熱戦譜〜2012年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.07.07  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 岩佐亮佑  TKO7R  益田健太郎
2012.07.07 8回戦  久保幸平  TKO6R  山本健司
2012.07.08  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 佐藤洋太  判定  シルベスター・ロペス
2012.07.08  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 渡部あきのり  TKO6R  山川和風
2012.07.09  WBA女子世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 山口直子  判定  天海ツナミ
2012.07.14  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 小國以載  判定  芹江匡晋
2012.07.14 8回戦  脇本雅行  判定  福原寛人
2012.07.16  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  3R負傷引き分け  マイケル・ファレナス
2012.07.16  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 五十嵐俊幸  判定  ソニー・ボーイ・ハロ
10 2012.07.16 8回戦  田口良一  KO1R  ペッチダム・ロンリエンキーララムパン
11 2012.07.22  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 帝里木下  判定  角谷淳志
12 2012.07.22 8回戦  玉越強平  KO2R  ペッチパヤ・クルダンプジム
13 2012.07.25  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 加藤善孝  TKO1R  小池浩太

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                     2012年7月7日(土)    後楽園ホール
                      日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級4位)
             ○   岩佐亮佑    7回1分49秒    益田健太郎   ●
                      (セレス) 117 3/4 lbs                   (新日本木村) 117 1/2 lbs

 初回,本来は右構えの益田がサウスポースタイルで揺さぶりにかかる。しかし,岩佐は動じることなく,タイミング良く伸びる右ジャブをヒットして余裕を感じさせる立ち上がりとなった。
 2回,益田はスイッチを繰り返すが,読まれている。岩佐はボディに右アッパーを。中盤にも左ストレートからの右アッパーをヒット。3回,益田はバッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受ける。
 4回,ガードが下がったまま入ったところに岩佐の鋭い左ストレートから右フックがカウンター気味に飛ぶ。岩佐はさらにボディへの左アッパーから左ストレート,右フックを上に返す。完全に動きを読まれた益田は表情も苦しくなった。
 6回,試合はワンサイドゲームの様相。上下に打ち分けられ,いよいよ苦しくなる益田。終盤に攻勢に出て意地を見せたが,ボディへの左アッパーで膝が落ち,ダウン寸前のピンチ。辛うじてクリンチに逃れたが,苦しそうな表情で後退し,ゴングに救われた。
 7回,涼しい顔で左ストレート,ボディへの左右アッパーを浴びせる岩佐。上も下も効いた益田は表情から精気が失せる。左ストレートで力なく後退したところに襲いかかる岩佐。ここで吉田主審が割って入った。

 岩佐,盤石のTKOで2度目の防衛に成功。大人の風格さえ漂う会心の勝利である。鋭い左ストレートを軸に左右アッパーのボディブローも交えた上下の打ち分けは見事の一語に尽きる。昨年3月に山中慎介(帝拳)に敗れて逆に株を上げたが,1年4ヶ月を経た今,さらに成長した姿を見せた。左ストレートだけでなく,多彩な攻撃が身につき,攻防に幅が広がったと言える。いずれ必ず世界挑戦のチャンスがあるはず。これから世界を目指す日本人の中で最も期待される逸材と言っていいだろう。
 益田は極真空手出身の右ファイタータイプ。右フック,ストレートにパンチ力があり,けっして侮れない相手であるが,それを一蹴した岩佐の実力を際立たせる結果となった。左にスイッチして掻き回そうとしていたが,動きを全部読まれてしまい,完敗。上下に打ち分けられてダメージを蓄積させてしまった。

6回までの採点 岩佐 益田
主審:吉田和敏 *** ***
副審:安部和夫 59 55
副審:ビニー・マーチン 60 54
副審:土屋末広 59 55
参考:MAOMIE 60 54


     ○岩佐:13戦12勝(9KO)1敗
     ●益田:20戦14勝(8KO)6敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:田中毅

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                      2012年7月7日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                 日本フライ級12位    T   K  O    日本フライ級(ノーランク)
              ○   久保幸平    6回1分03秒     山本健司   ●
                       (セレス) 114 1/2 lbs                      (沼田) 114 1/2 lbs

 初回から果敢に前に出る山本。久保は下がりながら出バナに左ストレート,右フックを浴びせる。中盤,左ストレートで足に来る山本。久保は左ストレート,左右フックを浴びせて攻勢。山本はなおも前進するが,終了間際にも連打に晒された。
 2回にも執拗に前進してパンチを繰り出す山本だが,スピードの差は歴然。久保は左ストレート,右フック,さらにボディにも左ストレートを決めて優勢。アゴにも右フックが決まった。
 3・4回は執拗な山本を持て余す久保だが,5回には再び主導権を明確に握った。被弾が目立ち始めた山本は鼻から出血。
 6回,山本は右目上をカットして出血。ここから久保がピッチを上げる。左フックでぐらつかせて一気に攻勢に出る久保。左ストレート,左右フックをまとめたところで沼田ジム側からタオルが投入された。

 相手の執拗な前進に手を焼く場面を見せた久保だが,最後は集中打でランカーの貫録を見せた。サウスポーのボクサファイター。足を使って回り込みながら放つカウンターの左すとれーとが主武器で連打もある。しかし,待ちに入ってしまうことが欠点。山本の前進を持て余した原因もそこにある。もう少し自分から積極的に攻める姿勢が必要。
 山本は変則的な右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,執拗に前に出て左右フック,右アッパーを打つ。相手の正面に立ってカウンターを食うのが欠点。現役ランカーの久保を苦しめたが,最後はその欠点を突かれた。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&吉田和敏
     ○久保:17戦13勝(8KO)3敗1分     ●山本:13戦7勝(1KO)6敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&飯田覚士     実況:佐藤義朗

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                   2012年7月8日(日)    横浜文化体育館
                  WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン           挑戦者(同級1位)
             ○   佐藤洋太   判 定   シルベスター・ロペス   ●
                       (協栄) 115 lbs               (比国) 115 lbs

 初回,佐藤は右ストレートのボディブロー。トリッキーな動きから左ジャブ,ストレートを上下に見舞う。終盤には右フックのクリーンヒットでロペスを脅かし,精神的にも優位に立った。
 2回,左フックのカウンターでロペスの膝が踊る。ロペスは前に出て仕掛けるが,パンチは届かない。3回,ロペスは右ストレート,左フックで佐藤をロープに詰めるが,中盤には佐藤の右ストレートで腰を落とす場面があった。
 5回はロペスは手数で上回ったが,以降は佐藤が着実にポイントを重ねる。6回,ロペスの右アッパーに合わせた佐藤の右フックが決まる。
 9回,オープンスコアのアナウンスで発奮したか,ロペスの動きが圧力を増す。しかし,10回には佐藤の右ストレート,ボディへの左アッパーが効いて足が止まり,後退を余儀なくされた。
 11回,佐藤のスピーディでトリッキーな動きに追随できないロペス。気持ちが空転し,焦りの色が濃い。
 12回はロペスのラウンド。最後の力を振り絞るようにワンツー,ボディへの右ストレートで迫る。佐藤は足と左ジャブで対抗するが,終盤にも佐藤をロープに追ったロペスが右ストレートを見舞う。

 前評判が高かったロペスをほぼ完封した佐藤が価値ある試合内容で初防衛に成功した。スピードを生かしたアウトボクシングで常に先手を取り,ロペスの出バナを叩いたことが大きい。鋭い左ジャブ,右ストレート,トリッキーな動きを前面に出したフットワークが冴えた。持ち味をフルに生かした会心に近い勝利だろう。
 ロペスは右ファイタータイプ。シャープな右ストレート,左フック,アッパーに威力がある。ときおり右ストレートで佐藤を苦しめたが,攻撃が正直で動きを読まれたことが敗因。先手を取られ,後手に回ったことが響いた。

採点結果 佐藤 ロペス
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:デビッド・ビロセルコウェック(カナダ) 118 110
副審:キム・チャンスー(韓国) 116 113
副審:ルー・モレット(豪州) 119 109
参考:MAOMIE 118 110


     ○佐藤:28戦25勝(12KO)2敗1分
     ●ロペス:24戦19勝(15KO)4敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修     ゲスト:八重樫東
     実況:土井敏之

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                       2012年7月8日(日)    横浜文化体育館
                        日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン     T   K   O  挑戦者(同級10位)
               ○   渡部あきのり   6回1分42秒   山川和風   ●
                          (協栄) 146 3/4 lbs                     (金子) 147 lbs
                      東洋太平洋ウェルター級チャンピオン

 初回,破壊力で勝る渡部が早くもプレッシャーを強めた。左アッパー,右フックのボディブロー,左ストレートで押していく渡部。山川は距離を取り,入るところに右ストレートを合わせたいが,真っすぐ下がって押し込まれる。
 2回,回り込んで戦いたい山川だが,ロープに押し込まれて苦しい戦いを強いられた。渡部はやや力任せになりながらも,強烈なボディ攻撃で迫る。右フックのカウンターでバランスを崩す山川。
 圧勝と思われた渡部だが,単調になった3・4回は山川の細かいワンツー,左右アッパーを許す場面が目立った。
 5回は山川の連打でのけぞりながらも再び渡部がパワーで押し込んだ。ロープを背にしたところで右フックのカウンターをアゴに受けてぐらつく山川。渡部,攻勢。
 6回,渡部は再び雑になったところにワンツーを浴びるが,右フックのカウンターでぐらつかせて一気に攻勢。山川はロープを背に反撃するが,ボディに打ち込まれた左アッパーで急激に失速。ニュートラルコーナーで連打をまとめられ,上体を折ったところで中村主審が試合をストップした。

 格下の山川のワンツーに苦しんだ渡部だが,最後はパワーでねじ伏せて3度目の防衛に成功した。サウスポーのファイタータイプでパンチの破壊力は誰もが認めるところ。しかし,力任せで攻撃が単調になり,攻め倦んだところを打ち込まれた。3・4回には疲れを見せる場面も見られるなど,スタミナの不安も相変わらず。ボディを攻めていたのは良かったが,山川にパンチ力があったら危ないところだった。
 山川は右ボクサーファイターでワンツーを得意としている。押し込んでくる渡部に対してワンツーで対抗し,接近して左右アッパーを浴びせたが,最後は渡部のパワーに屈した。

5回までの採点 渡部 山川
主審:中村勝彦 *** ***
副審:土屋末広 48 47
副審:ウクリッド・サラサス 49 47
副審:安部和夫 49 47
参考:MAOMIE 48 47


     ○渡部:30戦26勝(24KO)4敗
     ●山川:19戦11勝(2KO)7敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修
     実況:新夕悦男

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                    2012年7月9日(月)    後楽園ホール
                WBA女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                 挑戦者(同級5位)             チャンピオン
              ○   山口直子    判 定    天海ツナミ   ●
                     (白井・具志堅) 114 1/2 lbs           (アルファ) 114 lbs
                  WBC2位,OPBF王者

 初回,足を使って打ち合いを避けながらチャンスを窺う天海。山口は左ジャブを出しながら追う。終盤,山口の右ストレートがカウンターになり,天海の膝が落ちる。2回は天海。目まぐるしく動き,山口が出るところに右ストレートを再三ヒットした。激しくプレスをかける山口だが,動き回る天海に的が絞れない。
 5回,天海が動きを止めると山口の右ストレート,左アッパーが飛ぶ。山口のプレスが強くなった。
 一進一退の好ファイトになったが,7回に入ると試合の流れが山口に傾き始めた。8回,天海が真っすぐ下がるところ,右ストレートで追って行く山口。天海の動きが止まると山口の右ストレート,左フックが飛ぶ。
 9回,凄まじい執念で迫る山口。天海の右ストレートがヒットするが,すぐに山口が右ストレートから攻勢に出る。やや疲れが見られ,動きが止まった天海は押され気味。10回,最後まで前進を止めない山口。天海も右ストレートを返すが,山口の手数が上回った。

 激しい打合いの末,山口が悲願の世界タイトルを手にした。右ファイタータイプで右ストレート,左右フックの連打を身上とする。終始前に出て旺盛な手数で攻め続けたことが勝利につながった。粘りが持ち味で,高いKO率が示すように女子には珍しいパンチ力もある。
 天海は5度目の防衛に失敗。目まぐるしく動きまわるフットワークから放つ右ストレート,左フックを得意とする右ボクサーファイター。序盤は動きでかわしてリードしたが,中盤から動きが止まったところにクリーンヒットを許した。

採点結果 山口 天海
主審:杉山利夫 *** ***
副審:浅尾和信 97 94
副審:ビニー・マーチン 97 93
副審:島川威 97 93
参考:MAOMIE 96 94


     ○山口:14戦12勝(11KO)2敗
     ●天海:9戦8勝(3KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:小関桃&藤村幸代
     実況:山下剛

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              2012年7月14日(土)    赤穂市文化会館ハーモニーホール
                  東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン         挑戦者(WBC10位)
               ○   小國以載   判 定   芹江匡晋   ●
                       (VADY) 121 1/2 lbs          (伴流) 121 3/4 lbs
                                               WBA11位

 独特の変則リズムから芹江がまずは右フックを放つ。これがオープニングブローとなった。
 2回,この試合最初の見せ場となる攻防。芹江は飛び込んで左アッパーをボディに見舞う。しかし,その直後,踏み込んで放った小國の右ストレートが鮮やかにアゴを捉え,芹江はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。ワンツー,右アッパーの攻勢に足元がふらつく芹江だが,逆に打ち返した右ストレートが決まり,今度は小國の腰が落ちて危ない場面を見せた。
 5回,芹江は思うように手数が出ない。不用意に入ったところに小國の左フックが決まり,芹江は再び腰から落ちてダウン(カウント8)。
 7回以降は小國のペースで進む。8回,手数が出ない芹江に対し,小國は右ストレート,ボディへの右フック,左アッパーでポイントを取った。10回,接近戦でボディブローの応酬となるが,やや効いて苦しくなる芹江。
 11回,密着して左右アッパーのボディブローを応酬する両者。小國はボディブローから離れ際に右ショートフックを浴びせる。芹江は鼻からの出血を見る。
 12回,必死に攻める芹江だが,決め手に欠ける。小國も慎重な姿勢を崩さないまま,終了ゴングを聞いた。

 注目の好カードを制した小國が2度目の防衛に成功した。決め手は前半に奪った2度のダウン。いずれもシャープなパンチを決めた鮮やかなノックダウンである。アマ仕込みのスマートな試合運びを得意とする右ボクサータイプ。接近戦でも左右ショートアッパーを上下に打ち分け,うま味を見せる。しかし,きれい過ぎて手数が少なくなることが欠点。ここから上を目指すには,手数が少なくなることは避けなければならない。
 前日本王者・芹江は変則の右ファイタータイプだが,いつものような押し込むパワーが見られず,うまい小國を攻め落とせなかった。ダウンを奪われてから慎重になり,思い切った攻めができなかったことは悔いが残る。フェイントをかけて強引にプレスをかけ,基本に忠実な小國を崩すことが必要だった。

採点結果 小國 芹江
主審:野田昌宏 *** ***
副審:宮崎久利 118 109
副審:原田武夫 118 110
副審:中村勝彦 117 110
参考:MAOMIE 118 110


     ○小國:9戦9勝(2KO)
     ●芹江:25戦21勝(9KO)4敗

     放送:スカイA
     解説:石田順裕&城島充
     実況:田野和彦

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            2012年7月14日(土)    赤穂市文化会館ハーモニーホール
                            8回戦
                 日本フェザー級1位       日本S・フェザー級(ノーランク)
              ○   脇本雅行    判 定    福原寛人   ●
                        (高砂) 128 lbs                (江見) 128 lbs

 左の脇本,右の福原。脇本の右フックがカウンターになり,福原がバランスを崩す。脇本はさらに左右に動き,右ジャブ。
 3回は福原が右をうまく使ってリード。右ストレートをボディに打ち,さらに右ストレートで脇本をのけぞらせ,ロープに詰める。
 5回以降は再び脇本のペースで進んだ。動きながら放つタイミングの良い左ストレートで出バナを叩く。7回,単発だった脇本からようやく左ストレートからの左右ショートフックが出る。
 8回,右ストレートを振って必死に攻め込む福原。脇本は良く見てタイミングの良い左ストレートから右フックを引っかける。福原の右目下が腫れている。

 淡々と進んでしまい,盛り上がりに欠ける凡戦だった。
 トップコンテンダーの脇本がしぶとい福原に判定勝ち。サウスポーのボクサータイプでクレバーなボクシングが特徴。足を使い,動きながら左ストレート,ワンツー主体の基本に忠実な試合運びを見せる。タイミングの良いパンチが目立つが,単発であることが欠点。1位にランクされてタイトルを狙える位置にあるが,これではベルトには手が届かない。現王者は天笠尚(山上)だが,今のままでは圧倒的な天笠のパワーに押しまくられるのは目に見えている。
 福原は右ファイタータイプ。昨年8月に土屋修平(角海老宝石)と壮絶な打撃戦を展開した末に,9回TKO負けを喫している。粘りのある打ち合いを得意としている。しかし,脇本の回り込むフットワークとタイミングの良い左ストレートに的が絞れず,空転が目立った。

採点結果 脇本 福原
主審:坂本相悟 *** ***
副審:宮崎久利 77 75
副審:中村勝彦 78 75
副審:原田武夫 77 76
参考:MAOMIE 78 74


     ○脇本:24戦20勝(7KO)3敗1分
     ●福原:29戦14勝(6KO)7敗8分

     放送:スカイA
     解説:石田順裕
     実況:寺西裕一

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                   2012年7月16日(月)    ウィングハット春日部
                   WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン     負傷引き分け    挑戦者(同級6位)
             ×   内山高志   3回1分15秒   マイケル・ファレナス   ×
                      (ワタナベ) 130 lbs                    (比国) 130 lbs

 初回,低い姿勢から左ストレートを伸ばすファレナス。内山は落ち着いて左ジャブ,右ストレートから。
 2回,ファレナスの左ストレートがグンと伸びる。内山は左右アッパーのボディブローを打ち込むが,バッティングで右まゆの下をカットする。
 3回,突進して左ストレートを放つファレナス。1分過ぎ,左ストレートを放って飛び込んだファレナスを右アッパーのボディブローで迎撃する。このときファレナスの頭が顔面を直撃し,内山の右目上から激しく出血。ドクターチェックの結果,続行不能とされて試合がストップした。

 内山,不完全燃焼のドローで5度目の防衛。ファレナスが手強いところを見せ,これからという矢先のアクシデントだった。いつもより動きに硬さが見られ,ファレナスの左ストレートに脅かされる場面も見られた。ビッグマッチが期待されているだけに,次の試合で強打健在をアピールしたい。ボディブローでファレナスの出足を止めようとする作戦は良かった。
 ファレナスはサウスポーのファイター。低い姿勢から左ストレートを放ってどんどん飛び込んでくる。突進力があり,左ストレートには伸びがある。侮れない相手である。

2回までの採点 内山 ファレナス
主審:ラウル・カイズジュニア(米国) *** ***
副審:ユー・ワンス(韓国) 20 18
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 19 19
副審:マイケル・リー(韓国) 20 18
参考:MAOMIE 20 18


     ×内山:19戦18勝(15KO)1分
     ×ファレナス:42戦34勝(26KO)3敗4分

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行     ゲスト:八重樫東&粟生隆寛
     実況:斉藤一也

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                   2012年7月16日(月)    ウィングハット春日部
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級1位)               チャンピオン
              ○   五十嵐俊幸    判 定    ソニー・ボーイ・ハロ   ●
                        (帝拳) 112 lbs                 (比国) 112 lbs

 初回,重そうな左右フックを振って攻め込むハロ。五十嵐は落ち着いて右ジャブ,左ストレートから。2回には五十嵐が左アッパーから左右のボディ連打,さらに左ストレートをヒット。
 3・4回はハロが強引な攻めでリード。どんどん前に出てパンチをまとめる。
 5回は逆に五十嵐。スピーディな左右フック,左アッパーで攻勢。左ストレートも決まり,ハロが下がる場面が見られた。7回終盤,五十嵐は左右ショートフックを上下に。さらに左ストレートからハロをロープに詰めて攻勢に出る。
 8回終盤は逆にハロが左右のボディ攻撃から右フックで攻勢。五十嵐は鼻から出血しながら左ストレート,ワンツーで反撃に転じた。
 9回は五十嵐がピンチを迎えた。五十嵐はワンツーで攻勢に出るが,右ストレートでひるんだところでハロの攻勢に晒される。右フックを受けて後退する五十嵐。11回,左目上からの出血が五十嵐の視界を妨げる。ハロの左右フック,右ストレートが上下に飛んで苦しい五十嵐。ここが正念場。
 12回,左右フックのボディ攻撃で迫るハロ。五十嵐もすぐに左アッパーのボディブローをお返し。五十嵐の左右フック,左ストレートにハロは珍しくクリンチに出る。

 アテネ五輪代表からプロ入りした五十嵐が初挑戦で世界タイトルを奪取した。ハロの強打に真っ直ぐ下がることなく,スピードと連打で対応したことが勝因。サウスポーのボクサーファイターでワンツー主体の基本に忠実なスタイルが身上。最近はすっかりプロらしく逞しくなった。その反面,鋭い右ジャブ,ストレートを持っているのに右ジャブが足りないことが反省点。これが出ていれば,ハロのような突進力のある相手でも,もう少し楽に戦えただろう。
 ハロは初防衛に失敗。今年3月にポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)を痛烈な6回TKOで破り,王座を強奪した右ファイターである。ガードを低くした構えから左右フック,アッパーがどこからでも出る。フライ級としてはパンチは強烈で,連打が出ることも強味。しかし,前日の計量で500グラムオーバーし,2時間の制限時間ぎりぎりでパスするという失態を演じた。調整の失敗で本来の力が出ていなかった面はある。本調子であればかなり手強い相手だろう。

採点結果 五十嵐 ハロ
主審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) *** ***
副審:ルイス・エスカロナ(米国) 112 116
副審:デビッド・メンドサ(米国) 116 112
副審:シン・キュンハ(韓国) 115 113
参考:MAOMIE 115 113


     ○五十嵐:18戦16勝(10KO)1敗1分
     ●ハロ:50戦34勝(24KO)11敗5分

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行     ゲスト:八重樫東&粟生隆寛
     実況:島田弘久

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                      2012年7月16日(月)    ウィングハット春日部
                                 8回戦
                 WBA世界L・フライ級13位   K      O      タイ国L・フライ級(ノーランク)
                ○   田口良一     1回1分58秒    ペッチダム・ロンリエンキーララムパン   ●
                         (ワタナベ) 108 lbs                             (タイ) 110 1/2 lbs

 長身のペッチダムが左ジャブから右アッパー,左フックを放って積極的に攻める。田口は顔色を変えることなく,ロープに詰めて左アッパーをボディに。さらにワンツー,左ボディブローで攻勢に出る。ロープ際に追い込んだところで右フックのボディブロー。さらに左アッパーがレバーにめり込むと,ペッチダムは苦悶の表情を浮かべてうつ伏せに崩れ落ち,大の字のままカウントアウトされた。

 田口はスリムな体型から放つワンツー,左アッパーのボディブローを得意とする右ボクサーファイター。特に左ボディブローに自信を持っている。上への軽いパンチで注意を引きつけておいて放ったボディへの一発で試合を決めた。
 ペッチダムは契約ウェイトの108ポンドを守れず,グラブハンデとして10オンスのグラブをつけてのリングインとなった。右ボクサーファイターで172cmの長身から放つ左ジャブ,右アッパー,左フックを武器としている。脇が甘く,手打ちになるのが欠点。

     主審:ビニー・マーチン,副審:3名とも不明
     ○田口:19戦17勝(8KO)1敗1分     ●ペッチダム:13戦9勝(2KO)4敗
     放送:テレビ東京     解説:大橋秀行     実況:増田和也

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                    2012年7月22日(日)    神戸サンボーホール
                     日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級2位)
                ○   帝里木下    判 定    角谷淳志   ●
                           (千里馬神戸) 114 3/4 lbs          (金沢) 114 1/2 lbs
            WBA14位    帝里木下=ている・きのした    角谷淳志=かつたに・あつし

 積極的な立上がりを見せたのは角谷。小刻みな動きから左ジャブで牽制し,右ストレートを放つ。
 様子見の木下が攻めに出たのは3回。終盤,右から左のフックを見舞う。4回に入ると木下が主導権を握った。角谷の出バナに左ストレートのカウンターを決め,右フックを返す。角谷は前に出ているが,動きを読まれて手数が減った。木下はさらに左ストレートをヒット。
 5回,飛び込んで左フックをヒットする木下。さらに左右フックで攻勢に出る。7回,角谷は右ストレートで反撃。しかし,終了間際,ロープを背負ってバランスを崩したところに木下が左ストレートを浴びせて攻勢に出る。
 9回,木下は角谷の出バナに左ストレートをヒットするが,バッティングで左目尻をカット。角谷は単発ながらも右ストレートを2発ヒット。10回は木下が積極的に角谷をロープに詰め,左ストレートを浴びせる。角谷も応戦するが,木下が手数で上回った。

 木下がスプリットデシジョンで角谷を退け,辛うじて初防衛に成功した。全般的には主導権を握っていたが,角谷の果敢な攻撃に手を焼いた。サウスポーのボクサータイプで左ストレートのカウンターを得意としている。スピードがあり,右ジャブで牽制しながらタイミングの良い左ストレートを放つ。待ちのボクシングになってしまうことが欠点。右ジャブ,フックをうまく使って自分から流れを作ることを心掛けるべきだろう。
 善戦した角谷だが,一歩及ばず,涙を呑む結果となった。右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを武器としている。序盤は積極的な攻撃を仕掛けたが,木下が左のカウンターを武器にプレスを強めると手数が減り,単調な攻めに陥った。これを読まれて木下に先手を取られたことが敗因。

採点結果 木下 角谷
主審:北村信行 *** ***
副審:半田隆基 97 94
副審:原田武夫 94 96
副審:宮崎久利 97 94
参考:MAOMIE 96 95


     ○木下:16戦15勝(3KO)1分
     ●角谷:15戦11勝(5KO)3敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&丸元大成
     実況:寺西裕一

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                       2012年7月22日(日)    神戸サンボーホール
                                  8回戦
                 WBA世界S・フェザー級8位   K      O      タイ国S・フェザー級10位
                ○   玉越強平      2回2分19秒    ペッチパヤ・クルダンプジム   ●
                         (千里馬神戸) 130 lbs                           (タイ) 130 lbs
                        WBC14位

 初回,ペッチパヤが前に出て左右フックで仕掛ける。玉越は広いスタンスから右ストレートのボディブローあるいは左フックを狙う。
 2回,左ジャブで間合いを測る玉越。右フックは空を切ったが,再び大きな右フックがペッチパヤのアゴに軽くヒット。明らかに右を狙っている玉越の伏線だった。2分過ぎ,クロス気味の右フックがまともにアゴに炸裂。たまらず大の字に沈んだペッチパヤはそのままカウントアウトされ,担架で搬出された。

 世界ランキングに名を連ねたベテラン玉越が豪快なワンパンチKO勝ち。右ボクサータイプでフットワークに乗せた右ストレート,左フックを武器としている。左フックに威力があるが,今日は明らかに右を狙っていた様子が窺える。足を絡めた攻撃とタイミングの良いカウンターが売り物。31歳という年齢ではあるが,まだまだチャンスはあるはず。
 ペッチパヤは右ファイタータイプ。左右フックで積極的に攻めるが,動きはぎこちない。アゴのガードがガラ空きになる欠点がある。それを突いた玉越のうまさが目立った。

     主審:野田昌宏,副審:半田隆基&原田武夫&北村信行
     ○玉越:43戦30勝(12KO)7敗3分     ●ペッチパヤ:14戦8勝(2KO)5敗1分
     放送:スカイA     解説:丸元大成     実況:寺西裕一

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                      2012年7月25日(水)    後楽園ホール
                        日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級10位)
              ○   加藤善孝    1回1分31秒    小池浩太   ●
                      (角海老宝石) 135 lbs                   (ワタナベ) 134 1/2 lbs

 開始早々から小池が左ジャブを突いて積極的に攻める。加藤は落ち着いて見極め,左ジャブで止めにかかる。さらに右ストレートのボディを伸ばす加藤。1分過ぎ,小池の動きが止まったところ,狙い澄ましたようなワンツーストレートがアゴに決まる。小池は呆気なくダウン(カウント8)。立ち上がったが,これで試合は決まっていた。加藤は足にダメージを残す小池に一気に襲いかかる。右フックを受けた小池は棒立ち。さらに右フックのフォローで腰が落ち,ロープに詰まったところで吉田主審が試合をストップした。

 加藤が鮮やかなTKOで2度目の防衛を飾った。右ファイタータイプで左右フックを得意としている。積極的に出る小池の動きを見て,落ち着いた対応を見せた点が目についた。左ジャブで小池の動きを止め,一瞬の隙を突いたワンツーで試合を決めた。力みがなく,スムーズに出たパンチである。ダウンを奪った直後の詰めも見事で,会心の勝利だろう。
 初挑戦の小池は右ストレート,左フックを得意とする右ボクサーファイター。挑戦者らしく積極的に攻めたが,加藤の冷静な試合運びに封じられた。最初のダウンで足に来ており,この時点で終わっていたと言える。

     主審:吉田和敏,副審:安部和夫&福地勇治&中村勝彦
     ○加藤:27戦22勝(6KO)4敗1分     ●小池:22戦16勝(5KO)6敗
     放送:YOUTUBE     解説:なし     実況:なし

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