熱戦譜〜2012年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.04.04  WBA世界スーパーフライ級
 王座統一12回戦
 テーパリット・ゴーキャットジム  TKO9R  清水智信
2012.04.04  WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  判定  ノルディ・マナカネ
2012.04.04 10回戦  亀田大毅  KO2R  ポンペッチ・ツインズジム
2012.04.06  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 粟生隆寛  判定  ターサク・ゴーキャットジム
2012.04.06  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 山中慎介  判定  ビック・ダルチニャン
2012.04.06 10回戦  長谷川穂積  TKO7R  フェリペ・カルロス・フェリックス
2012.04.09  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 天笠 尚  判定  上野則之
2012.04.09  東洋太平洋ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 淵上 誠  TKO10R  郭 京錫
2012.04.09 8回戦  杉崎由夜  TKO3R  大村光矢
10 2012.04.10  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 三田村拓也  TKO9R  中島敏浩
11 2012.04.10  女子東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ8回戦
 柴田直子  判定  孫 抄弄
12 2012.04.16 10回戦  下田昭文  TKO10R  アルベルト・ゴンザレス
13 2012.04.16 10回戦  亀海喜寛  TKO9R  アルフレッド・チャベス
14 2012.04.16 8回戦  外園隼人  TKO1R  デニス・パドゥア
15 2012.04.16 6回戦  尾川堅一  TKO3R  村瀬将司
16 2012.04.16 6回戦  横山雄一  TKO1R  水貝和弘
17 2012.04.26  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 粉川拓也  判定  林 徹磨
18 2012.04.26 8回戦  細川バレンタイン  TKO1R  エッカチャイ・パクディジム
19 2012.04.26 8回戦  水谷智佳  TKO3R  ノングプレム・モンソンジム 

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                          2012年4月4日(水)    横浜アリーナ
                       WBA世界スーパーフライ級王座統一12回戦
                     正規チャンピオン      T   K  O   休養チャンピオン
            ○   テーパリット・ゴーキャットジム   9回2分15秒   清水智信   ●
                           (タイ) 114 3/4 lbs                        (金子) 115 lbs

 ”休養王者”という意味不明の肩書返上に燃える清水が好調な立ち上がりを見せた。小刻みなフットワークと動きから左ジャブをヒットする。強振して迫るテーパリットに右ストレートのカウンターを合わせる。
 しかし,2回に入るとテーパリットがプレッシャーを強める。思い切りの良い右ストレート,左フックに清水の顔面が紅潮し,鼻からの出血を見た。
 4回,清水が最初のピンチに直面した。左フック,右ストレートを振ってどんどん攻め込むテーパリット。中盤,打ち下ろした右ストレートで足がもつれた清水は上体が起き,浮足立つ。ロープを背負った清水はテーパリットの攻勢に晒される。終盤ようやく反撃の姿勢を見せるが,テーパリットの優位は動かない。
 これを境に試合の流れはテーパリットに傾いた。清水は左ジャブを浴びせるが,テーパリットの前進は止められない。6回には再び鼻血を流して苦しい展開が続く。
 9回,ついに清水が捕まった。距離を取って左ジャブを突くが,クリンチに出たところにテーパリットの左フック2発を打たれて後退。左フック,右ストレートの追撃で守勢に回る。弱気な面を見せた清水をロープに詰めて一気に勝負に出るテーパリット。ワンツー,左右フックの乱打を浴びた清水が力なくのけぞったところでマーシュ主審が割って入った。

 王座統一に並々ならぬ決意で臨んだ清水だが,パワーに押されて完敗を喫した。フットワークに乗せた左ジャブと右ストレートのカウンターでチャンスは何度かあったが,テーパリットの鋭い踏み込みをかわせなかったことが敗因。
 テーパリットは持ち味となっている思い切りの良さが存分に出た。右ストレート,左フックは身長の割に長いリーチと鋭い踏み込みをフルに生かしたパンチ。これがテーパリットの最大の強みだろう。9回にまとめた集中打も見事だった。

8回までの採点 テーパリット 清水
主審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) *** ***
副審:ラウル・カイズ・ジュニア(米国) 77 75
副審:マイケル・リー(韓国) 77 76
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 75 77
参考:MAOMIE 77 75


     ○テーパリット:20戦18勝(11KO)2敗
     ●清水:24戦19勝(9KO)4敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修   ゲスト:佐藤洋太
     実況:新夕悦男

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                    2012年4月4日(水)    横浜アリーナ
                   WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン          挑戦者(同級11位)
             ○   亀田興毅   判 定   ノルディ・マナカネ   ●
                      (亀田) 118 lbs            (インドネシア) 116 1/4 lbs

 初回,マナカネが亀田の左フックの打ち終わりに右フックをヒットする。2回,マナカネは積極的な攻撃を見せ,ロープに詰めて左フック,右ストレートを浴びせる。亀田はガードを固めながら接近し,左アッパーをボディに。
 静かな立ち上がりとなったが,その後も盛り上がらない展開が続いた。積極的に攻撃を仕掛けるマナカネに対し,亀田は左アッパーのボディブローで迎え撃つが,手数が少ない。
 7回,ようやくマナカネをロープに詰めて,左ストレート,右フックを見舞う亀田。しかし,これも後が続かない。終盤,再び攻勢の兆しを見せるが,ここでも不完全燃焼のまま終わった。
 9回,手数が少ない亀田。逆にマナカネがガードの上から左右フックを繰り出す。まともにはもらっていないが,消極的な印象は拭えない亀田。終盤に攻勢に出るが,決め手に欠ける。
 10回,左右アッパーのボディブローを応酬する両者。亀田はローブローで減点された。11・12回,亀田はマナカネをロープに詰めて左右ショートフックの連打を見せるが,マナカネも左右フックで応戦して譲らない。

 一向に盛り上がらない凡戦の末,4度目の防衛に成功した亀田。三流以下の相手にこのお粗末な仕合内容では,さすがのTBSの放送席も擁護のしようがないだろう。TBSが動員してリングサイドに並べたと見られる野村克也夫妻,九重親方らの著名人たちの退屈な表情だけが目についた。手数が出ず,スピードも切れも勇気もないのでは,世界中からカモ王者として狙われるはず。多くの世界王者を擁する日本ボクシング界だが,最近はいずれも強豪を選んで実力を証明する厳しいマッチメイクが盛んになっている。その中で一人だけ逆行している状態では,取り残されるのは当然。誰からも評価されない理由は自らの中にある。単純明快。
 マナカネは右ファイタータイプ。スピードはなく,左右フックの連打に威力は感じられない。外からのパンチが多く,正面からのストレート系の攻撃には弱い。

採点結果 亀田 マナカネ
主審:ラウル・カイズ・ジュニア(米国) *** ***
副審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) 117 110
副審:マイケル・リー(韓国) 118 110
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 115 113
参考:MAOMIE 117 114


     ○亀田:29戦28勝(17KO)1敗
     ●マナカネ:36戦24勝(15KO)11敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

※ 第10ラウンドのローブローによる亀田の減点1を含む採点。

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                       2012年4月4日(水)    横浜アリーナ
                               10回戦
               WBA世界S・フライ級6位    K     O     タイ国バンタム級(ノーランク)
              ○   亀田大毅     2回2分53秒    ポンペッチ・ツインズジム   ●
                      (亀田) 119 1/4 lbs                          (タイ) 119 lbs
                      WBC7位

 初回,小刻みな動きから右ストレートのカウンター,左アッパーのボディブローで攻める亀田。終盤,亀田のワンツーを打ち込まれたポンペッチは腰から落ちてダウン(カウント9)。苦笑して立ち上がるが,亀田は一気に攻勢。
 2回,ポンペッチは左ジャブ,右ストレートで反撃を見せるが,亀田はボディに左アッパーを見舞う。青コーナーで左右のショートフックから右ストレートがアゴにヒットし,腰から落ちたポンペッチはそのままカウントアウトされた。

 昨年12月にテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)に敗れた亀田が再起第一戦をKOで飾った。体に力が入ってしまう欠点は相変わらずだが,以前のように力任せではなく,力を抜いたショート連打が出ている点は大きな進歩と言える。2度のダウンを奪ったのは,いずれもワンツーの打ち下ろし。左フックの強振一辺倒だった以前と比べ,これも進歩した一面だろう。
 ポンペッチはスリムな右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートを中心とする比較的オーソドックスなスタイルが特徴。

     主審:福地勇治,副審:飯田徹也&ほか2名不明
     ○亀田:26戦23勝(15KO)3敗     ●ポンペッチ:27戦20勝(8KO)7敗
     放送:TBSチャンネル     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:杉山真也

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                        2012年4月6日(金)    東京国際フォーラム
                      WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン              挑戦者(同級1位)
                ○   粟生隆寛    判 定    ターサク・ゴーキャットジム   ●
                         (帝拳) 130 lbs                  (タイ) 129 1/2 lbs

 左同士の対決。初回,ターサクが左ストレート,右フックを振って仕掛ける。粟生はこれを真剣な表情で迎え撃つ。2回,強引に入るターサクに対し,粟生は冷静に左ストレートのカウンター。さらにタイミングの良い右ジャブを多用する。ターサクは左目上をカット(粟生の有効打による傷)。
 3回はターサク。右フックを上下に放ち,肩越しの左ストレートをかぶせる。終了間際にも粟生の左の打ち終わりに左ストレートを合わせるターサク。
 4・5回は再び粟生のラウンド。粟生は右ジャブを多用し,右フックのカウンター,左ストレートをヒットする。
 粟生が右ジャブを突きながら前に出ている間はターサクも前に出られない状態が続く。しかし,粟生の右ジャブが止まると,ターサクが得意とする接近戦に持ち込んで左右フックの連打を浴びせる。中盤はこうした一進一退の展開が続いた。
 粟生が完全に主導権を掌握したのは9回。右ジャブを突き,左フックのカウンターをヒット。終盤には右フック,左ストレートが効き,ターサクの体が泳ぐ場面が見られた。
 10回,コンスタントに粟生の右ジャブが出る。左ストレートでぐらつくターサク。バランスを崩してロープに突っ込むターサクに対して攻勢に出る粟生。終盤,左フックのボディブロー,右フック,左ストレートからボディへの右フックが回転する。普通ならダウンしても不思議ではない状態だったが,ターサクのタフネスが目立つ。
 11回,粟生がKOチャンスを迎えた。ターサクは前に出るが,粟生はコンスタントな右ジャブから左ストレート,右フックをまとめて攻勢に出る。左ストレートからの右アッパーでぐらついてピンチに陥るターサク。粟生の激しい追撃に辛うじて耐え,ここでもタフなところを見せた。
 12回,前半は前に出るターサクに足と右ジャブで対応していた粟生が後半に右ジャブを突いて前に出た。左ストレートのボディブローに加え,終了間際には右フックが効いたターサクがクリンチに逃れた。

 粟生が強豪ターサクを破り,3度目の防衛に成功した。コンスタントな右ジャブで自ら前に出て試合の流れを作った。左ストレート,右フックあるいはボディへの左フックなど,上下に散らすパンチが効果的だった。ときおりターサクの前進を許したのは,右ジャブを忘れて下がったため。今夜のように右ジャブを突いて自らプレスをかけるスタイルが良いだろう。織り交ぜていたボディブローもターサクの出足を止める効果があった。
 ターサクはサウスポーのファイタータイプ。左右フックにパンチ力があり,接近戦での連打に強味を発揮する。あれだけ被弾しながらも最後まで倒れることを拒否したタフネスは驚異的。世界的強豪との対戦経験もあり,文字通りの強者である。それを破った粟生の成長が光った。

採点結果 粟生 ターサク
主審:マイク・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:バート・クレメンツ(米国) 116 112
副審:スティーブ・モロー(米国) 116 112
副審:アルバロ・アルドレテ(メキシコ) 118 110
参考:MAOMIE 116 112


     ○粟生:26戦23勝(10KO)2敗1分
     ●ターサク:51戦46勝(31KO)4敗1分

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:西岡利晃
     実況:田中毅

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                    2012年4月6日(金)    東京国際フォーラム
                     WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級4位)
               ○   山中慎介   判 定   ビック・ダルチニャン   ●
                         (帝拳) 118 lbs              (豪州) 118 lbs

 これも左同士の対決。気合十分のダルチニャンが初回からスロットル全開で突進する。まずは様子見の山中は右ジャブから。
 2回,山中は下がらずに左ストレートをヒット。さらにワンツーからボディに左ストレートを。山中の鋭い右ジャブでダルチニャンは前に出れない。
 猛突進するダルチニャンに戸惑った面はあるが,4回に入ると山中がリズムを掴み始めた。体を揺すって振り回すダルチニャンに対し,左ストレートのカウンターを合わせる。5回,ダルチニャンは右目上をカット。これが山中の有効打による傷と発表され,6回にはTKO負けを警戒したダルチニャンが焦り気味に突っ込む。山中は冷静さを失わず,右ジャブ,左ストレートを合わせる。出血が増したダルチニャンはドクターチェックを受けた。
 8回,ダルチニャンは左フックを振って突進するが,ミスブローでバランスを崩す場面が多い。右フック,左ストレートをカウンターする山中にはゆとりが見られるようになった。9回,華麗なステップでダルチニャンを焦らす山中。一方のダルチニャンの突進には序盤ほどの凄味がなくなる。
 10回,山中の右フックでぐらつくダルチニャン。冷静さを保つ山中に対し,ダルチニャンは焦りの色を濃くしていった。11回,鋭いワンツーでぐらついたダルチニャンはロープを背にする。ダルチニャンは鼻からも出血し,焦りも加わって敗色濃厚となった。
 12回,一打逆転を狙って猛然と出るダルチニャン。山中は左右にステップを踏み,追撃を許さず強豪をかわした。

 山中,見事な初防衛に成功。世界的強豪ダルチニャンを完封した価値ある勝利である。常に冷静さを失わずに試合を進めたことが勝因。正面からの打ち合いを避け,足を生かして右ジャブを多用したことが良かった。これにより,ダルチニャンの焦りを誘い,ミスブローで動きを鈍らせた。集中打を7浴びせれば終盤に倒せるチャンスはあったが,名のあるダルチニャンを破ったこと自体が今回の最大の成果だろう。
 ダルチニャンは文字通りのビッグネーム。左のブルファイターで前半に見せた怒涛の突進力はさすが。しかし,山中の足と右ジャブにかわされて徐々にスタミナをロスさせたことが響いた。中盤以降は攻め口を見失い,左フックを振って突っ込むだけの単調な攻撃が目立った。

採点結果 山中 ダルチニャン
主審:エクトル・アフー(パナマ) *** ***
副審:バート・クレメンツ(米国) 117 111
副審:ファン・カルロス・ペロヨ(メキシコ) 116 112
副審:スティーブ・モロー(米国) 116 112
参考:MAOMIE 118 111


     ○山中:18戦16勝(11KO)2分
     ●ダルチニャン:43戦37勝(27KO)5敗1分

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:西岡利晃
     実況:寺島淳司

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                       2012年4月6日(金)    東京国際フォーラム
                                 10回戦
                   WBC世界フェザー級3位  T   K   O    メキシコ フェザー級(ノーランク)
                ○   長谷川穂積    7回2分28秒    フェリペ・カルロス・フェリックス   ●
                       (真正) 125 1/2 lbs                            (メキシコ) 126 lbs

 初回から実力の差が顕著に出た。長谷川は右ジャブで牽制しながら左ストレートをボディに。終盤,左ストレートから一気にラッシュする長谷川。
 2回,左ストレートでのけぞらせた長谷川は3回にも2度に渡って左ストレートでぐらつかせる。
 鼻からの出血と顔面の腫れでフェリックスは早くも敗色濃厚。5回,バッティングで左目上をカットした長谷川はドクターチェックを受けるが,優位は動かない。顔面からボディに左ストレートを受けたフェリックスはぐらつき,辛うじて抱きついてピンチを逃れる。
 7回,長谷川の左ストレート,右フックがヒット。右フックで膝が落ちるフェリックス。赤コーナーに詰めた長谷川は一気のラッシュを敢行。フェリックスは必死に打ち返すが,もはや力がない。攻勢に見舞われたフェリックスはロープ際でもんどりうってダウン(カウント9)。何とか立ち上がったものの,再び容赦ない連打に晒される。左ストレートで力なくロープにもたれたところで中村主審がストップした。

 昨年4月にジョニー・ゴンザレス(メキシコ)に4回KO負けを喫してWBC世界フェザー級王座を負われた長谷川がTKOで再起を飾った。踏み込んで左ストレート,出てくるところにも左ストレート,ひるんだところに連打という具合に自在の攻撃でフェリックスを圧倒した。最後は怒涛のラッシュで仕留めた。右フックの返しあるいはボディブローも出て,得意の高速連打も健在。フェザー級でやっていくためにはパワーアップも大事だが,持味であるスピードと回転力を前面に出すことが重要。
 フェリックスは右ファイタータイプ。左肩を突き出し,左グラブを高く上げた独特のスタイルが特徴。右ストレートを得意としている。果敢に応戦していたが,長谷川とのスピードの差は歴然だった。

6回までの採点 長谷川 フェリックス
主審:中村勝彦 *** ***
副審:安部和夫 60 55
副審:葛城明彦 60 54
副審:土屋末広 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○長谷川:34戦30勝(13KO)4敗
     ●フェリックス:19戦18勝(10KO)1敗

     放送:BS日テレ&G+
     解説:浜田剛史
     実況:鈴木健

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                    2012年4月9日(月)    後楽園ホール
                    日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                   チャンピオン         挑戦者(同級1位)
              ○   天笠 尚   判 定   上野則之   ●
                       (山上) 126 lbs           (RK蒲田) 125 3/4 lbs

 強打の天笠,気の強さで定評がある上野の対戦は壮絶な試合となった。初回,天笠は早くも左右フック,右ストレート,左アッパーの猛烈な連打で襲いかかる。天笠は左アッパーのボディブローから顔面に左フックを返す攻撃で迫る。
 3回,上野は『打って来い』のジェスチュアで挑発するが,天笠の猛烈な勢いに押されて劣勢。
 4回,この試合最初のヤマ場。天笠は右フック,左アッパーのボディブローから右ストレートをまとめ打ちして攻め込む。この速攻に上野はニュートラルコーナーで腰から落ちてダウン(カウント8)。天笠はすぐに攻めず,一呼吸入れてから終盤に再びラッシュを敢行。鼻から出血する上野だが,ロープを背に右ストレートを返して気の強さを見せる。
 5回,左ジャブ,右ストレートでスローテンポな動きを見せたかと思うと,一転して一気にラッシュを仕掛ける天笠。
 6回までは圧倒的に天笠がリードしていたが,7回,思わぬ波乱が起きた。上野は左アッパーのボディブロー。天笠も左右アッパーで攻め込むが,十分に振り切った上野の左フックがテンプルに炸裂。ゆっくり前に落ちた天笠はカウント9で立ち上がったものの,ダメージは明白。千載一遇のチャンスとばかりに一気に攻勢に出る上野に対し,天笠はクリンチに逃れる。
 8回,天笠は長いリーチを生かした左ジャブ,右ストレートを軽く打ってプレッシャーをかける。巧みに休んでダメージの回復を図りながらポイントだけはしっかり取る強かな面を見せる天笠。
 9回は上野も意地を見せる。天笠は右から左のアッパーをボディに打つが,ガードが開いたところにカウンターの左フックを受けて顔が上を向く場面があった。
 10回,上野は鼻血と顔面の腫れに苦しみながらも果敢に攻めるが,天笠は逆ワンツーから一気に右ストレート,左右フックをまとめて猛攻に出る。上野も良く耐えて食い下がり,気の強さをアピールした。火を噴くような激しい打撃戦の中,終了ゴングを聞いた。

 ダウンの応酬というスリリングな展開,攻守が目まぐるしく変わる白熱戦。両者の意地と執念が正面からぶつかり,見応え十分のタイトル戦となった。
 180cmというこのクラスでは破格の長身と長いリーチを誇る天笠は右ストレート,左アッパー,フックにパンチ力がある。圧巻はチャンスにまとめて放つ怒涛の連打。ゆったりとしたリズムで攻めたかと思うと嵐のようなラッシュを仕掛けるという緩急をつけた攻撃が光る。この独特のリズムは相手にとって大きな脅威となる。特筆すべきは7回に痛烈なダウンを奪われた後の8回の戦い方。巧みに休みながらも,パンチをコンスタントに放ってポイントはしっかり握るというクレバーな面がある。テクニックもパンチもあって,見せ場も作れる。非常に楽しみな大型ハードパンチャーである。
 上野は3度目のタイトル挑戦も失敗。右ファイタータイプでバランスの良さが目につく。右ストレート,左フックにはKO率の低さがウソのような威力がある。気の強さが持ち味で,ダメージを負いながらも一歩も引かずに渡り合った根性は見事というより他にない。

採点結果 天笠 上野
主審:浅尾和信 *** ***
副審:杉山利夫 97 91
副審:福地勇治 97 92
副審:土屋末広 97 91
参考:MAOMIE 97 91


     ○天笠:26戦20勝(15KO)4敗2分
     ●上野:29戦14勝(5KO)11敗4分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:福永一茂

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                       2012年4月9日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   T   K   O  挑戦者(同級1位)
                ○   淵上 誠   10回0分44秒   郭 京錫   ●
                       (八王子中屋) 159 1/4 lbs              (韓国) 159 3/4 lbs
                            WBA9位                   韓国ミドル級チャンピオン

 サウスポー同士。変則ファイターの郭はどんどん攻め込むが,淵上は右ジャブを突いて間合いを取り,左右アッパーでボディを叩く。
 攻め込んでいるのは郭だが,当たっているのは淵上のパンチという展開が続いた。形振り構わず突進を繰り返す郭に対し,のらりくらりとかわす淵上は顔面に左フックをヒット。さらに左右アッパー,左ストレートを浴びせる淵上。
 5回,淵上の手数が多くなる。郭の突進に合わせ,左右フックのボディブロー。終了間際には左右フックをまとめる。
 なおも執拗に食い下がる郭だが,8回には左ストレートを受けてロープに突っ込む場面があった。9回,ダメージと鼻血に加え,顔面も腫れた郭はさすがに動きが鈍い。
 10回,ワンサイドゲームにピリオドが打たれた。郭は相変わらず執拗な前進を繰り返すが,淵上の左フックがアゴに決まる。このカウンターでよろめいた郭がロープを背にしたところで,止めるタイミングを見計らっていたように中村主審が割って入った。

 進境著しい淵上がタフな韓国王者・郭をTKOに仕留め,初防衛に成功した。前に出て執拗に突進する郭に対し,序盤から左右アッパー,フックでボディを叩いた。これによって徐々に郭の出足が鈍った。どんどん成長している様子が見られ,今後が注目される。
 郭はサウスポーのブルファイター。変則的で掴みどころがないスタイルが特徴。ベタ足でスピードはないが,前進を繰り返して左右フックを浴びせる。しかし,淵上に出バナを叩かれ,徐々に突進力が失せた。

9回までの採点 淵上
主審:中村勝彦 *** ***
副審:リー・カンウ(韓国) 88 84
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 90 81
副審:福地勇治 90 81
参考:MAOMIE 90 81


     ○淵上:25戦19勝(10KO)6敗
     ●郭:15戦9勝(6KO)6敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:立本信吾

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                        2012年4月9日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・フェザー級10位  T   K  O  日本S・フェザー級2位
                ○   杉崎由夜    3回1分20秒    大村光矢   ●
                       (角海老宝石) 130 lbs                   (三迫) 129 1/2 lbs

 初回,大村が左ジャブ,右ストレート,アッパーを放って積極的に攻める。杉崎も鋭い左ジャブを飛ばす。2分過ぎ,大村が左ジャブに続いて上からかぶせるように打った右フックがテンプルに決まり,杉崎の腰が落ちる。杉崎は早くも左目上をカット(大村の有効打による傷)。
 しかし,2回,杉崎のシャープなパンチが火を噴いた。大村はエネルギッシュに攻めるが,逆に杉崎が左フックのカウンターをヒットし,右アッパーを突き上げる。中盤,リング中央で右ストレート,アッパーを飛ばす杉崎。目が覚めるような右ストレートがアゴに決まれば,大村は膝から落ちてダウン(カウント9)。構わず果敢に攻める大村に右アッパーを浴びせる杉崎。
 3回,挽回を狙う大村だが,杉崎は右アッパーを突き上げ,左右ショートフックをまとめる。ロープを背にした大村は左右フックの連打からの左フックで膝から落ちてダウン(カウント8)。再開となったが,接近戦でアゴを捉えた右から左のアッパーで膝が揺れてのけぞったところで土屋主審がストップした。

 杉崎が上位ランカーの大村を見事なTKOで破った。今夜はその良さがすべて出た会心の試合内容である。右ボクサーファイターで,シャープな右ストレート,左フック,左右アッパーが持ち味となっている。スピードと切れに加えて速攻が魅力である。下位に甘んじているが,これで上位進出が有望となった。タイトルを狙うだけの実力は十分に備えており,今後の動向から目が離せない。
 大村は右ファイタータイプで左右フックにパンチ力がある。好戦的なスタイルが身上。開始早々から攻勢に出たが,ガードが甘くなったところに杉崎の鋭いパンチを浴びた。

     主審:土屋末広,副審:浅尾和信&杉山利夫&中村勝彦
     ○杉崎:24戦16勝(6KO)7敗1分     ●大村:22戦15勝(11KO)6敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                         2012年4月10日(火)    後楽園ホール
                          日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン      T   K   O   挑戦者(同級1位)
               ○   三田村拓也    9回1分52秒    中島敏浩   ●
                       (ワールドスポーツ) 105 lbs                   (久留米櫛間) 105 lbs
                         WBA10位,WBC9位

 開始早々から中島が意欲的に飛び出す。右ストレートから右フックをかぶせてどんどん攻め込む中島。三田村は足を使って左ジャブを放つが,やや後手に回る。
 2回,三田村は中島の攻勢に合わせてしまうが,2分過ぎ,左フックをクリーンヒット。終盤には右ショートストレートがアゴに決まり,中島は腰が落ちてピンチを迎える。
 3回は再び中島が右ストレートのボディブローを多用するなど,手数で押した。
 一進一退の展開が続いたが,4回に入ると両者の力の差が出始めた。軽く足を動かしてリズムを取り,左ジャブを突く三田村。さらに左フックをクリーンヒットし,ボディにも左アッパーを打ち込んだ。
 自分から先にパンチを出し始めた三田村は中盤以降は完全に主導権を握った。一方の中島は三田村の的確なパンチで徐々にダメージを蓄積した。6回,中島は鼻からの出血を見る。三田村は果敢に出る中島の動きを見切ったかのように右ストレート,左フックのヒットを積み重ねた。
 7・8回,前に出ている中島だが,足が動かない。8回終了間際,三田村の右ストレート,左フックが決まった。
 9回,ダメージの色が濃い中島。リング中央で左フックに次ぐ右ストレート,左フックがフォローされ,大きくぐらついたところで杉山主審が試合をストップした。

 三田村がTKOで初防衛に成功した。日本航空高から中大に進んだアマチュア出身の右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレート,左フックを得意としている。特に相手の動きに合わせた左フックのカウンターが最大の武器。足でリズムを掴み,左ジャブから基本に忠実な試合運びを見せる。しかし,打ち合いを仕掛ける中島の接近を簡単に許してしまうなど,課題が多い。5回に入ってようやく自分から先に手を出してペースを掴んだが,前半は消極的なボクシングで後手に回った。勢いのある原隆二(大橋)がタイトルを狙う位置まで上がっていることを考えれば,インパクトの不足は否定できない。相当気を引き締めないと長期防衛は難しいだろう。
 中島は右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックを武器としているが,中盤から三田村の的確なパンチを浴びて動きが鈍った。正面に立って両足が揃ってしまうことが欠点。そこに被弾する場面が目立った。トップコンテンダーではあるが,三田村との実力の差は歴然としていた。

8回までの採点 三田村 中島
主審:杉山利夫 *** ***
副審:土屋末広 78 74
副審:福地勇治 78 75
副審:中村勝彦 78 74
参考:MAOMIE 78 74


     ○三田村:12戦12勝(2KO)
     ●中島:18戦14勝(6KO)4敗

     放送:スカイA
     解説:八重樫東&藤原俊志
     実況:田野和彦

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                      2012年4月10日(火)    後楽園ホール
                   女子東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ8回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級1位)
                ○   柴田直子   判 定   孫 抄弄   ●
                      (ワールドスポーツ) 107 1/2 lbs       (韓国) 107 1/4 lbs

 初回,孫が先制攻撃に出た。柴田は右ストレートをもらう。さらに左右フックデボディを叩く孫。後半,柴田は出て来る孫のアゴに右アッパーを突き上げる。
 戸惑った柴田だが,2回に入ると自分のリズムを掴んだ。良く動き,左ジャブを突きながら自分から前に出て,右ストレート,左アッパーを放つ。さらに下から左右アッパーを見舞う柴田。
 3回,柴田は左アッパーのボディブロー,右ストレート,左アッパーをまとめて孫をロープに押し込む。4回には入り際に右アッパーを合わせる。構わず食い下がる孫の接近戦に応じ,左右のショートアッパーを連打する柴田。
 6回,柴田は右ストレートで孫がひるんだところで攻勢に出る。足が良く動き,回り込んで右ストレート,上下への左右アッパーが出る。7回にも柴田が右ストレートで孫の動きが止まったのに乗じて攻勢に出る。
 8回は逆に孫が柴田をロープに押し込んで左右フックのボディ攻撃に出る。突き放したい柴田だが,この回は手を焼いた。

 柴田は2度目の防衛に成功。突進する孫に対し,回り込みながら右ストレート,左右アッパーをコンスタントに浴びせて終始リードした。初回こそ孫の先制攻撃を許したが,2回以降は自分のペースで試合を進めた。冷静な試合運びが光る。
 元世界王者の孫は右ファイタータイプ。とにかく前に出て左右フックを浴びせるのが得意の攻撃パターンだが,バランスを崩しやすいことが欠点。目と勘に優れる良い柴田に動きを読まれたことが敗因。

採点結果 柴田
主審:吉田和敏 *** ***
副審:中村勝彦 78 74
副審:土屋末広 79 73
副審:飯田徹也 79 73
参考:MAOMIE 78 74


     ○柴田:10戦9勝(3KO)1敗
     ●孫:14戦11勝(3KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:藤岡奈穂子&今岡武雄
     実況:桑原学

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                         2012年4月16日(月)    後楽園ホール
                                  10回戦
                 WBC世界S・バンタム級7位   T   K   O    メキシコ S・バンタム級(ノーランク)
                ○   下田昭文      10回1分00秒     アルベルト・ゴンザレス   ●
                         (帝拳) 124 lbs                            (メキシコ) 123 1/2 lbs
                         WBA8位

 開始早々から下田が元世界王者の貫録を見せた。右ジャブ,フックで牽制しながら左ストレートを放ち,さらにボディにも左ストレートを見舞う。前に出たいゴンザレスだが,下田のプレスがきつい。
 2回に入っても下田が素晴らしい動きでゴンザレスを圧倒した。ロープに詰め,左ストレートを上下に飛ばす下田。ゴンザレスが打ち気に出ると回り込んでかわし,つけ入る隙を与えない。
 3回,下田の左アッパーがローブローとなり,一時中断。回り込んで放った左右フックにひるむゴンザレス。ボディへの左アッパーが唸る。5回,下田は左ストレートを上下に見舞って絶好調。バッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受けるが,再開後にはゴンザレスをニュートラルコーナーに詰めて攻勢。
 7回,下田は鼻血を流すゴンザレスを鋭いワンツーでぐらつかせてロープに詰め,ラッシュを敢行。
 8・9回,下田のスピーディな動きと鋭いパンチを上下に打ち分けられたゴンザレスは敗色濃厚でやや弱気な表情を覗かせる。
 10回,粘るゴンザレスを下田が連打で仕留めた。ワンツーの連打で反撃を見せるゴンザレスだが,下田の巧みなディフェンスに阻まれる。一転して左ストレートのボディブローからワンツーでチャンスを掴んだ下田は一気にラッシュ。バッティングにひるんだ隙を突いた下田がニュートラルコーナーで左ストレート,左右フックを連打したところで中村主審がストップした。

 下田が難敵と見られていたゴンザレスを最終回に仕留めた。タフでしぶといゴンザレスの攻撃を巧みなウィービング,ダッキングでかわし,左右に回り込みながら的を絞らせない完璧な動き。抜群のタイミングで放たれる左ストレートに加え,ボディへの左フック,アッパーも動きを止めるのに十分な威力があった。最後まで集中力も切れず,会心の試合内容と言える。何よりも,待たずに攻めの姿勢を貫いたことが大きい。近いうちに世界への再挑戦が実現するだろう。
 ゴンザレスは右ファイタータイプで右ストレート,左右フックが武器。タフで連打が良く出る。食い下がったが,下田のスピードに追随できなかったことが敗因。出ていけばカウンターを食い,ボディにも散らされて,ほとんどなす術がないまま敗れた。

9回までの採点 下田 ゴンザレス
主審:中村勝彦 *** ***
副審:安部和夫 90 82
副審:葛城明彦 90 81
副審:飯田徹也 90 82
参考:MAOMIE 90 81


     ○下田:29戦25勝(11KO)3敗1分
     ●ゴンザレス:26戦16勝(6KO)10敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:中野謙吾

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                          2012年4月16日(月)    後楽園ホール
                                  10回戦
                  WBC世界S・ライト級8位    T   K  O    メキシコ ウェルター級(ノーランク)
                ○   亀海喜寛      9回1分47秒     アルフレッド・チャベス   ●
                          (帝拳) 147 lbs                            (メキシコ) 146 1/2 lbs
                     WBA世界ウェルター級11位

 チャベスが思い切った左右フック,左アッパーでボディを叩いてどんどん攻め込む。ブロックしていた亀海だが,2回に入ると顔色を変えることなく,チャベスの攻撃の切れ目に右ストレート,ボディへの左アッパーを打ち込む。終盤にも左フック,アッパーを浴びせる亀海。
 3回以降も手数が多いのはチャベスだが,巧みなディフェンステクニックでかわして右ストレート,ボディへの左アッパーを打ち込む亀海の独壇場となった。4回,チャベスは右目上をカット(亀海の有効打による傷)。手は出しているものの,口が開き,足の動きが鈍くなるチャベス。5・6回も一方的な亀海のペースは変わらない。
 7回,右ストレートでチャベスをロープに詰める亀海。その直後,バッティングで左目上をカットした亀海がドクターチェックを受ける。この休息でチャベスはやや息を吹き返した。
 8回,亀海はチャベスの攻撃に鼻血を流す亀海。元気が出るチャベスだが,それも束の間。亀海は右ストレートのカウンターをヒットして要所を締める。
 9回1分過ぎ,右ストレート,左フックからチャンスを掴んで一気に攻勢に出る亀海。右ストレートでチャベスの足元がふらつく。勝負所と見た亀海は一気にラッシュ。右ストレートでのけぞったチャベスがニュートラルコーナーを背負ったところで杉山主審がストップした。

 タフなチャベスに手を焼きながらも最後はきっちり仕留めた亀海が無傷の21連勝を飾った。巧みなディフェンステクニックを存分に披露し,的確なクリーンヒットを重ねるクレバーな試合運びが光る。ただし,相手に合わせてしまい,待ちのボクシングになることが気になる点。念願の世界挑戦に向けては,ディフェンシブなボクシングに偏ることなく,常に攻めの姿勢を保つことが大事になるだろう。
 チャベスは179cmの長身に恵まれた右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,とにかく執拗に手が出る。主武器は左右フックのボディブロー,右ストレート。非常にタフでしぶといが,亀海の強烈なボディ打ちや右ストレートを浴び,4回を境に動きが鈍くなった。

8回までの採点 亀海 チャベス
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 80 74
副審:飯田徹也 79 73
副審:中村勝彦 80 72
参考:MAOMIE 79 73


     ○亀海:21戦21勝(18KO)
     ●チャベス:12戦8勝(5KO)4敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                        2012年4月16日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                    日本S・ライト級2位   T   K  O   比国ウェルター級3位
                ○   外園隼人    1回1分04秒    デニス・パドゥア   ●
                         (帝拳) 141 lbs                        (比国) 141 lbs

 初回,左ジャブで探り合いながらスタートする両者。アゴのガードを空けたまま攻め込んだパドゥアのアゴに外園の右ストレートが決まる。この一発でパドゥアは脆くも両膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったが,外園の追撃に赤コーナー付近で防戦一方になったところで葛城主審がストップした。

 外園はこれで7連勝4連続KO勝ち。以前の線の細さが消え,逞しさが目立つようになった。タイトルを狙える位置まで上がっており,今年中あるいは来年春のチャンピオンカーニバルで日本タイトル挑戦が有望である。現王者である強打のサウスポー岩渕真也(草加有沢)とは興味深い顔合わせになることは間違いない。長身の右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを武器としている。
 パドゥアは右ボクサーファイター。ややアップライトスタイルから振る右ストレートが武器だが,体が温まる前にカウンターを浴びてしまった。

     主審:葛城明彦,副審:飯田徹也&中村勝彦&杉山利夫
     ○外園:18戦15勝(8KO)2敗1分     ●パドゥア:16戦9勝(4KO)5敗2分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:田中毅

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                        2012年4月16日(月)    後楽園ホール
                                 6回戦
                  日本S・フェザー級12位   T   K   O   日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   尾川堅一     3回2分17秒     村瀬将司   ●
                         (帝拳) 129 3/4 lbs                       (畑中) 130 lbs

 初回からスピードの差が歴然となった。尾川は右アッパーからボディに右ストレート,さらに右アッパー,左フックを浴びせて優位に立った。尾川はなおも鼻から出血して苦しくなった村瀬をロープに詰めて攻勢に出る。
 スピード豊かな尾川のパンチを浴びた村瀬は2回に入ると鼻血に加えて右目上の腫れも目立つようになった。
 3回,実力の差を見せつける尾川が鮮やかに試合を決めた。前に出る村瀬に慌てず左フックを合わせる。これでぐらついたところに右ストレート,左フック,アッパーを浴びせる。粘りを見せる村瀬だが,尾川の右アッパーが鋭い。なおも前に出る村瀬だが,右アッパーからの左フックがアゴに決まり,腰から落ちてダウン。立ち上がったものの,足元がふらついており,カウントの途中で安部主審が試合をストップした。

 昨年度の全日本新人王MVPに輝いた尾川が鮮やかなワンパンチで試合を決めた。スピード豊かな攻撃は大型ホープの貫録十分。右ボクサーファイターで,ややアップライトスタイルから左ジャブ,フック,右ストレート,ボディへの左アッパーなどのスピーディで多彩なパンチがどんどん出ることが強味になっている。目と勘の良さが特徴で,フレームの大きさが魅力である。意表を突くような右アッパーを交えた上下への打ち分けも見事で申し分ない。欲を言えば,左ジャブを多用すればさらに攻撃力が増すだろう。ガードが下がることは要注意だが,もっとも注目すべきホープであることは間違いない。
 村瀬はアマ経験がある右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックを武器としているが,尾川のスピードについていけず,完敗となった。

     主審:安部和夫,副審:岡庭健&杉山利夫&葛城明彦
     ○尾川:8戦8勝(6KO)     ●村瀬:6戦2勝(1KO)4敗
     放送:G+     解説:なし     実況:寺島淳司

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                        2012年4月16日(月)    後楽園ホール
                                 6回戦
                    日本ライト級12位    T   K   O   日本ライト級(ノーランク)
                ○   横山雄一     1回0分11秒     水貝和弘   ●
                          (帝拳) 135 lbs                         (高砂) 135 lbs

 開始ゴングと同時に右ストレートを振って勢い良く突っ込む水貝。しかし,ガラ空きになったアゴの先端に合わせた横山の左フックが見事なカウンターになる。水貝はそのまま前に落ち,顔面をしたたかキャンバスに打ちつける痛烈なダウン。必死に立ち上がったが,上体が揺らいで危険なことは誰の目にも明らかだった。たまらず高砂ジム陣営からタオルが投入され,呆気ない幕切れとなった。

 9割のKO率を誇る横山が電光石火のワンパンチで試合を決めた。右ボクサーファイターで,一発の破壊力に加えて手数も出ることが強味。攻められたときの対処が試されていないが,非常に楽しみなホープである。細かいテクニックを身につければ,上位進出の可能性は十分。出てきたところに合わせるカウンターのタイミングにも非凡なものを見せた。
 水貝はアマチュアで125戦というキャリアを持つ右ファイタータイプ。主導権を握ってしまおうと突進したが,アゴのガラ空きになったところにまともに食ってしまった。

     主審:飯田徹也,副審:岡庭健&葛城明彦&安部和夫
     ○横山:12戦11勝(10KO)1敗     ●水貝:17戦7勝(3KO)10敗
     放送:G+     解説:なし     実況:辻岡義堂

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                      2012年4月26日(木)    後楽園ホール
                       日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○   粉川拓也    判 定    林 徹磨   ●
                         (宮田) 112 lbs                (セレス) 112 lbs

 序盤は積極的な攻撃で粉川がリードした。小刻みな動きから左ジャブ,フック,さらに右ストレートを浴びせて押していく。一方の林は緊張からか,動きの硬さが目立った。
 3回も林は手数が少なく,単発。粉川は林が出るところにタイミング良く左ジャブ,右ストレートをヒットする。
 4回,林は右アッパーをヒットするが,粉川は速い動きで撹乱して試合運びに一日の長を見せた。バッティングで2度中断するが,ここまでは粉川が試合の流れを掴んでいた。
 しかし,5回,林がようやく右フックから攻勢に出て左右フックの連打に出た。6回,粉川はワンツーの連打を見せるが,林が力強い右ストレート,左フックを浴びせて迫る。
 8回,左右フックで粉川を赤コーナーに詰める林。クリンチに出た粉川はバッティングで顔をしかめ,やや弱気な面を見せた。
 9回,粉川の右アッパーが効いて林の動きが鈍る。10回にも左右フックで迫る林だが,疲れが目立ってバランスが悪い。粉川はここでもワンツーを連打してリードした。

 動きの激しい試合の末,粉川が初防衛に成功。しぶとい林の抵抗を受けたが,積極的な攻撃と手数で上回った。手打ちで非力なパンチだが,最後まで手を出し続けたスタミナは大したもの。しかし,ここから上を目指すには力不足。バッティングで再三弱気なところを見せていたが,これは相手を元気にさせるだけである。
 林は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。考え過ぎたためか,手数が少なかったことが悔やまれる。粉川の積極的な攻撃で流れを引き寄せられなかったことが響いた。上へのパンチが多いが,もう少しボディに散らして粉川の動きを止める工夫が必要だろう。

採点結果 粉川
主審:浅尾和信 *** ***
副審:安部和夫 96 95
副審:土屋末広 97 93
副審:ウクリッド・サラサス 97 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○粉川:21戦19勝(10KO)2敗
     ●林:21戦18勝(6KO)2敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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                          2012年4月26日(木)    後楽園ホール
                                   8回戦
                     日本S・ライト級1位     T   K  O     タイ国S・ライト級(ノーランク)
                ○   細川バレンタイン    1回2分32秒    エッカチャイ・パクディジム   ●
                            (宮田) 143 lbs                              (タイ) 142 lbs

 腰を低くしたクラウチングスタイルで迫る細川。左ジャブからバネを利かせた右ストレートを浴びせて早くも主導権を握る。速いワンツーの連打にエッカチャイはロープを背負い,上体が完全に伸びてしまう。再びワンツーを打ちこれたエッカチャイは赤コーナー付近のロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。これは何とか再開に応じたが,左フック,右ストレート,左フックの3連打で棒立ちのまま青コーナーを背負ったところで中村主審が試合をストップした。速いタイミングにも見えたが,実力差を考えれば妥当な処置だろう。

 トップコンテンダーの細川が圧勝で貫録を見せた。右ファイタータイプでがっしりした体躯から放つ左ジャブ,右ストレートが武器。ナイジェリア人の父と日本人の母とのハーフで,外資系銀行員の顔を持つ異色の選手。体全体にバネがあるのが目につく。1位まで上がり,日本タイトル挑戦が目前のところまで来た。ガードが開く欠点は要注意だが,好戦的で強打を売り物にする王者・岩渕真也(草加有沢)とは面白い試合になるだろう。
 エッカチャイは右ボクサータイプだが,その動きはぎこちない。細川のパンチ力に開始早々から腰が引けてしまった。

     主審:中村勝彦,副審:飯田徹也&安部和夫&浅尾和信
     ○細川:20戦15勝(7KO)2敗3分     ●エッカチャイ:15戦12勝(3KO)3敗
     放送:TBSチャンネル     解説:内藤大助     実況:新夕悦男

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                           2012年4月26日(木)    後楽園ホール
                                   8回戦
                 WBA女子世界S・ライト級7位   T   K  O     タイ国女子S・ライト級(ノーランク)
                ○   水谷智佳       3回0分57秒     ノングプレム・モンソンジム   ●
                        (宮田) 138 1/4 lbs                             (タイ) 136 1/2 lbs
         女子東洋太平洋S・フェザー級チャンピオン  WBC女子世界S・フェザー級13位

 上背で上回る水谷が初回から圧力を増す。左右フックのボディブローから右フックをかぶせる。
 2回にも水谷の攻勢が続く。左ジャブを突いてノングプレムをニュートラルコーナーに後退させる。ノングプレムは手が出ず,くっつくのが精一杯。
 3回,左ジャブで下がらせ,どんどん前に出る水谷。ノングプレムは左右の連打でロープに詰まる。左フックで再びロープに詰め,左右フックを浴びせたところで安部主審が試合をストップした。

 水谷の圧勝。172cmという大柄な右ファイタータイプ。重い左ジャブを突き,上から右フックをかぶせて連打に出るのが得意の攻撃パターン。ただし,スピード不足は否定できない。そこが課題だろう。
 ノングプレムは右ファイタータイプで右ストレートを得意としているが,水谷のパワーに押されて完敗。思ったように手が出ず,密着して攻撃を避けるのが精一杯だった。

     主審:安部和夫,副審:土屋末広&中村勝彦&飯田徹也
     ○水谷:11戦9勝(5KO)2敗     ●ノングプレム:11戦7勝4敗
     放送:TBSチャンネル     解説:内藤大助     実況:杉山真也

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