熱戦譜〜2012年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.06.02  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 柴田明雄  判定  中川大資
2012.06.02 8回戦  三浦隆司  TKO2R  ディゾン・カグオン
2012.06.02 8回戦  佐々木基樹  判定  アモール・ティノ
2012.06.02 8回戦  木村 悠  判定  元木謙太
2012.06.11  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 湯場忠志  TKO2R  氏家福太郎
2012.06.11 8回戦  椎野大輝  TKO5R  ダンディ東栄
2012.06.11 8回戦  李 冽理  TKO5R  竹中 良
2012.06.19  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  判定  ジュジース・ナガワ
2012.06.19 8回戦  中村幸裕  KO1R  アルビン・タム
10 2012.06.19 6回戦  沼田康司  KO1R  ワンピチット・オーブンチャイ
11 2012.06.20  WBC世界ミニマム級
 王座統一12回戦
 井岡一翔  判定  八重樫 東

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                   2012年6月2日(土)    後楽園ホール
                 日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                挑戦者(同級1位)           チャンピオン
             ○   柴田明雄    判 定    中川大資   ●
                    (ワタナベ) 153 3/4 lbs              (帝拳) 153 1/2 lbs

 スロースターターとして知られる中川が,初回から積極的な攻撃を見せる。柴田は足を使って打ち合いを避けながら左ジャブ,右ストレート。最初に主導権を握ったのは柴田。前に出る中川の動きを見ながら左ジャブを突き,タイミングの良い右ストレートを決めて2・3・4回を押さえた。
 5回,中川がゴングと同時に飛び出すが,ここでバッティングが発生。柴田が左側頭部をカットしてドクターチェックを受ける。中川も右目上をカットするが,この回はリードした。
 後半に強いことで定評がある中川だが,柴田の動きに幻惑されて思ったように手数が出ない。柴田はそれを見透かしたかのように左ジャブ,右ストレートでポイントを稼いだ。
 8回開始早々,新たな右目上の傷(バッティングによるもの)でドクターチェックを受ける中川だが,すぐに右アッパー,ワンツーの連打で攻勢に出る。柴田も右ストレート,左フックで反撃に出て追い込むが,終盤は再び中川がプレスをかけた。柴田は口で呼吸し,やや苦しくなる。
 ここからピッチを上げたい中川だが,思惑通りの攻撃につながらない。9・10回は柴田が足を使って的を絞らせず,逆に左ジャブ,右ストレートでポイント差を広げた。

 見事なアウトボクシングを展開した柴田が2年ぶりの王座返り咲きを果たした。足とスピードで翻弄し,的を絞らせなかったことが勝因。出バナに左ジャブを突き,タイミングの良い右ストレートを再三巧打した。右ボクサータイプで重量級には珍しいスピード重視のアウトボクシングを得意としている。元バスケットボールの選手であるだけに,フットワークの良さには定評がある。終盤は追い上げられて苦しくなったが,最後まで足を止めなかったことが良かった。
 中川は初防衛に失敗。パワーでは優位だったが,柴田の動きに追随できず,内容的には完敗に近いだろう。攻撃しようとする姿勢は見られたが,攻め倦むところにタイミングの良いパンチを決められたことが響いた。柴田の足とスピードに動きを封じられ,調子が上がるはずの後半にも思ったように手数が出なかった。

採点結果 柴田 中川
主審:土屋末広 *** ***
副審:中村勝彦 96 94
副審:安部和夫 96 95
副審:杉山利夫 98 93
参考:MAOMIE 97 93


     ○柴田:26戦18勝(8KO)7敗1分
     ●中川:24戦19勝(15KO)3敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:佐藤義朗

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                       2012年6月2日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   WBA世界ライト級8位   K      O    比国S・フェザー級6位
                ○   三浦隆司     2回2分35秒     ディゾン・カグオン   ●
                           (帝拳) 135 lbs                         (比国) 132 3/4 lbs

 初回開始早々から三浦が激しいプレスをかけた。右ジャブを突きながらカグオンをロープに詰め,左右フックのボディブローを連発する。カグオンも右アッパーを返すが,パンチ力の差は歴然。ワンツーでのけぞるカグオン。
 2回,呆気なく勝負が決まる。細かく右ジャブを突いて攻める三浦に呑まれた様子のカグオンは左アッパーを受けてよろめく。カウンターの左ストレートがアゴに決まり,ニュートラルコーナーでたまらず腰から落ちてダウン(カウント8)。ロープを背負ったカグオンに左ストレート,右フックの連打を浴びせたところでマーチン主審がストップした。

 三浦が圧倒的なパワーを見せつけて圧勝。落ち着いて右ジャブを突き,いつになく手数が多く出ていたことが良かった。ボディブローを交え,上下への打ち分けも出ており,好調なところを見せた。攻撃が直線的になる癖は変わっていないが,狙い過ぎて手数が出なくなる欠点は見られなかった。
 カグオンは右ボクサーファイターで右ストレート,アッパーを得意としている。しかし,三浦に踏み込まれ,早々に浮足立ってしまった面がある。強打に呑まれてしまい,何もできないままに完敗となった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:飯田徹也&杉山利夫&土屋末広
     ○三浦:27戦23勝(17KO)2敗2分     ●カグオン:18戦11勝(6KO)7敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:上重聡

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                      2012年6月2日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本ライト級5位          比国S・フェザー級9位
              ○   佐々木基樹    判 定    アモール・ティノ   ●
                        (帝拳) 136 1/4 lbs               (比国) 136 1/2 lbs

 初回開始早々の50秒過ぎに,この試合最大の見せ場が訪れた。ティノの左の打ち終わりに返した佐々木の右ストレートが鮮やかなカウンターになる。ガクンと腰を落としたティノは間を置いて腰からキャンバスに落ちるが,パンチの直後にプッシングがあったためか,中村主審の判定はスリップダウン。しかし,これはノックダウンとしても良い微妙な場面だった。右ストレート,左右フックでロープに詰めた佐々木は猛烈なラッシュを敢行。
 4回,今度はティノが右ストレート,左右アッパーの連打で佐々木をロープに詰める。まともに打たせてはいない佐々木だが,見栄えが悪い。しかし,後半は一転して左右フックで猛然と攻め立てる。
 6回,佐々木の右ストレートがカウンターになる。さらに左右フックで攻勢に出るが,ティノもタフなところを見せた。
 8回にはさすがの佐々木も打ち疲れを見せた。ティノは前に出て連打を見せる。ロープを背にした佐々木はここでも打たせてはいないが,見栄えの悪いところを見せた。

 佐々木が危なげなく勝ったが,不満を残す内容。初回にKOチャンスを迎えながら,竜頭蛇尾に終わった。上下に打ち分けて手数が旺盛に出ていたが,ここから再浮上するためにはこのレベルの相手はきっちり仕留めたいところ。わざと攻めさせているのだろうが,ロープを背にして手を出さないのは頂けない。
 ティノは右ファイタータイプで右ストレート,左右フックの連打を得意としている。タフで体が柔らかく,ダメージを和らげてしまう面がある。

採点結果 佐々木 ティノ
主審:中村勝彦 *** ***
副審:飯田徹也 79 74
副審:安部和夫 80 72
副審:ビニー・マーチン 79 73
参考:MAOMIE 79 73


     ○佐々木:48戦38勝(23KO)9敗1分
     ●ティノ:27戦14勝(4KO)11敗2分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                  2012年6月2日(土)    後楽園ホール
                           8回戦
                日本L・フライ級2位         日本L・フライ級(ノーランク)
              ○  木村 悠     判 定     元木謙太   ●
                     (帝拳) 110 lbs                 (レパード玉熊) 110 lbs

 初回から木村がスピーディな攻撃で元木を圧倒した。積極的に攻める元木に対し,木村は左右に動きながら左ジャブを多用。元木が左アッパーをボディに放つが,木村も間髪入れずに同じパンチをお返しした。左フックでバランスを崩す元木。
 2回,元木は右フックをヒットするが,以降は木村が左ジャブでコントロールした。3回,元木の攻撃をウィービング,ダッキングでかわした木村は左ジャブから右アッパー,さらにボディにも左アッパーをヒット。
 中盤以降も木村のペースで試合が進んだ。4回,木村は左ジャブ,右ストレートからボディに左アッパーを見舞う。足も良く動いている木村は絶好調の様子。5回,木村はスピードの差で元木を圧倒する。元木の左グラブのテープが解けて一時中断するが,再開後にはワンツーをまとめて浴びせた。
 6回,前に出たい元木だが,木村の左ジャブがうるさい。7・8回,左ジャブ,ワンツーに加えてボディに左アッパーを打ち込まれた元木は苦しくなった。

 習志野高から法大に進んでアマチュアキャリアを積んだ木村が上位ランカーの貫録を見せた。スピード,テクニックの差を見せつけ,見事な試合内容である。左ジャブを多用して相手をコントロールしていたことが大きい。ワンツーに加え,左アッパーのボディブローも効果的。これまではいわゆるアマ上がりにありがちな欲の無さが災いして伸び悩んでいた面があるが,今夜見せたような貪欲さが出ればタイトルも十分に狙える。それだけの素質を持っているので,ここ1年ほどの戦い方が今後のキャリアを左右するだろう。
 元・消防士(横浜市消防局)という異色の経歴を持つ元木。右ファイタータイプで右フック,ストレートを武器としている。果敢な攻撃を展開したが,動きを木村に読まれたことが響いた。

採点結果 木村 元木
主審:杉山利夫 *** ***
副審:飯田徹也 80 72
副審:土屋末広 80 73
副審:中村勝彦 80 72
参考:MAOMIE 80 72


     ○木村:13戦10勝(1KO)2敗1分
     ●元木:12戦6勝(1KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

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                     2012年6月11日(月)    後楽園ホール
                       日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級1位)
             ○   湯場忠志    2回2分04秒    氏家福太郎   ●
                    (都城レオスポーツ) 159 3/4 lbs             (新日本木村) 159 1/2 lbs

 初回,じりじりと距離を詰める氏家。湯場は左フックをボディに。氏家も湯場の左の打ち終わりに右ストレートを返す。
 2回,ともに左ジャブで探るが,湯場の左アッパーがヒット。左右フックを振って攻めに転じる湯場。顔面に左ストレートを打ち込まれた氏家はロープに詰まる。すかさず攻勢に出た湯場が右フックから左ストレートをフォローすれば,氏家はたまらず仰向けにダウン(カウント9)。立ち上がったが,氏家にはもはや反撃の力がない。右フック,左ストレートの連打を浴び,ニュートラルコーナーで崩れるようにダウン。ここで杉山主審がストップした。

 湯場が見事なTKOで初防衛に成功。落ち着きのある試合運びで,ナチュラルなミドル級の氏家に対抗した。強打に加え,得意の左ストレートがヒットしてからの詰めも見事。堂々たる大人の風格が漂う試合運びである。スーパーライト級を皮切りに前人未到の4階級を制覇しているが,唯一残っているのがスーパーウェルター級。今後それを狙って5階級目を狙うのか,注目したい。
 氏家は4度目のタイトル挑戦も失敗に終わった。湯場の圧力に負け,自慢の強打を振るえないまま完敗。右フック,ストレートに一発がある右ファイタータイプ。無冠のままで終わるには惜しい素材である。何が何でも勝つという貪欲さがやや希薄に感じられるのが残念。タイトルに手をかけるために何が足りないのか,もう一度見直して再挑戦して欲しい。

     主審:杉山利夫,副審:安部和夫&福地勇治&中村勝彦
     ○湯場:50戦41勝(31KO)7敗2分     ●氏家:28戦17勝(11KO)10敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                      2012年6月11日(月)    後楽園ホール
                              8回戦
              WBC世界バンタム級15位   T   K   O   日本S・バンタム級(ノーランク)
             ○   椎野大輝     5回0分36秒     ダンディ東栄   ●
                    (三迫) 121 1/2 lbs                         (一力) 121 lbs

 初回開始早々,椎野の右ストレートで早くもぐらつく東栄。終了間際,東栄も右フックをひとつヒット。
 2回中盤,出バナに椎野の右ショートストレートがカウンターになり,東栄は思わず尻餅をつくダウン(カウント8)。変則的に攻め込む東栄だが,ガードが開く。一方の椎野も狙い過ぎ,思うように手数が出ない。
 4回終盤,椎野はようやく右ストレートのボディブローからロープに追いこんで右フックを浴びせる。
 5回開始早々から右フック,ストレートを振って攻め込む椎野。右フックで左目が塞がりかけた東栄は痛そうに顔をしかめてロープに下がる。ここで土屋主審が割って入る。ドクターチェックの末,続行不能とされて試合がストップした。

 バンタム級のホープと高い評価を受けている椎野がパンチ力の差を見せた。しかし,一発に頼って狙い過ぎる悪い癖が目立った。もう少し左ジャブ,フックを多用し,上下に散らしてから強打を決めるべきだろう。また,上背のある東栄を相手に上ばかり狙うため,自らの上体が起きてしまう場面が見られた。サウスポーは苦手とのことだが,左回りが見られず,やはり左対策はできていないようである。ここから上を目指すには,苦手なタイプも克服しなければならない。
 東栄はフィリピンからの”輸入ボクサー”。このクラスとしては168cmという上背に恵まれたサウスポーのボクサーファイター。左ストレート,右フックを武器に変則的な動きで攻め込む。独特のリズムで前に出るが,正面に立ってアゴのガードが開いてしまう悪い癖がある。足よりも上体が先に出て前にのめってしまい,バランスが崩れるのも欠点。

     主審:土屋末広,副審:葛城明彦&福地勇治&安部和夫
     ○椎野:9戦8勝(7KO)1敗     ●東栄:16戦9勝(3KO)4敗3分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                        2012年6月11日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本フェザー級2位    T   K  O   日本フェザー級(ノーランク)
                ○   李 冽理     5回1分15秒     竹中 良   ●
                        (横浜光) 125 1/2 lbs                      (三迫) 126 lbs

 千載一遇のビッグチャンスを掴んだ竹中が初回から小気味の良い動きでリードする。2回,李はプレスをかけるが,動きが良いのは竹中の方。足を使いながら様子を見て,李が出るところに左フックを合わせる。
 李にとって最大のピンチは3回。左フックから攻勢に出る李。しかし,2分過ぎ,カウンターの左フックをアゴに受けた李は足に来て窮地に陥る。一気にまとめて攻勢に出る竹中。ワンツー,右クロスを浴びた李は苦しい展開。李は左目上をカット(竹中の有効打による傷)。
 4回,右目上からも出血を見た李は左目上の腫れが酷くなり,ドクターチェックを受ける。李は焦り気味に出て体が流れたところを打たれる場面が目立つが,後半は体ごと押し込んで左右フック,アッパーで反撃に転じる。一方の竹中はやや上体が起き始めた。
 5回開始早々から攻め込む竹中に李が応じて激しい打ち合いになる。勝負所と見た李がここで猛然とスパート。左右フックからの右ストレートを打ち込まれた竹中は青コーナーで仰向けにダウン(カウント9)。辛うじて立ち上がったが,李の猛攻に晒される。棒立ちになったところに左右ショートフックをまとめられた竹中はロープ際で腰から落ちて大の字に沈む。中村主審は即座にストップした。ダメージを負った竹中は担架で搬出された。

 劣勢が続いた李が集中打で逆転し,意地を見せた。しかし,4回前半まではどちらが元世界王者かわからない展開。竹中の積極策に手を焼き,焦り気味に出て体が流れたところを打たれる悪循環が続いた。5回に竹中の動きが鈍ったところに一気にまとめて大苦戦を清算したのはキャリアの差だが,この試合内容では前途多難と言わざるを得ない。左ジャブ,フックが出ず,竹中を調子に乗せてしまったことが苦戦の原因だろう。
 竹中はフットワークがあり,左ジャブ,右ストレートにスピードと伸びがある。絵に描いたような八の字眉が印象的な右ボクサーファイター。大金星直前で逆転されたが,思い切りの良い戦いぶりで実力者の李をあわやというところまで追い詰めた健闘は賞賛に値する。

     主審:中村勝彦,副審:葛城明彦&土屋末広&杉山利夫
     ○李:23戦19勝(10KO)3敗1分     ●竹中:10戦7勝(4KO)2敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:森昭一郎

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                       2012年6月19日(火)    後楽園ホール
                      WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級8位)
                ○   小関 桃    判 定    ジュジース・ナガワ   ●
                         (青木) 101 1/4 lbs              (比国) 101 1/4 lbs

 初回,上背で10cm上回る小関が細かく右ジャブ,フックから左ストレートでリード。2回前半,ナガワも潜り込んで左右フックのボディ連打を回転させるが,後半は小関が回り込んで左ストレートをヒットした。
 ナガワが何とか対応したのはここまで。3回以降は小関が安定した動きで主導権をキープする。パンチが良く見えている小関。フェイントから右ジャブ,フック,左ストレートを浴びせて寄せ付けない。
 5回を過ぎる頃からはナガワが前に出られなくなった。7回,ワンツーで前に出たかと思うと,バックステップでナガワの打ち気を逸らして左ストレートを決める小関の技巧が冴える。
 9回,さらに小関のピッチが上がる。後半,ワンツーの連打でナガワをニュートラルコーナーに追っていく。
 10回,最後まで手数が衰えない小関。右フックを振って攻めるナガワだが,パンチが届かず,バランスを崩す場面が目立った。

 小関が完勝で8度目の防衛に成功。右ジャブ,フックで細かくタイミングを取り,フェイントから左ストレートを多用し,終始自分のペースで進めた。サウスポースタイルからの左ストレートが冴えた。スピード,スタミナ,テクニックのすべてに充実し,まさに円熟期に入っている。地味だが,女子ボクシングを背負う大きな存在に成長したと言えるだろう。
 4度目の来日でお馴染みとなったナガワは身長152cmという小柄な右ファイタータイプ。右フック,ストレートを振って前に出て,潜り込むとスピーディな左右フックのボディブローが回転する。序盤は潜り込めていたが,中盤からは小関のスピードについていけなくなった。動かれて的が絞れず,ワンツーで先手を取られて前に出ることができなくなった。

採点結果 小関 ナガワ
主審:中村勝彦 *** ***
副審:熊崎広大 98 92
副審:安部和夫 98 92
副審:金谷武明 99 91
参考:MAOMIE 99 91


     ○小関:11戦10勝(3KO)1分
     ●ナガワ:21戦9勝(6KO)11敗1分

     放送:スカイA
     解説:今岡武雄&柴田直子
     実況:山下剛

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                        2012年6月19日(火)    後楽園ホール
                                  8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)   K      O    比国S・バンタム級13位
                ○   中村幸裕      1回2分11秒      アルビン・タム   ●
                        (ピューマ渡久地) 123 3/4 lbs                       (比国) 124 lbs

 小刻みな動きから左ジャブ,左右フックを放って積極的に攻める中村。タムもワンツーを返すが,うっすらと鼻から出血を見る。2分ちょうど,タムが右アッパーを打って入ろうとした瞬間だった。待ってましたとばかりに合わせた右ストレートがアゴに炸裂。絵に描いたようなカウンター一発を打ち込まれたタムはガクンと膝を折り,右膝をキャンバスにつけてダウンを取られる。倒れ込むことは拒んだタムだが,足元が定まらない。土屋主審はそのままカウントアウトした。

 教科書に載せたいほどの見事なカウンターによるワンパンチKOだった。中村は右ファイタータイプで,小刻みな動きから放つ左ジャブ,左右フックを放って積極的な攻撃を仕掛ける。ややパンチにウェイトが乗っていない面はあるが,KOにつなげた右ストレートは見事なパンチだった。
 タムは元東洋太平洋スーパーフェザー級王者レイ・タムの息子。足はあまり使わないが,思い切ったパンチを放つ。アゴのガードが下がる欠点を突かれたと言える。

     主審:土屋末広,副審:飯田徹也&葛城明彦&安部和夫
     ○中村:16戦11勝(5KO)4敗1分     ●タム:14戦11勝(2KO)3敗
     放送:スカイA     解説:今岡武雄&渋谷淳     実況:西達彦

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                         2012年6月19日(火)    後楽園ホール
                                  6回戦
                 日本S・ウェルター級(ノーランク)   K      O     タイ国S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   沼田康司      1回0分25秒     ワンピチット・オーブンチャイ   ●
                         (トクホン真闘) 153 lbs                            (タイ) 152 lbs

 ゴングの余韻が残る開始わずか10秒後だった。沼田が右フックをボディに見舞ってワンピチットをニュートラルコーナーに詰める。大きな右フックで脅かし,すかさず左フックを一閃。アゴに打ち込まれたワンピチットはニュートラルコーナーで腰から落ちてダウン。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 1年ぶりの復帰戦となった沼田が2年4ヶ月ぶりの勝利をKOで飾った。呆気ない幕切れで本人も拍子抜けの様子。本格的に復調しているかどうかは,今後の試合を見る必要があるだろう。今夜の試合は早過ぎて参考にならない。しぶといボクシングと左右フックの強打を売り物とする右ファイタータイプ。
 ワンピチットは大柄で,沼田と向き合うとひと回り大きく見えるが,あっさりと沈んだ。不甲斐ない面はあるが,重量級のパンチをまともにもらえば仕方ないだろう。

     主審:吉田和敏,副審:熊崎広大&飯田徹也&土屋末広
     ○沼田:24戦17勝(12KO)6敗1分     ●ワンピチット:13戦9勝(1KO)4敗
     放送:スカイA     解説:渋谷淳     実況:山下剛

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                       2012年6月20日(水)    大阪府立体育会館
                      WBA・WBC世界ミニマム級王座統一12回戦
                 WBC世界ミニマム級チャンピオン          WBA世界ミニマム級チャンピオン
                ○   井岡一翔      判 定      八重樫 東   ●
                          (井岡) 105 lbs                       (大橋) 105 lbs

 初回から冷静な攻撃を見せる井岡。丹念に突く左ジャブから右ストレート,ボディへの左アッパーを打って前に出る。八重樫のガードの隙間を縫うように鋭い左ジャブが飛ぶ。後半は八重樫もワンツーを放って前に出るが,井岡は巧みなブロックを見せた。早くも八重樫の左目上が腫れる。
 2回は八重樫が右ストレートのカウンターをヒット。小刻みに動いて攻撃を仕掛ける八重樫。
 3回終了間際,井岡は右ストレートから左アッパーをヒット。八重樫の左目上の腫れが酷くなる。4回にも井岡の左アッパーのボディブローが決まる。八重樫も接近して左右のボディブローを連打するが,後半に入ると正面から打ち合っては不利と見た井岡は左右にサークリングしながら出バナに左ジャブを多用する。
 5回は八重樫のラウンド。ワンツースリーの連打に次ぐ右アッパーから攻勢に出た八重樫は井岡を青コーナーに下がらせて優位に立つ。
 6回,八重樫の左目上が塞がり,この試合最初のドクターチェック。7回,再びドクターチェックを受ける八重樫だが,スピーディな左右フックでリード。井岡もタイミングの良い左ジャブで応戦するが,八重樫は右アッパー,左フックで上回る。
 8回以降も見応え十分で一進一退の好ファイトが続くが,井岡が的確なパンチでポイントを連取した。8回,左アッパーで鼻から出血する八重樫。9回終盤には井岡がワンツーで攻勢に出る。10回,八重樫も右ストレート,左フックのカウンターで優位に立つが,井岡は終始的確な左ジャブを出バナにヒットして主導権を渡さない。
 それでも12回,八重樫が執念を見せた。井岡の左ジャブを受けながらも,スピーディな左右フックを連発し,最後まで意地を見せた。

 史上初の日本人同士によるWBA・WBC王座統一戦として反響を呼んだが,期待通りあるいはそれ以上の好ファイトとなった。駆け引きの妙も随所に見られ,非常に中味の濃い12ラウンズである。
 王座を統一した井岡は冷静な試合運びが光った。常に自分の間合いを保ち,的確な左ジャブ,ストレートでリズムを作った。鋭い右ストレート,ボディへの左アッパーも冴え,王者の風格たっぷり。終盤まで縺れればキャリアで勝る八重樫に分があると見られていたが,最終回以外は主導権を譲らなかったのは見事。今回の勝利によって大きな自信を得たはず。今後日本ボクシング界を背負って立つような飛躍が期待できる。
 敗れたとはいえ,八重樫の粘りも見事。負けて恥じるものは何もない。最後までWBA王者としてのプライドを見せ続けた立派な試合である。序盤で左目上を腫らしたことは誤算だったろう。打たれてもスピーディな右アッパー,左右フックの連打ですぐに反撃し,井岡に決定的なリードを許さなかった。捲土重来に期待する。

採点結果 井岡 八重樫
主審:福地勇治 *** ***
副審:カルロス・スクレ(米国) 115 114
副審:杉山利夫 115 113
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 115 113
参考:MAOMIE 116 112


     ○井岡:10戦10勝(6KO)
     ●八重樫:18戦15勝(8KO)3敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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