熱戦譜〜2010年11月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.11.02  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 マルコム・ツニャカオ  TKO5R  本田秀伸
2010.11.06  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ジョネル・アリビオ  KO6R  松田直樹
2010.11.06  東洋太平洋スーパーライト級
 タイトルマッチ12回戦
 佐々木基樹  KO7R  ゲイスラー・AP
2010.11.06 8回戦  五十嵐俊幸  判定  アルマンド・サントス
2010.11.06 8回戦  カルロス・リナレス  KO1R  ヤント・シマモラ
2010.11.08  日本フェザー級
 王座決定10回戦
 細野 悟  判定  梅津宏治
2010.11.20 10回戦  大場浩平  判定  中岸風太
2010.11.20 8回戦  飯田将成  TKO1R  アディテップ・デッチウェット
2010.11.20 4回戦  児玉善徳  判定  山岡和生
10 2010.11.26  WBC世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 長谷川穂積  判定  ファン・カルロス・ブルゴス
11 2010.11.26  WBC世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 粟生隆寛  判定  ビタリ・タイベルト
12 2010.11.26 8回戦  大橋弘政  判定  越智大輔
13 2010.11.26 8回戦  カルロス・クァドゥラス  KO1R  サクチャイ・ソータナピニョ

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                        2010年11月2日(火)    神戸文化ホール
                       東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級10位)
              ○   マルコム・ツニャカオ   5回1分28秒    本田秀伸   ●
                      (真正) 117 3/4 lbs                    (グリーンツダ) 117 3/4 lbs
                         WBA13位,WBC8位

 キャリア豊富なベテランのサウスポー同士の対戦。サークリングしながら,互いに右ジャブでの探り合いから立ち上がる。後半,本田の右フックが決まる。ツニャカオが左ストレート,右フックで応戦し,両者のテンポが上がる。終了間際,左ストレートをボディにヒットするツニャカオ。
 スピードで勝るツニャカオが主導権を握った。2回,右フックを受けた本田は足がもつれてピンチ。攻勢に出るツニャカオの大きな左ストレートがヒット。さらに終了間際にも左ストレートが決まり,本田はロープを背負った。
 さらにプレッシャーを強めたツニャカオは3回,左ストレートのカウンターから右フックで本田をぐらつかせた。ロープからコーナーに本田を追って攻勢に出るツニャカオ。終了間際,本田が打って出ようとするところを捉え,左ストレートのカウンターを見舞う。
 4回に入ると本田の動きも良くなったが,5回,ツニャカオの右フックを顔面に受けて腰が落ちる。このチャンスにツニャカオは右アッパー,ワンツーで一気の集中攻撃。本田がロープに腰を落としたところで宮崎主審が試合をストップした。

 元世界王者ツニャカオがスピードの差を見せつけ,見事なTKOで2度目の防衛に成功した。サウスポーのボクサーファイターで,スピードと老獪なテクニックに定評がある。本田の攻撃を柔軟な上体を生かしたスウェイバック,ブロックでかわし,左ストレート,右フックを浴びせてリードした。チャンスの詰めも見事で,まだまだ世界に通用することを自ら証明した。
 本田はサウスポーのテクニシャン。積極的な攻撃が光ったが,スピードのあるツニャカオにかわされた。出ていくタイミングを読まれてしまったことが響いた。

     主審:宮崎久利,副審:葛城明彦&山田一公&野田昌宏
     ○ツニャカオ:32戦27勝(16KO)2敗3分     ●本田:41戦33勝(15KO)8敗
     放送:BS日テレ     解説:六車卓也     ゲスト:山中慎介     実況:寺島淳司

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                        2010年11月6日(土)    後楽園ホール
                       東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級11位)    T   K  O     チャンピオン
              ○   ジョネル・アリビオ    6回0分55秒    松田直樹   ●
                       (比国) 125 3/4 lbs                     (帝拳) 125 3/4 lbs
                                                       WBA11位,WBC8位

 幸先の良いスタートを切ったのは松田。初回,右フック,アッパーをアリビオのボディに見舞う。中盤,左ジャブにかぶせた右クロスが決まり,ガクンと膝が落ちたアリビオは抱きついてピンチを逃れる。しかし松田はバッティングで左目上をカットするハンデを負った。
 2回,出血を気にしてか慎重になる松田。アリビオは打ち合いに出る。左右アッパーのボディブローで応戦する松田だが,不用意に下がったところに右ストレートを受け,思わず右グラブでキャンバスに触れてしまう。ボカレ主審はダウンを宣告し,カウント8を取った。
 3回,右ストレート,左フックを振って強引に攻め込むアリビオ。松田の右クロスがテンプルに決まり,アリビオの膝がガクンと落ちる。辛うじて踏み止まるが,ボカレ主審はダウンを宣告した。アリビオは後頭部にパンチを打って減点された。
 5回終了間際,松田はアリビオの思い切った右ストレート,左フックで大きくのけぞる。
 6回,左目上の傷で消極的になる松田。アリビオは左ジャブを突きながらチャンスを窺う。踏み込んで放った右ロングフックをまともに食った松田はロープを背にする。一気に出るアリビオ。足がもつれた松田は必死に体を預けて前に出るが,右ストレートに次ぐ左フックでキャンバスに落下。カウントの途中にタオルが投入された。強打を浴びて精魂尽きたように深々と沈んだ松田は担架で搬出された。

 松田は2度目の防衛に失敗。初回に左目上をカットし,中途半端な出方になったところに強打を浴びてしまった。左ジャブが出ず,アリビオが出てくるところにパンチを合わせようとする意識が強くなったと言える。左ジャブを多用し,先手でコントロールしていれば簡単に負ける相手ではなかったはず。熱望していた世界挑戦を前に手痛い敗戦となったが,リマッチに期待する。
 アリビオは右アイタータイプ。体にバネがあり,これを利して右ストレート,左フックで思い切った攻撃を展開する。パンチ力も十分で,調子に乗せると恐い相手である。

     主審:ブラッド・ボカレ(豪州),副審:デルバート・ペリグリノ(比国)&葛城明彦
     ○アリビオ:28戦16勝(8KO)10敗2分     ●松田:47戦33勝(13KO)9敗4分1無効試合
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:藤田大介

※ 第3ラウンド,後頭部への加撃によりアリビオは減点1。

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                         2010年11月6日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン      T   K  O    挑戦者(同級12位)
              ○   佐々木基樹    7回1分07秒    ゲイスラー・AP   ●
                     (帝拳) 139 1/4 lbs                      (インドネシア) 139 3/4 lbs
                           WBC15位                     ゲイスラー・AP=ゲイスラー・アップ   インドネシア ライト級チャンピオン

 慎重な滑り出しを見せる佐々木に対し,ゲイスラーは鋭い左ジャブから右ストレート。さらに佐々木の入り際に右アッパーを合わせる。
 3回,佐々木は左フックをヒット。さらにプレッシャーをかけ,ニュートラルコーナーに追い込んで右ストレートからボディに左アッパーを打ち込む。
 4回,右ストレートの打ち終わりに右フックをカウンターされた佐々木は腰を落としてピンチ。ゲイスラーは右ストレート,アッパーを狙う。しかし,6回,佐々木はボディブローでプレッシャーをかけ,活路を見出した。ゲイスラーはボディブローを嫌い,やや消極的になる。
 7回,佐々木がワンパンチで試合を決めた。開始早々の左アッパーのボディブローで上体を折り曲げたゲイスラーは苦悶の表情。ここでペリグリノ主審が割って入る。ダウンの宣告かと思われたが,そのまま再開。中途半端なレフェリングは誤解を招いた。しかし,試合の流れは変わらない。右ストレートでぐらつくゲイスラー。果敢に打ち返すが,ガラ空きになったアゴに佐々木の左フック一閃。痛烈なカウンターを喫したゲイスラーはたまらずその場に崩れ落ち,四つん這いのままカウントアウトされた。

 佐々木,豪快なワンパンチKOで初防衛に成功。ゲイスラーの鋭いパンチに手を焼く場面もあったが,ボディ打ちで流れを引き寄せた。序盤を慎重に戦ったが,早い段階からボディを攻めていれば,もう少し楽な展開になっていただろう。
 ゲイスラーはアマ,プロを通じて初黒星。アップライトスタイルから鋭い左ジャブ,右ストレートを飛ばす右ボクサータイプ。相手の入り際に合わせる右アッパーは警戒すべきパンチである。ただし,ボディを攻められると消極的になった。これが弱点だろう。パンチを打つときにアゴが上がる欠点がある。

     主審:デルバート・ペリグリノ(比国),副審:ロッキー・ジョー(インドネシア)&ビニー・マーチン
     ○佐々木:44戦35勝(22KO)8敗1分     ●ゲイスラー:6戦5勝(3KO)1敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:高橋雄一

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                       2010年11月6日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                    WBC世界フライ級14位        メキシコ フライ級(ノーランク)
                ○   五十嵐俊幸    判 定    アルマンド・サントス   ●
                        (帝拳) 114 3/4 lbs               (メキシコ) 114 1/4 lbs

 序盤から五十嵐のペースで試合が進んだ。右ジャブからスピードに乗った左ストレートをボディに。終了間際,サントスもニュートラルコーナーで連打を回転させてスピーディなところを見せるが,五十嵐は冷静に見切った。
 2回,五十嵐の左ストレートがカウンターになり,サントスはぐらついてロープに詰まる。五十嵐はここで連打をまとめるが,バッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける。サントスも応戦するが,鼻から出血を見る。
 スピードに乗る五十嵐は3回,右にに回り込んで左フックを浴びせる。サントスも五十嵐をロープに追い込んでパンチをまとめるが,五十嵐は逆にロープに詰めて左ストレート,ボディへの左右アッパーを見舞う。
 6回,五十嵐は接近して左右アッパーをボディに連打。7回には右に回り込みながら右ジャブを多用する。五十嵐は左アッパーから右フック。さらに左ストレートのカウンターをヒットして優勢。終盤,左アッパーのボディブローでサントスは動きが止まり,クリンチに出た。ロープに詰めて攻勢に出る五十嵐。
 8回,左アッパーのボディブローで上体を折るサントス。左ストレートでサントスの口元からマウスピースがこぼれた。果敢に応戦するが,最後まで五十嵐のフットワークと右ジャブが冴える。

 五十嵐がアマチュア経験豊富なメキシカンに快勝した。右ジャブに加え,左ストレートのカウンター,ボディへの左右アッパーが見事。何よりも攻めの姿勢を通しているのが良いところ。アテネ五輪代表と言う十分過ぎる実績の割には地味な存在に甘んじているが,来年が勝負の年になるだろう。
 サントスはスピーディな右ボクサーファイター。ワンツー,左右フックが良く回転する。果敢に応戦していたが,五十嵐の右ジャブが出ると入れなくなり,攻め倦むところにパンチを浴びる場面が目立った。

採点結果 五十嵐 サントス
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:土屋末広 78 75
副審:中村勝彦 79 74
副審:葛城明彦 80 73
参考:MAOMIE 79 74


     ○五十嵐:14戦12勝(9KO)1敗1分
     ●サントス:13戦10勝(7KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:佐藤義朗

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                           2010年11月6日(土)    後楽園ホール
                                    8回戦
                  ベネズエラ ミドル級(ノーランク)   K      O   インドネシア ミドル級2位
                ○   カルロス・リナレス     1回1分00秒     ヤント・シマモラ   ●
                         (帝拳) 161 lbs                         (インドネシア) 162 3/4 lbs

 開始早々,17cmの身長差を利してリナレスが攻め込んだ。右ストレートから重量感タップリのボディ攻撃で激しく迫る。笑いを浮かべて効いていないとアピールするシマモラだが,リナレスの左右アッパーで防戦に必死の状態でバランスを崩した。テンプルに右ストレートを打ち込まれたシマモラはつんのめるようにドッとキャンバスに落下。立ち上がる意思を見せぬままカウントアウトされた。

 初の8回戦となったリナレスが豪快に試合を決めた。右ストレート,ボディへの左右アッパーは圧巻。日本ではマッチメイクが難しいが,今後はもう少し骨のある相手との手合わせが見たい。
 シマモラは右ファイタータイプ。これが3度目の来日で,昨年10月に清田祐三(フラッシュ赤羽)の東洋太平洋王座に挑戦している。身長169cmでズングリとした体躯が特徴。左右フックを武器としているが,動きは鈍重。リナレスの速攻にあえなく沈み,不甲斐なさばかりが目立った。

     主審:杉山利夫,副審:3名とも不明
     ○リナレス:8戦7勝(6KO)1敗     ●シマモラ:24戦15勝(4KO)5敗4分
     放送:G+     解説:なし     実況:佐藤義朗

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                     2010年11月8日(月)    後楽園ホール
                      日本フェザー級王座決定10回戦
                 WBA世界フェザー級14位       日本フェザー級7位
                ○   細野 悟    判 定    梅津宏治   ●
                       (大橋) 126 lbs               (ワタナベ) 126 lbs

 初回からファイター同士の激しい打合いが展開された。細野は左フック,アッパーを上下に。梅津はロープに詰めて左フック,右アッパー。2回,細野は強烈な左アッパーをボディに見舞う。さらに左アッパー,右ストレートを浴びせる。梅津も負けじと右ストレート,左フックで応戦した。
 後半に入っても激しい打合いが続く。細野は重い左ジャブを突き,右ストレート,左フックをヒット。さらにボディに左アッパーを捻じ込む。梅津も逆に細野をロープに押し込む。
 9回,細野がワンツー,ボディへの左アッパー。梅津も良く打ち返すが,ダメージの蓄積で動きが鈍る。終了間際,右フックのカウンターを受けた梅津がぐらつく。さらにワンツーを浴びせる細野。
 10回,梅津の打ち終わりを突いて右ストレート,左右フックで再三ぐらつかせた。

 火を噴くような激しい打合いで,見応え十分の白熱戦となった。細野が返上した東洋太平洋王座に続く二冠を達成した。力任せではなく,打ち終わりを突くクレバーな試合運びが光る。KOが欲しかったところだが,これは梅津の健闘を讃えるべきだろう。
 梅津は右ファイタータイプで,フィジカルの強さに定評がある。細野の強打にぐらつきながらも,倒れることだけは拒否した。終盤はダメージで動きが鈍ったが,最後まで食い下がって元日本王者のプライドを見せた。

採点結果 細野 梅津
主審:葛城明彦 *** ***
副審:浅尾和信 98 92
副審:福地勇治 99 91
副審:安部和夫 99 93
参考:MAOMIE (59) (55)


     ○細野:19戦18勝(13KO)1敗
     ●梅津:30戦16勝(7KO)11敗3分

     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重     ゲスト:李冽理
     実況:中川 聡

※ 第3・4・5・6ラウンドはハイライトのみを放送(MAOMIEの採点は完全放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                    2010年11月20日(土)    名古屋国際会議場
                              10回戦
                  WBC世界バンタム級13位      日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   大場浩平    判 定    中岸風太   ●
                      (大一スペースK) 122 lbs            (カシミ) 121 3/4 lbs

 初回,いきなり大場に突っかかる中岸。再三大場の左腕を抱え込んで左フック,アッパーを見舞う。これによって中岸は減点された。そんなことはお構いなしの中岸は大場をロープに押し込んで左右アッパーを叩きつける。
 暴れまくる中岸。リングマナーも最悪。ブレイクがかかっている最中にパンチを見舞ったり,抱え込みながら打つ,頭から突っ込むなどの反則行為を繰り返す。
 中岸のラフな攻撃に気圧されるように沈黙していた大場だが,3回,ようやく右アッパーから左フックで中岸を後退させる。4回,大場の右ストレートがヒット。さらに接近して左右アッパーをボディに連打する大場。
 6回,バランスを崩して上体がロープからはみ出た大場に頭から突っ込む中岸。故意のヘディングとされ,中岸は再び減点を食った。これにはさすがの大場もエキサイトし,中岸を抱え込んで右アッパーをボディに放ち,坂本主審から注意を植えた。大場のボディ打ちに,中岸は上体を折り曲げて耐える。
 7回に入ると大場が丹念に左ジャブを突き,ようやく自分のボクシングが見られた。大場は右アッパーからボディに左右アッパーの連打を集める。8回,バッティングで左目上をカットした大場はドクターチェックを受ける。中岸は相変わらずブレイクがかかったところにパンチを浴びせて注意を受ける。
 9回,ダメージと疲れを隠せない中岸はごまかしのボクシングが目立つようになる。大場は左ジャブ,左右アッパー。大場の左フックが効いてクリンチに出た中岸は残り時間を気にする。
 10回,頭から突っ込む中岸。大場は左右アッパーで迎撃する。もつれて絡み合うように両者が倒れ込む場面があった。

 見るべきものがなく,全く盛り上がらない凡戦。反則行為を繰り返す中岸のせいで,せっかくのメインベントはぶち壊しになってしまった。
 大場は今年7月にマルコム・ツニャカオ(真正)に敗れて以来の再起戦。しかし,中岸のラフファイトに巻き込まれ,本来の持味を出し切れなかった。頭から突っ込む中岸に対して,大きく顔をのけぞらせて無防備にロープを背負っていたが,回り込むなどの工夫が欲しかった。後半はオーバーペースで動きが鈍った中岸を攻め立てたが,褒められない試合内容である。
 中岸は変則の右ファイタータイプで,頻繁にスイッチを繰り返す。相手を抱え込んで打つ,故意のヘディング,ブレイクを無視してパンチを見舞うなどスポーツマンらしからぬ暴挙の連続で醜態を晒した責任は非常に大きい。変則戦法を履き違えていると言われても仕方ない。テレビ中継が数少なくなっている中で貴重な場を与えてもらったことに対する責任をどう考えてリングに臨んだのか。指導者ともども取り組み姿勢を厳しく問いたい。

採点結果 大場 中岸
主審:坂本相悟 *** ***
副審:村瀬正一 98 91
副審:福地勇治 97 92
副審:中村勝彦 98 91
参考:MAOMIE 98 90


     ○大場:30戦28勝(11KO)1敗1分
     ●中岸:21戦17勝(9KO)3敗1分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士&星野敬太郎
     実況:伊藤敦基

※ 中岸は第1ラウンドにホールディング,第6ラウンドにヘディングでそれぞれ減点1。

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                      2010年11月20日(土)    名古屋国際会議場
                                8回戦
                   日本ウェルター級11位  T   K   O   タイ国ウェルター級(ノーランク)
                ○   飯田将成    1回0分54秒   アディテップ・デッチウェット   ●
                      (コパン星野) 146 1/4 lbs                    (タイ) 146 3/4 lbs

 試合前の注意で堺谷主審のワイシャツのボタンが外れているのに気付いたアディテップのセコンドがボタンをかけてあげるサービス精神を見せる。堺谷主審が苦笑する場面が見られたが,試合は呆気なかった。
 飯田が最初からプレッシャーをかけ,右ストレート,左フックで脅かす。右クロスが決まる。ロープに追い込んだ飯田の左フックがアゴをかすめれば,アディテップは腰が砕けて青コーナーに後退。フォローの右ストレートを受けたアディテップは腰から落ちてダウン(カウント8)。立ち上がったアディテップに襲いかかる飯田。右アッパーで腰が落ちてロープに詰まったところに右ストレート,左フックをまとめたところで堺谷主審が試合をストップした。

 日本ランク入りを果たした飯田が鮮やかな速攻を見せた。右ストレート,左フックに右アッパーを絡めて,攻撃力は十分。思い切りの良さも目立った。やはり自信をつけたことが大きい。右ファイタータイプで右ストレート,左フックに威力がある。
 アディテップは右ボクサーファイターだが,腰高でバランスを崩しやすいことが欠点。飯田に踏み込まれ,浮足立ったところに連打を浴びた。

     主審:堺谷一志,副審:坂本相悟&石川和徳&福地勇治
     ○飯田:11戦9勝(7KO)2敗     ●アディテップ:14戦9勝(2KO)5敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:なし     実況:高田寛之

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                    2010年11月20日(土)    名古屋国際会議場
                              4回戦
                  日本S・バンタム級(ノーランク)     日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   児玉善徳    判 定    山岡和生   ●
                       (畑中) 121 1/2 lbs              (広島拳闘会) 121 lbs

 初回,山岡が小刻みな動きから左ジャブ,ストレートを出して積極的に攻める。児玉はじっくり見てこれを受け止め,山岡が出るところに左ストレートのカウンターをヒット。
 2回,右フックのカウンターでバランスを崩す山岡。児玉はここからプレッシャーを強める。前に出た瞬間に左ストレートを合わされた山岡は右膝をついてダウンを喫した(カウント8)。
 3回,児玉の右フックで再び膝を落とした山岡は踏み止まり,辛うじてダウンを免れる。勢いに乗る児玉は山岡を赤コ−ナーに詰め,左ストレート,右フックを浴びせる。
 4回,児玉のピッチが上がる。序盤の出足が消えた山岡をロープに追い込み,ワンツー,右フックで攻勢。終了間際,ニュートラルコーナーに詰めて連打でフィニッシュを狙うが,山岡も粘りを見せた。

 アマチュアの高校王者(愛知・享栄高)からプロ入りした児玉の第3戦。新人らしからぬ落ち着いた試合運びが光る。積極的に攻める山岡に動じることなく,冷静に見極めた辺りはさすがである。KOは逃したが,十分に大器の片鱗を見せた。サウスポースタイルからの左ストレート,右フックに切れがあり,将来性を感じさせる。ただし右ジャブとボディブローが出ないことが気になる点。上ばかり狙っているが,攻撃の中にボディブローを入れることでさらに幅が出るだろう。いずれにしてもタレント不足の中部ボクシング界にとって期待のホープであることは間違いない。
 山岡は右ファイタータイプで,左右フックを武器としている。小刻みな動きから積極的に攻撃を仕掛けていたが,児玉がカウンターを合わせてからは前に出られなくなった。パンチ力十分の児玉に一歩も引かず攻めの姿勢を見せたことは非常に立派である。

採点結果 児玉 山岡
主審:福地勇治 *** ***
副審:石川和徳 39 36
副審:村瀬正一 40 35
副審:中村勝彦 40 36
参考:MAOMIE 39 36


     ○児玉:3戦3勝(1KO)
     ●山岡:5戦1勝(1KO)2敗2分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士     ゲスト:田中裕士
     実況:高田寛之

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                     2010年11月26日(金)    日本ガイシホール
                      WBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                  WBC世界フェザー級2位            WBC世界フェザー級1位
               ○   長谷川穂積    判 定    ファン・カルロス・ブルゴス   ●
                       (真正) 125 3/4 lbs                 (メキシコ) 125 3/4 lbs

 序盤から長谷川が積極的に試合を進めた。持ち味の足を止め,左アッパーのボディブロー,右フックのカウンターを浴びせる。
 2回,ブルゴスをロープに詰めて左ストレートを放つ長谷川。右フックのカウンターでブルゴスがバランスを崩す。3・4回と長谷川は強気の試合運びを続ける。後半激しいパンチの応酬になるが,長谷川はカウンターの左ストレートをヒット。
 4回終了時点の公開採点の結果で劣勢を知ったブルゴスが5回に入ると長身からワンツー,左アッパーを振ってプレッシャーを強めた。長谷川は左ストレートのカウンターで応戦。左アッパーがブルゴスのアゴを捉えた。左ストレートのボディブローが効いたブルゴスが後退する場面が見られた。
 長谷川のピンチは7回。左フックをヒットしたブルゴスが攻勢に出る。死角から突き上げた左アッパーがアゴを捉えれば,長谷川は大きくバランスを崩す。チャンスと見たブルゴスは一気に攻め立て,ワンツー,上下への左右アッパーを浴びせる。長谷川も猛然と打ち返して激しい打ち合いになった。
 8回,長谷川は右目上をカットしてドクターチェックを受ける。WBCルールによりブルゴスに減点1が課せられた。血が目に入ってやりにくいのか,長谷川が打ち合いを避けて戦う場面を見せる。
 9回,右目下が腫れ上がって塞がるブルゴス。距離間が掴めずやりにくいのか,ロープ伝いに回り込んで打合いを避ける場面が目立つ。長谷川はロープに詰め,左ストレート,左右フックを浴びせる。
 11回はブルゴス。今度は長谷川が打ち合いを避け,足を使って回り込む。ブルゴスは右ストレートから左右アッパーでボディを攻める。長谷川の動きが鈍って不安を抱かせるが,終盤には左ストレートで反撃を見せた。
 12回,ブルゴスが左右アッパー,右ストレートでどんどん出てくる。長谷川は押し込まれてクリンチに出るが,後半,死力を振り絞って右フック,左ストレートでブルゴスを後退させる。

 魂のぶつかり合いとも言うべき白熱戦の末,長谷川が二階級制覇を達成した。パンチ力のあるブルゴスを相手に意表を突くような正面からの打ち合いに出た。ブルゴスにスピードがあれば倒されていたかも知れない危険な戦法だったが,足が動かなかったのではなく長谷川が見せた執念と捉えるべきだろう。左ストレートのカウンターだけでなく,左を誘いに使っての右フックのカウンターも見事。ボディへの左ストレート,アッパーもブルゴスの出足を止め,動きを鈍らせるに十分な効果があった。ただしこのクラスで防衛していくためには,スピードを生かした本来のボクシングに戻すことが必要。持ち味を殺した試合運びでは長続きしない。
 ブルゴスは174cmの長身を誇る右ファイタータイプ。長いリーチから繰り出す右ストレート,上下への左右アッパーの連打が最大の武器になっている。アゴに見舞う左アッパーは警戒すべきパンチである。無敗だけに勢いがあったが,スピードがないことが長谷川に幸いした。

採点結果 長谷川 ブルゴス
主審:ロベルト・ラミレス・ディアス(プエルトリコ) *** ***
副審:ヒューバート・ミン(米国) 116 111
副審:デュアン・フォード(米国) 117 110
副審:ジョエル・スコビー(カナダ) 117 110
参考:MAOMIE 117 110


     ○長谷川:32戦29勝(12KO)3敗
     ●ブルゴス:26戦25勝(18KO)1敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士    ゲスト:西岡利晃&上田晋也
     実況:鈴木健

8回,ブルゴスはWBCルールにより減点1。
※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない他方の選手に減点1を課す。

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                    2010年11月26日(金)    日本ガイシホール
                   WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級2位)             チャンピオン
                ○   粟生隆寛    判 定    ビタリ・タイベルト   ●
                         (帝拳) 130 lbs                (ドイツ) 129 1/2 lbs
                       WBA2位

 下がりながら打ち合いを避けて右ストレートから左フックを放つタイベルト。粟生は前に出て左ストレートから右フックでボディを攻める。
 3回,粟生が最大の見せ場を作った。ボディへの左右フックでプレッシャーをかける。リング中央でガードが下がった瞬間にカウンターの左ストレートがアゴを捉え,タイベルトは腰から落ちてダウン。チャンスと見た粟生はロープに詰め,左ストレートからボディへの左右フックで攻勢。
 4・5回はタイベルトが打ち合いを避けながら右ストレート,左フックを決めて巧みにポイントを取りに出た。
 しかし,後半戦は再び粟生が主導権を握った。6回,タイベルトは左目上をカット(粟生の有効打による傷)。7回,粟生は左ストレートでロープに追い,左から右のフックをボディに。ボディブローを嫌うタイベルト。終盤にもタイベルトを追って粟生が攻勢に出る。
 8回終盤,タイベルトの左目上の傷が広がり,ドクターチェック。9回終盤,左ストレートのカウンターでガクンと腰を落とすタイベルト。粟生は消耗したタイベルトをワンツー,左右フックでロープ際に追い込む。
 終盤のタイベルトは顔面の腫れ,鼻血で敗色濃厚となった。10回中盤には鮮やかなワンツーで腰が落ち,クリンチに出る。
 12回,タイベルトは死力を振り絞ってワンツー,左右フックを振るが,もはや力がない。逆に粟生の左ストレートがカウンターになり,膝を落としてよろめく場面が見られた。粟生はロープに詰めてショート連打を浴びせ,勝利を動かぬものにした。

 粟生が見事な勝利で二階級制覇を達成した。終始積極的に攻める姿勢を貫いたことが最大の勝因。自慢の左ストレートに加え,ボディへの左右フックもタイベルトの動きを止める十分な効果がにあった。3回にダウンを奪った後に狙ってしまって手数が減る悪い癖が出たが,これは今後の課題になる。フェザー級では初防衛戦で敗れたが,今後防衛していくためには待たずに積極的に手を出すことがポイントになるだろう。
 タイベルトは2度目の防衛に失敗。アテネ五輪フェザー級の銅メダリストで右ストレート,左フックを武器とするテクニシャンである。足を使って打ち合いを避けながら出バナにパンチを決める試合運びを見せた。ダウンを喫した次のラウンドには逆に巧打でポイントを取りに行くし姿勢が見られたが,この辺のうまさはさすがである。

採点結果 粟生 タイベルト
主審:ブルース・マクタビッシュ(ニュージーランド) *** ***
副審:デュアン・フォード(米国) 115 112
副審:金在奉(韓国) 117 112
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 116 110
参考:MAOMIE 117 110


     ○粟生:23戦20勝(9KO)2敗1分
     ●タイベルト:22戦20勝(6KO)2敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林     ゲスト:西岡利晃
     実況:田中毅

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                      2010年11月26日(金)    日本ガイシホール
                              8回戦
                   日本S・バンタム級2位       日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   大橋弘政    判 定    越智大輔   ●
                        (HEIWA) 122 lbs             (ビッグアーム) 122 lbs

 両者ともに丹念な左ジャブから立ち上がる。大橋はサークリングしながら左ジャブ,越智は右ストレートからボディへの左アッパーを見舞う。2回,小気味の良いパンチの応酬が続く。良く見て戦う越智は右フックからボディへの左アッパー。越智の左フックが再三ヒットする。終了間際,逆に大橋が右ストレートで反撃を見せた。
 3回,接近戦での打ち合いになるが,これは大橋が得意とする土俵。右に回り込んで放った右ストレートのカウンターで越智がのけぞる。左フックで回しながら左右ショートフックをまとめる大橋。
 4回,本領発揮の大橋が左ジャブを多用し,前に出てプレッシャーをかける。左フック,右ストレート,アッパーが回転する。大橋はバッティングで左目上をカットするが,左フックのヒットからパンチをまとめて完全に主導権を握った。越智も果敢に反撃するが,大橋のうまさが光る。
 7回,左に回ってボックスする大橋。左フックを決めたところから連打を回転させた。打ち返さなければストップされるとばかりに越智も応戦するが,不利の形勢は覆らない。鼻血を流しながら持ち応える越智。
 8回,越智が終盤に猛反撃を見せた。左右フックをまとめて大橋をロープ際に後退させ,見せ場を作った。

 元東洋太平洋王者・大橋が激しい打ち合いを制した。右ファイタータイプで間断ない連打を得意としている。左ジャブを多用し,接近戦で右ストレート,左右アッパーを上下にまとめる。相手が音を上げるまで打ち続けるスタミナとしつこさは脅威である。大振りせず,空いているところを選んで的確に打ち込んでいくクレバーな面も備えている。無冠にはなったが,日本ランクの上位をキープしており,いずれ再びチャンスが回ってくるだろう。タレント不足の中部ボクシング界にとっては貴重な存在である。
 越智も同型の右ファイタータイプで右ストレート,左フックを武器として果敢な打ち合いを展開する。力負けしたが,格上の大橋に一歩も引くことなく,最終回には攻勢に出てロープに詰める場面を見せた健闘は見事。

採点結果 大橋 越智
主審:杉山利夫 *** ***
副審:宮崎久利 78 74
副審:堺谷一志 78 75
副審:石川和徳 78 75
参考:MAOMIE (57) (57)


     ○大橋:35戦23勝(15KO)9敗3分
     ●越智:16戦8勝(2KO)6敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:中野謙吾

※ 第5・6ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                          2010年11月26日(金)    日本ガイシホール
                                    8回戦
                    メキシコ S・フライ級(ノーランク)   T   K  O    タイ国バンタム級(ノーランク)
                ○   カルロス・クァドゥラス    1回1分45秒    サクチャイ・ソータナピニョ   ●
                           (メキシコ) 116 lbs                          (タイ) 117 lbs

 開始早々,大きな左フックでサクチャイを脅かすクァドゥラス。攻勢を仕掛けると,サクチャイは早くも背中を見せて逃げ腰。ロープに詰めて右アッパーでのけぞらせ,左右フックを浴びせれば,サクチャイは脆くもダウン(カウント8)。さらに逃げ腰のサクチャイに襲いかかるクァドゥラス。ボディへの連打で2度目のダウン(カウント9)。再びボディへの連打でサクチャイが上体を折り曲げたところで福地主審が割って入った。

 帝拳の輸入ボクサー・クァドゥラスの圧勝。力の差があり過ぎて,今後を占うには不十分な試合である。右ストレート,左右フックに威力がある右ファイタータイプだが,ボクシングは未完成で伸びる余地が十分にある。
 サクチャイは右ボクサーファイターだが,腰高で踏み込まれると浮足立ってしまった。クァドゥラスの攻撃に背中を見せて逃げるなど,不甲斐なさが目立った。

     主審:福地勇治,副審:堺谷一志&宮崎久利&杉山利夫
     ○クァドゥラス:18戦18勝(16KO)     ●サクチャイ:16戦12勝(4KO)4敗
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

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