熱戦譜〜2011年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.03.05  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 山中慎介  TKO10R  岩佐亮佑
2011.03.05 8回戦  中川大資  TKO1R  ジャーメド・ジャラランティ
2011.03.05 8回戦  鈴木 徹  TKO4R  金沢かつし
2011.03.05 8回戦  木村 悠  判定  浦西勝史
2011.03.05 6回戦  鈴木武蔵  TKO6R  森川真一郎
2011.03.13 10回戦  ズリ・カンナン  判定  林 翔太
2011.03.13 8回戦  中嶋裕介  TKO3R  飯田将成
2011.03.13 6回戦  田中裕士  KO3R  赤瀬優介
2011.03.13 4回戦  児玉善徳  TKO1R  ホルヘ・アニーバル・レンシー
10 2011.03.27 10回戦  野中悠樹  判定  アデ・アルフォンス
11 2011.03.27 8回戦  帝里木下  6R負傷判定  アリエフ・ブレイダー
12 2011.03.27 8回戦  ゼロフィット・ジェロッピ瑞山  判定  山本隆寛

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                      2011年3月5日(土)    後楽園ホール
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級1位)
              ○   山中慎介    10回1分28秒    岩佐亮佑   ●
                      (帝拳) 118 lbs                       (セレス) 117 3/4 lbs
                   WBA3位,WBC9位

 序盤から緊迫感が充満する展開となった。サウスポー同士,迫力溢れる右ジャブの刺し合いから立ち上がる。動きに硬さを覗かせる山中に対し,若い岩佐はクロスの左ストレートを振って強気なところを見せる。
 2回,強気の攻めを貫く岩佐が優位に立った。2分過ぎ,相打ちの左ストレートをアゴに食った山中は膝を揺らし,大きくバランスを崩してロープを背にする。あわやダウンというピンチだ。
 3回にも岩佐が鋭い右ジャブを突いて積極的に出る。リーチで上回る岩佐の距離に立つ山中はやや苦戦の様相。左ストレートを返すが,逆に岩佐が肩越しの左ストレート,右フックをヒット。
 ここまでは完全に岩佐がリードした。しかし,4回に入り,試合の流れが山中に傾いた。王者を苦しめていた右ジャブを忘れる岩佐。右ジャブという障害が消えて戦いやすくなった山中が逆に右ジャブ,上下への左ストレートを先に当て始める。もう一度右ジャブで態勢を立て直したい岩佐だが,これを境に中盤以降は山中が冷静な試合運びで主導権を奪回した。
 ハイレベルなシーソーゲームが続いたが,6回,山中は左ストレートのボディブロー,右ジャブ,アゴへの左ストレートをヒット。終盤には山中が左ストレートから攻勢に出た。
 7回,山中は右ジャブを多用し,上下への左ストレート,右フックを先に決める。終盤,左ストレートでぐらついた岩佐が初めてクリンチに出る場面が見られた。山中はさらにロープに詰めて攻勢を仕掛ける。
 8回,岩佐も意地を見せた。再び強気の攻めに出て,左ストレートで流れを変えにかかる。しかし,山中はスリッピングアウェイでパンチの威力を殺し,終了間際には左ストレートで攻勢に出た。
 9回,やや力が落ちる岩佐だが,強気の姿勢を崩さない。山中は逆に左ストレートを上下に散らしてリードを維持。
 稀に見る白熱戦に終止符が打たれたのは10回。強気を通す岩佐だが,ついに掴まった。山中は左ストレート,右フックからラッシュ。ここはクリンチに逃れる岩佐だが,山中は追撃の手を緩めず,一気に嵐のようなワンツーの連打を浴びせる。岩佐がロープを背に大きくのけぞったところで,中村主審が抱きかかえるように割って入り試合をストップ。セレス小林会長がタオルを投入したのとほぼ同時だった。

 今年のチャンピオンカーニバルの目玉となる一戦。発表直後から異常なほどの人気を呼んだ好カードである。その期待に違わず,3月にして早くも年間最高試合の声も上がるハイレベルで素晴らしい試合になった。敗れて王者のコーナーに挨拶に出向いた岩佐に対して,山中の大応援団から異例の岩佐コールの大合唱が起こったほどの白熱戦である。
 山中は初防衛に成功。これで8連続KO勝ちという快進撃である。サウスポーのボクサーファイターで,大砲のような左ストレートに一打必倒の破壊力がある。序盤は岩佐の強気な攻めと鋭い右ジャブに苦戦したが,4回にその右ジャブが減ったことに乗じて一気に試合の流れを変えた。4回の攻防がこの試合のターニングポイントだろう。ここから左ストレートを上下に当てる先手の攻撃で若い岩佐を自らの土俵に引きずり込んだのは見事の一語に尽きる。セコンドの指示もあっただろうが,冷静な読みと的確なギヤチェンジが光った。特にボディへの左ストレートが効果的。素晴らしい試合内容で強敵の岩佐を退けたことにより,世界への期待が一気に膨らむ。その資格は十分である。ただし,スリッピングアウェイで威力を殺してはいたものの,被弾が見られたことは事実。ここが今後の課題だろう。
 初挑戦の岩佐もサウスポーのボクサーファイター。敗れたが,瑞々しい感性を存分に披露した。開始早々から鋭く伸びる右ジャブ,肩越しに放つ左ストレートを軸に強気の攻めで山中を大いに苦しめた,3回までは完全に主導権を握っていた。4回以降,右ジャブを忘れて山中にツケ入る隙を与えてしまったことが最大の敗因。この辺がキャリアの差だろう。しかし,今後精進を積めば十分に世界が期待できる逸材であることは疑う余地がない。この敗戦を糧にぜひ再起を図って欲しい。

9回までの採点 山中 岩佐
主審:中村勝彦 *** ***
副審:浦谷信彰 86 85
副審:山田一公 86 85
副審:安部和夫 87 85
参考:MAOMIE 87 85


     ○山中:16戦14勝(10KO)2分
     ●岩佐:9戦8勝(6KO)1敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士&内山高志
     実況:寺島淳司

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                            2011年3月5日(土)    後楽園ホール
                                     8回戦
                  日本S・ウェルター級(ノーランク)     T   K   O    インドネシア ウェルター級9位
                ○   中川大資         1回2分59秒     ジャーメド・ジャラランティ   ●
                       (帝拳) 153 1/2 lbs                              (インドネシア) 149 lbs

 開始早々から中川が積極的に攻めた。ワンツーから左右フックのボディブローで激しく攻め立てる中川。終了10秒前を知らせる拍子木とともに中川が一気にスパーク。右ストレートでバランスを崩してロープにもたれたジャラランティに襲い掛かる。青コーナーに追い詰め,ワンツー,左右フックを浴びせる中川。防戦一方のままジャラランティが腰を落としたところでマーチン主審が試合をストップした。

 左肋軟骨骨折のために日本王座を返上してブランクに入っていた中川が圧勝で11ヶ月ぶりに復帰した。スロースターターとして定評があるが,今夜は開始早々から意欲的に飛ばした。ワンツー,ボディへの左右フックなど手数が良く出ていた。保持していたベルトは井上庸(土浦ヤマグチ)の手に渡っているが,返り咲くチャンスは十分にある。今夜のように積極的に攻めることが大事。
 ジャラランティはワンツーを得意とする右ボクサータイプだが,何もできないままに押し捲られて敗れた。

     主審:ビニー・マーチン,副審:安部和夫&土屋末広&中村勝彦
     ○中川:20戦16勝(12KO)2敗2分     ●ジャラランティ:31戦20勝(6KO)11敗
     放送:G+     解説:飯田覚士&内山高志     実況:高橋雄一

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                      2011年3月5日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                日本S・フェザー級5位    T   K   O   日本フェザー級(ノーランク)
              ○   鈴木 徹       4回2分02秒     金沢かつし   ●
                    (横浜光) 125 1/2 lbs                        (ハラダ) 125 lbs

 初回,金沢が右ストレート,左フックを振って攻めるが,鈴木は落ち着いている。中盤,ガードが開いたところを見逃さず,ワンツーを打ち込む鈴木。このパンチでぐらついたところに,ワンツーで追い打ちをかける。
 2・3回,金沢は鼻から出血し,打ち終わりを狙われて苦しい戦いを強いられる。鈴木は呑んでかかったように,じりじりと前に出ながらプレッシャーをかける。
 4回,鈴木は左ジャブでタイミングを測りながらプレッシャーをかける。金沢の左目の視力のチェックのために一時中断。これは再開されたが,鈴木がすぐに勝負をかける。金沢をニュートラルコーナーに詰め,ワンツー,左右フックをまとめたところで浦谷主審が試合をストップした。

 鈴木が冷静な試合運びでランカーの実力を披露した。これで7連勝(3連続KO)という好調さである。スピードがある右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを武器にオーソドックスな組み立てを見せる。目と勘の良さが目につく。金沢のパンチの引きが遅いことを見抜き,盛んに打ち終わりに右ストレートを合わせていたあたりはさすがである。ランキング中位に位置しているが,着実に力をつけている。一階級下げてフェザー級でタイトルを狙う意向を持っているようであるが,チャンスは十分にある。
 金沢は右ファイタータイプ。右ストレート,左フックを武器としている。しかし,体が硬いためにパンチの引きが遅れることが最大の欠点。それを読まれ,打つたびに被弾を重ねた。

     主審:浦谷信彰,副審:ビニー・マーチン&山田一公&中村勝彦
     ○鈴木:22戦21勝(7KO)1敗     ●金沢:15戦7勝(4KO)8敗
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

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                 2011年3月5日(土)    後楽園ホール
                         8回戦
               日本L・フライ級6位       日本L・フライ級(ノーランク)
            ○   木村 悠    判 定    浦西勝史   ●
                 (帝拳) 107 3/4 lbs             (神拳阪神) 108 lbs
                                 浦西勝史=うらにし・まさし

 初回,前に出て右ストレートを伸ばす浦西に対し,木村は落ち着いて左ジャブから。終盤,左右フックをボディに決める木村。
 2回中盤,浦西が思い切って放った相打ちの右ストレートが顔面に決まり,木村の動きが一瞬止まる場面があった。しかし,浦西の見せ場はここだけ。3回以降はスピードで勝る木村がテクニックの差を見せて浦西を翻弄した。4・5回,前に出る浦西に対し,木村は巧みに回り込んで的確なパンチを浴びせる。
 6回,木村が手数を増した。左右アッパーをボディに集め,アゴに左フックをクリーンヒット。さらに浦西をロープに詰め,パンチをまとめて明白なリードを奪う。
 7回,ワンツーからボディに左右アッパーを集めてプレッシャーを強める木村。浦西も応戦するが,出足が鈍り,パンチに力がなくなる。8回,木村はボディへの左右アッパーからアゴに左フックをヒット。

 木村にとって節目となるプロ10戦目となるリング。元アマチュア全日本王者という輝かしいキャリアを持つ右ボクサーファイターで,ワンツー,左フックにパンチ力がある。大差の判定勝ちでランカーの貫録を見せたが,ここから上を狙うことを考えるとやや物足りない試合内容である。やや一本調子のところが見られるので,ここぞという場面で一気にまとめて仕留めにかかるようなメリハリが欲しい。
 浦西は右ファイタータイプでスピーディな左右フック,右ストレートの連打を得意としている。しかし,ウェイトが乗らず,パンチ力は今一つという感じ。ときおり右ストレートをクリーンヒットしながら,後続打を封じられてしまい完敗となった。

採点結果 木村 浦西
主審:土屋末広 *** ***
副審:ビニー・マーチン 80 73
副審:安部和夫 80 73
副審:浦谷信彰 80 72
参考:MAOMIE 79 73


     ○木村:10戦8勝(1KO)1敗1分
     ●浦西:21戦6勝(0KO)11敗4分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                          2011年3月5日(土)    後楽園ホール
                                 6回戦
                日本S・フライ級(ノーランク)     T   K   O   日本S・フライ級(ノーランク)
              ○   鈴木武蔵       6回2分39秒     森川真一郎   ●
                     (帝拳) 114 1/4 lbs                         (VADY) 114 1/2 lbs

 左の鈴木,右の森川の対戦。鈴木は右ジャブで牽制しながら左ストレートのボディブローを多用して積極的に攻める。
 2回,左右に動いて左ストレートを放つ鈴木に対し,森川は右ストレート,左フックをボディに打ち込み,良い所を見せた。しかし,森川を中に入れさせたくない鈴木は3回以降,巧みに回り込んで出バナに左ストレートをヒット。
 4回に入ると両者のテクニックの差が出た。フェイントからワンツー,回り込んでアゴに右アッパー,左ストレートを見舞う鈴木。森川も右ストレートをヒットするが,鈴木は自分のペースを崩すことなく出バナに左ストレートをヒットする。5回,劣勢の森川は左にスイッチして右フックを放つが,鈴木は動じることなく左ストレートを巧打。さらに回り込んでワンツー,ボディへの左アッパーを見舞う。ノーモーションの左ストレートも再三顔面に決まった。
 6回,鼻から出血する森川に鈴木が激しく迫る。左アッパー,右フック,ワンツーを浴びせる鈴木。連打からロープを背に左ストレートでのけぞったところで,山田主審が試合をストップした。

 鈴木がスピードとテクニックの差を見せて森川をTKOに退けた。サウスポーのボクサータイプで左ストレートを得意としている。パンチ力は今一つだが,左右アッパーを交えた多彩な攻撃が身上。前に出る相手に対して真っすぐ下がるのではなく,常に回り込んで出入りしながらパンチを出していることが最大の長所。左ストレートにウェイトを乗せて打つことが身につけば,さらに飛躍が期待できる。
 森川は右ストレート,ボディへの左右フックにパワーがある右ファイタータイプ。足を止めての打ち合いを得意としている。常に前に出ていたが,単調な攻撃を読まれたことが敗因。パワーを生かすためには,左右への揺さぶりなどの変化が必要。

     主審:山田一公,副審:ビニー・マーチン&中村勝彦&土屋末広
     ○鈴木:7戦7勝(3KO)     ●森川:11戦7勝(6KO)3敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                  2011年3月13日(日)    名古屋国際会議場
                            10回戦
                  日本フェザー級5位        日本S・バンタム級7位
              ○   ズリ・カンナン    判 定    林 翔太   ●
                     (レイスポーツ) 126 lbs            (畑中) 125 3/4 lbs

 サウスポーのズリがどんどん前に出てロープに詰め,左右アッパーのボディブローから左ストレートを連打する。林の右ストレート,左フックで膝を揺らしながらも構わず手数で押すズリ。
 3回,ともに手数が止まらない打ち合いが続く。林のワンツーも切れているが,ズリは距離を殺して体を密着させながら左右フック,アッパーを連打。林はバッティングで左目上をカット。
 4・5回,激しいパンチの応酬で消耗戦の様相。林は執拗なズリの連打を持て余す。
 劣勢の林が見せ場を作ったのは6回。ニュートラルコーナーに下がった林を連打で押し込んでいくが,ここで林の左ショートフックがアゴを捉え,ズリは左膝から落ちてダウン(カウント8)。林はダメージの色が濃いズリを一気のラッシュで追い込む。
 しかし7回は再びズリが盛り返し,連打で林を押し込む。ズリの右目上が腫れ上がり,ドクターチェックのために中断。林のワンツーもヒットするが,ズリは構わず突進してタフなところを見せた。
 8・9回,激しい打ち合いが続くが,ズリが物凄いスタミナと根性を見せ,連打で上回る。林はスピードが落ちる。
 10回,両者が激しくパンチを応酬し,ノンストップの打ち合いが続く。林はワンツー,左右アッパーのボディブロー。ズリは構わず左右フック,左ストレートで林を追い込む。ともに手が止まらない打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 日本ランカー同士の激しい打撃戦で見応え十分の好ファイトとなったが,一階級上のズリに軍配が上がった。ズリはサウスポーの変則ファイタータイプ。どんどん前に出て上下への連打から左ストレートなど旺盛な手数が出る。泥臭いスタイルだが,執拗な連打は相手にとって脅威である。中間距離を得意とする林に対して体を密着させて間合いを潰したことが勝因。
 畑中ジムのジム頭で中部のホープとして期待される林だが,曲者ズリの執拗な連打に屈した。6回にダウンを奪いながら,終始乱打戦に持ち込まれたことが敗因。回り込んでシャープなパンチで突き放すことが必要だった。足だけでズリの前進をかわすことは難しい。間合いを取ると鋭い左ジャブ,ワンツーなどで強味を発揮したが,密着を許してズリのペースに引きずり込まれた。

採点結果 ズリ
主審:杉山利夫 *** ***
副審:石川和徳 97 93
副審:福地勇治 96 93
副審:村瀬正一 96 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○ズリ:16戦12勝(3KO)2敗2分
     ●林:19戦15勝(10KO)4敗

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士&星野敬太郎
     実況:伊藤敦基

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                    2011年3月13日(日)    名古屋国際会議場
                              8回戦
              日本ウェルター級(ノーランク)    T   K  O   日本ウェルター級10位
             ○   中嶋裕介     3回0分45秒     飯田将成   ●
                   (平石) 146 1/2 lbs                      (コパン星野) 145 1/2 lbs

 身長で7cm上回る中嶋が鋭い左ジャブを放つ。飯田は右フックのボディブローから右クロスをかぶせるが,2分過ぎ,中嶋のワンツーがヒットする。飯田も応戦して激しい打ち合いになった。終了ゴング後の飯田の右ストレートで中嶋の腰が落ちる。抗議する中嶋のセコンドに対して飯田が何やら言い返して険悪なムードに陥る場面があった。
 2回,左フックをヒットする飯田。中嶋も左アッパーのボディブローから左アッパー,右ストレートをヒットしてスリリングな打ち合いになる。飯田の右フックで足に来た中嶋はクリンチに出る。青コーナー付近で右フックがテンプルを捉え,ガクンと両膝を落とした中嶋はダウンを取られた(カウント8)。両者が交互にぐらつく激しい打ち合いが続くが,飯田はここでもゴング後にパンチを振ってしまい,減点1を取られた。
 3回,右ストレートを飛ばす飯田。しかし,逆に右ストレートから左フックをヒットした中嶋が回転の速い連打を浴びせる。大きなパンチで応戦する飯田だが,バランスを崩したところに右ストレートを打ち込まれてダウン。ここでマーチン主審が試合をストップした。

 強打者同士の迫力満点の打撃戦。中嶋がダウンを跳ね返してランカーの飯田を逆転TKOで破り,ランキング入りへの希望をつないだ。鋭い左ジャブを主体に冷静に戦ったことが勝因。184cmの長身から放つ右ストレート,左アッパーなどパンチには非常に切れがある。
 飯田は激しい打ち合いの中で大きなパンチで応戦していたが,コンパクトで回転を利かせた連打をまとめた中嶋に屈した。ゴング後のパンチで減点されたり,抗議する中嶋陣営に対して言い返したり,冷静さを欠いた行動で自滅した。ストップされたことを不服とした飯田はリング下で粗暴な行為に及んだが,理由の如何を問わず言語道断である。JBCは飯田に対して,ボクサーライセンスの無期限停止処分を科し,監督責任があるとして所属ジムの星野敬太郎会長を厳重注意としている。

     主審:ビニー・マーチン,副審:堂本康夫&福地勇治&杉山利夫
     ○中嶋:16戦6勝(5KO)7敗3分     ●飯田:12戦9勝(7KO)3敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:高田寛之

※ 第2ラウンド,ゴング後の加撃によって飯田は減点1。

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                      2011年3月13日(日)    名古屋国際会議場
                                  6回戦
                  日本S・フライ級(ノーランク)    K      O    日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   田中裕士      3回0分48秒      赤瀬優介   ●
                         (畑中) 114 lbs                         (浜松堀内) 114 3/4 lbs

 右の田中,左の赤瀬。ワンツーを振る赤瀬だが,初回終了間際,田中が右ストレートのボディブローから右ストレート,左フックをヒットして優位に立つ。
 3回,ゴングと同時に勢いよく攻め込む赤瀬。田中は右ストレートのボディブローで応戦。さらに左ジャブで距離を測りながら踏み込んで右ストレート。これがアゴを捉え,赤瀬はストンと腰から落ちてダウン。立ち上がったが,石川主審はそのままカウントアウトした。

 昨年の中部日本新人王戦で引き分けた両者の再戦。田中がワンパンチで赤瀬を沈め,決着をつけた。同門のライバル児玉善徳に比べて決め手不足を指摘されていたが,このTKO勝利を非力なイメージを払拭する好機にしたい。右ストレートを武器とする右ボクサーファイター。
 赤瀬はサウスポーのファイタータイプ。左右フックで果敢な攻撃を見せるが,ガードが開いてしまう欠点がある。攻めるときに両足が揃って正面に立ってしまうことが目につく。

     主審:石川和徳,副審:杉山利夫&ビニー・マーチン&村瀬正一
     ○田中:6戦4勝(3KO)2分     ●赤瀬:10戦5勝(1KO)3敗2分
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:伊藤敦基

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                       2011年3月13日(日)    名古屋国際会議場
                                  4回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)    T   K  O    日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   児玉善徳      1回0分45秒    ホルヘ・アニーバル・レンシー   ●
                       (畑中) 124 1/4 lbs                          (浜松堀内) 123 3/4 lbs

 左の児玉,右のレンシー。20秒過ぎ,右フックのカウンターでぐらついたレンシーは思わずクリンチに出る。チャンスと見た児玉は鋭い踏み込みから放つパンチで攻勢。ロープを背にしたレンシーは左ストレートからの右フックを打ち込まれ,仰向けにダウン。福地主審は即座に試合をストップした。

 中部期待のホープ児玉が圧巻の初回TKO勝利でプロ入り4連勝を飾った。サウスポーのファイタータイプで左ストレート,右フックに抜群の切れ味がある。好戦的なスタイルが特徴で,踏み込みの鋭さが最大の長所になっている。クリーンヒットを奪ってからの詰めも鋭い。大振りせずにコンパクトに打っているところが素晴らしい。じっくりキャリアを積めば,大きく開花する可能性を秘めている逸材である。タレント不足の中部ボクシング界にあって,久々に出現したスター候補生である。
 デビュー戦のレンシーは右ボクサーファイター。強打の児玉に対して右ストレートで果敢に応戦したが,右フックのカウンターでぐらつかされてからは一気に攻め込まれた。

     主審:福地勇治,副審:堂本康夫&村瀬正一&石川和徳
     ○児玉:4戦4勝(2KO)     ●レンシー:1戦1敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:星野敬太郎     実況:高田寛之

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                  2011年3月27日(日)    神戸サンボーホール
                            10回戦
               WBA世界S・ウェルター級10位     インドネシア S・ウェルター級3位
              ○   野中悠樹    判 定    アデ・アルフォンス   ●
                      (尼崎) 160 lbs               (インドネシア) 156 3/4 lbs

 初回,誘うようにガードを下げた野中はサウスポースタイルから右ジャブ,左ストレート,右アッパーを放って様子を窺う。終了間際,ニュートラルコーナーに下がったところに右ジャブからの左フックが決まり,アルフォンスは思わず腰から落ちてダウン(カウント8)。
 消極的なアルフォンスに野田主審が手を出すように促す場面が再三見られた。野中は右ジャブから上下へのパンチを繰り出し,あらゆる角度から崩しにかかる。
 4回,初めて右フックを振って見せるアルフォンスだが,空を切る。終盤,足を止めた野中は左アッパー,フックをボディに連発。この攻撃にアルフォンスはたまらず右膝をつき,この試合2度目のダウン(カウント8)。
 中盤以降も野中の一方的な攻撃が続く。上下にパンチを散らす野中の前にアルフォンスは防戦一方。消極的な姿勢は変わることなく,試合は一向に盛り上がらない。
 8回,野中の首を抱え込んでグラブでポンポンと頭を叩いたアルフォンスは平身低頭で”謝罪”。この姿に野中も笑いを隠せず,試合はさらに締まりのないものになった。
 9回,さすがにボディ攻撃が効いてきたアルフォンス。野中は左ストレート,左右フックを細かく浴びせて攻勢。逃げ腰のアルフォンスはロープからロープに後退してピンチを凌いだ。
 10回,野中はフェイントをかけて崩しにかかる。しかし,アルフォンスは乗ってこない。野中は最後まで左ストレート,ボディへの右フック,アゴへの右アッパーで攻めるが,仕留められないまま終了ゴングを聞いた。

 大差の判定勝ちとなった野中だが,2度のダウンを奪いながらも決め手を欠いた。東洋・日本の同時2冠を制覇したサウスポーのボクサーファイターで,重量級としては珍しいスピード重視のボクシングを身上としている。左ストレート,左右アッパーなど,パンチは多彩。ボディブローを多用してアルフォンスの動きを鈍らせた。何度か山場があったが,ここぞという場面で一気にラッシュしてストップを呼び込む工夫が欲しいところ。
 アルフォンスはガードを固めるのみで手数が乏しく,消極的な姿勢が目立った。ときおり右ストレート,フックを打ったが,勝つ意欲が見られなかったことは残念。

採点結果 野中 アルフォンス
主審:野田昌宏 *** ***
副審:半田隆基 100 88
副審:姫野俊道 100 89
副審:宮崎久利 100 88
参考:MAOMIE 100 88


     ○野中:31戦21勝(7KO)8敗2分
     ●アルフォンス:39戦24勝(5KO)12敗3分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&丸元大成
     実況:桑原学

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                     2011年3月27日(日)    神戸サンボーホール
                               8回戦
                 日本S・フライ級10位    負 傷 判 定     インドネシア S・フライ級2位
              ○   帝里木下     6回1分27秒     アリエフ・ブレイダー   ●
                   (千里馬神戸) 116 3/4 lbs                     (インドネシア) 116 lbs

 初回,木下がサウスポースタイルから放った左ストレートで早くもバランスを崩したブレイダーはロープに突っ込む。木下はなおも右フック,左ストレートをボディに。
 両者のスピードの差は歴然で,ブレイダーは攻撃の糸口を掴めない。2回以降,試合は一方的な展開になった。左右アッパーのボディ連打からアゴに右フックを返す木下。
 5回,ブレイダーの右ストレートは届かない。逆に木下の左ストレートが顔面に決まり,大きく後方にバランスを崩す。木下は手数でブレイダーを圧倒した。
 6回,木下のボディ攻撃,左ストレートが決まる。しかし中盤,バッティングが発生し,木下は左目上をカットして出血。この傷が深いために続行不能とされ,ここで試合がストップされた。

 不完全燃焼の結末だったが,スピードの差を見せつけた木下のワンサイドゲームとなった。サウスポーのボクサーファイターで左ストレート,ボディへの左右アッパーからアゴへの右フックなどの多彩な攻撃を得意としている。低目のガードから伸びの良いパンチが数多く出る。上下への打ち分けができており,楽しみなテクニシャンである。振りが大きくなることが気になるので,コンパクトに打つことを心掛けたい。
 ブレイダーは右ボクサーファイター。木下のスピードについて行けず,完敗。右ストレートにはスピードがなく,打とうとするところに先に打たれてしまい,手が出なくなる悪循環に陥った。

5回までの採点 木下 ブレイダー
主審:半田隆基 *** ***
副審:北村信行 60 54
副審:野田昌宏 60 54
副審:宮崎久利 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○木下:12戦12勝(3KO)
     ●ブレイダー:11戦7勝(3KO)3敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&三谷将之
     実況:寺西裕一

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                       2011年3月27日(日)    神戸サンボーホール
                                 8回戦
                  日本バンタム級3位            日本バンタム級(ノーランク)
           ○   ゼロフィット・ジェロッピ瑞山    判 定    山本隆寛   ●
                      (千里馬神戸) 117 lbs                    (尼崎) 117 lbs
                          瑞山=ずいやま

 初回,山本は左ジャブ,右ストレートを打って積極的に出る。瑞山は山本の右に合わせて右フックを狙う。
 2回,瑞山は左フックを受けてバランスを崩すが,右アッパーで反撃。山本は左右フックで攻め込むが,アゴが上がったところに左フックをカウンターされ,ロープ際で腰から落ちてダウン(カウント8)。上下への左右フック,アッパーで勝負に出た瑞山は左フックで山本をぐらつかせた。
 ダウンを奪われた山本だが,4回終了間際には瑞山をニュートラルコーナーに詰めて左右フックでラッシュ。6回にはワンツーで瑞山の腰が落ちる場面があった。
 しかし,終盤は地力で上回る瑞山が再び主導権を握る。7回2分過ぎ,瑞山の大きな左フックのカウンターがアゴを捉える。耐える山本に右フックをフォローする瑞山。8回,山本は食い下がるが,瑞山は足で間合いを取って左ジャブ,フックをヒットする。

 山本の健闘が光ったが,キャリアで勝る瑞山が2−1の判定勝ちという結果になった。右ボクサーファイターで,足を使いながら左ジャブ,左右フックを浴びせる。うま味のあるボクシングが特徴で,相手の出バナに合わせる左フックのカウンター,相打ちの右ストレートに良いものがある。ただし,ダウンを奪ってから慎重になってしまった面がある。再三KOチャンスがあったが,肝心なところで手数が出ないことが欠点。
 20歳の山本は右ストレート,左右フックに威力がある右ファイタータイプ。瑞山の左フックに再三ピンチを迎えたが,最後まで勝負を捨てずに食い下がった。打たれても回復力があることが武器になっている。

採点結果 瑞山 山本
主審:宮崎久利 *** ***
副審:北村信行 77 75
副審:半田隆基 77 76
副審:姫野俊道 75 77
参考:MAOMIE 77 75


     ○瑞山:28戦24勝(8KO)1敗3分
     ●山本:9戦6勝(5KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&三谷将之
     実況:桑原学

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