熱戦譜〜2012年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.03.03  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 岩佐亮佑  KO1R  村井勇希
2012.03.03 8回戦  三浦広光  KO2R  ワーヒッド・カーン
2012.03.03 8回戦  久保幸平  判定  奥本貴之
2012.03.03  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 赤穂 亮  判定  石崎義人
2012.03.06 6回戦  藤本京太郎  TKO2R  金 在賛
2012.03.06 6回戦  土屋修平  KO1R  サワット・ウォースラポン
2012.03.17 ノンタイトル10回戦  ローマン・ゴンザレス  KO1R  マヌエル・ヒメネス
2012.03.17 8回戦  チャーリー太田  TKO7R  ガンドリック・キング
2012.03.18  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 小國以載  9R負傷判定  大橋弘政
10 2012.03.27  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 佐藤洋太  判定  スリヤン・ソールンビサイ
11 2012.03.27  東洋太平洋&日本ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 渡部あきのり  TKO11R  斉藤幸伸丸
12 2012.03.27  日本スーパーフライ級
 王座決定10回戦
 帝里木下  判定  翁長吾央
13 2012.03.31  WBC世界ライト級
 挑戦者決定12回戦
 セルヒオ・トンプソン  TKO2R  ホルヘ・リナレス

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                       2012年3月3日(土)    後楽園ホール
                        日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     K      O   挑戦者(同級2位)
                ○   岩佐亮佑    1回3分00秒     村井勇希   ●
                         (セレス) 118 lbs                    (グリーンツダ) 117 1/2 lbs

 初回,小刻みなフットワークから突破口を探る村井。しかし,岩佐は良く見て左ストレートを上下に散らしながらプレスをかける。この左に牽制された村井は前に出られない。終盤,軽い右フックからボディに左ストレート。その直後,シャープな左ショートストレートがアゴに決まり,村井は背中から落ちてダウン。カウント8で立ち上がったものの,膝の力が抜けたかのようによろめき,再び倒れてカウントアウトされた。

 岩佐,圧巻のワンパンチKOで初防衛に成功。39戦で一度もKO負けがなかった大ベテランの村井を沈めた見事な勝利である。フィニッシュの左ショートストレートは直前にボディへのパンチで下に注意を引きつけておいて放った技ありの一打。力みがなく,シャープなカウンターだった。一度は山中慎介(帝拳)に敗れたが,将来性は抜群。いずれ遠くない将来に世界挑戦の道が拓けるだろう。
 村井は右ボクサーファイターでフットワークに乗せたワンツーを得意としているベテラン。積極的に攻める姿勢を見せたが,岩佐に牽制されて思うように攻められなかったことが響いた。揺さぶりをかけて若い岩佐を崩せれば面白い展開になったはず。何もできずに破れたのは残念だが,ここは岩佐のテクニックをほめるべきだろう。

     主審:浅尾和信,副審:土屋末広&吉田和敏&安部和夫
     ○岩佐:12戦11勝(8KO)1敗     ●村井:40戦20勝(6KO)16敗4分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:寺島淳司

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                       2012年3月3日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・ミドル級1位   K      O   フィジー S・ミドル級(ノーランク)
                ○   三浦広光    2回1分44秒    ワーヒッド・カーン    ●
                        (帝拳) 171 3/4 lbs                     (フィジー) 172 lbs

 初回,三浦は右フックでボディを叩き,顔面に右フックを見舞って積極的に攻める。早くも三浦のペースで進む。
 2回,変則的な動きで攻めるカーン。青コーナーにカーンをつめた三浦は左右アッパーのボディブロー,左右ショートフックで攻勢。連打をまとめられたカーンはロープ際で崩れるようにダウン。マウスピースを吐き出したカーンをマーチン主審がカウントアウトした。

 三浦はパンチ力の差を見せて圧勝。上下への打ち分けができ,まずまずの試合内容である。右ファイタータイプで左フックに威力がある。このクラスになると国内では適当な相手がいないため,マッチメイクには苦労するだろう。難しいところだが,今後が楽しみなタレントである。
 カーンは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはなく,変則的な動きから左右フックを放つ。相手のパンチを殺すディフェンスがあるが,三浦に打ちまくられて完敗となった。

     主審:ビニー・マーチン,副審:土屋末広&葛城明彦&浅尾和信
     ○三浦:9戦9勝(4KO)     ●カーン:33戦13勝(8KO)15敗5分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:佐藤義朗

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                      2012年3月3日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  東洋太平洋フライ級13位      日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   久保幸平    判 定    奥本貴之   ●
                         (セレス) 114 3/4 lbs            (グリーンツダ) 114 1/4 lbs

 同型のサウスポー同士の対戦は右ジャブ,フックの応酬から始まった。初回終了間際,奥本は左右アッパーのボディ攻撃からアゴへの左アッパーを見せる。
 久保がリードを奪ったのは3回。左右フックのボディブロ−から左ストレートが回転し,奥本の右目下が腫れ始めた。久保はなおも左ストレート,フックでぐらつかせて連打につなげる。これを境に試合の流れは大きく久保に傾いた。
 4回,奥本が動きを止めると久保の左ストレート,右アッパー,フックが飛ぶ。久保は出てくるところを捉え,左アッパーをアゴに決めて奥本をのけぞらせた。
 5回,久保が完全に主導権を掌握する。奥本は果敢に出るが,単調で正面に立ってしまい,そこにパンチを返される場面が目立つ。顔面の腫れと鼻血で苦しくなる奥本。終盤,左フックでチャンスをつかんだ久保が一気にラッシュ。ぐらついてダウン寸前に追い込まれた奥本はクリンチに逃れた。
 7回,接近戦で左右アッパーを応酬する両者。ここでも久保がボディブローでガードを下げさせて上にパンチを返す。奥本は『打って来い』というジェスチュアで挑発するが,逆に久保の巧打を浴びる。
 8回,奥本は必死に応戦するが,ダメージと疲労で動きが鈍い。上下に打ち分ける久保。

 テクニックで勝る久保の完勝。スピーディなコンビネーションブローを得意とするサウスポーのボクサーファイター。目と勘に優れ,間合いの取り方に絶妙なものがある。出てくるところに左ストレート,フックを巧打し,接近戦ではボディブローでガードが下がったところに上に返すなどのクレバーな試合運びを見せた。下位に位置しているが,いずれ上位に進出するだけの力がある。楽しみな存在として注目したい。
 奥本はサウスポーのボクサーファイター。こちらも左ストレート,左右アッパーを得意としている。しかし,前に出てはいるものの,単調で相手の正面立ってしまう欠点がある。

採点結果 久保 奥本
主審:安部和夫 *** ***
副審:吉田和敏 79 74
副審:葛城明彦 78 75
副審:ビニー・マーチン 79 74
参考:MAOMIE 79 73


     ○久保:16戦12勝(7KO)3敗1分
     ●奥本:11戦7勝(4KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

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                   2012年3月3日(土)    神戸市立中央体育館
                  東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン          挑戦者(同級15位)
              ○   赤穂 亮    判 定    石崎義人   ●
                      (横浜光) 115 lbs             (真正) 115 lbs
                       WBA7位,WBC6位

 初回,赤穂が積極的に出て左ジャブから右ストレート,さらに終盤には右フックを浴びせて石崎をロープに詰める。
 石崎は2回に右フックのボディブロー,左ジャブ,ワンツーで応戦するが,3回に最大のピンチを迎えた。赤穂の左アッパーがボディに決まり,石崎は思わず四つん這い。これは原田主審の死角に入ったためか,スリップとされた。しかしその直後,今度は右フックをボディに打ち込まれて腰が落ち,ダウン寸前のピンチに陥る。一方の赤穂も力んで雑な攻めになり,KOチャンスを逃した。
 4回以降も左右フックで赤穂の攻勢が続くが,力んで大振りによるミスブローも目立つ。6回,石崎は接近戦で右アッパーを突き上げるが,赤穂は体ごと叩きつけるような左右フック,左アッパーを上下に打って攻め立てる。
 8回,後手に回っていた石崎がようやく自分から攻め,ロープを背にした赤穂を右ストレートでのけぞらせた。しかし,後半は赤穂の攻勢。力任せの左右フックで石崎を守勢に回した。
 9回に入るとさすがの赤穂も疲れの色を見せ始めた。今度は石崎が積極策に転じ,左右フック,右ストレートをヒットして攻勢に出る。赤穂は鼻からの出血を見る。
 10回,ともに正面から左右フックを振る激しい展開。お互いの左ストレートで両者が相次いでのけぞる。
 12回,死力を振り絞って応酬する両者。赤穂の左右フック,石崎の右ストレート。しかし,お互いに決め手に欠けたまま終了ゴングを聞いた。

 赤穂は2度目の防衛に成功。右ファイタータイプで左右フック,ボディへの左アッパーを武器としている。勝つには勝ったが,力んで雑な攻撃が目立った。最後まで振り回し続けたスタミナは驚異的だが,攻撃は単調。強打が自慢で世界ランク上位に名を連ねているが,うまい相手にかかれば軽く読まれてしまうだろう。終盤には疲れが出て打ち込まれる場面も見られた。石崎に今一歩のパンチ力があれば危なかった。
 石崎は豊富なアマ経験を持つ右ボクサーファイター。ワンツー主体のオーソドックスな試合運びを身上とする技巧派である。健闘したが,赤穂のパワーに押されて消極的な戦い方が目立った。ときおり自分から攻める場面を見せたが,赤穂に攻めさせてしまっては,押し込まれるのは目に見えていた。

採点結果 赤穂 石崎
主審:原田武夫 *** ***
副審:北村信行 115 114
副審:中村勝彦 115 114
副審:杉山利夫 115 115
参考:MAOMIE 116 113


     ○赤穂:20戦18勝(11KO)2分
     ●石崎:11戦6勝(4KO)4敗1分

     放送:BS日テレ
     解説:六車卓也
     実況:鈴木健

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                           2012年3月6日(火)    後楽園ホール
                                  6回戦
                   日本ヘビー級(ノーランク)   T   K   O   韓国L・ヘビー級1位
                ○   藤本京太郎     2回1分03秒     金 在賛   ●
                       (角海老宝石) 231 1/2 lbs                    (韓国) 242 3/4 lbs

 ダボダボの腹を揺らして登場した金に場内から失笑が漏れる中,藤本が上下に左ジャブを散らしてチャンスを窺う。右ストレートでぐらつかせ,金をロープに詰めて攻勢に出る藤本。2分過ぎにも右ストレートから青コーナーに詰め,右ストレート,左フックを浴びせる。鼻血を流した金はマウスピースを覗かせて後退。
 2回,ボディが効いて苦しそうな金をロープに詰めて攻勢に出る藤本。連打から右ストレートをアゴに打ち込まれた金はロープ際で崩れ落ちる。福地主審はノーカウントで試合をストップした。

 元K-1ヘビー級王者・藤本がデビュー2戦目で鮮やかなTKO勝ち。実力の差が歴然とはいえ,スピードを生かした圧勝である。左ジャブからの右ストレートを上下に散らした攻撃が良かった。層が薄いヘビー級だけにマッチメイクに苦労するはず。当面は東洋太平洋のタイトルがターゲットになるだろう。
 金は右ファイタータイプ。アンコ型と呼ぶにはあまりにも弛んだ腹が印象的。ベタ足でスピードはなく,藤本の強打の餌食になった。

     主審:福地勇治,副審:安部和夫&吉田和敏&杉山利夫
     ○藤本:2戦2勝(1KO)     ●金:8戦6勝(5KO)2敗
     放送:TBSチャンネル     解説:佐藤修     実況:杉山真也

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                       2012年3月6日(火)    後楽園ホール
                                6回戦
                    日本ライト級8位     K      O    タイ国ライト級(ノーランク)
                ○   土屋修平    1回1分42秒    サワット・ウォースラポン   ●
                       (角海老宝石) 136 1/4 lbs                     (タイ) 135 1/2 lbs

 開始早々から土屋が伸びのある左ジャブを突いて積極的に前に出る。20秒過ぎ,早くもサワットを赤コーナーに詰め,右ストレート,ワンツー,左フックで嵩にかかった攻めを見せる。再び赤コーナーを背負うサワット。ここで右アッパーからの左ストレートを打ち込まれたサワットは赤コーナーで脆くも崩れ落ち,そのままカウントアウトされた。

 土屋がデビュー以来12連続KO勝ち。スタートから相手を呑んでかかり,反撃の隙を与えない圧勝となった。スピードに乗った右ストレート,左右フックに威力がある。一発の破壊力だけでなく,集中打が出ることが強味である。その反面,ガードが低く,ディフェンス面で試されていないことが多い。強打者ゆえの悩みでマッチメイクに苦しむだろうが,今年から来年にかけて日本タイトルを狙える可能性がある。
 サワットは土屋の強打に腰が引けてしまい,いいところなく敗れた。右ボクサーファイターだが,地に足がついていない印象が強い。ぎこちない動きが目立った。

     主審:中村勝彦,副審:安部和夫&吉田和敏&葛城明彦
     ○土屋:12戦12勝(12KO)     ●サワット:12戦7勝4敗1分
     放送:TBSチャンネル     解説:佐藤修     実況:杉山真也

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                    2012年3月17日(土)    メキシコ クリアカン : パレンケ・デ・ガジョス
                                    ノンタイトル10回戦
                   WBA世界L・フライ級チャンピオン    K      O    IBF世界ミニマム級11位
                ○   ローマン・ゴンザレス       1回2分58秒     マヌエル・ヒメネス   ●
                          (ニカラグア=帝拳) 109 lbs                           (メキシコ) 109 1/2 lbs

 開始早々からゴンザレスのワンマンショーとなった。ウィービング,ダッキングから鋭いフットワークで早くもヒメネスを追い込む。左フック,アッパーで脅かされたヒメネスはロープ伝いに逃れるのが精一杯。圧力の強さに負けて自らキャンバスに膝をついてしまうヒメネス。これはノックダウンとはされなかったが,勝負の行方は誰の目にも明白だった。ゴンザレスの詰めは鋭く,左アッパーをボディに打ち込まれたヒメネスはたまらず膝まづいてダウン。半ば戦意喪失の状態でカウントアウトされた。

 ゴンザレスが相手を全く問題にしない圧巻の攻めであっさりKO勝ち。これで無傷の31連勝という快進撃である。相変わらずのバランスの良さが光る。相手の逃げ道を塞ぐような独特のフットワークから多彩な左ジャブ,フック,アッパーが矢継ぎ早に出るのは,バランスの良さ以外にない。日本のボクサーが最も学ぶべき選手の一人だろう。軽量級離れした強打と相俟って,どこまで強くなるのか底が見えない。
 ヒメネスは右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力がある。しかし,ゴンザレスの強打に最初から腰が引けてしまい,逃げ一辺倒になった。何ら抵抗らしきものも見せず,自ら戦意を失った末のKO負けはいかにも不甲斐ない。せっかくのチャンスなのだから,思い切った攻撃を見せて欲しかった。

     主審:アルバロ・ガルシア(メキシコ),副審:フェルナンド・ゲレロ(メキシコ)&ミゲル・アンヘル・モナレス(メキシコ)&サイド・トーレス(メキシコ)
     ○ゴンザレス:31戦31勝(26KO)     ●ヒメネス:15戦11勝(5KO)3敗1分
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                   2012年3月17日(土)    米国ニューヨーク : マジソン・スクエア・ガーデン
                                      8回戦
                東洋太平洋S・ウェルター級チャンピオン    T   K   O   米国S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   チャーリー太田         7回0分35秒     ガンドリック・キング   ●
                        (八王子中屋) 151 1/2 lbs                             (米国) 153 1/2 lbs

 初回,前に出るキングに対し,チャーリーは良く見ながら右ストレートを合わせる。2回,サウスポーのキングは左ストレートを上下に放つが,チャーリーはこれを迎え撃って右ストレート,左フックを返す。
 3回に入るとチャーリーのプレスが上回るようになる。2分過ぎ,右ストレート,左フックをヒットして攻勢に出るチャーリー。キングも左ストレートで応戦するが,チャーリーは左フックをボディに打ち込む。
 6回,後退が目立つキング。右ストレート,左フックに加えてボディブローも効いたキングはピンチに陥る。カウンター気味の左フックを受けたキングはロープ際まで吹っ飛んでダウン(カウント8)。何とか再開に応じたが,肩で息をしてマウスピースがこぼれそうになり,逃げるのに精一杯となった。
 ダメージを見切ったチャーリーが7回開始早々から一気にピッチを上げた。逃げ回るのに忙しいキング。左右フックの連打を浴び,青コーナーで崩れ落ちたところでマーカンテ主審がストップした。

 ニューヨーク出身のチャーリーが凱旋試合を見事なTKOで飾った。右ストレート,左フックを上下に打ち分けてプレスをかけ続け,最後は強打を集中して仕留めた。大振りせず,冷静に戦っていた点が良かった。
 キングは小柄なサウスポーのファイタータイプ。がっしりした体躯から上下に放つ左ストレートを武器としている。序盤こそ自ら前に出ていたが,チャーリーがプレスをかけ始めると下がる場面が目立った。6回にダウンを喫してからは,逃げるのが精一杯となった。

7回までの採点 チャーリー キング
主審:アーサー・マーカンテ・ジュニア(米国) *** ***
副審:トニー・パオリリョ(米国) 60 53
副審:マット・ルゲロ(米国) 59 54
副審:スティーブ・ワイスフェルド(米国) 58 55
参考:MAOMIE (40) (35)


     ○チャーリー:22戦20勝(14KO)1敗1分
     ●キング:24戦16勝(11KO)8敗

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ 第1・2・3・6・7ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                2012年3月18日(日)    愛知県:刈谷市産業振興センター:あいおいホール
                      東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
 
                    チャンピオン       負 傷 判 定    挑戦者(同級12位)
                ○   小國以載    9回0分21秒    大橋弘政   ●
                          (VADY) 122 lbs                  (HEIWA) 121 1/4 lbs

 初回,早くもダウンシーンが見られた。小國の右ストレートのボディブローからのタイミングの良い右クロスがアゴを捉え,大橋は思わず尻餅をつく(カウント8)。大橋も右ストレートを返すが,小國は小気味良い右ストレート,左アッパー,ワンツーを浴びせて攻勢。効いている大橋。
 2回以降も小國が左に回り込みながら左ジャブ,右ストレート,左右アッパーを見舞う。接近して打ち合いたい大橋だが,冷静な小國の試合運びに翻弄される。
 4回,大橋が出ないと見るや,右ストレートを浴びせる小國。5回,攻め倦む大橋に対し,逆に前に出て多彩なコンビネーションを浴びせる。終盤にはワンツー,左右アッパーをまとめて攻勢に出る。大橋は右目上をカットして苦しい展開(小國の有効打による傷)。
 6回,両者がピッチを上げ,接近戦でショートブローの応酬が繰り広げられた。
 ここまでは小國のペースだったが,7回に入り大橋が猛反撃に転じる。体を密着させた激しいパンチの応酬になるが,これは大橋が最も得意とするところ。鬼気迫る表情で連打を繰り出す大橋。小國もバッティングで左目上をカットして出血し,ドクターチェックを受けた。
 8回にも同様の打ち合いが続く。小國の右ストレート,左右アッパーが出るが,手を緩めると大橋の連打が回転。相手を回して巧みに左フックを連打する大橋。この辺りはベテランらしい味を見せた。
 9回開始早々から再び激しい打ち合いになるが,小國の左目上の傷が深くなり,杉山主審が割って入る。ドクターチェックの結果,続行不能とされて試合がストップした。

 元王者・大橋を破った小國が初防衛に成功。ダウンを奪った初回から主導権を握り,中盤までに大きくリードしたことが勝因。左に回り込んで巧みに打ち合いを避けて戦う一方,相手が出てこないと見るや,一転して自ら打って出る巧みなギヤチェンジが光った。しかし,7・8回に大橋が得意とする接近戦に付き合ってポイントを失ったことは反省点だろう。長期政権を築くためには,常に自分のペースを守ることが重要になる。
 大橋は右ファイタータイプ。不屈の闘志に加え,接近戦での連打にうまさがある。被弾は多いが,尻上がりに調子を上げて後半に滅法強いところを見せる。前半は小國のクレバーな試合運びに完封されたが,7・8回に持ち味の執拗な連打が回転した。これからという矢先のストップで悔やまれる結果となった。

9回までの採点 小國 大橋
主審:杉山利夫 *** ***
副審:堺谷一志 88 83
副審:浦谷信彰 88 83
副審:安部和夫 88 84
参考:MAOMIE 88 83


     ○小國:8戦8勝(2KO)
     ●大橋:38戦24勝(15KO)11敗3分

     放送:スカイA
     解説:小國以載&高嶋穣(VADYジム会長)
     実況:山下剛

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                      2012年3月27日(火)    後楽園ホール
                    WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級4位)             チャンピオン
                ○   佐藤洋太    判 定    スリヤン・ソールンビサイ   ●
                       (協栄) 114 1/2 lbs                  (タイ) 114 3/4 lbs
                        WBA4位

 向かい合うと,ひと回りサイズが違う両者。身長で11cm,リーチで18cmというアドバンテージを生かした佐藤が初回から優位に進めた。足とトリッキーな動きで撹乱し,左ジャブで牽制する佐藤。上々の立ち上がりだ。
 最大の見せ場は3回,スリヤンは低い姿勢から左ストレートをボディに送って迫るが,2分過ぎ,佐藤が放ったフェイントからのワンツーが鮮やかにアゴを捉える。この一発で足がもつれるスリヤン。追撃を受けたスリヤンは青コーナーで腰から落ちて痛恨のダウンを喫した。終盤には右ストレートのカウンターで2度目のダウン。ファイティングポーズを取ったところでゴングに救われる。
 4回も佐藤のリードが続く。焦り気味に前に出るスリヤンに対し,佐藤は左右に動いて左ジャブ,右ストレートを浴びせる。暫時接近戦に応じる佐藤だが,後半は再び動いて左アッパーのボディブローを多用する。
 ここまでは完全に佐藤のペース。しかし,スリヤンにも王者の意地がある。5回に入ると佐藤圧勝のムードに暗雲が漂った。左フックでのけぞる佐藤。スリヤンは鋭い踏み込みからぐいぐい前進し,佐藤をロープに詰めて左右フックのボディ攻撃に出る。
 7回には再び佐藤の足が動く。左にサークリングしながら左ジャブ,右ストレート,アッパーをヒット。佐藤のタイミングの良い左ジャブが決まる。
 終盤はスリヤンの勝利への執念が上回った。10回,唸り声を発しながら接近戦で執拗な連打を繰り返すスリヤン。スリヤンの右ストレートがヒット。佐藤も左アッパーのボディブロー,右ストレートで応戦し,激しい打撃戦が展開された。
 11・12回,底なしのスタミナで不気味に迫るスリヤン。執拗な左右フック,アッパーで攻撃の手を緩めずに前に出た。やや疲れが見える佐藤だが,必死に喰らいついてワンツーを返す。

 佐藤が悲願の世界タイトル奪取を果たした。スピードと足を生かした攻撃が冴え,3回に2度のダウンを奪うなど,序盤戦で主導権を握ってしまったことが勝因。中盤以降にスリヤンの執拗な反撃に苦しんだが,最後まで集中力を切らさずに戦ったことが奏功した。足を止めたことがスリヤンが得意とする接近戦を許した原因。スリヤンのように踏み込みが鋭い相手は足だけでもパンチだけでも止めることは難しい。生命線となるフットワークと左ジャブを生かし,動きながら出バナにパンチを出し続けることが大事。採点上では,3回に奪った2度のダウンがなければ逆の結果になっていたはず。初防衛戦で佐藤の真価が問われることになるだろう。
 スリヤンは右ファイタータイプ。鋭いステップインで距離を詰め,上下に間断なく見舞う左右フック,アッパーの連打が最大の武器。敗れたが,中盤から終盤にかけての追い上げで見せた執念は見事。

採点結果 佐藤 スリヤン
主審:ジャック・リース(米国) *** ***
副審:レイ・ダンセコ(比国) 116 110
副審:リム・ジュンバエ(韓国) 114 112
副審:マーティ・サモン(米国) 114 112
参考:MAOMIE 114 112


     ○佐藤:27戦24勝(12KO)2敗1分
     ●スリヤン:26戦20勝(7KO)5敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修&坂田健史
     実況:土井敏之

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                          2012年3月27日(火)    後楽園ホール
                      東洋太平洋&日本ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン     T    K   O   挑戦者(同級2位)
               ○   渡部あきのり   11回1分59秒    斉藤幸伸丸   ●
                         (協栄) 147 lbs                      (輪島功一スポーツ) 146 3/4 lbs
                                               日本ウェルター級1位

 左の渡部,右の斉藤。パンチ力に自信を持つ渡部がプレッシャーをかけ,左ストレートのボディブローから右フック,さらに左アッパーでボディを狙う。
 3回,斉藤が出バナにタイミング良く右ストレートを決め,さらに左フックのボディブロー。終盤,渡部の左アッパーはローブローになり,減点された。渡部はバッティングで右目上をカット。
 4回,パワーにモノを言わせて攻め込む渡部だが,正面に立って斉藤の右ストレートを食う場面が多い。構わず前に出て斉藤をロープに詰めた渡部は右フック,左ストレートで攻勢。斉藤も右側頭部をカット(バッティングによる傷)。
 5・6回は斉藤が優位に進める。正面に立つ悪い癖が出た渡部に対し,右ストレート,フックさらに右アッパーをヒットする斉藤。渡部が危ないタイミングで右フックを食う場面が見られた。
 壮絶な流血の打撃戦が続くが,7回は渡部。右フックで斉藤がバランスを崩す。斉藤も右フック,ストレートで応戦するが,足が止まる。8回は逆に斉藤のラウンド。右ストレート,フック,ボディへの左アッパーがヒット。
 8回終了後の途中採点で1−0でリードしていることを知った斉藤。9回に入ると俄然元気が出る。一方の渡部は動きが鈍く,被弾が多い。
 10回,斉藤のタイミングの良いパンチを食う渡部だが,中盤からパワーを前面に出して右フック,左ストレートで攻勢。しかし,終了間際に斉藤のスリップダウンで中断している間,ニュートラルコーナーにもたれて苦しそうな渡部。
 11回,劇的な幕切れ。必死の形相で攻める渡部は右フックで足元がふらつくが,ここで斉藤の右側頭部の傷が深くなって中断。約30秒に及んだドクターチェックが幸いし,失速寸前だった渡部が息を吹き返した。再開直後,ジリジリとロープ際に斉藤を追い詰め,左ストレート一閃。これが顔面を捉え,斉藤は仰向けにダウン(カウント9)。ここが勝負所と見た渡部が一気に出る。足がもつれた斉藤は抱きついて逃れようとするが,ここで土屋主審が試合をストップした。

 壮絶な打撃戦の末,渡部が土壇場で斉藤を捉えた。渡部は東洋太平洋王座は3度目,日本王座は2度目の防衛に成功。自らの単調な攻撃や正面に立ってしまったことが災いし,斉藤の右ストレートに苦しんだ。終盤,特に10回はダメージで動きが鈍ったところに右ストレートを食い,危ない場面があった。最後はパワーの差で清算したが,この試合内容では前途多難と言わざるを得ない。被弾の多さを改善することが必須である。
 斉藤は2009年6月,中川大資(帝拳)の日本ウェルター級王座に挑戦して7回TKO負けを喫して以来の2度目の挑戦も失敗となった。渡部のパワーに押し込まれながらも中盤からは果敢な反撃を見せた。採点ではリードしていただけに悔やまれる結果となった。右ボクサーファイターで,動きの中から放つタイミングの良い右ストレート,左右フックを得意としている。

10回までの採点 渡部 斉藤
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 95 95
副審:福地勇治 94 95
副審:中村勝彦 95 95
参考:MAOMIE 94 95


     ○渡部:29戦25勝(23KO)4敗
     ●斉藤:22戦17勝(9KO)4敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修&坂田健史
     実況:伊藤隆佑

※ 第3ラウンドのローブローによる渡部の減点1を含む採点。

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                   2012年3月27日(火)    後楽園ホール
                   日本スーパーフライ級王座決定10回戦
                 日本S・フライ級1位         日本S・フライ級2位
              ○   帝里木下    判 定    翁長吾央   ●
                     (千里馬神戸) 115 lbs           (大橋) 114 3/4 lbs

 同型のサウスポー同士の対戦。ともに右ジャブを突いて牽制する。やや動きが硬い帝里に対し,翁長は落ち着いている。2回終了間際,帝里が出るところに合わせるように翁長の左ストレートがヒット。
 ともにクリーンヒットが少ない展開になったが,前半はやや積極的な翁長がリードした。しかし,中盤から流れが帝里に傾いた。6回,足を止めてリング中央での打ち合い。ラフで雑になった翁長の隙を突くように帝里のワンツーが決まる。
 7回,帝里は左フックのボディブローをヒット。バッティングで顔をしかめた翁長は赤コーナーで背を向けてしまい,慌てたように安部主審がブレイクをかける。それ以降も翁長は再三バッティングをアピールし,集中力を欠く場面を見せた。
 9回,帝里の左ストレートでのけぞる翁長。10回,バッティングで左目上をカットし,自らアピールしてドクターチェックを受ける。終盤には打ち合いからの離れ際に帝里の右フックが決まり,翁長はバランスを崩した。

 今年3月にWBC王座を獲得した佐藤洋太(協栄)が返上したタイトルを争う一戦。ともに有効打が少なく盛り上がりに欠ける試合となった。
 ジャッジ泣かせのスプリットデシジョンで新王座についた帝里はサウスポーのボクサーファイター。大阪朝鮮高→龍谷大でアマ経験があり,80戦のキャリアを持つ。右ジャブ,左ストレートに伸びがある。動きの硬さが取れた中盤から攻めに転じた。待ちのスタイルが目立つが,もう少し積極性が欲しいところ。
 翁長はサウスポーのボクサーファイター。一昨年5月に佐藤洋太との王座決定戦で7回TKO負けを喫して以来,2度目の挑戦に失敗。こちらも沖縄尚学高→東洋大で鳴らしたアマ経験者。左ストレートのカウンターに切れがあるが,恵まれた才能を生かせずに伸び悩んでいる。バッティングで再三顔をしかめ,自らドクターチェックを要求するようなジェスチュアを示すなど,後半は集中力を欠いて自滅した感じが強い。相当な覚悟で取り組み方を変えることが必要だろう。

採点結果 帝里 翁長
主審:安部和夫 *** ***
副審:葛城明彦 97 95
副審:福地勇治 96 95
副審:杉山利夫 95 96
参考:MAOMIE 95 95


     ○帝里:15戦14勝(3KO)1分
     ●翁長:21戦17勝(12KO)2敗2分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修&坂田健史
     実況:新夕悦男

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                   2012年3月31日(土)    メキシコ カンクン : オアシス・ホテル・コンプレックス
                             WBC世界ライト級挑戦者決定12回戦
                WBC中米カリブ S・フェザー級チャンピオン    T   K  O    WBC世界ライト級2位
                ○   セルヒオ・トンプソン         2回2分27秒     ホルヘ・リナレス   ●
                           (メキシコ) 134 1/4 lbs                             (ベネズエラ=帝拳) 134 1/2 lbs

 初回,トンプソンが前に出て果敢に右ストレート,左右フックで攻撃を仕掛ける。しかし,リナレスの右アッパーから左フックがアゴに決まり,足がもつれたトンプソンはダウン寸前のピンチ。終盤には落ち着きを取り戻したトンプソンだが,この時点では大番狂わせまでは想像できなかった。
 2回,鋭い左ジャブ,ストレートでトンプソンの前進を止め,前に出るリナレス。ここでトンプソンが右クロスから攻勢に出る。ロープを背負ったリナレスは左右フックの猛攻を必死にかわしてクリンチに逃れる。しかし,左右フックの連打を追撃され,リナレスは腰から落ちてダウン(カウント9)。左目上から血を滴らせながら立ち上がったが,出血が酷い。ドクターチェックの結果,続行不能とされて試合がストップした。

 リナレスがまさかのTKO負け。昨年10月のアントニオ・デマルコ(メキシコ)戦に続く痛恨の連敗である。実力・実績ともに上であるだけに,気の緩みで墓穴を掘った感じが強い。少し充電期間を設けて立て直すことが必要だろう。
 トンプソンは右ファイタータイプで左右フックを武器としている。一発当たると怒涛のような連打で一気に襲い掛かるのが得意の攻撃パターン。初回にリナレスのパンチで足がもつれるピンチがあったが,強気の攻めを崩さなかったことが金星を呼び込んだ。

     主審:ビル・クランシー(米国),副審:ゲイリー・リッター(米国)&ホセ・ファン・ゲラ(メキシコ)&ジェラルド・・リッター(米国)
     ○トンプソン:24戦22勝(20KO)2敗     ●リナレス:34戦31勝(20KO)3敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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