熱戦譜〜2012年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.10.02  日本ミニマム級
 王座決定10回戦
 原 隆二  判定  堀川謙一
2012.10.02 8回戦  井上尚弥  KO4R  クリソン・オマオヤ
2012.10.06  東洋太平洋ス-パーミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 清田祐三  TKO6R  三浦広光
2012.10.06 10回戦  村中 優  TKO7R  ガンバレ将太
2012.10.06 10回戦  ホルヘ・リナレス  判定  エクトール・ベラスケス
2012.10.06 10回戦  亀海喜寛  引き分け  ホルヘ・シルバ
2012.10.07 8回戦  ロナルド・ポンティージャス  KO1R  徳永幸大
2012.10.08  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 佐々木左之介  KO4R  湯場忠志
2012.10.08  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 柴田明雄  判定  十二村喜久
10 2012.10.13  WBC・WBO世界スーパーバンタム級
 王座統一12回戦
 ノニト・ドネア  TKO9R  西岡利晃
11 2012.10.27  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ガマリエル・ディアス  判定  粟生隆寛
12 2012.10.27 10回戦  エドガル・ソーサ  判定  李 明浩

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                     2012年10月2日(火)    後楽園ホール
                      日本ミニマム級王座決定10回戦
                   日本ミニマム級1位         日本ミニマム級2位
                ○   原 隆二    判 定    堀川謙一   ●
                          (大橋) 105 lbs              (SFマキ) 105 lbs

 開始早々から原が積極的に攻めて左ジャブ,ボディへの右ストレートでプレスをかける。堀川は左右に動いて原の強打をかわしながら,様子を見る。終盤,回り込んでかわそうと堀川が横を向いたところに原の右ストレートがヒット。
 2回,右ストレートからの左フックで原が攻め込む。終了間際にも原が攻勢に出て,右ストレートを浴びせた。堀川は後手に回る。
 6回終盤,堀川は反撃を試みるが,逆に原が思い切った右ストレート,左右フックで押し返す。勢いに押される堀川。
 8回,原は左ジャブから堀川の出バナに右アッパーをヒットし,巧みな位置取りでうまくパンチを当てるテクニックを見せた。9回,堀川は左右アッパーのボディブローで反撃するが,原がすぐにロープに詰めて攻勢に転じる。堀川も終盤に右ストレートをヒットして再び反撃を見せた。
 10回,堀川はようやく自分から捨て身の攻撃に出て左右フック,アッパーで原を追い込む。体を密着させて堀川の攻撃をかわそうとする原だが,堀川は押し返して敢然と攻めた。この攻撃を序盤から見せたかったところだが,時すでに遅し。

 世界挑戦のために三田村拓也(ワールドスポーツ)が返上した王座を争う一戦。新鋭の原が初挑戦でタイトルを獲得した。右ファイターで旺盛な手数と強打を武器に好戦的なスタイルで売る。ダイナミックな攻撃を身上としている。積極的な攻撃でプレスをかけ続け,主導権を握り続けたことが勝因。位置取りを変えてパンチを正確にヒットするうまさを見せたが,その反面,大振りになったことは反省点である。日本タイトルに止まらず,さらに上を狙えるポテンシャルを備えている。
 堀川は2009年6月にこのタイトルを八重樫東(大橋)と争っており,2度目の挑戦に失敗。パンチ力はないが,思い切って放つ右ストレ−ト,左右フックを得意としている。原の好戦的なスタイルで後手に回ったことが敗因。最終回にようやく逆襲に出て原を追い込んだが,遅かった。3倍近いキャリアを誇っているのだから,自ら仕掛けて若い原のリズムを崩すことが必要だった。

採点結果 堀川
主審:福地勇治 *** ***
副審:中村勝彦 96 94
副審:安部和夫 97 94
副審:葛城明彦 97 95
参考:MAOMIE (69) (64)


     ○原:13戦13勝(10KO)
     ●堀川:35戦23勝(4KO)11敗1分

     放送:TBS
     解説:佐藤修     ゲスト:八重樫東
     実況:土井敏之

※ 第4・5・7ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2012年10月2日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本L・フライ級(ノーランク)   K      O   比国ミニマム級チャンピオン
                ○  井上尚弥     4回2分04秒     クリソン・オマオヤ   ●
                       (大橋) 108 1/4 lbs                       (比国) 108 lbs

 デビュー戦の緊張を自ら静めるためか,初回,左ジャブからゆっくり立ち上がる井上。さらに左フック,右ストレートで追う。中盤,左ジャブにつないだ右ストレ−トが鳩尾に決まり,背中を見せて青コーナーにしゃがみ込むオマオヤ(カウント8)。井上は慌てず,左ジャブからの右ストレートでぐらつかせた。
 力まずに上下に打ち分ける井上。3回,鋭い左ジャブを連発。そこから右アッパーが飛ぶ。井上は中盤から右ストレート,左フック,アッパーをボディに。
 4回,井上が鮮やかに試合を決めた。左ジャブからボディに打ち込んだ左アッパーにオマオヤは思わずクリンチに逃れようとする。空いたボディに再び左アッパーが刺さり,オマオヤは両膝から崩れ落ちてキャンバスに沈み,悶絶したままカウントアウトされた。

 アマチュア7冠という実積を引っさげ,鳴り物入りでのデビュー戦を迎えた井上が期待に違わぬ実力を見せた。落ち着いた試合運びが目立つ。鋭い左ジャブから立ち上がり,ボディに相手の弱点があると見るや,上と見せかけてボディを狙ったところも見事。一発に頼らず,今夜のように小さく鋭く上下に打ち分けることが大事になる。層が厚い日本の軽量級に注目株がまた一枚加わった。なおA級でのプロデビューを果たしたのは池山伊佐巳,米倉健治,ロイヤル小林,石井幸喜,平中明信,赤城武幸に次ぐ25年ぶり日本ボクシング史上7人目。平成に入ってからは井上が初である。
 オマオヤは比国王者だが,井上の鋭いパンチを上下に散らされ,なす術もなく沈んだ。ボディを打たれると急に弱気な面を見せた。

     主審:中村勝彦,副審:葛城明彦&福地勇治&安部和夫
     ○井上:1戦1勝(1KO)     ●オマオヤ:22戦16勝(4KO)5敗1分
     放送:TBS     解説:佐藤修     ゲスト:八重樫東     実況:新夕悦男

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                      2012年10月6日(土)    後楽園ホール
                   東洋太平洋スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級2位)
              ○  清田祐三    6回2分00秒    三浦広光   ●
                     (フラッシュ赤羽) 168 lbs                    (帝拳) 168 lbs
                        WBC14位

 開始ゴングと同時に三浦が先制攻撃を仕掛けた。左フックに次ぐ出バナへの右アッパー。三浦はさらに左右フックのボディブロー,右ストレートで清田を青コーナーに追い詰める。
 2・3回は清田も落ち着きを取り戻したが,4回に入ると再び三浦が積極的な攻撃でリードした。
 5回,三浦が最大の見せ場を作る。左ジャブを先にヒットする三浦。右クロスカウンターから清田をロープに詰め,左右フックのボディブローを連打する。ここで清田が左目上をカットし,ドクターチェックを受ける(三浦の有効打による傷)。
 しかし,三浦優勢のまま迎えた6回,清田の豪打が爆発した。開始早々,清田の左フックがアゴにクリーンヒット。この一発が効いた三浦はニュートラルコーナーに下がる。チャンスと見た清田が一気に噴火。左右フックの猛攻に三浦はニュートラルコーナーで崩れるようにダウン(カウント8)。立ち上がったが,再び清田の猛攻に晒される三浦。手負いの三浦は良く応戦するが,ガードを下げて誘おうとしたところに右ストレートが決まり,青コーナー下で仰向けにダウン。土屋主審が試合をストップするのとほぼ同時に青コーナーからタオルが投入された。

 清田,豪快なTKOで6度目の防衛に成功。三浦の積極果敢な攻撃で後手に回ったことが苦戦の原因。左ジャブが出ず,手数が少ないところに先に左ジャブを打たれたことで主導権を奪われた。しかし,6回に最初のダウンを奪った左フックは外側から弧を描くように放ったスムーズなパンチ。今までは右強打のイメージが強かったが,左にも破壊力があることを証明した。この一発でチャンスを掴んでからは持ち味の豪打を爆発させて清田の独壇場となった。左ジャブ,ストレートを先に当てることを心掛けるべきだろう。
 善戦空しく敗れたが,三浦の積極的な攻撃によって試合は大いに盛り上がった。左ジャブを小気味良く突いて主導権を握ったのは作戦通りだろう。リズムに乗って攻め,5回まではリードしていた。最後は清田のパワーに屈したが,重量級では貴重なタレントであることに変わりはない。

     主審:土屋末広,副審:ビニー・マーチン&安部和夫&中村勝彦
     ○清田:27戦23勝(21KO)3敗1分     ●三浦:10戦9勝(4KO)1敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:上重聡

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                        2012年10月6日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                  WBA世界フライ級11位  T   K  O    日本フライ級(ノーランク)
                ○   村中 優     7回1分16秒     ガンバレ将太   ●
                       (フラッシュ赤羽) 111 1/2 lbs                   (戸高秀樹) 111 3/4 lbs
                        村中 優=むらなか・すぐる

 初回から左ジャブ,ワンツーを出して将太が積極的に攻める。2回,今度はじりじりと前に出た村中が出る。将太の右アッパーに対し,右フックのカウンターを合わせる。リング中央で村中の左フックが決まり,将太は腰から落ちてダウン(カウント8)。ロープに詰めて一気にパンチをまとめる村中。右ストレートで足がもつれたところに連打を浴びせれば,将太はたまらず青コーナーに崩れ落ちる(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われた。
 将太は4回に右アッパーの連打から右フックを決めて見せ場を作る。
 5回中盤,右フックからチャンスを掴んだ村中が右ストレート,左フックで攻勢に出る。終盤,攻勢に出た村中の鮮やかな右ストレートがアゴに決まれば将太は膝から落ち,この試合3度目のダウン(カウント9)。
 リングネームの通りに粘る将太。しかし,7回に力尽きた。プレッシャーを強める村中。バッティングで将太が左目上をカットし,ドクターチェックのために中断。しかし,再開後の接近戦でアゴに決まった小さな左フックが効き,将太の腰が落ちる。一気に襲いかかる村中。後退した将太がロープ際に崩れ落ちたところで杉山主審が試合をストップした。

 テクニックで勝る村中が世界ランカーの貫録を見せた。上下への右ストレート,左フック,アッパーを得意とする右ボクサーファイターで,特に相手の出バナに合わせる左フックに非凡なものがある。頭脳的なテクニシャンで,冷静な試合運びが光る。ただし,狙い過ぎる面があり,手数の多い将太に先手を許す場面が見られた。細かいパンチを多くし,先に攻めさせないことも大事である。
 将太はワンツー,右アッパーを武器とする右ボクサーファイター。旺盛に手数が出るのが特徴。積極的な攻撃で村中を追い込む場面もあった。しかし,目と勘の良い村中に要所をカウンターで攻められたことが敗因。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&中村勝彦
     ○村中:20戦17勝(5KO)2敗1分     ●ガンバレ将太:13戦9勝(2KO)3敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:藤田大介

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         2012年10月6日(土)    米国カリフォルニア州サクラメント メモリアル・オーディトリアム
                               10回戦
                    WBC世界ライト級3位         メキシコ ライト級(ノーランク)
                ○   ホルヘ・リナレス    判 定    エクトール・ベラスケス   ●
                          (帝拳) 135 1/2 lbs              (メキシコ) 134 1/2 lbs

 序盤からリナレスが圧倒的なスピードの差を見せた。左右に動き,鋭い左ジャブ,ボディへの左アッパーを放つリナレス。ベラスケスも押し込んで左右フックをボディに返すが,リナレスには良く見えている。
 5回,左フックでベラスケスの動きが止まる。チャンスと見たリナレスはパンチをまとめるが,ベラスケスは果敢に応戦。
 6回はベラスケスがリナレスを押し込んで左右フック,アッパーを打つが,7回は再びリナレスが足を生かしたアウトボクシングを展開する。シャープな左ジャブの連打でベラスケスの顔が上を向く。ベラスケスの出バナに鋭い右ストレートを浴びせ,スピーディなパンチをまとめるリナレス。
 8・9回,ベラスケスは執拗に食い下がるが,リナレスはスピードで圧倒。10回,リナレスは右ストレートから左アッパーをアゴにヒット。スピードについていけず苛立つベラスケスはリナレスの背後からパンチを打って減点された。

 2連続TKO負けでスランプ状態だったリナレスがスピードの差を見せつけて圧勝し,再起を飾った。足のスピードで寄せ付けず,回り込んでは鋭いパンチを浴びせ,ほぼ危な気ない試合内容である。これで完全復活とは判断できない部分はあるが,次のステージに向けたアピールはできたものと言える。
 ベラスケスは2004年5月に来日し,洲鎌栄一(尼崎)とも引き分けている。右ボクサーファイターだったが,8年が経過して完全なファイタータイプに変貌していた。左右フック,アッパーの連打を武器にどんどん攻撃を仕掛ける。世界的強豪との対戦経験が豊富で,非常にしぶといボクシングを身上とする。リナレスの鋭いパンチを浴びながらも,常に前に出て連打で食い下がった。タフネスもかなりのもの。

採点結果 リナレス ベラスケス
主審:ダン・ステル(米国) *** ***
副審:カーミット・ベイレス(米国) 100 89
副審:スティーブ・モロー(米国) 98 91
副審:ブルース・ラスムセン(米国) 97 91
参考:MAOMIE 99 90


     ○リナレス:35戦32勝(20KO)3敗
     ●ベラスケス:74戦52勝(35KO)18敗3分1無効試合

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ 第10ラウンド,相手の背後からの加撃によってベラスケスは減点1。

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        2012年10月6日(土)    米国カリフォルニア州サクラメント メモリアル・オーディトリアム
                              10回戦
                  WBC世界S・ライト級6位       メキシコ ウェルター級(ノーランク)
                ×   亀海喜寛    引き分け    ホルヘ・シルバ     ×
                           (帝拳) 147 lbs                (メキシコ) 147 1/2 lbs
                        WBA世界ウェルター級12位

 初回,シルバが左ジャブ,フック,アッパーを繰り出して積極的に攻める。さらに右フックを浴びせるシルバ。ガードを割るように左アッパーがアゴに決まり,亀海が一瞬ぐらつく場面が見られた。
 しかし,2回に入ると亀海が的確なクリーンヒットを決めてポイントを重ねる。ロープに詰めて左アッパー,右フックのボディブローを打ち込む亀海。終了間際には再びロープに詰め,右ストレート,左フックを浴びせる。
 4・5回にはボディブローが効き,マウスピースを覗かせるシルバ。しかし,6回,そのシルバが最大のチャンスを迎えた。ボディブローを受けてクリンチが目立つシルバだが,終盤にロープを背にしながら放った左フックが亀海のアゴに決まる。この一発で大きくぐらついた亀海は足がもつれてダウン寸前のピンチ。必死に抱きついてゴングに救われたが,あわやという場面だった。
 終盤は再び亀海の鋭いパンチがボディ,顔面に飛ぶ。9回,亀海の右ストレート,左フック,アッパーの上下への打ち分けが光る。10回,シルバは執拗に食い下がるが,さすがにスピードが落ちる。亀海はかわしながら上下に右ストレート,左フック,アッパーを打ち込んだ。

 亀海が本場・米国で大差の判定勝ちと思われたが,意外にもドローという結果となった。有効打で圧倒していたが,これはブロック主体のディフェンスを重視するボクシングが思うほど評価されないことを物語っている。世界挑戦を目指す亀海にとっては貴重なヒントになるはず。ガードを固めて打たせながら的確なパンチを返していたが,打ち返してもポイントは相手に流れやすい。ブロックに加えてウィービング,ダッキングを多くする必要があるかもしれない。打たせるのではなく,振らせることも重要だろう。
 シルバは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードは今ひとつだが,右ストレート,左フックにパンチ力がある。非常に打たれ強く,しぶとい。ボディを攻められて動きが鈍ったが,それでもフィニッシュを拒否したタフネスは驚異的。

採点結果 亀海 シルバ
主審:マルコス・ロサレス(米国) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 96 94
副審:カーミット・ベイレス(米国) 95 95
副審:ブルース・ラスムセン(米国) 95 95
参考:MAOMIE 98 92


     ×亀海:22戦21勝(18KO)1分
     ×シルバ:23戦19勝(15KO)2敗2分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                            2012年10月7日(日)    KBS京都ホール
                                     8回戦
                  東洋太平洋S・フェザー級1位    K      O  日本ライト級(ノーランク)
              ○   ロナルド・ポンティージャス    1回2分34秒    徳永幸大   ●
                            (比国) 134 1/2 lbs                         (ウォズ) 135 lbs
                                                        徳永幸大=とくなが・こうた

 長身の徳永が左に回って左ジャブ,右ストレートを伸ばす。サウスポーのポンティージャスは思い切った左ストレート,フックで迫る。中盤,右の打ち終わりに放った左ストレートがカウンターになり,ガクンと腰を落とす徳永。ポンティージャスはチャンスと見て攻勢に出る。再び左ストレートがアゴに決まり,徳永はニュートラルコーナーで腰から落ちてダウン(カウント8)。再開後,一気に勝負をかけるポンティージャス。徳永は右ストレートで応戦するが,左ストレート2発を浴び,ロープ際で崩れ落ちる。何とか立ち上がったものの,そのままカウントアウトされた。

 キャリアの差が出た一戦。左のボクサーファイターで,昨年5月には仲村正男(仲里ATSUMI)を初回で沈めて東洋太平洋フェザー級の王座を奪っている。鋭い踏み込みから放つ左ストレート,返しの右フックに破壊力がある。やや硬くなってアゴのガードも空いている徳永の弱点を見抜いた見事な速攻だった。左ストレートは思いのほか伸びてくる。
 徳永は178cmの長身を誇る右ボクサーファイター。右ストレートにパンチ力があるが,打たれ脆いことが欠点。直線的な動きを読まれ,正面からの攻撃を受けて沈んだ。左に回って強打を避けながら戦うべきだった。

     主審:不明,副審:3名とも不明
     ○ポンティージャス:22戦15勝(7KO)4敗3分     ●徳永:10戦8勝(7KO)2敗
     放送:YOUTUBE     解説:なし     実況:なし

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                          2012年10月8日(月)    後楽園ホール
                           日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                     挑戦者(同級6位)    K      O     チャンピオン
                ○   佐々木左之介    4回2分15秒    湯場忠志   ●
                            (ワタナベ) 159 3/4 lbs                   (都城レオスポーツ) 158 3/4 lbs

 8回戦が一度だけ,初の10回戦がいきなりタイトル挑戦という佐々木が,闘志満々で4階級制覇の大王者・湯場に挑みかかる。開始早々からフェイントをかけながらぐいぐい前に出る佐々木。湯場は下がりながら冷静に見て,後半に左フック,ストレートを再三ヒット。佐々木は早くも右目上をカット(湯場の有効打による傷)。湯場のカウンターを警戒し,佐々木の出足が止まる。
 2回は佐々木が再びがむしゃらな攻撃で湯場に迫る。湯場はバッティングで左目上をカット。不敵な笑みを浮かべる佐々木は右ストレートを決めて攻勢。
 3回前半は佐々木が右ストレートで湯場を追う展開。しかし,中盤から湯場が左ストレート,左右フックで押し返す。ロープを背にして左ストレートを受けた佐々木がのけぞる場面があった。お互いに一瞬たりとも気が抜けない打撃戦が続く。
 スリリングな試合は4回に決着がついた。正面から打ち合っては危険と見た湯場は間合いを取って後半に持ち込む作戦。佐々木は右ストレートを振って構わず前に出る。右ストレートでひるんだ湯場をロープに詰めて攻勢に出る佐々木。湯場のガードが下がったところ,アゴに渾身の右ストレートが炸裂。首が捩じれるような強烈なパンチに湯場はロープ際で崩れ落ち,仰向けにダウン。上体を起こすのがやっとの状態でカウントアウトされた。

 大番狂わせと言えば佐々木に失礼だが,キャリアに天と地ほどの差があるだけに,誰も佐々木の勝利を予想した者はいなかっただろう。大ベテランの湯場を向こうに回して堂々と勝負を挑んだ末の下馬評を覆す見事なKOで王座奪取となった。右ストレート,フックに一発がある右ファイタータイプで,2011年度全日本ミドル級新人王を獲得している。大王者を食ってやろうという意欲を前面に出し続けたことが勝因。湯場の左強打で前進を止められる場面もあったが,それでも愚直に右を振って攻め続けたことが勝利につながった。4回にチャンスを掴んだ場面で一気に勝負に出た思い切りの良さも見事。ここで迷って後半に縺れていればキャリアで遥かに上回る湯場に誤魔化されたことも考えられる。ただし,真価が問われるのは初防衛戦。勢いに乗って勝利を浚った今夜の試合と違い,次は研究して挑戦してくる相手をどうやって受け止めるかが課題になるだろう。
 湯場は2度目の防衛に失敗。何と言っても若い佐々木を調子に乗せてしまったことが敗因。元来が打たれて強い方ではないが,ガードが下がったところに食ってしまったことが悔やまれる。前半はかわして佐々木に振るだけ振らせて疲れを誘う作戦が妥当だったろう。打ち合いに付き合って墓穴を掘った感が強い。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&吉田和敏&葛城明彦
     ○佐々木:12戦11勝(5KO)1敗     ●湯場:51戦41勝(31KO)8敗2分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                    2012年10月8日(月)    後楽園ホール
                   日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン           挑戦者(同級1位)
             ○   柴田明雄    判 定    十二村喜久   ●
                         (ワタナベ) 154 lbs               (角海老宝石) 154 lbs

 初挑戦の十二村が開始早々から意欲的に飛ばすが,2回に入ると柴田が落ち着きを取り戻す。左ジャブでタイミングを取り,右ストレートを浴びせる。十二村も左ストレートをヒットするが,柴田は冷静に間合いを取る。
 3回,十二村はバッティングで左目尻をカット。柴田のモーションのない右ストレートがヒットする。4回,十二村は強引に仕掛けるが,柴田は左ジャブ,フックを浴びせてリード。さらにカウンター気味に決まった左アッパーのボディブローが効く。
 前半は柴田のスピードと技巧が冴えたが,後半は十二村も闘志を前面に出した攻撃で迫った。6回には柴田もバッティングで左目上をカットし,ドクターチェックを受ける。7回,強引な十二村の突進に柴田はやや後手に回る。
 8回,柴田が再び足と左ジャブ,フックでリズムを作る。十二村のパンチをかわそうとしてバランスを崩した柴田がロープの間からエプロンに転落するというハプニングが見られた。9回,激しく応酬する両者。縺れ合って今度は十二村がロープの間からあわや転落という場面があった。
 10回,必死に手を出す両者。終盤,十二村の出バナに柴田の右ストレートが決まった。

 激戦の末,柴田が初防衛に成功。重量級には珍しいフットワークとスピーディな攻撃を身上とする技巧派である。前半は持ち味のスピードを生かしたボクシングで着実にポイントを積み重ねた。後半,強引な十二村の仕掛けに巻き込まれてリズムを崩したことは反省点。
 十二村は右ファイタータイプで変則的な攻撃が特徴。柴田に間合いを取られ,タイミングの良い左ジャブ,右ストレートに苦しんだが,激しいアタックで柴田を苦しめた。闘志溢れる試合ぶりで沸かせたが,攻撃が雑になってミスブローが目立ったことが悔やまれる。

採点結果 柴田 十二村
主審:土屋末広 *** ***
副審:葛城明彦 97 94
副審:福地勇治 97 94
副審:吉田和敏 97 94
参考:MAOMIE 96 94


     ○柴田:27戦19勝(8KO)7敗1分
     ●十二村:27戦16勝(4KO)7敗4分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:福永一茂

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              2012年10月13日(土)    米国カリフォルニア州カーソン : ホーム・デポ・センター
                      WBC・WBO世界スーパーバンタム級王座統一12回戦
              WBO世界S・バンタム級チャンピオン  T   K   O   WBC世界S・バンタム級名誉チャンピオン
              ○   ノニト・ドネア       9回1分54秒       西岡利晃   ●
                       (比国) 121 1/2 lbs                             (帝拳) 121 3/4 lbs

 開始早々からガードを高く上げ,アゴのガードをガッチリ固める西岡。ドネアの最大の武器である左フックを警戒した当然のスタイルだった。ドネアは鋭くスピーディな左ジャブ,右ストレートを多用し,これを崩そうとする。
 上下に数多く打ち分けて揺さぶりをかけるドネアに対し,西岡は音なしの構え。まともには被弾していないが,ポイントは手数の多いドネアに流れた。5回,ドネアは左ジャブから右ストレート,左アッパーを上下にまとめてリード。西岡も左ストレートを返すが,流れる。
 試合が大きく動いたのは6回。左フックを封じられたドネアは右ストレートからの左アッパーでアゴを狙う。右ストレートからチャンスを掴んだドネアは左フックのボディブローからすかさず左アッパーをアゴに突き上げる。不意を突くパンチに西岡は思わず腰から落ちてダウン(カウント8)。勝負に出るドネアに対し,ここまで手数が少なかった西岡も相打ち覚悟で挑む。ようやく左ストレート,アッパーがヒットする西岡。激しい応酬が見られたが,終了間際,西岡の左フックがボディに。
 8回,ドネアはスピーディなパンチを上下に飛ばして再びリードを広げる。西岡は渾身の左フックで応戦。両者のプライドがぶつかった迫力ある打ち合いだ。
 9回,西岡に破局が訪れた。ジリジリと前に出る西岡に対し,左ジャブ,右ストレートで牽制するドネア。ロープを背負うドネアに誘われるままにワンツー,左ストレートのボディブローで攻め込む西岡。しかし,ここで待ってましたとばかりにドネアの右ストレートが伸びる。開いたガードを割るようなパンチをアゴに見舞われた西岡はたまらず腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが,足に来ている。ドネアが襲い掛かったところで田中繊大トレーナーが飛び込み,同時にカイズ主審が試合をストップした。

 西岡,散る。ドネアが最大の武器とする必殺の左フックを殺しに殺していたが,力を抜いたスピーディなパンチを上下にまとめられ,自ら攻めることができなかった。ドネアの左フックを封じるべく研究していたが,それ以上にドネアが研究していたということに尽きる。6回に最初のダウンを喫してから意を決したように左フック,ストレートを上下に放って敢然と打ち合いを挑んだが,ドネアの巧妙なディフェンスに阻まれた。ポイントでも大きくリードされて結果的に完敗となったが,決して惨敗ではない。勝つためにやるべきことをすべてやり尽くしたことが窺え,納得の敗戦と言える。
 このクラスでドネアはやはり現役最強。スピード,パンチ力,読みの鋭さなど,どれを取っても超一流である。西岡の右ガードの固さを知り,すかさずアゴへの左アッパーに切り替えた辺りの判断も素晴らしい。6回にこの左アッパーで倒し,9回にはモーションのない右ショートストレートで再びダウンを奪って試合を決めた。いずれも相手の読みの裏をかくパンチだった。今後どこまで強くなるか,注目したい。

8回までの採点 ドネア 西岡
主審:ラウル・カイズ・シニア(米国) *** ***
副審:ラルフ・マクナイト(米国) 79 72
副審:カルロス・オルティス・ジュニア(米国) 79 72
副審:フリッツ・ワーナー(米国) 80 71
参考:MAOMIE 80 71

     ○ドネア:31戦30勝(19KO)1敗
     ●西岡:47戦39勝(24KO)5敗3分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一
     スタジオ:飯田覚士&赤平大&中島そよか

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                    2012年10月27日(土)    東京国際フォーラム
                   WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級4位)                チャンピオン
              ○   ガマリエル・ディアス    判 定    粟生隆寛   ●
                          (メキシコ) 130 lbs                   (帝拳) 130 lbs

 初回,前に出てチャンスを窺う粟生。ディアスは少し間を置き,右ストレートを上下にヒットしてリードする。粟生の左に合わせ,一瞬早くディアスの右ストレートが飛ぶ。2回,一転してディアスが右フック,ストレートで攻勢に出る。
 3回,ディアスの右ストレートで粟生の顔が上を向く。粟生がバッティングで左目上をカットして中断。WBCルールにより,ディアスは自動的に減点された。4回,粟生は左ストレートのボディブローで攻めるが,右ストレートでのけぞり,大きくバランスを崩す。ディアスは正面に立ってしまう粟生を良く見ている。5回,ディアスの右ストレートが低く入り,ローブローで2度目の減点。これは少々厳しい裁定に見えた。粟生は動きに精彩を欠く。
 7回,粟生の左ストレートがカウンターになり,ディアスは腰が落ちてぐらつく。しかし,8・9回は再びディアスのペース。右ストレートを浴びた粟生は左目上からの出血が増す。目測が利かないのか,まともに右をもらう場面が目立つ。
 11回,顔面が腫れた粟生は左目上からの出血に鼻血も加わってドクターチェックを受ける。ディアスのワンツーが飛び,粟生の動きが鈍い。12回,ディアスにも疲れが見えるが,老獪なクリンチワークで誤魔化した。

 粟生は4度目の防衛に失敗。全く精彩を欠き,伏兵に王座を追われる結果となった。本来のスピードが見られず,ワンツーだけに頼る単調な攻撃が目立った。本調子であればそれほど難しい相手ではなかっただけに,悔いが残る。試合によって好不調の波が激しいことが難点。層が厚いクラスであるだけに,再起に向けては厳しい展開が予想される。
 ディアスは右ストレート,フックを武器とする右ボクサーファイター。長身でロングレンジから右を振って積極的に攻め込む。後半はスピードが落ちたが,老獪なクリンチワークで粟生の反撃を阻止した。

採点結果 ディアス 粟生
主審:イアン・ジョン・ルイス(英国) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 115 111
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 114 112
副審:グレン・リック・クロッカー(米国) 114 112
参考:MAOMIE 116 112


     ○ディアス:48戦37勝(17KO)9敗2分
     ●粟生:27戦23勝(10KO)3敗1分

     放送:日本テレビ
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:鈴木健

※ 第3ラウンドのバッティングによる粟生の負傷により,ディアスは減点1(WBCルール)。
※ 第5ラウンド,ローブローによってディアスは減点1。

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              2012年10月27日(土)    メキシコシティ : アレナ・シウダデ・メヒコ
                                10回戦
                   WBC世界フライ級1位           日本フライ級4位
               ○   エドガル・ソーサ     判 定     李 明浩   ●
                          (メキシコ) 114 lbs                   (大阪帝拳) 114 lbs

 初回,上背の優位を生かした李が左フック,右ストレート,ボディへの右フックを放って積極的に攻める。しかし,すぐにソーサが前に出始め,左ジャブ,ワンツー,左フックを見舞った。
 2・3回は李が良い動きを見せた。左に回りながらワンツー,左ジャブを合わせる。3回終了間際には李のワンツーが決まり,ソーサの動きが止まる場面があった。
 好調な滑り出しを見せた李だが,4回に入ると徐々に自力の差が出た。5回,ソーサは右クロスから左右フック,左アッパーをまとめて前に出る。李の動きも悪くないが,右ストレートを受けてのけぞる場面が見られた。
 善戦を見せる李も6回以降は手数が減る。李はときおりワンツーあるいは左フックをヒットするが,後が続かない。6回,逆に当て勘に優れるソーサが左アッパー,右ストレートを決める。終了間際にはソーサが右ストレートから左フックをヒット。
 8回,中間距離でのパンチの応酬。李はワンツーを返すが,ソーサの右ストレート,左右フックが回転する。
 9回,劣勢の李が一矢を報いた。右ストレートでチャンスを掴んだ李がワンツーの連打で攻勢に出る。ソーサはクリンチに逃れるが,さらにワンツーの追撃を受けて右膝をキャンバスについてしまう。これは足が滑ったと見られてノーカウントとなったが,ノックダウンとしても良い場面だった。このラウンドは李が取ったが,終盤は再びソーサのワンツーで李がロープに詰まった。
 10回,消耗が激しく,マウスピースを覗かせて苦しげな表情のソーサ。李は最後のチャンスだが,ソーサの手数が上回った。

 敵地で元世界王者ソーサに挑んだ李が予想以上の善戦を見せた。このクラスとしては169cmという長身の右ボクサータイプ。恵まれたリーチを生かした左ジャブ,ワンツーを得意としている。左に回りながらこれらのパンチを決めてソーサを苦しめた。惜しまれるのはせっかくのクリーンヒットの後に連打を許したこと。ソーサの出来が良くなかっただけに悔やまれる。
 ソーサは元WBC世界ライトフライ級王者で10度の防衛を誇るベテラン。右ストレート,上下への左右アッパーのコンビネーションブローを武器としている。中間距離から接近戦にかけて,これらのパンチがまとめて出ることが強味。しかし,後半は苦しげな表情を見せただけでなく,腹の周囲に弛みが見られるなど,調整不足を窺わせた。世界1位としては物足りない試合内容。連打は見せたが,スピードがなく,ロートルという印象は拭えない。

採点結果 ソーサ
主審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) *** ***
副審:ファン・オカンポ(メキシコ) 95 95
副審:ウンベルト・オリバレス(メキシコ) 96 94
副審:エルミニオ・クエバス(メキシコ) 96 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○ソーサ:54戦47勝(28KO)7敗
     ●李:18戦15勝(5KO)3敗

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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