熱戦譜〜2011年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.08.04  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 佐藤洋太  判定  石崎義人
2011.08.04  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 渡部あきのり  KO4R  梁 正勲
2011.08.06 10回戦  李 冽理  TKO5R  福原力也
2011.08.06  東洋太平洋ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 佐藤幸治  TKO6R  氏家福太郎
2011.08.06 8回戦  岩佐亮佑   KO2R  ラスマヌディン
2011.08.06 8回戦  外園隼人  TKO5R  菊地祐輔
2011.08.06 8回戦  三浦広光  判定  松本晋太郎
2011.08.08  東洋太平洋&日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 チャーリー太田  KO6R  柴田明雄
2011.08.08  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 淵上 誠  TKO6R  細川貴之
10 2011.08.08 8回戦  椎野大輝  TKO6R  仁木一嘉
11 2011.08.10  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 井岡一翔  判定  ファン・エルナンデス
12 2011.08.10 10回戦  土屋修平  TKO9R  福原寛人
13 2011.08.12 10回戦  大場浩平  TKO8R  佐々木佳浩
14 2011.08.20  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ロッキー・フェンテス  判定  向井寛史  
15 2011.08.20 8回戦  川口勝太  TKO6R  西村 崇
16 2011.08.31  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 清水智信  判定  ウーゴ・カサレス
17 2011.08.31  WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  判定  デビッド・デラモラ
18 2011.08.31 6回戦  アンディ・オロゴン  TKO2R  野村明広

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                       2011年8月4日(木)    後楽園ホール
                      日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級4位)
               ○   佐藤洋太    判 定    石崎義人   ●
                          (協栄) 115 lbs               (真正) 114 3/4 lbs
                        WBA5位,WBC3位         石崎義人=いしざき・よしひと

 初回から軽量級らしいスピーディな展開。伸びる左ジャブでチャンスを作ろうとする佐藤。しかし,石崎は終盤に左フックからワンツーをヒットしてリードを奪う。早くも技術戦の様相。
 4回,佐藤は早いフットワークと左ジャブ,ストレートで自分の距離を保つ。中盤,鮮やかなワンツーがクリーンヒットして,一瞬石崎の膝が落ちる。クロス気味のカウンターで,佐藤が放ったこの試合のベストショットだった。
 自分から攻めたい石崎。5回,左アッパーから右ストレートをヒットするが,後続打が出ない。足で巧みに打ち気を逸らす佐藤。
 8回,佐藤はバッティングで右目上をカットするが,主導権は渡さない。9回,佐藤は左ジャブを出バナに浴びせ,終盤には石崎が出るところに右ストレートをヒットする。
 10回,石崎は得意の左アッパーを多用して迫る。左アッパーからワンツーで佐藤をロープに詰め,攻勢に出る石崎。佐藤も応戦して激しいパンチの応酬が続いた。

 佐藤は4度目の防衛に成功。翁長吾央(大橋)中広大悟(広島三栄)河野公平(ワタナベ)という日本ランクの上位を撃破している。厳しいマッチメイクに耐えて結果を出していることは高く評価されるだろう。右ボクサータイプで足を生かしたスピーディな試合運びを身上としている。うまさがある石崎を相手に最後まで決定的なリードは奪えなかったが,速いフットワークと左ジャブ,ストレートで終始自分のリズムを保っていた。世界を狙うだけの素質を備えているが,今一歩の決定力を養うことが課題になるだろう。
 石崎は神戸国際大付高から龍谷大を経て自衛隊体育学校時代に進んだアマチュア出身のテクニシャン。自体校時代に全日本社会人の王者という実績を持つ。右ボクサーファイターで左アッパー,右ストレートを得意としている。アマ仕込みのオーソドックスな試合運びが特徴。佐藤に動かれ,左ジャブで出バナを叩かれたことが敗因。動きが速い佐藤に的を絞れず,攻めあぐねる場面が目立った。攻撃力を増せば,再挑戦のチャンスが巡って来るはず。

採点結果 佐藤 石崎
主審:福地勇治 *** ***
副審:土屋末広 97 93
副審:中村勝彦 96 95
副審:杉山利夫 97 94
参考:MAOMIE (78) (74)


     ○佐藤:25戦22勝(11KO)2敗1分
     ●石崎:9戦6勝(4KO)2敗1分

     放送:TBS
     解説:佐藤修
     実況:伊藤隆佑

※ 第2・7ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2011年8月4日(木)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O   挑戦者(同級1位)
              ○   渡部あきのり   4回2分46秒    梁 正勲   ●
                        (協栄) 147 lbs                      (韓国) 145 1/4 lbs
                        日本ウェルター級チャンピオン              韓国ウェルター級チャンピオン

 パンチ力で圧倒的優位に立つ渡部が開始早々からプレッシャーをかける。右ジャブを伸ばしながら迫り,右フックを浴びせる。梁は慎重に下がりながら右ストレートを伸ばすが,渡部は左アッパーをボディに突き上げる。
 2回,梁がロープに詰めて左右のショート連打を見せるが,渡部は動じることなく右フック,ボディへの左アッパーを見舞う。右フックを受けてクリンチに出る梁。さらに左ストレートで後退。
 3回,渡部の左アッパーがボディに決まり,梁の動きが鈍る。
 4回,意を決したように積極的に攻める梁だが,これは渡部にとっては思う壺。右フック,ボディへの左アッパーで動きが鈍った梁は一転して消極的になり,クリンチが目立つようになった。必死に耐えるが,ボディを攻められて足が動かなくなり,上体が起きてしまう梁。左アッパーが鳩尾に突き刺さり,梁はたまらずしゃがみ込んでしまう。辛うじて立ち上がったものの,そのままカウントアウトされた。

 渡部は今年4月に井上庸(土浦ヤマグチ)から奪った王座の初防衛に成功。サウスポーのファイタータイプ。パンチ力の差は歴然で,韓国王者の梁に付け入る隙を全く与えなかった。相手を良く見て出バナに右フック,さらに接近してボディへの左アッパーを打ち込んで徐々に弱らせた。右フックとボディへの左アッパーが多く出ていたことが良かった。狙い過ぎず,細かいパンチを多用してチャンスを作るべき。挫折を乗り越えた今,まだまだ強くなるだろう。
 梁はタフな右ファイタータイプで右ストレートを武器にしている。しかし,渡部の強打を警戒して消極的な姿勢にならざるを得なかった。ボディ攻撃で足が止まり,強打の標的になってしまった。

     主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ),副審:アン・ビョンイル(韓国)&安部和夫
     ○渡部:27戦23勝(21KO)4敗     ●梁:9戦6勝(2KO)3敗
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:伊藤隆佑

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                         2011年8月6日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                 WBA世界S・バンタム級3位   T   K   O   日本S・フェザー級4位
                ○   李 冽理       5回2分39秒     福原力也   ●
                      (横浜光) 125 3/4 lbs                         (ワタナベ) 126 lbs

 初回から実力者同士のハイレベルな攻防が展開された。セオリー通りに左に回りながら左ジャブ,右ストレートを放つ李。前に出て右ストレートのボディブローを打つ福原。
 3回,李が前に出るが,福原はその出バナに右アッパーをヒット。さらに左フックを決める。足を使いながら攻める福原がリズムを掴んだ。
 4回,再び福原の右アッパーがヒット。李が前に出るところに動きながら巧打し,打ってはすぐに離れて李の空回りを誘う福原。左フックが決まる。中盤には李も右アッパーから右ストレートを飛ばし,福原をロープに詰めて攻勢に出る。
 5回,打っては離れる福原の動きに自分のリズムを掴めない李だが,ワンパンチで清算した。リング中央,右ストレートの相打ちは李の方が一瞬早く着弾。アゴをかするようなカウンターに福原は腰から落ちてダウン。立ち上がったものの足元が定まらず,カウントの途中で中村主審が試合をストップした。

 前世界王者・李と元日本王者・福原という好カード。劇的な結末もさることながら,駆け引きの妙も見応え十分だった。
 今年1月に下田昭文(帝拳)に敗れて世界タイトルを失った李が鮮烈なワンパンチTKOで再起第一戦を飾った。福原のクレバーな試合運びに手を焼いたが,最後に前世界王者の貫録を見せた。決め手となったのは福原の右ストレートに小さく合わせた右ショートストレート。相手の力を100%利用したカウンターで,タイミングも切れも抜群。試合後のインタビューも周囲への感謝の気持ちが溢れ,好感度抜群である。右ボクサーファイターでフットワークに乗せた左ジャブ,左右フックの釣瓶打ちもある現役ナンバーワンのテクニシャンである。
 福原は右ファイタータイプで右ストレートに強打を秘める。3連敗が許されない状況で前世界王者・李の指名に応じたことに敬意を表したい。この試合に備えて李を良く研究していたと言える。打っては離れの繰り返しで李に的を絞らせなかった。4回までの善戦は見事。一瞬のタイミングの遅れで敗れたが,再起に期待する。

     主審:中村勝彦,副審:杉山利夫&ビニー・マーチン&葛城明彦
     ○李:21戦18勝(9KO)2敗1分     ●福原:31戦24勝(18KO)6敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

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                        2011年8月6日(土)    後楽園ホール
                       東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級8位)
               ○   佐藤幸治    6回1分33秒    氏家福太郎   ●
                        (帝拳) 160 lbs                     (新日本木村) 160 lbs
                     WBA6位,WBC8位

 氏家が好調な滑り出しを見せた。変則的な動きで頭を振りながら潜り込み,単発ながらも左ジャブ,左右フックをヒット。
 良く考えて戦っている氏家だが,2回には佐藤が左右フックの連打で氏家を追い込む。
 4回に入ると佐藤がボディに焦点を絞って攻勢に出る。接近したい氏家がこのボディ攻撃によって中に入れなくなった。終盤,佐藤は左右アッパーのボディブローからロープに詰め,左右フックで嵐のような攻勢に出る。
 5回,佐藤は右フック,左アッパーのボディブローから左右フック。しかし,氏家も右ストレートをヒットして譲らない。終盤,氏家が右ストレート,左フックで佐藤をのけぞらせて攻勢に出る。
 6回,ついに佐藤の豪腕が爆発した。氏家は強烈なワンツーをヒットするが,これに反応した佐藤がパワーの差を見せつけた。青コーナーに詰めてワンツー,左右フックの猛攻。前に崩れ落ちる氏家。カウント9で再開となったが,もはや勝敗の行方が明らか。辛うじてファイティングポーズを取った氏家だが,佐藤の左右フックでロープを背にしたままストップされた。

 佐藤が豪快なTKOで3度目の防衛を飾った。序盤に氏家のクレバーな試合運びに手を焼く場面もあったが,結局はパワーの差で粉砕した。パンチの振りが大きくなったことが苦戦の原因。これで氏家が中に入りやすくなった面がある。それでも4回からボディ攻撃に切り替えて氏家の動きを封じたのはさすが。持ち味の左ジャブ,ストレートが少なかったことが反省点である。
 氏家は江口啓二(姫路木下)戦淵上誠(八王子中屋)戦に続いて3度目のタイトル挑戦だったが,善戦空しく玉砕した。右ファイタータイプで右ストレート,左フックに一発がある。佐藤の強打を避け,頭を振りながら潜り込んで左ジャブ,フックを打つなど,良く研究した痕が見られた。ときおりヒットした右ストレートは強烈だった。敗れたが,日本チャンピオンになる力は持っている。腐らず精進すれば4度目の挑戦のチャンスがあるだろう。

     主審:土屋末広,副審:杉山利夫&中村勝彦&熊崎広大
     ○佐藤:21戦20勝(18KO)1敗     ●氏家:26戦16勝(11KO)9敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:中野謙吾

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                         2011年8月6日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                    日本バンタム級4位    K      O   インドネシア バンタム級1位
                ○   岩佐亮佑     2回0分41秒     ラスマヌディン   ●
                        (セレス) 119 1/4 lbs                     (インドネシア) 117 3/4 lbs
                                                        元インドネシア バンタム級チャンピオン

 初回,右ストレートを伸ばすラスマヌディン。岩佐は落ち着いて右ジャブ,左ストレート,右フックで細かく手を出して崩しにかかる。ラスマヌディンは早くも鼻から出血。岩佐の左ストレートのボディブローが決まる。
 2回,ラスマヌディンは右ストレートを放つが,岩佐は動じることなく左アッパーを合わせる。ニュートラルコーナーに下がったラスマヌディンの顔面に左ストレート一閃。鼻血を流しながら腰から落ちてダウン。立ち上がったが,マーチン主審はそのままカウントアウトした。

 今年3月,山中慎介(帝拳)に挑戦して10回TKO負けを喫したものの逆に大きく株を上げた岩佐の再起第一戦。ラスマヌディンは弱い選手ではなかったが,落ち着いて細かいパンチで崩したのは見事。左アッパーで下がらせ,ガードの隙間に小さく入れた切れの良い左ショートストレート一発で沈めた。冷静な試合運びが光る。山中戦では敗れたものの,世界を狙える素質を十分に証明した。完全復活を果たし,今後の活躍が期待される。
 ラスマヌディンは右ボクサーファイターで右ストレートを武器としている。その右ストレートを合わせようとしたが,岩佐のプレッシャーに押されて後退する場面が続いた。

     主審:ビニー・マーチン,副審:中村勝彦&土屋末広&熊崎広大
     ○岩佐:10戦9勝(7KO)1敗     ●ラスマヌディン:17戦13勝(8KO)2敗2分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:佐藤義朗

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                         2011年8月6日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                    日本S・ライト級6位    T   K   O    日本S・ライト級9位
                ○   外園隼人      5回1分55秒     菊地祐輔   ●
                         (帝拳) 140 lbs                        (新日本仙台) 139 3/4 lbs

 右の外園,左の菊地。初回,外園は右ストレートを上下に放って前に出る。菊地は低いガードから左ストレートのカウンターを狙う。
 2回,気負いが目立つ外園に対し,菊地は左ストレートのカウンターから右フックをヒット。外園も右ストレートのボディブローを返すが,菊地は出バナに右ジャブをヒットして巧みに間合いを保つ。
 4回,タイミングの良い菊地の左ストレートのカウンターが決まる。外園も左右フックで反撃するが,再び左ストレートを受けて腰が落ちる。しかし,終盤に外園が猛烈な追い上げを見せた。右ストレートでのけぞる菊地。チャンスと見た外園は一気にスパート。左右フック,右ストレートの攻勢に菊地は防戦一方となった。
 5回,ワンツー,左右フックの連打で勝負に出る外園。ロープに詰めて一気の攻勢。右ストレート,左フックの猛追に菊地はたまらず膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がったが,外園のラッシュに足元がふらつき,クリンチに逃れるのが精一杯。外園は攻撃の手を緩めず,最後は右アッパーで2度目のダウンを奪う。葛城主審はノーカウントで試合をストップした。

 日本ランカー同士の好ファイトになった。外園がパワーの差で打ち勝ったが,狙い過ぎて出バナにカウンターをもらう場面が目立ったことは反省点だろう。ファイターに近い右ボクサーファイターで182cmの長身はこのクラスでも稀有。右ストレート,左右フックを武器に積極的な攻撃を展開する。狙い過ぎず,細かく手を出しながら攻めることが必要。
 菊地は左ボクサータイプ。リーチを生かした左ストレートを得意としている。相手の出バナに合わせるカウンターの左はタイミングが良い。気負いが目立つ外園に再三カウンターを決めたが,最後は外園の積極的な攻撃にパワー負けした。

     主審:葛城明彦,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&熊崎広大
     ○外園:16戦13勝(6KO)2敗1分     ●菊地:12戦9勝(3KO)3敗
     放送:G+     解説:なし     実況:佐藤義朗

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                      2011年8月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本S・ミドル級(ノーランク)       日本S・ミドル級(ノーランク)
                ○   三浦広光    判 定    松本晋太郎   ●
                        (帝拳) 169 1/2 lbs             (ヨネクラ) 169 1/2 lbs

 総合格闘技出身の三浦,拓大でアマ全日本王者の実績を持つ松本という最重量級屈指の好カード。初回から迫力満点のパンチの応酬になった。小刻みな出入りから積極的に攻めたのは三浦。右クロスからの左フックが決まり,松本はバランスを早くも崩す。
 2回,今度は松本が前に出て左アッパーのボディブロー,右アッパー,ストレートをヒット。しかし上背で劣る三浦は動きながら左フック,右ストレートで応戦。終盤には青コーナーに詰めて攻勢に出る。松本は左目上をカット(三浦の有効打による傷)。
 4回には松本が体格差を利して左アッパーのボディブローで押し込むが,5回終了間際,三浦の右ストレートで松本がぐらつく。
 7回は松本。接近戦で揉み合うような打ち合いになるが,松本の左右フックが回転し,ひるんだ三浦がクリンチでこのピンチを逃れる場面があった。
 8回,上体を振り,左フックをヒットして松本をぐらつかせる三浦。松本も応戦するが,三浦の左フックが再三決まる。しかし,ブレイク後のパンチで三浦は減点された。

 出入りを利用して先手で攻めた三浦に軍配が上がった。このクラスで身長176cmは大きい部類ではないが,右ファイタータイプでがっしりした上体から放たれる左フック,右ストレートを武器としている。パワフルな攻撃が売り物だが,力任せではなく,出入りのスピードがあることが長所。中盤からその出入りが鈍って攻め込まれたが,最終回で取り戻した。最重量級では貴重なタレントである。
 松本は182cmという長身から繰り出すワンツー,左アッパーのボディブローを得意とする右ボクサーファイター。アマ出身らしく基本に忠実な組立てが特徴である。スピードを生かした三浦の攻撃で後手に回ったことが敗因。

採点結果 三浦 松本
主審:杉山利夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 79 73
副審:中村勝彦 77 75
副審:葛城明彦 77 74
参考:MAOMIE 77 74


     ○三浦:7戦7勝(3KO)
     ●松本:7戦6勝(5KO)1敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:辻岡義堂

※ 第8ラウンド,ブレイク後の加撃によって三浦は減点1。

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                         2011年8月8日(月)    後楽園ホール
                    東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン      T   K   O  挑戦者(OPBF&日本1位)
               ○   チャーリー太田    6回1分53秒     柴田明雄   ●
                      (八王子中屋) 153 3/4 lbs                   (ワタナベ) 154 lbs
                      WBA7位

 初回,オープニングブローは柴田の右ストレート。足でチャーリーとの間合いを保ちながら左ジャブを上下に見舞い,好調な立ち上がりを見せた。
 チャーリーは強引に距離を詰めにかかるが,柴田の足にかわされ,左ジャブで出バナを叩かれる場面が目立った。
 3回,チャーリーは接近して細かい左右フックを浴びせるが,5回は再び柴田。フットワークで変わり身の速いところを見せた柴田はチャーリーの出バナに左ジャブを多用し,ワンツーをヒット。
 しかし,6回開始早々,一瞬の隙を突かれ,右ストレートを打ち込まれた柴田の動きが止まる。一気に襲い掛かかったチャーリーは柴田をニュートラルコーナーに詰めて右ストレート,左右フック,ボディへの左アッパーを見舞う。必死に耐える柴田だが,ロープを背にワンツーを浴びて膝から崩れ落ちるようにダウン。立ち上がったが,再びロープに詰まって右ストレートで膝が落ちる。さらにフォローの右ストレートで2度目のダウン。左目上から出血した柴田は足でかわそうとするが,ロープに詰まって左右フックを浴びたところで福地主審が割って入った。

 柴田の速いフットワークと左ジャブに苦戦したチャーリーだが,最後はパンチ力の差で清算した。これで東洋太平洋王座は5度目,日本王座は4度目の防衛となった。なかなかボディブローが出ず,柴田の動きを止められなかったことが苦戦の原因。上ばかり狙わず,ボディブローを交えて攻めることが必要だろう。
 返り咲きに失敗した柴田は右ボクサータイプの技巧派。昨年3月の第一戦と同様にリードしながらも悔いの残る結果となった。正面からの打ち合いを避けて足で掻き回し,左ジャブで徹底的に出バナを叩く作戦には間違いがなかったが,6回に一瞬の隙を突かれた。

5回までの採点 チャーリー 柴田
主審:福地勇治 *** ***
副審:中村勝彦 48 47
副審:土屋末広 48 47
副審:ウクリッド・サラサス 48 48
参考:MAOMIE 46 49


     ○チャーリー:20戦18勝(13KO)1敗1分
     ●柴田:24戦16勝(8KO)7敗1分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:森昭一郎

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                       2011年8月8日(月)    後楽園ホール
                        日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級4位)
                ○   淵上 誠    6回2分07秒    細川貴之   ●
                      (八王子中屋) 157 1/2 lbs               (六島) 158 3/4 lbs

 変則的な動きを特徴とするサウスポー同士の対戦。前に出る細川が右フックのボディブローをヒット。淵上は右にサークリングしながら右ジャブで牽制する。
 2回,淵上が主導権を握った。上下に右ジャブを打ち分け,左ストレートを浴びせて積極的に攻め込む。このプレッシャーに細川が下がり始めた。
 4回,上下にパンチを散らして積極的に攻める淵上。右のフェイントから踏み込んで放った左ストレートがアゴを捉えれば,細川は腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がった細川はこのピンチをクリンチで凌いだ。
 5回,淵上は左ストレート,フックでボディを攻める。この攻撃が効いたか,後手に回る細川。
 6回,波に乗る淵上は細川をロープに詰め,ボディ,顔面に左フックを見舞う。ボディブローが効いた細川の動きが鈍る。左ストレートでぐらつかせた淵上が左右フックを浴びせたところで吉田主審が試合をストップした。

 淵上がしぶとい細川をTKOで破り,3度目の防衛に成功した。序盤はやや手間取ったが,パンチを上下に散らして徐々に細川の動きを鈍らせたことが奏功した。独特のリズムから放つ左ストレートに威力がある。これで7連勝(うち6KO)という好調ぶりで,安定政権を築きつつある。東洋太平洋王者・佐藤幸治(帝拳)との対戦が俄かにクローズアップされてきた。試合後のインタビューにおけるスポーツマンらしく誠実な対応は好感度抜群。
 細川は左のファイタータイプ。変則的なボクシングが身上で左ストレート,左右フックを得意としている。前に出ながら好スタートを切ったが,ボディブローを交えた淵上の積極的な攻撃を受けて後手に回ったことが敗因。

5回までの採点 淵上 細川
主審:吉田和敏 *** ***
副審:土屋末広 49 45
副審:福地勇治 48 46
副審:ウクリッド・サラサス 49 46
参考:MAOMIE 49 45


     ○淵上:23戦17勝(8KO)6敗
     ●細川:30戦18勝(4KO)9敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:立本信吾

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                           2011年8月8日(月)    後楽園ホール
                                  8回戦
                    日本バンタム級5位    T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   椎野大輝      6回2分49秒     仁木一嘉   ●
                         (三迫) 122 lbs                         (FUKUOKA) 122 lbs
                   椎野大輝=しいの・ひろき

 接近戦を狙う仁木。椎野は間合いを取り,低いガードから左ジャブを突く。
 3回,椎野はフェイントをかけながら突き刺すような左ジャブをヒット。さらに右ストレート,左右フックを浴びせる。2分過ぎ,誘いの左ジャブから狙い澄ましたような右アッパーをアゴに突き上げる。見事なカウンターを受けた仁木はたまらず横転。カウント9で再開に応じたが,足元がふらつく。
 5回,椎野はバッティングで右側頭部をカットしてドクターチェックを受けるが,優位は動かない。仁木は捨て身の左右フックで食い下がるが,椎野は再三右アッパーを合わせた。
 6回2分過ぎ,右アッパー,フックで足元をふらつかせた仁木は青コーナー付近のロープに詰まる。リング中央で右アッパーがヒット。このパンチで仁木がのけぞったところで中村主審が試合をストップした。ダメージの蓄積が明白であり,中村主審の処置は妥当だった。

 アマチュア(東洋大)で鳴らした椎野が実力の差を見せつけた快勝。右ボクサーファイターで目と勘の良さが光る。相手を良く見ながら左ジャブでチャンスを掴み,右ストレート,フック,左右アッパーを狙い打ちする。どのパンチもシャープで威力がある。今夜は仁木が出てくるところに右アッパーを多用していた。3回に鮮やかなダウンを奪ったのもストップに持ち込んだのも右アッパー。やや狙い過ぎる面があるが,今後上位と対戦した場合に読まれてしまう危険はある。上へのパンチが多いので,ボディブローを交えて上下に散らすことを心掛けたい。日本タイトル挑戦は十分射程圏内にある。
 仁木は右ファイタータイプ。捨て者の左右フックで勇猛に戦ったが,動きを読まれて完敗。的確なパンチを浴びてダメージを積み重ねたことが響いた。

     主審:中村勝彦,副審:飯田徹也&福地勇治&吉田和敏
     ○椎野:7戦6勝(5KO)1敗     ●仁木:34戦27勝(15KO)6敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                      2011年8月10日(水)    後楽園ホール
                      WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級1位)
               ○   井岡一翔    判 定    ファン・エルナンデス   ●
                       (井岡) 104 1/2 lbs              (メキシコ) 104 1/2 lbs

 初回,まずリードを奪ったのはエルナンデス。軽快なフットワークで良く動き,左ジャブ,ワンツー,左アッパー。サウスポーにスイッチしたところから放ったエルナンデスの左ストレートを受け,井岡が大きくバランスを崩す場面が見られた。井岡も応戦するが,エルナンデスは巧みなウィービング,ダッキングでかわし,ワンツー,左アッパーを浴びせる。
 しかし,2回に入ると井岡も落ち着きを取り戻した。待っていると左右フックが飛んでくるが,井岡は左フックをヒット。さらにロープに詰め,左右アッパーのボディブローから右ストレートを決めてエルナンデスをのけぞらせた。
 4回開始早々,井岡のワンツーがクリーンヒット。攻め込むところに左フックを食うが,構わず攻勢に出る井岡。終盤には右ストレートのボディブローを見舞う。
 7回,井岡は積極的にプレッシャーをかけて距離を詰める。エルナンデスをロープに詰め,左右アッパーのボディブローから右ストレートを決める。
 8回,鼻血を流したエルナンデスは開始ゴングが鳴っているのにコーナーから出るのが遅れる。試合の主導権は井岡の手中に収まった。1分過ぎ,右アッパーを受けて鼻からの出血を増したエルナンデスは集中力を欠いて弱気の姿勢を見せる。チャンスと見た井岡は一気に攻勢。9回にもエルナンデスにコーナーからの出遅れがあった。
 10回,このままでは不利と見たエルナンデスが逆転を狙って前に出る。誘うように下がる井岡だが,この回はリードを許した。井岡は右目上をカット(エルナンデスの有効打による傷)。
 しかし,11・12回は再び井岡が左アッパーのボディブローを中心にプレッシャーを強める。左右アッパーのボディブロー,右ストレートの攻勢にエルナンデスは動きが鈍り,クリンチに出た。

 井岡は初防衛に成功。トップコンテンダーのエルナンデスを鋭いコンビネーションブローで圧倒した価値ある勝利である。序盤はエルナンデスの速い動きと多彩なパンチに戸惑ったが,ボディ攻撃で徐々に足を止めたことが終盤に生きた。このボディブローを序盤からもう少し多く出していればKO防衛も可能だったはず。狙い過ぎず,手数を多くすることが課題である。
 エルナンデスは右ボクサータイプで軽快なフットワークに乗せて放つ左フック,アッパー,ワンツーを武器としている。相手が打ち気に出ると足でかわし,待っていると多彩なコンビネーションブローを飛ばして積極的に試合を作る。KO率の高さが目を引くが,スラッガーではなく試合巧者の部類である。パンチは左右ともにシャープで目と勘の良さがある。ただし,ボディを攻められて動きが止まり,中盤以降に弱気な面が見られた。

採点結果 井岡 エルナンデス
主審:マルコム・ブルナー(豪州) *** ***
副審:グレン・リック・クロッカー(米国) 116 112
副審:ヒューバート・ミン(米国) 117 111
副審:バーニー・マクマホン(豪州) 118 111
参考:MAOMIE 117 111


     ○井岡:8戦8勝(5KO)
     ●エルナンデス:20戦18勝(13KO)2敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

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                         2011年8月10日(水)    後楽園ホール
                                 10回戦
                    日本ライト級10位    T   K  O    日本S・フェザー級10位
                ○   土屋修平     9回2分09秒     福原寛人  ●
                        (角海老宝石) 135 lbs                      (江見) 135 lbs

 開始早々からスリリングな試合になった。気迫十分の表情で右ストレートを打ち込んだのは福原。土屋も右ストレートのカウンターで応戦するが,右ストレートでバランスを崩す。しかし終了間際,相打ちの右ストレートが顔面に決まる。紙一重のカウンターに福原は思わずキャンバスに右グラブを触れてしまい,ダウンを奪われた(カウント8)。土屋も右目上をカットするハンデを負う(福原の有効打による傷)。
 2回終盤,逆に福原が右ストレートのカウンターを打ち込む。3回終盤,今度はリング中央で土屋の右ストレート,左フックから右アッパーが炸裂し,ぐらついて棒立ちになった福原はクリンチに逃れた。
 4回,慎重に戦いながらも虎視眈眈とチャンスを狙う福原。オールKO勝ちの土屋を相手に,その気持ちは一歩も引いていない。土屋をロ−プに詰め,右ストレートから左右フックの連打で攻勢。スリリングな好ファイトに盛り上がる。
 6回以降はむしろ福原が優位に立った。7回,相打ちの右ストレートから接近戦で右フックを見舞う。ここがヤマ場と見た福原はニュートラルコーナーに土屋を押し込んで左右フックをふるう。
 しかし,9回,再び土屋の強打が爆発した。中盤,左を打とうと踏み込む福原のアゴに左フックのカウンターが決まる。腰が落ち,足がもつれる福原。大きくバランスを崩してロープ際に後退する福原を追って右ストレートをフォローすれば,福原は崩れ落ちるようにダウン(カウント9)。ファイティングポーズを取ったが,左右フック,アッパーの乱打に福地主審はためらわず試合をストップした。

 一瞬も息が抜けないスリリングな展開で,素晴らしい試合になった。
 期待のハードパンチャー土屋は11連続KO勝ちで面目を保ったが,福原の想像以上の抵抗に大苦戦。あわやという場面もあった。右ファイタータイプで,瞬発力と体のバネには日本人離れしている。力任せのパンチャーではなく,カウンターのタイミングに天性のものがある。ただし,上へのパンチに偏っていることが欠点。今夜のように長期戦になった場合,ボディブローが後半に向けての貯金になる。もう少しボディを打っていれば,福原の動きを止められただろう。苦しみながらフルラウンドに近いところまで戦ったことは今後の糧になるはず。
 土屋が何ラウンドでKOするかだけが興味の的だった試合。終盤まで縺れてこれほど盛り上がったのは福原の頑張りの賜物以外の何物でもない。右ファイタータイプで,打ち終わりに放つ右ストレート,左右フックで大いに土屋を苦しめた。『期待のホープを食ってやろう』という意欲が充満した素晴らしい試合ぶりに脱帽である。土屋の強打を警戒して慎重になりながらも,気持ちで負けなかったのは立派の一語に尽きる。

8回までの採点 土屋 福原
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 76 75
副審:中村勝彦 77 75
副審:浅尾和信 77 75
参考:MAOMIE (66) (66)


     ○土屋:11戦11勝(11KO)
     ●福原:26戦13勝(5KO)5敗8分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&内藤大助
     実況:土井敏之

※ 第5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2011年8月12日(金)    神戸市立中央体育館
                                   10回戦
                  WBC世界バンタム級14位    T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   大場浩平        8回2分57秒     佐々木佳浩   ●
                        (真正) 120 lbs                           (グリーンツダ) 120 1/4 lbs

 初回から強引に打って出る佐々木。大場は左ジャブからボディへの左アッパーを多用。
 3回,佐々木はヘディングで減点される。大場は冷静に左ジャブ,フック,ボディへの左アッパーで対処。さらにワンツーを浴びせて要所を締める。4回,佐々木は首を抱えて投げ飛ばそうとして坂本主審から注意を受ける。さらにラビットパンチで再び減点された。
 6回,大場を投げ飛ばし,実に3度目の減点を食う佐々木。シラケムードが漂う会場。大場は左右アッパーをボディに。
 盛り上がらない試合は8回に幕が下りた。佐々木は突っかかって自ら倒れ込み,ラビットパンチで注意を受ける。2分40秒過ぎ,左ジャブ,フックからボディに打ち込んだ左アッパーが効いた佐々木は動きが鈍くなる。左右の連打を浴びせて攻勢に出る大場。苦しくなった佐々木はクリンチに逃れ,後退が目立つ。大場が左右フック,アッパーを浴びせたところで坂本主審が試合をストップした。

 大場が大一スペースKジムから真正ジムへの移籍第一戦をTKOで飾った。左ジャブ,フックからボディへの左アッパーを多用し,さらに左右アッパーを浴びせ続けた。佐々木のラフなボクシングに会心のKO勝利とは行かなかったが,最後まで冷静さを失わなかったのは立派。ボディ攻撃が徐々に佐々木の動きを鈍らせた。帝拳との太いパイプを持つ真正ジムに移籍したことにより,念願の世界挑戦のチャンスがあるかも知れない。
 佐々木は右ファイタータイプで変則的な攻撃を見せる。正攻法では勝ち目がないと見て強引な仕掛けで迫ったが,反則行為で3度も減点されたことは猛省すべきだろう。冷静さを欠いて自滅した印象が強い。

     主審:坂本相悟,副審:半田隆基&宮崎久利&原田武夫
     ○大場:31戦29勝(12KO)1敗1分     ●佐々木:16戦7勝(3KO)7敗2分
     放送:BS日テレ     解説:六車卓也     ゲスト:長谷川穂積     実況:田中毅

※ 第5・7ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。
※ 第3ラウンドのヘディング,第4ラウンドのラビットパンチ,第6ラウンドのレスリング行為による佐々木の減点1を含む採点。

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                    2011年8月20日(土)    大阪:住吉区民センター
                      東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(WBC10位)
              ○   ロッキー・フェンテス    判 定     向井寛史   ●
                       (比国) 112 lbs                    (六島) 112 lbs
                      WBA9位,WBC6位            WBA14位   向井寛史=むかい・ひろふみ

 サウスポーの向井が好調な滑り出しを見せた。右ジャブから左ストレートで積極的にパンチを出してリードする。フェンテスの右ストレートもヒット。
 しかし,向井が良かったのは初回だけ。2回に入るとフェンテスが向井の動きを止めるべく,強引にロープに押し込み,右ストレート,左右フックをボディに集める。
 中盤に入ってもこの流れは変わらない。直線的に下がる向井はロープに押し込まれ,ボディを連打されてジリ貧に陥った。向井は6回に左ストレート,7回に右フックをヒットするが,単発のために押し返すだけの威力はなかった。
 9回,執拗なボディブローで向井は守勢が目立ち,左フックでぐらつく。11回,フェンテスは再び左フックでぐらついた向井をロープに詰め,左右フック,右ストレートを連打する。12回,立っているのが精一杯の向井。ロープ,コーナーに押し込んで左右フック,アッパーを執拗に連打するフェンテス。

 フェンテスは4度目の防衛に成功。キャリアの差を見せつけ,向井を圧倒した。執拗なボディ攻撃で向井につけ入る隙を与えなかった。右ファイタータイプで右ストレート,左右フックの連打を得意としている。160cmという小柄だが,リーチは長く見える。
 初挑戦の向井はサウスポーのボクサータイプ。南京都高→日大というコースを歩んだアマチュア出身者である。左ストレートに伸びがあるが,パンチ力は今一つという印象。ストレート主体のきれいなボクシングが特徴だが,直線的に下がって簡単に押し込まれたことが敗因。攻撃も単調で手数が少なく,勢いのあるフェンテスを止めるだけの威力がなかった。キャリアの浅いところを露呈し,完敗。回り込んだり,カウンターで前進を止めるようなことを身につけるべきだろう。

採点結果 フェンテス 向井
主審:林準培(韓国) 118 111
副審:野田昌宏 118 110
副審:アーネル・パッション(比国) 117 111
参考:MAOMIE 119 109


     ○フェンテス:36戦28勝(17KO)6敗2分
     ●向井:6戦5勝1敗
     放送:スカイA
     解説:徳山昌守&浅沢英
     実況:寺西裕一

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                     2011年8月20日(土)    大阪:住吉区民センター
                                8回戦
                 日本S・フライ級(ノーランク)   T   K  O    日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   川口勝太     6回1分49秒     西村 崇   ●
                        (六島) 114 lbs                         (ヨシヤマ) 114 lbs

 初回から中間距離での鋭いパンチの応酬が展開された。伸びがあって威力十分の左ジャブ,右ストレートを浴びせる川口。西村も終了間際に左フックをヒット。
 2回,川口の左ジャブ,右ストレート,左フックが再三ヒットする。西村は右目上をカットした(川口の有効打による傷)。
 4回,小気味の良いパンチを回転させて西村をぐらつかせる川口。川口はボディにもパンチを散らして完全に主導権を握った。
 6回,川口の左ジャブ,右ストレート。西村も左ジャブからボディへの左フックを返すが,中盤,ボディへの左アッパーで上体を丸めて苦しくなる。一気に攻勢に出る川口。ニュートラルコーナーで右ストレートを浴びせたところで川上主審が試合をストップした。

 川口が1年前に破っている西村を返り討ちにした。鋭い左ジャブを多用し,中間距離での右ストレート,左フックで圧倒した。4回から見せたボディブローも動きを止める効果につながった。正面に立ってガードが下がる欠点がある。これは要注意。右ボクサーファイターで,パンチは左右ともに低いKO率以上の威力がある。
 西村は右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレート,左フックを得意としている。こちらもパンチに切れがあるが,川口の鋭いコンビネーションブローを浴びて徐々にスローダウンした。

     主審:川上淳,副審:坂本相悟&原田武夫&宮崎久利
     ○川口:15戦11勝(3KO)3敗1分     ●西村:16戦7勝(1KO)8敗1分
     放送:スカイA     解説:浅沢英     実況:桑原学

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                      2011年8月31日(水)    日本武道館
                    WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級7位)          チャンピオン
                ○   清水智信    判 定    ウーゴ・カサレス   ●
                        (金子) 115 lbs                (メキシコ) 115 lbs

 清水が好調な滑り出しを見せた。バッティングで右目上をカットするが,左ジャブから右ストレートで先に手を出してリードを奪う。2回,清水は右ストレートのボディブロー。カサレスが大きなパンチを振るところに右ストレートをヒットする。
 3回,カサレスは左にスイッチして右からのワンツーをヒット。しかし,中盤からは中間距離から放つ清水の左ジャブが小気味よく決まった。
 4回,リードされたと見たか,カサレスが激しく距離を詰めにかかる。左にスイッチし,フェイントをかけながらプレッシャーをかける。6回にはかなり強引に出て,サウスポースタイルから左右アッパー,フックの手数で上回るカサレス。清水も接近して右アッパーのボディブローで応戦。後半にスローダウンする傾向があるカサレスだけに,これは良い作戦だった。7回,相変わらずの強引なプレスで迫るカサレス。左フック,アッパー,右フックの攻勢にやや後手に回る清水。
 カサレスの強引な攻撃で主導権を奪われそうになった清水だが,8回に入ると再び優位に立った。勝負に出たかのように激しく攻め立てるカサレスを迎え撃ち,右ストレートから左右アッパーのボディブローを連打して押し返す。9回には軽く足を使って左ジャブを小気味良く決め,リズムを取り戻した。
 10回は清水にとってこの試合のベストラウンドとなった。カサレスの出バナに右ストレートに続く左フックが鮮やかに決まる。このパンチでぐらつくカサレス。終盤にも清水の右ストレートがクリーンヒットした。
 11回,序盤はカサレスが攻勢に出るが,清水も負けてはいない。左ジャブを多用してプレッシャーをかければ,今度はカサレスが後退を始めた。清水の右ストレートがヒットする。
 12回,右ストレートのカウンターでバランスを崩すカサレス。カサレスは左右フックで応戦するが,清水も左ジャブを浴びせて譲らず。

 清水が3度目の挑戦で悲願の世界タイトルを手にした。中盤にカサレスの圧力で主導権を奪われかけたが,8回以降再び左ジャブを多用した強気の攻めで押し返したことが勝因。見事な気迫と執念である。接近戦を挑んで左右アッパーのボディブローを連打したが,これもカサレスの出足を止める効果があった。東洋大からプロ入りしたアマチュア出身の右ボクサータイプ。左ジャブ,ワンツー主体のオーソドックスな試合運びを見せる。
 カサレスは4度目の防衛に失敗。右に左にと目まぐるしくスイッチする老獪なファイタータイプ。手数を多くして果敢に攻めたが,清水の左ジャブあるいは右ストレートで出バナを叩かれた。

採点結果 清水 カサレス
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:リカルド・ドゥンカン(パナマ) 115 113
副審:カルロス・スクレ(ベネズエラ) 114 115
副審:ラウル・カイズ・ジュニア(米国) 115 113
参考:MAOMIE 116 113


     ○清水:23戦19勝(9KO)3敗1分
     ●カサレス:44戦35勝(25KO)7敗2分

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                       2011年8月31日(水)    日本武道館
                      WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン            挑戦者(同級8位)
                ○   亀田興毅    判 定    デビッド・デラモラ   ●
                         (亀田) 118 lbs                (メキシコ) 118 lbs

 初回,亀田はデラモラの動きを見て右ジャブ,フック,左ストレートを放つ。デラモラは左右ショートフックで応戦。終了間際,亀田は左ストレートのボディブローからロープに詰めて攻勢に出る。2回終了間際には亀田の左ストレートのカウンターがヒット。
 3回,デラモラが攻勢に出る。右ストレート,左右フックの連打で亀田をロープに詰める。亀田は左目上をカット(デラモラの有効打による傷)。しかし,デラモラが勢い込んで攻めたところに亀田の左ショートストレートがヒット。このカウンターでデラモラはもんどり打ってダウン(カウント8)。亀田,攻勢。
 スピーディなコンビネーションで好調をアピールした亀田だが,良かったのはここまで、中盤以降は狙い過ぎたか手数が減り,逆にデラモラの積極的な攻撃が目立った。6・7回,右ストレート,左右アッパーの連打を見せるデラモラ。亀田がボディ連打に出るとやや消極的なところを見せる。
 終盤の亀田は打ち終わりを狙っているのか,手数が少ない。ガードの上からでも積極的にパンチを浴びせるデラモラにポイントが流れた。12回終了間際,ようやく攻勢に出る亀田。

 亀田は2度目の防衛に成功したが,全く盛り上がらない凡戦。序盤からスピードの差を見せ,3回には鮮やかなカウンターでダウンを奪って楽勝ムードさえ漂っていた。しかし,狙い過ぎて手数が減り,付け入る隙を与えてしまった。打ち終わりに合わせるパンチにうまさを見せたが,後続打が出ないことが目立つ。
 デラモラは右ボクサーファイター。パンチ力は今一つだが,旺盛な手数を身上としている。右ストレート,左右フック,アッパーなどの連打が売り物。亀田の手数が減ったことに乗じて先手の攻撃で苦しめた。

採点結果 亀田 デラモラ
主審:ラウル・カイズ・ジュニア(米国) *** ***
副審:リカルド・ドゥンカン(パナマ) 114 113
副審:カルロス・スクレ(ベネズエラ) 115 113
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 115 112
参考:MAOMIE 116 113


     ○亀田:27戦26勝(16KO)1敗
     ●デラモラ:24戦23勝(16KO)1敗

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                          2011年8月31日(水)    日本武道館
                                  6回戦
                   日本S・ミドル級(ノーランク)   T   K  O   日本S・ミドル級(ノーランク)
                ○   アンディ・オロゴン    2回1分36秒    野村明広   ●
                          (平仲BS) 163 lbs                      (広拳) 162 3/4 lbs

 初回,慎重なオロゴンに対し,野村は左ジャブ,右ストレートで積極的に攻める。様子見のオロゴンも左アッパーのボディブローをひとつ。
 2回,野村の左ジャブ,ワンツーに対し,オロゴンもワンツーで応戦。1分過ぎ,右ストレートをヒットしたオロゴンが右ストレート,左右アッパーで一気の攻勢。アゴへの右アッパーで野村は棒立ちで防戦一方。右ストレートに次ぐ左フックにロープ際で腰から落ちたところで福地主審がすぐさま試合をストップした。

 オロゴンが圧勝でデビュー戦を飾った。初回こそ手数が少なかったが,2回に右ストレートでチャンスを掴んでからは一気の攻勢で攻め落とした。スピードはないが,右ストレートを中心にパンチは多彩。上下への打ち分けができていることは強味である。まずは見事なデビューと言って良いだろう。
 野村は積極的に攻めたが,スピード不足。オロゴンのパンチを浴びてからは横を向いてしまい,防戦一方となった。左ジャブ,右ストレート主体の基本に忠実な右ボクサーファイター。

     主審:福地勇治,副審:杉山利夫&土屋末広&浅尾和信
     ○オロゴン:1戦1勝(1KO)     ●野村:2戦1敗1分
     放送:TBSチャンネル     解説:佐藤修     実況:杉山真也

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