熱戦譜〜2013年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2013.04.06  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 金子大樹  TKO9R  玉越強平
2013.04.06 10回戦  下田昭文  引き分け  ロリ・ガスカ
2013.04.06 8回戦  堀 陽太  TKO5R  ユーチ・ウアサムパン
2013.04.06 6回戦  角谷隆哉  KO1R  横山雄一
2013.04.06 10回戦  石本康隆  判定  ウィルフレッド・バスケス・ジュニア
2013.04.07  WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  判定  パノムルンレック・カイヤンハーダオジム
2013.04.08  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中慎介  TKO12R  マルコム・ツニャカオ
2013.04.08  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 八重樫 東  判定  五十嵐俊幸
2013.04.08  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 三浦隆司  TKO9R  ガマリエル・ディアス
10 2013.04.08  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 天笠 尚  判定  横山大輔
11 2013.04.08  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 小原佳太  TKO4R  外園隼人
12 2013.04.08 8回戦  スパイス松下  判定  梅津宏治
13 2013.04.14  WBA世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 クリス・ジョン  3R負傷引き分け  細野 悟
14 2013.04.16 10回戦  井上尚弥  TKO10R  佐野友樹
15 2013.04.26 10回戦  長谷川穂積  KO3R  ウィラポン・ソーチャンドラシット
16 2013.04.26 8回戦  福岡孝太  TKO3R  ペッチシラ・ルックジャオプラヤ
17 2013.04.26 8回戦  中谷正義  KO2R  ナムポン・ソージャンタシット

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                       2013年4月6日(土)    後楽園ホール
                     日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン     T   K  O   挑戦者(WBC7位)
              ○   金子大樹    9回1分39秒    玉越強平   ●
                       (横浜光) 129 3/4 lbs                 (千里馬神戸) 129 1/2 lbs
                                            WBA8位

 初回,金子は積極的に左ジャブでプレスをかけ,玉越をロープに詰めて右ストレートを浴びせる。
 2・3回は玉越がベテランらしい試合運びでリードした。うまく間合いを取り,打ち終わりに左ジャブ,フックを浴びせ,ボディへの左アッパーを見舞う。
 3回にバッティングで右目上をカットした玉越は4回,今度は左目上もカット(金子の有効打による傷)。ここからプレスを強めた金子は右ストレート,ボディへの左右フック,さらにカウンターの右ストレートをヒット。
 5回,金子がさらにプレスを強める。左アッパーのボディブローで後退したところに左フックをフォローされ,玉越はロープ際で崩れ落ちる(カウント9)。金子の攻勢をかろうじて凌ぐ玉越。
 6回中盤,ニュートラルコーナーに詰めて右ストレートでぐらつかせた金子は一気に攻勢。左アッパーのボディブローを交えた厳しい攻めに耐える玉越だが,ピンチが続く。
 7回は玉越が間合いを取り,下がりながら左ジャブ,フックを巧打する。
 しかし,8回に入ると再び金子のプレスがきつくなった。右ストレート,左右フックでロープに詰まった玉越は厳しい局面に追い込まれた。何とか回り込んで凌ぐが,左アッパーでボディを抉られ,さらに苦しくなった。顔面を血で染めて耐える玉越。
 9回,玉越の粘りもここまで。開始早々,赤コーナー付近のロープに詰まり,金子の左ストレートでのけぞる。一気に攻勢に出る金子。右目上の出血が増した玉越はドクターチェックを受ける。必死の応戦を見せるが,金子の左右フックで敗色濃厚。ニュートラルコーナーで金子がワンツー,左フックの連打を浴びせたところでマーチン主審が試合をストップした。

 金子は3度目の防衛に成功。世界ランカーの玉越を強気の攻めで圧倒した堂々たるTKO勝利である。これで王座奪取から3度目の防衛まですべてがKO・TKO勝利という充実ぶり。玉越はキャリア,テクニック,パンチ力ともに優れた難敵であるが,今夜の試合内容は価値がある。左ジャブ,右ストレートに加え,接近戦での左右ショートフック,ボディへの左アッパーで確実にダメージを与えていた。今後OPBFあるいは世界挑戦も期待できる成長株である。強気の攻撃が好結果を生んでいる。
 玉越は右ボクサータイプ。フットワークに乗せた左ジャブ,フックを武器としており,一発の威力もある。ベテランらしいテクニックを見せたが,金子の鋭いパンチを浴びて動きが鈍った。特に左アッパーでボディを攻められたことが響いた。足を使って間合いを取ることで立て直しを図っていたが,蓄積したダメージが抜け切れなかった。

8回までの採点 金子 玉越
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 78 73
副審:杉山利夫 78 73
副審:安部和夫 78 73
参考:MAOMIE 77 74


     ○金子:23戦18勝(11KO)2敗3分
     ●玉越:45戦31勝(12KO)8敗6分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                      2013年4月6日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                  WBA世界S・バンタム級4位      比国S・バンタム級10位
                ×   下田昭文    引き分け   ロリ・ガスカ   ×
                              (帝拳) 124 lbs               (比国) 123 1/4 lbs
                          WBC8位

 初回,下田は右ジャブから入り,左ストレートをひとつ。ガスカは左右のスイングで強引に仕掛ける。
 3回,下田はガスカが飛び込むところに左ストレート。さらにボディに左アッパーを決める。
 4回はガスカ。下田の左に合わせたガスカの大きな左フックがヒット。このパンチで下田はバランスを崩す。やりにくそうな下田。
 5回,下田はバッティングで左目上をカット。6回にもバッティングで左目上に新たな傷が広がり,ドクターチェックを受ける。終盤,下田の左ストレートがクリーンヒットし,ガスカが大きくのけぞる場面があった。7回には下田が左右フックのボディ攻撃を見せる。これを嫌うガスカは口が開き,苦しそうな表情に変わる。
 序盤ほどの突進が見られなくなったガスカだが,8回序盤,右の空打から返したワイルドな左フックを受け,下田は大きくぐらついてクリンチに出る。さらに左右フックで迫るガスカ。
 9回,下田の左アッパーが低く入り,一時中断。思い切り振り回すガスカに対し,下田は左右フックのボディ攻撃で対抗する。
 10回,かなりラフになるガスカ。下田は最後まで手を焼いたまま終了ゴングを聞いた。

 下田が苦しんだ末,ドローに持ち込まれた。ガスカのラフな仕掛けに手を焼き,最後まで自分のリズムを作れなかった。相手のペースに合わせてしまったことが苦戦の原因。右ジャブ,フックが出ず,ガスカの突進を止めることができなかった。序盤からボディを攻めて出足を止めることが必要だった。
 ガスカは元OPBF王者。右ファイタータイプでワイルドな左右フックを振り回して強引な攻めを展開する。ミスブローも多いが,しぶとさが売り物。ボディ攻撃で後半は突進力が衰えた。

採点結果 下田 ガスカ
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 95 95
副審:中村勝彦 96 96
副審:葛城明彦 97 94
参考:MAOMIE 97 95


     ×下田:32戦27勝(12KO)3敗2分
     ×ガスカ:24戦19勝(5KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:辻岡義堂

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                        2013年4月6日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本フライ級(ノーランク)   T   K   O    タイ国フライ級1位
                ○   堀 陽太     5回2分34秒    ユーチ・ウアサムパン   ●
                          (横浜光) 113 lbs                        (タイ) 113 1/4 lbs

 左の堀,右のユーチ。堀が右ジャブ,左ストレート,右アッパーで積極的に出て手数で上回る。しかし,2回,ユーチの右ストレートがクリーンヒットして,堀は思わずクリンチに出る。
 4回,接近戦で体を密着させて左右アッパーのボディブローを連打する堀。ユーチは白いマウスピースを覗かせながら上体を丸める。
 5回,堀が一気に試合を決めた。堀はボディに的を絞って左右アッパーを連打する。この攻撃でユーチは消極的になる。ボディへの連打でガードが下がったところに右フックが決まり,ユーチは仰向けにダウン。安部主審はカウントの途中で試合をストップした。

 堀はサウスポーのボクサーファイター。アマ時代(東福岡高=福岡県)にインターハイに出場し,ライトフライ級で優勝した実績を持つ。プロ入り後は2010年度東日本フライ級新人王にも輝いている。投げつけるような左ストレート,左右アッパーを得意としている。足はあまり使わず,手数で押していく。その反面,攻めが雑になり,ガードが甘くなったところに右ストレートをもらう場面が見られた。
 これが10度目の来日となるユーチはお馴染みのタイ人。右ボクサーファイターで170cmの長身から繰り出す右ストレートを得意としている。しかし,打たれ脆いのが欠点。特にボディに弱点があり,左右アッパーをボディに集められてから消極的になった。

     主審:安部和夫,副審:ビニー・マーチン&葛城明彦&土屋末広
     ○堀:12戦9勝(6KO)1敗2分     ●ユーチ:50戦31勝(19KO)19敗
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                         2013年4月6日(土)    後楽園ホール
                                 6回戦
                   日本ライト級(ノーランク)    K      O   日本ライト級(ノーランク)
                ○   角谷隆哉     1回1分05秒     横山雄一   ●
                         (グリーンツダ) 134 1/2 lbs                    (帝拳) 134 1/2 lbs
                   角谷隆哉=かくたに・たかや

 お互いに左ジャブを突いて探り合いながらスタート。ガードが下がったところに角谷の左フックが決まり,横山は腰から落ちてダウン(カウント8)。すぐに立ち上がったが,右フックで右膝を折るように2度目のダウン(カウント9)。横山は角谷の猛攻にバランスを崩しながら耐えるが,ロープに詰まって攻勢に晒されたところで杉山主審が試合をストップした。

 ハードパンチャー同士の対決は文字通り即決の試合となった。角谷の勝因は先手必勝の速攻に尽きる。総合格闘技出身の右ファイタータイプで,がっしりした上体から放つ左右フックに威力がある。力が入り過ぎて足が突っ張った状態でパンチを打つ欠点があるが,パワーが売り物。
 横山はKO率9割を誇る右ボクサーファイター。右ストレート,左右アッパーにパンチ力がある。ガードの甘さを突かれ,一気に持って行かれたという印象が強い。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&中村勝彦
     ○角谷:8戦6勝(5KO)2敗     ●横山:13戦11勝(10KO)2敗
     放送:G+     解説:なし     実況:山本紘之

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          2013年4月6日(土)    中国マカオ : ベネチアン・カジノアンドリゾート
                            10回戦
                日本S・バンタム級2位           WBO世界S・バンタム級1位
              ○   石本康隆    判 定    ウィルフレッド・バスケス・ジュニア   ●
                      (帝拳) 121 3/4 lbs                     (プエルトリコ) 122 lbs

 丹念に左ジャブを突き,右クロスをかぶせるバスケス。石本は左アッパーのボディブロー,右ストレートで応戦するが,バスケスの右フックが強い。
 4回に入ると石本が積極的な攻撃で流れを掴んだ。ワンツー,右アッパー,ボディへの左アッパーで押して行く石本。ここはバスケスがやや後手に回る。6回,悪い流れを断ち切るべくバスケスが積極的に出るが,終盤,石本がバスケスをロープに詰めて上下に左右フックを浴びせる。
 8回,バスケスの右ストレートで左目上をカットする石本。ここからバスケスがピッチを上げ,ワンツーをヒットする。しかし,2分過ぎ,石本も気迫を見せて反撃。終了間際,右ショートストレートがアゴに決まり,バスケスは思わず左グラブをキャンバスに触れてダウンを喫した(カウント8)。
 10回,バスケスは軽く左右に動いて石本の動きをかわし,左ジャブ,ワンツー。石本も強気でバスケスをロープに追う。

 石本がマカオでビッグネームに快勝した。3階級制覇の元世界王者を父に持つバスケスは自身も元WBO世界スーパーバンタム級王座を保持していた実力者。そのバスケスを海外で破った功績は非常に大きい。バスケスの強打もあったが,すぐに反撃して決定的なリードを許さなかった。後手に回ることなく強気の姿勢を貫き,常に先に手を出して自分で流れを作ったことが勝因。右ボクサーファイターでワンツー,左アッパーのボディブローが効果的。このところ進境著しいが,この金星で一皮剥ければ,さらに飛躍が期待できる。
 バスケスは右ボクサーファイターで左ジャブから放つ右ストレートが鋭い。軽いフットワークからワンツーで石本を苦しめたが,その都度強気の反撃に出られたことは誤算だったはず。

採点結果 石本 バスケス
主審:ヘナロ・ロドリゲス(米国) *** ***
副審:ロバート・ホイル(米国) 95 95
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 95 94
副審:レビ・マルチネス(米国) 96 93
参考:MAOMIE 96 94


     ○石本:28戦22勝(5KO)6敗
     ●バスケス:26戦22勝(19KO)3敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:山藤美智

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                      2013年4月7日(日)    大阪府立体育会館
                      WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン              挑戦者(同級8位)
              ○   亀田興毅   判 定   パノムルンレック・カイヤンハーダオジム   ●
                        (亀田) 118 lbs                   (タイ) 117 lbs

 初回,亀田は間合いを取って右ジャブから立ち上がり,ボディに右フックを打つ。じりじりと前に出るパノムルンレックは右ジャブからのワンツーをかぶせる。
 2回,積極的に攻めて出る亀田。中盤,接近戦で放った左アッパーがアゴに決まり,亀田の腰が落ちてピンチに陥った。勢いに乗ったパノムルンレックは亀田をロープに詰めて左右アッパーの攻勢。手数が少ない亀田に対し,パノムルンレックは前に出て右ジャブ,左ストレート,アッパーを放つ。亀田もようやく左右アッパーのボディブローで応戦。
 5回,パノムルンレックはコンスタントに右ジャブを突き,左ストレートを先に打つ。6・7回は亀田が上体を丸めてガードを固めながら,右フック,アッパーを放った。
 8回,ワンツーから返しの右フックを受け,亀田の上体が大きく揺らぐ。パノムルンレックは亀田をロープに詰めて攻勢。亀田は鼻から出血し,動きも鈍い。9回,パノムルンレックは終始攻勢。亀田をニュートラルコーナーに詰め,左ストレート,ボディへの左右フックを連打するパノムルンレック。クリンチに出た亀田は元気がない。
 11回,ロープを背にした亀田はワンツーの連打でのけぞる。亀田の表情から生気が失せる。12回,亀田はようやく自分から前に出て左ストレートを伸ばして攻める。終盤,激しいパンチの応酬。

 亀田は6度目の防衛に成功。2度に渡って挑戦者が変更になるという前代未聞のドタバタの末に決まった相手に苦しみ,不甲斐なさばかりが目立った。勝利者インタビューで『申し訳ない』を連発して土下座でファンに詫び,情けない自分に涙を流しながら控室に引き揚げる屈辱的な姿を晒した。下がりながら左ストレート,ボディへの右フックを打っていたが,如何せん消極的。吟味して勝てる相手だけを選ぶマッチメイクにも批判が集中するのは当然。 対立するWBC王者・山中慎介(帝拳)が次々に強豪と対戦して結果を出しているのとは大きな開きがある。何階級を制覇しようが何度防衛しようが,このままでは嘲笑の的になるだけ。引退してから悔やみ,自分を恥じても遅い。
 パノムルンレックはサウスポーのボクサーファイター。右ジャブをコツコツと当てて積極的に攻め,左ストレートを放つ。動きが直線的でやや単調だが,手数が多い。接近して左右アッパーもある。2−1の判定は気の毒な印象。

採点結果 亀田 パノムルンレック
主審:ラウル・カイズ(米国) *** ***
副審:ルーベン・ガルシア(米国) 115 113
副審:マイケル・リー(韓国) 115 114
副審:デレク・ミルハム(豪州) 113 116
参考:MAOMIE 114 115


     ○亀田:31戦30勝(17KO)1敗
     ●パノムルンレック:38戦36勝(19KO)2敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                        2013年4月8日(月)    両国国技館
                      WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン     T   K   O    挑戦者(同級1位)
             ○   山中慎介    12回1分57秒    マルコム・ツニャカオ   ●
                       (帝拳) 118 lbs                       (真正) 117 1/2 lbs

 サウスポー同士の対決。右ジャブが良く出る山中。ツニャカオは思い切って右から左のストレートをかぶせる。終盤,山中のワンツーがヒット。ともにスピードがあり,極度の緊迫感が充満する滑り出しとなった。
 2回,山中のワンツーがクリーンヒット。そして3回,山中の鋭いパンチが火を噴いた。ハイレベルなパンチの交換となるが,相打ちの左ストレートは山中の方が一瞬早く着弾。このパンチでツニャカオは腰から落ちてダウンを喫した(カウント8)。立ち上がったものの,足に来ている。終了間際,連打からの左ストレートでツニャカオはロープ際で腰から落ちて2度目のダウン(カウント8)。
 4回にも山中の左ストレートでぐらついて後退するツニャカオ。しかし,後半はツニャカオが息を吹き返し,積極的に前に出た。ツニャカオの右フックがヒット。5回にもツニャカオが積極的に出て下から上に右フック,アッパー,さらに左ストレートを放つ。後半は山中も左ストレートのボディブロー,右ジャブ,左ストレートで応戦する。6回,左ストレート,右フックで思い切って攻め込むツニャカオ。しかし,山中は左ストレート,右ジャブでペースを掴む。ツニャカオは右目尻をカット(山中の有効打による傷)。終了間際,山中の左ストレートがカウンターになる。
 7回序盤,ツニャカオの右フックでぐらついた山中の口からマウスピースがこぼれる。目が離せない展開が続く。
 10回,ツニャカオは右目上をカットし,ドクターチェック(山中の有効打による傷)。山中の右アッパー,左ストレートが決まる。ツニャカオも顔面を鮮血で染めて食い下がる。
 12回開始早々からワンツーの連打で攻勢に出る山中。前に出たいツニャカオだが,パンチが出ない。最後は左ストレートに次ぐワンツーのフォローで後方に吹っ飛び,左膝から沈むツニャカオ。立ち上がったが,グリフィン主審がカウントの途中で試合をストップした。

 文字通り日本ボクシング界の実力者同士が激突する黄金カードとして話題になったが,最強のトップコンテンダーを最終回に仕留め,山中が3度目の防衛に成功した。技術の粋を尽くしたハイレベルな攻防でファンを酔わせた一戦。お互いに持ち味を出し尽くした名勝負として語り継がれるだろう。今夜の山中はいつにも増して右ジャブ,左ストレートが切れており,前半からボディへの左ストレートでツニャカオの動きを鈍らせたことが勝因。右ジャブ,フックに磨きをかければ,さらに飛躍が期待できる。ここまで3度の防衛戦はすべて実力派の元世界王者ばかり。厳しいマッチメイクではあるが,強敵を避けることなく堂々と対峙して退ける姿にこそファンは感銘を受けるはず。
 ツニャカオは元WBC世界フライ級王者。さすがにトップコンテンダーとしての実力を証明した。ダイナミックな右フック,左ストレートを武器とするサウスポーのテクニシャンだが,パンチ力も十分。ボディブローで動きを止められたことが響いた。

11回までの採点 山中 ツニャカオ
主審:マイク・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:キム・ジェボン(韓国) 106 103
副審:デュアン・フォード(米国) 105 102
副審:ゲイル・バンホイ(米国) 106 102
参考:MAOMIE 107 100


     ○山中:20戦18勝(13KO)2分
     ●ツニャカオ:38戦32勝(20KO)3敗3分

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:上田晋也
     実況:中野謙吾

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                      2013年4月8日(月)    両国国技館
                     WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級6位)            チャンピオン
               ○   八重樫 東    判 定   五十嵐俊幸   ●
                           (大橋) 112 lbs                (帝拳) 112 lbs

 左の五十嵐,右の八重樫という対照的な両者の対戦となったが,主導権を握ったのは八重樫。素早い動きで距離を詰め,左右フックを放つ。五十嵐も右ジャブから左ストレートを見せるが,八重樫がスピードと手数で上回る。4回,八重樫は積極的に出て左右フックのボディ攻撃を見せる。
 5回,八重樫は接近戦で上下に左アッパーを見舞う。ここで五十嵐がバッティングで右目上をカットし,八重樫が減点された。6回は五十嵐が積極的に出て左ストレートで流れを作る。この回,ともにバッティングで五十嵐が左目上,八重樫が右目上をカットし,相次いで減点されるという波乱があった。
 7回,ともに足を止めて体を寄せ,気迫を前面に出した打ち合いが続く。八重樫はワンツーからボディへの右アッパーで優位に進める。
 8回は五十嵐が明白に取る。やや手数が減った八重樫に対し,五十嵐は左ストレート,左右フックで押していく。9回は再び八重樫のペース。右ストレートでのけぞる五十嵐。さらに右ストレートで後退する五十嵐。中盤,八重樫の右ストレートがカウンターになる。八重樫の右ストレート,左フックがヒットする。
 11回開始早々,八重樫の右フックがカウンターになり,ガクンと腰が落ちた五十嵐はあわやダウンというピンチ。辛うじて踏み止まったが,足に力が入らず,2度に渡ってスリップダウンを繰り返した。五十嵐は足を使って右ジャブで立て直しを図るが,八重樫は左右アッパーでボディ攻撃に出る。
 12回,死力を振り絞って手を出す。元気が残っているのは八重樫で,五十嵐は目一杯の状態。八重樫は右ストレート,ボディへの左右アッパーでここでも優位に立った。

 アマ,プロを通じて5度目の対戦でようやく五十嵐に雪辱を果たした八重樫がミニマム級に続く2階級制覇を達成した。何よりも王座奪取に向けた気迫に満ちていたことが印象に残る。序盤からスピード,体の切れがあり,積極的に仕掛けて先手で攻めたことが勝因。一階級飛び越え,6.5cmの身長差,9cmのリーチ差を克服しての勝利は見事。
 五十嵐は2度目の防衛に失敗。八重樫のスピードに掻き回され,接近戦で打ち合いに付き合ってしまったことが敗因。足とリーチを生かし,右ジャブ,ワンツーで突き放すべきだった。最後まで試合を捨てずに応戦した粘り,王者の意地は見事。

採点結果 八重樫 五十嵐
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 115 110
副審:デュアン・フォード(米国) 116 109
副審:ヒューバート・ミン(米国) 117 108
参考:MAOMIE 116 109


     ○八重樫:20戦17勝(9KO)3敗
     ●五十嵐:20戦17勝(10KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:上重聡

※ WBCルールにより,第5ラウンドに八重樫,第6ラウンドに五十嵐および八重樫はそれぞれ減点1。
※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない他方の選手に減点1を課す。


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                        2013年4月8日(月)    両国国技館
                    WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(同級10位)  T   K   O     チャンピオン
              ○   三浦隆司    9回1分21秒   ガマリエル・ディアス   ●
                         (帝拳) 130 lbs                       (メキシコ) 130 lbs

 初回,ディアスは右のボディブローから上に左フックを放つ。三浦も左ストレート,アッパーでボディを狙う。ディアスがバッティングで左目上をカットし,WBCルールによって減点された三浦は不安な立ち上がりとなった。
 しかし,それ以降は三浦がパワーで圧倒した。2回,左ストレートでバランスを崩すディアス。ボディブローの応酬となるが,終了間際には三浦がボディへの左ストレートでディアスを青コーナーに下がらせ,ワンツーをヒット。
 3回,最初のダウンシーン。右ストレートでぐらついた三浦だが,すぐに反撃。逆に左ストレートで腰が落ちたディアスに対し,三浦の左ストレートが再三ヒットする。終盤,右の打ち終わりに返した左ストレートを浴びたディアスは腰から落ちてダウン(カウント8)。ディアスの右目下が見る見るうちに大きく腫れ上がった。
 4回までの公開採点ではイーブン。しかし,実質的に劣勢のディアスは右ストレート,フックで三浦の出バナを叩いて立て直しを図る。ディアスは右目上もカットし,ドクターチェックを受ける(三浦の有効打による傷)。狙い過ぎてややラフになる三浦。
 イヤなムードになったが,6回,三浦が自慢の強打で再び流れを引き寄せる。右フックのカウンターが効いてぐらつくディアス。スムーズに出た左ストレートがまともに決まり,ディアスは腰から落ちてダウン(カウント8)。三浦の左ストレートでぐらついたディアスは弱気な表情を浮かべた。
 7回,三浦の攻勢が続く。サウスポーにスイッチしたディアスは右ジャブを突いて器用な一面を見せた。しかし,終盤には三浦の左ストレートに次ぐアッパー気味の右フックが決まり,腰から落ちて3度目のダウン(カウント8)。8回,ディアスの右目下はどす黒く腫れあがり,敗色濃厚。終盤,三浦は左右フックでぐらつかせて優位を保った。ディアスは粘るが,もはや跳ね返す力はなく,いつ止められてもおかしくない状況になった。
 9回,三浦が試合を決めた。立っているのがやっとのディアス。左ストレートからチャンスを掴んだ三浦は左右フックのボディブローでさらにプレスをかける。最後は自慢の左ストレートが炸裂し,ディアスは青コーナーに崩れ落ちて4度目のダウン。ここでコール主審が試合をストップした。

 三浦が売り物の強打にモノを言わせ,2011年1月の内山高志(ワタナベ)戦以来2度目の挑戦で念願の世界タイトルを獲得した。老獪な王者が相手だったが,持ち味のパワーで序盤から押したことが最大の勝因。スムーズに出るシャープな左ストレート,ボディ攻撃も良かった。狙い過ぎて手数が減り,長引かせたのは反省点。防衛戦でスピードのあるテクニシャンを相手にしたときに真価が問われるだろう。
 ディアスは昨年10月に粟生隆寛(帝拳)から奪った王座の初防衛に失敗。ロングレンジからの右フック,ストレートを武器とする右ボクサーファイター。序盤から三浦の強打を浴びて右目下を大きく腫らすなど,ダメージを蓄積させた。最後まで粘ったのは王者の意地だったが,中盤以降は立っているのがやっとの状態だった。

8回までの採点 三浦 ディアス
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:ブルース・マクタビッシュ(比国) 76 71
副審:スティーブ・モロー(米国) 77 71
副審:ヒューバート・ミン(米国) 76 72
参考:MAOMIE 77 71


     ○三浦:29戦25勝(19KO)2敗
     ●ディアス:49戦37勝(17KO)10敗2分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:田中毅

※ 第1ラウンドのバッティングによるディアスの負傷により,三浦は減点1(WBCルール)。
※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない他方の選手に減点1を課す。


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                      2013年4月8日(月)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン         挑戦者(同級1位)
                ○   天笠 尚   判 定   横山大輔   ●
                          (山上) 125 3/4 lbs        (ワールドスポーツ) 125 3/4 lbs
                         WBC13位

 初回,天笠がいきなり左右フック,アッパーの連打で先制攻撃に出る。しかし,23秒,横山が返した左ストレートのボディブローから右フック,さらにフォローの左ストレートをかわし切れず,天笠は腰から落ちてダウンを喫した(カウント8)。気を良くした横山は右フックから上下への左ストレートで積極的に攻める。
 しかし,2回以降は天笠が左右フック,アッパーの連打をまとめて終始リードした。横山はときおり右フック,左ストレートを巧打するが,天笠が攻勢に出ると後手に回る場面が目立った。
 5回,距離を潰されると策がない横山。天笠は執拗に上下への左右フックで迫る。6回,横山は左目上をカット(天笠の有効打による傷)。横山は回り込んで左ストレートをヒットするが,天笠が攻勢に転じると弱気な面を露呈した。
 7回は天笠が右目上をカットしてドクターチェックを受ける(バッティング)。8・9回,ボディブローを交えた天笠の執拗な連打にガードを固めて耐える横山。
 10回,天笠の左右フック,アッパーが回転し,横山は後手に回り,見栄えが悪い。

 初回のダウンを跳ね返した天笠が4度目の防衛に成功。ダウンを喫したのは左ストレートのボディブローに続く右フックをかわし,気を抜いたところに食った左ストレート。どんな場合でも気を抜いてはいけない。2回以降は持ち味の連打で挽回したが,本来の迫力は見られなかった。スリムな体からは想像できないほどのパンチ力,パワーがある右ファイタータイプ。特に一発当ててからの怒涛の連打は相手にとっては脅威となる。
 横山はサウスポーのボクサーファイター。タイミング良く放つ左ストレートに威力がある。右フック,左ストレートで天笠を再三苦しめたが,攻め込まれるとガードを固めるだけで策がない。ダウンを奪って幸先の良い滑り出しとなったが,その波に乗れなかったのは天笠の攻撃を止めるだけの威力がなかったことに尽きる。足を止めず,守勢に回らないことが必要。

採点結果 天笠 横山
主審:吉田和敏 *** ***
副審:杉山利夫 95 94
副審:福地勇治 96 93
副審:葛城明彦 97 92
参考:MAOMIE 97 92


     ○天笠:29戦23勝(15KO)4敗2分
     ●横山:19戦14勝(6KO)5敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                        2013年4月8日(月)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級王座決定10回戦
                    日本S・ライト級1位  T   K   O   日本S・ライト級3位
                ○   小原佳太    4回2分00秒     外園隼人   ●
                          (三迫) 140 lbs                        (帝拳) 140 lbs

 初回からスリリングな展開になった。2分30秒,小原がボディへの右ストレートからアゴに返した左フックが決まり,外園はロープ際で尻餅(カウント8)。右フックから返した左フックで2度目のダウン(カウント8)。倒れた外園にパンチを振った小原は減点された。
 2回,2度のダウンで勢いに乗る小原は外園をロープに詰め,右ストレート,左アッパーで猛然と攻め立てる。外園の右ストレートが効くが,逆に小原の右フックでぐらつく外園。右フック,アッパーの追撃で外園は後方に弾き飛ばされるように腰から落ちてダウン(カウント8)。飛ばし過ぎた小原も外園の右ストレート,左フックで危ない場面を見せ,予断を許さぬ緊迫した展開が続く。
 3回,セコンドの指示を受けたのか,外園は前に出ながら丹念に左ジャブを突いて立て直しを図る。
 4回開始早々から小原が左ジャブ,右ストレートで攻め込む。外園は鼻からの出血に加え,右目上をカットして苦しくなる(小原の有効打による傷)。ワンツーで腰が落ちた外園に襲い掛かる小原。左フック,ワンツーの追い打ちでロープに腰を落としたところで中村主審が外園を抱きかかえるようにして試合をストップした。

 この両者は昨年11月に対戦し,劣勢を逆転した小原が8回TKOで外園を破っている。ともに強打とスピードを売り物とする両者の白熱戦にリマッチを望む声が多かったが,今回もスリリングな好ファイトとなった。外園を返り討ちにした小原はプロ転向9戦目で王座獲得。第1戦は7回までリードされたが,今夜はガードが下がる外園の欠点を突き,序盤から一気に主導権を握った。右ストレート,左フックに一発がある右ファイタータイプ。アマ出身(東洋大)らしからぬプロ向きの好戦的なスタイルが特徴である。ややアップライトスタイルから思い切った攻撃を見せるが,バランスを崩しやすい欠点がある。外園の右ストレート,左フックで危ない場面も見られた。攻め急いで雑になる面も見受けられたので,じっくり攻めた方が良いだろう。
 外園は182cmという長身の右ボクサータイプで左ジャブ,右ストレートを武器としている。5ヶ月ぶりの再戦で小原に完敗を喫してしまった。調子が上がらないうちに先制攻撃を許してしまったことが敗因。3回に入って左ジャブで立て直しにかかったが,ダメージを負っており,時すでに遅しの感がある。アゴのガードが下がる欠点を突かれ,初回に左フックを打ち込まれて食った2度のダウンが響いた。

     主審:中村勝彦,副審:葛城明彦&杉山利夫&吉田和敏
     ○小原:9戦8勝(7KO)1敗     ●外園:21戦16勝(9KO)4敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

※ 第1ラウンド,倒れている相手に対する加撃によって小原は減点1。

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                      2013年4月8日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                 日本S・フェザー級(ノーランク)      日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   スパイス松下    判 定    梅津宏治   ●
                         (セレス) 129 3/4 lbs                 (ワタナベ) 130 lbs

 初回,低い姿勢から接近して打ち合いを挑む梅津。松下は動きながら左ジャブを突いて間合いを取り,右ストレートを振る。3回,松下はやや腰が引けるが,終盤,ロープに詰めて右ストレートを決める。
 4回,松下の右ストレート,左フックが決まり,梅津がロープに詰まる。お互いに噛み合わず,一向に盛り上がらない。中盤以降も両者が決め手に欠けてもどかしい展開が続く。
 唯一の見せ場は7回。右フックからチャンスを掴んだ松下が一気に攻勢に出る。ロープを背負った梅津は危ないタイミングの右フックでグロッギー。松下の右ストレート,左フックに耐える梅津。
 8回,梅津が死力を振り絞って前に出る。梅津の右フックがヒット。打ち疲れが出た松下はパンチが出ない。

 両者ともに必死に戦っている割に盛り上がらない凡戦となった。2−0の判定で勝った松下は右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートに良いものがあるが,梅津のペースに合わせてしまい,本来の持ち味を生かせなかった印象が強い。攻撃が単調なところがあるので,フェイントをかけるなどの工夫が必要。
 梅津は元日本王者で36歳のベテラン。フィジカルの強さが売り物の変則右ファイター。愚直に肉薄して打ち合いに巻き込むスタイルは相変わらずだが,全盛時の勢いは感じられなかった。7回にはダウン寸前に追い込まれるピンチに陥ったが,耐え抜いたタフネスはさすが。

採点結果 松下 梅津
主審:福地勇治 *** ***
副審:吉田和敏 78 76
副審:杉山利夫 76 76
副審:中村勝彦 77 76
参考:MAOMIE 77 76


     ○松下:18戦11勝(2KO)7敗
     ●梅津:37戦20勝(9KO)14敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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          2013年4月14日(日)    インドネシア ジャカルタ : インドア・テニス・スタジアム
                     WBA世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン      負傷引き分け   挑戦者(同級6位)
             ×   クリス・ジョン    3回2分14秒     細野 悟   ×
                       (インドネシア) 126 lbs                      (大橋) 125 3/4 lbs

 初回,ジョンは左に回って速い左ジャブ,ストレートから立ち上がる。2回,細野は左右フック,アッパーで接近戦を挑むが,ジョンのリズミカルな左ジャブがそれを阻む。
 3回,細野は激しく攻めて右フックをヒット。バッティングでジョンが右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。再開後,負傷判定を意識した両者のピッチが一気に上がる。ここでジョンがさらに左目上をカットし,再びドクターチェック(バッティング)。これが続行不能とされ,試合がストップした。

 不完全燃焼ではあったが,ジョンは実に18度目の防衛に成功。軽快なフットワークに乗せた左ジャブ,右ストレートを中心とする右ボクサータイプ。スピードとリズムを生かしたボクシングを身上とするテクニシャンである。派手さはないが,打たせずに打つ技術にかけては超一流。2003年9月にオスカー・レオン(コロンビア)を破って暫定王者となり,その直後に正規王者として認定されている。それ以来約10年近く王座を守っており,現役王者としては最長寿政権を誇っている。佐藤修(協栄)武本在樹(千里馬神戸)榎洋之(角海老宝石),木村章司(花形)など日本の一線級の挑戦をことごとく退けており,実力は折り紙つき。
 細野はこれが3度目の世界挑戦。左右フックで積極的に仕掛けていたが,ジョンにうまく見切られていたという印象が強い。ジョンは細野のように前に出てくる相手は最も得意としている。不本意な終わり方になってしまったが,単調な前進だけでジョンを攻略するのは不可能だろう。

2回までの採点 ジョン 細野
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 20 18
副審:アルフレッド・ポランコ(メキシコ) 19 19
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 19 19
参考:MAOMIE 20 18


     ×ジョン:51戦48勝(22KO)3分
     ×細野:26戦23勝(17KO)2敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:山藤美智

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                       2013年4月16日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                    日本L・フライ級6位  T   K   O    日本L・フライ級1位
                ○   井上尚弥    10回1分09秒     佐野友樹   ●
                         (大橋) 110 1/4 lbs                       (松田) 110 1/4 lbs
                                             佐野友樹=さの・ゆうき

 初回から井上がスピードの差を見せつけて圧倒した。左ジャブ,フックからワンツー,左アッパーが飛び,佐野は早くも右目尻をカット(井上の有効打による傷)。
 2回,ボディに軽く打ってアゴに返した左フックが決まり,佐野は腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がった佐野を青コーナーに詰め,左フック,アッパーで圧倒する井上。3回,ダウンにも関わらず佐野の動きは悪くない。しかし,井上の左フック,アッパーが容赦なく飛ぶ。
 4回,再び井上が魅せた。小さな左フックでぐらついたところを一気に畳みかければ,佐野はロープ際で再びダウン(カウント8)。佐野は良く応戦するが,井上の左が冴え,右目上の傷が広がり,ドクターチェックを受ける。
 中盤,ボディにも散らされた佐野は動きが鈍り,左フック,アッパーでぐらついたり,のけぞる場面が目立つ。
 7・8回,拳を痛めた井上は右が出なくなるが,多彩な左ブローで十分過ぎる埋め合わせを行った。9回には左フックでぐらつかせ,細かい左フック,アッパー,右ストレートで追い込む。
 10回,井上が粘る佐野を捉えた。1分過ぎ,左フックからチャンスを掴んだ井上が右ストレート,左フックでぐらつかせたところで中村主審が割って入った。

 怪物との呼び声が高いホープ井上がトップコンテンダーの佐野を圧倒し,プロ転向第3戦を飾った。粘る佐野を左一本で翻弄し,実力で魅せた一戦。瑞々しい才能を惜しげもなく披露したと言える。上下に散らす多彩な左攻撃は20歳の若さが嘘のようであり,まさに圧巻。強弱をつけてコンスタントに出る左ジャブに加え,ウィービング,ダッキングで溜めを作って放つタイミング抜群の左フック,アッパーは新人らしからぬパンチ。ボディに打ち込む左アッパーも粘る佐野を確実に弱らせる効果があった。日本タイトル挑戦ならすぐにでも可能だが,まだ3戦目。世界挑戦に向けては焦ることなくキャリアを積むことが大事だろう。長く続けてこそ真の王者である。
 佐野は31歳のベテランで,ワンツー,左フックに威力がある右ボクサーファイター。序盤から井上のスピードに圧倒されたが,最後まで試合を捨てずに戦ったのはトップコンテンダーのプライドだろう。メリットも大きいがリスクの方が大きいはずのカードを受けた勇気に脱帽である。

9回までの採点 井上 佐野
主審:中村勝彦 *** ***
副審:杉山利夫 90 79
副審:土屋末広 90 79
副審:安部和夫 90 79
参考:MAOMIE 90 79


     ○井上:3戦3勝(3KO)
     ●佐野:24戦17勝(12KO)3敗4分

     放送:フジテレビ
     解説:西岡利晃     ゲスト:千原ジュニア
     実況:竹下陽平

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                        2013年4月26日(金)    神戸市立中央体育館
                                   10回戦
                  WBA世界S・バンタム級5位  K      O      タイ国フェザー級5位
                ○   長谷川穂積     3回2分51秒    ウィラポン・ソーチャンドラシット  ●
                             (真正) 124 lbs                                (タイ) 123 3/4 lbs

 初回,右で牽制し,速い左ストレートを浴びせる長谷川。この攻撃でウィラポンがバランスを崩す場面も。ウィラポンは下がりながらときおり右ストレートを返すが,届かない。
 2回は逆にウィラポンのラウンド。左右に動いて正面からの打ち合いを避け,思い切った右ストレートを振る。長谷川はこのパンチを食う。
 3回,長谷川は接近して左フック,ストレートを浴びせる。力みが目立つ長谷川に,ウィラポンは左右に動いて右ストレートを放つ。しかし,ロープ際から回り込もうとしたところに長谷川の左フックが決まり,ウィラポンの足が縺れる。一気に追撃すれば,ウィラポンは崩れるようにダウン(カウント8)。左フックで2度目のダウン(カウント8)。さらに左フック,ストレートを浴びせたところで宮崎主審が割って入った。

 勝つには勝った長谷川だが,力みが目立って左に頼り過ぎた感がある。動きが硬く,会心のKO勝利には程遠い。2回にはウィラポンの右ストレートをもらう場面も見られた。スーパーバンタム級で3階級制覇を目指すようだが,やや不安を残す試合内容と言わざるを得ない。
 ウィラポンは長身の右ボクサーファイター。足を使って左右に動きながら思い切った右ストレートを打つ。最後は力負けしたが,この右で長谷川を脅かした。

     主審:宮崎久利,副審:川上淳&野田昌宏&原田武夫
     ○長谷川:36戦32勝(14KO)4敗     ●ウィラポン:11戦8勝(2KO)3敗
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:村山喜彦

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                        2013年4月26日(金)    神戸市立中央体育館
                                  8回戦
                 東洋太平洋フェザー級10位   T   K  O      タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○   福岡孝太      3回1分45秒     ペッチシラ・ルクジャオプラヤ   ●
                         (明石) 126 1/2 lbs                                (タイ) 124 1/2 lbs

 初回,左の福岡がじりじりと前に出てロープに詰め,左右フック,アッパーのボディブローで攻め込む。
 2回,左にスイッチしたペッチシラがロープを背に左ストレートを放つ。しかし,福岡が押し込んで右フックのカウンターをヒット。このパンチでペッチシラがバランスを崩す。左ストレートのカウンターが決まり,腰が落ちたペッチシラは左グラブをついてダウンを取られた(カウント8)。
 3回,左右フック,アッパーを上下に連打してプレスをかける。下がりながら思い切って放つペッチシラの右も要注意だが,福岡の攻勢が続く。ロープを背にしたペッチシラが防戦一方になったところで川上主審が試合をストップした。

 福岡はサウスポーのファイタータイプ。上下に連打する左右フック,アッパーが持ち味。その反面,スピードに難があり,打ち終わりにパンチを返される危険がある。上位を狙うにはその辺が課題となる。
 ペッチシラは150戦というムエタイのキャリアを持つ右ボクサーファイター。下がりながら相手の隙を突くように思い切り右ストレートを放つ。ときおり左にスイッチする場面も見られる。

     主審:川上淳,副審:半田隆基&宮崎久利&野田昌宏
     ○福岡:18戦13勝(10KO)3敗2分     ●ペッチシラ:15戦9勝(2KO)6敗
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:尾山憲一

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                       2013年4月26日(金)    神戸市立中央体育館
                                 8回戦
                  東洋太平洋ライト級14位  K      O    タイ国ライト級(ノーランク)
                ○   中谷正義     2回2分16秒   ナムポン・ソージャンタシット   ●
                         (井岡) 134 3/4 lbs                          (タイ) 134 1/4 lbs

 初回,中谷がフェイントを交えて左ジャブを突きながら前に出る。ナムポンも右フックを返すが,相打ちの右ストレートでバランスを崩す。さらに右ストレート,アッパーで攻勢に出る中谷。終了間際,左アッパーがボディに決まり,ナムポンは崩れるようにダウン(カウント8)。
 2回開始早々,右ストレート,左フックで攻め立てる中谷。右アッパーからボディに打ち込んだ左アッパーでナムポンは右膝をついてダウン(カウント8)。さらに攻勢を強める中谷。左アッパーのボディブローから右・左・右のフォローでナムポンは再び崩れるようにダウン。そのままカウントアウトとなった。

 中谷は182cmの長身を誇る右ボクサーファイター。大阪・興国高でアマ経験があり,右ストレート,ボディへの左アッパーに威力を秘める。左ジャブを突いて積極的にプレスをかけ,上下への打ち分けもいい。長身とリーチを生かし,ラフにならないように心掛けることが大事。上位進出も十分に期待できる。
 ナムポンは元タイ国フェザー級王者。左右フックを得意とする右ファイタータイプ。スピードはなく,弱点のボディに打ち込まれて呆気なく沈んだ。

     主審:原田武夫,副審:宮崎久利&半田隆基&川上淳
     ○中谷:5戦5勝(4KO)     ●ナムポン:17戦10勝(4KO)7敗
     放送:G+     解説:なし     実況:本野大輔

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