピード不足が目立つ。相手の右ストレートをもらう場面もあった。希望するタイトル再挑戦に向けては最優先で克服すべき課題である。ウェイト差が大きい格下相手だけに,今夜の試合は参考にならない。
 チョークチャラームは右ボクサーファイター。ときおり右ストレートをヒットしていたが,スピードはなく,ボディを打たれて呆気なく沈んだ。不甲斐なさばかりが目についた。

     主審:葛城明彦,副審:ウクリッド・サラサス&土屋末広&飯田徹也
     ○諏訪:26戦13勝(6KO)11敗2分     ●チョークチャラーム:17戦9勝(5KO)7敗1分
     放送:スカイA     解説:宮田有理子     実況:四家秀治

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                        2014年3月11日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本ミドル級(ノーランク)  T   K  O  韓国ミドル級チャンピオン
                ○   福本祥馬    3回1分51秒    安 京俊   ●
                           (八王子中屋) 160 1/2 lbs                     (韓国) 160 1/2 lbs

 初回から強打者同士のスリリングな打撃戦となった。思い切りのいい安の攻撃が目立つ。右から左のフックに次ぐ右ストレートでぐらついた福本は守勢に回る。連打からの右フックを受け,福本は脆くも右膝をついてダウン(カウント8)。矢継ぎ早の左右フックで迫る安。福本は上体が立ち,ピンチが続いた。
 2回,今度は福本がお返しのダウンを奪った。右ストレートでガクンと腰が落ちる安。福本は一気に攻勢。大きく腰が砕けた安はロープに詰まる。ロープがなければダウンしていたと見た福地主審がここでスタンディングカウントを取った(カウント8)。ダメージを残している安はクリンチに出る。逆に安の左フックで福本が足に来てしまい,予断を許さぬ展開が続いた。
 3回,強打の応酬が続く。福本の左フック,右ストレートでクリンチに出る安。福本は左右のボディブローを連打。安はこれが効いて口が開き,苦しくなる。福本も膝が硬く,上体が立ってしまう。鼻血を流す安をロープに詰めて攻め立てる福本。カウンターの右ストレートで安のアゴが上がったところで福地主審が試合をストップした。

 福本はアマチュアで習志野高→東洋大というコースを歩み,高校5冠に輝いている。右ファイタータイプで左フック,右ストレートに威力を秘める。その反面,膝の動きが硬く,上体が立ったまま相手の正面に立ってしまうという欠点がある。打たれ強いわけではないので,アゴのガードの甘さは致命傷になりかねない。相手のパンチの標的になりやすく,何度も危ない場面があった。
 安は右ファイタータイプ。韓流スターを思わせる顔立ちだが,強打を武器に好戦的なスタイルで迫る。矢継ぎ早の左右フックが武器。ボディを打たれてスローダウンした。

     主審:福地勇治,副審:ウクリッド・サラサス&土屋末広&葛城明彦
     ○福本:4戦3勝(3KO)1敗     ●安:10戦6勝(5KO)3敗1分
     放送:スカイA     解説:本間 暁     実況:西 達彦

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                      2014年3月25日(火)    後楽園ホール
                     東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○   岩佐亮佑   判 定   リチャード・プミクピック   ●
                            (セレス) 117 3/4 lbs                    (比国) 117 lbs
                 WBC1位,WBO4位,IBF10位

 序盤から岩佐が右ジャブで牽制しながら,積極的な攻撃を見せた。軽いワンツー,ボディへの左アッパーを多く出す。2回には早くもプミクピックが左目上をカット(岩佐の有効打による傷)。岩佐の右ジャブから左ストレートが良く伸びる。さらにタイミングのいい右アッパーがヒット。
 プミクピックは左右フックで強引に攻め込むが,5回,岩佐が放った左アッパーのカウンターがアゴに決まる。岩佐はニュートラルコーナーに詰めてワンツーの連打を浴びせた。
 6回にも岩佐の左アッパーがアゴに決まる。芯を捉えていれば,KOもあり得るカウンターだった。岩佐は再びニュートラルコーナーに詰めて緩いワンツーのショート連打を浴びせるが,プミクピックは構わず突進を続けた。
 8回,プミクピックの思い切った右ストレートがヒット。ポイントではリードされているが,パンチはまだ生きている。
 リードしていた岩佐だが,終盤にもたつきを見せた。10回,強引な突進を繰り返すプミクピックに対し,岩佐はクリンチが目立つ。しきりにホール内の時計に目を遣り,残り時間を気にする岩佐。11回にもクリンチに出て弱気な面が見られた。
 12回終盤,岩佐は左ストレートのカウンターをヒット。さらに再び左ストレートを決める。それでもプミクピックは最後までしぶとさを見せた。

 岩佐は初防衛に成功。しぶとくタフなプミクピックに手を焼き,やや精彩を欠いた。前半は力みのないワンツーを多用して積極的にリードした。プミクピックが出でくるところに突き上げる左アッパーのカウンターが効果的。しかし,それでも突進を止められず,ワイルドな右ストレート,フックを許す場面が見られた。終盤には自らクリンチに出て残り時間を気にするなど,集中力を欠く場面もあった。世界を狙うには物足りない試合内容である。
 プミックピックは右ファイタータイプ。がっしりした体躯から思い切った左右フックを振って突進し,岩佐を苦しめた。しかし,終盤は打ち疲れが出て,右の大振りに頼る場面が目立った。

採点結果 岩佐 プミクピック
主審:安部和夫 *** ***
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 114 114
副審:杉山利夫 116 112
副審:福地勇治 116 113
参考:MAOMIE 116 112


     ○岩佐:18戦17勝(10KO)1敗
     ●プミクピック:20戦13勝(4KO)6敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:佐藤義朗

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                        2014年3月25日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                 WBC世界S・フライ級6位   K      O    比国バンタム級14位
                ○   赤穂 亮     2回2分23秒    リチャード・ガルシア   ●
                             (横浜光) 117 lbs                              (比国) 117 lbs

 初回,思わぬ波乱が起きた。赤穂は左フックをヒットするが,逆にガルシアがワンツーを返す。スムーズでタイミング抜群のカウンターをアゴに受けた赤穂は呆気なく尻餅をつき,不覚のダウン(カウント8)。デビュー以来初めてカウントを聞かされた赤穂は左アッパーのボディブロー,右フックで反撃に出る。
 2回,じりじりとプレスをかける赤穂。ガルシアは下がりながらカウンターのチャンスを窺う。ガルシアをニュートラルコーナーに詰める赤穂。ここで右ストレートから返した左フックが決まり,ガルシアはニュートラルコーナーで崩れ落ちる。立ち上がったが,右目を痛めており,その場に再びしゃがみ込んでカウントアウトされた。

 世界再挑戦を狙う赤穂がガルシアをKOで退けた。不用意に間を空けたところにワンツーを返されて初のダウンを喫したが,冷静にプレスをかけたことが奏功した。軽量級離れしたパワーが売り物の右ファイタータイプだが,最近は冷静なところも垣間見られる。再挑戦に向けてはそれを生かすことが必要。簡単な相手ではないガルシアを沈めたことは自信になるはず。
 ガルシアは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックを得意としており,タイミングのいいパンチをスムーズに打つ。日本で一線級を相手に2勝(吉田拳畤,黒田雅之)1分(翁長吾央)という好成績を収めており,強豪である。パンチを当てる勘に優れている。ダウンを奪ったワンツーは赤穂が気を緩めた一瞬の隙に返した見事なワンツーだった。

     主審:土屋末広,副審:杉山利夫&葛城明彦&福地勇治
     ○赤穂:25戦22勝(15KO)1敗2分     ●ガルシア:44戦25勝(7KO)18敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&飯田覚士     実況:寺島淳司

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                      2014年3月25日(火)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本フェザー級7位         日本フェザー級(ノーランク)
                ×   横山大輔    引き分け    高橋謙太   ×
                           (ワールドスポーツ) 126 3/4 lbs                  (協栄) 127 lbs

 サウスポー同士の対戦。初回,ノーランカーの高橋が左フックを振って積極的に攻め込む。長身の横山は間合いを取り,左ストレートで応じる。バッティングで両者ともに前頭部をカットし,相次いでドクターチェックを受けた。
 2回,横山は接近戦でボディに右フック,左アッパーを打ち込む。さらに右ジャブからアゴに左アッパーを突き上げる。高橋が左フックをミスした隙を突き,左ストレートをヒットする横山。相手を良く見てパンチを放つ横山がリードした。
 しかし,ランキング入りを狙う高橋も譲らない。ともにガードを固め,頭をつけてパンチの応酬になる。横山は右にシフトして左ストレートをヒット。しかし,高橋は右フックのボディブローを打つ。終盤,高橋の左右フックが上回り,横山は鼻から出血した。
 5回,高橋は左右フックのボディブロー。横山は元気がない。終了間際,バッティングで右目上をカットした横山はドクターチェックを受ける。
 6回は高橋にとって最大の見せ場となった。中盤,左ストレート,左右フックで横山をロープに詰めて攻勢に出る。右フックに次ぐ左ストレートでぐらついた横山は再びロープを背負った。攻勢に出る高橋。
 7回,前のラウンドの劣勢で目が覚めたのか,横山は動きながら左ストレート,左右アッパーを見舞う。しかし,決定的な流れを作ることができなかった。8回,今度は高橋が左右フックのボディブローで迫る。横山はここでも元気がない。終盤,横山をロープに詰めた高橋は左右フックで攻勢。打ち疲れが出る高橋だが,劣勢の横山もやっとの思いで終了ゴングを聞いた。

 辛うじてドローに持ち込んだ横山だが,押され気味の場面が多く,分が悪い展開が目立った。179cmという長身を誇るサウスポーのボクサーファイターである。左ストレート,左右アッパーを得意としている。相手の動きを良く見てパンチを返す試合運びが身上。フットワークを使えるが,足を止めた打ち合いにも対応できる。しかし,今夜は精彩を欠き,高橋のボディ攻撃に手を焼いた。くっつくのか離れるのかがハッキリせず,中途半端なボクシングが苦戦の原因。結果こそドローだが,限りなく負けに等しい。
 高橋はサウスポーのファイタータイプで左右フックのボディブローを得意としている。スピードはないが,執拗な攻撃でランカーの横山を苦しめた。6回には右フック,左ストレートでぐらつかせてKOチャンスを迎えたが,打ち疲れもあって詰めを欠いた。

採点結果 横山 高橋
主審:飯田徹也 *** ***
副審:安部和夫 76 76
副審:葛城明彦 76 76
副審:土屋末広 77 76
参考:MAOMIE 76 77


     ×横山:21戦15勝(6KO)5敗1分
     ×高橋:20戦10勝(3KO)7敗3分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

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                      2014年3月26日(水)    後楽園ホール
                       WBA世界スーパーフライ級王座決定12回戦
                 WBA世界S・フライ級2位  K      O    WBA世界S・フライ級1位
                ○   河野公平    8回0分50秒   デ゙ンカオセーン・カオウィチット   ●
                              (ワタナベ) 115 lbs                             (タイ) 113 3/4 lbs
                  WBC9位,IBF9位

 初回,37歳のデンカオセーンが短期決戦とばかりに仕掛けに出た。終盤には河野を赤コーナーに詰め,右ストレート,左右フックのボディブローを浴びせる。河野も動きは悪くないが,デンカオセーンの積極的な攻撃が上回った。
 2回,相打ちの左ジャブは河野の方が一瞬早く着弾。このパンチがタイミングのいいカウンターになり,よろけるデンカオセーン。しかし,デンカオセーンは右フック,ストレートを浴びせて逆に河野を脅かす。3回,河野はボディブローを放つ。早い回で勝負したいデンカオセーンに対して,これはいい攻撃だった。しかし,デンカオセーンは重い右フック,アッパーを上下に見舞う。河野は右ストレートで攻勢に出るが,この回もデンカオセーンのラウンドだった。
 4回,序盤をリードされた河野が起死回生のカウンターを見舞った。右ストレート,ボディへの左右アッパーでプレスをかけるデンカオセーン。しかし,中盤,右を振って入ろうとした瞬間,河野の右ショートストレートがアゴに決まる。コンパクトで鮮やかなカウンターを食ったデンカオセーンは腰から落ちてダウン(カウント8)。デンカオセーンは反撃に出るが,スピードが落ちている。
 5回,デンカオセーンは必死の形相で左右アッパーをボディに集める。河野は左ジャブを突きながら,左にサークリング。6回,河野が左右に動いて左ジャブを打つ。デンカオセーンは前に出ているが,疲れが出てスピードがない。
 7回,デンカオセーンがプレスを強めるが,8回,再び河野のパンチが火を噴いた。動きながら左ジャブ,右ストレートを放ち,積極的に攻める河野。左ジャブで追って打ち込んだワンツーがアゴに決まれば,デンカオセーンはロープ際に崩れ落ち,うつ伏せにダウン。そのまま立ち上がれず,カウントアウトされた。

 元世界チャンピオン同士の王座決定戦。ポイントでリードされていた河野だが,劇的な逆転KO勝ちで王座返り咲きを果たした。4回に鮮やかなカウンターでダウンを奪ったが,予断を許さぬ展開が続いた。8回には左ジャブを起点とした攻撃でKOにつなげた。もう少し足を使っていれば,デンカオセーンのボディブローを許さずに済んだはず。スタミナ,精神力は桁外れである。
 デンカオセーンは右ボクサーファイターだが,ファイタータイプに近い。右ストレート,ボディへの左右アッパーにパンチ力がある。前半は右ストレートあるいはボディブローを中心にパワフルな攻撃で河野を苦しめたが,4回以降はスピードが衰えた。

7回までの採点 河野 デンカオセーン
主審:ラウル・カイズ・シニア(米国) *** ***
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 65 67
副審:パスカル・プロコピオ(カナダ) 66 66
副審:ギレルモ・ペレス・ピネダ(パナマ) 67 66
参考:MAOMIE 65 67


     ○河野:38戦30勝(13KO)8敗
     ●デンカオセーン:67戦62勝(26KO)4敗1分

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重     ゲスト:内山高志&高橋克典
     実況:増田和也

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