熱戦譜〜2012年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2012.02.04  日本ミドル級
 王座決定10回戦
 湯場忠志  KO7R  カルロス・リナレス
2012.02.04  日本スーパーウェルター級
 王座決定10回戦
 中川大資  TKO10R  切間庸裕
2012.02.04 8回戦  三浦隆司  判定  AJ・アノオス
2012.02.13  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 芹江匡晋  判定  石本康隆
2012.02.13  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 岩渕真也  KO7R  和宇慶勇二
2012.02.13 8回戦  戸部洋平  判定  ライアン・ビト
2012.02.18 12回戦  ポール・ウィリアムス  判定  石田順裕
2012.02.19  WBA女子世界ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 多田悦子  判定  マリア・サリナス
2012.02.19  WBA女子世界ライトミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 安藤麻里  判定  マリア・ヒメネス
10 2012.02.28  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 荒川仁人  判定  三垣龍次

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                        2012年2月4日(土)    後楽園ホール
                         日本ミドル級王座決定10回戦
                    日本ミドル級2位   K      O    日本ミドル級1位
                ○   湯場忠志    7回0分39秒    カルロス・リナレス   ●
                       (都城レオスポーツ) 159 1/4 lbs                 (帝拳) 160 lbs

 初回から一触即発の危険な空気が漂う緊迫した展開になった。湯場はリナレスの打ち終わりに左ストレートを合わせるが,リナレスは右ストレートでプレッシャーをかける。
 2回,体格差を生かしたリナレスが圧力を強める。右ストレートでコーナーからロープに下がらせ,終始攻勢に出る。左ストレートで湯場のアゴが上がる。湯場も左ストレートを返すが,右目上をカット(リナレスの有効打による傷)。3回もリナレス。若さとパワーに任せ,ワンツー,右ストレート,左フックで湯場をロープ,コーナーに詰めて押し捲る。
 ここまでは一方的なリナレスのペースで進んだ。湯場は鼻から出血し,顔も腫れて苦しい展開が続く。
 流れが変わったのは4回。自信満々のリナレスは右ストレートを浴びせて猛然と攻め立てるが,2分過ぎ,左フックでチャンスを掴んだ湯場が再び左フックをテンプルに見舞う。このパンチでリナレスはニュートラルコーナー付近のロープ下に崩れ落ちた(カウント8)。湯場,一気に攻勢。
 5回,前半は湯場が嵩にかかって攻め込むが,終盤に形勢逆転。右ストレートでぐらつく湯場。息を吹き返したリナレスの猛追にふらついた湯場は,鼻血を流しながらロープを背にピンチを迎えた。
 6回,持ち直したリナレスが攻勢。動きが鈍った湯場に右ストレートを浴びせるリナレス。しかし,ここで湯場の左ストレートが決まり,その直後リナレスはキャンバスに落下した。これはスリップダウンとしても良いほどだったが,土屋主審はカウント8を数える。これを境にリナレスの動きは急速に衰えた。湯場も苦しい状況だが,左ストレート,ボディへの左右フックで攻勢。
 7回,壮絶な戦いに終止符が打たれた。死力を振り絞って前に出るリナレス。左アッパー,右ストレートで湯場をぐらつかせて猛反撃。さらにワンツーの連打でたたみかけるが,両足が揃い,バランスが悪い。湯場は下がりながら左ストレートを浴びせて虎視眈眈とチャンスを窺う。なおも攻め込んだリナレスのアゴに左ストレートのカウンターがヒット。この一発を食ったリナレスは仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったものの,カウントアウトされた。

 重量級屈指の好カードは目まぐるしく攻守が変わり,まれに見る激戦となった。
 尋常ならざる執念を見せた湯場は前人未到の日本タイトル4階級制覇を達成した。3回まではリナレスのパワーに圧倒されていたが,打ち返しながら相手の失速をじっくり待った冷静さはまさにベテランの味である。全盛時のスピードはないが,老獪なテクニックがそれを補っている。ダメージで自らの動きも鈍る中,勝負所はしっかり押さえたのは見事の一語に尽きる。もう少し序盤からボディに散らしていればリナレスの失速が早くなっただろうが,逆に強打の標的になっていた可能性もある。ギリギリの展開だったと言えるだろう。
 リナレスは元世界王者ホルヘの実弟。兄と同型の右ボクサーファイターで右ストレートに破壊力がある。兄譲りのパワーは一級品。しかし,以前から指摘されているスタミナの不安は解消されていない。案の定,6回に入ると失速の兆候を見せ,7回には両足が揃って完全にバランスが崩れていた。勢い込んでガードが下がったところにカウンターを狙い打ちされて沈んだ。湯場のキャリアに屈したと言える。

6回までの採点 湯場 リナレス
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 56 56
副審:葛城明彦 56 56
副審:安部和夫 57 56
参考:MAOMIE 56 56


     ○湯場:49戦40勝(30KO)7敗2分
     ●リナレス:11戦9勝(8KO)2敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                         2012年2月4日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーウェルター級王座決定10回戦
                   日本S・ウェルター級1位   T    K   O   日本S・ウェルター級3位
                ○   中川大資     10回0分58秒     切間庸裕   ●
                        (帝拳) 153 1/2 lbs                       (折尾) 153 lbs
                                                  切間庸裕=きりま・ようすけ

 圧倒的不利の予想を背負う切間が伸び伸びとしたボクシングで好スタートを切った。軽く動きながら左ジャブ,左右フックのボディブロー,右ストレートで積極的な攻撃を展開する。終盤,前に出た瞬間にボディに受けた左ストレートで思わず尻餅をつく中川。ダウンとされても仕方ない場面だったが,中村主審はスリップダウンとした。
 3回にもスピードを生かした切間が積極的に攻めてリード。中川をロープに詰め,右ストレート,ボディへの左右フックを見舞う。
 しかし,4回に入ると中川が徐々に地力の差を見せ始めた。2分過ぎ,カウンターの左フックでバランスを崩した切間をロープに詰め,左右フック,右ストレートを浴びせる。
 6回,セコンドの指示を受けたのか,切間は足を使いながら左ジャブを多用する。しかし,7回に入ると切間の動きが鈍くなった。中川は泥臭い攻撃でコツコツと追い上げる。8回,再び足を使って左ジャブで立て直しにかかる切間だが,長く続かない。中川は右ストレート,左右フックでぐらつかせて攻勢。切間はロープを背に棒立ちとなる。
 9回,切間はあえて積極的な攻撃で流れを変えにかかる。この回,打ち疲れが出た中川は切間の反撃を許した。
 予想以上の善戦を見せた切間だが,10回に破局を迎えた。死力を振り絞って前に出る切間。中川は右ストレートを受けるが,その直後,カウンターの左フックが炸裂。まともにアゴにもらった切間は後頭部をしたたか打ちつけて大の字に沈む。カウントの途中で中村主審が試合をストップした。

 中川がワンパンチで2階級制覇を達成した。切間の積極的な攻撃に手を焼く場面はあったが,前半からコツコツと当てた泥臭いパンチで徐々に動きを止めたことが勝因。スピード不足を補う執拗な連打は最大の武器になっている。その一方で,スロースターターとはいえ,前半にリードを許していいことは何もない。
 初挑戦で大いなる善戦を見せた切間は右ボクサーファイター。スピードは中川よりも一枚上。足を使いながら左ジャブ,右ストレート,左フックを放つ。序盤は持ち味の動きとスピードで明らかにリードした。中川の調子が上がらないうちに巧打で主導権を握る形となった。終盤はスローダウンしたが,苦しくなった9・10回にあえて攻勢に出た闘志は立派の一語に尽きる。

9回までの採点 中川 切間
主審:中村勝彦 *** ***
副審:土屋末広 88 83
副審:飯田徹也 87 85
副審:安部和夫 87 84
参考:MAOMIE 87 84


     ○中川:23戦19勝(15KO)2敗2分
     ●切間:18戦14勝(10KO)2敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                      2012年2月4日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   WBA世界ライト級12位       比国S・フェザー級8位
                ○   三浦隆司    判 定    RJ・アノオス   ●
                        (帝拳) 135 lbs                (比国) 134 1/2 lbs

 左の三浦,右のアノオス。アノオスは左ジャブからスピーディな右ストレートを振って積極的に攻める。2回,三浦は左アッパー,ストレートをボディに。さらに右フックから左ストレートをヒットするが,2分過ぎ,アノオスの右アッパーで膝が落ち,マウスピースがこぼれそうになる。アノオス,攻勢。
 しかし,3回に入ると三浦が右フック,左右アッパーをボディに集める。三浦の左アッパーがローブローになり,一時中断。終了間際,アノオスをロープに詰めて三浦が攻勢に出る。
 5回序盤,三浦はいきなり放つアノオスの右ストレートをもらうが,ボディを攻めてプレッシャーをかけた。
 7回,三浦は左右アッパーのボディブロー,力を抜いたワンツーをヒットする。しかし,アノオスも右ストレートをヒット。三浦は攻勢をかけながらも,正面に立ってアノオスのパンチをもらう場面が目立つ。
 8回,正面から攻める三浦に対し,アノオスは先手で右ストレート,アッパー,左フックでリードする。

 三浦は勝つには勝ったものの,積極的に攻めるアノオスに苦しんだ。その原因は手数が少ないためにつけ入る隙を与えてしまったこと。正面に立って,標的になってしまったことも挙げられる。アノオスにパンチ力があれば危ない場面が見られた。再び世界を目指すためには,必ず改善しなければならない課題である。
 アノオスは右ボクサーファイター。思い切り良く右ストレート,アッパーを放って積極的に攻める。打たれると必ず打ち返す負けん気の強さを備えている。

採点結果 三浦 アノオス
主審:杉山利夫 *** ***
副審:飯田徹也 78 75
副審:葛城明彦 78 74
副審:中村勝彦 77 76
参考:MAOMIE 77 75


     ○三浦:26戦22勝(16KO)2敗2分
     ●アノオス:11戦7勝(2KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                      2012年2月13日(月)    後楽園ホール
                     日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
               ○   芹江匡晋    判 定    石本康隆   ●
                       (伴流) 121 1/2 lbs               (帝拳) 122 lbs
                    WBA11位,WBC10位

 開始早々,芹江がいきなり左フックのボディブローから右フック,ストレートを捻じ込んで攻めに出る。2回中盤には右ストレートでぐらつかせ,一気にラッシュして石本をロープに詰める。
 4回,石本が良い動きを見せるようになった。ガードを固め,踏み込んで左ジャブをヒットし,右ストレートを決める。5・6回,強引に右をかぶせる芹江だが,石本は冷静に見て左ジャブ,右ストレート,アッパーを打ち返した。
 8回,芹江が再び流れを引き戻した。左ジャブでフェイントをかけ,右ストレート,フックの印象的な攻撃でアピール。右ストレートで石本を後退させる芹江。芹江はさらに左フックをヒットする。
 9回,芹江の動きにリズムが出る。石本も激しく応戦するが,芹江は左アッパーのボディブローから右ストレート,フックで迫る。インターバル中にセコンドから気合を注入された石本は10回,激しく攻め立てる。芹江も右ストレート,フックをヒットして譲らず。ともに闘志溢れる打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 芹江は6度目の防衛に成功。石本の激しい攻撃で楽な試合ではなかったが,フェイントをかけながら再三ヒットした右ストレートが効果的。ボディにパンチを散らしてガードを下げさせたことが良かった。ただし,世界挑戦に向けては物足りなさが残る。
 初挑戦の石本は善戦したが,一歩及ばず涙を呑む結果となった。中盤,左ジャブでリズムを掴んだが,7回以降再び芹江に主導権を奪われたことが悔やまれる。変則的な芹江とは対照的に,ガードを固めて前に出ながら左ジャブ,右ストレートを軸として基本に忠実な組立てを見せる。オーソドックスな試合運びの一方で,激しい闘志剥き出しの打ち合いにも応じる面がある。敗れたが,いずれ再挑戦のチャンスがあるだろう。

採点結果 芹江 石本
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 97 95
副審:土屋末広 97 93
副審:中村勝彦 96 95
参考:MAOMIE 97 95


     ○芹江:24戦21勝(9KO)3敗
     ●石本:25戦19勝(3KO)6敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                        2012年2月13日(月)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                  挑戦者(同級1位)   K      O    チャンピオン
                ○   岩渕真也    7回1分34秒   和宇慶勇二   ●
                        (草加有沢) 140 lbs                    (ワタナベ) 140 lbs

 サウスポー同士の対決は初回からスリリングな攻防となった。岩渕は右フックから。和宇慶も左フックを返すが,終盤,パンチ力に自信を持つ岩渕が左ストレート,右フックで攻勢に出る。
 3回,岩渕は左から右のフックをヒット。その直後,縺れ合うように倒れこんだ両者がエキサイトする場面があった。和宇慶はワンツーをヒットして挽回する。
 一進一退の好ファイトが続くが,4回は岩渕。左ストレートを決め,終盤にも左ストレート,右フックで攻勢に出る。6回,鋭いステップインから左ストレート,右フックを見舞う岩渕。和宇慶もワンツーを返して譲らない。
 7回,KO率8割超の強打で脅かし続けた岩渕がついに王者を仕留めた。左ストレートでチャンスを掴んだ岩渕は和宇慶をロープに詰めてラッシュ。和宇慶はクリンチに逃れるが,岩渕の左ストレートからの右フックが爆発。アゴにもらった和宇慶はロープ際で崩れ落ち,うつ伏せにダウン。かろうじて立ち上がったものの,福地主審はそのままカウントアウトした。

 スリリングなシーソーゲームで見応え十分の好ファイトとなった。
 岩渕は初挑戦でタイトル奪取。草加有沢ジムからはコウジ有沢以来,14年ぶりの王者誕生である。久々に生きのいい新チャンピオンの出現を見た感じがする。同門の先輩・飯泉健二を彷彿とさせるサウスポーのハードパンチャー。ファイタータイプで,体の切れとバネを利かせた左ストレート,右フックの強打は飯泉そっくりである。フェイントと鋭いステップインを絡めながら仕掛けるダイナミックな攻撃が特徴。強気を前面に出した積極的な攻撃が奏功したと言える。ときおりエキサイトする面はあるが,それとは裏腹に礼儀正しいインタビューと冷静な自己分析は非常に好印象。非常に楽しみな素材である。
 和宇慶は初防衛に失敗。サウスポーのボクサーファイターでワンツー,右フックを得意としている。巧みなディフェンスで決定打を封じ,岩渕が打ち気に出た直後には必ずワンツーで打ち返していた。この辺は試合運びのうまさを見せた。最後は強打に掴まったが,再起に期待する。

6回までの採点 岩渕 和宇慶
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 58 57
副審:中村勝彦 58 56
副審:土屋末広 57 57
参考:MAOMIE 58 57


     ○岩渕:21戦18勝(15KO)3敗
     ●和宇慶:20戦15勝(7KO)4敗1分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:森昭一郎

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                       2012年2月13日(月)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本S・フライ級2位          比国フライ級7位
                ○   戸部洋平    判 定    ライアン・ビト   ●
                        (三迫) 114 3/4 lbs               (比国) 114 lbs

 開始早々から戸部が上下に左ジャブを打ち分け,スピーディな攻撃を展開する。ビトも左フックを返すが,戸部はさらにワンツー,左右フックでロープに詰める。
 2回に入っても戸部の小気味の良い攻撃が続く。左右に位置取りを変え,素早いコンビネーションブローを浴びせる。
 5回,戸部はビトの思い切った右ストレートに後退。さらに左フックを振るビト。
 6回序盤,戸部はワンツーをまとめ,ビトをロープに詰めて攻勢。7回,戸部は左右に動いてワンツー,ボディへの左右フックを連打。ビトもワンツー,左フックを振って応戦し,果敢なところを見せる。
 8回,勢い良く跳ねるようにして攻め込むビトは右から左のフックを浴びせる。戸部もワンツーで攻めるが,終了間際にはビトの左フックからの右ストレートが決まる。

 戸部がワンサイドの判定勝ちで無傷の4連勝を飾った。スピーディで多彩なコンビネーションブローを上下に散らし,ポイントの上では完勝。しかし,どこか物足りなさが残る試合内容となった。攻め込みながらも後一歩のところで攻撃に厳しさを欠くことが欠点。しぶとい相手ではあったが,もう少し一気に攻め落とす激しさが望まれる。タイトル挑戦に向けてはその点が課題となる。
 ビトは柔軟な上体とバネに恵まれた右ファイタータイプ。思い切って放つ右ストレート,左フックは非常に伸びがある。タフネスに加えてガードの固さがあり,相手にとってはやりにくい。

採点結果 戸部 ビト
主審:安部和夫 *** ***
副審:杉山利夫 80 73
副審:浅尾和信 79 74
副審:福地勇治 79 75
参考:MAOMIE 79 73


     ○戸部:4戦4勝(2KO)
     ●ビト:33戦21勝(7KO)9敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:立本信吾

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        2012年2月18日(土)    米国テキサス州コーパスクリスティ:アメリカン・バンクセンター
                               12回戦
                 WBA世界S・ウェルター級3位       WBA世界S・ウェルター級2位
              ○   ポール・ウィリアムス    判 定    石田順裕   ●
                       (米国) 153 1/2 lbs                (グリーンツダ) 155 lbs
                       WBC7位                    WBC10位

 左のウィウリアムス,右の石田という顔合わせ。初回,長いリーチから伸びのある左ストレート,左右アッパーを見せるウィリアムス。2回,ウィリアムスはプレッシャーをかけて石田を青コーナーに詰め,左ストレートをクリーンヒット。石田も接近戦で左フックを返すが,ウィリアムスの左右アッパーがうるさい。
 5回終了間際には左ストレートで石田の腰が落ちる場面があった。中盤以降,石田は右ストレートをヒットし,接近戦で左右アッパーで応戦するが,ウィリアムスの手数が上回った。
 8回開始早々,ウィリアムスが左右フック,アッパーを集中して仕留めにかかる。これは凌いだ石田だが,10回,入り際を突かれ,ボディに左アッパーをカウンターを食った。
 11回,石田は右ストレート,左フックで食い下がる。終盤にはロープに押し込んでいくが,ウィリアムスはロープを背にしながら左右アッパーをまとめた。
 12回,激しいパンチの応酬が続く。石田は最後まで食い下がるが,ウィリアムスは左右フック,アッパーを返して譲らない。終盤にもウィリアムスのワンツーがヒットした。

 敵地で世界上位同士の対決に臨んだ石田だが,ウィリアムスの牙城を崩せず,完敗を喫した。しかし,大差がついた採点とは裏腹に,健闘が光った。特に中間距離での右ストレート,左フックあるいは接近戦での左右フックが良かった。惜しまれるのはディフェンスがブロック主体だったこと。試合後半にウィリアムスが疲労の色を見せていたので,空振りを誘っていればチャンスが広がったはず。
 ウィリアムスは201cmという長いリーチを誇るサウスポーのボクサーファイター。身長は185cmだから石田より1cm劣るが,リーチは異様に長く見える。一発の破壊力はないが,左ストレート,左右アッパーをまとめて手数で圧倒するのが得意のパターン。驚くようなスピードはないが,巧みに上体を動かしながらコツコツと当てるうまさがある。

採点結果 ウィリアムス 石田
主審:ジョン・シャーリー(米国) *** ***
副審:オーレン・シュレンバーガー(米国) 120 108
副審:ドン・グリフィン(米国) 120 108
副審:マイク・ミッチェル(米国) 120 108
参考:MAOMIE 120 108


     ○ウィリアムス:43戦41勝(27KO)2敗
     ●石田:33戦24勝(9KO)7敗2分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                  2012年2月19日(日)    大阪:よみうり文化ホール
                    WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級7位)
               ○   多田悦子    判 定    マリア・サリナス   ●
                        (フュチュール) 105 lbs             (メキシコ) 102 3/4 lbs

 サウスポー同士の対戦。サリナスは変則的な動きから左ストレート,右フック。多田はワンツーから立ち上がる。
 2回,攻め込むサリナスだが両足が揃い,バランスが悪い。多田は終盤,左ストレート,右フックで攻勢に出る。3・4回,下がりながら大きな左右フックで応戦するサリナスに対し,多田は左ストレート,フックを浴びせる。
 5回はサリナスのペース。左右フックのボディブローから右フック,左ストレートが決まる。多田は足を止めてしまうとサリナスのパンチを食う。
 7回,多田は左フックを受けるが,軽いフットワークから右ジャブ,ワンツーをヒット。9回は右ジャブ,左右フックを放つサリナスの攻勢を許したが,10回は手数で上回った。

 多田はタフなサリナスの攻撃に手を焼いたが,7度目の防衛に成功。しかし,いつもの軽快なフットワークや右ジャブが見られず,本調子には程遠い試合内容となった。サリナスの執拗な前進を許し,不用意なパンチを受ける場面が目立った。
 サリナスはサウスポーのファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,大きな左右フックを振って執拗に攻める。中間距離から突き刺すように放つ右ジャブ,ストレートは隠れた武器になっている。

採点結果 多田 サリナス
主審:ロミナ・アロージョ(アルゼンチン) *** ***
副審:カルラ・カイズ(米国) 96 94
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 97 93
副審:浅尾和信 97 93
参考:MAOMIE 98 94


     ○多田:12戦10勝(2KO)2分
     ●サリナス:13戦9勝(4KO)3敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&小関桃
     実況:寺西裕一

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                  2012年2月19日(日)    大阪:よみうり文化ホール
                    WBA女子世界ライトミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級4位)
                ○   安藤麻里    判 定    マリア・ヒメネス   ●
                       (フュチュール) 101 1/2 lbs           (メキシコ) 100 3/4 lbs

 初回,前に出るヒメネスに対し,安藤はサークリングしながら左ジャブから右ストレートをかぶせる。2回には右ストレートでヒメネスをぐらつかせて攻勢に出る。
 4回,安藤のピッチが上がる。距離を詰め,左アッパー,フックから右ストレートをヒット。スピードの差は歴然。5・6回にも安藤の攻撃が冴え,右ストレート,ボディへの左右アッパーが回転した。
 中盤以降,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。小刻みに良く動いてスピーディなパンチを浴びせる安藤にヒメネスは手が出ない。8回,安藤はワンツー,左右フック,ボディへの左右アッパーを見舞う。
 10回,最後まで衰えないどころか,安藤はさらにスピードに乗った攻撃を展開した。ヒメネスは鼻から出血しながらも執拗な前進を繰り返すが,逆にワンツーを受けた。

 安藤が大差の判定で初防衛を飾った。最後まで足が良く動いてスピードが衰えず,見事な試合内容である。右ボクサーファイターで軽快なフットワークに乗せた左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右アッパーなどの多彩なコンビネーションブローを武器としている。相手に的を絞らせない動きの良さが光る。スピードと出入りを生かせば,さらに強くなるだろう。
 ヒメネスは右ファイタータイプ。左右フック,アッパーを得意としているが,ベタ足でスピードはない。執拗に食い下がったが,安藤とはスピードの点で大きな開きがあった。

採点結果 安藤 ヒメネス
主審:ロミナ・アロージョ(アルゼンチン) *** ***
副審:カルラ・カイズ(米国) 98 92
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 99 91
副審:浅尾和信 100 90
参考:MAOMIE 100 91


     ○安藤:12戦9勝(4KO)3敗
     ●ヒメネス:11戦9勝2敗

     放送:スカイA
     解説:城島充&小関桃&宮尾綾香
     実況:山下剛

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                     2012年2月28日(火)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○   荒川仁人    判 定    三垣龍次   ●
                       (八王子中屋) 135 lbs              (MT) 135 lbs
                         WBA9位,WBC3位           WBA12位,WBC8位

 左の荒川,右の三垣。開始早々から,対照的な両者による激しい主導権争いとなった。ともに小刻みな動きとジャブで牽制しながらチャンスを窺う。
 2回,荒川は左ストレートのボディブローから右フック。さらに中盤には三垣の入り際にタイミングの良い左アッパーを合わせる。サウスポーにスイッチして荒川のリズムを崩そうとする三垣。
 4回,三垣はサウスポースタイルからの左ストレートを浴びせるが,5回は荒川。終盤に左フックが三垣の顔面を捉える。その直後,バッティングで三垣が右目上をカットし,ドクターチェックのために中断する(バッティングによる傷)。
 6回,右構えに戻して攻め込む三垣だが,荒川の左右フックでぐらつき,ロープを背に守勢に回る。三垣は良く攻めるが,冷静な荒川が出バナに巧みにパンチを浴びせてリードを広げた。三垣は右目上に新たな傷を作った(荒川の有効打による傷)。7回,右に左にとスイッチを繰り返す三垣だが,逆に荒川の右フック,左ストレート,フックを浴びる。
 10回は三垣。右構えに戻した三垣の右ストレートがタイミング良くヒット。左の打ち終わりに右ストレートをカウンターされた荒川はぐらついてロープに詰まり,ピンチを迎えた。
 しかし,三垣の攻勢も続かない。11回終盤,荒川が左右の連打から左フックを決めれば,三垣は再びぐらついてロープを背負った。
 12回,死力を振り絞って応酬する両者。しかし,左にスイッチする三垣に対し,荒川は終盤,右から左のフックを叩きつけてぐらつかせ,決定的な優位を印象付けた。

 中量級屈指の好カードは激しい打撃戦に終始した。
 荒川は初防衛に成功。前に出る三垣の動きを良く見て的確にパンチをヒットしたことが勝因。先に手を出し,上下に満遍なく打ち分けた攻撃が光る。技巧派のサウスポーで,チャンスにまとめる豪快な左右フックの連打も武器の一つ。その一方で,不用意な被弾が目立つことが気になる点。
 三垣は右ストレート,左フックにKOの威力がある右ファイタータイプ。動きの中から繰り出すワンツー主体に重厚な攻めを見せる。今夜は荒川のリズムを崩そうとしたのか,左にスイッチして戦う時間が長かった。荒川にとってはもっとも警戒していた三垣の右ストレートの恐さが失われたわけで,この作戦はむしろ荒川に優位に働いたと言える。サウスポーに対する定石通りの右ストレートを多用するオーソドックスな戦い方をしていれば,荒川を苦しめることができたはず。

採点結果 荒川 三垣
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:浅尾和信 118 111
副審:杉山利夫 117 112
副審:土屋末広 116 112
参考:MAOMIE 117 111


     ○荒川:24戦22勝(14KO)1敗1分
     ●三垣:20戦17勝(13KO)3敗

     放送:スカイA
     ゲスト:荒川仁人
     実況:山下剛

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