熱戦譜〜2012年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.05.01  WBO世界ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 ディミトリー・ピログ  判定  石田順裕
2012.05.05  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 金子大樹  TKO8R  岡田誠一
2012.05.05 8回戦  細野 悟  TKO8R  山元浩嗣
2012.05.05 8回戦  原 隆二  TKO6R  カオカラット・カオラーンレックジム
2012.05.05 8回戦  鈴木 徹  判定  三谷拓也
2012.05.12  WBA世界ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 ゲンナジー・ゴロフキン  TKO3R  淵上 誠

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          2012年5月1日(火)    ロシア モスクワ:クリラツコー・スポーツ・コンプレックス
                      WBO世界ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級11位)
              ○   ディミトリー・ピログ    判 定    石田順裕   ●
                         (ロシア) 158 lbs                (日本) 157 3/4 lbs

 初回,石田がピログの出バナにタイミング良く左ジャブを突き,右ストレートにつなぐ。ピログも右フックを合わせるが,まずは石田が好印象の滑り出しを見せた。
 しかし,2回以降はピログが地味ながらも的確なパンチで徐々に主導権を手にする。石田も引くことなくリング中央に止まって応戦するが,ピログは中間距離から右ストレート,上下への左アッパー,フックをコツコツと決める。
 石田も良く応戦するが,ポイント差は徐々に開くばかり。9回は疲れの色を見せたピログが後手に回る場面を見せた。石田がプレスをかけ,右ストレート,ボディへの左右フックで攻勢に出る。
 しかし,終盤は再びピログが主導権を奪った。10回,左アッパーのボディブローが効いた石田は後退。攻勢に出たピログは石田をロープに詰め,右ストレート,左フック,アッパーを浴びせる。
 12回序盤,右アッパーを打とうとしたところにカウンターの左フックをアゴに決められた石田は膝が落ちてピンチに陥る。良く踏み止まる石田だが,終盤にもピログの右ストレート,左フックがヒット。

 敵地ロシアで日本未公認のWBO王座に挑んだ石田だが,ピログの技巧の前に大差の判定負けを喫した。序盤から下がることなくリング中央で左ジャブ,ワンツーを多用したが,中盤からはピログの的確なパンチで後手に回った。
 ピログは右ボクサーファイター。地味な印象は否めないが,中間距離から接近戦にかけてを主戦場とする技巧派である。大振りせず,上下に右ストレート,左フック,アッパーをコツコツと当てに来る。主武器は左フック。驚くようなパンチ力,スピードはないが,堅実なテクニックを誇っており,大崩れしないことが強味だろう。

採点結果 ピログ 石田
主審:マヌエル・マリシャラ(スペイン) *** ***
副審:フェルナンド・ラグナ(スペイン) 119 109
副審:ジョン・マフィス(米国) 120 108
副審:ノエル・モネ(フランス) 117 111
参考:MAOMIE 118 110


     ○ピログ:20戦20勝(15KO)
     ●石田:34戦24勝(9KO)8敗2分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                          2012年5月5日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                    挑戦者(同級1位)    T   K  O     チャンピオン
                ○   金子大樹     8回1分06秒    岡田誠一   ●
                         (横浜光) 130 lbs                       (大橋) 130 lbs

 対照的なタイプの両者。初回から激しい主導権争いになった。接近して打ち合いに持ち込みたい岡田。金子は左右に動きながら左ジャブ,ストレートを多用する。岡田の右クロスがヒットするが,すぐに金子のワンツーが返る。
 3回,金子が左右アッパーで岡田をロープに押し込む。一転してアウトボクシングに切り替えたかと思うと,ワンツー,左右アッパーで岡田を下がらせる。
 4回以降も快調に飛ばす金子。一方の岡田は得意なはずの接近戦でも打ち負けている。5回2分過ぎ,右ストレートで棒立ちになったところにパンチをまとめる金子。岡田の右目上からの出血が増した。
 6回にも右ストレートから攻勢に出て岡田を下がらせる金子。ワンツー,左右アッパーをまとめられた岡田は苦しくなる。終盤には左アッパーのボディブローが効いて動きが止まり,ワンツーを受けてロープに詰まる。
 8回,ダメージが蓄積した岡田の動きは重い。ロープに詰めた金子はワンツー,ボディへの左アッパーで追撃。右ストレートから左フックを浴びた岡田が力なく後退したところで中村主審がストップした。

 不利の予想を覆した金子が初挑戦で王座を奪取した。巧みなフットワークで相手の攻撃をかわし,タイミングの良い左ジャブ,右ストレート,左右アッパーを浴びせる右ボクサータイプ。175cmの長身から伸びのあるストレート系のパンチが矢継ぎ早に出ることが強味。今夜も左を多用し,岡田の前進を見事にコントロールした。終始冷静に自分のペースを守ったことが勝因。かわして打つだけでなく,機を見て嵩にかかった強気の攻めに転じるギヤチェンジが見事だった。23歳という若さに似合わぬ落ち着きがある。
 岡田は4度目の防衛に失敗。序盤から主導権を握られたままの完敗である。常に前に出ていたが,接近するまでのパンチが出ず,無造作に出たところを打ち込まれるパターンの繰り返し。厳しいようだが,無策と言わざるを得ない。自分の主戦場であるはずの接近戦で打ち負けてしまったことは大誤算だろう。

8回までの採点 金子 岡田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:浅尾和信 70 63
副審:福地勇治 70 64
副審:杉山利夫 70 63
参考:MAOMIE 70 63


     ○金子:20戦15勝(8KO)2敗3分
     ●岡田:18戦16勝(9KO)2敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:上重聡

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                        2012年5月5日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                 WBA世界フェザー級11位   T   K   O   日本S・フェザー級9位
                ○   細野 悟      8回2分45秒     山本浩嗣   ●
                         (大橋) 130 lbs                         (ワタナベ) 130 lbs

 圧倒的不利の予想を背にリングに上がった山元が初回から快調に飛ばした。ときおりスイッチしながら思い切った右ストレート,左フックをまとめ打ちする山元。細野はプレスをかけるが,山元はその隙を突くようにロープに詰めて攻勢。細野は左目上と右目下を腫らした。
 4回まではどちらが世界ランカーかわからない展開。山元は細かい手数の中からタイミングの良い右ストレートを決め,細野がひるんだ隙に乗じて攻勢に出る。動いて焦らし,細野の手が出ないところにパンチをまとめる心憎いテクニックで翻弄した。
 沈黙していた細野が流れを変えたのは5回。右ストレート,ボディへの左アッパーが効いた山元に対し,細野の手数が多くなる。山元は左目上をカット(細野の有効打による傷)。
 7回,ダメージとオーバーペースで動きが鈍る山元。右ストレートが効いてぐらつく。必死に食らいつくが,完全に足が止まる。ダウン寸前のピンチを耐え忍び,辛うじてゴングに救われた。
 予想外の善戦で沸かせた山元だが,8回に破局を迎えた。ポイントでリードされている細野は仕留めたいが,逆に山元の左右フックのボディブロー,右ストレートを浴びる始末。それでも左フックで効かせて攻勢に出る。足が動かず,踏ん張りが利かない山元。左右フックでバランスを失ったところでマーチン主審がストップした。力尽きた山元はストップと同時にロープ際に崩れ落ちた。

 昨年12月の世界挑戦で完敗を喫した細野の再起戦。パワーにモノを言わせて最終回に清算したが,判定に持ち込まれていれば星を落としていた可能性がある大苦戦となった。何よりも得意の接近戦に持ち込むまでの工夫が足りないことが問題。4回までは山元のワンサイドゲームに近い試合内容である。細かく上下に打ち分け,そこから強打を打ち込む攻撃をするべきだろう。最後は力でねじ伏せたが,この内容では世界には遠く及ばない。
 山元は右ボクサーファイターで伸びのあるワンツーを武器としている。実績・実力では遥かに及ばないが,前半は変幻自在の試合運びで細野を圧倒した。敗れたが,見事な大善戦である。

     主審ビニー・マーチン:,副審:土屋末広&福地勇治&浅尾和信
     ○細野:24戦22勝(16KO)2敗     ●山本:22戦14勝(2KO)6敗2分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:佐藤義朗

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                      2012年5月5日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                   日本ミニマム級1位   T   K   O     タイ国L・フライ級(ノーランク)
                ○   原 隆二    6回2分22秒    カオカラット・カオラーンレックジム   ●
                        (大橋) 105 3/4 lbs                        (タイ) 106 lbs

 いつになく慎重な立ち上がりを見せる原。小刻みな動きから左ジャブ,フック,アッパー。後半にはボディへの左アッパーを交えて早くも主導権を握る。2回に入ると原のスピーディな攻撃にカオカラットは防戦一方。ガードを固めて右ストレートを返すのがやっとの状態が続く。
 3回2分過ぎ,右ストレートからロープに詰めた原は一気の攻勢。連打に左アッパーのボディブローを織り交ぜた攻撃を展開してカオカラットを圧倒した。
 5回,ロープに詰めて左アッパーからの右ストレートで攻勢に出る原。終盤にもロープを背負わせて攻勢に出る。
 6回,右ストレート,ボディへの左アッパーで原の一方的な展開。右ストレートでカオカラットが右膝を落としてよろめいたところで杉山主審が試合をストップした。

 トップコンテンダーの地位まで上り詰め,今年10月にも日本タイトル挑戦が有力視されている原。前哨戦ともいうべき試合を難なくクリアした。いつになく慎重な試合運びが目立ったが,スピードの差が明らかなので,もう少し一気に行っても良かったという印象が強い。
 カオカラットは現役の大学1年生。ワンツーの右ストレートを得意としているが,原との実力の差は大きく,いいところなく敗れた。

     主審:杉山利夫,副審:福地勇治&中村勝彦&ビニー・マーチン
     ○原:12戦12勝(10KO)     ●カオカラット:14戦10勝(2KO)4敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

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                     2012年5月5日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                   日本フェザー級5位        日本フェザー級(ノーランク)
                ○   鈴木 徹    判 定    三谷拓也   ●
                         (大橋) 126 lbs                (セレス) 126 lbs

 三谷は左に回りながら左ジャブで牽制し,チャンスを窺う。クラウンチングスタイルでじっくり構えた鈴木は左ジャブを突いて迫る。
 3回,身長で6cm上回る三谷はアドバンテージを生かし,左ジャブでリード。鈴木は手数が少ない。しかし,4回,逆に三谷の左ジャブが出なくなる。鈴木は左右フックでボディを叩き,右ストレートを浴びせる。
 5回,鈴木のガードが下がったところに三谷が打ち下ろした右ストレートが2発決まる。プレスをかける鈴木だが,手数が少なく,ミスブローが目立つ。
 6回序盤,鈴木が左ジャブからつないだ右ストレートがテンプルに決まり,三谷は右グラブをついてダウンを喫した(カウント8)。三谷も右ストレートを返すが,鈴木の右が上回る。
 決定的なリードを奪えなかった鈴木だが,このダウンを境に主導権を握った。7・8回,左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右フックでプレスをかけて勝利を決定づけた。

 鈴木がスプリットデシジョンで日本ランカーの面目を保った。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意とする技巧派。序盤は三谷の左ジャブとリーチに戸惑ったが,6回にダウンを奪ってからは積極的な攻撃の姿勢でリードを広げた。しかし,日本タイトル再挑戦に向けては物足りなさが目立った。フェイントをかけての攻撃は良かったが,見過ぎて手数が少なくなる欠点を露呈した。
 三谷は上背とリーチに恵まれた右ボクサータイプ。足があり,左ジャブから放つ右ストレートに鋭いものがある。良いリズムを見せていた序盤とは裏腹に,後半に消極的になってポイントを失ったことが響いた。セオリーとは逆の右回りも気になるところ。ランク入りを狙っているが,積極的な姿勢が大事。

採点結果 鈴木 三谷
主審:土屋末広 *** ***
副審:浅尾和信 77 75
副審:中村勝彦 76 75
副審:杉山利夫 75 76
参考:MAOMIE 78 74


     ○鈴木:25戦23勝(7KO)2敗
     ●三谷:20戦9勝(4KO)8敗3分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

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               2012年5月12日(土)    ウクライナ ブロバリ : アイスパレス”ターミナル”
                        WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン       T   K  O   挑戦者(同級8位)
             ○   ゲンナジー・ゴロフキン    3回1分17秒    淵上 誠   ●
                      (カザフスタン) 159 3/4 lbs                       (八王子中屋) 159 lbs

 初回,右に左にと動きながら右ジャブを伸ばす淵上。上々の滑り出しに見えたが,後半に入るとゴロフキンが右ストレート,左右フックで圧力を強める。淵上は右目上をカット。
 2回,早くもゴロフキンの強打が火を噴いた。中盤,右ストレートでぐらついた淵上を攻め立てるゴロフキン。右フック2発を打ち込まれた淵上はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。
 3回,突き放したい淵上だが,すぐに捕まってまともに右を食う。激しい追撃でズルズルと赤コーナーに下がった淵上はワンツーを浴びて再びダウン(カウント8)。辛うじて再開に応じたが,右ストレート,左右フックで棒立ちになったところでマルチネス主審が割って入った。

 敵地で無敗の王者に挑んだ淵上だが,パワーに圧倒されて完敗を喫した。足を使って右ジャブで間合いを取ろうとしたが,ゴロフキンのプレスの強さは想像以上だった。自分の距離を保てれば良かったが,入り込まれては手がない。これが世界の重量級の壁というものだろう。
 ゴロフキンはアテネ五輪ミドル級の銀メダリスト。右ファイタータイプで右ストレート,フックに破壊力がある。踏み込みの鋭さが身上で,距離が詰まると強烈なパンチを振ってどんどん攻め込む。中間距離からの右ストレートも強い。プロ入り以来無傷の23連勝で,4度目の防衛に成功。

     主審:ホセ・イグナシオ・マルチネス(スペイン),副審:テッド・ギムザ(米国)&トム・ミラー(米国)&オベ・オベッセン(デンマーク)
     ○ゴロフキン:23戦23勝(20KO)     ●淵上:26戦19勝(10KO)7敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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