熱戦譜〜2011年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.04.02  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 八重樫東  判定  田中教仁
2011.04.02  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 細野 悟  TKO3R  安田和芳
2011.04.02  日本スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 岡田誠一  TKO9R  阪東ヒーロー
2011.04.02 8回戦  原 隆二  TKO1R  キッティカセム・ケットキャユー
2011.04.02 10回戦  亀田大毅  KO5R  ヘスス・マルティネス
2011.04.08  WBC世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジョニー・ゴンザレス  TKO4R  長谷川穂積
2011.04.08  WBC世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 西岡利晃  KO9R  マウリシオ・ムニョス
2011.04.08  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 粟生隆寛  KO4R  ウンベルト・グチェレス
2011.04.09 8回戦  石田順裕  KO1R  ジェームス・カークランド
10 2011.04.09  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 佐藤洋太  判定  河野公平
11 2011.04.11  東洋太平洋&日本ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 渡部あきのり  KO2R  井上 庸
12 2011.04.11 ノンタイトル10回戦  清田祐三  TKO5R  ヤシール・シアジアン
13 2011.04.11 8回戦  椎野大輝  TKO3R  南無心 譲
14 2011.04.17  WBA世界女子ミニマム級
 王座統一10回戦
 多田悦子  判定  イベス・サモラ
15 2011.04.17 8回戦  秋田屋まさえ  TKO3R  サエンペッチ・ソージャブーン
16 2011.04.17 6回戦  安藤麻里  TKO1R  ビモラット・ソーポーロークルンテップ
17 2011.04.20  東洋太平洋スーパーライト級
 タイトルマッチ12回戦
 佐々木基樹  TKO5R  金 判洙
18 2011.04.20 ノンタイトル10回戦  佐藤幸治  KO1R  アデ・アルフォンス
19 2011.04.20 8回戦  外園隼人  TKO5R  赤澤慎司
20 2011.04.20 8回戦  カルロス・リナレス  TKO1R  大橋寛志

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                    2011年4月2日(土)    後楽園ホール
                     日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                   チャンピオン         挑戦者(WBA・WBC11位)
             ○   八重樫 東    判 定    田中教仁   ●
                      (大橋) 104 3/4 lbs             (ドリーム) 105 lbs
                   WBA3位,WBC9位

 試合は初回から八重樫のペースで進んだ。軽快にサークリングしながら左ジャブ,ワンツーあるいはボディへの左アッパーを放つ。終了間際には田中も左フックをヒット。
 3回,いきなり左アッパーのボディブローから飛び込む田中。しかし八重樫は落ち着いて足を使って間合いを保ち,スピーディなパンチを浴びせる。4回,両者ともに左目上をカット。しかし八重樫の傷はバッティング,田中の傷は八重樫の有効打による傷と発表され,明暗を分けることになった。田中は左右フックで仕掛けるが,八重樫は譲らず,ロープに詰めて右ストレート,左右フックを浴びせる。
 7回,八重樫が決定的なリードを奪った。左右に動いて巧みに位置取りをしながら左ジャブ,フックを放つ八重樫。田中は八重樫に動かれて的が絞れない。1分過ぎ,ワンツーで田中をロープに詰めた八重樫は左右フックをまとめる。手が出ない田中。八重樫の左アッパーがボディに決まる。
 9回,攻め倦んで手が出ない展開に嵌る田中。八重樫はそれを見透かしたように左右に動き,スピードに乗ったパンチを浴びせる。10回,意を決したように右クロス,ストレートを振って攻める田中だが,時すでに遅し。八重樫は動じることなく,最後まで動いてパンチを浴びせた。

 八重樫,大差の判定勝ちで3度目の防衛に成功。世界ランカー同士の対戦だったが,すべての面で大きな開きがあった。プロ入り7戦目でイーグル京和(角海老宝石)のWBC王座に挑戦して完敗を喫したが,その後キャリアを積んで安定感を増した。足を使った巧みな位置取りによってパンチ力がある田中に的を絞らせず,出バナに左ジャブ,フック,ワンツーあるいはボディへの左アッパーなどスピード豊かなパンチを多用した。試合運びのうまさが光る。キャリアを積んだ今,世界再挑戦も十分に期待できるだろう。
 田中は右ファイタータイプ。右ストレート,フックに一発の威力がある。しかし今夜は八重樫に動かれ,最後まで的を絞ることができなかった。中に入ってから打とうとする意識が強くなったことも手数を減らす原因になった。その出バナを打たれ,警戒するからさらに手が出なくなってフリーズするという悪循環に陥った。どこかで勝負に出てそれを断ち切ることが必要だった。

採点結果 八重樫 田中
主審:山田一公 *** ***
副審:ビニー・マーチン 100 91
副審:浅尾和信 99 92
副審:安部和夫 99 91
参考:MAOMIE 99 91


     ○八重樫:16戦14勝(7KO)2敗
     ●田中:17戦13勝(7KO)4敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                      2011年4月2日(土)    後楽園ホール
                       日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級9位)
                ○   細野 悟    3回1分25秒    安田和芳   ●
                          (大橋) 126 lbs                   (ナックルスポーツ) 125 1/2 lbs
                       WBA13位

 細野の強打を警戒し,ぴょんぴょんと飛び跳ねるように左右に動く安田。早くも逃げの姿勢が窺える。細野はどっしり構えてプレッシャーをかけ,左アッパー,フックをボディに。クリンチに出た安田は早くも呑まれている。
 2回に入ると試合の興味は細野がいつ倒すかに絞られた。安田はときおり大きな左右フックを放つが,全く届かない。細野はこれを涼しい顔でかわしながら距離を詰め,プレッシャーをかける。
 3回,セコンドからのゴーサインを受けて細野がピッチを上げる。完全に委縮した安田は大きなパンチを振るが,届かない。1分ちょうど,細野の左フックが決まり,ロープに詰まる安田。細野は一気に仕上げに入る。ニュートラルコーナーで右フックが決まり,安田がぐらついたところで福地主審が試合をストップした。ダメージというよりは,両者のあまりにも大きい実力差を考えてのストップだろう。不測の事故を未然に防止するためにも止むを得ない措置と言える。

 細野が圧勝で2度目の防衛に成功したが,実力差が大き過ぎて明らかにミスマッチ。逃げ回る安田に対してプレッシャーをかけ続け,危なげない勝利だった。これでは調整試合にもならず,一考を要する。今後は2〜3試合ほどやって世界に再挑戦したいところだろう。一発を狙って手数が減る欠点があるので,小さい捨てパンチを使うことが必要。
 安田はファイタータイプという前評判だったが,細野の強打に委縮して,逃げ回るのが精いっぱい。倒されまいとする意識だけが露骨に出てしまい,何のためにリングに上がったのか不思議な感じがした。勝とうとする意欲が見られなかったことは非常に残念。体格も細野に比べて二回りほど小さく,パワーの面で差が大きかった。

     主審:福地勇治,副審:安部和夫&中村勝彦&山田一公
     ○細野:21戦20勝(14KO)1敗     ●安田:16戦8勝(1KO)8敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:上重聡

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                        2011年4月2日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級1位)
                ○   岡田誠一    9回0分11秒    阪東ヒーロー   ●
                         (大橋) 130 lbs                     (フォーラムスポーツ) 130 lbs

 ベテランの味を出した阪東が序盤をリードした。初回,左ジャブから左フック2発をヒット。終了間際にも右ストレートが決まり,好調な滑り出しを見せた。2回にも阪東がうまさを見せる。終盤の打ち合いで岡田の左フックが決まるが,ここで阪東が左フック,右ストレートで猛然と攻撃。序盤は岡田の被弾が目立ち,阪東優勢のまま進んだ。
 しかし3回に入るとパンチ力の差が出て,岡田が主導権を奪回する。岡田の左アッパーのボディブローが効く。さらに接近戦で左右アッパーを上下に。終盤には阪東も猛然と反撃を見せる。
 4回,激しい打合い。岡田の左アッパーがボディに刺さるが,これでスイッチが入った阪東も打ち返す。2分30秒過ぎ,アゴへの右アッパーでぐらつく阪東。右フックからボディに左アッパーを打ち込まれて効いたところにフォローの右フックを打ち込まれ,前につんのめるようにダウン(カウント8)。さらに阪東はバッティングで左目上をカットするハンデを負った。
 激しい打ち合いに阪東は鼻から出血,岡田も右コメカミ付近を大きく腫らす。6回,やや打ち疲れが見える岡田。阪東が左ジャブ,ワンツーで盛り返すが,終盤には左フックで阪東の腰が落ちる。
 7回,岡田は右ストレートのカウンターでぐらつかせ,ボディに左アッパーを刺す。さらにロープに押し込み,右フック,左右アッパー,ボディへの左アッパーを見舞う。ダメージを追いながらも打ち返している阪東だが,ロープに腰を落としてピンチを迎える場面が見られた。
 8回に入ると阪東にとって戦況はさらに悪化した。阪東が打ち返しているためにマーチン主審もストップのタイミングを掴みかねているが,岡田は右アッパー,フックを顔面に浴びせ,ボディに左アッパーを打ち込む。
 9回開始早々,激しい打撃戦に終止符を打ったのはマーチン主審。左ジャブで阪東がのけぞったところで割って入り,試合をストップした。

 岡田の強打と阪東のベテランの意地がぶつかり,力の限りをつくした壮絶な白熱戦。
 初防衛に成功した岡田はアマチュア(横浜高→東京農大)で鳴らした強打の右ファイタータイプ。左右フック,アッパーに威力がある。序盤は阪東の巧みな攻撃に戸惑ったが,左アッパーのボディブローで徐々に弱らせて主導権を握った。右アッパー,フックで上に注意を引きつけておいて打ち込むボディへの左アッパーが効果的。その一方で肝心な場面で詰め切るだけの決め手が足りないことも目につく。阪東の粘りもあったが,パンチを数多く一度にまとめることができないことが難点。本人が熱望する世界挑戦に向けては,これを克服することが求められる。
 阪東はこれが40戦目というベテラン。右ファイタータイプで右ストレート,左フックを武器としている。岡田の強打に対して,意表を突くパンチで岡田を苦しめた。最後はパンチ力の差に屈したが,その粘りは見事。岡田の打ち疲れに乗じて攻撃を仕掛けるなど,ベテランらしい老獪な駆け引きが光った。

8回までの採点 岡田 阪東
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:浅尾和信 80 72
副審:福地勇治 78 71
副審:中村勝彦 79 72
参考:MAOMIE 78 73


     ○岡田:15戦14勝(9KO)1敗
     ●阪東:40戦22勝(9KO)11敗7分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:佐藤義朗

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                       2011年4月2日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                   日本ミニマム級7位   T   K   O    タイ国ミニマム級(ノーランク)
                ○   原 隆二    1回1分20秒    キッティカセム・ケットキャユー   ●
                         (大橋) 106 lbs                        (タイ) 104 1/4 lbs

 初回,キティカセムが左ジャブからワンツーを伸ばす。原は落ち着いて左ジャブを突いてチャンスを窺う。右ストレートのボディブローで態勢が崩れるキティカセム。構わず右ストレートを振って入ろうとするが,その打ち終わりに矢のような右ストレートから左アッパーをアゴに打ち込まれ,バタッとうつ伏せに落下。これには倒した原が驚いたような表情を見せた。キティカセムは体を起しかけるが,カウントの途中で安部主審が試合をストップ。キティカセムは仰向けに倒れたまましばらく立ち上がれないほどのダメージを負っていた。

 20歳の原と19歳のキティカセムというフレッシュな顔合わせ。昨年度の全日本ミニマム級新人王・原が見事な倒しっぷりを見せた。
 原はスピードに乗ったコンビネーションブローで手数を多く出して攻める右ボクサーファイター。アマチュア経験があるだけに,基本に忠実な組立てを見せる。しっかりキャリアを積めば,タイトル挑戦も十分に期待できる。小気味の良さを売り物としており,前途が楽しみな新人である。
 初来日のキティカセムは右ボクサーファイター。左ジャブ,ワンツーにスピ−ドがあるが,アゴのガードが空いたところにパンチを打ち込まれて沈んだ。

     主審:安部和夫,副審:中村勝彦&ビニー・マーチン&山田一公
     ○原:7戦7勝(5KO)     ●キッティカセム:8戦5勝(1KO)3敗
     放送:G+     解説:なし     実況:辻堂義堂

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                           2011年4月2日(土)    沖縄県立武道館
                                   10回戦
                  WBA世界S・フライ級1位     K      O   メキシコ S・フライ級(ノーランク)
                ○   亀田大毅        5回0分37秒     ヘスス・マルティネス   ●
                        (亀田) 119 1/4 lbs                           (メキシコ) 119 1/4 lbs

 左ジャブを突いてプレッシャーをかけ,右フックをボディに放つ亀田。2回に入るとどんどん前に出てロープ,コーナーに追い,ワンツー,ボディへの左フック,アッパーを見舞う。
 軽いフットワークで左右に動いていたマルティネスだが,4回には亀田の左右フックで足が止まった。
 5回開始早々から亀田が攻勢に出る。ロープに詰めて顔面へのワンツーから左フックを脇腹に3発続けて打ち込めば,マルティネスは崩れるようにダウン。そのまま呆気なくカウントアウトされた。

 減量苦からWBA世界フライ級王座を返上した亀田の転向第1戦。精彩を欠いて批判されたシルビオ・オルティアーヌ戦に比べれば,動きもパンチのスピードも上だった。体に力が入っていることが気になるが,まずまずの試合内容だろう。ただし調整試合とはいえ,もう少し骨のある相手との手合わせを望みたい。
 マルティネスは右ボクサーファイターで,フットワークを使いながら放つ左ジャブ,ワンツーを得意としている。世界挑戦の経験があるという触れ込みで一定のうまさを見せたものの,脇腹に贅肉が目立った。序盤こそ軽く足を動かしていたものの,弛んだボディを攻められて沈み,35歳のロートルの姿を晒した。

     主審:牧角健次郎,副審:桑田昌和&古田厳一&岩崎国浩
     ○亀田:22戦20勝(12KO)2敗     ●マルティネス:28戦21勝(12KO)7敗
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也     実況:新夕悦男

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                        2011年4月8日(金)    神戸ワールド記念ホール
                          WBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     挑戦者(同級1位)      T   K  O     チャンピオン
                ○   ジョニー・ゴンザレス    4回0分58秒    長谷川穂積   ●
                           (メキシコ) 124 3/4 lbs                       (真正) 125 3/4 lbs

 開始早々から一瞬たりとも目が離せないスリリングな展開になった。長谷川は右ジャブの連打からボディに左ストレートを放ってスピーディな攻撃を見せる。しかし,後半,ゴンザレスの右ストレ−トが決まる。足を止めては危ない長谷川。さらにゴンザレスの左フックもヒットした。
 2回,長谷川の打ち終わりに左フック,アッパーを合わせようとするゴンザレス。長谷川は右ジャブで牽制し,ボディに左ストレートを見舞う。
 3回,緊迫した試合が続く。長谷川はボディに左アッパーを突き上げる。さらに左ストレートのボディブローをヒット。終盤にはゴンザレスも左フック,アッパーをアゴにヒット。
 4回,長谷川は右ジャブで牽制するが,45秒,ゴンザレスが踏み込んで放った右ストレートがアゴを直撃。このワンパンチで長谷川はロープ際で腰から落ちてダウン。ロープを頼りに立ちがったものの上体が泳いだのをグリフィン主審は見逃さず,カウント8まで数えて試合をストップした。

 長谷川はリードしながらもワンパンチに泣き,初防衛に失敗。スピーディな右ジャブ,ボディへの左ストレートで好調な滑り出しを見せたが,攻め急いだことが悔やまれる。ゴンザレスがKOを狙っているのは明白なので,序盤から打ち合いに付き合う必要はなかったはず。出入りを繰り返しながらじっくり攻めて後半勝負でも良かったのではないか。去就が注目されるが,本来のスピード重視のボクシングに戻らなければ厳しいだろう。2階級制覇を達成したとはいえ,昨年11月のファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)戦ではスピード重視のボクシングを捨てて力に頼った面がある。今夜はその反省に立って,足を生かした本来の組立てをすべきだった。
 ゴンザレスは元WBO世界バンタム級王者として知られる世界的な強豪。長いリーチと深い懐を持つ右ボクサーファイターで左フック,右ストレートに一発がある。長谷川の右ガードが下がる弱点を狙っていたようで,打ち終わりに左フック,アッパーを合わせる場面が多く見られた。しかし,驚くようなスピードがあるわけではなく,打たれ脆い面もある。長谷川が足を絡ませて出入りを繰り返しながら丁寧に攻めていればと悔やまれる。

3回までの採点 ゴンザレス 長谷川
主審:マイケル・グリフィン(カナダ) *** ***
副審:スティーブ・モロー(米国) 28 29
副審:パク・ドンアン(韓国) 27 30
副審:マキシモ・デルカ(米国) 28 29
参考:MAOMIE 28 29


     ○ゴンザレス:55戦48勝(42KO)7敗
     ●長谷川:33戦29勝(12KO)4敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:鈴木健

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                     2011年4月8日(金)    神戸ワールド記念ホール
                     WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K       O   挑戦者(同級6位)
               ○   西岡利晃    9回3分07秒   マウリシオ・ムニョス   ●
                       (帝拳) 121 3/4 lbs                    (アルゼンチン) 121 lbs

 右ストレート,フックを思い切り叩きつけるように打つムニョス。西岡は落ち着いて左ストレートのボディブローから立ち上がる。
 3回,西岡は右ストレートをもらってヒヤリとさせた。左右フック,右ストレートを振り回して攻め立てるムニョス。後半は頭を低くして出るムニョスのアゴに西岡が左アッパーを突き上げる。
 4回,西岡は左ストレート,アッパーを上下に。ボディブローを嫌ってやや消極的になるムニョス。西岡はムニョスの左腕の外側に素早く回り込んで左アッパー,フックを浴びせる得意の攻撃パターンを見せた。5・6回に入ると両者の余裕の差が明白になった。アッパーともフックともつかぬ右のパンチをボディに打って前に出るムニョスだが,西岡は冷静さを失わず,左ストレート,アッパーをボディに見舞う。
 7回,ムニョスは打たれても前に出てタフなところを見せるが,2分過ぎ,西岡は左ストレートでロープ際に下がらせて連打をまとめる。8回には左ストレートが面白いほどヒットして,ムニョスの右目下が腫れ始めた。
 勇敢な試合ぶりで食い下がるムニョスだが,9回ついに破局を迎えた。右ストレート,フックを振って出るが,西岡は左ストレートを合わせ,接近戦に応じたかと思うと右フック,左アッパーをボディに打ち込む。終盤,右ジャブからカウンターの左ショートストレートをアゴに打ち込まれたムニョスはぐらついて前に歩を進める。チャンスと見た西岡は一気に攻勢。ムニョスは必死に耐えるが,左ストレートが見事なカウンターになり,赤コーナーまで吹っ飛んで腰から落ちてダウン。右目下を青黒く腫れ上がらせながらも立ち上がったムニョスだが,ダメージが深く,ホントンカム主審はそのままカウントアウトした。

 西岡が盤石のKOで6度目の防衛に成功した。ラフな攻撃を仕掛けるムニョスのペースに乗らず,左ストレート,アッパーで徐々に弱らせた。特にボディに打ち込む左ストレートが効果的だった。9回にKOチャンスを生んだのもフィニッシュしたのも得意の左ストレート。上下への打分けが見事で,円熟の技巧を存分に披露した。35歳という年齢ではあるが,どこまで伸びるか注目したい。
 ムニョスは右ファイタータイプで,長いリーチを生かした右ストレート,フックを振ってどんどん攻めてくる。足は使わず,打ち合いになると強味を発揮する。タフネスは相当なもので,回復力に優れている。執拗に食い下がったが,西岡の左ストレートを上下に打ち分けられて徐々にゆとりを失っていった。

8回までの採点 西岡 ムニョス
主審:アネック・ホントンカム(タイ) *** ***
副審:レイ・ダンセコ(比国) 78 74
副審:パク・ドンアン(韓国) 78 74
副審:スティーブ・モロー(米国) 78 75
参考:MAOMIE 79 73


     ○西岡:45戦38勝(24KO)4敗3分
     ●ムニョス:24戦21勝(9KO)3敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                      2011年4月8日(金)    神戸ワールド記念ホール
                      WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O    挑戦者(同級3位)
                ○   粟生隆寛   4回1分06秒   ウンベルト・グチェレス   ●
                         (帝拳) 130 lbs                       (メキシコ) 130 lbs

 サウスポーの同型同士の対戦。いきなり重量感溢れる右ジャブの刺し合いから始まった。粟生は右フックから左ストレートのボディブロー。グチェレスはアップライトスタイルから右ジャブ,ワンツー。ともにスピードがあり,互角の立ち上がりとなった。
 しかし2回に入ると粟生が主導権を握った。グチェレスの右アッパーが決まるが,徐々に粟生が盛り返す。減量に失敗したグチェレスのボディに右アッパー,左フックを集め始める粟生。この攻撃を嫌うグチェレスに足し,粟生はボディに的を絞る。
 3回,力を抜いたワンツーからボディに右アッパー,左フックを打ち込む粟生。接近戦で迫力満点のパンチの交換が続くが,ボディを攻められて足が止まったグチェレスはマウスピースを覗かせて口で呼吸を始めた。
 4回,再び重量感に満ちたワンツー,右フックの応酬になるが,粟生は落ち着いている。リング中央でグチェレスの左フックをウィービングでかわして溜めを作った粟生は反動を生かして右フックを鳩尾に一刺し。これをまともに打ち込まれたグチェレスは苦悶の表情を浮かべて崩れ落ちる。マウスピースを吐き出して四つん這いのままカウントアウトされた。

 粟生が見事なKOで初防衛に成功した。グチェレスは減量に失敗しているとはいえ楽な相手ではなかったが,定石通りボディを攻撃して仕留めた。やや力を抜いた連打を上に浴びせて注意を逸らしておき,ボディに力を込めた右フック,左アッパーを集めた。冷静な試合運びが光る。高校6冠からプロ入りして以来,いつの間にか7年余りの歳月が過ぎた。今日の成功はじっくりキャリアを積んだ賜物である。フェザー級では実現できなかった悲願の初防衛に成功したことで自信につながるだろう。今後が楽しみになってきた。
 元WBC暫定王者のグチェレスはサウスポーのボクサーファイターで右ジャブ,左ストレート,右フックを武器としている。しかし,前日の計量で1回目は500gウェイトオーバーし,頭髪を丸めて髭もそり落として3回目でようやくパスするという失態を演じた。立ち上がりこそ迫力あるパンチを見せていたが,試合後の飲食で9kgも増量した影響に加えてボディを攻められたことで足が止まって上体が起きてしまい,苦しいところを露呈した。高いKO率が示すようにどのパンチも鋭く,ベストの状態でリングに上がっていれば手強い相手だった。

3回までの採点 粟生 グチェレス
主審:ジョン・ショールリ(米国) *** ***
副審:マキシモ・デルカ(米国) 30 27
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 30 27
副審:レイ・ダンセコ(比国) 29 28
参考:MAOMIE 30 28


     ○粟生:24戦21勝(10KO)2敗1分
     ●グチェレス:32戦28勝(20KO)3敗1分

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:田中毅

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                2011年4月9日(土)    米国ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデン
                                   8回戦
                 WBA世界S・ウェルター級4位     K      O    WBO世界ミドル級4位
                ○   石田順裕       1回1分52秒    ジェームス・カークランド   ●
                        (金沢) 158 lbs                                (米国) 158 lbs

 ゴングと同時にカークランドがスムーズでシャープな左ストレートを繰り出して前に出る。石田は落ち着いて足を使ってこれをさばく。開始20秒,右ストレートから返した左ショートフックがアゴをかすめる。ストレートともフックともつかぬ左パンチを受けたカークランドは脆くも左膝から崩れてダウン(カウント8)。チャンスと見た石田はワンツーを多用して攻勢。右・左・右の3連打を打ち込まれたカークランドの上体は大きく傾き,青コーナーに落ちた(カウント8)。なおも攻撃の手を緩めない石田。ワンツーでカークランドの腰が落ちる。再びワンツーがアゴに決まれば,腰から落ちたカークランドは仰向けに3度目のダウンを喫して万事休す。

 石田が本場ラスベガスで堂々の初回KO勝ち。しかも無敗の強豪カークランドを沈めた価値ある勝利である。日本のファンも久々に溜飲を下げた感じだろう。11cmの身長差を生かし,得意のストレート系のパンチで一気に攻め切ったことが最大の勝因。勇気を感じさせる会心の試合内容である。カークランドのガードの甘さを見切った目も見事。難しいクラスではあるが,今後が楽しみになってきた。
 カークランドはサウスポーのファイタータイプ。高いKO率を誇るパンチャーで,左ストレートを武器としている。しかし,石田を舐めていた感じがする。アゴのガードが甘いことに加えて,打たれ脆さをも露呈した。

     主審:ジョー・コルテス(米国),副審:エリック・チーク(米国)&ティム・チータム(米国)&グレン・トゥローブリッジ(米国)
     ○石田:31戦23勝(8KO)6敗2分     ●カークランド:28戦27勝(24KO)1敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                       2011年4月9日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(WBC4位)
               ○   佐藤洋太    判 定    河野公平   ●
                        (協栄) 114 lbs                (ワタナベ) 114 lbs
                    WBA6位,WBC5位

 変幻自在のフットワークで河野を惑わす佐藤。2回,ニュートラルコーナーに下がった佐藤は突進する河野を捉え,アゴに右アッパーを一閃。このパンチで河野は腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったが,効いている。河野はなおも前に出て右フックでボディを打つが,佐藤には余裕が見られた。
 4回,がむしゃらな突進を繰り返す河野だが,佐藤は足でかわし,左アッパーをボディに見舞う。これが効いて河野の動きが鈍る場面が見られた。
 終盤に入っても佐藤の足は止まらず,左ジャブ,ワンツーが決まる。さらに出てくるところに右アッパーが決まり,河野の動きが鈍る。10回,最後まで前に出て手数を止めない河野。しかし佐藤は足で掻き回し,左ジャブ,ワンツーからアゴに右アッパーを浴びせる。

 次代を担うホープ佐藤が世界挑戦2度の経験を持つ河野を見事に破った。暫定王座を獲得してから3度目の防衛に成功。翁長吾央(大橋)中広大悟(広島三栄)という強豪に続いて今夜さらに河野を破ったことで大きな自信につながるだろう。上昇気流に乗っているだけでなく,着実に力をつけている。スピーディで変幻自在なアウトボクシングを得意としており,距離を取った状態から左ジャブ,ワンツーを飛ばす右ボクサータイプである。突進する河野のアゴに突き上げる右アッパーも効果的。いずれは世界挑戦も十分に期待できる。
 河野は日本タイトル戦に勝って3度目の世界挑戦を狙っていたが,勢いのある佐藤のスピードについていけず完敗。単調な突進を目と勘に優れた佐藤に読まれ,出バナに的確なパンチを浴びた。

採点結果 佐藤 河野
主審:福地勇治 *** ***
副審:ビニー・マーチン 96 93
副審:中村勝彦 97 93
副審:宮崎久利 97 93
参考:MAOMIE (40) (35)


     ○佐藤:24戦21勝(11KO)2敗1分
     ●河野:31戦25勝(9KO)6敗

     放送:TBS
     解説:佐藤修
     実況:新夕悦男

※ 第2・4・9・10ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                      2011年4月11日(月)    後楽園ホール
                   東洋太平洋&日本ウェルター級タイトルマッチ12回戦
               挑戦者(OPBF同級8位)   K      O    チャンピオン
             ○   渡部あきのり    2回1分22秒    井上 庸   ●
                       (協栄) 147 lbs                       (ヤマグチ土浦) 147 lbs
                       日本ウェルター級2位

 初回,渡部が右ジャブからボディに左ストレートを飛ばして積極的に攻める。体を預けるように左右フックを振って応戦する井上だが,アランスが悪い。右アッパーでぐらついてバランスを崩したところに軽い左ストレートがヒットし,井上は仰向けにダウン(カウント8)。焦って攻め込むが,アゴに右フックのカウンターを食って両膝から落ちて2度目のダウン(カウント8)。試合は早くも一方的な展開になった。
 2回,井上のドタバタぶりは変わらない。大きな左フックをミスしてバランスを崩す。右フックからの左ストレートで仰向けにダウン(カウント8)。右フックから左右のショートブローで後方に大きく泳いだ井上は仰向けに倒れて2度目のダウン(カウント8)。反撃を試みる井上だが,ガラ空きのアゴに右フックを打ち込まれて顔が大きく上を向く。辛うじて右フックを一発決めて一矢を報いるが,直後に強烈な相打ちの右フックを打ち込まれて仰向けに沈み,万事休す。

 渡部が豪快なKOで悲願のタイトル奪取に成功した。サウスポーのファイターで右フック,左ストレートに一打必倒の威力がある。強打で定評があるが,今までは勢いとパワーだけで突き進んで伸び悩んだ感じがある。しかし幾度となく挫折を経験したことにより,格段に成長したという印象を受けた。慌てふためいた王者に対して,終始冷静に対処したことが好結果を生んだ。突っ込んでくる井上のアゴに合わせたカウンターの右フックで再三ぐらつかせていたが,これが試合を決めたと言える。精神的に大きくなった渡部が今後王者としてどんな試合をするか期待したい。
 井上は初防衛に失敗。左右フックを武器としており,和製エディ・ガソ(ニカラグア)という印象の変則ファイター。しかし,体の硬さとバランスの悪さは致命的。ミスブローを繰り返してはカウンターを食う場面の繰り返しで,無策ぶりが目立った。開始早々から破壊力のある渡部を相手に真正面からの打ち合いに入ってしまった。我を忘れたような様子で自滅したという印象が強い。序盤を冷静に戦って渡部の大振りを誘い,消耗戦に持ち込むべきだった。

     主審:福地勇治,副審:安部和夫&浦谷信彰&中村勝彦
     ○渡部:26戦22勝(20KO)4敗     ●井上:22戦18勝(11KO)2敗2分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:不明

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                          2011年4月11日(月)    後楽園ホール
                                ノンタイトル10回戦
               東洋太平洋S・ミドル級チャンピオン  T   K   O    インドネシア ミドル級3位
                ○   清田祐三      5回1分47秒    ヤシール・シアジアン   ●
                       (フラッシュ赤羽) 168 1/4 lbs                     (インドネシア) 167 lbs

 清田は左ジャブから立ち上がり,だぶつきが目立つシアジアンのボディに左アッパーを打ち込む。2回,清田はカウンターの右ストレートでぐらつかせ,ロープに詰めて連打を浴びせる。『もっと打って来い』というジェスチュアで挑発するシアジアンだが,スピードがない。
 3回,右ストレートから上下への左右アッパーを連打してロープに詰める清田。弛んだボディに清田の右ストレートがめり込む。
 4回,ニュートラルコーナーに釘付けにして連打を浴びせる清田。シアジアンはノラリクラリと耐え,終了ゴングが鳴ると両腕を上げてガッツポーズで観客にアピールする場面を見せた。
 5回,ようやく決着がついた。右ストレートでぐらつかせてロープに詰め,重いパンチを上下に雨あられと浴びせる清田。ここで染谷主審が試合をストップした。

 予定されていた挑戦者が東日本大震災の影響を懸念して来日を避けたため,代役を立ててノンタイトル戦に切り替えられた試合。格下の相手を打ちまくっての圧勝だったが,いつもと比べてパンチに切れを欠いた。上下への打ち分けはできていたが,強弱の乏しさが目立った。
 シアジアンはインドネシアの元王者という肩書だが,ベタ足でスピードがない。タフな右ファイターだが,腹の弛みが目立った。

     主審:染谷路朗,副審:中村勝彦&葛城明彦&浦谷信彰
     ○清田:24戦20勝(18KO)3敗1分     ●シアジアン:36戦25勝(15KO)7敗4分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:不明

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                       2011年4月11日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本バンタム級5位   T   K  O   日本バンタム級(ノーランク)
               ○   椎野大輝    3回1分55秒    南無心 譲   ●
                        (三迫) 118 lbs                      (白井・具志堅) 118 lbs
                      椎野大輝=しいの・ひろき              南無心譲=なむしん・ゆずる

 初回,低いガードから左ジャブ,フックを多用して南無心を下がらせる椎野。中盤,南無心が前に出ると逆に距離を取って左ジャブ,フックを浴びせてさばく。終盤,再び前に出た椎野が左ジャブから赤コーナーに詰め,右フックを浴びせる。早くも試合運びのうまさを見せる椎野。
 2回,椎野は左ジャブで南無心をロープに詰め,上下に左右フックを決める。南無心も左右フックのボディブローで反撃するが,椎野はブロッキングでかわして余裕があるところを見せる。終盤には椎野が南無心をニュートラルコーナーに詰めて右ストレート,フック。左中心に戦っていた椎野が見せた右パンチへの切り替えだった。
 3回,椎野が鮮やかに試合を決めた。南はテンプルへの右フックを決めて一気に攻勢に出るが,椎野は落ち着いている。左右アッパーで上を攻めておき,ニュートラルコーナーで隙を突くようにボディに左アッパーを一撃。苦悶の表情でうずくまる南無心。カウント9で何とか再開に応じるが,椎野は容赦なく詰めにかかる。ロープを背にした南無心に左フックのボディブローから右アッパーを浴びせたところで安部主審が試合をストップした。

 椎野が見事な攻防のテクニックを披露して日本ランカーとしての存在感を示した。アマチュア(東洋大)で国体3位という実績を持つ攻防兼備の右ボクサーファイター。相手を追い詰めるにも下がりながらさばくにも左ジャブ,フックを巧みに使っている点が素晴らしい。3回にはそれまであまり見せなかったボディ攻撃に切り替えて一気に自分でチャンスを作った。左中心で攻めたかと思うと右ストレート,フックあるいはボディブローに切り替えたりというギヤチェンジのタイミング,試合運びのうまさが光る。自信満々でガードを低くして戦っている点は要注意だが,タイトル挑戦も有望である。名門・三迫ジムに久々に現れた期待の星と言える。
 南無心は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックの連打を得意としている。果敢に応戦していたが,椎野に動きを読まれてしまったことが敗因。力の開きが大きかった。

     主審:安部和夫,副審:中村勝彦&葛城明彦&染谷路朗
     ○椎野:6戦5勝(4KO)1敗     ●南無心:18戦12勝(4KO)5敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:立本信吾

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                    2011年4月17日(日)    大阪:よみうり文化ホール
                      WBA女子世界ミニマム級王座統一10回戦
                    正規チャンピオン           暫定チャンピオン
                ○   多田悦子    判 定    イベス・サモラ   ●
                       (フュチュール) 104 1/4 lbs            (メキシコ) 105 lbs

 初回,右ジャブからボディに左ストレートを放つ多田。足を使って間合いを取りながらも積極的に手数を出し,好スタートを切る。サモラは分厚い胸板からパンチを繰り出して前に出る。
 3回,サモラは右ストレートのボディブローからどんどん距離を詰め,左右アッパーでボディを攻める。多田も右ストレートで応戦するが,接近戦ではサモラが一枚上。4回終了間際,多田は左ストレートをクリーンヒット。
 5回,サモラのプレッシャーに慣れてきたのか,多田はうまくさばいて左ストレート,右フックを決める。
 6回はサモラがリード。途中からサウスポーにスイッチし,上下への執拗な連打で多田を苦しめる。7回,多田は前進を止めないサモラの顔面に左フックのカウンターをヒット。8回にもサモラの出バナに左フック,ストレート,ボディへの左アッパーを打ち込む多田。
 9回は再びサモラが上回った。顔を腫らし鼻から出血しながら,左右アッパーのボディ打ちで迫る。
 10回,最後まで手数を止めずに前に出るサモラ。最終ラウンドとあって,多田も足を止めて打ち合いに応じる。両者譲らぬまま終了ゴングを聞いた。

 激しい打ち合いを制した多田が5度目の防衛に成功した。サモラの手数と多田の有効打,どちらを取るか難しい試合だったが,要所に的確なパンチを決めた多田にポイントが流れた。持ち味のフットワークに乗せたワンツー,右フックが冴えた。終盤は足を止めた打ち合いに出る場面が見られたが,防衛を重ねるごとに貫録も出てきた。
 サモラは見るからに頑丈な体躯を誇る右ファイタータイプ。上下に間断なく繰り出す左右フック,アッパーの連打を身上とする。しかし,前に出ている割には追い足の鋭さに欠け,多田を決定的に追い詰めることができなかった。

採点結果 多田 サモラ
主審:ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) *** ***
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 96 94
副審:マイケル・リー(韓国) 98 93
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 98 92
参考:MAOMIE 97 94


     ○多田:10戦8勝(2KO)2分
     ●サモラ:14戦11勝(4KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&富樫直美
     実況:田野和彦

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                        2011年4月17日(日)    大阪:よみうり文化ホール
                   WBC女子世界アトム級9位   T   K  O    タイ国女子アトム級(ノーランク)
                ○   秋田屋まさえ      3回1分30秒   サエンペッチ・ソージャブーン   ●
                         (ワイルドビート) 102 lbs                         (タイ) 101 3/4 lbs

 開始早々から左右フックを振って前に出るサエンペッチだが,手足の動きがバラバラでボクシングの形になっていない。秋田屋は左ジャブから右ストレートでぐらつかせる。
 2回に入ると早くもサエンペッチの息が上がり,アゴが出る。秋田屋は出バナに右ストレート,アッパーを浴びせる。終了間際,秋田屋の左フックがクリーンヒット。
 3回,サエンペッチはがむしゃらに出ていくが,サエンペッチはアゴが上がり,さらにスピードが落ちる。右ストレートで後退させた秋田屋は一気に攻勢。最後は右ストレートが決まり,サエンペッチは大の字にダウン。カウントの途中で川上主審が試合をストップした。

 32歳の秋田屋と19歳のサエンペッチ。実力差が大きくてミスマッチに近い試合は秋田屋の圧勝に終わった。
 秋田屋はワンツーを得意とする右ボクサーファイター。左ジャブに良いものがあり,うまさを見せる。フットワークに乗せた攻撃が身上。
 サエンペッチは右ファイタータイプだが,基礎が全くできておらず,世界ランカー秋田屋の敵ではない。スピードのない左右フックを振りまわすだけで,2回には呼吸が乱れてアゴが上がっていた。走り込んでいるのか疑問。

     主審:川上淳,副審:中村勝彦&杉山利夫&福地勇治
     ○秋田屋:10戦7勝(2KO)2敗1分     ●サエンペッチ:7戦4勝3敗
     放送:スカイA     解説:浅沢英&真道ゴー     実況:寺西裕一

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                       2011年4月17日(日)    大阪:よみうり文化ホール
                  WBC女子世界アトム級11位   T   K   O     タイ国女子アトム級(ノーランク)
                ○   安藤麻里        1回1分32秒    ビモラット・ソーポーロークルンテップ   ●
                      (フュチュール) 101 1/4 lbs                             (タイ) 101 lbs

 開始早々から安藤が小気味良い動きで迫る。硬くなっているビモラットのアゴに再三右ストレートが決まる。1分過ぎ,右ストレートのクリーンヒットから安藤がラッシュ。ロープから青コーナーに詰めてワンツー,左右フックの猛追。辛うじて回り込むビモラットだが,再び安藤のワンツー,左フックの猛攻。棒立ちになったところで福地主審が試合をストップした。

 安藤が鮮やかな速攻で初回TKO勝ち。ワンツーを得意とする右ファイタータイプ。ビモラットの動きの鈍さを見切り,得意の右ストレートを多用して一気に攻め切った。思い切りの良さが光る。上体の動き,ヘッドスリップをうまく使って攻めるとさらに良くなるだろう。
 ビモラットは右ボクサーファイター。しかし,頭の動きが全く見られず,正面に立って格好の標的になってしまった。

     主審:福地勇治,副審:中村勝彦&杉山利夫&川上淳
     ○安藤:9戦6勝(3KO)3敗     ●ビモラット:7戦4勝3敗
     放送:スカイA     解説:浅沢英&真道ゴー     実況:寺西裕一

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                         2011年4月20日(水)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級1位)
               ○   佐々木基樹    5回2分43秒     金 判洙   ●
                       (帝拳) 139 1/2 lbs                     (韓国) 139 1/2 lbs
                        WBC12位                     韓国S・ライト級チャンピオン

 重く鋭い左ジャブでチャンスを窺う佐々木。金もスピーディなパンチを振って手強いところを見せる。
 3回,早くも波乱が起きた。佐々木の右ストレートがヒット。さらに右フックのボディブローから連打に出る。しかし中盤,青コーナー付近での打ち合いで,右ショートフックをアゴにカウンターされた佐々木はフォローの左フックで腰から落ちてダウン(カウント8)。佐々木は右ストレートで反撃に出るが,金は右アッパーのボディブロー,左右フックを浴びせて攻勢。金のうまさが光る。
 4回,佐々木は左アッパーのボディブローから左右フックを連打。しかし金は譲らず,すぐに右フックのボディブローからの左フックで反撃し,一筋縄では行かないところを見せた。
 予断を許さない展開となったが,5回,佐々木が鮮やかに試合を決めた。左アッパーをボディにヒットした佐々木は,ここから左ジャブを多用してリズムを掴んだ。2分過ぎ,ワンツーをアゴに打ち込まれた金はぐらついてロープ際に下がる。チャンスと見た佐々木がここで一気にスパークする。ワンツー,左右フックの猛追に,ロープからニュートラルコーナーへと後退する金。必死に打ち返すが,体ごと預けるような連打を浴びせたところで,ネセサリオ主審が試合をストップした。

 佐々木が劇的な逆転TKOで2度目の防衛に成功。試合巧者・金の鋭いカウンターでダウンを喫するなど苦戦を強いられたが,5回に左ジャブで自分のリズムを掴んで一気に流れを引き寄せた。ワンツーでぐらつかせてからの詰め方も見事。中途半端な距離では再びカウンターを食う危険があると見たか,体を預けるような態勢で連打を浴びせてストップを呼び込んだ。ベテランでクレバーな佐々木ならではの攻防のテクニックである。
 金は韓国王者で東洋太平洋のトップコンテンダーとしての実力を存分に発揮した。柔軟な体から繰り出すワンツー,左右フックにパンチ力がある右ボクサーファイター。佐々木がいい攻撃を見せた直後,流れが決定的に佐々木に傾くことを拒否するかのように反撃に転じて帳消しにした。戦況の読みが巧みで,非常にクレバーな試合運びが光る。スピードがあり,軽快な動きから思い切ったパンチを放つ。敗れはしたが,侮れない強豪である。

     主審:セベリノ・ネセサリオ(比国),副審:ファン・スン・チュル(韓国)&山田一公
     ○佐々木:45戦36勝(23KO)8敗1分     ●金:14戦11勝(7KO)2敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:中野謙吾

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                            2011年4月20日(水)    後楽園ホール
                                  ノンタイトル10回戦
                 東洋太平洋ミドル級チャンピオン    K      O    インドネシア S・ウェルター級3位
                ○   佐藤幸治         1回2分25秒     アデ・アルフォンス   ●
                        (帝拳) 163 3/4 lbs                             (インドネシア) 163 1/4 lbs
                       WBC11位

 伸びの良い左ジャブから入る佐藤。アルフォンスは大きな右フックから左アッパーを振る。中盤,佐藤の右フックがテンプルを捉えれば,アルフォンスは脆くも右膝をついてダウンを喫した(カウント8)。立ち上がったが,佐藤は余裕の表情で左アッパーのボディブローを打ち込む。左フックがテンプルに決まり,2度目のダウン。佐藤の詰めは鋭く,左アッパーのボディブローから左右フックの連打に,アルフォンスはロープ際に落ちる。これで呆気なく試合が終わった。

 佐藤が節目となるプロ20戦目を楽々の4連続KO勝ちで飾った。格下の相手だったが,力まずに落ち着いて攻撃していた。左ジャブ,ワンツーあるいは左アッパーのボディブローなどどれをとっても破壊力十分。大人の風格が漂っており,日本・東洋エリアでは敵なしの状態。2度目の世界挑戦に向けては,世界ランカークラスとの手合わせを望みたい。
 これが5度目の来日ですっかりお馴染みとなったアルフォンスだが,パワーの面で佐藤に遠く及ばなかった。左右フックを得意とする右ファイタータイプ。インドネシアの国内タイトルを2階級制覇(ウェルター級,スーパーウェルター級)しているベテランだが,ベタ足でスピードはない。

     主審:土屋末広,副審:山田一公&安部和夫&杉山利夫
     ○佐藤:20戦19勝(17KO)1敗     ●アルフォンス:40戦24勝(5KO)13敗3分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:藤田大介

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                        2011年4月20日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・ライト級9位    T   K  O    日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   外園隼人     5回2分53秒     赤澤慎司   ●
                       (帝拳) 143 1/2 lbs                       (神拳阪神) 143 1/2 lbs

 開始早々から外園がリーチを生かした左ジャブ,フックを多用してアグレッシブに攻める。2回には右ストレートがヒット。さらに終了間際,右ストレートからボディへの左アッパーが決まる。
 3回,ようやく赤澤が右フックをヒット。さらに左フックで外園をのけぞらせる場面があったが,その後はコンスタントに放つ左ジャブ,フックで外園が主導権を奪った。外園はさらにボディに右ストレートから左アッパーを打ち込む。
 4回,試合はワンサイドゲームの様相をさらに増した。外園の左ジャブがことごとく顔面に決まる。再びガードを固めて何もできなくなる赤澤。外園は左一本からワンツー,ボディへの左右アッパーで手数を多くし,プレッシャーを増す。赤澤は鼻血を流しながら耐えるが,敗色は濃厚。
 5回,外園のパンチでボディも効いた赤澤の動きはさらに鈍くなる。ニュートラルコーナーに詰まった赤澤に細かい連打が浴びせられたところで中村主審が試合をストップした。

 182cmの長身と長いリーチを誇る外園が一段と成長した姿を見せた。絶え間なく左ジャブ,フックが出ており,これが光った。3回までは左一本で試合をコントロールした。そして4回に入るとワンツーからボディ攻撃を加えてプレッシャーを強めた。最後の細かい連打による詰め方も見事。現在9位だが,持ち味の左ジャブを生かすことが上位進出のためのキーポイントである。
 赤澤は右ファイタータイプで左右フックにパンチ力があるが,ベタ足でスピードはない。ときおり左右フックをヒットしていたが,外園の左ジャブにしてやられた。正面に立ってガ−ドを固めるだけではジャブの標的になってしまうことは明らか。この左を掻い潜って中に入る工夫が欲しかった。

     主審:中村勝彦,副審:安部和夫&葛城明彦&土屋末広
     ○外園:15戦12勝(5KO)2敗1分     ●赤澤:22戦11勝(6KO)11敗
     放送:G+     解説:なし     実況:辻岡義堂

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                         2011年4月20日(水)    後楽園ホール
                                  8回戦
                     日本ミドル級4位    T   K  O   日本ミドル級(ノーランク)
                ○   カルロス・リナレス    1回1分56秒    大橋寛志   ●
                          (帝拳) 160 lbs                       (京拳) 158 3/4 lbs

 強打を警戒して足を使う大橋。リナレスはプレッシャーをかけ,左ジャブ,左右アッパーのボディブローで襲いかかる。右ストレート,左アッパーでぐらついた大橋は必死に抱きついてピンチを逃れようとするが,リナレスはそれを許さない。抱きつく大橋を長いリーチで再三突き放し,なおも容赦ない攻撃を仕掛ける。左から右の豪快なワンツーストレートがアゴをかすめれば,足がもつれた大橋はロープにもたれる。フォローの右ストレートを打ち込まれ,右膝から前に落ちたところで杉山主審がカウントせずに試合をストップした。

 リナレスが圧倒的なパワーの差を見せつけて大橋を沈めた。抱きつこうとする相手を再三振りほどいて容赦ない強打を浴びせていたが,今までのリナレスから脱皮した姿である。貪欲さが増したリナレスの今後が非常に楽しみになった。長いリーチから繰り出す左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーなど,どれを取っても破壊力は抜群。日本ランキングの中位に顔を出し,タイトルに絡んでくると面白い存在である。
 大橋は右ファイタータイプで左右フックを得意としている。しかし,パワーの差は如何ともしようがなかった。強打を警戒して距離を取るのが精一杯で,なす術もなかった。

     主審:杉山利夫,副審:安部和夫&山田一公&中村勝彦
     ○リナレス:9戦8勝(7KO)1敗     ●大橋:13戦7勝(3KO)6敗
     放送:G+     解説:なし     実況:辻岡義堂

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