熱戦譜〜2013年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2013.12.03  IBF・WBA世界スーパーフライ級
 王座統一12回戦
 リボリオ・ソリス  判定  亀田大毅
2013.12.03  WBO世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田和毅  判定  イマヌエル・ナイジャラ
2013.12.03  IBF世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 高山勝成  判定  ベルギリオ・シルバーノ
2013.12.03  東洋太平洋女子ミニフライ級
 王座決定8回戦
 花形冴美  引き分け  黒木優子
2013.12.06  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 八重樫 東  判定  エドガル・ソーサ
2013.12.06 8回戦  村田諒太  TKO8R  デイブ・ピーターソン
2013.12.06  東洋太平洋女子ライトフライ級
 王座決定12回戦
 井上尚弥  TKO5R  ヘルソン・マンシオ
2013.12.06  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 岩佐亮佑  TKO5R  椎野大輝
2013.12.07  東洋太平洋ウェルター級
 王座決定12回戦
 亀海喜寛  TKO5R  ティム・ハント
10 2013.12.07 8回戦  山口隼人  6R負傷判定  大塚博之
11 2013.12.07 8回戦  外園隼人  TKO6R終了  岡崎祐也
12 2013.12.09  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 小原佳太  TKO9R  蓮沼テツヤ
13 2013.12.09 8回戦  伊藤雅雪  TKO2R  山田健太郎
14 2013.12.09 8回戦  船井龍一  TKO3R  大嶽正史
15 2013.12.11 8回戦  沼田康司  KO4R  岡山リョウ
16 2013.12.11 8回戦  益田健太郎  TKO6R  立川雄亮
17 2013.12.22  5回戦(ミニマム級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 榮 拓海  KO2R  若原義敬
18 2013.12.22  5回戦(バンタム級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 池水達也  判定  原 有吉
19 2013.12.22  5回戦(スーパーフェザー級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 三瓶数馬  KO2R  藤本翔平
20 2013.12.22  5回戦(ライト級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 池田竜司  TKO3R  高見良祐
21 2013.12.22  5回戦(スーパーライト級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 ジャンボおだ信長本屋ペタジーニ  TKO4R  藪 晋伍
22 2013.12.22  5回戦(ミドル級決勝)
 第60回全日本新人王戦
 前原太尊康輝  KO1R  清野 航
23 2013.12.31  WBA世界ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 井岡一翔  判定  フェリックス・アルバラード
24 2013.12.31 10回戦  ファーラン・サックリン・ジュニア  KO3R  宮崎 亮
25 2013.12.31  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  判定  金子大樹
26 2013.12.31  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 三浦隆司  TKO9R  ダンテ・ハルドン

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         2013年12月3日(火)    大阪府立体育会館第1競技場(ボディメーカーコロシアム)
                    IBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一12回戦
                前・WBA世界S・フライチャンピオン      IBF世界S・フライチャンピオン
                ○   リボリオ・ソリス    判 定    亀田大毅   ●
                               (ベネズエラ) 117 1/2 lbs               (亀田) 115 lbs

 立ち上がりはともに間合いを取って左ジャブで探り合う。2回,積極的に手を出すのはソリス。左ジャブから左右アッパーのボディブロー。
 オーバーウェイトで失格したソリスだが,動きは悪くない。4回には右アッパーをヒット。6回,亀田は自分から攻めるべきだが,積極的なのはソリス。左右アッパーで先手を取る。
 7回,ソリスは左アッパーのボディブロー。亀田も同じパンチを返す。
 亀田はもっと手を出すべきだが,今一つ燃えない。10回,ようやくソリスをロープに詰めて左右フックのボディブローを見舞う。11回には亀田が左フックのカウンターをヒットした。
 12回,亀田は左フックを打つが,攻め切れない。

 これというヤマ場のない凡戦。積極的なソリスの攻撃を許したことが亀田の敗因。勝とうとする意思が感じられず,モチベーションの希薄さが目についた。
 ソリスは前日の計量で1.1kgのウェイトオーバーで失格し,WBAタイトルを剥奪された。動きそのものは悪くなかったが,攻撃が単調でレベルは高くない。
 『挑戦者がウェイトオーバーとなった場合,王座は保持する』というIBFルールが適用され,負けた亀田がタイトルを保持して初防衛に成功するという,何とも不可解で後味の悪い結末となった。このルールが事前に周知されていなかったことも混乱に拍車をかける結果となった。亀田陣営がこのルールを悪用し,ウェイトを作れないのを承知でソリスを来日させたという疑惑が生じても不思議ではない。勝てば素知らぬふりをすればよし,負けた場合はIBFルールを持ち出せばベルトだけは手元に残る・・・・・そんな計算があったのではないかと疑われても反論できないだろう。亀田に気迫が感じられないのも,そういう陣営のやり方から本人の心が離れている証拠ではないか。

採点結果 ソリス 亀田
主審:トニー・ウィッグス(米国) *** ***
副審:バレリー・ドーセット(米国) 116 112
副審:ジョー・ガルシア(米国) 116 112
副審:ロバート・ホイル(米国) 113 115
参考:MAOMIE 116 114


     ○ソリス:20戦16勝(7KO)3敗1分
     ●亀田:33戦29勝(18KO)4敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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        2013年12月3日(火)    大阪府立体育会館第1競技場(ボディメーカーコロシアム)
                      WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン          挑戦者(同級6位)
                ○   亀田和毅   判 定   イマヌエル・ナイジャラ   ●
                                (亀田) 118 lbs                (ナミビア) 118 lbs

 初回,左ジャブの刺し合いから。亀田は2発3発と左ジャブを刺し,右クロスをかぶせる。ナイジャラの左ジャブも良く伸びる。
 2回以降も亀田の優勢が続く。広目のスタンスから左ジャブ,ストレートを鋭く突く。3回,右ストレートのボディブローが効いてナイジャラの表情が変わる。亀田はナイジャラをロープに詰めてボディブローを打ち込む。
 6回,亀田は上から下に左フック,アッパーを見舞う。ナイジャラの動きが鈍り,手数が減る。
 7回にはナイジャラが右アッパーをヒットする。9・10回には亀田が左ジャブからボディへの左アッパーを連発するが,手打ちのためにダメージは与えられない。12回,亀田は左ジャブ,フック,アッパー。疲れが見えるナイジャラはクリンチが多くなる。

 亀田は初防衛に成功。スピードと積極的な攻撃で大差の判定勝ちとなった。鋭い左ジャブ,ボディへの左アッパーを多用してナイジャラを寄せつけなかった。しかし,パンチにはウェイトが乗っておらず,見た目の派手さとは裏腹に威力は半減。攻撃パターンも単調で,ナイジャラの目が慣れてしまった面がある。
 ナイジャラはリーチに恵まれた右ボクサーファイター。身長に対してリーチが非常に長く見えるのが特徴。左ジャブ,右ストレートの基本に忠実な組立てが特徴。ボディを打たれ,後半は手数が減った。

採点結果 亀田 ナイジャラ
主審:ロバート・バード(米国) *** ***
副審:アデレード・バード(米国) 119 109
副審:ドナルド・トレーラー(米国) 118 110
副審:カルロス・オルチス(米国) 117 111
参考:MAOMIE 120 108


     ○亀田:29戦29勝(18KO)
     ●ナイジャラ:19戦17勝(11KO)1敗1分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:伊藤隆佑

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       2013年12月3日(火)    大阪府立体育会館第1競技場(ボディメーカーコロシアム)
                      IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級6位)
               ○   高山勝成   判 定   ベリギリオ・シルバーノ   ●
                             (仲里) 105 lbs                  (比国) 102 1/2 lbs

 高山が開始早々から飛ばした。持ち味の目まぐるしいフットワークから左ジャブ,ワンツーを見舞い,早くもリード。大きな右フックでバランスを崩したサウスポーのシルバーノが,思わず右グラブをキャンバスにつきかける場面があった。
 打っては離れる高山が最も得意とするアウトボクシングが続く。シルバーノは足を使いながらワンツー,左右フックをまとめる高山の動きについていけない。
 5回,足を止めた高山は上下に左右フックを回転させたかと思うと,すぐに引いて足を使うヒットアンドアウェイ戦法を見せる。さらに右ロングフックもヒット。
 7回,高山は右ストレートからボディへの左フックを多用。終盤にはシルバーノをロープに詰め,攻勢に出る。8回,高山は右フックを3発浴びせる。シルバーノはこれでバランスを崩す。高山は右目上をカット(シルバーノの有効打による傷)するが,依然として足が良く動き,連打が回転する。
 10回,シルバーノは左ストレートをヒット。しかし,後半には高山が右フックでシルバーノをぐらつかせてロープに詰め,連打を浴びせる。
 11・12回も高山の動きは衰えない。最後まで動き回り,上下に連打を浴びせた。

 4年5ヶ月ぶりの国内での試合となった高山がワンサイドゲームで初防衛に成功した。前後左右に激しく動くフットワークを駆使してシルバーノを寄せつけず,回転の速い連打で圧倒した。豊富な練習量を物語るように,最後まで動きが衰えなかったのは立派。海外での試合が続き,アウェイで揉まれたことが大きな成長につながったと言える。
 シルバーノはサウスポーのファイタータイプ。足はあまり使わず,左ストレート,フック,右アッパーを打ち込む。特に左ストレートから返す右アッパーを得意としており,高山の足に完敗を喫したものの,ときおりこのパンチをヒットしていた。

採点結果 高山 シルバーノ
主審:スパークル・リー(米国) *** ***
副審:バレリー・ドーセット(米国) 118 110
副審:ジョー・ガルシア(米国) 120 108
副審:ジョセフ・パスクワール(米国) 118 110
参考:MAOMIE 120 108


     ○高山:33戦26勝(10KO)6敗1無効試合
     ●シルバーノ:20戦16勝(10KO)3敗1分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                      2013年12月3日(火)    後楽園ホール
                    東洋太平洋女子ミニフライ級王座決定8回戦
                 東洋太平洋女子アトム級4位       東洋太平洋女子アトム級7位
                ×   花形冴美     引き分け     黒木優子   ×
                             (花形) 103 3/4 lbs                     (YuKOフィットネス) 104 1/2 lbs
         WBA女子L・ミニマム級14位,WBO女子アトム級6位      WBA女子ミニマム級13位,WBC女子ミニフライ級12位

 右の花形,左の黒木。変則的なスタイルから右ストレート,左右フックを浴びせる花形。黒木は前に出てボディに左アッパー,上に左ストレートを放つ。
 一進一退の展開が続くが,黒木の気合い十分の積極的な姿勢が目立つ。5回,激しい打ち合い。黒木は右フック,左ストレートで花形をロープ,ニュートラルコーナーに詰める。花形は弱気な表情を見せるが,左フックをヒット。6回も激しい打ち合い。本来は花形の主戦場である接近戦でも黒木が上回る。
 7回は花形。黒木は一歩も引かぬ構えで前に出るが,終盤,花形が左右フックの連打で攻勢に出る。8回,黒木は積極的に前に出るが,花形の左右フックを受けて鼻から出血。

 両者は今年6月に対戦し,花形が3−0の判定で黒木を破っている。宿敵同士による空位の王座を賭けての再戦となったが,今回は三者三様のドローという結果に終わった。
 花形は身長151cmという小柄な右ファイタータイプ。変則的な動きから放つ左右フックを武器に,足を止めての打ち合いを得意としている。黒木の積極的な攻撃に下がる場面が目立ったが,左右フックで要所を締めていた。終盤の反撃が奏功し,ドローに持ち込んだ。パンチに正確さを欠いたことが残念。
 黒木はサウスポーのボクサーファイター。右ジャブ,フック,左ストレートを中心に,基本に忠実な組み立てを見せる。積極的な姿勢を崩さず,王座獲得と同時に花形への雪辱に燃える気合い十分の試合内容だった。これほど強気の攻撃に出るというのは花形としても予想外だっただろう。得意の左ストレートで苦しめたが,肝心なところで左右フックを浴び,決定的な場面を作れなかった。

採点結果 花形 黒木
主審:葛城明彦 *** ***
副審:飯田徹也 76 77
副審:中村勝彦 77 76
副審:ウクリッド・サラサス 77 77
参考:MAOMIE 76 76


     ×花形:14戦8勝(3KO)4敗2分
     ×黒木:14戦9勝(5KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:渋谷淳&宮田有理子     ゲスト:小関桃
     実況:河路直樹

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                     2013年12月6日(金)    両国国技館
                       WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン          挑戦者(同級1位)
                ○   八重樫 東   判 定   エドガル・ソーサ   ●
                              (大橋) 111 3/4 lbs               (メキシコ) 112 lbs
                                    元WBC世界L・フライ級チャンピオン(防衛10度)

 実力者同士の緊張感溢れる立ち上がりとなった。八重樫は左に回り,鋭いステップインから左ジャブを刺す。ソーサも左ジャブから入った。
 3回,誘うように下がるソーサ。八重樫は右クロスから左フックをヒット。さらに前に出ようとするソーサのアゴにカウンターの左フックを決める。八重樫のスピードについていけないソーサ。一方の八重樫は絶好調。出バナに左フック,さらに左フックから右ストレートをヒットしてリードする。
 6回,ソーサは八重樫の左ジャブに合わせて右クロスをヒット。これは要注意のパンチだ。
 7回,前に出るソーサを迎え撃ち,ワンツースリーフォアをまとめる八重樫。ソーサも応戦して打ち合いになるが,八重樫の右フックが再三クリーンヒット。8回,八重樫はフットワークを生かしてソーサに的を絞らせず,誘い込んで左フックをヒット。
 9回は公開採点でリードされていることを知ったソーサが前に出て,右ストレート,左フック,ボディへの左アッパー。しっかり左ジャブを打って組み立て,元世界王者の実力を見せた。
 10回,ソーサの右ストレートに八重樫も右ストレート,左フックを返す。八重樫は左右に動いてソーサの攻撃をかわし,左右ショートフックの連打から右フックをヒット。
 12回,八重樫はアウトボクシングに戻し,左右に動いてソーサに的を絞らせない。一転して接近し,左右のショート連打から左フックをクリーンヒットする。2分過ぎ,スイッチが入ったように一気に打ち合いに出る八重樫。ソーサもこれに応じ,激しい打ち合いが展開された。

 八重樫が見事なテクニックで強豪ソーサを翻弄し,2度目の防衛に成功した。軽快なフットワークと鋭いカウンターで圧倒した文句ない勝利である。過去の八重樫のキャリアでもベストバウトと言える会心の試合内容である。正面からの打ち合いを避け,自分のペースを守ったことが大きい。相手の誘いに乗らず,自分の距離を保ち,鋭いステップインから隙を突くように左右フックを見舞ってポイントをリードしたことが勝因。何よりもビッグネームのソーサをほぼ完封したことが高い評価を受けるだろう。これを機に更なる飛躍が期待される。
 ソーサは元WBC世界ライトフライ級王者で防衛10度の実績を誇る強豪。右ファイタータイプで右ストレート,左右フック,左アッパーを得意としている。世界的に名の通ったベテランであるが,八重樫のスピーディな組み立ての前に得意の攻撃パターンである接近戦を封じられたことが敗因。八重樫のフットワークについていけず,ときおり打ち合いに持ち込んでもスピードで劣った。

採点結果 八重樫 ソーサ
主審:マーク・グリーン(英国) *** ***
副審:オレン・シュレンバーガー(米国) 117 111
副審:ジョエル・スコビー(カナダ) 117 111
副審:スティーブ・モロー(米国) 116 112
参考:MAOMIE 118 110


     ○八重樫:22戦19勝(9KO)3敗
     ●ソーサ:57戦49勝(29KO)8敗

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志&西岡利晃
     実況:森昭一郎

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                    2013年12月6日(金)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本ミドル級1位  T   K  O   米国ミドル級(ノーランク)
                ○   村田諒太   8回1分20秒   デイブ・ピーターソン   ●
                             (三迫) 160 1/2 lbs                      (米国) 158 3/4 lbs

 初回,ピーターソンはボディブローの連打から。村田は動じることなく,左ジャブからロープに詰め,右ストレート,ボディへの右フック,左アッパー。密着した状態から肩越しに右フックを浴びせる村田。プレスの強さを感じたピーターソンは早くも後退する。
 2・3回,涼しい顔でピーターソンをロープやコーナーに詰めて強打を浴びせる村田。4回終盤には強烈な右ストレートでピーターソンの上体が泳ぐ。すかさず放った右ストレートはタイミング抜群で,まともにヒットしていればワンパンチKOもあり得たパンチだった。
 5回にも村田の右ストレートでのけぞるピーターソン。6回に入るとピーターソンは下がる足もスピードが落ちる。7回,動きが鈍るピーターソン。村田はロープに詰め,容赦なく右ストレート,ボディへの左アッパーを見舞う。終了間際,ロープを背にしたピーターソンに村田の鋭い右ストレートが飛ぶ。
 8回,右フックでぐらつかせたところでスイッチが入り,一気に攻勢に出る村田。ロープを背負ったピーターソンにワンツーが飛び,のけぞったところで杉山主審がスタンディングカウントを取る(カウント8)。辛うじて再開に応じたピーターソンだが,右ストレート,左フックで足が縺れてロープに詰まったところで,再び杉山主審が割って入った。

 村田がプロ2戦目も圧巻のTKO勝利で飾った。重厚な攻防の組立で,世界への期待が充満している。右ストレート,ボディへの左アッパーは強烈。右ストレートの伸びは過去の日本人ボクサーにはないスケールである。本場・米国での活躍を見据えた育成戦略が望まれるところ。スタミナも十分で,今後がますます楽しみになってきた。相手のパンチをブロック,パリーイングしながらどんどんプレスをかけるスタイルは相手にとって脅威である。
 ピーターソンは右ボクサーファイター。右ストレート,ボディへの左右フックを得意としている。初回こそ攻撃の姿勢を見せていたが,村田の強打に押されて後退する場面が目立った。

7回までの採点 村田 ピーターソン
主審:杉山利夫 *** ***
副審:吉田和敏 70 63
副審:中村勝彦 69 64
副審:安部和夫 70 63
参考:MAOMIE 70 63


     ○村田:2戦2勝(2KO)
     ●ピーターソン:15戦13勝(8KO)2敗

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志&西岡利晃
     実況:竹下陽平

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                        2013年12月6日(金)    両国国技館
                       東洋太平洋ライトフライ級王座決定12回戦
                 東洋太平洋L・フライ級1位  T   K  O   東洋太平洋L・フライ級2位
                ○   井上尚弥     5回2分51秒     ヘルソン・マンシオ   ●
                              (大橋) 108 lbs                            (比国) 107 1/2 lbs
                 WBA5位,WBC9位,WBO15位             比国L・フライ級チャンピオン

 初回,井上が早くも大器の片鱗を見せ,鋭い左ジャブを上下に刺す。中盤,左フックが効き,マンシオは足が縺れて後退。
 2回,井上はマンシオの打ち終わりに右アッパーを合わせる。こうなるとマンシオは手が出にくくなる。2分過ぎ,左アッパーでボディを抉られて力なく後退したマンシオに襲い掛かる井上。フォローの右ストレートを浴びたマンシオはニュートラルコ−ナーで腰から落ちてダウン(カウント8)。攻勢に出る井上。マンシオはゴングに救われた。
 3・4回,井上は左右アッパーをボディに集めてダメージを積み重ねていく。
 5回,上も下も効いているマンシオ。思い切った左右フックで反撃するが,力が入らず,スピードも落ちている。2分過ぎ,右アッパーからチャンスを掴んだ井上は勝負所と見て一気に攻め込む。ロープからコーナーに詰めて,ワンツー,左右フックのショート連打。最後は青コーナーに詰まって防戦一方になったところで安部主審が試合をストップした。

 怪物・井上が5戦目で東洋太平洋王座を獲得した。タフでしぶといマンシオをスピーディなコンビネーションブローで圧倒した見事な試合内容。若さに似合わぬ落ち着いた試合運びが光る。大振りせず,相手の出方を見極めて上下に打ち分けるところは5戦目とは思えない。チャンスの詰めも素晴らしい。右ストレート,左右アッパーは軽く打っているように見えるが,十分に引きつけて溜めを作っているので,見た目以上に効いていた。まだキャリアが浅いが,世界への期待は十分。
 マンシオは右ファイタータイプ。2011年10月に宮崎亮(井岡)に4回KO負けを喫しているが,左右フックを得意としていてタフでしぶとい。しかし,井上のスピーディなパンチを上下に打ち込まれていいところなく敗れた。ボディに集められた左右アッパーが効いた。

4回までの採点 井上 マンシオ
主審:安部和夫 *** ***
副審:吉田和敏 40 35
副審:トニー・ケトルウェル(豪州) 40 35
副審:ダンレックス・タップダソン(比国) 40 35
参考:MAOMIE 40 35


     ○井上:5戦5勝(4KO)
     ●マンシオ:25戦18勝(9KO)4敗3分

     放送:フジテレビ
     解説:川島郭志&西岡利晃
     実況:福永一茂

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                      2013年12月6日(金)    両国国技館
                       東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(WBC1位)  T   K  O     チャンピオン
                ○   岩佐亮佑    5回2分52秒    椎野大輝   ●
                             (セレス) 117 3/4 lbs                       (三迫) 118 lbs
                   WBO4位,IBF13位              椎野大輝=しいの・ひろき  WBC9位

 右の椎野,左の岩佐という対照的な両者の主導権争いから立ち上がった。ともに軽いジャブで探り合う。左ストレートの打ち終わりに返された左ジャブで,思わずのけぞる岩佐。
 しかし,2回に入ると岩佐が主導権を握った。右ストレートを打とうとする椎野の出バナにカウンターの右フックを軽く合わせる岩佐。右ジャブでタイミングを測った岩佐はワンツーをヒットする。
 3回は明白に岩佐が押さえた。右ジャブを突いて常に先手で攻める。左ストレートから椎野をロープに詰め,ボディへの左右フックで攻勢に出る岩佐。終了間際にも岩佐が椎野をロープに詰め,ワンツー,左右フックの連打を浴びせた。
 4回,椎野はサウスポー攻略の定石である右ストレートで脅かそうとするが,岩佐はこれに乗らず冷静に対応。椎野は逆に岩佐の左ストレートで態勢を崩される場面が目立つ。2分過ぎにも左ストレートでニュートラルコーナーに詰め,ワンツー,左右フックの連打をまとめる。
 5回,岩佐が鮮やかに試合を決めた。公開採点でリードされた椎野は右ストレートを打って前に出る。しかし,ここでも左ストレートで態勢を崩された。椎野が不用意に出た瞬間,待ってましたとばかりに合わせた岩佐の左ストレート。後方に大きくよろけた椎野は腰から落ちてダウン(カウント8)。これは再開となったが,岩佐は慌てずにワンツー,左右フックで椎野をロープに詰める。椎野が防戦一方になったところで中村主審が試合をストップした。

 実力者同士の対決で,国内屈指の好カードとして人気を呼んだ試合は期待通りの緊迫感十分の白熱戦となった。東洋太平洋王座を奪取した岩佐はスタイリッシュなサウスポーのボクサーファイターで左ストレートに一打必倒の切れ味がある。椎野の誘いに乗らず,冷静に試合を進めた。常に右ジャブ,左ストレートで先手を取っていた点が良かった。大振りせず,力みのないスムーズなパンチをまとめて仕留めたフィニッシュも圧巻。一度は山中慎介(帝拳)に10回TKO負けを喫したが,世界への期待は十分。来年は勝負の年になるだろう。
 椎野は初防衛に失敗。サウスポーの岩佐を右ストレートで攻略しようとしていたが,逆に左ストレートで態勢を崩される場面が目立った。先手を取られ,精神的に追い込まれたことが響いた。5回,不用意に出たところに浴びた左ストレートが効いてしまった。

     主審:中村勝彦,副審:浅尾和信&福地勇治&杉山利夫
     ○岩佐:17戦16勝(10KO)1敗     ●椎野:13戦10勝(9KO)3敗
     放送:なし(野良猫さん提供のビデオ)     解説:なし     実況:なし

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                      2013年12月7日(土)    後楽園ホール
                       東洋太平洋ウェルター級王座決定12回戦
                 IBF世界ウェルター級11位  T   K  O   東洋太平洋ウェルター級1位
                ○   亀海喜寛     5回0分53秒     ティム・ハント   ●
                             (帝拳) 146 3/4 lbs                        (豪州) 146 1/2 lbs

 ガードを固めた覗き見スタイルからどんどんプレスをかける亀海。ハントは足を使い,左右に動きながら上下にワンツーを放つアウトボクシング。初回はハントが手数で上回った。
 2回,亀海はハントをロープに詰めて右クロスをヒットする。ハントも右ストレートをヒットするが,亀海のプレスが徐々にきつくなる。3回,亀海のボディ打ちが厳しさを増す。足が動かなくなるハント。
 4回,右フック,左アッパーをボディに打ち込み,どんどん追い上げる亀海。終了間際,右ストレートからチャンスを掴み,青コーナーに下がったところで右アッパーからカウンターの右ストレートを打ち込めば,ハントは右膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われた。
 5回,右フックのボディブローでハントの上体が丸くなる。上も下も効いたハントは力なくロープ際に後退。亀海の左フック2発で大きく上体が泳いだところに右アッパーをフォローすれば,ハントはロープ際で崩れるように前のめりにダウン。これまでと見た土屋主審がノーカウントで試合をストップした。

 亀海がディフェンステクニックとパワーで圧倒し,東洋太平洋王座を獲得した。ウィービング,スリッピング,スウェイバックを繰り返しながら激しいプレスを加えた。立ち上がりこそ動きで亀海を戸惑わせたハントだが,亀海はボディブローで崩す作戦に切り替えて攻略した。冷静な試合運びが光る。今年6月にジョアン・ペレス(ベネズエラ)に完敗を喫し,これが再起戦。弱くない相手に完勝したことで,今後が楽しみになった。
 ハントは右ボクサータイプ。打ち合いを避けるように足を使いながら,ときおりワンツー,左右アッパーをまとめたが,ボディブローで動きを止められたことが敗因。

     主審:土屋末広,副審:トニー・ケトルウェル(豪州)&ダンレックス・タップダソン(比国)&ビニー・マーチン
     ○亀海:25戦23勝(20KO)1敗1分     ●ハント:20戦16勝(6KO)4敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

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                      2013年12月7日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本L・フライ級11位  負 傷 判 定    日本L・フライ級14位
               ○   山口隼人    6回0分39秒    大塚博之   ●
                          (TEAM 10COUNT) 108 lbs                  (帝拳) 107 1/2 lbs

 初回,山口は左ジャブから右アッパーをヒット。さらに左右アッパーでボディを攻める。後半には大塚もワンツーを返す。2回,手数でリードする山口。接近して左右アッパーのボディ攻撃に出る。終了間際,山口の右ストレートがヒット。
 一進一退の展開になるが,4回中盤,大塚の左アッパーが決まり,動きが鈍った山口は手数が減った。俄然元気が出た大塚が前に出る。ボディが効いた山口は苦しくなるが,終了間際には右フックをヒットした。
 5回,山口は足を使って回り込み,左ジャブから出バナに右アッパーをヒットし,さらに右アッパーを決める。しかし,山口は左目上をカット(大塚の有効打による傷)。終盤,左右アッパーのボディブローでクリンチに出る山口。
 6回,バッティングで山口が眉間をカットしてドクターチェックを受ける。この傷が続行不能とされ,試合がストップした。

 山口がランカー同士の一戦を制した。足を使い,左ジャブから右アッパーあるいは接近戦で左右アッパーのボディブローでリードした。KO率は低いが,8月の山本浩也(全日本パブリック)戦で見せたように,右ストレート,アッパーに切れがある。パンチ力のある大塚を相手に打ち合いに応じていたが,相手に合わせる必要はない。足と左ジャブ,ワンツーを生かすべきだろう。
 大塚は右ファイタータイプ。左右フック,アッパーを中心に,接近戦を得意としている。いいところまで追い込む場面はあったが,山口の的確なパンチにポイントを許したことが敗因。

6回までの採点 山口 大塚
主審:中村勝彦 *** ***
副審:ビニー・マーチン 57 57
副審:安部和夫 58 57
副審:飯田徹也 58 57
参考:MAOMIE 58 57


     ○山口:16戦11勝(1KO)4敗1分
     ●大塚:8戦6勝(5KO)2敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:辻岡義堂

※ 山口が偶然のバッティングで負った傷によって6回途中に試合続行不能となったため,当該6回を含む採点で勝敗を決する。

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                      2013年12月7日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本S・ライト級4位   T K O  日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   外園隼人    6回終了    岡崎祐也   ●
                               (帝拳) 140 lbs                   (中内) 139 1/2 lbs

 右の外園,左の岡崎。ともにスピードがある。岡崎は思い切った左ストレート,右フック。外園は左ジャブ,右ストレートから。
 3回,格上の外園にもひるまず,左アッパー,右フックで勇敢に攻める岡崎。しかし,右フックに合わせた外園の右ストレートでわずかにぐらつく。終盤,外園は右ストレートにボディへの左右アッパーを交えた攻撃に出た。
 4回には外園のボディブローが効き,岡崎が苦しそうな表情を見せた。チャンスと見た外園は右ストレート,左右アッパーの連打で岡崎をロープに詰めて攻勢。5回には岡崎の動きが鈍り,足が動かなくなる。青コーナーに岡崎を追い込んだ外園は右ストレート,左右アッパーで攻勢。
 6回,外園が地力の差を見せて試合を決めた。岡崎は左ストレート,右フックで勇猛果敢な反撃を見せる。眉間をカットした外園はドクターチェックを受ける(岡崎の有効打による傷)。TKOを意識した両者が一気に回転数を上げた。岡崎は外園をロープに詰めて攻勢に出るが,右フックでぐらついて赤コーナーに後退。これで形勢が逆転し,外園が猛追する。岡崎も最後の力を振り絞って応戦するが,ワンツーで大きく後退し,ロープにもたれる。ここで終了ゴングに救われたが,岡崎は力尽きたようにニュートラルコーナーを背に崩れ落ちる。ダメージを考慮した葛城主審がここで試合をストップした。

 タイトル再挑戦を目指す外園が激戦を制し,TKOでランカーのプライドを見せた。岡崎の勇敢な攻撃に手を焼く場面もあったが,ボディブローを交えて上下に打ち分け,徐々に弱らせた。ただし,攻撃と防御の境界がハッキリしており,相手の攻撃を簡単に許してしまう点が気になる。
 後楽園初登場の岡崎はサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,右フック主体に思い切った攻撃を展開する。敗れはしたが,外園のランキングを奪おうとする気迫が満ちていた。最後は力負けしたが,勇猛果敢なスタイルでホールを大いに沸かせた。

     主審:葛城明彦,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&中村勝彦
     ○外園:22戦17勝(10KO)4敗1分     ●岡崎:16戦8勝(2KO)7敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:田中毅

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                       2013年12月9日(月)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級2位)
                ○   小原佳太   9回1分42秒   蓮沼テツヤ  ●
                              (三迫) 140 lbs                    (角海老宝石) 139 3/4 lbs

 初回,蓮沼が積極的に前に出て,左ジャブ,右ストレートを放つ。小原は左ジャブから左フックでこれを迎え撃つ。
 2・3回,蓮沼は右ストレートで前に出るが,小原は左右アッパーのボディブロー,アゴへの右アッパーのカウンターを決める。4回,クロスの右ストレートを決める小原。5回にも小原が左アッパー,右ストレート,さらにアゴに右アッパーを決めてリードした。
 蓮沼は打たれても積極的に前に出るが,小原はその動きを良く見て上下にパンチを散らした。
 8回終盤,右ストレートからチャンスを掴んだ小原が攻め込む。右ストレート,左フックで攻勢に出れば,口と鼻から出血した蓮沼はロープに詰まり,足元がふらつく。
 9回,健闘する蓮沼を小原が見事に仕留めた。小原は左右アッパーのボディブロー。蓮沼も負けじと右アッパーのボディブロー,右ストレートで逆に前に出る。しかし,ガードが下がったアゴに左フックのカウンターが決まり,蓮沼は一瞬棒立ち。小原はこれを見逃さず,一気に右ストレートからの左アッパーで追撃する。蓮沼はこの攻撃で後方に大きく吹っ飛んんでダウン。ロープの間からエプロンに落ちそうになったところで,吉田主審がノーカウントで試合をストップした。

 蓮沼の粘りで激戦となったが,地力で上回る小原が終盤に仕留め,2度目の防衛に成功した。左右アッパーのボディブローを交え,右ストレート,あるいは出バナに右アッパーをヒットして,徐々にダメージを与えた。小原は相手の動きを実に冷静に見極めており,打ち終わりに的確なパンチを返していた。これで10連勝8連続KO勝ちという快進撃である。ここ数試合の充実ぶりには目を見張るものがある。特にスピード,パンチの切れは抜群。来年はさらに飛躍が期待される。
 蓮沼は右ボクサーファイター。ややアップライトスタイルから伸び上がるような独特のリズムで左ジャブ,右ストレートを放って積極的に攻めた。しかし,攻撃の動線が直線的で小原に読まれ,カウンターを合わされた。不利の予想にも関わらず果敢な攻撃を見せ,最後まで食い下がった執念は見事である。

8回までの採点 小原 蓮沼
主審:吉田和敏 *** ***
副審:杉山利夫 79 73
副審:葛城明彦 79 73
副審:飯田徹也 79 73
参考:MAOMIE 79 74


     ○小原:11戦10勝(9KO)1敗
     ●蓮沼:15戦7勝(3KO)5敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                        2013年12月9日(月)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・フェザー級15位  T   K   O    日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   伊藤雅雪     2回0分59秒     山田健太郎   ●
                              (伴流) 129 3/4 lbs                           (全日本パブリック) 130 lbs
                   2012年度全日本フェザー級新人王

 初回,動きが硬い山田。伊藤は良く見て間合いを取り,左ジャブで探る。伊藤は右ストレートをボディに,さらに相打ちの右ストレートを放つ。
 2回,積極的に攻めてワンツーをヒットする山田。しかし,右ストレートを打ち込もうとしたところに伊藤が合わせた右ストレートのカウンター。この一発を浴びた山田は仰向けにダウン。上体を起こしかけたが,目はうつろで意識は朦朧。福地主審はカウントの途中で試合をストップした。

 伊藤が見事なカウンターで山田を沈めた。目と勘に優れた右ボクサーファイターで右ストレートに威力がある。キャリアを積めば,上位進出も十分に期待できる。カウンターパンチャーにありがちな手数の少なさが出ないようにすることが大事。
 山田は右ボクサーファイターでワンツーを得意としている。右ストレートにパンチ力があるが,スピードの点で劣っていた。2回にタイミングの良いワンツーをヒットしていたが,右を打とうとする一瞬の隙を突かれた。

     主審:福地勇治,副審:飯田徹也&安部和夫&葛城明彦
     ○伊藤:14戦13勝(5KO)1分     ●山田:13戦8勝(6KO)4敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                        2013年12月9日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・フライ級7位   T   K  O   日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   船井龍一    3回1分37秒    大嶽正史   ●
                              (ワタナベ) 117 lbs                         (石橋) 116 3/4 lbs
                                       大嶽正史=おおたけ・まさふみ

 初回,左右フックのボディブローで接近戦を狙う大嶽。船井は良く見てガードを固めた覗き見スタイルから的確に左ジャブを突く。さらに左ジャブから軽く右クロスをかぶせる船井。
 2回,船井がうまさを見せた。左ジャブからアゴに左アッパー,フック,さらに右ストレートをヒットして大嶽をたじろがせる。大嶽は鼻から出血。船井は右アッパーでぐらつかせ,左アッパー,右ストレートでロープに詰めて攻勢。
 3回,大嶽は接近戦に活路を見出そうとするが,船井は冷静に対処。右ストレート,左右アッパーを浴びせ,左アッパーがアゴに決まれば大嶽は腰から落ちてダウン。鼻血を流しながら立ち上がったが,船井は右ストレート,左右アッパーを的確にヒットした。最後は右ストレートで大嶽がロープに詰まったところで,杉山主審が試合をストップした。

 船井が冷静な試合運びと的確なパンチで圧倒した。左ジャブでコントロールし,的確なパンチをヒットした見事なTKO勝利である。相手の動きを良く見ており,力みのないスムーズなパンチが出る点が強味。右ボクサーファイターでストレート系のパンチが主体。これにアッパーを取り入れているのがいい。昨年9月にロリー松下(カシミ)の東洋太平洋バンタム級王座に挑戦して9回TKO負けを喫しているが,今夜の試合内容であれば,再びチャンスがあるだろう。
 大嶽は右ファイタータイプで左ジャブ,ボディへの左右フックを武器にしている。得意の接近戦に持ち込もうとしていたが,船井の的確な左ジャブに阻まれた。動きを完全に読まれており,下を向いたところに左右アッパーを打たれた。

     主審:杉山利夫,副審:飯田徹也&吉田和敏&福地勇治
     ○船井:26戦20勝(14KO)6敗     ●大嶽:29戦14勝(7KO)12敗3分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:福永一茂

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                      2013年12月11日(水)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・ウェルター級3位  K      O  日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   沼田康司    4回2分34秒    岡山リョウ   ●
                             (トクホン真闘) 153 lbs                      (グリーンツダ) 153 3/4 lbs

 キャリアで勝る元王者・沼田が開始早々から若い岡山を圧倒した。積極的に出て左右フックを浴びせる沼田。岡山も右フックをヒットするが,沼田が主導権を握った。
 2回,沼田は頭を振って接近し,ボディへの左右フックからアゴに右アッパーを突き上げる。3回,岡山の左ストレートがローブローになって一時中断。自分の距離を保ちたい岡山だが,沼田の罠に嵌っている。
 4回,沼田の強打が爆発する。右フックを受けて鼻から出血する岡山。リング中央で足を止めて真正面からの打ち合いになるが,岡山の右フックより一瞬早く沼田の左フックが炸裂。このカウンターをアゴに食った岡山は後頭部をキャンバスにしたたか打ちつけてダウン(カウント9)。右ストレートを浴び,ロープ際で両膝から崩れるように2度目のダウン(カウント8)。辛うじて立ち上がったが,沼田の厳しい詰めが待っていた。しがみついてピンチを逃れようとするが,最後は右フックでロープまで飛ばされ,力尽きたように仰向けに3度目のダウン。岡山はしばらく立ち上がれないほどのダメージを負っていた。

 ウェルター級に続いて2階級制覇を目指す沼田が実力の差を見せつけ,豪快なKO勝ちを飾った。頭や上体を振って接近し,キャリアの浅い岡山を巧みに打ち合いに引きずり込む作戦は見事。こうなっては沼田の独壇場である。上下に打ち分けた左右フック,右アッパーで豪快に沈めた。ベテランらしい試合運びと強打が光る。
 岡山はサウスポーのボクサーファイター。右ジャブ,フック,左ストレートにパンチ力がある。アマチュアでの実績(興国高→近大))があり,スピードに富んだボクシングを身上としている。右ジャブ,フックで沼田の接近戦を阻みたいところだったが,あまりにも簡単に打ち合いに持ち込ませてしまった。この辺がキャリアの差だろう。

     主審:中村勝彦,副審:杉山利夫&吉田和敏&安部和夫
     ○沼田:29戦21勝(16KO)7敗1分     ●岡山:10戦8勝(5KO)2敗
     放送:スカイA     解説:本石昌也     実況:寺西裕一

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                         2013年12月11日(水)    後楽園ホール
                                8回戦
                    日本バンタム級4位   T   K  O  日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   益田健太郎   6回2分33秒   立川雄亮   ●
                            (新日本木村) 121 1/2 lbs                  (ピューマ渡久地) 121 3/4 lbs
                                                立川雄亮=たちかわ・ゆうすけ

 益田がうまさを見せ,初回からリードした。細かく左ジャブを突き,ワンツーをクリーンヒット。
 2回,益田は巧みなディフェンスで立川のパンチをかわし,ロープに詰めてワンツー,左右フックを浴びせる。立川の動きを完全に読んだ益田が主導権を握った。4回,益田は右フックからボディに左アッパー。さらに右ストレートで赤コーナーに詰め,ラッシュ。
 5回,ディフェンスのうまさが光る益田がワンツー,左アッパー,右フック。益田をなかなか崩せない立川。
 6回,立川も良く頑張るが,左アッパーのボディブローからチャンスを掴んだ益田が右ストレートでロープに詰め,一気に勝負に出る。赤コーナーでワンツーの連打を浴びせたところで葛城主審が試合をストップした。

 益田がテクニック,キャリアの差を見せ,TKO勝ちを飾った。うまさを存分に見せた見事な試合内容である。昨年7月に岩佐亮佑(セレス)の日本タイトルに挑戦して7回TKOで敗れているが,再挑戦に向けてこれ以上ないアピールとなった。ダッキング,ブロッキングを中心に鉄壁のディフェンスで立川の攻撃をかわし,ワンツー,上下への左アッパー,フックを浴びせて圧倒した。チャンスの詰めも見事。タイトル獲得のチャンスは十分にある。玄人好みのテクニシャン。
 立川は2012年度東日本バンタム級新人王。右ボクサーファイターで右ストレート,左フック,アッパーを得意としている。けっして内容は悪くなかったが,益田のうまさに翻弄され,思い通りのボクシングができなかった。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&吉田和敏&中村勝彦
     ○益田:24戦18勝(10KO)6敗     ●立川:14戦9勝(3KO)4敗1分
     放送:スカイA     解説:本石昌也     実況:寺西裕一

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                  2013年12月22日(日)    後楽園ホール
                 第60回全日本新人王決勝戦(ミニマム級)
                           5回戦
                  西軍代表   K      O    東軍代表
             ○   榮 拓海   2回0分52秒   若原義敬   ●
                         (折尾) 105 lbs                     (協栄) 105 lbs
                                        若原義敬=わかはら・よしのり

 初回,軽快な動きから左ジャブを突き,左右フックで積極的な攻撃を見せる榮。しかし,逆に後半は若原が左右フックで攻撃に転じた。ともにスピードがあり,互角の展開。
 2回,打ち合いになる。榮の右フックで若原がぐらつく。左フックのカウンターがアゴに決まれば,若原は尻餅をついてダウン(カウント8)。これは立ち上がったが,チャンスと見た榮が攻勢に出た。若原も応戦するが,榮の右ストレート,左フックでぐらつく。右ストレートで若原のバランスが崩れたところで飯田主審が割って入った。

 最軽量級らしいスピード感と最軽量級らしからぬ迫力あるパンチの応酬。短い試合だったが,白熱戦となった。
 榮は遠賀高(福岡)でアマ経験を持つ右ボクサーファイター。西軍代表決定戦でMVPを獲得した実力派である。軽快な動きから左ジャブを突き,小気味良く攻める。基礎がしっかりしており,うまさが特徴。右ストレート,左フックにパンチ力がある。特に返しの左フックが非常に鋭い。ただし,アゴのガードに難がある。
 若原は右ファイタータイプ。左右フック,右ストレートにパンチ力がある。西のMVPに臆せず攻めたが,テクニックで勝る榮のカウンターを浴びた。潜り込んで得意の連打で先手を取るべきだった。正面からの打ち合いでは回転力がある榮に及ばなかった。

     主審:飯田徹也,副審:ビニー・マーチン&中村勝彦&吉田和敏
     ○榮:7戦7勝(4KO)     ●若原:10戦6勝(3KO)4敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:安藤翔

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                 2013年12月22日(日)    後楽園ホール
                第60回全日本新人王決勝戦(バンタム級)
                          5回戦
                   西軍代表           東軍代表
             ○   池水達也   判 定   原 有吉   ●
                        (大阪帝拳) 118 lbs       (白井・具志堅スポーツ) 117 1/2 lbs

 左の原,右の池水。初回,様子見の原に対し,小刻みな動きから池水が積極的に右ストレートを上下に散らす。踏み込んで放った池水の右フックがクリーンヒット。
 2回,左にシフトして放った池水の左フックがアゴに決まり,原がバランスを崩す。クリンチ際で打った池水の左アッパーが低く入り,一時中断する場面があった。
 積極的な仕掛けで主導権を握ったかに見えた池水だが,3回に入ると手数が減った。逆に4回,やや劣勢の原がプレスをかけ,サウスポースタイルからの左アッパーがボディに決まる。
 5回,その原も力みが出て,攻め切れない。右ストレートで迎え撃つ池水も単発。

 東のMVP原と西の技能賞・池水という好カードだが,噛み合わず,試合は盛り上がらないまま終わった。
 池水は右ボクサーファイターで相手の隙を突いて放つ右ストレート,左フックを得意としている。しかし,単発で攻撃のつながりに乏しいのが欠点。狙い過ぎず,もう少し手数を増やすことが必要である。
 原はサウスポーのファイタータイプ。低いガードから変則的なタイミングで左ストレート,アッパーを上下に見舞う。こちらも単発であることが欠点。序盤に主導権を奪われ,最後まで自分のリズムで戦えなかったことが敗因。

採点結果 池水
主審:土屋末弘 *** ***
副審:ビニー・マーチン 48 47
副審:福地勇治 50 46
副審:飯田徹也 49 47
参考:MAOMIE 49 47


     ○池水:8戦8勝(2KO)
     ●原:9戦6勝(3KO)3敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:辻岡義堂

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                   2013年12月22日(日)    後楽園ホール
               第60回全日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                           5回戦
                  東軍代表    K       O    西軍代表
            ○   三瓶数馬   2回1分22秒   藤本翔平   ●
                      (協栄) 129 1/2 lbs                      (中日) 128 3/4 lbs
            三瓶は技能賞を受賞

 左の三瓶,右の藤本。初回,前に出て左右フックを狙う藤本に対し,三瓶は落ち着いて右ジャブ,フックを見舞う。藤本は右ストレート,フックでボディを攻めるが,ガードが下がったところに三瓶のワンツーが決まる。中盤,左ストレートからの右フックがテンプルを捉えれば,藤本はぐらついて後退。前に出て活路を見出したい藤本だが,逆に下がらざるを得ない状態に追い込まれている。三瓶は冷静に右ジャブ,フック,左ストレートを見舞う。
 2回,三瓶は右ジャブ,フックを多用。左ストレートから返した小さな右フックがアゴに決まり,藤本はたまらず腰から落ちて仰向けにダウン(カウント8)。辛うじて再開となったが,勝負の行方は明らかだった。左ストレートからの右フックでロープ際に後退したところで,中村主審が割って入った。

 三瓶はサウスポーのボクサーファイターで,右ジャブ,フック,左ストレートに切れがある。左ガードが下がる藤本の弱点を見抜き,右を多用してチャンスを広げた。パンチのタイミングが良く,技能賞に相応しい見事なテクニックである。MVPとしてもおかしくない試合内容。
 高いKO率を誇る藤本は右ファイタータイプ。長いリーチから上下に放つ左右フックの連打に威力がある。打ち合いに持ち込みたかったところだが,三瓶とはスピードの点で大きな開きがあった。動きを読まれ,右ジャブ,フックで前進を止められたことが敗因。

     主審:中村勝彦,副審:土屋末弘&飯田徹也&杉山利夫
     ○三瓶:9戦9勝(3KO)     ●藤本:14戦8勝(7KO)3敗3分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:川畑一志

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                 2013年12月22日(日)    後楽園ホール
                 第60回全日本新人王決勝戦(ライト級)
                           5回戦
                  西軍代表    T   K   O    東軍代表
            ○   池田竜司   3回3分00秒   高見良祐   ●
                       (竹原) 134 1/2 lbs                  (18鴻巣) 134 3/4 lbs
            池田は敢闘賞を受賞

 開始早々から高見がしっかり相手を見てガードを固めながらプレスをかける。池田は左右に動きながら盛んに左右フックを放つが,アゴのガードがガラ空きになる。ときおり高見の左ジャブ,ストレートが決まり,池田のアゴが上がる場面が見られた。
 2回中盤,高見の左アッパーがボディに決まったところから一気に打ち合いになるが,逆に池田が返した右ストレートのカウンターで高見がぐらつく。終盤,池田を青コーナーに詰めた高見の右ストレートが決まる。
 3回,プレスをかけ続ける高見。池田は左右に動きながら,入り際を狙って左右フック,右ストレートを放つ。まとめて打つ池田のパンチに,高見は接近しにくくなる。終了間際,池田をロープに詰めた高見が右を振って攻め込もうとした瞬間,満を持して池田が打ち込んだ右ストレートがまともにアゴを捉える。横倒しにキャンバスに沈んだ高見は意識を失い,土屋主審がノーカウントで試合をストップした。

 ワンパンチによる逆転のTKO勝利で敢闘賞を手にした池田は右ボクサーファイター。右ストレート,左右フックを得意としている。冷静にプレスをかける高見に対し,左右に動いて下がりながら常に手数だけは出し続けた。これが好結果を生んだと言える。フィニッシュの右ストレートは絶妙なタイミングのカウンターだった。
 高見は花咲徳栄高(埼玉)時代に43戦34勝(18KO・RSC)9敗というアマチュアのキャリアがあり,インターハイ優勝の実績を持つ。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力がある。ボディへの左アッパーにもいいものがある。よく見てプレスをかけて主導権を握っていたが,勢い込んでアゴのガードが空いたところにカウンターをもらって沈んだ。

     主審:土屋末弘,副審:飯田徹也&吉田和敏&杉山利夫
     ○池田:8戦6勝(2KO)1敗1分     ●高見:5戦4勝(3KO)1敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:藤田大介

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                        2013年12月22日(日)    後楽園ホール
                     第60回全日本新人王決勝戦(スーパーライト級)
                                 5回戦
                      西軍代表      T   K   O    東軍代表
             ○   ジャンボおだ信長   4回2分01秒   藪 晋伍   ●
                   本屋ペタジーニ

                             (六島) 140 lbs                         (ワタナベ) 140 lbs

 開始早々から上背,リーチを生かしてどんどんプレスをかけるジャンボ。藪は下がりながら左ジャブ,ワンツーをまとめる。2回には攻め倦んだジャンボが首をかしげる場面が見られた。
 やりにくそうなジャンボだが,3回後半にはボディにパンチを集め始めた。4回,ボディ攻撃が徐々に効き,藪の動きが明らかに鈍る。足が止まり,クリンチに出る場面が多くなる藪。ボディ攻撃でガードを下げさせたジャンボが右ストレートから左フックを返せば,これがアゴに決まり,藪は仰向けにダウン。カウントの途中で杉山主審が試合をストップした。ダメージは深刻で,藪はしばらく立ち上がれなかった。

 動き回る藪に手を焼いたジャンボだが,ボディ攻撃で動きを止めたことが勝因。スピードはないが,184cmの長身から放つ左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右アッパーが武器。一発のパンチ力もあるが,どちらかというと連打で攻め上げる展開を得意としている。体格差を利してプレスをかける試合運びが身上。
 藪は右ボクサーファイター。正面から打ち合っては不利と見て,とにかく動き回ってパンチをまとめる作戦は一定の効果があった。最後は力負けしたが,健闘が光る。

     主審:杉山利夫,副審:中村勝彦&福地勇治&ビニー・マーチン
     ○ジャンボ:9戦8勝(7KO)1敗     ●藪:8戦4勝3敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:藤田大介

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                    2013年12月22日(日)    後楽園ホール
                   第60回全日本新人王決勝戦(ミドル級)
                             5回戦
                   西軍代表      K      O   東軍代表
           ○   前原太尊康輝   1回2分51秒   清野 航   ●
                         (六島) 160 lbs                       (石橋) 158 3/4 lbs
              前原はMVPを受賞           清野 航=せいの・わたる

 サウスポーの強打自慢同士のスリリングな展開となった。上体を揺すって接近したい清野に対し,上背,リーチで勝る前原は距離を置いて左ストレートを狙う。前に出ようとするところに前原の左ストレートがカウンターになり,清野の足が縺れる。このチャンスを見逃さず,前原が一気に勝負に出た。左アッパーに次ぐ左ストレートで清野はうつ伏せにダウン(カウント8)。辛うじて立ち上がったが,前原が攻勢に出たところで福地主審が割って入った。

 圧巻の強打でMVPの座を手にした前原はサウスポーのファイタータイプ。身長188cm,リーチ195cmはこのクラスでも破格。これだけでも相手にとっては脅威である。距離を置いたところから見舞う左ストレートの破壊力は折り紙付き。左アッパー,右フックも強く,チャンスの詰めも鋭い。当て勘にも非凡なものがある。
 清野も同じサウスポーだが,こちらは接近しての打ち合いを得意としている。上体を振って打ち合いに持ち込もうとして,いい流れを作りかけていたが,一発のカウンターで足が縺れたところで一気に試合を決められてしまった。

     主審:福地勇治,副審:吉田和敏&飯田徹也&杉山利夫
     ○前原:7戦5勝(5KO)1敗1分     ●清野:6戦4勝(4KO)2敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:藤田大介

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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        2013年12月31日(火)    ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館第1競技場)
                      WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン              挑戦者(同級4位)
                ○   井岡一翔    判定    フェリックス・アルバラード   ●
                             (井岡) 106 1/2 lbs               (ニカラグア) 106 3/4 lbs

 開始直後から激しく攻めるアルバラード。井岡はボディへの左アッパー、右ストレートを打ち込む。3回開始早々,井岡は左フックのカウンターをヒット。アルバラードの手数は止まらない。井岡はあえて相手の土俵である接近戦でこれを迎え撃った。
 4回,早くも左目下が塞がったアルバラードはドクターチェックを受ける。とにかく執拗に攻撃を繰り返すアルバラードだが,足が滑るのか踏ん張りが利かない。
 7回,さすがのアルバラードも序盤に比べればスピードが落ちるが,それでも執拗な前進と手数は衰えない。井岡は左フック,右ストレートをまとめる。ボディブローも効いて,アルバラードの手数が減った。
 10回,左目下が腫れ上がったアルバラードは2度目のドクターチェック。井岡の左フックがカウンターになり,アルバラードの口元からマウスピースがこぼれ落ちたが,それでも手は止まらない。並みの相手なら倒れているパンチだった。
 11回,井岡は打ち合いに応じ,左フック,右ストレートをヒット。井岡はさらに接近戦で左右アッパーのボディブローを打つ。12回,井岡は再三左フックのカウンターをヒットし,右ストレートにつなげた。

 激闘の末に井岡が大差の判定勝ちで3度目の防衛に成功した。これまでで最も手強い相手だったが,冷静に動きを見極めて打ち勝った。相手の主戦場である接近戦を制したことにより,攻撃の幅がさらに広がったことを証明する結果となった。カウンターの左フック,右ストレート,ボディへの左右アッパーを的確にヒットしていたことが光る。アルバラードのタフネスを考えれば倒すことは難しいが,一気にまとめてストップを呼び込むことは不可能ではなかったはず。左ジャブ,ストレートの少なさが気になるところ。
 アルバラードは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,尋常ならざるタフネスと手数で井岡を苦しめた。最大の武器は上下に連打する左右アッパー。とにかく執拗に前に出て,手数で押し捲る。普通の相手ならダウンしていたと思われる場面も多かったが,驚異的な粘りを見せた。シューズの底の材質に問題があるのか,あるいはサイズが合っていないのか,キャンバス上で足が滑って浮足立つ場面が目立った。 

採点結果 井岡 アルバラード
主審:エディ・クラウディオ(米国) *** ***
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 119 109
副審:セルジオ・カイズ(米国) 115 113
副審:カルロス・スクレ(ベネズエラ) 119 110
参考:MAOMIE 119 109


     ○井岡:14戦14勝(9KO)
     ●アルバラード:19戦18勝(15KO)1敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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                2013年12月31日(火)    ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館第1競技場)
                                       10回戦
                        WBA世界ミニマム級6位     K      O    前・WBA世界ミニマム級チャンピオン
                ○   ファーラン・サックリン・ジュニア   3回2分22秒       宮崎 亮   ●
                                     (タイ) 108 lbs                                  (井岡) 108 lbs
                          WBO8位,IBF世界L・フライ級6位

 ともに左ジャブから慎重に立ち上がる。ファーランは動きなら左ジャブを放ち,宮崎の右ストレートに左フックを合わせる。終了間際,ニュートラルコーナーに下がったファーランは宮崎の右フックの打ち終わりに左フックのカウンターを合わせる。これをテンプルに食った宮崎は足が縺れてダウン寸前。必死に抱きついてピンチを逃れたが,上体が揺らいでピンチ。
 3回,ファーランの積極的な攻撃に,宮崎は手が出なくなる。右の打ち終わりに左フックのカウンターを狙っているファーラン。打ち合いの中でファーランの左フック,右アッパーに次ぐ右フックが決まり,宮崎はキャンバスに両グラブをつくが,これは後頭部へのパンチとされてノーカウントとなった。なおもファーランの左フックが飛ぶ。さらに右の打ち終わりに狙っていた左フックからの右ストレートが決まり,体のバランスを失った宮崎は仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったものの,足元が定まらず,福地主審はそのままカウントアウトした。

 減量に失敗した宮崎。前日の計量では辛うじてパスしたものの,自力で立てず,陣営の手で素っ裸にされて秤の上に乗せられるという醜態を見せた。本来のスピードがなく,ファーランのカウンターを警戒して手数も出なかった。リングに上がることを許してはいけないコンディションだったと言える。同門の井岡一翔を優先させるために,かなり無理をしてミニマム級に下げた経緯がある。今回は王座を返上し,本来のライトフライ級に戻したが,調整の失敗は致命的な結果を招く。今後の去就が注目されるが,適正なウェイトを見極めると同時にメンタルな部分へのケアが必要。
 ファーランはオーソドックスな右ボクサーファイター。端正なマスクは打たれていないことの証明である。積極的に左ジャブを使い,右ストレート,左フックを打つ。宮崎の右に合わせて放つ左フックのカウンターが効果的だった。目と勘の良さが光り,パンチも鋭い。

2回までの採点 ファーラン 宮崎
主審:福地勇治 *** ***
副審:宮崎久利 20 18
副審:野田昌宏 20 18
副審:川上 淳 20 18
参考:MAOMIE 20 18


     ○ファーラン:25戦23勝(15KO)2敗
     ●宮崎:24戦20勝(11KO)1敗3分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:杉山真也

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                  2013年12月31日(火)    大田区総合体育館
                    WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン         挑戦者(同級4位)
                ○   内山高志   判 定   金子大樹   ●
                            (ワタナベ) 129 3/4 lbs             (横浜光) 130 lbs
                                                WBC8位,WBO8位

 初回,初挑戦の金子が左ジャブ,右ストレートを放って積極的に攻める。内山は落ち着いて左ジャブからワンツー,右クロスをかぶせ,ボディにも左アッパーを放った。
 3回,内山は左ジャブから打ち下ろしのワンツー。金子は左ジャブから右フックのボディブローで激しく攻めるが,内山は金子が出るところにボディへの左アッパーを決めた。金子は左目上をカット(内山の有効打による傷)。
 4回,金子が最初の見せ場を作った。中盤,右フックがアゴを捉えると,内山の上体が揺らぐ。色めき立って攻め込む金子。
 しかし,5回以降は内山がキャリアの差を見せ,冷静な試合運びで優位に立った。金子も健闘するが,内山は落ち着いて左ジャブ,フック,ワンツーを決めた。7回には金子の左目上が腫れる。
 9回,気合いの表情で迫る金子。凄い根性だが,内山は左右に動きながらワンツー,左フックを浴びせる。
 10回,思わぬ波乱があった。金子の左ストレートでバランスを崩した内山はそのままロープに詰まる。ロープを背に中途半端な右を返そうとした瞬間,踏み込んで放った金子の右フックがアゴに炸裂。この一発で内山は腰から落ちてダウン(カウント8)。千載一遇のチャンスに金子は激しく攻め立てるが,終了ゴングで寸断された。
 11回は再び内山が主導権を握る。ダウンを奪ったことで気を良くした金子は逆転KOを狙って激しく出るが,内山の左フックのカウンターで腰が砕け,あわやダウンというピンチを迎える。ここは驚異的な粘り腰で踏み止まったが,内山の左フック,右アッパー,ワンツーが飛ぶ。終盤,内山がワンツー,左フックで攻勢。金子はグロッギーとなるが,それでもあえて前に出た。
 12回,金子は鬼気迫る表情で前進を繰り返すが,内山は左右に動きながら左ジャブ,ワンツーを浴びせる。攻め倦む金子の出バナに左フックを打ち込む内山。金子は顔面を腫らしながら前に出るが,終了間際の右ストレートでのけぞり,大きくバランスを崩す。

 2013年のラストを飾る白熱戦の末,内山が8度目の防衛に成功した。冷静に自分の間合いを保ち,左フック,ワンツーを浴びせた。前に出ている割に大振りで雑な攻めが目立った金子に対し,内山がキャリアの差を見せた一戦と言える。10回に気を抜いたところに右フックを打ち込まれて不覚のダウンを喫したが,それ以外は内山の完勝と言っていいだろう。
 初挑戦の金子は異常な執念を見せた。敗れたとはいえ,逆に男を上げる見事な試合内容である。左ジャブ,右ストレート,左フックのスピードと切れは世界に十分通じることを証明した。ラフになってミスブローが目立ったことは残念。今後に向けてこれ以上ない経験になったはず。今回世界に届かなかった要因を分析してじっくりキャリアを積めば,必ず再挑戦のチャンスがあるはず。捲土重来を期待したい。

採点結果 内山 金子
主審:ヒューバート・アール(カナダ) *** ***
副審:原田武夫 117 110
副審:島川威 117 110
副審:浅尾和信 117 110
参考:MAOMIE 117 110


     ○内山:22戦21勝(17KO)1分
     ●金子:25戦19勝(12KO)3敗3分

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則     ゲスト:八重樫東
     実況:斉藤一也

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                        2013年12月31日(火)    大田区総合体育館
                       WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K  O    挑戦者(同級2位)
                ○   三浦隆司    9回0分55秒    ダンテ・ハルドン   ●
                              (帝拳) 130 lbs                           (メキシコ) 130 lbs

 初回から三浦がパワーにモノを言わせて優位に立った。左右フックのボディブローから左ストレートで攻勢に出て,ハルドンをロープ,コーナーに追う。早くもボディブローが効くハルドン。三浦も左フックのカウンターで両グラブをつく。これはスリップダウンとの裁定だったが,ノックダウンとされてもおかしくない場面だった。
 しかし,2回以降は三浦のプレスが上回る。ハルドンも打ち終わりに右フック,ストレートを思い切り合わせてくる。これは要注意だ。4回,赤コーナーにハルドンを詰めた三浦は思い切った左右フックの連打をボディ,顔面に浴びせる。ボディが効いたハルドンは苦しくなる。三浦は終盤にもロープに詰め,ボディに左アッパー,右フックを打ち込む。
 5回,三浦が最初のダウンを奪った。ハルドンは右ストレートをヒットするが,三浦はすぐに左右フック,左ストレートの細かい連打を浴びせる。この攻撃にハルドンはロープ際で崩れるようにダウン(カウント9)。なおもロープに詰めて攻勢に出る三浦。ハルドンは耐えるが,ダメージに加えてハートが萎えている様子が窺えた。
 6回,三浦の左アッパーで腰から落ちるハルドン。スリップダウンとされたが,これもノックダウンとしてもおかしくない場面だった。左ストレートで腰が落ちたハルドンは,顔面もボディも効いて成す術がない。7回,三浦は左アッパーのボディブローから一気に攻勢。ハルドンもパンチを返すが,ダメージで足の踏ん張りが利かない。ホールディングで窮地を逃れるが,自コーナーに目をやり,弱気な表情を浮かべた。
 8回,鈍い音を立てて三浦の右フックがアゴに炸裂。左右アッパー,フックのボディ連打でハルドンはたまらずしゃがみ込むが,コイビスト主審はこれもスリップダウンとした。鼻からの出血に加えてマウスピースも吐き出したハルドンは辛うじてゴングに救われた。もはやストップしてもいい状態。
 粘るハルドンだが,9回,ついに力尽きる。ロープに詰めた三浦はボディから顔面に怒涛のような左右フックを浴びせる。心が折れたように両膝から崩れ落ちるハルドン。ここでコイビスト主審はノーカウントで試合をストップした。

 三浦が豪打でハルドンをねじ伏せて2度目の防衛に成功した。強豪のハルドンが相手だけに苦戦が予想されたが,ボディブローを中心にダメージを与え続けた。顔面への左ストレート,右フックも効果的。いつもより上下への打ち分けができて,細かいパンチが出ていた点が良かった。今年8月に敵地メキシコでセルヒオ・トンプソン(メキシコ)を破って初防衛に成功したことが大きな自信につながっている。来年はさらに飛躍が期待される。狙い過ぎず,小さく数を打つことが大事。
 ハルドンは右ファイタータイプ。左フック,右ストレートに威力があるハードパンチャーである。間合いを取って思い切り打ち込んでくる。しかし,ボディを打たれて上体が立ち,足の踏ん張りが利かなくなった。そこを三浦に踏み込まれたことが敗因。ダメージを負って,ラウンドを重ねるごとにパンチが流れる場面が多くなった。

8回までの採点 三浦 ハルドン
主審:レン・コイビスト(カナダ) *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 80 71
副審:マウロ・ディ・フィオーレ(米国) 80 70
副審:キャシー・レナード(米国) 80 71
参考:MAOMIE 80 70


     ○三浦:31戦27勝(20KO)2敗2分
     ●ハルドン:28戦24勝(20KO)4敗

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則     ゲスト:八重樫東
     実況:島田弘久

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