熱戦譜〜2012年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.08.04 10回戦  下田昭文  判定  リチャード・ベトス
2012.08.04 8回戦  外園隼人  TKO1R  宇川広之
2012.08.04 8回戦  三好祐樹  TKO5R  尾川堅一
2012.08.12 10回戦  菊池永太  判定  ノルディ・マナカネ
2012.08.12 8回戦  水本昌寛  KO3R  エウゼビオ・バルアルテ
2012.08.13  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 荒川仁人  TKO8R  嶋田雄大
2012.08.13  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 赤穂 亮  TKO8R  戸部洋平
2012.08.13 8回戦  小原佳太  TKO8R  丸木和也

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                     2012年8月4日(土)    後楽園ホール
                            10回戦
               WBC世界S・バンタム級5位        比国S・バンタム級1位
              ○   下田昭文    判 定    リチャード・ベトス   ●
                       (協栄) 124 lbs                (比国) 124 lbs

 右ジャブで牽制しながらプレスをかける下田。2回終了間際,左ストレートのカウンターが決まる。ぐらついて上体が泳いだベトスはキャンバスにグラブをつけてダウンを取られた(カウント8)。
 下田は4回にも下がるベトスを追って左フックを決め,ダウンを奪った(カウント8)。6回,下田はさらに左ストレートでこの試合3度目のダウンを奪い,大きくリードした。
 8回,下田の左ストレートがロ−ブローとされ,一時中断。しかし,試合は下田のワンツー,左右フックでワンサイドゲームとなった。タフなベトスもかなり効いている。スリップダウンするが,ノックダウンとされても不思議ではない場面だった。
 10回,左右フックのボディブローが効いてニュートラルコーナーに詰まるベトス。下田は攻勢に出て右フックでベトスをぐらつかせる。ベトスは必死に前に出るが,バランスが悪い。

 世界最挑戦を目指す下田が3度のダウンを奪って大差の判定勝ちを飾った。右ジャブでリズムを取り,右に回り込みながら終始自分のペースで試合を進めた。以前のようにムキになって雑になることがなく,落ち着いた試合運びが目立つ。ボディにも散らし,幅の広さを見せた。フィニッシュできなかったことは悔いが残るが,ベトスのしぶとさを考えれば仕方ないところか。
 ベトスは右ファイタータイプで右ストレートを武器としている。フィリピン人特有のリズムと柔軟な上体が特徴。非常にタフでしぶとい面がある。終盤はダメージの蓄積からか,手足の動きがバラバラになった。

採点結果 下田 ベトス
主審:土屋末広 *** ***
副審:ビニー・マーチン 100 87
副審:中村勝彦 100 87
副審:安部和夫 100 88
参考:MAOMIE 100 87


     ○下田:30戦26勝(11KO)3敗1分
     ●ベトス:26戦19勝(7KO)6敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:中野謙吾

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                        2012年8月4日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・ライト級2位    T   K  O   日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   外園隼人    1回2分21秒     宇川広之   ●
                           (帝拳) 140 lbs                      (アポロ) 139 3/4 lbs

 スピードが身上の外園,一発がある宇川の対戦となったが,試合は呆気なく決着がついた。前に出る宇川。外園は落ち着いて左ジャブ,右ストレートから。1分過ぎ,外園の右ストレートで早くも宇川の膝が揺れる。さらにクロス気味の鮮やかなワンツーがアゴに決まれば,宇川はもんどり打って仰向けにダウン。上体を起こしかけたが朦朧としており,カウントの途中で中村主審が試合をストップ。宇川はそれと同時に深々と大の字に沈んだ。

 日本タイトル挑戦目前まで上がってきた外園が強打の宇川を初回で斬って落とした。特にハードパンチャーという印象ではないが,今夜の右ストレートは切れ味抜群で見事なパンチだった。リーチに恵まれた右ボクサーファイターでワンツーを得意としている。ワンパンチKOで自信を深めたはずだが,一発を狙わず,持ち味としているスピード十分のコンビネーションブローで勝負したい。
 宇川は右フックにKOの破壊力がある右ファイタータイプでカウンターも持っている。今夜は初回で沈んだが,恐い相手であることは間違いない。少しガードが下がったところに痛烈な右をもらってしまった。外園が得意とする中間距離に留まって動きを止めてしまい,標的になった。

     主審:中村勝彦,副審:葛城明彦&安部和夫&飯田徹也
     ○外園:19戦16勝(9KO)2敗1分     ●宇川:20戦10勝(8KO)9敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

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                         2012年8月4日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                 日本S・フェザー級(ノーランク)   T   K   O   日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   三好祐樹      5回0分11秒      尾川堅一   ●
                       (FUKUOKA) 132 1/2 lbs                        (帝拳) 132 lbs

 初回,中量級のホープ尾川が幸先良いスタートを見せた。三好はいきなりワンツーで仕掛けるが,尾川は落ち着いてフットワークに乗せた左ジャブから入る。終了間際,右ストレートでバランスを崩す三好。
 2回,中に入ろうとする三好だが,尾川は足を使ってワンツーを放つ。中盤,左アッパーのボディブロー,ワンツーから攻勢に出る尾川。右ストレートのボディブローが効いて三好の動きが止まる。左フックでぐらつく三好。
 3回は果敢に攻める三好がややリードした。右ストレートのボディブローから返しの左フックで尾川がロープ伝いに下がる場面を見せた。
 4回は再び尾川。三好は果敢に攻めるが,2分過ぎ,右フック,ストレートから尾川が攻勢に出る。打ち合いになるが,三好が凄い形相で食い下がる。
 異変は4回終了後のインターバル中に起きた。アゴを痛めたのか,尾川の様子がおかしい。マーチン主審がチェックに入るが,ここは5回開始のゴングを聞いた。しかし,すぐにマーチン主審が試合を止め,尾川にドクターチェックを受けさせる。結局アゴの骨折が疑われるとのことで試合続行不能とされ,試合がストップした。有効打による負傷のため,三好のTKO勝ちとなった。

 勝った三好は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックにパンチ力がある。入るところに尾川の右ストレート,フックあるいはボディへの左アッパーを打たれたが,必死の形相で食い下がった根性が勝利を呼び込んだ。
 昨年度の全日本新人王・尾川が優勢に進めながら,不運なアクシデントで思わぬ初黒星を喫した。攻防のバランスに秀でた右ボクサーファイターでワンツー,ボディへの左アッパーにKOの威力がある。フットワークに乗せたパンチにはスピードがあり,右ストレートのカウンターは抜群のタイミングで放たれる。左ジャブが少なかったことは反省点である。この左ジャブとフットワークが攻撃の起点になっているので,忘れないことが大事。アゴの骨折の疑いとのことだが,完治させた上での再起を期待したい。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&土屋末広&中村勝彦
     ○三好:14戦10勝(8KO)2敗2分     ●尾川:9戦8勝(6KO)1敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:中野謙吾

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                 2012年8月12日(日)    神戸市立中央体育館
                            10回戦
                日本S・バンタム級6位        WBA世界バンタム級12位
              ○   菊池永太    判 定    ノルディ・マナカネ   ●
                         (真正) 119 1/2 lbs              (インドネシア) 119 1/2 lbs

 初回,菊池はスピードのある左ジャブで出バナを叩くが,マナカネの右ロングフック2発を食ってロープ際で棒立ちになる場面があった。2回にもマナカネが強振する。空振りも多いが,ガードが下がった菊池のアゴを大きな右フックがかすめる。
 しかし,3回以降は菊池がリード。足を使いながら左ジャブ,フックを多用。さらにワンツー,ロープに詰めて左アッパーをボディに打つ菊池。
 後半はマナカネの勢いが失せ,完全に菊池が主導権を握った。8回,マナカネをロープに詰め,ワンツーから左アッパーのボディブローを浴びせる。しかし,それ以上まとめられず,チャンスを広げられない。
 9・10回,ロープを背負い続けるマナカネを手数で圧倒する菊池だが,切れを欠いてフィニッシュを逃した。

 菊池が世界ランカーのマナカネに快勝。右ボクサータイプで177cmの長身から放つ左ジャブ,フック,ワンツーあるいは左アッパーのボディブローを得意としている。手数が良く出るが,ガードが下がる欠点がある。ここにワイルドな右フックを食う場面が目についた。終盤は手数で押したが,詰めの甘さが目についた。
 マナカネは右ファイタータイプ。今年4月に亀田興毅(亀田)のWBA王座に挑戦している。思い切った左右フックを強振し,序盤は菊池を脅かした。しかし,後半はその勢いが衰えた。

採点結果 菊池 マナカネ
主審:川上淳 *** ***
副審:坂本相悟 96 95
副審:半田隆基 96 94
副審:北村信行 99 94
参考:MAOMIE (68) (65)


     ○菊池:20戦14勝(6KO)2敗4分
     ●マナカネ:37戦24勝(15KO)12敗1分

     放送:BS日テレ
     解説:六車卓也     ゲスト:長谷川穂積
     実況:寺島淳司

※ 第4・5・6ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                      2012年8月12日(日)    神戸市立中央体育館
                                 8回戦
                   日本S・ウェルター級7位   K      O     比国ウェルター級6位
                ○   水本昌寛     3回1分02秒    エウゼビオ・バルアルテ   ●
                          (井岡) 148 1/2 lbs                         (比国) 147 1/4 lbs

 初回,距離を詰めていく水本。ときおりバルアルテが思い切った左フック,右ストレートを放つ。バルアルテが左アッパーをミスした瞬間に合わせた左フックがヒットし,バルアルテは腰から落ちてダウンを取られた(カウント8)。
 これはダメージはなかったが,2回,水本がさらに2度のダウンを奪った。バルアルテは左フック,右ストレートで勢い良く攻め込むが,狙い澄ました左アッパーをボディに打ち込まれ,その場に崩れ落ちる(カウント9)。さらにロープを背負ったところ,脇腹を左アッパーが抉れば,バルアルテは再びうつ伏せにダウン(カウント9)。
 3回,プレスをかける水本。ロープに詰まったバルアルテはテンプルに左フックを受けてその場に崩れる。これが意外なほど効いており,そのままカウントアウトされた。

 水本が4度のダウンを奪って圧勝。左フック,右ストレートを得意とする右ボクサーファイター。体を寄せて打ち込む左アッパーのボディブローが冴えた。強振せず,手数を多く出すことを心がけるべきだろう。鋭い左ジャブ,ストレートを持っているので,ぜひ生かしたい。
 バルアルテは昨年12月に亀海喜寛(帝拳)とフルラウンドを戦っている。しぶとい右ファイタータイプだが,今回は呆気なく退いた。あまりにも無造作にボディを打たせてしまったことが敗因。

     主審:宮崎久利,副審:川上淳&野田昌宏&北村信行
     ○水本:23戦18勝(7KO)3敗2分     ●バルアルテ:26戦19勝(12KO)7敗
     放送:BS日テレ     解説:六車卓也     実況:寺島淳司

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                       2012年8月13日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級6位)
               ○   荒川仁人    8回2分59秒    嶋田雄大   ●
                      (八王子中屋) 134 1/2 lbs                 (ヨネクラ) 134 1/2 lbs
                         WBA9位,WBC1位

 オープニングブローは荒川の右ジャブ。さらに左ストレートがヒット。嶋田は接近して右アッパーのボディブローを返す。カッと目を見開き,真剣な表情で荒川の動きを見極める嶋田。早くも高度な駆け引きが見られた。
 2回,嶋田は上下の動きを入れた独特のステップで接近し,先手で攻める。さらにリズムに乗った嶋田は右ストレートのボディブロー,右アッパー。攻勢に出て荒川をロープに詰める。
 嶋田は3・4・5回にも巧みに頭の位置を変えながら密着し,左右アッパーをボディに集める。嶋田の打ち疲れを狙っているのか,荒川は手数が少ない。
 流れが変わったのは6回。接近戦での連打を繰り返す嶋田だが,さすがに疲れが見えてスピードが落ちた。逆に荒川がボディブローを中心に手数を増す。嶋田は鼻から出血し,体を預ける場面が多くなった。
 7回,距離を取り切れないと見た荒川があえて接近戦を挑む。荒川の手数が増し,嶋田のスピードがさらに落ちた。勝負所と見た荒川がピッチを上げる。ワンツーからの連打でロープに詰まった嶋田は追撃を受け,ついに仰向けにダウン(カウント9)。ファイティングポーズを取ったところでゴングに救われた。
 8回,物凄い形相で再び距離を潰して連打を見せる嶋田。しかし,終了間際,荒川の左ストレートはヘッドスリップでかわしたものの,返しの右フックを耳の上に受け,力が抜けたように両膝からキャンバスに落ちる。ここで福地主審がストップした。

 国内最高峰のテクニシャン同士の顔合わせは,高度な駆け引きの連続で見応え十分の試合となった。
 荒川は2度目の防衛に成功。屈指の技巧派サウスポーであるが,序盤から接近戦での打ち合いに応じて嶋田のペースに合わせてしまっていた。回り込みながら右ジャブ,ワンツーをヒットする本来のボクシングをすれば,もっと楽な展開になっていたはず。嶋田のペースに合わせてしまった原因は持ち味の右ジャブ,フックが出なかったことだろう。
 この日が41歳の誕生日となった嶋田。敗れたとは言え,その執念は脱帽モノ。目標が定まらない中での日々の節制は想像を絶する精神力を要しているはず。アウトボクシングを許しては不利と見たか,徹底的に接近戦を挑んだのは当然の作戦。しかし,全盛時のようなスピードがなかったことが悔やまれる。5回まではリードしていたが,打ち疲れが出た6回に荒川が手数を増すと急激にスピードが衰え,攻め落とされた。

     主審:福地勇治,副審:土屋末広&杉山利夫&中村勝彦
     ○荒川:25戦23勝(15KO)1敗1分     ●嶋田:34戦27勝(17KO)6敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                         2012年8月13日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級4位)
                ○   赤穂 亮    8回2分58秒    戸部洋平   ●
                        (横浜光) 114 3/4 lbs                     (三迫) 115 lbs
                          WBA6位,WBC5位

 開始早々からともに闘志むき出しの打ち合いになった。終了間際,赤穂は戸部はロープに詰めて右ストレートを浴びせる。
 2回,左ジャブに次ぐ右ストレートでロープに詰まる赤穂。ピンチに陥るが,赤穂は気の強さを見せて応戦。終了間際,赤穂の左アッパーのボディブローに次ぐ右フックを受けた戸部はロープを背に前屈みとなり,ダウン寸前のピンチ。辛うじてゴングに救われた。
 3回,赤穂が左右フックでプレスをかける。戸部も右のカウンターで応じるが,終了間際,赤穂の右ストレートでぐらついた戸部はニュートラルコーナーに詰まる。
 ここまでは赤穂のペースだったが,4回に入ると小休止。逆に戸部が左ジャブを多用する本来の動きが出た。戸部は左にスイッチして左フックをヒット。さらに終了間際にも右ストレートを決めた。
 6・7回,やや打ち疲れが出て攻め倦む赤穂に対し,戸部が左ジャブで自分のリズムを掴みかけた。
 しかし,8回,再び赤穂のパワーが火を噴く。左ジャブ,右ストレートで戸部がリードした2分過ぎ,上からかぶせた右フックで戸部をニュートラルコーナに詰めて連打をまとめる赤穂。戸部は辛うじて脱出したものの,追撃にもんどり打って仰向けにダウン(カウント9)。立ち上がって激しく応戦するが,赤穂の猛攻でロープに詰まったところで安部主審がストップした。

 軽量級屈指の好カード。激しい打ち合いで大味の試合になったが,パワーに勝る赤穂がアマ出身のプロの水の苦さを知らせた。赤穂は3度目の防衛に成功。気の強さを前面に出した好戦的な右ファイタータイプ。前半は終了間際に攻勢を仕掛けて見栄えの良いところを見せるなど,頭脳的な面を見せた。バランスを崩しやすい欠点があるが,バランスが崩れた姿勢からでも手が出るのが強味でもある。世界挑戦を狙っているようだが,力任せで単調になる欠点を矯正する必要がある。うまい相手にかかれば空転させられるだろう。
 5戦目で初タイトルを目指した戸部はプロ入り初黒星。ここまで徹底したハードマッチメイク路線を歩んでいる。本来の左ジャブとフットワークを駆使した戦い方ができていれば違った展開になっていたはず。赤穂の打ち合いに付き合って墓穴を掘ってしまった。6・7回に良いリズムを掴みかけていただけに悔やまれる。攻め込まれると弱気な面を見せていたことも気になる。不利な状況をむき出しの闘志で跳ね返していた赤穂との差がそのまま試合の結果として表れた。

     主審:安部和夫,副審:葛城明彦&土屋末広&中村勝彦
     ○赤穂:21戦19勝(12KO)2分     ●戸部:5戦4勝(2KO)1敗
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                        2012年8月13日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                    日本S・ライト級4位   T   K  O   日本ウェルター級(ノーランク)
                ○   小原佳太    8回1分25秒    丸木和也   ●
                         (三迫) 146 1/4 lbs                    (薬師寺) 147 lbs

 ハードパンチャー同士の対戦。しかし,初回からスピードで上回る小原のペースとなった。小原は左ジャブ,ワンツー,上下への左右アッパーで試合を優位に進めた。
 3回終了間際,ロープを背負った丸木は右アッパーで大きくのけぞる。
 4回,小原がワンツー,上下への左右アッパーでプレスを強める。ボディが効いた丸木は動きが鈍り,自分から攻められなくなる。終了間際,小原の右フックがカウンターになった。
 6回,試合はいよいよワンサイドゲームの様相を呈した。ときおり右フックのカウンターを狙う丸木だが,左アッパーで大きくのけぞり,思わずクリンチに出る。終盤にも左フックで後退。
 8回30秒過ぎ,バッティングで小原が右目上をカットしてドクターチェックを受ける。再開後,ピッチを上げる両者。ロープに下がった丸木が右を振ろうとした瞬間,矢のような小原のワンツーが飛ぶ。これをアゴに直撃された丸木はたまらず右膝からキャンバスに落ちた。杉山主審は即座に試合をストップした。ダメージが深刻な丸木は担架で搬出された。

 小原は東洋大ボクシング部OBで,国体で2度の優勝を経験している。一発がある丸木をシャープなパンチで圧倒した。右ボクサーファイターでタイミングの良い左ジャブ,ワンツー,上下への左右アッパーを武器としている。特にボディブローで丸木のスタミナをを奪ったことが勝因。無駄打ちをせず,冷静に攻めている点が良いところ。上下への打ち分けも非常にいい。デビュー戦こそ5回TKO負けで苦汁を飲んだが,その後は順調に勝ち続けている。注目すべき素材である。
 丸木は2007年全日本新人王戦のスーパーライト級で西軍代表になり,MVPに輝いている。椎間板ヘルニアによって一時は車椅子での生活を余儀なくされたが,昨年12月に4年ぶりの再起に成功している。右ファイタータイプで右ストレート,左フックにパンチ力がある。パンチの威力は健在だが,腹の回りに少し余裕が見られており,まだまだ万全な調整と言えない状態。小原のスピーディなパンチ,特にボディブローが効いてジリ貧に陥った。

     主審:杉山利夫,副審:土屋末広&福地勇治&安部和夫
     ○小原:7戦6勝(5KO)1敗     ●丸木:13戦11勝(9KO)2敗
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:福永一茂

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