熱戦譜〜2011年1月の試合から


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試合日 試合 結果
2011.01.08  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 荒川仁人  TKO8R  中森 宏
2011.01.08  東洋太平洋&日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 チャーリー太田  TKO6R  丸元大成
2011.01.08 8回戦  湯場忠志  判定  細川貴之
2011.01.22  WBC女子世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 アナ・マリア・トーレス  判定  山口直子
2011.01.31  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO8R終了  三浦隆司
2011.01.31  WBA世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 下田昭文  判定  李 冽理

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                   2011年1月8日(土)    後楽園ホール
                     日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級3位)
             ○   荒川仁人   8回0分55秒    中森 宏   ●
                   (八王子中屋) 135 lbs               (平仲ボクシングスクール) 135 lbs
                  WBA6位,WBC15位

 初回,中森が大きな左右フック,右ストレートで変則的に仕掛ける。
 2回,抜群の安定感を誇る王者・荒川がダウンを喫するという波乱が起きた。2分近く,左を打って入ろうとする瞬間を突かれ,中森の右ストレートをカウンターでもらった荒川は腰から落ちてダウン(カウント8)。苦笑いを浮かべて立ち上がった荒川だが,終了後に間違えて青コーナーのスツールに座ってしまい,ダメージの一端を垣間見せた。
 荒川は3回に右目上をカット(中森の有効打による傷)するが,4回に入ると得意の左ストレートを上下に打って徐々に主導権を握った。中森はダイナミックな左アッパー.右ストレートで迫るが,荒川は左ストレートをボディに。さらに左ストレートでロープを背にのけぞる中森。
 6回,単発ながらも荒川の左ストレートが再三ヒット。中森は接近戦で左右アッパーを振るが,ボディを打たれることを嫌う素振りを見せる。中森がラウンド終了後に放った右ストレートが荒川の顔面にヒット。このパンチで中森は減点1を課せられた。流れの中ではあったが,ゴングが鳴ってからワンテンポ遅れて出たパンチであり,この減点は妥当な処置だろう。
 7回に入ると試合の流れは完全に荒川に傾く。スタミナを消耗した中森は後退して回り込むだけの場面が目立つ。荒川は左ストレートで迫る。終了間際,ニュートラルコーナーに中森を詰めて荒川がパンチをまとめた。
 8回,右アッパー,左ストレートで攻める荒川。消極的になった中森は右アッパーを返すが,反撃もそこまで。すぐに荒川の右フック,左ストレートに晒され,ロープに詰まったところでマーチン主審が試合をストップした。

 荒川がTKOで2度目の防衛に成功した。しかし初防衛戦に続いて序盤にダウンを奪われるなど,不安定なところを見せた。ダウンした場面は不用意に出たところにカウンターを合わされたもの。現役王者の中でもトップクラスの技巧派であるが,油断は禁物。4回以降は上下への左ストレートで立て直したが,上を目指すには一瞬の隙が致命傷になる。自分のテクニックに溺れないことが大事。今夜は攻撃も単発でつながりに欠け,ここ数試合の充実ぶりから見ればやや物足りない内容である。
 中森はダイナミックな右ボクサーファイター。ダウンを奪って幸先の良い立ち上がりだったが,無駄な動きでスタミナをロスしたところにボディブローのダメージが加わり,スローダウンした。6回以降は集中力を欠く場面も見られた。悲願のタイトル獲得に向けては,この辺が破るべき壁だろう。

7回までの採点 荒川 中森
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:杉山利夫 68 63
副審:福地勇治 68 63
副審:浅尾和信 68 64
参考:MAOMIE 67 65


     ○荒川:21戦19勝(13KO)1敗1分
     ●中森:33戦29勝(16KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

※ 第6ラウンド,倒れている相手に対する加撃によって中森は減点1。

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                       2011年1月8日(土)    後楽園ホール
                  東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン     T   K  O   挑戦者(OPBF同級4位)
             ○   チャーリー太田    6回1分06秒    丸元大成   ●
                    (八王子中屋) 154 lbs                   (グリーンツダ) 153 1/2 lbs
                         WBA11位                        日本1位

 丸元が好調な滑り出しを見せた。足が良く動き,左ジャブ,右ストレートを軸に先手で攻める積極的な姿勢でリードした。チャーリーも左右フックのボディブローで迫るが,丸元はチャーリーをロープに詰めて右ストレート,左アッパーのボディブローで攻勢。
 3回,チャーリーが挽回に出た。ボディへの左右フック,左アッパーで上回るチャーリー。丸元も応戦するが,終了間際にチャーリーが攻勢に出た。
 4回に入ると試合の主導権は完全にチャーリーに傾いた。パワフルな左右フックから右ストレートで攻勢に出るチャーリー。丸元は左目上をカット(チャーリーの有効打による傷)。チャーリーは自ら青コーナーに下がって誘い,丸元を挑発する余裕を見せる。
 5回,丸元の左目上の傷によりドクターチェックのために一時中断。チャーリーの左右フックが先にヒットする。ショート連打で応戦する丸元だが,終盤ニュートラルコーナーに丸元を詰めたチャーリーが左右フック,右ストレートを浴びせて攻勢。
 6回,セコンドからのゴーサインを受けたチャーリーのプレッシャーがきつくなる。防戦一方の丸元は反撃の構えを見せるが,青コーナーに詰まって左右フックで腰が落ちたところで福地主審が試合をストップした。

 チャーリーは東洋太平洋王座の3度目,日本王座の2度目の防衛に成功。ボディブローで丸元の足を止めたことが勝因。丸元が後手に回るや,一気に加速して試合の流れを引き寄せた。ここ数試合は進境著しいところを見せている。タイトルを獲得してから自信を持ったためか,落ちついていることが進歩につながっていると言える。
 丸元は右ボクサーファイター。序盤は持ち味のフットワークが冴え,非常に良い動きを見せた。左ジャブ,ワンツー,左アッパーなど先に手を出して流れを掴みかけた。しかしボディを打たれて動きが止まり,チャーリーが得意とする接近戦に持ち込まれた。

5回までの採点 太田 丸元
主審:福地勇治 *** ***
副審:土屋末広 50 45
副審:浦谷信彰 50 45
副審:浅尾和信 50 45
参考:MAOMIE 49 47


     ○太田:18戦16勝(11KO)1敗1分
     ●丸元:39戦28勝(15KO)10敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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                    2011年1月8日(土)    後楽園ホール
                           8回戦
               日本S・ウェルター級3位        日本S・ウェルター級4位
             ○   湯場忠志    判 定    細川貴之   ●
                 (都城レオスポーツ) 153 3/4 lbs          (六島) 153 1/2 lbs

 サウスポー同士の対戦。細川は右ジャブ,左ストレートで積極的なところを見せるが,湯場は左ストレート,アッパーでボディを狙ってプレッシャーをかける。
 4回,細川は動きながら左ストレート,アッパーを見舞ってうまく戦う。湯場はやや攻め倦む場面を見せた。
 5回にも細川が右ジャブで先手を取っていい動きになるが,湯場は左ストレートでボディを攻める。左ストレートから細川をロープに詰めた湯場はさらに左ストレートでのけぞらせた。
 7回,細川は苦しくなるが,左右フックで攻め込む。しかし,湯場は細川が入るところを見逃さず,左アッパーを突き上げた。8回,左右フックのボディブローで必死に食い下がる細川だが,後半は湯場の左ストレート,ボディへの左アッパーに再び苦しい戦いを強いられた。

 次期挑戦者決定戦の色合いを持つ一戦。湯場が細川を破り,東洋太平洋&日本の二冠王者・チャーリー太田(八王子中屋)への再挑戦を決定的なものにした。しかしスピードもパンチの切れも今一つで,本人も認めたように調整不足が窺えた。左アッパーのボディブローで細川の動きを止めたのはさすがだが,自信を深めているチャーリーに対するには不十分な試合内容である。
 細川はサウスポーのファイタータイプ。右ジャブ,左ストレートで先手を取っているときは良い動きを見せた。これで湯場に手を焼かせる場面もあったが,ボディブローで動きを止められたことが響いた。

採点結果 湯場 細川
主審:杉山利夫 *** ***
副審:浦谷信彰 77 75
副審:ビニー・マーチン 79 75
副審:福地勇治 77 75
参考:MAOMIE 78 75


     ○湯場:46戦38勝(28KO)6敗2分
     ●細川:28戦17勝(4KO)8敗3分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:辻岡義堂

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                     2011年1月22日(土)    メキシコ:アレナ・ネッサ
                    WBC女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級1位)
              ○   アナ・マリア・トーレス    判 定    山口直子   ●
                       (メキシコ) 114 3/4 lbs             (白井・具志堅) 114 3/4 lbs
                                      女子東洋太平洋S・フライ級チャンピオン

 初回から左ジャブ,ワンツーの応酬になった。終盤,トーレスのワンツーがクリーンヒット。
 トーレスは3回に鼻から出血するが,4回以降は山口の攻撃のタイミングを巧みに外し,ワンツー,左フックを返して着実にポイントをゲットした。
 6回,前半は左右アッパーのボディブロー,左フックで優位に立つ山口だが,終盤は逆にトレースが冷静に動きを見極めてトーレスがコツコツとパンチを返す。
 この試合唯一のダウンシーンが見られたのは8回。山口は果敢に攻めるが,終了間際に右ストレートでひるんだところに連打からの右ストレートを打ち下ろされ,右ひざをついて痛恨のダウンを喫した(カウント8)。
 9回,山口は上体を振って追うが,トーレスが下がりながら巧みに左ジャブ,ワンツーを決める。さらに山口の隙を突くようにロープに詰めて連打を浴びせた。
 10回,山口は左ジャブ,ワンツーを飛ばして最後まで果敢に攻める。終了間際にはトーレスをロープに押し込んで意地を見せた。

 敵地で世界タイトル奪取に燃えた山口。終始果敢に攻めたが,トーレスの技巧に屈し,結果的に完敗となった。上体を揺すりながら左ジャブ,ワンツーを多用してテンポ良く攻めるなどの詰め方は見事だったが,打ち終わりにパンチを返されてポイントを失ったことが敗因。右ファイタータイプ。
 ト−レスは8度目の防衛に成功。右ボクサーファイターでワンツー,左フックを得意としている。下がりながら山口の出方を良く見て,隙を突くようにリーチを生かした右ストレート,左フックを浴びせた。ラウンドの前半に山口に攻め込まれても,後半には打ち返してチャラにする老獪さがある。鼻血に苦しみながらも主導権を譲らない気持ちの強さも一級品。

採点結果 トーレス 山口
主審:レン・コイビスト(カナダ) *** ***
副審:ホセ・コビアン(メキシコ) 100 89
副審:フランク・ジェンティル(米国) 100 89
副審:ダビッド・ビロセロコウェク(カナダ) 98 91
参考:MAOMIE 98 91


     ○トーレス:29戦24勝(14KO)3敗2分
     ●山口:10戦8勝(8KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英     ゲスト:山口直子
     実況:田野和彦

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                      2011年1月31日(月)    有明コロシアム
                    WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T K O   挑戦者(同級4位)
                ○   内山高志    8回終了    三浦隆司   ●
                       (ワタナベ) 130 lbs                (横浜光) 130 lbs

 序盤から鋭い左ジャブを多用する内山が主導権を握った。左ジャブ,右ストレートに攻め倦む三浦。
 しかし,3回に波乱が起きた。内山はバッティングで右目上をカット。なかなか攻められない三浦だが,一瞬の隙を突いた左ストレートが抜群のタイミングでヒットし,内山は腰から落ちて不覚のダウン(カウント8)。攻勢に出た三浦に内山が応じ,激しい打ち合いになった。
 ダウンを奪われた内山だが,4回以降は再び主導権を握る。正面からの打ち合いを避け,左ジャブを多用してスピード重視の組立てを図る内山。三浦はうるさい左ジャブに攻撃の糸口が見出せない。終盤,三浦をロープに詰めた内山は右ストレートを浴びせる。3・4回続けて,三浦は戻るべきコーナーを間違えた。
 5回,左ストレート,右フックで内山をたじろがせた三浦だが,後が続かない。
 6回に入ると鋭い左ジャブで三浦の右目上が腫れ始めた。8回,右目が完全にふさがる三浦。内山の左ジャブがさらに数を増す。視界が思うように確保できないのか,三浦の右フックは再三空を切った。右目の視力を失った三浦が8回終了後のインターバル中に棄権を申し入れ,ここで試合がストップされた。

 ダウンを跳ね返した内山がTKOで3度目の防衛に成功した。3回に不覚のダウンを喫したが,それ以外は左ジャブで終始コントロールした。一発がある三浦との正面衝突を避け,距離を保ってスピーディな左ジャブ,フック,右ストレートを多用したことが勝因。先手を取られるとパンチが出ない三浦の弱点を見透かしたようなうまいボクシングであり,豪快に仕留めた2度の防衛戦とは違う一面を見せた。低いガードからパンチがスムーズに出る面はあるが,不用意な被弾が致命傷にならぬように注意を怠らないことが大事。
 健闘した三浦だが,内山の左ジャブに出足を止められ,攻め倦むところを打たれるという悪循環に陥った。内山の強打よりも技巧に封じられたという印象が強い。上体を左右に揺するなど左ジャブへの対策を練っていたことが窺えるが,先に手を出して内山が手を出しにくい状況を作るには至らなかった。

7回までの採点 内山 三浦
主審:島川威 *** ***
副審:浅尾和信 78 73
副審:原田武夫 78 73
副審:ラファエル・ラモス(米国) 77 74
参考:MAOMIE 78 73

     ○内山:17戦17勝(14KO)
     ●三浦:24戦20勝(16KO)2敗2分

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&徳山昌守&西岡利晃
     ゲスト:陣内孝則
     実況:斉藤一也

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                    2011年1月31日(月)    有明コロシアム
                  WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級6位)         チャンピオン
                ○   下田昭文   判 定   李 冽理   ●
                        (帝拳) 122 lbs           (横浜光) 121 1/2 lbs

 下田が開始早々から気合十分の表情で積極的に出る。左ストレートを見舞われた李は再三バランスを崩す。2回,李が右を振るところに左ストレートのボディブローから右フックをヒットする下田。
 3回,最初の山場が訪れた。50秒,右のフェイントから踏み込んで放った左ストレートのカウンターが決まり,李は腰から落ちてダウン(カウント8)。攻勢に出る下田。李が中途半端な出方をするところに再び左ストレートがカウンターになった。しかし終了間際,下田が回り込むところに李の右ストレートがヒット。正面に立ったところにもらった下田は思わず腰から落ちて逆転のダウンを喫した。
 4回,下田はバッティングで右目上をカットするが,積極的な攻撃で試合の主導権を握った。5回終盤,左アッパーに合わせた下田の左ストレートがカウンターになり,李は膝から落ちてダウン(カウント8)。
 7回は李。右ストレートから返した左フックがアゴを捉え,下田の腰が落ちた。
 激しい打ち合いが続くが,8回,下田は右フックでこの試合3度目のダウンを奪った。
 9回,右に回り込んで左ストレート,アッパーをボディに見舞う下田は,苦しくなる終盤に手数を増して豊富な練習量を証明した。上下に左ストレートをヒットし,さらに接近戦で左右アッパーのボディブローを打つ。
 終盤の李は左フック,ワンツーで応戦するが,下田の優位は動かない。11回,下田はウィービング,ダッキングを使いながら回り込み,左右のボディブローから左ストレート,右フックを浴びせる。
 12回,やや打ち疲れが見える下田だが,それをカバーするように体を寄せて左右アッパーでボディを連打。李も応戦して王者の意地を見せるが,下田が手数で遥かに上回った。

 ダウンの応酬という激しい打撃戦で,手に汗握る熱戦である。
 初挑戦でタイトルを奪った下田はサウスポーのボクサーファイター。足が良く動き,最後まで先手で攻め続けたことが勝因。踏み込んで打ったり,打ち終わりに合わせたりという左ストレートが冴え,李が手を出しにくい状況を作ったことが有利に作用した。従来は終盤にややスローダウンする傾向が見られたが,今夜は最後まで手が止まらなかった。これは大きな進歩だろう。カッとなって自分のボクシングを忘れる面があったが,これも改善されたようである。発言内容も大人になり,今後さらに飛躍が期待される。
 李は初防衛に失敗。下田に攻め込まれ,後手に回ってしまったことが敗因。タイトルを奪取したプンサワット・クラティンデンジム(タイ)戦のように足で撹乱し,出バナに左ジャブ,ワンツーを浴びせていればと悔やまれる。

採点結果 下田
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:島川威 118 109
副審:原田武夫 115 111
副審:ビニー・マーチン 118 109
参考:MAOMIE 119 108

     ○下田:26戦23勝(10KO)2敗1分
     ●李:20戦17勝(8KO)2敗1分

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&徳山昌守&西岡利晃
     ゲスト:陣内孝則
     実況:島田弘久

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