熱戦譜〜2011年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.12.03  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 赤穂 亮  TKO9R  白石豊土
2011.12.03 10回戦  下田昭文  判定  ジョネル・アリビオ
2011.12.03 8回戦  亀海喜寛  判定  エウセビオ・バルアルテ
2011.12.03 8回戦  外園隼人  TKO5R  遠藤 圭
2011.12.04  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 大沢宏晋  TKO8R  松田直樹
2011.12.07  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 テーパリット・ゴーキャットジム  判定  亀田大毅
2011.12.07  WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  KO4R  マリオ・マシアス
2011.12.07 10回戦  亀田和毅  KO7R  エドゥアルド・ガルシア
2011.12.11  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ロリー松下  TKO11R  大場浩平
10 2011.12.12  東洋太平洋&日本ミドル級
 王座統一12回戦
 淵上 誠  TKO9R  佐藤幸治
11 2011.12.12 8回戦  野崎雅光  TKO6R  福本雄基
12 2011.12.12 8回戦  島村国伸  判定  小竹雅元
13 2011.12.17 8回戦  ジョニー・ガルシア  判定  石崎義人
14 2011.12.17 8回戦  伊藤秀平  判定  ロケ・ラウロ
15 2011.12.18  5回戦(スーパーフライ級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 小林健太郎  判定  喜久里正平
16 2011.12.18  5回戦(フェザー級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 京口竜人  TKO5R  千波丈二
17 2011.12.18  5回戦(スーパーフェザー級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 尾川堅一  判定  西脇一歩
18 2011.12.18  5回戦(ライト級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 横山雄一  判定  岩田裕司
19 2011.12.18  4回戦(ウェルター級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 藤中周作  KO1R  米尾達哉
20 2011.12.18  5回戦(ミドル級決勝)
 第58回全日本新人王戦
 佐々木左之介  TKO1R  大石 豊
21 2011.12.31  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 井岡一翔  TKO1R  ヨードグン・トーチャルンチャイ
22 2011.12.31 ノンタイトル8回戦  宮崎 亮  TKO3R  キャンベット・シッブーベット
23 2011.12.31 6回戦  藤本京太郎  判定  マイケル・オドネル
24 2011.12.31  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO11R  ホルヘ・ソリス
25 2011.12.31  WBA世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 セレスティノ・カバジェロ  判定  細野 悟
26 2011.12.31 8回戦  原 隆二  TKO2R  マルテン・ルモリー
27 2011.12.31 6回戦  松本 亮  KO1R  ペッチジョムトーン・ソータナピニョ

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                        2011年12月3日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級1位)
                ○   赤穂 亮    9回1分24秒    白石豊土   ●
                        (横浜光) 114 3/4 lbs                  (協栄) 115 lbs
                      WBA12位,WBC9位

 初回,タイトル初挑戦の白石が積極的に前に出る。攻め込まれて戸惑う赤穂だが,2回に入ると右アッパーから左右フックを浴びせて優位に立った。白石は2回に左目上,3回に額から出血を見る。いずれも赤穂の有効打による傷と発表された。
 中盤も激しいパンチの応酬になった。赤穂のワンツー,右アッパー,左右フック。白石も4回終了間際に右アッパーを決めるが,先に打っている赤穂が上回る。
 6回は白石。ワンツー,左右フックの連打で迫れば,後退した赤穂はロープを背負う。
 7回は再び赤穂が体ごと叩きつけるような左右フック,右ストレートで攻勢。白石の出血が多い。
 9回,流血の打撃戦に終止符が打たれた。白石はワンツー,左右フックでコツコツと攻めるが,1分過ぎ,赤穂の左フックがアゴに決まり,後退したところで浦谷主審が試合をストップした。白石の出血が多く,妥当な処置だった。

 赤穂は初防衛に成功。右ファイタータイプでスピーディなワンツー,左右フックの連打を武器とする。当て勘に優れ,ハンドスピードもあるが,大振りで不用意な被弾も目立つ。常時目一杯の攻撃は好感が持てるが,パンチに強弱がないことも目につく。”抜き時”を身につけないと,相手に読まれてしまって世界には通用しないだろう。アゴが前に出てしまっていることも狙われる標的になる。本人が言う『自慢の強打』を生かすためには,越えるべき課題が多い。
 白石は右ストレート,左右フックを武器とする右ファイタータイプ。地味だが,上下へのコンビネーションブローを軸にコツコツと攻める。序盤に出血したことは大きな誤算だっただろう。

8回までの採点 赤穂 白石
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 78 74
副審:土屋末広 77 75
副審:福地勇治 78 74
参考:MAOMIE 78 74


     ○赤穂:19戦17勝(11KO)2分
     ●白石:28戦21勝(10KO)6敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                      2011年12月3日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                WBA・WBC世界S・バンタム級6位       比国フェザー級8位
                ○   下田昭文     判 定    ジョネル・アリビオ   ●
                         (帝拳) 125 lbs                   (比国) 125 lbs

 ともに好調な滑り出し。果敢に右ストレートを振って出るアリビオに対し,下田は右にサークリングし,カウンターの左アッパーをボディにヒット。3回には下田のワンツーが決まる。バッティングで頭部をカットしたアリビオはドクターチェックを受ける。
 4・5・6回,下田はタイミングの良い左ストレートを上下に決めてリードを広げる。ファイターのアリビオが前に出られなくなる。それでも7回には下田が右ストレートを再三受ける場面があり,侮りがたい面を見せた。
 8回,アリビオは挑発してリズムを狂わそうとするが,下田は冷静に左ストレート,ボディへの左アッパーをヒット。アリビオはボディブローが効いているが,その素振りを見せない。9回,ニュートラルコーナーで下田のワンツーが決まる。ロープを背負ったアリビオのアゴに左ストレートから強烈な右フックがヒット。アリビオをニュートラルコーナーに詰めた下田はワンツー,左右フックを浴びせて攻勢に出る。
 10回,下田のスピーディな攻撃が冴える。アリビオも効いているが,最後まで挑発しながら下田を攪乱してみせた。

 今年7月,リコ・ラモス(米国)に7回KO負けで世界タイトルを奪われた下田が大差の判定勝ちで再起戦を飾った。アリビオは再起戦の相手としては強敵だが,下田は終始冷静に自分のペースを守ったところに精神面の成長が見られた。カウンターの左ストレート,アッパーのボディブローなど,パンチのスピード,タイミングは抜群。慎重になった面はあるが,アリビオの危険なパンチを考えれば止むを得ない面がある。
 アリビオは右ファイタータイプでフィリピン人特有のバネを利かせた右ストレート,左フックに威力がある。昨年11月,松田直樹(帝拳)を沈めてOPBF王座を奪った試合が印象に残る。ムキになる下田の欠点を知ってか知らずか,挑発を繰り返してリズムを崩そうとしていたが,それに乗らなかった下田を褒めるべきだろう。

採点結果 下田 アリビオ
主審:中村勝彦 *** ***
副審:ビニー・マーチン 99 93
副審:杉山利夫 99 91
副審:浦谷信彰 99 91
参考:MAOMIE 99 91


     ○下田:28戦24勝(10KO)3敗1分
     ●アリビオ:31戦16勝(7KO)13敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                     2011年12月3日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  WBC世界S・ライト級7位       東洋太平洋S・ライト級13位
                ○   亀海喜寛    判 定    エウセビオ・バルアルテ   ●
                       (帝拳) 146 1/2 lbs               (比国) 145 3/4 lbs
                    WBA世界ウェルター級12位

 序盤はバルアルテが積極的な攻撃を見せた。初回,亀海はガードを固めるが,バルアルテは構わずスピーディなワンツー,左右フックをまとめる。左フックでバランスを崩してロープを背負う亀海。2回にもバルアルテが手数でリードした。
 しかし,3回には亀海がプレッシャーを強め,左フック,アッパーで迫る。4回に入るとバルアルテは後退が目立つようになった。亀海はグラブでがっちり顔面をカバーし,左右ショートフックからボディに左アッパーを見舞う。
 5回,右ストレートの打ち下ろしでバランスを崩すバルアルテ。ロープを背負ったところに左アッパーのボディブローを打ち込まれ,しゃがみ込むように右膝をついてダウン(カウント8)。亀海はKOチャンスだが,手負いのバルアルテの左フック,右ストレートをもらう場面があった。
 7回,カウンターの右ストレートでぐらついたバルアルテをロープに詰めて連打を浴びせる亀海。防戦一方のバルアルテだが,思い切った左右フックでしぶといところを見せた。
 8回,亀海はピッチを上げるが,バルアルテも食い下がる。亀海も決定打を欠いた。

 世界を狙う亀海が力の違いを見せたが,タフなバルアルテに手を焼き,フィニッシュを逃した。パンチに本来の切れを欠いたことが目についた。鉄壁とも思える巧みなディフェンスは相変わらずで,相手のパンチを見切る目と勘の良さは抜群。その一方で,期待が大きくなれば要求のレベルも高くなるのは当然。倒すことから,一気の連打でストップを呼び込む方法もあっただろう。
 バルアルテは前比国王者。右ファイターで,バネを利かせた右ストレート,左右フックにパンチ力がある。非常にタフでしぶといことが特徴。打たれても思い切った反撃を見せる。フィリピン人特有の柔軟な上体とバネが特徴。

採点結果 亀海 バルアルテ
主審:福地勇治 *** ***
副審:浦谷信彰 79 73
副審:土屋末広 78 74
副審:中村勝彦 78 73
参考:MAOMIE 78 73


     ○亀海:20戦20勝(17KO)
     ●バルアルテ:24戦19勝(12KO)5敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                       2011年12月3日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                    日本S・ライト級3位   T   K  O   日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   外園隼人     5回1分51秒     遠藤 圭   ●
                          (帝拳) 140 lbs                        (ワタナベ) 139 3/4 lbs

 格上の外園が182cmの長身から左ジャブでプレッシャーをかけ,踏み込んで右フックをボディに決める。2回には左の打ち終わりに右ストレートを受けた遠藤がぐらつく場面があった。外園はバッティングで左目上をカットし,ドクターチェックを受ける。
 4回,外園は後頭部にパンチを浴びせて減点されたが,終盤には右ストレートで遠藤をぐらつかせ,青コーナーに詰めて攻勢。終了ゴング直前に放った右ストレートで遠藤が青コーナーに腰を落としたところで杉山主審がダウンを宣告し,カウント9を数える。
 5回,細かい左右アッパーで攻める外園に遠藤はクリンチ,ホールドで逃れるのに忙しくなる。右アッパーでひるんだところにさらに攻勢を仕掛ける外園。右ストレートから切り返した左フックがアゴをかすめれば,遠藤は両グラブをついて力尽きたようにダウン。ここで杉山主審が試合をストップした。

 日本タイトル挑戦を目指す外園がノーランカーの遠藤をTKOで破り,貫録を見せた。右ストレート,左右アッパーで最初からプレッシャーをかけ,圧勝に近い試合内容。リーチを生かしたワンツーを主武器とする右ボクサーファイターだが,ファイタータイプに近い。攻めの姿勢は長所だが,力んで空転することも多い。タイトル挑戦に向けてはこの点が課題になる。
 遠藤は都立高の国語教師の肩書きを持つ異色の選手。右ストレート,左右フックを得意とする右ファイタータイプ。打ち合いたい気持ちが表情に出ていたが,外園の積極的な攻撃で後手に回った。初の8回戦でランカーとの対戦のチャンスを掴んだのだから,思い切った攻撃が欲しかった。

     主審:杉山利夫,副審:中村勝彦&ビニー・マーチン&土屋末広
     ○外園:17戦14勝(7KO)2敗1分     ●遠藤:10戦6勝(3KO)3敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:辻岡義堂

※ 第4ラウンド,後頭部への加撃によって外園は減点1。

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                       2011年12月4日(日)    クレオ大阪中央
                      東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級6位)
               ○   大沢宏晋    8回1分42秒    松田直樹   ●
                        (大星) 126 lbs                      (帝拳) 126 lbs
                      WBC12位

 初回から大沢が足を使って自分の間合いを保ちながら,良く伸びてタイミング抜群の左ジャブで松田の出バナを叩く。大沢はさらに左フック,右ストレートをヒット。松田は左ジャブで顔が何度も上を向き,早くも右目上をカットした。
 3回,松田は右ストレート,アッパーをヒット。4回前半は左ジャブを忘れた大沢だが,後半にはその左ジャブで再び優位に立つ。大沢の右ストレートでバランスを崩す松田。
 5回以降は接近して揉み合う形でのパンチの応酬が多くなる。松田は左右アッパーで迫るが,その展開の中でも大沢が右ストレート,フックを決める。
 8回,大沢の左ジャブを食う松田。接近戦で左右アッパーを狙うが,大沢が再び自分の間合いを保つ。ワンツーを受けた松田は思わずクリンチに出るが,右目上からの出血が多くなってドクターチェックを受ける。これが続行不能とされ,試合がストップされた。

 大沢は初防衛に成功。広目のスタンスからタイミングの良い左ジャブを多用し,松田の出バナを叩いたことが勝因。先に先にと左ジャブを決め,常に自分のペースで試合の流れを作った。右ボクサータイプでスピーディな左ジャブ,右ストレートを得意とする。クレバーな試合運びが特徴。
 松田は昨年11月にジョネル・アリビオ(比国)に奪われた王座の奪回に失敗。攻め倦むところを先に打たれる場面が目立った。特に大沢の左ジャブで序盤に出血したことが響いた。中盤は揉み合いに近い状態から左右アッパーで攻めたが,大沢に読まれていた。

     主審:キム・ビョンキ,副審:野田昌宏&中村勝彦
     ○大沢:27戦21勝(11KO)3敗3分     ●松田:48戦33勝(13KO)10敗4分1無効試合
     放送:スカイA     解説:城島充     ゲスト:大橋弘政     実況:田野和彦

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                     2011年12月7日(水)    大阪府立体育会館
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン               挑戦者(同級1位)
            ○   テーパリット・ゴーキャットジム    判 定    亀田大毅   ●
                          (タイ) 115 lbs                      (亀田) 115 lbs

 初回からテーパリットが旺盛な手数でリードした。2回には左ジャブから右アッパー,左フックをまとめ,さらに攻勢に出る。亀田は早くも鼻から出血を見た。3回,亀田は鼻血を流しながらも左右のボディブローで前に出るが,テーパリットを崩すまでには至らない。
 4・5回と激しい打撃戦が続くが,左ジャブを多用してワンツー,左右フックを矢継ぎ早に繰り出すテーパリットの主導権は揺るがない。
 8回,テーパリットの手数が減って亀田が接近戦で執拗な攻撃に出るが,9回以降は再びテーパリットの手数が増した。テーパリットは足で軽くリズムを取り,左ジャブを多用。さらに右ストレートから左フック,ボディへの左右アッパーと多彩な攻撃を見せた。
 10・11回,亀田は必死に前に出るが,テーパリットの小気味良い左ジャブを決められて苦戦が続いた。テーパリットは先に手を出し,右ストレート,左フックをヒット。
 12回,亀田は前に出て逆転を試みるが,テーパリットにいなされた。

 2階級制覇を目論んだ亀田だが,テーパリットのテクニックに屈して完敗。試合そのものは打撃戦に終始して白熱し,この夜一番の好ファイトとなったが,単調な突進を読まれて先に打たれたことが敗因。
 テーパリットは初防衛に成功。右ボクサーファイターで左ジャブを多用し,右ストレート,左フックなど多彩なパンチによる攻撃を展開する。体の柔軟性に欠けるが,上下の打分けが巧み。旺盛な手数で自分から試合の流れを作った。中盤に亀田のボディ攻撃が効いてやや手数が減ったが,9回以降に再び手数で突き放した。

採点結果 テーパリット 亀田
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:トム・ミラー(米国) 116 112
副審:ギジェルモ・ペレス・ピネダ(パナマ) 119 110
副審:シルベストレ・アバインサ(比国) 115 113
参考:MAOMIE 118 112


     ○テーパリット:19戦17勝(10KO)2敗
     ●亀田:25戦22勝(14KO)3敗

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                       2011年12月7日(水)    大阪府立体育会館
                       WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン    K      O    挑戦者(同級12位)
                ○   亀田興毅    4回2分04秒     マリオ・マシアス   ●
                         (亀田) 118 lbs                        (メキシコ) 118 lbs

 初回から一方的な試合になった。亀田は右フックから左ストレートをボディに。中盤に左フックがベルトラインの下に入り,マシアスはしゃがみ込んでしまう。これによって試合が中断し,マシアスに休息が与えられた。再開したが,終盤,右ガードが下がったところに亀田の左フックがカウンターになり,マシアスはもんどり打ってダウン(カウント8)。
 3回,マシアスは左にスイッチするが,流れは変わらない。実力の差があまりにも大きく,早くも亀田のやりたい放題になった。終了間際,左ストレートがアゴにヒットし,マシアスは左膝をついてダウン(カウント8)。
 4回,亀田は右フック,左アッパーから攻勢に出る。ニュートラルコーナーに下がったところに左右フックから左アッパーをボディに連打されたマシアスは,左膝をついてこの試合3度目のダウン。マウスピースを吐き出してカウントアウトされた。

 亀田は3度目の防衛に成功。実力差があり過ぎて,格下相手のスパーリングを見せられているかのようだった。世界戦らしい緊迫感が全くなく,試合としての興味はゼロに近い。KO防衛ではあるが,他の日本人王者が強敵を選んで際どい試合の中から見事な結果を出しているのと比べれば,見劣りする印象は否めない。もう少し骨のある相手を選ばなければ,何度防衛しても高い評価は得られないだろう。
 マシアスは右ファイターだが,スピードはなく,動きも良くない。ガードが甘く,弱点のボディを無造作に打たせてしまう場面が目立った。わかり切っているはずのボディブローで倒れたのはお粗末の極みである。

3回までの採点 亀田 マシアス
主審:ファ-リン・マーシュ(ニュージーランド) *** ***
副審:トム・ミラー(米国) 30 25
副審:ギジェルモ・ペレス・ピネダ(パナマ) 30 25
副審:シルベストレ・アバインサ(比国) 30 25
参考:MAOMIE 30 25


     ○亀田:28戦27勝(17KO)1敗
     ●マシアス:31戦23勝(11KO)8敗

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                          2011年12月7日(水)    大阪府立体育会館
                                    10回戦
                WBA・WBC世界バンタム級7位     K     O     メキシコ バンタム級(ノーランク)
                ○   亀田和毅         7回1分23秒     エドゥアルド・ガルシア   ●
                        (亀田) 121 1/2 lbs                              (メキシコ) 121 1/2 lbs

 亀田は左右に動いて左ジャブからボディに右ストレートを見舞う。ガルシアは接近して左右フック,アッパーを狙うが,スピードがない。2回には早くもガルシアが左目尻をカット(亀田の有効打による傷)。
 3・4・5回,ガルシアをロープに詰めた亀田は腰を低くして左右フックでボディを叩く。ボディブローが効いたガルシアの上体が徐々に起きた。
 7回,一方的な試合に幕が下りた。ロープに詰めてボディに右ストレートを打ち込む亀田。左右フックの連打をまとめられたガルシアはロープ際で崩れるようにダウン。そのまま戦意を失ったような表情でカウントアウトされた。

 亀田は無傷の22連勝。覇気のない相手にワンサイドで試合を進め,最後は連打で仕留めた。上下の打分けはできていたが,両脇が開いてしまい,見た目の派手さほどは威力がない。これといった相手との対戦を経ないまま世界ランクにいるが,この辺で国内のトップクラスとの手合せで実力を証明しなければファンを納得させられない。
 ガルシアは5年前に名城信男(六島)の世界タイトルに挑戦した経験がある。右ボクサーファイターで右ストレート,左右アッパーを得意としている。しかし,ベルトラインの周囲に余裕があり,調整不足は明らか。さほど強くもない連打で呆気なく沈み,不甲斐なさばかりが目についた。

     主審:野田昌宏,副審:北村信行&川上淳&福地勇治
     ○亀田:22戦22勝(14KO)     ●ガルシア:29戦21勝(9KO)7敗1分
     放送:TBSチャンネル     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:伊藤隆佑

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                      2011年12月11日(日)    石川県産業展示館
                      東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T    K   O   挑戦者(WBC11位)
                ○   ロリー松下   11回0分15秒    大場浩平   ●
                       (カシミ) 117 3/4 lbs                    (真正) 117 1/2 lbs
                       WBC12位

 開始早々からロリーの強打が火を噴いた。わずか20秒過ぎ,右ストレートでロープに詰めて左アッパーから右ストレートをフォローすれば,大場は脆くもダウン(カウント8)。チャンスと見て攻勢に出るロリー。右フックに次ぐ左ストレートで2度目のダウン(カウント8)。ロリーは左右フック,ボディへの右フックで一方的に攻める。
 2回,やや落ち着きを取り戻した大場が左ジャブ,ボディへの左アッパー,ワンツーで立て直しにかかる。3・4回,大場は左ジャブから接近戦でボディに左右アッパーを打ち込んで反撃。
 しかし,7回,ロリーは大場の動きを良く見極め,左ジャブ,右ストレート,左右アッパー。さらに右アッパーでぐらついた大場をロープ際に追い,連打を浴びせた。大場は顔が腫れ始め,左目上をカットするハンデを負う(ロリーの有効打による傷)。8回終盤にはロリーのパンチで大場の足元がふらつく場面があった。
 9回は大場。ガードを固めて前に出た大場はロリーをロープに詰め,左右フック,アッパーを上下に浴びせる。
 しかし,大場の粘りもここまで。10回,ロリーのカウンターが大場の反撃を遮断した。顔面を腫らしながらも攻めて出るが,不用意に出た瞬間,ロリーが打ち下ろした右ストレートがアゴに決まり,大場はもんどり打ってダウン(カウント8)。大場は反撃に転じるが,出足が鈍い。
 11回開始早々,右ストレートを浴びせるロリー。続く右フックにフォローした左アッパーを受けた大場は腰が砕け,力尽きたように青コーナーまで後退してダウン。ここまでと見た福地主審がノーカウントで試合をストップした。

 バンタム級でも屈指の好カードは壮絶な打撃戦に終始し,期待以上の好ファイトとなった。
 ロリーは初防衛に成功。右ストレートのカウンター,上下に打ち分ける左右フックにKOの威力がある右ファイタータイプ。大場の激しい抵抗にも動じることなく冷静に試合を進めた点が光る。相手の動きを良く見て,上下に散らしながら的確なパンチを決めた。
 健闘を見せた大場だが,初回に喫した2度のダウンが最後まで尾を引いた。2回以降,積極的な攻撃で挽回したが,10回にもらったカウンターで食ったダウンが致命傷となった。冷静なロリーに対し,やや焦りが見えた。32戦目で初のTKO負けは手痛いが,まだやれるはず。ディフェンスの見直しが課題だろう。

10回での採点 ロリー 大場
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 96 91
副審:ビニー・マーチン 95 92
副審:中村勝彦 95 92
参考:MAOMIE (76) (73)


     ○ロリー:40戦31勝(18KO)8敗1分
     ●大場:32戦29勝(12KO)2敗1分

     放送:石川テレビ
     解説:飯田覚士
     実況:稲垣真一

※ 第5・6ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                         2011年12月12日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋&日本ミドル級王座統一12回戦
                  日本ミドル級チャンピオン   T   K   O   東洋太平洋ミドル級チャンピオン
                ○   淵上 誠      9回1分26秒      佐藤幸治   ●
                       (八王子中屋) 159 1/2 lbs                    (帝拳) 160 lbs
                                                WBA6位,WBC10位

 右の佐藤,左の淵上。ともに左ジャブで牽制しながら立ち上がる。様子見の佐藤に対し,軽く動いてリズムを取りながら右ジャブから左ストレートを伸ばす淵上。
 2回,打ち合いの中で佐藤の右から左のフックが決まり,淵上は右グラブをついてダウンを喫した(カウント8)。3回にも佐藤が強烈な左右フックで優位に立つ。左フックでぐらついた淵上はクリンチに出た。
 4回は淵上もワンツーからボディに左アッパーを返して根性のあるところを見せたが,5回には再び佐藤の強打がモノを言い,右ストレートで淵上がのけぞる場面があった。
 6回,ボディブローも交えた左右の強打で佐藤がプレッシャーを強める。淵上は鼻から出血してぐらつきながらも打ち返すが,終了間際,左フックでロープ際で左ひざをついて2度目のダウン(カウント8)。立ち上がったところでゴングに救われた。
 7回,佐藤はさらに攻撃の手を強める。鼻からの出血と右目上の腫れで苦しい展開に追い込まれた淵上も右ジャブ,左ストレートを返して応戦。佐藤の息も荒いが,この時点で淵上の逆転を予想したファンはいないだろう。
 様相が一変したのは8回。敗色濃厚の淵上がワンツーで佐藤をロープに詰める。佐藤は強打で淵上をぐらつかせて攻勢に出るが,バッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける。再開後,佐藤はなおも攻勢に出るが,終盤,今度は鼻血にまみれた淵上が左フックから反撃に転じる。左ストレート,左右フックで佐藤は棒立ちとなり,ロープを背にダウン寸前のピンチ。壮絶な打ち合いの中,佐藤は辛うじてゴングに救われた。
 9回,急激に失速した佐藤に余力はなかった。朦朧として呼吸は荒く動きも鈍い佐藤は淵上の左ストレート,フックにピンチ。必死に応戦するが,攻撃が途切れたところに右ジャブ,ストレートを食って再び棒立ちとなる。ロープを背に動くこともままならない佐藤に容赦ない淵上の連打が襲う。左ストレートがアゴに決まったところで杉山主審が割って入り,試合をストップした。

 今年最後のビッグカードは期待を裏切らない壮絶な打撃戦。2度のダウンを跳ね返した淵上がまさかまさかの大逆転。東洋太平洋王座を奪取すると同時に,自身が保持する日本タイトルの4度目の防衛に成功。
 淵上の勝因は佐藤の強打を浴びながらも試合を捨てずに食い下がったことに尽きる。常に右ジャブ,左ストレートを上下に打ち続けていたことも大きい。今年の土壇場で年間最高試合候補の一角を占める超絶白熱戦が飛び出した。細かい技術論よりも,今夜は淵上の根性と執念を讃えるべきだろう。
 佐藤は4度目の防衛に失敗。8回に見せた急激な失速は信じがたいものだった。圧倒的な強打でリードしていながら,淵上の左ストレート,フックを許していた面がある。再び世界をという矢先の手痛い敗戦となった。

8回までの採点 淵上 佐藤
主審:杉山利夫 *** ***
副審:熊崎広大 74 76
副審:安部和夫 75 76
副審:葛城明彦 74 77
参考:MAOMIE 73 77


     ○淵上:24戦18勝(9KO)6敗
     ●佐藤:22戦20勝(18KO)2敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                        2011年12月12日(月)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・フライ級9位    T   K  O   日本フライ級6位
                ○   野崎雅光     6回2分35秒    福本雄基   ●
                      (八王子中屋) 113 3/4 lbs                    (三迫) 113 3/4 lbs
                  野崎雅光=のざき・まさみち

 ともに鋭い左パンチの交換からスタートするが,序盤は細かい左ジャブから右ストレートを決めて福本がリードした。2回,野崎は前に出て右フックを振るが,福本の左ジャブ,右ストレートで鼻から出血した。3回,野崎は左フックをヒットするが,前に出るところを打たれる。福本はパンチを打った直後に頭を振って野崎のパンチを外す。
 形勢が逆転したのは4回。左フックで福本をぐらつかせた野崎が攻勢に出る。右ストレートで福本の腰が落ちる。終盤には再び福本を左フックでぐらつかせ,一気に畳みかける。
 こうなると野崎は一気に押せ押せムード。5回,左右フックで青コーナーに追ってプレッシャーをかける。福本は左ジャブを突いてかわそうとするが,野崎は右アッパー,左フックをヒットして優位を決定的なものにした。
 6回,福本は左ジャブで立て直しにかかるが,ダメージのせいか力がない。野崎はボディブローも交えてさらに追撃。苦しくなった福本はホールディングで減点された。2分過ぎ,右ストレートで膝が落ちる福本。野崎は一気に攻勢。左右フックに次ぐ右ストレートが決まり,福本はロープ際で崩れ落ちる。立ち上がったが,ダメージを見た吉田主審はカウントの途中で試合をストップした。

 軽量級らしいスピーディな好ファイト。
 野崎は右ファイタータイプで上下へのコンビネーションブローを身上とする。右ストレート,左フック,アッパーに威力がある。チャンスに見せる畳みかけるような攻撃は見事。ただし,福本の左ジャブ,右ストレートに序盤は苦戦。良い攻撃パターンを持っている割に被弾が多いことが難点。上位に進出するためには克服すべき課題である。
 福本は右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としている。前に出る野崎の出バナに左ジャブをヒットして序盤は完全に主導権を握っていた。ガードが下がる欠点があり,そこを突かれて逆転を許した。

     主審:吉田和敏,副審:熊崎広大&葛城明彦&浅尾和信
     ○野崎:16戦14勝(6KO)2敗     ●福本:17戦12勝(3KO)5敗
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

※ 第6ラウンド,ホールディングにより福本は減点1。

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                      2011年12月12日(月)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・ライト級(ノーランク)      日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   島村国伸    判 定    小竹雅元   ●
                         (ワタナベ) 138 lbs               (三迫) 137 3/4 lbs
                                        小竹雅元=こたけ・まさよし

 サウスポー同士の対戦だが,変則的な島村に対して基本に忠実な小竹という具合にスタイルは全く対照的。
 2回,揉み合いのような展開から島村がワンツーをヒットして小竹をロープに詰める。ここから島村は左右アッパーのボディ攻撃。小竹はやや後手に回る。3回,島村の手数が多い。小竹は動いて右ジャブ,左ストレートをヒットするが,島村は構わず前に出て執拗なボディ攻撃に出る。
 5回は小竹が右ジャブ,左ストレートからボディへの左右アッパーで主導権を握る。ボディブローが効いた島村は苦しげな表情。終了間際,右フックのカウンターをヒットする小竹。
 6・7回は揉み合いのようなパンチの交換の中,島村が執拗なボディ攻撃でリード。
 8回,ともに激しく手を出すが,決定的なパンチが出ない。

 激しい打ち合いに終始した熱戦を島村が2−1で制した。サウスポーの変則ファイターで,とにかく良く手数が出ることが特徴。どこから手が出るかわからない面があり,相手にとっては非常にやりにくい。接近戦で見せる左右アッパーのボディ連打が武器。小竹に距離を取られては不利と見たか,執拗に接近して攻勢に出たことが勝因。
 小竹も同じサウスポーだが,比較的オーソドックスな試合運びが特徴。右ジャブ,フック,左ストレートを主体とするクレバーなボクシングを見せる。今夜は島村が得意とする乱戦に付き合ってしまったことが敗因。シャープな攻撃を見せていたが,揉み合いの中で先に打たれて島村に主導権を握られる時間が長くなった。

採点結果 島村 小竹
主審:安部和夫 *** ***
副審:熊崎広大 78 76
副審:葛城明彦 77 76
副審:吉田和敏 76 78
参考:MAOMIE 77 76


     ○島村:14戦12勝(7KO)2敗
     ●小竹:14戦7勝(3KO)6敗1分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:福永一茂

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                      2011年12月17日(土)    神戸市立中央体育館
                                 8回戦
                   WBC世界S・フライ級11位         日本S・フライ級5位
                ○   ジョニー・ガルシア    判 定    石崎義人   ●
                          (メキシコ) 114 1/2 lbs               (真正) 114 3/4 lbs

 緊張のためか,動きに硬さが見える石崎。一方のガルシアは前に出て左右フックのボディブローから左フック,右ストレートで積極的に攻める。
 3回,ガルシアは左右アッパーのボディブロー。左にスイッチして放ったワンツーで大きくバランスを崩す石崎。辛うじてダウンは免れたが,ガルシアの攻勢に晒される。
 4回,石崎はニュートラルコーナーにガルシアを追って攻め込むが,逆に右フックをもらい,右膝をついてダウン(カウント8)。石崎はなおもガルシアの左フックをテンプルに受けてでぐらつき,足を使って逃げながらピンチを脱した。
 5・6回,後手に回っていた石崎がようやく前に出る。ガルシアはやや手数が少なくなる。
 7回,石崎の右アッパーが低く入り,ガルシアが膝をついて試合が中断。再開後,石崎がロープ際に追って左フックを見舞うとガルシアは腰から落ちてダウン(カウント8)。しかし,今度はガルシアの左フックで石崎がぐらつき,左右フックのフォローで右膝をつくダウン(カウント8)。ダウンの応酬となったが,ダメージは石崎の方が重かった。
 8回,ややスタミナ切れで呼吸が荒いガルシアだが,下がりながらも果敢にパンチを出して要所は譲らない。ここが勝負所の石崎だが,決定打が出ないまま終了ゴングを聞いた。

 石崎は世界ランク入りのチャンスだったが,硬くなって手が出ず,後手に回ったことが敗因。アマ出身(神戸国際大付高→龍国大→自衛隊体育学校)の右ボクサーファイター。基本に忠実でワンツー,左フックを中心とする攻撃パターン。終盤はガルシアが失速気味でチャンスだったので,思い切った攻撃が欲しかった。
 ガルシアは右ファイタータイプで左右フックの連打が身上。頻繁に左にスイッチする。スピードやパンチ力は今ひとつだが,粘っこいボクシングを得意としている。硬くなって手が出ない石崎に対して先に手を出してリードした。

採点結果 ガルシア 石崎
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 78 74
副審:中村勝彦 78 74
副審:川上 淳 78 75
参考:MAOMIE 78 75


     ○ガルシア:18戦14勝(8KO)3敗1分
     ●石崎:10戦6勝(4KO)3敗1分

     放送:BS日テレ
     解説:六車卓也
     実況:尾山憲一

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                    2011年12月17日(土)    神戸市立中央体育館
                               8回戦
                   日本ミニマム級(ノーランク)      比国ミニマム級5位
                ○   伊藤秀平    判 定    ロケ・ラウロ   ●
                         (真正) 105 lbs              (比国) 104 1/2 lbs
                                          OPBF10位

 初回,伊藤は足を使ってワンツーをボディに,さらに左ジャブ,ワンツーを見舞い,なおも左フックをヒット。
 2回,伊藤は強振するラウロのパンチをかわし,右ストレート,左フックをヒット。3回には右フックのボディブローから右ストレートでラウロを後退させる。
 好調だった伊藤だが,5回以降は手数が減り,ラウロの反撃を許した。6回,伊藤はラウロのラフな攻撃で後手に回る。
 7回,右アッパーを狙うラウロ。正面に立ったところにその右アッパーをもらう伊藤。8回,足を動かしてリズムを取る伊藤。ともに決定打がないままに終了ゴングを聞いた。

 伊藤は初の8回戦。フットワークに乗せた左ジャブ,ワンツー,左フックを得意とする右ボクサファイター。前半は強振してくるラウロの動きを良く見て,的確にパンチをヒットした。ラウロの勢いを利用してポイントをリードしたが,後半に後手に回ったことは反省点。
 ラウロは右ファイタータイプで左右フック,右アッパーを放ってどんどん攻め込んでくる。後半,再三右アッパーを決めて挽回したが,前半の劣勢が響いた。

採点結果 伊藤 ラウロ
主審:川上 淳 *** ***
副審:福地勇治 77 75
副審:野田昌宏 77 75
副審:杉山利夫 77 76
参考:MAOMIE 77 77


     ○伊藤:13戦12勝(3KO)1敗
     ●ラウロ:13戦4勝(1KO)8敗1分

     放送:BS日テレ
     解説:六車卓也
     実況:本野大輔

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                   2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                第58回全日本新人王決勝戦(スーパーフライ級)
                           5回戦
                  西軍代表               東軍代表
           ○   小林健太郎    判 定    喜久里 正平   ●
                  (六島) 114 3/4 lbs               (帝拳) 113 3/4 lbs
             小林は技能賞を受賞

 サウスポー同士の一戦。上背で劣る小林が右ジャブ,左ストレート,ボディに右フックを打って先行する。一方の喜久里が左ストレートから左右フックをまとめれば,小林は鼻から出血。
 しかし2回に入ると,小林が新人らしからぬうまさを見せてリードした。終了間際,小林が連打をまとめて喜久里を後退させる。3回,小林は右ジャブを突いて先に手を出す。喜久里も打ち返すが,見切られて後手に回る。
 4回序盤は喜久里が左ストレートでリードするが,後半は小林が盛り返す。喜久里も打ち返すが,冷静な小林の的確なパンチが上回る。
 5回,打ち合いになる。喜久里は必死に手を出すが,打ち終わりに右ジャブ,フック,左ストレートを的確にヒットする小林の冷静さが光った。

 小林が技能賞に相応しいテクニックを見せた。サウスポーのボクサーファイターで右ジャブ,左ストレート,右フックを得意としている。冷静な試合運びが特徴で,新人らしからぬテクニックを持っている。動きながら良く伸びる右ジャブを的確にヒットし,これで主導権を握った。動きを止めたところに被弾する場面があったので,とにかく動きを止めないことが大事になる。
 喜久里はサウスポーのボクサーファイター。172cmという長身から放つ左ストレート,左右フックをまとめて果敢に応戦するが,小林に読まれて先に打たれたことが敗因。相手の正面に立って打たれる場面が多いことも気になる点。

採点結果 小林 喜久里
主審:土屋末広 *** ***
副審:中村勝彦 48 47
副審:ビニー・マーチン 49 47
副審:岡庭健 49 46
参考:MAOMIE 49 46


     ○小林:8戦7勝(2KO)1分
     ●喜久里:5戦4勝(1KO)1敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:辻岡義堂

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                    2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                   第58回全日本新人王決勝戦(フェザー級)
                             5回戦
                  西軍代表      T   K   O     東軍代表
            ○   京口竜人     5回2分58秒    千波丈二   ●
                   (大阪帝拳) 126 lbs                    (勝又) 125 1/2 lbs
                 京口竜人=きょうぐち・りゅうと
             京口は敢闘賞を受賞


 東軍の技能賞・千波と西軍のMVP・京口という今大会ナンバーワンの好カード。
 京口が初回から攻勢に出た。やや力が入っているが,右ストレート,左フックで思い切った攻撃を見せる。千波も右ストレートを振るが,終盤,左フックからの右ストレートでぐらついた千波に京口が襲いかかる。
 セコンドの指示があったのか,2回に入ると京口の攻め方が明らかに変わった。力が入った初回と変わり,左ジャブを丹念に突くオーソドックスな攻撃に切り替えた。3回にも左ジャブで流れを引き寄せるが,踏み込んで放った千波のワンツーが決まり,京口は大きくバランスを崩した。
 5回,壮絶な打ち合い。千波の右ストレートが決まるが,すぐに京口が反撃。左フックから攻勢に出て千波をロープに詰め,右ストレート,左フックを連打。千波はピンチに陥るが,逆に右アッパー,ストレートで京口の動きが鈍り,クリンチで逃れるのが精一杯。スリリングな展開は千波の逆転KOかと思われたが,終了間際にさらに劇的な幕切れが用意されていた。トドメを刺そうと千波が左フックを打ち込みに行った瞬間,京口の左フックが絶妙なカウンターになり,千波は背中から落ちて痛烈なダウン。岡庭主審は即座に試合をストップした。

 今大会中,東の尾川堅一(帝拳=スーパーフェザー級)と並んで前評判が高い西の京口。千波の執念に手を焼いたが,勝負強さはピカイチ。右ストレート,左フックのパンチ力,攻めの姿勢は申し分ない。全体的に力みが目立ち,大振りが気になる。危ない場面を一発で清算したが,上を目指すには力みは禁物。
 千波は右ストレート,左フックに威力がある。東日本新人王戦で技能賞を獲得している。強豪・京口にもひるむことなく,堂々と渡り合った気概は見事。勢い込んだところに一発を食ったが,再起に期待する。

     主審:岡庭健,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&中村勝彦
     ○京口:7戦7勝(6KO)     ●千波:10戦7勝(4KO)3敗
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:藤田大介

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                   2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                第58回全日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                         5回戦
                  東軍代表            西軍代表
            ○   尾川堅一   判 定    西脇一歩   ●
                   (帝拳) 129 1/2 lbs             (六島) 130 lbs
             尾川はMVPを受賞

 ともに同型でパンチ力があるボクサーファイター同士の対戦。尾川は右フックのボディブローから左フック。西脇も右ストレート,左ジャブで応戦。終盤,尾川の右ストレートで西脇の膝が落ちる。さらに右アッパーをヒットする尾川。
 2回,尾川の積極的な攻撃に西脇は手数が出なくなる。尾川はボディに右フック,左アッパー。終了間際,尾川の右フックで西脇の顔が上を向く。3・4回,上下にどんどん打ち分ける尾川が優位を動かぬものにした。
 5回,激しいパンチの応酬が続く。終了間際,右フックのボディブローで西脇の上体が丸くなる。下から上への左フックが決まり,クリンチに逃れる西脇。ダウン寸前のピンチだったが,ここで終了ゴングに救われた。

 今大会ナンバーワンの実力を誇る尾川が評判通りの力を見せ,MVPに輝いた。西脇の粘りでフィニッシュこそ逃したものの,積極的な攻撃で圧倒した。パンチ力もさることながら,上下に間断なく打ち分ける右ストレート,左フック,アッパーが見事。その反面,流れるようなコンビネーションブローではなく,一発一発に力が入っていることが欠点。いずれにしても楽しみな新人の出現。勝利者インタビューでの大人のコメントも好印象。
 西脇は178cmという長身の右ボクサーファイター。強打の尾川に一歩も引くことなく食い下がったが,後手に回る場面が目立った。リーチを生かした左ジャブ,右ストレートに威力がある。

採点結果 尾川 西脇
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:土屋末広 50 45
副審:杉山利夫 50 45
副審:ビニー・マーチン 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○尾川:7戦7勝(5KO)
     ●西脇:7戦5勝(4KO)1敗1分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:藤田大介

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                  2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                  第58回全日本新人王決勝戦(ライト級)
                           5回戦
                   東軍代表             西軍代表
             ○   横山雄一    判 定    岩田裕司   ●
                     (帝拳) 134 3/4 lbs             (中日) 134 1/4 lbs

 前に出て左ジャブから左フック,アッパーを振り,積極的に攻める横山。岩田は途中から左にスイッチ。
 3回,横山は左フック,アッパーで執拗にボディを打つ。岩田も左右フックの連打で反撃するが,終盤,ワンツーで腰が落ちる。4回,パワーで勝る横山は左フックでぐらつかせてロープに詰め,右ストレートをヒット。しかし,岩田もワンツー,左フック,アッパーを浴びせて反撃に出た。
 5回,岩田が最後の粘りを見せた。横山は激しく攻め立てるが,スピードが落ち,逆に岩田の右ストレート,左右フックが先に決まる。

 激しい打撃戦を制し,横山が全日本新人王のタイトルを手にした。長身の右ファイターで右ストレート,左フック,アッパーに威力がある。パワーと手数を前面に出した戦い方を身上としている。その一方で,体の柔軟性に欠け,相手が反撃してきたときの対処に難がある。被弾の多さはその点に起因する。
 岩田は右ボクサーファイターでワンツー,左フックを武器としている。パワーに押されたことが敗因。横山のスピードが落ちた最終回にようやく反撃に転じたが,遅かった。

採点結果 横山 岩田
主審:土屋末広 *** ***
副審:中村勝彦 49 46
副審:ビニー・マーチン 49 47
副審:岡庭 健 47 48
参考:MAOMIE 49 46


     ○横山:11戦10勝(9KO)1敗
     ●岩田:9戦5勝(1KO)4敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:藤田大介

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                   2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                 第58回全日本新人王決勝戦(ウェルター級)
                            4回戦
                  東軍代表     K      O     西軍代表
            ○   藤中周作    1回2分57秒    米尾達哉   ●
                   (金子) 146 1/4 lbs                   (奈良) 146 1/2 lbs

 開始ゴングと同時に一気に飛び出して攻め込む藤中。変則的な動きから左右フックで迫り,米尾をロープに詰める。米尾は回り込んでかわそうとするが,左フックで腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がった米尾は反撃に出るが,終了間際,再び藤中の左フックがアゴに決まる。この一発で足がもつれたところで杉山主審が試合をストップした。

 パワーファイター藤中の圧勝。左右フックの破壊力に絶対の自信を持つ右ファイタータイプである。米尾が右強打を警戒しているところに意表を突くような左フックで倒した。変則的な動きから突進して左右フックを浴びせる。ガードに難があるが,パワーは魅力。
 米尾は右ボクサーファイター。藤中に押し込まれ,上体が起きて腰高になったところを打ち込まれた。ストレート系のパンチで藤中の突進を止められれば面白かったが,踏み込まれてしまってはパワーの差が出るのは明らかだった。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&浦谷信彰&福地勇治
     ○藤中:10戦8勝(6KO)1敗1分     ●米尾:4戦3勝1敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:上重聡

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                     2011年12月18日(日)    後楽園ホール
                    第58回全日本新人王決勝戦(ミドル級)
                              5回戦
                  東軍代表       T   K  O     西軍代表
           ○   佐々木左之介    1回2分45秒    大石 豊   ●
                     (ワタナベ) 160 lbs                      (風間) 159 1/4 lbs

 開始早々から重量級らしいパンチの応酬となった。大石のタイミングの良い右アッパーが決まる。中盤,攻め込んだところに狙い澄ましたような右ストレートを打ち込まれた佐々木はガクンと右膝を落とし,あわやダウンの大ピンチ。ダメージが明らかな佐々木はクリンチに逃れる。しかし,今度は佐々木の右ストレートで大石がぐらつく。チャンスと見た佐々木は一気にラッシュ。左フックがまともにアゴを捉え,大石は腰から落ちてキャンバスに後頭部を打ちつける痛烈なダウン。ここでマーチン主審が試合をストップした。

 今大会のラストを飾る迫力満点の打ち合いになった。
 佐々木は左右フックに一発がある右ファイタータイプ。チャンスを掴んでからの連打があることも強味である。ただし,正面に立って大石の右ストレート,アッパーをもらう場面もあった。ディフェンスの強化が課題。
 大石は右ボクサーファイター。右アッパーを再三ヒットし,中盤には右ストレートで佐々木をダウン寸前に追い込んだ。佐々木の連打に沈んだが,パンチの鋭さ,威力には佐々木以上のものがある。

     主審:ビニー・マーチン,副審:福地勇治&浦谷信彰&中村勝彦
     ○佐々木:9戦8勝(3KO)1敗     ●大石:10戦7勝(4KO)3敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:上重聡

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                 2011年12月31日(土)    大阪府立体育会館第一競技場
                      WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   T   K   O     挑戦者(同級10位)
               ○   井岡一翔   1回1分38秒   ヨードグン・トーチャルンチャイ   ●
                        (井岡) 105 lbs                      (タイ) 104 1/4 lbs

 開始早々から広いスタンスで腰を低くした姿勢から鋭い左ジャブを突いてプレッシャーをかける井岡。さらに右ストレートから左アッパーで攻め込む。1分20秒,鮮烈な幕切れの幕開けだ。右アッパーからボディへの左アッパーでヨードグンの動きが止まる。ワンツーから一気の速攻。トドメの左アッパーでアゴを打ち抜かれたヨードグンはたまらずキャンバスに落下し,仰向けにダウン。わずかに上体を起しかけたが,マクタビッシュ主審はカウントの途中で試合をストップした。ダメージが深刻なヨードグンは担架で搬出された。

 井岡は2度目の防衛に成功。鮮やか過ぎる速攻である。鋭い左ジャブで仕掛け,右アッパーからチャンスを掴んでからは一気の速攻で試合を決めた。腰を低くして安定した姿勢により,体の軸がぶれないことが強打を生む秘訣だろう。ウェイトの問題があるので,ミニマム級に止まって長期政権を狙うか,上のクラスを狙うか微妙なところ。いずれにしても前途は洋々。
 ヨードグンは無敗の新鋭だが,井岡の速攻の前になすすべもなく破れた。打たせていないことを示すようにきれいな顔をしている。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意にしている。

     主審:ブルース・マクタビッシュ(比国),副審:ドン・グリフィン(米国)&ファン・ラスカノ(米国)&ブライアン・マクマホン(豪州)
     ○井岡:9戦9勝(6KO)     ●ヨードグン:9戦8勝(4KO)1敗
     放送:TBSチャンネル     解説:鬼塚勝也&内藤大助     実況:伊藤隆佑

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                      2011年12月31日(土)    大阪府立体育会館第一競技場
                                  ノンタイトル8回戦
                東洋太平洋L・フライ級チャンピオン     T   K  O     タイ国L・フライ級(ノーランク)
                ○   宮崎 亮          3回1分35秒    キャンベット・シッブーベット   ●
                        (井岡) 109 lbs                                  (タイ) 108 lbs
                        WBA2位,WBC3位

 初回,宮崎の左アッパーが低く入り,一時中断。再開後,宮崎は速射砲のような左ジャブから接近して左右アッパーをボディに。
 2回,左にスイッチして右フック,左ストレートを放つキャンベット。しかし,宮崎は全く動じることなく,右ストレートを上下に放ち,右アッパーのボディブローから左フックを返して圧倒する。
 3回,キャンベットの力を見切った宮崎の表情には余裕が窺える。飛び込みざまに放った左フックがテンプルに決まる。一瞬足をもつれさせたキャンベットは背中を向けてロープにもたれる。これを見た川上主審はカウントを開始。定まらない足元で前に進んだキャンベットは再びロープに手をかけて,その場に崩れ落ち,仰向けに倒れる。危険な倒れ方に,川上主審はカウントの途中で試合をストップした。

 世界を狙う宮崎が圧巻のスピードとパンチ力を見せつけた。体の切れは動物的とも思えるほど。実力的にはいつ世界挑戦しても不思議ではないものを備えている。パンチ力を過信せず,スピードを生かすことに徹することが大事。来年の飛躍が非常に楽しみ。
 キャンベットは右ボクサーファイター。ときおり左にスイッチしてノラリクラリとやり過ごすなど,掴みどころがない。

     主審:川上淳,副審:北村信行&宮崎久利&野田昌宏
     ○宮崎:19戦16勝(10KO)3分     ●キャンベット:11戦9勝(2KO)2敗
     放送:TBSチャンネル     解説:鬼塚勝也     実況:杉山真也

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                2011年12月31日(土)    大阪府立体育会館第一競技場
                             6回戦
                 日本ヘビー級(ノーランク)         豪州ヘビー級(ノーランク)
              ○   藤本京太郎    判 定    マイケル・オドネル   ●
                     (角海老宝石) 223 1/4 lbs            (豪州) 220 1/2 lbs

 藤本が初回から上下への左ジャブを多用し,オドネルを圧倒した。終盤,藤本は右ストレートのボディブローから攻勢に出る。
 3回に入ると,試合はさらにワンサイドゲームの様相を呈した。藤本はワンツー,ボディへの右フックで攻め立てる。オドネルはボディが効いたのか,弛んだ腹回りを盛んに気にする。4回終了間際,右ストレートで足がもつれたオドネルがロープにもたれる場面があった。
 5回開始早々,藤本は動きの鈍いオドネルをニュートラルコーナーに釘付けにして猛攻。左右の連打から右アッパーが決まり,オドネルは腰から落ちてダウン(カウント8)。
 6回,右ストレート,アッパーを浴びたオドネルはクリンチに出る。藤本は一方的に攻めるが,打ち疲れが出て呼吸がやや荒くなり,スピードも鈍った。

 元K−1ヘビー級王者という触れ込みでデビューした藤本。ワンサイドゲームの末に大差の判定勝ちで第一戦を飾ったが,未熟な面を露呈し,課題を残した。右ファイタータイプで左ジャブ,右ストレートから上下への左右フックを打ち分ける。スピードもそこそこある。その反面で一本調子な攻撃が多く,相手の目が慣れてしまう面もある。試合の終盤には息切れの兆候が見られ,スタミナの不安は今後克服すべき最大の課題だろう。K−1にはないボクシングの奥深さを感じたはず。
 オドネルは右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としている。タフネスが売り物だが,腹の周囲がだぶついてスピードはない。一方的に打たれ,ロートルの姿を晒した。

採点結果 藤本 オドネル
主審:福地勇治 *** ***
副審:川上淳 60 53
副審:宮崎久利 60 53
副審:原田武夫 60 53
参考:MAOMIE 60 53


     ○藤本:1戦1勝
     ●オドネル:21戦6勝(3KO)15敗

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也
     実況:杉山真也

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                       2011年12月31日(土)    横浜文化体育館
                      WBA世界スーパーフェザー級王座統一12回戦
                    正規チャンピオン   T   K   O    暫定チャンピオン
                ○   内山高志   11回0分19秒    ホルヘ・ソリス   ●
                         (ワタナベ) 130 lbs                      (メキシコ) 130 lbs

 初回から実力者同士の緊張感が漂う。軽くリズムを取りながら前に出る内山。ソリスも左ジャブを打ってスピードがあるところを見せるが,内山は右ストレートをボディに。さらに左フックで脅かす。
 2回,右ストレートでロープに詰めて左フックを振る内山。ソリスはロープ際で倒れるが,これはプッシングとされ,ラミレス主審はスリップダウンとした。内山は構わずワンツーを浴びせる。ソリスは両目を見開き,真剣な表情。
 4回,クロス気味の右フックが決まり,ぐらつくソリス。内山,攻勢。ロープに詰めて左右フック,右ストレート。ソリスは足を使ってピンチを凌ぐ。5回,左アッパーの打ち終わりに合わせた左フックが決まり,ソリスの腰が落ちる。6回,内山の右ストレートが再三ヒットするようになった。
 7回,強打を警戒して自分から仕掛けにくくなるソリス。徐々に内山のワンツーの照準が合うようになった。ロープを背に左アッパーでボディを抉られたソリスは上体を丸めて耐える。
 10回,ソリスは左ジャブ,右ストレートを返して応戦するが,内山の右ストレートでぐらつきロープを背負う。内山,攻勢。終了間際,左アッパーのボディブローでソリスの上体が丸くなる。
 11回開始のゴングが鳴るが,ラミレス主審がソリス側の青コーナー下が水に濡れていると指摘。一時中断となり,セコンドがタオルでキャンバスを拭う。文字通り水を差された形となった内山だが,再開直後に強打が炸裂した。鋭いステップインから放った左ショートフック一閃。アゴを直撃されたソリスはロープ際で大の字に轟沈。ラミレス主審がカウントの途中で試合をストップした。

 実力伯仲の本格派同士による見応え十分な好ファイトとなった。
 内山,豪快なワンパンチTKOで4度目の防衛に成功。右拳の負傷による11ヶ月のブランクを感じさせない動きの良さが光る。スピードがあるソリスに序盤は左ジャブを合わせにくい面もあったが,ワンツー,ボディへの左アッパーで徐々にダメージを与えた。冷静な試合運びは大人の風格そのもの。来年は本場・米港への進出あるいはMVPも十分に期待できる。脂が乗って円熟味を増した今,どこまで強くなるか楽しみである。
 ソリスは暫定王者。スピードのある左ジャブ,右ストレートを武器とする右ボクサーファイター。オーソドックスな攻防の組み立てが特徴だが,やや直線的で単調な面もある。強打を警戒し,自分から攻められなかったことが敗因。内山の右ストレート,ボディへの左アッパーでダメージを負った。

10回までの採点 内山 ソリス
主審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ) *** ***
副審:ラファエル・ラモス(米国) 98 92
副審:レビ・マルチネス(米国) 98 92
副審:柳完洙(韓国) 99 91
参考:MAOMIE 100 90


     ○内山:18戦18勝(15KO)
     ●ソリス:47戦40勝(29KO)4敗2分1無効試合

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重&八重樫東
     実況:斉藤一也

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                      2011年12月31日(土)    横浜文化体育館
                      WBA世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン             挑戦者(同級8位)
             ○  セレスティノ・カバジェロ    判 定    細野 悟   ●
                      (パナマ) 125 1/4 lbs                 (大橋) 126 lbs

 攪乱して打ち合いに巻き込みたい細野だが,序盤から老獪なカバジェロのペースで試合が進んだ。足を使い,長いリーチから左ジャブを多用するカバジェロ。細野はときおり左アッパーのボディブローで迫るが,カバジェロの左ジャブ,ワンツー,左右アッパーが飛んでくる。
 4回,カバジェロは変幻自在な動きからワンツー,さらに顔面に強烈な左アッパーを見舞う。細野も左フックで応戦するが,今度はカバジェロの右アッパーが飛んでくる。細野の右目下が腫れ始めた。
 5回終了間際,細野はカバジェロを連打でニュートラルコーナーに詰めるが,見せ場はここだけ。6回,逆に右ストレートからの小さい左アッパーで細野の膝がガクンと落ちる場面があった。カバジェロは一気に攻勢。
 7・8・9回,カバジェロは細野の攻撃を巧みにかわしながらワンツー,左右アッパー。細野は前に出るが,パンチが出ない。
 10回,厳しい表情でワンツー,右フックのボディブロー,左右アッパーを浴びせるカバジェロ。細野もときおりいい攻撃を見せるが,巧みなクリンチワークに誤魔化される。細野は後頭部にパンチを浴びせて減点された。
 11・12回,カバジェロは細野の攻撃をノラリクラリとかわしながらパンチを浴びせる。細野は最後まで攻めの姿勢を貫いたが,決め手がないまま終了ゴングを聞いた。

 2度目の世界挑戦に賭けた細野だが,カバジェロのテクニックに手も足も出なかった。常に前に出てはいたが,接近するために相手を追い込むテクニックがなく,カバジェロの集中打を許したことが敗因。正攻法では老獪なカバジェロには通じない。もう少し下から横から揺さぶり,ボディ攻撃で動きを止めたかった。
 カバジェロは初防衛に成功。スーパーバンタム級でWBA・IBFの世界タイトルを10度防衛し,フェザー級のタイトルも手にした2階級制覇のベテランである。180cmの長身で長いリーチから繰り出す左ジャブ,右ストレート,左右アッパーを得意とする右ボクサータイプ。変則スタイルで打ち方は良くないが,どこから飛んでくるか予測不能なパンチは威力十分。相手の攻撃を巧みなボディワークとクリンチでかわし,多彩なパンチを浴びせる。うまく手を抜いて休みながら攻撃するなど,老獪なテクニックが目立つ。

採点結果 カバジェロ 細野
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:柳完洙(韓国) 116 111
副審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ) 119 108
副審:レビ・マルチネス(米国) 119 108
参考:MAOMIE 119 108


     ○カバジェロ:40戦36勝(23KO)4敗
     ●細野:23戦21勝(15KO)2敗

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重&八重樫東
     実況:島田弘久

※ 第10ラウンド,後頭部への加撃によって細野は減点1。

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                       2011年12月31日(土)    横浜文化体育館
                                8回戦
                   日本ミニマム級2位    T   K  O    インドネシア L・フライ級2位
                ○   原 隆二     2回2分28秒     マルテン・ルモリー   ●
                        (大橋) 105 lbs                         (インドネシア) 104 1/2 lbs

 初回,スピードのない右フックで迫るルモリーだが,原の鋭いパンチに手が出ない。左ジャブからのワンツーで鮮やかなダウンを奪う原。
 2回,完全に自分のリズムに乗る原。左ジャブ,飛び込んで左フック。右クロスがテンプルに決まれば,ルモリーは四つん這い(カウント8)。立ち上がったが,飛び込みざまの左フックがアゴに決まり,ルモリーは腰から落ちて仰向けに倒れる。杉山主審は即座に試合をストップした。

 次代を担うスターの香りが充満する原が圧巻の詰めを見せた。鋭い出入りのフットワークに乗せた攻撃は見事。左ジャブからのワンツー,ボディへの右ストレート,左フックなど,どれを取っても抜群の切れとスピードがある。何よりも攻めの姿勢が素晴らしい。ランクも2位まで上げ,来年は間違いなく日本タイトル挑戦のチャンスがあるだろう。キャリアを積めば,いずれは世界への期待も十分。
 ルモリーは右ファイタータイプ。左右フックを振って前に出るが,動きはスロー。原に見切られ,完敗となった。

     主審:杉山利夫,副審:浦谷信彰&ほか2名不明
     ○原:10戦10勝(8KO)     ●ルモリー:8戦3勝(2KO)4敗1分
     放送:テレビ東京     解説:八重樫東     実況:中川聡

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                        2011年12月31日(土)    横浜文化体育館
                                   6回戦
                  日本バンタム級(ノーランク)     K      O      タイ国バンタム級(ノーランク)
                ○   松本 亮        1回1分34秒    ペッチジョムトーン・ソータナピニョ   ●
                        (大橋) 116 1/2 lbs                             (タイ) 116 3/4 lbs

 開始早々から松本が積極的に攻め込む。左ジャブから右ストレート,フック。ロープに詰め,右アッパーから打ち下ろした右ストレートがアゴに決まれば,ペットジョムトーンは前に落ちてダウン(カウント8)。松本は一気にフィニッシュモード。左アッパーのボディブローで2度目のダウン(カウント8)。ペットジョムトーンは立ち上がったが,右アッパーで腰が砕ける。右フックで最後の抵抗を見せるが,右ストレートで3度目のダウンを喫した。

 インターハイ2連覇,高校選抜と国体で優勝という実績を誇るアマ4冠の松本がプロ入り第1戦をKOで飾った。右ファイタータイプで右ストレート,ボディへの左アッパーに威力がある。粗削りだが,若さに任せた積極的な攻撃が売り物。左のボディブローが一つの決め手になっている。力みをいかに排除するかが課題だろう。今後の成長が楽しみな素材である。
 ペッチジョムトーンは右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。松本とはパンチ力に差があった。

     主審:土屋末広,副審:3名とも不明
     ○松本:1戦1勝(1KO)     ●ペッチジョムトーン:26戦17勝9敗
     放送:テレビ東京     解説:八重樫東     実況:不明

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