熱戦譜〜2011年11月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.11.01  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 佐藤洋太  TKO4R  大庭健司
2011.11.01  東洋太平洋&日本ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 渡部あきのり  TKO4R  庄司恭一郎
2011.11.03  5回戦(フェザー級決勝)
 第68回東日本新人王戦
 千波丈二  判定  溜田剛士
2011.11.03  5回戦(スーパーフェザー級決勝)
 第68回東日本新人王戦
 尾川堅一  KO2R  伊原健太
2011.11.03  5回戦(ライト級決勝)
 第68回東日本新人王戦
 横山雄一  TKO5R  下薗亮太
2011.11.03  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 小國以載  判定  ロリ・ガスカ
2011.11.04  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 スリヤン・ソールンウィサイ  判定  名城信男
2011.11.06  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 粟生隆寛  判定  デビス・ボスキエロ
2011.11.06  WBC世界バンタム級
 王座決定12回戦
 山中慎介  TKO11R  クリスチャン・エスキベル
10 2011.11.06  WBC世界フライ級
 挑戦者決定12回戦
 五十嵐俊幸  判定  ウィルベルト・ウィカブ
11 2011.11.23  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 黒田雅之  判定  山口隼人
12 2011.11.30  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  10R負傷判定  伊藤まみ
13 2011.11.30  WBC女子世界ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 富樫直美  判定  孫 抄弄
14 2011.11.30  女子東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 柴田直子  判定  小田美佳
15 2011.11.30 6回戦  江畑佳代子  判定  マイムアン・シットクルシン

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                       2011年11月1日(火)    後楽園ホール
                       日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級3位)
                ○   佐藤洋太    4回2分19秒    大庭健司   ●
                         (協栄) 115 lbs                      (FUKUOKA) 115 lbs
                      WBA5位,WBC4位

 初回,左に回りながら左ジャブを突く大庭。佐藤は冷静に見て,左ジャブ,ボディへの右ストレートで応酬。終盤,右ストレートで足がもつれた大庭にワンツー,左ジャブで攻勢に出る佐藤。
 ともに左ジャブを出すが,スピードの差は歴然。佐藤はトリッキーな動きでフェイントをかけながら左ジャブを決める。右ストレートで大庭がのけぞった。
 3回,大庭は中に入りたいが,逆に佐藤の左ジャブで下がらされている。終盤,右ストレートでバランスを崩す大庭。
 4回,佐藤が鮮やかに試合を決めた。大庭の力量を見切ったのか,明らかに佐藤の表情が変わる。ガードを固めてパンチをブロックしながら左ジャブ,ワンツーでプレッシャーを強める佐藤に,大庭は全く糸口を掴めない。前に出ようとした大庭のガードが開いたのを見逃さず,アゴに打ち下ろした右ショートストレート。これでぐらつかせ,右アッパーで動きが完全に止まったところにワンツーを浴びせれば,大庭は前のめりに崩れて仰向けに沈む。カウントの途中にタオルが投入され,試合が終わった。

 世界を狙う佐藤が堂々のTKOで5度目の防衛に成功した。スピードの差を見せつけ,大庭を寄せつけない圧勝である。フェイントからの左ジャブにはスピードと伸びがあり,攻撃の突破口になった。試合を決めた4回には明らかに仕留めにかかったことが表情から見て取れ,勝負所のギヤチェンジも見事。国内の強豪を次々と破っている硬派路線にも好感が持てる。世界への期待がさらに膨らんだ。
 大庭は左ジャブを多用してオーソドックスに攻める右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。ここまで無敗だったが,直前の14戦は全部タイ人との対戦で早い回でのKO勝ちも多い。地方のジムで興行を維持するためには止むを得ない事情もあるだろうが,ライバルとの楽ではない試合で切磋琢磨を繰り返して成長した佐藤とは明らかに開きがあった。

     主審:土屋末広,副審:浦谷信彰&葛城明彦&福地勇治
     ○佐藤:26戦23勝(12KO)2敗1分     ●大庭:24戦21勝(16KO)1敗2分
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:杉山真也

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                       2011年11月1日(火)    後楽園ホール
                   東洋太平洋&日本ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン      T   K  O   挑戦者(OPBF同級6位)
            ○   渡部あきのり    4回1分32秒    庄司恭一郎   ●
                      (協栄) 147 lbs                      (戸高秀樹) 146 3/4 lbs
                                              日本ウェルター級8位

 開始早々から相手を呑んでかかったような渡部の攻勢。庄司をニュートラルコーナーに庄司を詰め,左ストレート,アッパー,右フックを上下に打ち込む。終了間際,左ストレートが顔面に決まってのけぞる庄司。
 2回,鼻から出血した庄司は左ストレートでぐらつく。前に出たい庄司だが,渡部の圧力で下がらざるを得ない。
 3回,渡部の左ストレートが再三ヒット。ロープに詰めて上下に左ストレート,アッパー,右フックを打ってプレッシャーを強める渡部。庄司は『打ってこい』というジェスチュアで誘うが,これは精一杯の強がりにしか見えなかった。
 4回,庄司をロープに詰め,左フック,ボディへの右フックで攻める渡部。左ストレートでぐらつかせてなおも追撃。ニュートラルコーナーに下がる庄司。軽く左ストレ−トを打って置いて返した右フック一発。これがアゴに決まり,庄司はロープ際で崩れ落ちる。福地主審はノーカウントで試合をストップした。仰向けに沈んだ庄司は担架で搬出された。

 渡部が堂々のワンパンチTKO勝利で度肝を抜いた。日本タイトルは初防衛,東洋太平洋タイトルは2度目の防衛に成功。以前のような力任せではなく,上下に散らし,流れの中で出した右フックで倒した見事な勝利。自信が備わり,大人の風格を漂わせる試合運びである。一階級上の2冠王者・チャーリー太田(八王子中屋)との対戦を希望しているが,今の充実した状態であれば大いに期待できる。
 庄司は33歳にして初挑戦。右ストレート,左右フックを武器にしているが,渡部の圧力に屈して下がらされたことが敗因。力の差には如何ともしがたいものがあった。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&葛城明彦&安部和夫
     ○渡部:28戦24勝(22KO)4敗     ●庄司:16戦9勝(3KO)3敗4分
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:伊藤隆佑

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                   2011年11月3日(木)    後楽園ホール
                 第68回東日本新人王決勝戦(フェザー級)
                           5回戦
               日本フェザー級(ノーランク)      日本フェザー級(ノーランク)
             ○   千波丈二    判 定    溜田剛士   ●
                    (勝又) 125 3/4 lbs             (ヨネクラ) 126 lbs
             千波は技能賞を受賞

 序盤から決勝戦にふさわしい好ファイトとなった。溜田は積極的に前に出て左ジャブ,ワンツー。千波もサークリングしながら左ジャブ,ワンツーで応戦。
 2回,足を使っていた千波の右ストレートが決まり,溜田のアゴが上がる。終盤には打ち気に出たところに右ストレートを打ち込まれ,溜田の腰が落ちた。畳みかけるように右ストレート2発を追い打ちすれば,溜田はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント9)。足元がふらつくが,辛うじてゴングに救われた。
 3回以降は一進一退の息詰まる攻防が続いた。溜田の右ストレートをボディに受けた千波はバランスを崩してロープにもたれる。左フックで再びバランスを失った。しかし,右ストレートのカウンターでひるんだ溜田をロープに詰め,千波がワンツーの連打で攻勢に出る。両者必死の攻防に場内は大いに沸いた。
 4回は溜田が積極的な攻撃でリード。5回にも両者ともに譲らぬ激しい打合いが続いたが,ダメージがあるのか溜田の出足が鈍った。

 両者死力を振り絞り,手に汗握る白熱戦で大いに盛り上がった。
 千波は右ボクサーファイターで左ジャブ,ワンツー主体のオーソドックスな試合運び。フットワークを駆使するアウトボクシングを得意としている。ダウンを奪った右ストレートをはじめ,パンチのシャープさが光る。不利の予想を覆して東日本新人王のタイトルを手にしたのは立派である。アゴのガードが下がるので要注意。
 溜田は右ファイタータイプで好戦的なスタイルが特徴。左フック,右ストレートにパンチ力がある。よく攻めたが,こちらもガードが下がる欠点があり,そこを突かれた。

採点結果 千波 溜田
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 48 47
副審:中村勝彦 48 46
副審:浦谷信彰 47 47
参考:MAOMIE 48 46


     ○千波:9戦7勝(4KO)2敗
     ●溜田:6戦4勝(3KO)1敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:藤田大介

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                          2011年11月3日(木)    後楽園ホール
                    第68回東日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                                 5回戦
                 日本S・フェザー級(ノーランク)  K      O   日本S・フェザー級(ノーランク)
               ○   尾川堅一      2回2分00秒     伊原健太   ●
                        (帝拳) 130 lbs                           (三迫) 130 lbs
                尾川はMVPを受賞

 初回,両者ともに小刻みに動いてリズムを取りながらチャンスを窺う。伊原は右ストレート。しかし,すぐに返した尾川のワンツーで伊原がバランスを崩す。
 2回,お互いに牽制してパンチが大きくなる。伊原の右フックがヒット。しかし,右を打とうとした瞬間,尾川の左アッパーがカウンター気味に脇腹を捉え,伊原は苦悶の表情で崩れ落ちる(カウント9)。これで諦めても良いほどのダメージだったが,伊原は無敗の意地を見せた。しかし,尾川は間を置かずに容赦ない詰めを見せた。左右アッパーのボディブローで青コーナーに後退した伊原は右ストレートを浴び,腰から落ちて万事休す。

 今年度ナンバーワンの呼び声が高い尾川が圧巻のKO勝ちでMVPの座を手にした。スリムな右ボクサーファイターで右ストレートにKOの威力がある。フィニッシュの詰めは新人離れしている。その反面,KOを意識してか大振りになり,手数が減る欠点がある。細かく手を出し,流れの中から決め手のパンチを打つように心掛けるべき。
 伊原は果敢に攻めたが,パンチ力の差に屈した。右ファイタータイプで右フック,ストレートに威力がある。こちらも狙い過ぎて荒くなることが欠点。最初のダウンから良く立ち上がったが,尾川の鋭い詰めに沈んだ。

     主審:浦谷信彰,副審:岡庭健&土屋末広&杉山利夫
     ○尾川:6戦6勝(5KO)     ●伊原:7戦6勝(4KO)1敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                        2011年11月3日(木)    後楽園ホール
                      第68回東日本新人王決勝戦(ライト級)
                               5回戦
                  日本ライト級(ノーランク)  T   K  O   日本ライト級(ノーランク)
               ○   横山雄一    5回1分25秒    下薗亮太   ●
                       (帝拳) 134 1/2 lbs                    (ワタナベ) 135 lbs
                横山は敢闘賞を受賞

 開始早々から凄まじい打ち合いになった。ガードを固めて猛然と襲い掛かる下薗に横山も負けじと応戦。左フックで両者が相次いでぐらつくスリリングな展開。2分過ぎには横山の左アッパーで足がもつれた下薗が赤コーナーに詰まってピンチを迎える。
 ノンストップの連打で迫る下薗だが,3回に入るとその出足に鈍りが見えた。突進を続ける下薗に対し,横山のボディ打ちが的確に決まる。左フックで足がもつれる下薗。さらに左アッパーをボディに打ち込まれ,上体を丸めて耐える。
 4回,下薗はバッティングで左目上をカットし,ドクターチェックを受ける。畳みかけるように攻勢に出る横山。左アッパーのボディブローで上体を丸めた下薗は足が止まるが,歯を食いしばって打ち返した。驚異的な粘りだ。
 5回,我慢比べの様相を呈した試合に幕が下りた。横山の執拗なボディブローで今にも倒れそうになりながらも必死に耐える下薗。鉞(まさかり)のような下薗の左フックが顔面に決まるが,すぐに返した横山の左フックがアゴを捉え,下薗の足がもつれたところでタオルが舞った。

 凄絶の一語に尽きる打撃戦の末,オールKO勝ちの横山が土壇場で仕留めた。横山は長身の右ファイタータイプでリーチに恵まれている。右ストレート,左フックあるいはボディへの左アッパーを主武器としており,戦績が示す通りにパンチ力がある。長身の割にボディをうまく打てることが強味だろう。下薗の猛烈な手数に手を焼いた面はあるが,序盤からのボディ攻撃が奏功した。
 下薗は強打の横山にも一歩も引くことなく,驚異的な粘りを見せた。左右フック,アッパーの連打を得意とする変則の右ファイタータイプ。見上げた根性と言うしかないが,パンチは出ている割にボディ攻撃で出足が鈍ったことが響いた。

     主審:杉山利夫,副審:岡庭健&中村勝彦&ビニー・マーチン
     ○横山:10戦9勝(9KO)1敗     ●下薗:7戦6勝(1KO)1敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

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                     2011年11月3日(木)    神戸サンボーホール
                    東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級15位)               チャンピオン
                ○   小國以載     判 定     ロリ・ガスカ   ●
                        (VADY) 121 1/2 lbs               (比国) 121 3/4 lbs
                    小國以載=おぐに・ゆきのり

 初挑戦の小國が冷静な立ち上がりを見せた。肩の力を抜いた姿勢で左ジャブから右ストレートをボディに。さらにボディへの右アッパーを決める。ガスカは3回中盤に右ストレートをヒット。終了間際には青コーナーに小國を詰め,左フック,アッパー,右ストレートの連打を回転させる。小國はロープを背負いたくないところ。
 均衡が破れたのは5回。再び左ジャブ,ボディへのワンツーでリズムを掴む小國。1分過ぎ,右ストレートでぐらつくガスカにフォローの右ストレート。素早い追撃にガスカはロープ際で尻餅をついてダウン(カウント9)。立ち上がったが,足元が怪しい。体を預けるように耐えるガスカに対し,小國は一気に攻勢。右アッパーからのワンツーでキャンバスにグラブをついて2度目のダウン。小國の攻勢にふらつきながら耐え,辛うじてゴングに救われた。
 KOチャンスを逃した小國は6回以降やや手数が減り,慎重な姿勢になった。焦りのためか,ガスカも大振りで正確さに欠けた。小國は単発ながらも右ストレートを決め,ポイントだけはリードした。
 11回終盤,伸びの良い右ストレートを多用してガスカを下がらせる。12回は小國も手数が少なく,ガスカが体ごと叩きつけるような右フックのボディブローで迫る。

 プロ7戦目の小國が初挑戦で東洋太平洋タイトルを奪取した。173cmの長身の右ボクサータイプで左ジャブ,ワンツー主体のオーソドックスな試合運びを身上とする。基本に忠実なスタイルで,伸びのある右ストレートが最大の武器である。強振するガスカに惑わされることなく,終始冷静に対処したことが勝因。5回に2度のダウンを奪ってKOチャンスを掴んだが,慎重になって手数が減ったことは大いなる反省点である。初防衛戦で真価が問われるだろう。
 ガスカは右ファイタータイプで左フック,アッパー,右ストレートに威力がある。フィリピン人特有のバネを利かせたダイナミックな攻撃が特徴。5回にKO寸前のピンチを迎えたが,驚異的な回復力を見せた。大振りで正確さを欠いた面がある。

採点結果 小國 ガスカ
主審:サマス・チャンタクローイ(タイ) 119 109
副審:野田昌宏 116 111
副審:サルビン・ラグンバイ(比国) 115 111
参考:MAOMIE 116 111

     ○小國:7戦7勝(2KO)
     ●ガスカ:19戦17勝(3KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:城島充   ゲスト:大橋弘政
     実況:田野和彦

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                 2011年11月4日(金)    タイ国バンコク 国立競技場体育館
                     WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン              挑戦者(同級5位)
             ○   スリヤン・ソールンウィサイ    判 定    名城信男   ●
                         (タイ) 115 lbs                   (六島) 115 lbs
                                            WBA13位

 初回,名城が好調なところを見せた。積極的に攻撃を仕掛け,ワンツー,左フック,ボディへの左アッパー。パンチが切れ,スピードがあるところをアピールした。
 しかし,2回に入ると試合巧者のスリヤンも左右に動きながら,巧みに間合いを取り,速い左ジャブ,フックを浴びせる。3回,名城は果敢に攻めるが,スリヤンの左ジャブがうるさい。前に出ているのは名城だが,接近戦でも左右アッパーのボディブローでスリヤンが上回った。
 中盤の名城は先に左ジャブ,フックを当てるスリヤンに手を焼く場面が続いた。7回,一瞬の隙をついたスリヤンは右アッパーからワンツーを浴びせて名城を後退させた。8回は名城も右ストレート,ボディへの左アッパーで迫る。
 しかし,11回は再びスリヤンのペース。巧みな位置取りで再びチャンスを掴んだスリヤンは名城の攻撃をウィービング,ダッキングでかわし,速い左ジャブ,フック,さらに右アッパーから左フックを浴びせた。12回,ひたすら前に出続ける名城だが,巧みなスリヤンのディフェンスに空転。逆に左ジャブを出バナに返され,バランスを崩す。

 敵地で3度目の世界タイトル奪取を目論んだ名城だが,スリヤンのアウトボクシングに封じられて完敗となった。終始前に出て積極的に攻撃を仕掛けていたが,動きのあるスリヤンにかわされたことが敗因。上へのパンチが多かったが,もう少しボディブローを多く配分してスリヤンの動きを止めたかった。終盤に激しい追い込みを見せたが,決定的なヤマ場を作れなかったことが悔やまれる。
 スリヤンは初防衛に成功。右ボクサーファイターで速いフットワークと鋭い左ジャブ,フックを武器にしている。巧みな位置取りとウィービング,ダッキングで名城の攻撃をかわし,常に先にパンチを当てて着実にポイントを稼いだ。基礎がしっかりした試合巧者である。

採点結果 スリヤン 名城
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:宮崎久利 115 113
副審:タウィット・プルームサムラン(タイ) 119 109
副審:キム・ジェボン(韓国) 116 113
参考:MAOMIE 117 112


     ○スリヤン:25戦20勝(7KO)4敗1分
     ●名城:20戦15勝(9KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:藤原俊志&浅沢英
     実況:田野和彦

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                2011年11月6日(日)    国立代々木競技場第二体育館
                   WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン           挑戦者(同級8位)
             ○   粟生隆寛   判 定   デビス・ボスキエロ   ●
                     (帝拳) 130 lbs            (イタリア) 129 1/2 lbs

 開始早々からボスキエロが攻撃的なボクシングで迫る。前に出て右ストレート,左右フック。ともにスピードがあるが,終了間際,粟生の左ストレートがボディに決まり,ボスキエロがバランスを崩す場面があった。
 3回,相変わらず好戦的なボスキエロ。右ストレートで粟生のアゴが上がる。
 なかなか自分のペースで試合を進められない粟生だが,4回,左ストレートからボディへの左右アッパーでようやくリズムを掴んだ。2分過ぎにはボスキエロが前に出るところに左ストレートのカウンターが決まる。
 5・6回は粟生が優勢に進めた。左ストレートを打っておいてボディに右フック,アッパーを打ち込む粟生。7・8回にも粟生の右ボディブローが再三決まった。序盤ほどの出足が見られないボスキエロ。
 しかし,9回以降は再びボスキエロのペースで試合が進んだ。粟生は右ジャブ,フックで突き放したいが,執拗に接近して打ち合いを挑むボスキエロに苦戦。11回,激しい攻めを見せるボスキエロを持て余した粟生はクリンチに出る場面が多くなった。ボスキエロは右ストレート,左右フック。
 12回,ともに決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 粟生は2度目の防衛に成功。ボスキエロの激しい攻撃に苦しんだ末のスプリットデシジョンによる辛勝である。会心の勝利からは程遠い試合内容。中盤に右フック,アッパーのボディブローを多用して主導権を握ったかに見えたが,9回以降再び主導権を奪われたことは大いなる反省点である。
 ボスキエロは右ファイタータイプ、右ストレート,左フックにパンチ力があり,スピードもなかなかのもの。激しい踏み込みから果敢に攻める攻撃パターンが特徴。古典的な欧州型のテクニシャンとは一線を画す好戦的なスタイルである。

採点結果 粟生 ボスキエロ
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 115 113
副審:デュアン・フォード(米国) 115 113
副審:イアン・ジョン・ルイス(英国) 113 116
参考:MAOMIE 115 114


     ○粟生:25戦22勝(10KO)2敗1分
     ●ボスキエロ:31戦29勝(14KO)1敗1分

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:西岡利晃
     実況:田中毅

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                  2011年11月6日(日)    国立代々木競技場第二体育館
                       WBC世界バンタム級王座決定12回戦
                WBC世界バンタム級3位   T    K   O    WBC世界バンタム級2位
              ○   山中慎介      11回1分28秒    クリスチャン・エスキベル   ●
                       (帝拳) 118 lbs                            (メキシコ) 118 lbs
                     WBA2位

 初回,山中が積極的に左ストレートを振って攻める。エスキベルが右をミスしたところに左を合わせる山中。2回にはエスキベルの右ストレート,左フックがヒットするが,山中の左ストレートで腰が落ちる。右アッパーで尻餅をつく山中だが,これはスリップダウンとの判定で救われる。
 3回,ミスブローでエスキベルの体が流れたところを見逃さず,パンチを合わせる山中。終盤,左アッパーのボディブローからチャンスを掴み,ニュートラルコーナーに詰めて左ストレートを浴びせる。5回には左ストレートでエスキベルをぐらつかせる。
 予断を許さぬ展開の中から山中が抜け出したのは5回。左ストレートでぐらつかせて攻勢に出る。終了間際,打ち終わりに合わせた左ストレートで腰が砕けたエスキベルは左グラブをキャンバスにつけてダウンを取られた(カウント8)。
 7回,今度は勢い込んで攻めたところに右ストレートを受け,山中がグラブをついてダウンを奪われた(カウント8)。しかし,8回に入ると山中が再び主導権を握る。ダメージを蓄積させたエスキベルの動きが鈍ったためだ。9回,左ストレート,右アッパー,左ストレートの3連打にぐらついて後退するエスキベル。
 11回開始早々,場内の照明が消える前代未聞のアクシデントが発生し,試合が5分間中断。ダメージが限界に達していたエスキベルはニュートラルコーナーでキャンバスにドカッと腰を下ろして待つ。しかし,この”休憩”もエスキベルに味方しなかった。左ストレートを右目に直撃されたエスキベルは背中を向け,膝をついてダウン。戦意を失いかけたが,辛うじて再開に応じる。左ストレートから右フックを受け,心が折れたようにロープ際で膝をついてしまい,ここでストップされた。

 山中が初挑戦で世界の頂点に立った。パンチ力があるエスキベルに対し,序盤から得意の左ストレートで出バナを叩いて主導権を握ってしまったことが勝因。タフな相手ではあったが,返しの右フック,アッパーが多く出ていれば,もっと早く決まっていただろう。自信に満ちた戦いぶりは見事の一語に尽きる。ただし,わずか2日前に挑戦者決定戦から王座決定戦に格上げされた幸運な面もある。初防衛戦で真価を問われることになる。いずれにしても楽しみな新王者の誕生である。
 エスキベルは右ファイタータイプ。ベタ足に近く,スピードはないが,重い右ストレート,フックを武器にどんどん攻撃を仕掛ける。しかし,山中の左ストレートでダメージを蓄積させ,前に出られなくなったことが敗因。

10回までの採点 山中 エスキベル
主審:イアン・ジョン・ルイス(英国) *** ***
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 98 91
副審:デュアン・フォード(米国) 97 92
副審:ロッキー・バーク(米国) 99 90
参考:MAOMIE 98 91


     ○山中:17戦15勝(11KO)2分
     ●エスキベル:27戦24勝(18KO)3敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:西岡利晃
     実況:寺島淳司

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                   2011年11月6日(日)    国立代々木競技場第二体育館
                       WBC世界フライ級挑戦者決定12回戦
                    WBC世界フライ級2位            WBC世界フライ級1位
                ○   五十嵐俊幸     判 定     ウィルベルト・ウィカブ   ●
                           (帝拳) 112 lbs                     (メキシコ) 112 lbs
                         WBA3位

 慎重な立ち上がるウィカブに対し,上背で11cm勝る五十嵐が軽いフットワークから右ジャブ,左ストレート,ボディへの左フックで早くもリードした。
 3・4回はウィカブが攻撃のピッチを上げたが,中盤以降は五十嵐が安定した試合運びでポイント差を開く。5回開始早々にスリップダウンでヒヤリとさせた五十嵐だが,スピーディなサークリングから左アッパー,右フックをヒット。
 6回,サークリングしながら左ストレート,右フックを決める五十嵐。動きながら先に手を出す良い展開になった。8回,左ストレートでウィカブがひるんだところにパンチをまとめてピッチを上げる五十嵐。
 9回,五十嵐のアウトボクシング冴え,パンチが届かなくなったウィカブは攻撃の糸口を掴めない。10回,ワセリンが目に入ったとウィカブがアピールして一時中断。集中力を欠いたと見られても仕方ない場面だった。五十嵐はさらに速い動きでウィカブを翻弄する。
 11回,バッティングで左目上をカットした五十嵐はドクターチェックを受ける。この負傷で,ウィカブはWBCルールにより減点1を課せられた。再開後,五十嵐が左アッパーでバランスを崩したところを激しく攻め立て,左フック,右ストレートをヒットするウィカブ。
 12回は再び五十嵐が態勢を立て直し,右ジャブ,フック,左ストレートを浴びせてスピードで圧倒する。五十嵐はさらに左ストレートをボディに決めた。

 五十嵐が世界ランク上位同士の対決を見事な勝利で飾った。念願の世界挑戦に向けて,大きなアピールとなる会心の勝利である。序盤こそウィカブの勢いに戸惑ったが,中盤以降は得意のアウトボクシングが冴え,ほとんど寄せつけない完勝である。サークリング,出入りを駆使したスピーディな試合運びは見事。世界挑戦に向けてGOサインが出るだろう。
 ウィカブは右ファイタータイプ。鋭い踏み込みから思い切った左右フック,右ストレートでどんどん打ち合いを挑んでくる。上下への打ち分けを織り交ぜた好戦的なスタイルが特徴。しかし,五十嵐のスピードに翻弄されて完敗。

採点結果 五十嵐 ウィカブ
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:ロッキー・バーク(米国) 116 112
副審:イアン・ジョン・ルイス(英国) 116 111
副審:デュアン・フォード(米国) 114 113
参考:MAOMIE 117 110


     ○五十嵐:17戦15勝(10KO)1敗1分
     ●ウィカブ:41戦33勝(18KO)6敗1分1無効試合

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:中野謙吾

※ 第11ラウンドの五十嵐の負傷によるウィカブの減点1を含む採点(WBCルール)。
※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない他方の選手に減点1を課す。

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                  2011年11月23日(水)    川崎市とどろきアリーナ
                      日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級10位)
                ○   黒田雅之    判 定    山口隼人   ●
                       (川崎新田) 107 1/4 lbs          (TEAM 10COUNT) 107 3/4 lbs
                       WBA9位,WBC14位

 ともに左ジャブから立ち上がる。2・3回,山口は足を使いながら,右ストレートを再三巧打してリードを奪う。黒田は前に出るが,逆に右ストレート,左フックを返された。
 4回,黒田は前に出てプレッシャーをかけるが,ロープに追って行ったところで右ストレートを返され,腰から落ちてダウン(カウント8)。苦笑しながら立ち上がる黒田。山口は攻勢に出るが,攻撃が雑になってチャンスを逸した。
 4回までは完全に山口のペースで進んだが,試合の流れが変わったのは5回。雑な攻撃で黒田の反撃を許した山口は徐々に消極的になった。一方の黒田はどんどん前に出て,左ジャブ,右ストレートから細かい左右アッパーで圧力を増した。
 7回,主導権は完全に黒田の手に移った。山口をロープに詰め,右ストレート,左右アッパーで攻勢に出る黒田。山口は足を使うが,前半とは違い,逃げが目立つようになった。10回,ワンツー,左フックで激しく攻め立てる黒田。山口は粘りを見せるが,左まゆをカットして出血を見た。

 黒田は2度目の防衛に成功。前半から大きくリードを許し,スプリットデシジョンで辛くも王座を守ったという印象。倒そうという意識が先行したのか,硬さが目立ったことが苦戦の原因。山口のアウトボクシングに掻き回され,4回には不覚のダウンを喫するなどポイントを奪われた。5回から目覚めたように積極的に手数を出して追い上げたことが勝利につながった。後半は上下への打ち分けで冷静にプレッシャーをかけたが,これがキャリアの差だろう。
 初挑戦の山口は大善戦を見せたが,惜しいところで大魚を逃した。足を使って右ストレートを巧打した前半の試合運びは見事だった。ダウンを奪った4回を境に主導権を渡してしまったのは皮肉な結果である。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意とし,足もある。この敗戦を糧にキャリアを積むことが求められる。

採点結果 黒田 山口
主審:熊崎広大 *** ***
副審:ビニー・マーチン 96 94
副審:杉山利夫 97 94
副審:福地勇治 94 95
参考:MAOMIE 96 95


     ○黒田:24戦21勝(13KO)3敗
     ●山口:11戦7勝3敗1分

     放送:スカイA
     解説:藤原俊志&浅沢英
     実況:田野和彦

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                     2011年11月30日(水)    後楽園ホール
                    WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン    負 傷 判 定    挑戦者(同級14位)
             ○   小関 桃   10回0分51秒    伊藤まみ   ●
                     (青木) 102 lbs                    (新宿イマオカ) 102 lbs

 初回から小関が格の違いを見せた。伊藤はいきなり右ストレートを振って襲い掛かるが,小関は動じない。逆に右ジャブから気迫十分の表情でプレッシャーをかけ,左ストレートをヒット。
 2回,左ストレートでのけぞる伊藤。前に出て自分のボクシングをしたいが,小関の圧力に負けて下がらざるを得ない。
 序盤で主導権を握った小関。中盤以降はワンマンショーとなった。伊藤のパンチを巧みにかわし,フェイントを交えた左ストレート,右フックで再三のけぞらせる。ピッチの速い攻撃で後手に回った伊藤はどうすることもできず,いたずらにラウンドを重ねた。
 9回,小関がこの試合最大の見せ場を作る。劣勢の伊藤は右ストレートで攻勢に出るが,通じない。逆に右フックからの左ストレートをアゴに食い,尻餅をついてダウン(カウント8)。伊藤は気を取り直して反撃に出るが,誰の目にも敗色は濃厚だった。
 10回,小関にKO防衛の期待がかかるが,思わぬアクシデントが起きた。意を決して伊藤が攻め込んだ瞬間,バッティングが発生。小関が眉間をカットし,試合が中断。ドクターチェックの結果,続行不能とされてここで試合が終わった。

 小関は7度目の防衛に成功。スピード,テクニック,パンチのタイミングなどすべての面で過去最高のパフォーマンスを見せた。負傷判定という結果ではあったが,会心の試合内容である。試合全般を通して集中力を切らさずに戦い切った点が見事。パリーイング,ブロッキング,ウィービング,ダッキングなどの防御技術を駆使して相手のパンチをかわし,フェイントをかけながら圧力をかけ続けた貪欲な姿勢が光る。これまでは地味な存在に甘んじていたが,円熟した攻防技術で今後に期待がかかる。いよいよ来年は勝負の年になるだろう。
 伊藤のデキも悪くなかったが,小関の充実ぶりには遠く及ばなかった。右ファイタータイプで右ストレートを武器としている。前に出て攻めたかったところだろうが,ハイピッチな小関の攻撃に押され,下がらざるを得なかった。ほとんど何もできずに敗れたというのが実感だろう。

10回までの採点 小関 伊藤
主審:中村勝彦 *** ***
副審:シン・キョンハ(韓国) 99 91
副審:福地勇治 98 92
副審:レイ・ダンセコ(比国) 98 91
参考:MAOMIE 100 90


     ○小関:10戦9勝(3KO)1分
     ●伊藤:10戦4勝(2KO)5敗1分

     放送:スカイA
     解説:藤岡奈穂子&藤村幸代
     実況:山下剛

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                   2011年11月30日(水)    後楽園ホール
                 WBC女子世界ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン          挑戦者(同級10位)
             ○   富樫直美    判 定    孫 抄弄   ●
                     (ワタナベ) 108 lbs             (韓国) 107 3/4 lbs
                                      孫抄弄=ソン・チョーロン

 初回,孫が積極的に攻めるが,脇腹がだぶつき,調整不足は明らか。対照的に絞り込んだ富樫は早くも左ジャブから右アッパーを合わせる。
 2回にもスピード不足をカバーすべく孫が体ごと預けるように攻め込むが,富樫は右ストレートからボディに左アッパーを見舞う。
 3回以降は揉み合いが多くなった。5回,富樫は孫の出バナに右アッパーをヒット。さらに左右フックからボディに左アッパーとつなげた。6回,ピッチを上げた富樫は左ジャブでリズムを掴み,アゴへの右アッパーを見舞う。
 8回,打ち合いの中で決まった右フックでぐらつく孫。富樫は左フックのボディブローから右フックをヒット。9・10回,富樫は右アッパーを再三決めてリードを広げた。

 富樫は7度目の防衛に成功。孫の荒々しい攻撃に対し,上下への打ち分けで冷静に対処していた。特に孫が出る瞬間にアゴに合わせる右アッパーが効果的。しかし,試合は平板で盛り上がりに欠けた。防衛回数を重ね,女子の第一人者としてここからどのようなステージを目指すのか,来年が正念場である。
 孫は元WBA女子世界ミニマム級の世界王者。日本のリングは今回が2度目で,2009年4月に多田悦子(フュチュール)に王座を奪われて以来となる。右ファイタータイプで左右フック,アッパーの粘っこい連打を得意としている。前回同様に腹回りに余裕があり,スピード不足を露呈した。

採点結果 富樫
主審:福地勇治 *** ***
副審:シン・キョンハ(韓国) 100 91
副審:レイ・ダンセコ(韓国) 99 91
副審:中村勝彦 99 91
参考:MAOMIE 100 90


     ○富樫:10戦9勝(4KO)1分
     ●孫:13戦11勝(3KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:藤岡奈穂子&藤村幸代
     実況:桑原学

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                      2011年11月30日(水)    後楽園ホール
                    女子東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級4位)
               ○   柴田直子     判 定     小田美佳   ●
                     (ワールドスポーツ) 106 3/4 lbs             (宮田) 107 1/2 lbs

 ともに足を使って左ジャブから立ち上がる。小田は柴田の打ち終わりにカウンターの右ストレートを決める。
 2回,柴田がピッチを上げ,右ストレートをヒット。終了間際には青コーナーで左アッパーのボディブローを打ち込んだ。3回,柴田は良く見てプレッシャーをかけ,主導権をキープ。ここでも終了間際に柴田の右ストレート,左フックがヒット。
 4回開始早々,小田が左右フック,アッパーの連打で攻勢に出る。
 一進一退の好ファイトが続くが,6回には小田が手数で上回る。柴田は右目下を腫らした。
 7回以降は柴田が再び主導権を握り,勝利につなげた。8回,小田は重い左右フックで迫るが,柴田は前に出て左右アッパーを連打。
 10回,小田が闘志を見せた。下がらずに左右フックの連打。柴田も打ち返すが,ここは小田の手数がわずかに上回った。

 激しいパンチの応酬で見応え十分の白熱戦。
 柴田は今年5月に江畑佳代子(ワタナベ)との王座決定戦で獲得した王座の初防衛に成功。粘る小田に対し,手数で上回った。右ボクサーファイターで左右アッパーのボディブロー,右ストレート,左フックなどのコンビネーションを得意としている。ここから上を狙うには相手を止めるパンチが欲しい。
 小田は1年4ヶ月ぶりの再戦で雪辱に燃えたが,柴田の連打に敗れた。左右フック,右ストレートを得意とする右ファイタータイプで,執拗に前に出て連打を展開する。

採点結果 柴田 小田
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 97 93
副審:浅尾和信 97 93
副審:吉田和敏 97 94
参考:MAOMIE 96 94


     ○柴田:9戦8勝(3KO)1敗
     ●小田:9戦3勝(1KO)5敗1分

     放送:スカイA
     解説:藤岡奈穂子&重田玲
     実況:山下剛

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                       2011年11月30日(水)    後楽園ホール
                                6回戦
                 女子東洋太平洋L・フライ級2位      タイ国女子L・フライ級(ノーランク)
                ○   江畑佳代子    判 定    マイムアン・シットクルシン   ●
                        (ワタナベ) 107 1/2 lbs                 (タイ) 107 3/4 lbs

 前後左右への軽快な動きから,江畑が左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーで先手を取った。マイムアンもがっしりした体躯から左右フックを振るが,空を切る。
 3回終了間際,江畑はワンツー,右アッパーをヒット。4回,江畑は良く動いて右ストレートをボディに。マイムアンはスタミナ切れを起こしたのか,バランスが悪くなった。
 5回はマイムアンのラウンド。不用意に出た江畑は右ストレートを食って腰が落ちる。さらに左ストレートで再び腰を落とす場面が見られた。
 6回は再び江畑が左右アッパーのボディ攻撃で主導権を奪う。動きが鈍ったマイムアンをロープに詰め,ワンツー,左右フックを浴びせる江畑。

 今年5月に柴田直子(ワールドスポーツ)との王座決定戦に敗れた江畑が再起戦を判定で飾った。軽快なフットワ−クからのワンツー,左右フックを武器に積極的に攻める。動きに乗った上下の打ち分けが特徴の右ファイタータイプ。旺盛な手数は豊富な練習量の賜物。近々再びタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。
 マイムアンはがっしりした体つきが特徴の右ファイタータイプ。左右フックの連打を得意としているが,バランスが良いとは言えず,ボクシングは未熟そのもの。

採点結果 江畑 マイムアン
主審:岡庭健 *** ***
副審:浅尾和信 60 54
副審:土屋末広 59 56
副審:吉田和敏 60 55
参考:MAOMIE 59 56


     ○江畑:7戦3勝(2KO)4敗
     ●マイムアン:5戦2勝3敗

     放送:スカイA
     解説:重田玲
     実況:桑原学

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