熱戦譜〜2011年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.06.04  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 五十嵐俊幸  8R負傷判定  吉田拳畤
2011.06.04 10回戦  亀海喜寛  KO2R  ジョエル・デラ・クルス
2011.06.04 8回戦  鈴木武蔵  判定  屋富祖裕信
2011.06.13  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 荒川仁人  TKO4R  生田真敬
2011.06.13  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 淵上 誠  TKO5R終了  田島秀哲
2011.06.13 6回戦  戸部洋平  KO2R  ワンディ・シンワンチャー
2011.06.17 8回戦  和宇慶勇二  KO2R  ペットスリヤ・ルークサイコンディン
2011.06.17 8回戦  船井龍一  判定  古橋大輔
2011.06.17 8回戦  ウォーズ・カツマタ  KO1R  角谷淳志
10 2011.06.17 8回戦  山崎武人  判定  矢板貴行
11 2011.06.25  WBC世界ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 ウンベルト・ソト  11R負傷判定  佐々木基樹

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                     2011年6月4日(土)    後楽園ホール
                      日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン     負 傷 判 定   挑戦者(同級1位)
            ○   五十嵐俊幸   8回1分14秒    吉田拳畤   ●
                     (帝拳) 112 lbs                  (ワタナベ) 111 3/4 lbs
                 WBA3位,WBC3位

 左の正統派・五十嵐,右の変則・吉田という対照的な両者の対戦。ジャブでともに牽制しながら戦う。2回,例によって吉田は突っ込むが,五十嵐は右に回り込んで右フックを引っかけ,ボディに左アッパーをヒット。五十嵐はバッティングで右目上をカット。負傷判定を意識した吉田は3回,激しく迫って乱打戦に持ち込もうとするが,五十嵐はボディへの左ストレートから右フックをヒット。
 4回,今度は吉田の左フックが決まる。揉み合いのような展開が続くが,これは吉田の土俵。
 5回以降も縺れ合うような打合いが続くが,有効打は五十嵐の方がやや多い。6回,五十嵐は接近戦で左右フックからボディへの左右アッパー。ロープを背にした吉田も右アッパーを返した。7回,吉田の右アッパーがヒット。体を密着させ,揉み合いのような乱打戦が続いた。
 8回,五十嵐の右目上,吉田の左目上の傷により相次いでドクターチェックのために中断(いずれもバッティング)。体で押し込むようにして接近戦で左右アッパーをボディに連打する五十嵐。ここで再びバッティングが発生し,激しい痛みに思わず倒れ込む吉田。今度は吉田の額が割れて激しく出血。ドクターチェックの結果,続行不能となって試合がストップされた。

 五十嵐は初防衛に成功。ラフファイトを得意とする吉田に付き合い,中盤からは揉み合いのような乱打戦になった。今夜は縺れても対応できることを証明したが,やはり持ち味のストレート系のパンチを生かし,フットワークに乗せたアウトボクシングで勝負すべきだろう。世界上位にランクされ,上り調子。アテネ五輪代表からプロ入りし,最近はすっかり逞しくなった。楽しみな存在である。
 元王者・吉田は変則ラフファイトが売り物の右ファイタータイプ。王座返り咲きを狙って気合十分だったが,五十嵐のスピードに屈した。接近戦で右アッパーを狙うなど,五十嵐をかなり研究した痕跡が見えた。健闘が光る。

8回までの採点 五十嵐 吉田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:ビニー・マーチン 78 77
副審:土屋末広 76 76
副審:安部和夫 78 77
参考:MAOMIE 78 75


     ○五十嵐:16戦14勝(10KO)1敗1分
     ●吉田:28戦17勝(5KO)10敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                           2011年6月4日(土)    後楽園ホール
                                   10回戦
                WBA・WBC世界S・ライト級12位   K      O     比国ウェルター級3位
                ○   亀海喜寛       2回2分05秒    ジョエル・デラ・クルス   ●
                        (帝拳) 145 3/4 lbs                           (比国) 142 1/4 lbs

 格下相手とあって,開始早々から呑んでかかる亀海。両グラブで顔を覆った覗き見スタイルから,トリッキーな動きを入れてプレッシャーをかけた。単発ながらも右ストレート,左ジャブ,右アッパーを当てて早くもリードを奪う。
 2回,試合は呆気なく決まった。クルスも左ジャブ,右ストレートで応戦するが,亀海が飛び込みざまに放った左フックがアゴに炸裂。このワンパンチで大きく腰が砕けたクルスはロープの間からエプロンに尻から落ちる。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 世界を狙う亀海が圧巻のワンパンチKOを披露した。実力差があり過ぎて本領を発揮する前に終わってしまったが,右ストレート,左フック,ボディへの左アッパーなど,どれでも倒せる威力がある。難しいクラスではあるが,パンチ力に加えて抜群のテクニックがあるだけに,期待は十分。
 クルスは元比国スーパーフェザー級王者という実績を持つ。178cmという長身の右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを得意としている。柔軟な上体が特徴である。しかし下のクラスから上がっただけに,ウェルター級のウェイトで亀海と向かい合うと体格的に見劣りがした。

     主審:杉山利夫,副審:安部和夫&葛城明彦&中村勝彦
     ○亀海:18戦18勝(16KO)     ●クルス:28戦15勝(6KO)11敗2分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:高橋雄一

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                   2011年6月4日(土)    後楽園ホール
                            8回戦
                日本フライ級(ノーランク)       東洋太平洋フライ級11位
              ○   鈴木武蔵    判 定    屋富祖裕信   ●
                      (帝拳) 112 lbs                (琉球) 112 lbs
                                     屋富祖裕信=やふそ・ゆうしん

 初回,サウスポーの鈴木が軽快な動きから左右フックをボディに見舞う。6連続KO勝利でパンチ力に自信を持つ屋富祖も右フック,ストレートを上下に放って応戦するが,バッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受ける。
 2・3回,鈴木が手数でリードを奪った。タイミングの良い左ストレート,右アッパーあるいはボディへの右フックで屋富祖は後手に回る。
 待っていては不利と見た屋富祖は4回に積極的な攻撃でリズムを掴みかけたが,長く続かない。
 5回には屋富祖の左アッパーが鈴木のアゴを捉えるが,青コーナーで膝を落としたところで鈴木が攻勢に出た。屋富祖は動きが鈍り,鈴木の左ストレート,右フックが的確にヒットした。
 6回,鈴木の左ストレート,右フック,アッパーが回転する。左フックでよろめいた屋富祖は動きが鈍って後退。鈴木が一気に攻勢に出た。
 7・8回も積極的な攻撃を仕掛ける鈴木のペース。疲れが見える屋富祖が再三マウスピースを落として試合が中断した。

 アマチュア経験のある鈴木が,下位とはいえ東洋太平洋ランクに名を連ねる屋富祖に快勝した。これでプロ入り無傷の8連勝と波に乗っている。サウスポーのボクサータイプで,軽快なフットワークから放つタイミングの良い左ストレートを得意としている。接近戦では左右アッパーのボディ連打もあり,手数の多さが長所である。パワーアップが今後の課題だろう。
 屋富祖は右ファイタータイプで右フック,ストレートにパンチ力がある。足を止めての打合いを得意としているが,鈴木のスピーディな攻撃で後手に回ってしまったことが敗因。

採点結果 鈴木 屋富祖
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:葛城明彦 79 74
副審:土屋末広 79 73
副審:杉山利夫 79 74
参考:MAOMIE 79 74


     ○鈴木:8戦8勝(3KO)
     ●屋富祖:14戦10勝(8KO)2敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:上重聡

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                      2011年6月13日(月)    後楽園ホール
                        日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級9位)
                ○   荒川仁人    4回2分04秒    生田真敬   ●
                      (八王子中屋) 134 1/2 lbs                  (ワタナベ) 135 lbs
                      WBA7位,WBC8位                生田真敬=しょうだ・まさのり

 開始早々から気合十分で攻める生田。右ストレートをひとつヒットするが,荒川は右ジャブから左ストレートを上下に浴びせる。さらに左ストレート,右フックでボディを叩いて早くも主導権を握った。
 2・3回も荒川の優位は変わらない。生田は前に出る姿勢は変えないが,荒川は右に回りながら力を抜いたパンチを上下に散らしてつけ入る隙を与えない。
 4回,荒川が鮮やかに試合を決めた。生田はようやく右ストレートをひとつヒットするが,後が続かない。1分40秒過ぎ,荒川の右フックがアゴに決まり,生田がわずかにぐらつく。このチャンスを逃さず,一気に追撃する荒川。ワンツーの連打でニュートラルコーナーに後退した生田は崩れるようにダウン(カウント9)。辛うじて再開となったが,荒川の詰めは鋭い。嵐のような左右フックで棒立ちになった生田を土屋主審が救って試合が終わった。

 現役ナンバーワンのテクニシャン荒川がその真骨頂を見せた。まさに盤石のTKO防衛である(2度目)。右ジャブ,左ストレートを中心に細かくパンチを浴びせ続け,右に回り込む巧みな位置取りで終始自分の間合いを保った。力を抜いたパンチから一転して強い左ストレート,右フックを打ち込む頭脳的な試合運びが光る。緩急をつけたコンビネーションブローは見事の一語に尽きる。ストップを呼び込んだ最後のラッシュも見事。ここ2試合は序盤に不覚のダウンを喫して安定感に陰りが見えたが,今夜は完璧な試合内容である。層が厚いクラスではあるが,世界への期待が膨らむ。
 生田は右ファイタータイプで右ストレート,左フックにパンチ力がある。175cmという身長以上に手足が長く見える。ガードを固めて気合十分で前に出ていたが,荒川に手の内を読まれたことが敗因。力を抜いたパンチを間断なく打たれてガードに忙しく,思うように手数が出なかったことが響いた。健闘したが,充実している今の荒川が相手では実力の差は如何ともしがたい。

     主審:土屋末広,副審:浦谷信彰&福地勇治&中村勝彦
     ○荒川:22戦20勝(14KO)1敗1分     ●生田:23戦14勝(7KO)8敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:福永一茂

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                     2011年6月13日(月)    後楽園ホール
                      日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T K O   挑戦者(同級6位)
                ○   淵上 誠    5回終了     田島秀哲   ●
                      (八王子中屋) 159 1/4 lbs             (西遠) 160 lbs
                                      田島秀哲=たじま・ひでのり

 左の淵上,右の田島。長身同士の対戦。淵上はダラリとガードを下げ,積極的に右ジャブで牽制しながら左ストレートを上下にヒットする。
 3回,パンチのタイミングが合い始める淵上。1分50秒,フェイント気味の右ジャブから踏み込んで放った左ストレートがアゴに炸裂。このパンチに田島はたまらずロープ際まで飛んで腰から落ちてダウン(カウント8)。KOチャンスに淵上は一気に攻めて出る。ニュートラルコーナーに追い詰めて攻勢に出たところで田島はゴングに救われた。
 4回,淵上の右フックでぐらつく田島。左ストレートもヒットする。田島が返した右ストレートで淵上がバランスを崩したが,再び積極的に左ストレート,左右フックで攻める。
 5回,波に乗って攻める淵上。しかし中盤,不用意に出たところに右アッパーをアゴに打ち込まれ,淵上の膝がガクンと落ちる。あわやダウンという危ない場面だったが,その後は田島の手数が止まった。
 5回終了後のインターバル中に,下顎骨骨折の疑いがあるとのことで田島陣営から棄権の申し出があり,試合がストップされた。

 淵上が力の差を見せつけて2度目の防衛に成功。ガードを下げ,変則的な動きから右ジャブ,フックで牽制しながらチャンスを探った。特に主武器の左ストレートは思い切りと踏み込みが良く,変則的に放たれるので,相手にとっては出所がわかりにくい。時期尚早ではあるが,国内無敵の地位を確立することも夢ではない。東洋王者・佐藤幸治(帝拳)への挑戦が楽しみ。挑戦者のように積極的な姿勢とインタビューでの誠実な対応に好感が持てる。
 田島は184cmという長身の右ボクサーファイターで右ストレート,左フックにパンチ力がある。5回に右アッパー一発であわやというところまで追い込んだが,その他は淵上の積極的な攻撃で後手に回った。

     主審:福地勇治,副審:杉山利夫&浦谷信彰&中村勝彦
     ○淵上:22戦16勝(7KO)6敗     ●田島:22戦13勝(8KO)8敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                      2011年6月13日(月)    後楽園ホール
                                6回戦
              東洋太平洋S・フライ級12位    K       O    東洋太平洋S・フライ級7位
             ○   戸部洋平       2回1分58秒     ワンディ・シンワンチャー   ●
                     (三迫) 115 lbs                              (タイ) 115 lbs

 初回,踏み込んで左ジャブから立ち上がる両者。戸部は鋭い右ストレートから左フック。さらにボディへの右フック,さらにカウンターの右ストレートを飛ばして早くも優位に立った。終盤,右フック2発を受けたワンディは右膝をついてダウン(カウント8)。切れとスピード抜群の戸部だが,ときどきガードが下がる。
 2回,開始早々から右ストレート,左フックで攻勢に出る戸部。ワンディも大きな左右フックで応戦し,打ち合いになった。戸部は右から左のフックをもらってひやりとさせる場面が見られた。さらに右アッパーを狙うワンディだが,戸部も負けじと右アッパーを返す。このパンチがアゴに決まり,ワンディはロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がったが,そのままカウントアウト。

 アマチュア(拓殖大)で国体2連覇という実績を引っ提げてプロ入りした戸部。2戦目で元世界王者ワンディを沈め,ホープとしての存在感を示した。右ストレート,左フックに威力がある右ファイタータイプ。パンチの切れとスピードは抜群。右ストレートのカウンターのタイミングは抜群。楽しみなホープの出現だが,アゴのガードの甘さが気になる。特に左ジャブを打つときに右のガードが開いてアゴがガラ空きになることが目につく。正面に立った場合は非常に危険。自分のパンチ力を過信しないことが大事である。元世界王者とは言ってもワンディはすでに下降線を辿って久しい。戸部の真価が問われるのは日本ランク上位陣と対戦したときだろう。
 ワンディはWBC世界ミニマム級,WBC暫定世界ライトフライ級のタイトルを保持していたことがある古豪。右ファイタータイプで157cmの短躯から放つ左右フックにパワーがあるが,やはり年齢的な衰えは隠せない。

     主審:浦谷信彰,副審:飯田徹也&土屋末広&杉山利夫
     ○戸部:2戦2勝(2KO)     ●ワンディ:81戦66勝(17KO)14敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:森昭一郎

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                      2011年6月17日(金)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・ライト級3位    K      O      タイ国S・ライト級(ノーランク)
              ○   和宇慶勇二     2回0分51秒    ペットスリヤ・ルークサイコンディン   ●
                       (ワタナベ) 140 lbs                            (タイ) 138 3/4 lbs

 左の和宇慶,右のペットスリヤ。開始早々から対格差を生かした和宇慶が優位に試合を進めた。和宇慶の左ストレート,ボディへの左右フック。
 2回,試合は呆気なく決着がついた。ボディにパンチを集中する和宇慶。左アッパーのボディブローから返した右フックがアゴに決まり,思わずぐらつくペットスリヤ。チャンスと見て一気に攻勢に出た和宇慶が右に回り込んで左アッパーを一撃。これでボディを抉られたペットスリヤはロープ際で仰向けにダウン。そのままカウントアウトされた。

 タイトル再挑戦を狙う和宇慶が会心のKO勝利を披露した。ボディにパンチを集中しておき,アゴへの右フックでぐらつかせた後は休ませず一気に勝負に出た。サウスポーのボクサーファイターで左ストレート,右フックを得意としている。上下への打ち分けができていて,まずは思い通りの展開になっただろう。
 ペットスリヤは18歳の若さ。右ファイタータイプで右ストレートを武器としているが,動きはぎこちない。

     主審:熊崎広大,副審:杉山利夫&染谷路朗&安部和夫
     ○和宇慶:18戦14勝(7KO)3敗1分     ●ペットスリヤ:17戦10勝(4KO)7敗
     放送:スカイA     解説:今岡武雄&本間暁     実況:桑原学

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                   2011年6月17日(金)    後楽園ホール
                           8回戦
               日本バンタム級(ノーランク)      日本バンタム級(ノーランク)
             ○   船井龍一    判 定    古橋大輔   ●
                   (ワタナベ) 118 lbs               (川崎新田) 118 lbs

 初回,ともに小気味良い動きで左ジャブから右ストレート,左フックで立ち上がる。船井,バッティングで早くも左目上をカットしてドクターチェック。
 2回,船井がフットワークに乗せて左ジャブからタイミング良く右ストレートをヒットする。先に手を出しているのは船井だが,古橋も接近戦で左右フックを放つ。終了間際,船井の左アッパーがヒット。
 3回,再びドクターチェックを受ける船井。得意の打ち合いになった古橋が左右フックを連打。しかし,船井がロープに詰めて右ストレート,左フックを的確にヒットする。
 4回,接近して揉み合うような打ち合いになり,左右アッパーの応酬。これは古橋の距離。5回,血が目に入ってやりにくそうな船井。またドクターチェックになるが,再開後,右ストレート,左フックで古橋の一瞬動きが止まる。
 終盤も揉み合うような打ち合いが続く。古橋は執拗な左右アッパーをボディに連打。10回,激しく打ち合う両者。パンチが流れる場面も多いが,終盤,左フックで古橋の動きが止まる。体を預けるようにパンチを返して凌ぐ古橋。

 両者ともに死力を振り絞った好ファイト。
 船井は初回に左目上をカットするハンデを負ったが,パンチの的確さで上回った。右ボクサーファイターだが,ボクサータイプに近い。軽快なフットワークからワンツー,左フックを放つ。打ち合いに持ち込みたい古橋のペースに合わせてしまった面がある。持ち味の足を生かすべきだろう。
 古橋は右ファイタータイプ。接近戦で連打する左右フック,アッパーを得意とする。旺盛な手数とスタミナで迫ったが,肝心な場面で船井のシャープなパンチを許してしまったことが敗因。

採点結果 船井 古橋
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 78 74
副審:熊崎広大 76 77
副審:浅尾和信 77 76
参考:MAOMIE 77 76


     ○船井:19戦14勝(8KO)5敗
     ●古橋:13戦10勝(2KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:今岡武雄&本間暁
     実況:河路直樹

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                          2011年6月17日(金)    後楽園ホール
                                   8回戦
                    日本フライ級(ノーランク)    K      O   日本フライ級12位
                ○   ウォーズ・カツマタ    1回2分52秒    角谷淳志   ●
                         (勝又) 111 3/4 lbs                      (金沢) 111 3/4 lbs
                                                  角谷淳志=かくたに・あつし

 サークリングしながら左ジャブを突く角谷。カツマタも前に出て左ジャブでチャンスを窺う。角谷の右ストレートからの左フックがヒットするが,逆にカツマタの右ストレートで角谷がロープに詰まる。ワンツー,左右フックの追撃で角谷脆くもダウン(カウント9)。立ち上がった角谷を赤コーナーに詰めて攻勢。左フックがアゴの先端をかすめれば,角谷はガクンと腰が落ちてダウン寸前のピンチ。
 ここで波乱が起きた。勢い込んでロープ際に角谷を追い込んだカツマタは左フックを受けて逆転のダウンを喫した(カウント9)。軽量級らしからぬダウンの応酬にホールは大いに沸いた。しかし,角谷の抵抗もここまで。左フックで2度目のダウンを喫した後,カツマタの攻勢に晒される。左フックでロープに腰を落としたところに右ストレートをフォローされ,3度目のダウンで万事休す。

 3分に満たない短い試合だったが,スリリングなダウンの応酬という好ファイト。
 カツマタはフィリピンの輸入ボクサー。右ファイタータイプで伸びの良いワンツー,左フックを得意としており,パンチには切れがある。アゴのガードが甘くなることがあるが,台風の目になりそう。
 角谷は昨年の全日本フライ級新人王。オーソドックスな右ボクサータイプで,サークリングしながら左ジャブ,ワンツーを放つ。パンチ力もなかなかのもの。今夜はガードが下がったところにカツマタの鋭いパンチを許してしまった。

     主審:染谷路朗,副審:安部和夫&土屋末広&浅尾和信
     ○カツマタ:19戦14勝(12KO)5敗     ●角谷:11戦9勝(5KO)2敗
     放送:スカイA     解説:今岡武雄     実況:河路直樹

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                      2011年6月17日(金)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)      日本フェザー級(ノーランク)
                ○   山崎武人    判 定    矢板貴行   ●
                         (本多) 125 1/2 lbs           (全日本パブリック) 125 3/4 lbs
                      山崎武人=やまざき・たけと

 初回,変則的でトリッキーな動きで前に出る矢板。山崎は足で間合いを取り,矢板の出バナに右ストレートからボディへの右フックを放つ。
 3回,山崎の左フックがヒット。ボディにも左アッパーが決まる。矢板は前に出るが,決め手に欠ける。4回も山崎のラウンド。動きながら積極的に右ストレート,左右フックを浴びせる。
 6回,接近戦で山崎の左右フックがボディに。7回にも山崎がよく動いて右フックのボディブロー,右ストレートを当ててリード。
 8回は逆に矢板が盛り返した。疲れが出た山崎は矢板の執拗な連打を持て余す。山崎も打ち返すが,疲労のためか力がない。

 山崎は右ボクサーファイター。足を使いながら放つ右ストレート,左フック,ボディへの右フックを得意としている。執拗な前進を繰り返す矢板を足で捌き,出バナにパンチを浴びせたことがポイントにつながった。しかし終盤は矢板の前進を持て余す場面も見られた。スタミナの強化が課題になる。
 矢板は変則的な右ファイタータイプ。トリッキーな動きからとにかく前に出て連打を繰り出す攻撃を身上としている。スピードはないが,しつこさと手数の多さが売り物。

採点結果 山崎 矢板
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 78 77
副審:土屋末広 77 75
副審:染谷路朗 77 75
参考:MAOMIE 78 75


     ○山崎:21戦11勝(2KO)10敗
     ●矢板:26戦10勝(6KO)15敗1分

     放送:スカイA
     解説:本間暁
     実況:桑原学

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       2011年6月25日(土)    メキシコ キンタナロー州コスメル コスメル・コンベンションセンター
                       WBC世界ライト級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン       負 傷 判 定    挑戦者(同級11位)
             ○   ウンベルト・ソト    11回1分18秒    佐々木基樹   ●
                     (メキシコ) 134 1/2 lbs                       (帝拳) 134 1/2 lbs

 開始ゴングと同時に佐々木が奇襲攻撃を敢行し,右フックをヒット。後半はソトも落ち着きを取り戻し,左ジャブで立て直す。2回,ソトは右ストレートからボディへの左アッパーを多用。さらに左アッパーのボディブローから左フックを上に返す。
 4回は佐々木がうまく揺さぶって左右フックのボディブローから右ストレートを放つが,5回は再びソトのペース。前半は慎重にアウトボクシングをするソト。佐々木は左右フックで攻勢に出るが,ロープを背負ったところで左アッパーをアゴに打ち込まれ,ロープ際でダウンを喫した(カウント8)。ソトはさらに左アッパーを狙い打ちする。終了ゴングが鳴った後にソトが放った左フックで佐々木が左膝をついてしまう場面があった。
 6回以降もソトのペースで進んだ。佐々木も挑発を繰り返しながら食い下がるが,ソトを崩すまでには至らない。10回,右ストレートから攻め込む佐々木。ソトも消耗が激しく,スリップダウンからすぐに立ち上がれない場面を見せた。佐々木はヘディングで減点1を取られる。
 11回,試合は思わぬ形で幕が下りた。ソトのワンツー,佐々木の右フックの応酬。ニュートラルコーナーにソトを追う佐々木。左に回り込もうとしたソトが水に濡れたキャンバスに足を取られてスリップダウン。再開と同時に右ストレートを振りながら突っ込む佐々木。これをかわそうとしたソトはまたもスリップダウン。このとき左膝を強打したソトが続行不能となり,ここで試合がストップされた。

 後味の悪い結末でソトが4度目の防衛に成功。佐々木は2度目の世界挑戦に失敗。
 佐々木は善戦したが,要所を押さえられて大差の判定で敗れた。奇襲とも思える攻撃で脅かしたが,終盤にソトが失速したただけに,序盤から潜り込んでボディ攻撃を仕掛けていればと悔やまれる。距離を取ってしまってはロングレンジからのパンチがあるソトの思うツボだろう。
 ソトは右ボクサーファイターで右ストレート,左アッパーに威力がある。ファイターに近く,好戦的な面も見せた。ボディへの左アッパーも決め手の一つであり,右を上に打って脇腹やレバーに左アッパーを打ち込むのが得意の攻撃パターン。その一方で,アゴのガードが甘くなる欠点が見受けられた。3階級制覇の強豪ではあるが,終盤に失速するなど穴がないわけではない。

11回までの採点 ソト 佐々木
主審:フランク・ジェンティーレ(米国) *** ***
副審:ニコラス・イダルゴ(ベネズエラ) 110 97
副審:バート・クレメンツ(米国) 109 98
副審:アラン・クレブス(米国) 109 98
参考:MAOMIE 108 101


     ○ソト:66戦56勝(32KO)7敗2分1無効試合
     ●佐々木:46戦36勝(23KO)9敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:香川照之
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ 第10ラウンドのヘディングによる佐々木の減点1を含む採点。

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